フェルト「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

刹那「どうだ……?」

フェルト「これは……」

刹那「……」

フェルト「美味しい……！」

刹那「……そうか。良かった」

フェルト「GN粒子がこんなに……そもそも味があったなんて」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

刹那「まだまだあるが……食べるか?」

フェルト「うん……」

フェルト「ごちそうさま……」

刹那「もういいのか……?」

フェルト「うん……充分」

刹那「デザートもあるんだが……」

フェルト「デ、デザート……?」

刹那「ああ……。GN粒子を冷凍庫で凍らせたものだ……」

フェルト「それは……アイスのようなものなの……?」

刹那「おそらく……な」

フェルト「食べて……ないの?」

刹那「ああ……俺にとっても未知の領域だ」

フェルト「……」

刹那「不安になるのも無理はない。だが、俺たちに止まることは許されない……」

フェルト「来たるべき対話……」

刹那「そうだ……」

フェルト「……」

刹那「大丈夫だ……俺も食べる」

フェルト「……わかった」

刹那「2種類あるんだが……」

フェルト「色が……違う?」

刹那「緑色はケルディムのGNドライブから作ったものだ。青色は……」

フェルト「ダブルオー……」

刹那「そうだ……。どっちにするんだ……?」

フェルト「緑色はちょっと……」

刹那「恐いか……?」

フェルト「うん……」

刹那「では、ケルディムのGNアイスは俺が頂こう……」

フェルト「GN……アイス?」

刹那「……」

フェルト「……」

フェルト「刹那……」

刹那「……なんだ?」

フェルト「いいと思う……」

刹那「そうか……」

フェルト「あ……、舌が青くなってる……」

刹那「俺は緑だ……」

フェルト「でも、美味しかったね……」

刹那「ああ……。俺の好みを狙い撃たれた気分だ……」

フェルト「……ふふ」

刹那「……どうした?」

フェルト「ちょっと……可笑しくて。刹那も冗談いうんだね」

刹那「……」

フェルト「明日も……」

刹那「……?」

フェルト「明日も……一緒にGN粒子食べていい?」

刹那「……ああ」

翌日

フェルト「おはよう、刹那……」

刹那「ああ……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「何してるの……?」

刹那「パン生地を作っている。苦手だったか……?」

フェルト「ううん、大好き……」

刹那「そうか……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「私も……やっていい?」

刹那「ああ……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「ありがとう……」ｺﾈｺﾈ

刹那「手は洗ったのか……?」ｺﾈｺﾈ

フェルト「うん……。刹那は……?」

刹那「GN石鹸で洗った……」

フェルト「そう……」

刹那「……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「……」ｺﾈｺﾈ

刹那「……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「……」

フェルト「GN……石鹸?」

フェルト「GN石鹸って……?」

刹那「GNアイスの技術を応用して作ったものだ……。今朝完成した」ｺﾈｺﾈ

フェルト「どう……だった?」

刹那「爪が……異常に綺麗になった」ｺﾈｺﾈ

フェルト「爪……」

刹那「そうだ……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「……」

フェルト「刹那、私にも……」

刹那「フェルトにGN石鹸は必要ないな……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「え……」

刹那「既に綺麗だからな……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「せ、刹那……」

刹那「手が止まっているぞ……」ｺﾈｺﾈ

フェルト「あ、うん……」ｺﾈｺﾈ

刹那「……ﾄﾗﾝｻﾞﾑｯ」ｺﾈｺﾈｺﾈｺﾈｺﾈｺﾈｺﾈｺﾈ

フェルト（凄い……）ｺﾈｺﾈ

フェルト「できたね……」

刹那「ああ……」

フェルト「ここからどうするの……?」

刹那「焼くだけだ……」

フェルト「膨らむかな……?」

刹那「心配ない……大丈夫だ」
フェルト「本当……?」

刹那「ああ……。GN酵母を入れたからな……」

フェルト「GN……酵母?」

刹那「一年前のGN粒子だ……」

フェルト「そう……」

数十分後

フェルト「膨らんだね……」

刹那「ああ……上出来だ」

フェルト「刹那から食べてみて……」

刹那「了解した……」ﾊﾟｸｯ

刹那「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

フェルト「どう……?」

刹那「味が……しない。いや、不味いといってもいい」

フェルト「え……?」

刹那「何故だ……何故味がない……?」

フェルト「砂糖は……いれた?」

刹那「ああ……。GN砂糖ではなく、一般的な砂糖だがな……」

フェルト「それが原因かも……牛乳は?」

刹那「砂糖と同様だ……」

フェルト「やっぱり……」

フェルト「食感は……どう?」

刹那「……GNGNしていて、悪くない」

フェルト「課題は味だけ……だね」

刹那「みたいだな……」

フェルト「美味しい……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

刹那「やはり原因はGN粒子を使った素材で統一していなかったことだったか……」

フェルト「うん……。刹那も食べたら……?」

刹那「そうさせて貰う……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

フェルト「美味しい……?」

刹那「ああ……。苦労したかいがあった」

フェルト「GN砂糖とGN牛乳……どうやって作ったの……?」

刹那「対話をしただけだ……」

フェルト「対話……」

刹那「次は惣菜パンに挑戦してみたいんだが……」

フェルト「私も……手伝う」

刹那「頼む……」

数日後

フェルト「刹那……」

刹那「フェルトか……」

フェルト「何を作るか決まった……?」

刹那「ああ……。カレーパンを作ろうと思う」

フェルト「カレーパン……」

刹那「作り方はわかっている……。GN粒子生地で包んで揚げるだけだ……」

フェルト「そんなに簡単なの……?」

刹那「ああ……。但し、GN粒子はアリオスのGNドライブから生成されたものでなくてはならない……」

フェルト「カレー……だから?」

刹那「そういうことだ……」

数十分後

刹那「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

フェルト「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

刹那「美味いが……」

フェルト「何か足りないね……。コクはあるけど……」

刹那「一体何が……」

フェルト「辛さ……かな?」

刹那「辛さか……。くっ……」

フェルト「刹那……?」

刹那「やはり神はいない……か……」

フェルト「どうしたの……?」

刹那「すまない、フェルト。いまの俺に辛さとコクを兼ね備えたカレーパンを作ることはできない……」

フェルト「え……」

刹那「辛さを再現するには、疑似太陽炉のGN粒子が必要なんだ……」

フェルト「そうなんだ……」

刹那「すまない……」

ﾄﾞｰﾝ ｽﾞｶﾞｰﾝ

フェルト「きゃっ……！?」

刹那「この揺れ……戦闘が始まったのか……?」

フェルト「多分……」

刹那「まさか……アロウズか?」

フェルト「……！」

刹那「カレーパン……いや、GNカレーパンが作れる……！」

フェルト「刹那……！」

刹那「すぐ戻る……。これでも食べて待っていろ……」ｽｯ

フェルト「これは……?」

刹那「GNボールだ。GN粒子をチョコでコーティングしている」

フェルト「ありがとう……早く帰ってきてね……?」

刹那「ああ……」

数分後

フェルト「刹那……！」

刹那「生地の準備はできているか……?」

フェルト「じゃあ……」

刹那「ああ、手に入れた……。疑似太陽炉のGN粒子だ……」

フェルト「真っ赤だね……」

刹那「ああ……。早速調理に取りかかる。手伝ってくれ……」
フェルト「うん……」

数十分後

刹那「これが……真のGNカレーパン……」

フェルト「見た目は変わらないけど……」

刹那「味は全然違うはずだ……」

フェルト「刹那……一緒に食べよ?」

刹那「ああ、そうだな……」

刹那「……」ﾊﾟｸｯ

フェルト「……」ﾊﾟｸｯ

刹那「こ、これは……」

刹那（なんだ、この感覚……俺の鼻、喉、ｲﾁﾓﾂ……ありとあらゆるものが雄弁に語りかけてくる……）

刹那「これがイオリア計画の真の目的だというのか……」

GNｲﾁﾓﾂ『ｾﾂﾅ……ｾﾂﾅ……ﾄﾗﾝｻﾞﾑｯ……』

刹那「起きるな……。寝ていろ……」

フェルト「うっ……」ﾊﾞﾀｯ

刹那「フェルト……?」

フェルト「……」

刹那「フェルト・グレイス……！」

刹那「目を覚ませ、フェルト・グレイス……！」

フェルト「……」

刹那「くっ、疑似太陽炉のGN粒子をいれたからなのか……?」

刹那「アロウズめ……！」

フェルト「……」

刹那「すまないフェルト……、すまない……」

?「その娘を助けたい?刹那……」

刹那「誰だ……！?」

マリア「私よ、刹那……」

刹那「お前は……！」

刹那「なぜお前がここにいる……?」

マリナ「彼女が呼んだから……」

刹那「なに……?」

マリナ「箱をみてみて……」

刹那「箱……?」

刹那「……！ これは……あの、伝説の……」

マリナ「そう、彼女は引き当てた」

刹那「GNボールのレアなオマケ、金のマリナ……！」

金のマリナ「良かったわね、銀じゃなくて……」

刹那「これは現実なのか……」
金のマリナ「私は一つだけ願いを叶えられる……。さあ刹那、願いを……」

刹那「俺の願いは……」

数年後

刹那「いらっしゃいませ……」

フェルト「ダメ……もっと愛想よくしなきゃ、お客さんが来てくれない……」

刹那「手本を見せてくれ……」

フェルト「いらっしゃいませ……」

刹那「……俺と一緒だ」

フェルト「う……」

刹那「まあいい……。パンが美味ければ客はくる……」

フェルト「うん……」

刹那「さあ、GNパン屋の開店だ……」


END

終わりです……読んでくれてありがとう……

シーブックENDか
GN乙

GNｲｲﾊﾅｼﾀﾞﾅｰ