1: 2012/10/21(日) 19:45:44.14
黒井「47都道府県に配置されたアイドル達を率いて全国を統一し、日本一のプロダクションを目指しましょうだぁ?」

黒井「よもやこのような戦略シミュレーションゲームまで出してくるとはな」

黒井「フン。765プロの連中も、なかなか興味深いものを……」

黒井「だがぁ!この私がそう簡単に食指を伸ばすと思ったら、大間違いだぞ高木ィ!」





ピッ

店員「こちら、一点で9370円になります」

黒井「た、高い!高すぎるぞっ!」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1350816344

2: 2012/10/21(日) 19:47:40.77
店員「ありあしたー」

ウィーン



黒井「ふ、フン!ま、まぁ、いいじゃないか……」

黒井「グッズ研究が目的であれば、この程度の端金など……」プルプル

黒井「だが、だがもし、この私を満足させられぬレベルの代物であったならば……フフフ」

黒井「高木よ!私の審判が下されるその時を、首を洗って待っているがいい!ハハハハハ!!」



「ママー、なんかすっごく笑ってる人がいるよー!」

「目を合わせちゃだめよ、愛」

3: 2012/10/21(日) 19:50:10.75
~黒井宅~

黒井「フフフフ……さて、早速インストール作業にとりかからねば……」カパッ

黒井「二枚組のCDか。ふむ」カチャカチャ

黒井「インストール用のディスクと……もう片方は何だ?」

黒井「まぁいい。インストールが先だ」ヴィィィィン



小鳥『この度はアイドルの野望~全国版~をお買い上げいただき、誠にありがとうございまーす♪』

小鳥『付属のPKディスクもご一緒に取り込んでいただくと、より一層本品をお楽しみいただけます♪』

黒井「……なるほど。こっちは追加要素の詰まったディスク……」

黒井「無駄に高かったのはそういう訳か。765プロらしく、阿漕な真似をしてくれる……」

5: 2012/10/21(日) 19:54:56.14
黒井「しかし最初から追加要素を取り込むというのは、私としては興が削がれるというもの」

黒井「まずはこのままで始めてみるとするか……」カチカチ



小鳥『――年。765プロのプロデューサーさんは、ハ――』

黒井「省略だ。高木の犬の末路になど、興味は無い」カチカチ



小鳥『――さんのいない日本で、残された765プロのアイドル達は、それぞれ独自の道を歩み始めたのでした』

黒井「ほほう。志高くプロダクションを立ち上げる者もいれば、フリーになる者も、か」

黒井「ゲームに対して、現実的な指摘は止すべきかな?フフフ……」

黒井「ふむ……まずは所属するプロダクションを選べ、と……」カチカチ

6: 2012/10/21(日) 19:57:16.91
黒井「フフフ……愚問も愚問。我が961プロはもちろん、常勝不敗をもって是としている」

黒井「……が、それはリアルでの話だ。それはそれ、これはこれ」

黒井「このゲームでは最低最弱(と思われる)プロダクションに、この私、黒井崇男が所属してやろうではないか!」

黒井「そう!言うなれば、これは黒井流ジャイアント・キリングなのだよ!……分かるかね、君ィ?」


シーン


黒井「フフフフ……さぁ、我が立志伝の幕開けと行こうか!」カチッ



高木『ティンと来た!(ロード中)』

黒井「!た、高木ィ!貴様ァ、よくも私の門出をォォォォォッ!!」

7: 2012/10/21(日) 19:58:55.54
キンコンキンコーン

やよい『うっうー!841プロの番でーす』

黒井「さて、まずは全国地図を呼び出して、状況の確認を……」カチッ


沖縄エリア:なし
九州エリア:なし
中国エリア:なし
四国エリア:なし
阪神エリア:なし
近畿エリア:なし
東海エリア:37000プロ
甲信エリア:841プロ
北陸エリア:なし
関東エリア:876プロ
東北エリア:なし
北海道エリア:FTMプロ


黒井「……す……」

黒井「少なすぎるっ!」バンッ

8: 2012/10/21(日) 20:00:54.22
黒井「この近畿より西の手抜きっぷりは何なんだ!?……空白地を埋めていけとでも言うのか!?」

黒井「………」



黒井「……し、しかし、これはまだ始まったばかりだからな」

黒井「日本全国を舞台とするからには、人材も恐らく豊富……」カチカチ



黒井「……未所属アイドルを含めて……じゅ、10人、だと……!?」

黒井「………」

黒井「ふ、ふざけるなよ高木ィィィィィィ!!!」バンッ

黒井「もはや戦略シミュレーションとして成立していないではないか!」

黒井「そもそも何故12のエリアで分けながら、支配地を県別にしているのだ!?」

黒井「47都道府県だぞ!たったの10人でそれを分かち合えと!?」

9: 2012/10/21(日) 20:03:40.45
ファファファーン

小鳥『フリーで活動中だった菊地真ちゃんが神奈川県で旗揚げし、MKTプロダクションを設立しました』

小鳥『所属アイドルとして、同じくフリーの萩原雪歩ちゃんが追従した模様です』



黒井「……とりあえず自動経過モードで3年経たせたが、全くアイドルが増える気配はない」

黒井「むしろ逆だ。三浦あずさなどに至っては、この3年で早々に都合を付けて引退してしまう始末……」

黒井「大体このCPUのやる気の無さは何だ!?営業で収入を得るばかりで、支配地を増やそうともしないとは!」

黒井「……この調子では、所属するアイドルが勝手に引退するまで、いわば寿命との勝負……」

黒井「初っ端からこんな展開のどこが面白いと言うのだ!私をバカにしているのかっ!?」バンッ



黒井「ゼェ、ゼェ……まったく……」

黒井「もういい。このPKディスクとやらを使わせてもらう」スッ

11: 2012/10/21(日) 20:08:04.36
小鳥『……インストールが完了しました♪』

小鳥『PKディスクに収録されている追加要素は、以下の通りでーす♪』


・CPUを超絶強化!ガンガン他所の事務所を攻めちゃいます!
・かねてより要望のあった、参戦アイドルの人数を大幅に追加!隠しキャラクターも!?
・Vi、Da、Voを新しくランク分け!三すくみの関係に!
・特定の組み合わせで遠征すると、キャラ性能がアップするようになりました!
・新戦略!?行動力、野望値、ファン数と営業収入を左右する魅力ランクなど、新しいパラメータが続々登場!
・ワンチャンあるで!再行動を可能にする夢のアイテム「スタミナドリンク」追加!
・自分だけのプロデューサーを作って参戦しよう!待望のP・クリエイトモード実装!
・あの娘のマスクデータ、全部見せちゃいます!アイドルエディット機能も搭載!
・その他、特殊な条件下で見られるエンディングも……!?

※音無小鳥さんの実装、及び結婚イベントは
 予算の都合により見送られました。ご了承下さい。


黒井「……もはや、全く違うゲームだな」

黒井「クソゲー仕様のものを先に売り、ファンの要望を建前に、後から完全版を世に送り出すとは」

黒井「765プロめ、なかなか阿漕なことをするじゃあないか……!」

12: 2012/10/21(日) 20:11:35.71
黒井「さて……まずは早速、P・クリエイトモードで私の分身を作ってみるか」カチカチ



黒井「バストアップ画像を添付、と……まぁ、こんなものか」

ピッ

黒井「むっ、パラメータの振り分けはランダムか。魅力ランクB-、野望値100だと?」

黒井「フッ……まぁいい、この位で妥協してやろう。トライ&リセットは私の趣味ではない」



黒井「フフフ……やはりこの私自らの手で、全国を統一してやらなければなるまい!」カチカチ

小鳥『プレイヤーさんは黒井P、841プロ所属で始めます。頑張ってくださいね!』

14: 2012/10/21(日) 20:14:12.65
沖縄エリア:GNHプロ(本拠地)
九州エリア:GNHプロ、のヮのプロ
中国エリア:のヮのプロ
四国エリア:のヮのプロ
阪神エリア:のヮのプロ(本拠地)
近畿エリア:四条プロ(本拠地)、のヮのプロ、37000プロ
東海エリア:37000プロ(本拠地)
甲信エリア:841プロ(本拠地)
北陸エリア:四条プロ、1054プロ
関東エリア:876プロ(本拠地)
東北エリア:1054プロ(本拠地)、FTMプロ
北海道エリア:FTMプロ(本拠地)


黒井「……前のバージョンとは随分見違えたな」

黒井「のヮのプロ、次いで37000、四条……と言った所か」

15: 2012/10/21(日) 20:16:43.80
キンコンキンコーン

やよい『うっうー!プロデューサー、おはようございまーす!』

黒井「最初のプレイの時も思ったが……この娘を社長に据えるとは、思い切った事をしたな」

律子『社長秘書兼アイドルの秋月律子です。よろしくお願いします』

黒井「む?……誰かと思えば、竜宮小町のプロデューサーではないか」

黒井「以前のバージョンでは、そもそもいなかったような気がするが……」

律子『まずプレイ開始から最初の週ですので、私がチュートリアル説明を行います』

律子『新しく実装されたパラメータについて、説明は必要ですか?』

黒井「必要ない。私はいつだって身体で覚えるタイプだ」カチカチ

律子『37000(みなせ)プロとは同盟関係にあります。この関係を有効に活用しましょう』

黒井「同盟だと?……フン」

16: 2012/10/21(日) 20:18:57.81
黒井「まずは軍資金の調達だな。何事も金がいる。基本中の基本だ」

黒井「早速、所属しているアイドル達を使って営業を行い、資金を調達……」カチカチ

ファファファーン

小鳥『社長であるやよいちゃんの許可が必要です。直訴しましょう。(会見……必要行動力:20)』

黒井「む?社長の許可が必要か。では、直訴するまでだ」カチカチ

やよい『はーい、何ですかー?』



やよい『……そ、それは無理です、プロデューサー』

黒井「ん?」

やよい『あの……え、営業に行くお金がありませんー』

黒井「何ィ!?」

17: 2012/10/21(日) 20:21:47.41
律子『現在我が841プロは、37000プロから多額の借金をしている状況です』

黒井「資金欄が赤字なのはそういうことか……」

やよい『ご、ごめんなさいー』

小鳥『説得を試みますか?(必要行動力:10)』

黒井「だが……何を言っているのだ、この小娘は……!」カチカチ

黒井「借金だろうが何だろうが、軍資金としてはちゃんと使えるはずだろう!」

やよい『で、でもっ!……これ、伊織ちゃんのお金だし……』

黒井「でももだってもあるか。いいかね?金というものは、使う為に存在し……」

やよい『や、やっぱりダメです!これは社長命令ですー!』

18: 2012/10/21(日) 20:23:46.65
ファファファーン

小鳥『やよいちゃんから社長命令が出されました(絶対拒否)。代償として行動力を20消費されました』

黒井「なっ!?……む、無能がっ……!」

黒井「……ならば致し方ない。金がなくとも出来る、この街頭宣伝を行うとしよう」

黒井「これで少しでもファンを獲得し、毎月得られる収入を上げねば……」



ファファファーン

小鳥『行動力が足りませーん。現在の行動力は0です。(街頭宣伝……必要行動力:5)』

黒井「な、何だとっ!?」

19: 2012/10/21(日) 20:26:09.48
黒井「一体どういう事なのだ、これは……そもそも、行動力とは一体……!」カチカチ

律子『行動力とは、基本的に何をするにも必要な、消費するパラメータです。MAXは200で、値は毎週回復します』

律子『プレイ開始時の初期値、及び回復する値の幅は、社長の野望値に左右されます』

黒井「ふむ……となると、この異常な行動力の少なさは……」カチカチ


高槻やよい

Vo:D+
Da:C
Vi:C-
魅力:A
野望:14


黒井「た、たったの14だとぉ!?どこの公家大名だ!年齢の間違いではないのかっ!?」

律子『ってな訳で、チュートリアルを終了します』

20: 2012/10/21(日) 20:28:54.06
黒井「あの小娘の野望値では、行動力の回復は絶望的……」

黒井「いかん……このままでは何も出来ぬまま、ジリ貧は確実……!」

黒井「………」





黒井「……ふ……ふ、フフフ……ハハハハハ!」

黒井「何を悩む必要がある、黒井崇男……!」

黒井「そうだ……これこそ私が待ち望んだ、最初のジャイアント・キリングではないか!」

黒井「何も出来ないまま、だと?笑止!!」

黒井「行動力無消費で実行できるコマンドが、無い訳ではない……!」カチカチ

21: 2012/10/21(日) 20:31:27.60
小鳥『下剋上を行いますか?(必要行動力:0)』

カチッ

小鳥『……下剋上に失敗した場合ゲームオーバーとなりますが、本当によろしいですか?』

黒井「失敗?フッ……我が961プロに、失敗の二文字など存在せん!」カチッ



やよい『あ、プロデューサー!今週もよろしくお願いしま……』

黒井「ヴァカめが!」

やよい『!?』

黒井「私はもうプロデューサーなどではなぁい!今の私は、この961プロの社長である!」

律子『あらら……』

22: 2012/10/21(日) 20:33:23.74
やよい『はわわっ!い、いきなり何を言い出すんですかー!』

黒井「高槻やよい!君の社長としての手腕はあまりに酷過ぎる!チョロ甘だ!!」

律子『それは確かにそうですが』

やよい『げ、下剋上なんて、絶対許しませんよー!……めっ!ですよー!!』プンスカ





黒井「……高槻やよい。君には、まだ幼い兄弟姉妹がいるそうだな」キリッ

やよい『な、何ですかー?いきなり……』

23: 2012/10/21(日) 20:35:53.43
黒井「例えば……あぁ、今の君には到底無理な話だと付け加えておくが」

黒井「もし私が社長であれば、君だけでなく、君の家族全員を十分に養わせる事が出来る」

やよい『!……ほ、ホントですかっ!?』

黒井「無論だとも」

やよい『……ウソじゃ、ないですよね』

黒井「このようなジリ貧借金生活からは、すぐにオサラバしてみせる、と約束しても構わんぞ」

やよい『………』

律子『……どうするんです?社長』



やよい『……分かりました。律子さん、私……社長を辞めます!』

黒井「フッ……実に賢明な判断だ」ニタァ

やよい『約束破ったら、ハリセンボン飲ませますからねー!』

24: 2012/10/21(日) 20:37:58.92
ファファファーン

小鳥『黒井Pの下剋上が成功。社長が交代し、841プロは961プロに生まれ変わりました』

小鳥『やよいちゃんが所有していた全資産、及び支配地域が全て黒井社長に譲渡されます』

小鳥『841プロが消滅したので、37000プロとの同盟が解消されました』



黒井「さて、秋月律子。君はどうするかね?」

律子『やよいがここに残るなら、私も残りますけど』

黒井「ふむ……君は中々優秀そうだ。今手放すには、惜しい人材だな?」

律子『と言うかこの事務所、私とやよいしかいませんし』

黒井「そうだな。まぁ、しばらくは君と同様、私の手足となって動いてもらおうか」

25: 2012/10/21(日) 20:41:16.06
ファファファーン

小鳥『度重なる一揆の影響により資金が底を尽いたGNHプロが、経営破たんしました』

小鳥『社長だった我那覇響ちゃんは、行方をくらました模様です』



キンコンキンコーン

律子『ひと月経ちました。黒井社長、報告です』

黒井「聞こう」

律子『社長の尽力により、我が961プロの収入が支出を上回りました』

律子『経済上の問題は、今のところありません』

黒井「……それで?」

律子『様子見をしていた37000プロの水瀬社長から、借金の催促がきました。一括で返せと』

黒井「フン、私があの小娘に返す物など何もないわ。ヴァカめ」

ファファファーン

小鳥『961プロが借金を踏み倒しました。37000プロとの関係が若干悪化しました』

27: 2012/10/21(日) 20:44:04.62
黒井「さて、秋月律子」

律子『何でしょう、社長』

黒井「そろそろ我が961プロも、他の地方に出向こうと思うのだよ」

律子『!……どちらに?』

黒井「どちらに、とは愚問だな、君ィ。東京だよ、東京」

律子『という事は、876プロへ?』

黒井「ウィ。ファンの質が良い土地を、いつまでも遊ばせておく訳にもいかないのでね」

黒井「今回は君一人で無双してもらうぞ。フフフ……」

28: 2012/10/21(日) 20:45:33.22
律子『……それは構いませんけど、勝算はあるのですか?』

黒井「一つ、客寄せパンダである高槻やよいはステータスが実戦、つまり遠征向きではない」

黒井「二つ、私は戦えん。元がプロデューサーだからか、遠征の際に必要なパラメータが設定されておらん」

黒井「そして三つ。我が961プロの支配地は本拠地である長野、そして先々週に支配したばかりの山梨」

黒井「これで甲信地方はコンプリートした訳だが、対する876プロは?」

律子『未だに東京都一つだけですね』

黒井「ウィ。最後にもう一つ、付け加えておくならば……」

黒井「戦況を左右するファン数は3倍差、そして君の初心者救済措置とも言える能力値が決め手だ」

29: 2012/10/21(日) 20:47:34.63
秋月律子

Vo:A-
Da:B+
Vi:B
魅力:A-
野望:85


黒井「これらを鑑みれば、負ける方がどうかしている……とは、思わないかね?」

黒井「理解できたら、さっさと遠征の準備をしたまえ。なぁに、行動力は腐るほどある」

律子『……分かりました』

黒井「あぁ、ところで……あそこの社長は、君の知り合いかね?」

律子『………えぇ、まぁ。従兄弟です』

30: 2012/10/21(日) 20:49:20.93
小鳥『――フェス対決の結果、961プロが勝利しました!』

小鳥『876プロの本拠地が、961プロによって制圧されました!』

小鳥『我那覇響、日高愛、水谷絵理、社長の秋月涼、以上の四名を捕らえました!』

黒井「フッ……つまらん」

響『うぎゃー!は、歯が立たないぞ……!』

愛『つよすぎるよー!うわーん!』

絵理『そんな……』

涼『うぅ……り、律子姉ちゃん……!』

律子『社長。ご判断をお願いします』

黒井「ウィ」

31: 2012/10/21(日) 20:52:26.75
小鳥『「説得する」……スカウトします。成功すれば、所属アイドルが増えます』

小鳥『「解放する」……解き放ちます。所属事務所が消滅している場合、フリーになります』

小鳥『「処断する」……まるでダメな大人にポイします。報酬として、スタミナドリンクを入手します』



黒井「無駄に選択肢が生々しいな。さて」カチカチ

涼『わ、私達を、どうするつもりですか……!?』

黒井「……秋月律子。まずは勝利者である君の意見を聞こうじゃないか」

律子『我が961プロは中部、関東の支配地域数に比べ、所属アイドルの数が圧倒的に足りません』

律子『南で領土拡大を目論む37000プロの件もあります。この辺りで、アイドルをスカウトすべきです』

黒井「……ウム、すんばらしく美しい正論だ。反論の余地もない」

黒井「そのような状況で、処断するを選ぶなんて……まったく、とんでもない事だよ」

33: 2012/10/21(日) 20:54:55.88
黒井「例え、今はまだ使い物にならないゴミのようなステータスであってもだ」

黒井「ダイヤの原石の如く、磨けば彼女達は必ずや輝いてくれる事だろう」

愛『あ、あたし達はゴミじゃありません!』

黒井「何にせよ、これから先アイドルは重要な戦力となる……」

黒井「ここは手を差し伸べ、丁重に扱うべきだ」

涼『そ、それじゃあ……』ホッ



黒井「……とまぁ」

黒井「無知で無能でお人好しのヴァカなプロデューサーであれば、そう判断する事だろうな?」

涼『』

愛『えっ?』

絵理『………』

響『ど、どういう事さー!?』

34: 2012/10/21(日) 20:56:27.09
カチカチ

小鳥『本当に処断しますか?』

カチッ

小鳥『はい!じゃあ涼君は、お姉さんと一緒にね♪』

涼『ぎゃおおおおおおおおおおおおおん!!』ズルズル

愛『り、涼さぁーーーーーーーーーーーーーーん!!!』

黒井『ハハハハハ!さようなら、秋月涼!こんにちは、スタミナドリンク!』

カチカチ

小鳥『本当に処断しますか?』

カチッ

尾崎『さぁ行きましょう、絵理。これからは“こっち”の世界で、私と……ね?』

絵理『……これはひどい?』ズルズル

愛『え、絵理さぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!』

35: 2012/10/21(日) 21:00:11.36
黒井「入手したスタミナドリンクは計10本か。これだけあれば、まずは十分」

やよい『ど、どうして……!?』

黒井「フフフ……高槻やよい。君の残念なオツムでは、到底理解などしきれまい」

やよい『うぅー……ば、馬鹿にされちゃいましたー』グスッ



黒井「(この手のゲームでは、最初の三ヶ月程はまず準備期間が設定されているのだ。つまり、攻めて来ない)」

黒井「(だがこちらからは、スタミナドリンクの量が許す限り、いくらでも攻められる。そこを突くのだよ)」

黒井「(私の手腕をもってすれば、準備など半月、いや、一週で完了する!)」

黒井「(そして周りを見渡せば、未だ準備の整わぬ愚かな連中しかおらん!)」

黒井「(という訳で、残り二ヶ月は『ずっと私のターン』なのだ!ハハハハハハ!!)」


※引用 アイドルの野望~全国版~ マスターブック(定価:1553円+税)

38: 2012/10/21(日) 21:03:17.85
黒井「さて……」チラッ

愛『』ビクッ

黒井「処断か、スカウトか……好きな方を選ぶといい」

愛『……しょ、処断は、嫌です……!』ガタガタ

響『じ、自分もやだぞ……ま、まだ未成年、だし……』グスッ

黒井「そうか……処断は、嫌か?……クククク、フハハハハハハハ!!」



黒井「いいだろう。二人とも合格だ」

愛『……えっ?』

響『ほ、ホントかー!?』

黒井「流石にこれ以上削る訳にもいかんのでな。手厚く歓迎しようではないか」

黒井「私と出会えた今日という日に感謝するがいい、諸君。ようこそ、我が961プロへ!」ニタァ

律子『……………』

39: 2012/10/21(日) 21:05:24.82
黒井「勝利した後のスタミナドリンクは格別だな」ゴクゴク

ファファファーン

小鳥『961プロが、秋月涼君、水谷絵理ちゃんの二名を処断しました』

ファファファーン

小鳥『水谷絵理ちゃんの処断により、37000プロとの関係が更に悪化しました』

ファファファーン

小鳥『秋月律子さんが、この度の処断に不満を抱いた様です』

黒井「フン。淡々としていた割には、か?なかなか可愛い所もあるじゃないか」



黒井「……スタミナドリンクの為だったとはいえ、あのアイドル達だけでは少々物足りないな」

黒井「フフフ……ここはひとつ、私自らがスカウトに出向くとしよう」

40: 2012/10/21(日) 21:07:15.72
黒井「やぁ、37000プロの星井美希ちゃん。元気かな?」

美希『?……ミキに何の用?』

黒井「単刀直入に言おう。私と共に、961プロに来る気はないかね?」

美希『961プロに?デコちゃんが絶対にブッ潰すって言ってた、あの事務所?』

黒井「そうだよ。37000プロが急ピッチで鍛え上げている最中の君に、一目惚れしてしまってね」

黒井「君のその才能、ここで腐らすには惜しい。是非とも、この私に預けてはくれないか?」スッ



美希『何これ?』

黒井「これかい?180円もする、コシヒカリを使った高級なコンビニのおにぎりだよ」ニタァ

41: 2012/10/21(日) 21:09:12.92
美希『………』

黒井「どうかしたかい?」

美希『……オジサン、ミキを馬鹿にしないでくれる?』

黒井「ん?」

美希『ミキね、確かにおにぎりは好きだよ?』ムシャムシャ

美希『……でも、こういう高いだけのおにぎりは嫌いなの』ペロリ



小鳥『37000プロ所属のアイドル、星井美希ちゃんから内応の約束を取り付けました』

42: 2012/10/21(日) 21:10:59.93
黒井「口ではノン!と言いつつ、身体は次のおにぎりを所望するか。フフフフ……」

黒井「では、そろそろ委任している甲信エリアの様子を見に行くとするか」



愛『つ、つよすぎるよー!うわーん!うわーん!』

黒井「………」

やよい『あ、社長ー!』

黒井「これは一体、どういう事だ?」

律子『どういう事も何も、これが私達に「人材育成」を委任した結果ですよ』

律子『日高さんに単独で他所の事務所と戦わせろなんて、無茶もいいトコです』

43: 2012/10/21(日) 21:12:35.59
黒井「はぁ……秋月律子。君は一体何を聞いていたのだ?」

黒井「委任する前に言ったはずだろう?勝ってもらわなければ困る、と。特に日高愛にはな」

律子『………』

黒井「(とは言え……)」


日高愛

Vo:B-
Da:C-
Vi:C-
魅力:C+
野望:78


黒井「(ボーカル一辺倒でこの底辺性能では、無茶と言われても仕方がない、か)」

黒井「(だがこの小娘には、何としてでも単独で20勝してもらうぞ……!)」

44: 2012/10/21(日) 21:14:32.54
黒井「……それはさておき。このエリアの収入が激減しているように見えるが」

やよい『あ、それは私達のせいじゃないですよー』

響『社長!これは愚民一揆の仕業さー!』

黒井「はぁ?愚民一揆……?」

響『アレが起きると、もうどうしようもないんだ!』



~阪神エリア~

春香『それじゃ行っくよー!洗脳・搾取・虎の巻ィーーーーーー!!』

信者『ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!』

春香『ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!』

信者『ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!』

45: 2012/10/21(日) 21:16:38.44
ファファファーン

小鳥『全国各地で、愚民一揆が多発しています』

小鳥『被害地域での収入が、4分の3カットされます。ついでに、その地域にいるファンも半分減ります』

黒井「何……だと……!?」

響『自分、序盤から執拗に一揆、集中して連発されちゃったから……』グスッ

やよい『弱小プロダクションだと、ひとたまりもないですからねー……』



黒井「………」

律子『あら、もうお手上げですか?社長』

黒井「フッ……君は一体、何を言っているのかね?」

黒井「この程度で我が961プロ、そしてこの私を侮ってもらっては困るねぇ、君ィ……フフフフフ」

46: 2012/10/21(日) 21:19:37.30
黒井「一揆の事はまず置いておくとして……日高愛!」

愛『は、はい!』

黒井「君も我が961プロの一員である以上、もう少し根性を見せてほしいのだがね」

愛『そ、それなりには、あたしも頑張ってるんですけど……あはは』

黒井「ノン!それなり、ではダメなのだよ君ィ……やるなら全力で、だ」

律子『だから、それでも無茶なんですって。相手は京都、北陸一帯を治める四条プロですよ?』

律子『ウチと同じ少数精鋭型ですけど、社長である貴音さんと、腹心の雪歩は強さが段違いですから』

律子『何度突っ込もうが返り討ちですよ』

47: 2012/10/21(日) 21:21:53.57
やよい『ここはいっそ、新潟に繰り出して……』

黒井「高槻やよい。君に意見など聞いていない」

やよい『うー……ご、ごめんなさいー』

響『でもさ、新潟に進出して東北を狙った方が良くないかー?』

黒井「ヴァカめ。流石のこの私も、これ以上前後に敵を作るつもりはない」

黒井「東北の魔王、そして双子と事を構えるのは当分後だ」

黒井「奴らが互いに争っている内は、尚更な。放っておけば良いのだよ」

律子『では、当面の敵は37000プロと……四条プロ、でしょうか』

黒井「無論だ」

48: 2012/10/21(日) 21:23:21.81
黒井「さて、日高愛が手こずっているという四条プロの社長は……」カチカチ


四条貴音

Vo:B
Da:B-
Vi:B
魅力:B+
野望:62


黒井「まだ発展途上なのか、平々凡々ではある……が、私が構想するトリオユニットには必要不可欠だ」

黒井「特定の組み合わせで遠征した場合に能力がアップすると知れば、尚更な」

黒井「その為には、四条貴音……やはり君は必要だ。フフフ……」

49: 2012/10/21(日) 21:24:49.32
律子『……まさか、社長クラスのアイドルを引き抜くなんて考えてませんよね』

黒井「それがどうした?」

律子『社長は滅多な事がない限り、首を縦に振る事はありません。選択肢は用意されていますけど』

律子『貴音さん自身、かなり義理堅い人と聞いてますし。捕まえても、解放するしかありません』

黒井「フン。ならば一旦、四条プロを滅ぼした上で……」

律子『そんな事したら絶対なびきませんよ。この先どこに所属しようと、社長の誘いは断るでしょうね』

黒井「ぬぬっ……で、では、どうすればよいのだ!」

律子『……通常のプレイでは、諦めるしかありません』

黒井「諦めるだとぉ?この私に、諦めろというのかっ!」

律子『そういう仕様ですので』

50: 2012/10/21(日) 21:29:02.79
黒井「おのれ765プロめぇ……どこまで私の邪魔をすれば、気が済……」



黒井「ん?……ちょっと待て」

黒井「君は先程、『通常のプレイでは、諦めるしかありません』……そう、言ったな?」

律子『はい』

黒井「では『通常のプレイでなければ』四条貴音は懐柔できる。そういう事だな?」

律子『………』

黒井「フ、フフ……フハハハハハ!どうやら口を滑らせてしまったようだな、秋月律子ォ!!」

律子『………』

黒井「いいだろう、君はそこで見ているがいい。この私の華麗なるマジックを、な……フフフフフ」カチカチ



小鳥『マルチプレイモードを開始します。プレイするアイドルを選んで下さい』

51: 2012/10/21(日) 21:30:51.18
~四条プロ~

雪歩『四条さん、おはようございますぅ!』

貴音『961プロの動向はどうなっているのでしょう』

雪歩『愛ちゃんがまた一人で挑んできましたけど、何とか撃退できました』

雪歩『黒井社長……あの人が何を企んでいるのか、私には良く分かりません』

貴音『そうですか。やはりここは、同盟相手であるのヮのプロ、37000プロと団結して……』



貴音『………』

雪歩『どうしました、四条さん?』

貴音『萩原雪歩。すぐに長野へ、遠征の準備を』

雪歩『えっ?』

貴音『わたくし達だけで、961プロと雌雄を決するのです』

53: 2012/10/21(日) 21:33:01.56
小鳥『――フェス対決の結果、961プロが勝利しました!』

小鳥『社長の四条貴音、萩原雪歩の両名は取り逃がした模様です』

愛『か、勝てた!……勝てました、社長ー!』

黒井「喜ぶのは早い。君にはあと19回、勝ってもらわねば困る」

響『すごいな、一人で撃退しちゃったぞ!』

やよい『というか全くやる気が無かったですね、四条プロの人達……』

黒井「当然だ。今の四条プロは、我が961プロのサンドバッグなのだからな。フフフフ……」

律子『ですが、このまま勝ち続けても貴音さんは……』



黒井「と、思うだろう?案ずる事はない、既に手は打ってあるのだ」ニタァ

56: 2012/10/21(日) 21:34:51.74
~(ゲーム内で)数ヶ月後~

小鳥『――フェス対決の結果、961プロが勝利しました!』

小鳥『四条貴音、萩原雪歩の両名を捕えました!』

黒井「これで、20勝目……そろそろ頃合だな。マルチプレイモードを終了する」

貴音『………』

雪歩『四条さん、どうして!……どうして、指示を出してくれなかったんです!?』

貴音『………』

黒井「……四条貴音。私と共に、高みを目指す気はあるか?」

黒井「その気があれば、我が961プロはいつでも君を歓迎しよう」

雪歩『なっ……!?』

58: 2012/10/21(日) 21:38:09.96
黒井「うん?……何か、異論があるのかね?」

雪歩『わ、私達は、遠征先で負けただけです!』

雪歩『本拠地だって無事なのに、あなた達に降る理由なんかありません!』

やよい『そ、そうですよー、社長。今回もただ防衛戦で勝っただけじゃ……』

黒井「高槻やよい。君に今後の発言権は無いと思いたまえ」

やよい『………』グスッ

黒井「さて、四条貴音。君の答えを聞こう」

貴音『わ、わたくし……は……』プルプル



黒井「私に降れば、私謹製のうまかっちゃんラーメンを一杯ご馳走しよう」

貴音『あなた様こそ、わたくしが求めていた、まことの理想の殿方……』

雪歩『』

59: 2012/10/21(日) 21:40:21.98
貴音『この四条貴音、あなた様に、生涯の伴侶として、付き従い、たく……』プルプル

黒井「ふ……ふ、フフ……ハーッハッハッハッハッハ!!!」

雪歩『なんで……どうして……』

貴音『……申し訳ありません、萩原雪歩』

貴音『四条プロ創設と共に頑張ってきたあなたの想いを、袋らぁめん一杯でいとも簡単に裏切り……』

貴音『敵方であるはずの黒井社長を……こんなにも……』

貴音『こんなにも……愛おしく想ってしまう、などと……』プルプル

雪歩『………』





貴音『わたくしは……社長失格、ですね』ポロポロ

61: 2012/10/21(日) 21:42:49.71
律子『……アイドルエディット機能、使ったんですね』

黒井「能力値は一切弄っておらん。マスクデータの相性と義理を、私好みにしただけだ」キリッ

雪歩『………』

黒井「……さて、残るは君だけのようだが」

雪歩『わ、私は……絶対、あなたに屈したり、なんか……!』ガタガタ

黒井「男嫌いでその気骨……美しいが、その判断は愚かだな。萩原雪歩」カチカチ

小鳥『本当に処断しますか?』

カチッ



雪歩父『さぁ、雪歩。これからは、パパの言いつけ通りに生きるんだぞ』ニコニコ

雪歩『……お、お父さんの、バカぁぁぁぁぁ……!』ズルズル

62: 2012/10/21(日) 21:44:55.32
ファファファーン

小鳥『社長不在となった四条プロは、後継者争いにより四散、分裂しました』

黒井「ハハハハハ!四条貴音、萩原雪歩無き四条プロの残党など、もはや恐るるに足らん!」

愛『あ、あの……社長ー……』

黒井「……おぉ、そうだった。忘れるところだったな」

愛『さっきのフェスで勝った時から……身体が火照って……うぅぅ』

黒井「フフフ……そうだ、それでいいぞ、日高愛!」

黒井「私は、ずっとこの時を待っていたのだからな……!!」

小鳥『おや……?愛ちゃんの様子が……』



デッデッデッデー デッデッデッデー

愛『し……進化するよーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』

63: 2012/10/21(日) 21:48:47.57
テーテーテー テテテテーテテー

小鳥『……えー、可愛い突撃豆タンクだった日高愛ちゃんは……』

小鳥『コブ付き人妻な前時代アイドル、日高舞に進化してしまいました』

黒井「何だ、その悪意のある表現は。究極のアイドルが誕生したのだぞ?」


日高舞

Vo:EX++
Da:EX
Vi:EX
魅力:EX++
野望:100


舞『うちの愛が世話になったようね。いいわ、手を貸してあげちゃう』

黒井「よろしく頼むよ……これから、忙しくなるのでね。フフフフフ……」

64: 2012/10/21(日) 21:51:19.76
~(ゲーム内で)一ヶ月後~

小鳥『――フェス対決の結果、961プロが勝利しました!』

小鳥『37000プロの本拠地が、961プロによって制圧されました!』

小鳥『社長の水瀬伊織、三浦あずさ、以上の二名を捕らえました!』

舞『楽勝♪ぶいにゃのだ~』

黒井「ハハハハハ!圧倒的じゃないか、我が961プロは!」

伊織『美希……あんた、裏切ったわね!』

美希『だって、ミキは頑張ってるのにデコちゃん、働け働けってうるさいんだもん』

あずさ『美希ちゃん……お昼寝は、頑張ってるとは言わないのよ?』

65: 2012/10/21(日) 21:53:58.44
舞『で、どうするの?この子達も、処断しちゃう?』

黒井「そうだな……」

律子『伊織のお父さん、向こうでスタンバってますね』

伊織『っ……』





やよい『ちょっと待ってください!』

黒井「………」カチカチ

小鳥『本当に処断しますか?』

やよい『ま、待ってくださいっ!!!』

66: 2012/10/21(日) 21:55:53.52
黒井「……この期に及んで何の用だ、高槻やよい」

黒井「そもそも、君に発言権は無いはずだが」

やよい『私が841プロを作る事が出来たのは、伊織ちゃんのおかげなんです!』

伊織『………』

やよい『伊織ちゃんは、独立したいって私のわがままを聞いてくれて、お金も出してくれて……!』

黒井「冗長な言い訳は嫌いでね。要点を頼む」

やよい『勝手なお願いなのは分かってます!でも伊織ちゃん達だけは、許してあげてください!』

黒井「……なるほど。私が841プロから始められたのは彼女のおかげ、でもある訳か」

伊織『あんたが事務所を乗っ取らなければ、こんな事には……!』

舞『泣ける話ねぇ。涙腺緩くなってきちゃった』

67: 2012/10/21(日) 21:57:54.11
黒井「ふむ……そうだな。別にこのまま逃してやっても構わんぞ」

やよい『!……あ、ありがとうございますー!!』

黒井「その代わり、高槻やよい。君はクビだ」

やよい『えっ……』

律子『………』

美希『……やよい、辞めちゃうの?』

黒井「君より有能な日高舞が加わった以上、これ以上君を養う必要もなくなったのでね」

黒井「まったく、丁度いい時に申し出てくれたものだ。初めて君に感謝する事になりそうだよ」

やよい『……分かりました。それで伊織ちゃん達が、助かるのなら……』

伊織『や、やよい……!』

あずさ『……酷い人』

舞『同感ね』

68: 2012/10/21(日) 22:00:26.92
やよい『黒井社長……今まで、お世話になりました!』ペコリ

黒井「フン」

律子『黒井社長がやよいを手放すのでしたら、私も辞めさせていただきますね』

黒井「結構だ。元々、そういう契約ではあったしな」

黒井「それに、だ。いつまでも初心者救済措置の君に頼るようであってはね」

律子『まぁ、私もこれで清々しましたし……次に会う時は、戦場ですね』

黒井「戦場で会えれば、な。フフフフ……」

やよい『り、律子さん……』

律子『……さ、行きましょうか。社長』

伊織『覚えてなさい……あんただけは、あんただけは絶対に許さないんだから……!』

69: 2012/10/21(日) 22:02:26.01
黒井「戦後処理は終わった。さて……」

黒井「星井美希、四条貴音……そして、我那覇響」

黒井「この3人が揃えば、私の理想のトリオユニットが完成する……!」

黒井「その時こそ、私の勝利は約束されるのだ!フハハハハハ!!」

響『あ、あのー……』

黒井「ハハハハハ……・ん?」

響『自分、もういるんだけど』



黒井「おやぁ?そう言う君は……が、我那覇響ではないかっ!」

響『な、何で初対面みたいな反応するのさー!876プロ潰した辺りからずっといたじゃないか!!』

黒井「876プロ?はて……あの時は確か、日高愛ともう一人、モブが……」

響『も、モブじゃないから!そのもう一人が自分だから!もー!忘れないでほしいなー!』

70: 2012/10/21(日) 22:04:07.59
黒井「星井美希」

美希『お仕事頑張って、キラキラするの!』

黒井「四条貴音」

貴音『……何なりと』

黒井「そして我那覇響!」

響『な、なんくるないさー!』

黒井「これで私のプロジェクト・フェアリーが完成だ!ハーッハッハッハッハッハ!!」

舞『クロちゃん頑張ったわねー、偉い偉い』





黒井「ヒアウィーゴー!」

71: 2012/10/21(日) 22:05:36.27
黒井「エェークスキャーリバァー♪エェークスキャーリバァー♪」

小鳥『――フェス対決の結果、961プロが勝利しました!』

千早『961プロ……なんて強さなの……!』

真『こ、こんな……勝負にもなってないじゃないか!』



黒井「From United Kingdom ♪ I'm looking for Heaven ♪」

小鳥『のヮのプロの本拠地が、961プロによって制圧されました!』

春香『えっ、ウソ!?そ、そんなぁ……』



黒井「I'm going to California~~~~~~♪」

亜美『うあうあー!北海道まで来るなんて聞いてないよー!!』

真美『魔王エンジェルのお姉ちゃん達までやっつけちゃったのかー……』

72: 2012/10/21(日) 22:07:39.62
黒井「フハハハハ!素晴らしい、実に素晴らしいなぁ、諸君!!」

舞『随分とご機嫌ね、クロちゃん』

黒井「見たまえ。今や日本全国が961プロの支配下に入ったのだ!」

黒井「これは日高舞、君と私のユニットがいてこその快挙だよ!」

舞『んー……まだ喜ぶのは、早いんじゃない?』

黒井「ん?」

舞『だってほら、関東エリア……』





ファファファーン

小鳥『フリーで活動中だった高槻やよいちゃんが東京都で旗揚げし、765プロダクションを設立しました』

黒井「何……だとぉ?」

73: 2012/10/21(日) 22:10:18.08
やよい『皆さん、頑張りましょー!765プロ、ファイトー!!』

『おーっ!!』



舞『あなたが解放してあげたアイドル、皆あの子の所に行っちゃったみたいね』

黒井「処断せず解放してやった恩を、仇で返しおって……!!」

舞『クロちゃんお気に入りのユニットの子達も、一緒みたい』

黒井「はぁ!?ふ、ふざけているのか!?……一体何をどうしたらそうなる!?」

舞『よく分かんないけど、いわゆる特殊イベントって奴じゃないの?』



黒井「おのれぇ……おのれおのれおのれぇぇぇぇぇ!」

黒井「765プロ!どこまで私をコケにする気だっ!!」

黒井「許さん……もう許さんぞ、あの底辺アイドル共が!即刻叩き潰してくれる!!」

74: 2012/10/21(日) 22:12:25.05
舞『って事は、1対12?何それ、すごく燃える展開じゃない』クスクス

黒井「やれるな、日高舞」

舞『一応自作自演とは言え、愛を育ててくれた恩もある訳だし……』

舞『オッケー、付き合ってあげる』

黒井「フッ……それでいい。それでこそ、私の求めた究極のアイドルだ」

舞『こんなフェス対決、滅多に出来ないしね。最後までよろしくね~、クロちゃん♪』

黒井「ウィ」



やよい『黒井社長……お久しぶりですね!』

黒井「何度も言わせるな、高槻やよい。君に、発言権など、無い」

やよい『うぅー……』グスッ

律子『黒井社長。またお会いできましたね』

黒井「フフフ……言い訳は終わった後で頼むよ、秋月律子」

75: 2012/10/21(日) 22:14:28.54
伊織『765プロのアイドル全員と同時にやり合って、勝てると思ってんの?』

黒井「それはこちらの台詞だ」

あずさ『私達は、あなたには絶対に負けません』

亜美『そーだそーだ!』

真美『真美達がいれば、もう勝ったも同然だかんねー!』

黒井「ん?君達は私に一度敗れているだろう?」

春香『確かに、一度黒井社長に敗れはしましたけど……』

千早『こうして全員が集まった以上、その限りではありません』

真『団結したボク達の力、舐めてもらっちゃ困るんだよね~』

76: 2012/10/21(日) 22:15:54.24
貴音『わたくしのますくでぇたを辱めた罪……今こそ、その罪を断ずる時です』

響『ズルは良くないんだぞ、社長ー!』

美希『そういう訳だから。ちゃっちゃと始めちゃお?』

黒井「用意されている手段を行使して、何が悪いと言うのだ……まったく」

舞『ね、クロちゃん』

黒井「何だ」

舞『……負けても文句言っちゃ、イヤよ?』

黒井「は?な、何を言って……」



やよい『これが私達、765プロの全力全開ですっ!!』

ゴゴゴゴゴ

黒井「な、何っ!?こ、これは……そんな、バカな……!!」

77: 2012/10/21(日) 22:18:58.10
黒井「………」

舞『………』



小鳥『――フェス対決の結果、961プロが勝利しました!』

小鳥『765プロの本拠地が、961プロによって制圧されました!』



やよい『あぅ……』

舞『いぇいっ!臓物を!ブチ撒けろ~!』ドヤァ

伊織『ど、どうしてよ!?何で……』

律子『765プロ全員が集まることで完成するユニットなら、どんな相手にも負ける事は……』

黒井「全員?……一体何を言っているのかな、君ィ?」

78: 2012/10/21(日) 22:20:46.21
真『あれ?……そ、そういえば、雪歩は……?』

春香『さっき一人ずつ台詞言ったときにもいなかったような……』

亜美『ってゆーか、マジでゆきぴょんいないじゃん!』

真美『じゃ、じゃあダメじゃーん!』

黒井「萩原雪歩なら、大分前に処断したぞ?君達も見ていただろう?」

貴音『あっ……』

美希『これじゃ、パーツの欠けたエクゾディアデッキなの……』

響『く、クソの役にも立たないじゃないかー!』

あずさ『響ちゃん。クソなんて言葉をアイドルが使っちゃ、ダメよ?』

79: 2012/10/21(日) 22:23:23.98
千早『まさか黒井社長は、ここまで見通して……!』

黒井「そんな七面倒臭い条件の組み合わせを作った奴の思考など、見通せてたまるか」

やよい『え、えーっと……』

黒井「………」





やよい『ご、ごめんなさいー』ポロポロ

黒井「謝れば済むとでも思っているのか、ヴァカめっ!」

黒井「全員仲良く処断してやろう!処断処断っ!!」カチカチカチカチカチカチカチカチ

80: 2012/10/21(日) 22:25:14.30
小鳥『――こうして、961プロは765プロをブッ潰し、全国を統一したのでした』

小鳥『コブ持ち人妻の前時代アイドル、日高舞の一強時代が、再び到来したのです』

小鳥『その傍らには、常に黒井社長の姿があったと伝えられています』



黒井「ようやくエンディングか。長かったな……」

黒井「だが、私の今までのやり方に、後悔など微塵もない!」

黒井「手段など選ばん!ただ勝利に邁進し続ける!それこそ、我が961プロのやり方なのである!」

黒井「フフフフフ……ハーッハッハッハッハッハ!!」



小鳥『一人の社長と、一人の究極のアイドルが君臨する時代が、今始まった……』

81: 2012/10/21(日) 22:27:24.49










小鳥『……かに思われましたが!』

小鳥『765プロのプロデューサーがハリウッドから帰国してから、状況が一変!』

黒井「……ファッ!?」

82: 2012/10/21(日) 22:29:16.99
~765プロ~

P「――すぐさま彼は765プロのアイドル達を招集、ハリウッドで鍛え上げたその敏腕でまとめあげ……」

P「日高舞をフェス対決で打倒、(プレイヤー名)社長は行方をくらましてしまいました」

P「まさに盛者必衰、驕れる者久しからず……って、何なんですかこれ?」

小鳥「あ、それ、おふざけで書いた追加EDです。ゲームにも一応入ってますけど」

P「えぇっ!?何か、大どんでん返しな内容のEDですけど、大丈夫なんですか?」

小鳥「大丈夫ですよ~。それを見るためにはメチャクチャ条件を複雑にしてありますから」

小鳥「例えば、ウチのアイドルを一人でも処断しちゃったり、隠しキャラの舞さんを使っていたり……」

小鳥「条件の一つ、765プロ設立イベントだって、他に所属アイドルが舞さんしかいない事が前提条件なんです」

小鳥「あとは、マルチプレイモードとアイドルエディット機能を両方とも使ってたり、とか」

83: 2012/10/21(日) 22:31:20.63
P「……つまり、見ようと思わないと見れないEDって事ですか」

小鳥「ゲームと言っても、所詮ファンディスクですからね」

小鳥「買ってくれる人は、うちのアイドルをまず処断したりなんかしないでしょうし」

P「それはまぁ、そうでしょうけど……」

小鳥「それに、ほら。昔、偉い人も言ってたじゃないですか~」

小鳥「……こんなゲームにマジになっちゃってどうするのって♪」





ガシャーン

黒井「なぁぁぁぁぁむぅぅぅぅぅぅこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

小鳥「!?」

84: 2012/10/21(日) 22:33:51.46
黒井「ふー、ふー……あのような結末……私は、認めぬぅぅ……!」

P「く、黒井社長?……二階の窓から、どうやって……!?」

黒井「音無小鳥ィィィィ……!!」

小鳥「ひっ……!?」ビクッ

黒井「貴様ァァ……あのような理不尽極まりないクソゲーを、私に掴ませおってぇぇぇ!」

小鳥「つ、作ったのは私じゃありません!」

黒井「何を言うかァ!スタッフロールの名前は全て、貴様のものだったではないかっ!!」

小鳥「あ、あれは……えっと、私名義のプロデューサーさんなんです!」

黒井「何ィ……!?」ギロッ

P「ち、ちょっと!何言ってんですかっ!?」

85: 2012/10/21(日) 22:35:32.32
小鳥「それに!あれは既に作り直しが決まった体験版なんですよ!体・験・版!」

黒井「約1万もかかる体験版がどこにあるというのだ!えぇ!?」

小鳥「……さ、先に楽しめたんだから、いいんじゃないかなーって」

黒井「」ブチッ

小鳥「と、とにかく!プロデューサーさん、アレを!」

P「?……アレって何です?」

小鳥「アレですよ!アレ!……今週発売の!」

P「あ、あぁ、アレですか」

黒井「何だ、アレとは……?」

86: 2012/10/21(日) 22:37:38.49
P「アイドルマスターの待望の最新作が、PSPについに登場!」

P「その名もTHE iDOLM@STER SHINY FESTA!」

P「ハニーサウンド、ファンキーノート、グル―ヴィーチューンの三作が、10/25に発売だ!」

小鳥「舞台は南国リゾートの音楽祭(フェスタ)!」

小鳥「みんなで!バンドも!アニメも!お芝居も!?色んな魅力が盛りだくさん!」

小鳥「気軽に遊べるリズムゲームで、アイドル達のかがやく歌とダンスの魅力を満喫しよう!」

P「パッケージごとに異なる展開!新作アニメ、それぞれ1話分収録!」

P「さらに、各パッケージ担当アイドルによって歌われるオリジナル新曲にも注目だ!!」

87: 2012/10/21(日) 22:39:23.19
P「豪華初回特典には、限定プレミアムSHOPサイトにログインできる『バックステージパス』と……」

小鳥「バックステージパス所有者限定楽曲『The world is all one !!』のプロダクトコードが付いちゃいます!」

P「さらにさらに、『シンデレラガールズ』でシャイニーフェスタ仕様の春香が手に入る、シリアルナンバーまでも!」

小鳥「これを2人集めて特訓すれば、さらに別の姿の春香ちゃんが……!」

P「使い回しなカレンダーと違って、これはとても楽しみですね!」

小鳥「はい!これはもう、買うっきゃないですね!」





黒井「………」

88: 2012/10/21(日) 22:42:47.60
小鳥「………」

黒井「………」

P「(目線が果てしなく冷たい……)」



黒井「で?……それが、何だというのだ」

小鳥「こ、この製品版をですね!黒井社長にだけ、特別に無料で進呈しちゃいま~す、みたいな?」

黒井「………」

小鳥「三作品ともです!三本ですよ、三本!とってもお得ですね!」

黒井「………」

小鳥「だから……それで許して、ね♪」キャピッ

P「(無理だろ……)」

89: 2012/10/21(日) 22:45:31.75
黒井「……いいだろう。それで今回の件、特別に許してやらん事もない」

P「えっ!?」

小鳥「……よっしゃ!」グッ

黒井「ただし、一つ条件がある」

P「じょ、条件……?」





黒井「……私も出せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」クワッ



おわり

90: 2012/10/21(日) 22:45:59.71

引用元: 黒井「アイドルの野望~全国版~だとぉ?」