1: 2018/05/13(日)03:27:17
宇宙世紀0079年1月3日 この日、人類史上最悪の戦争が幕を開けた
地球連邦政府に対して宣戦布告をしたのは、宇宙コロニーサイド3を本拠地とする
ザビ家が牛耳るジオン公国によるものだった。

スペースノイドの独立を掲げるジオン公国と地球連邦の戦いは熾烈を極めた
しかし、0080年1月1日に宇宙要塞ア・バオア・クー陥落によりジオン公国敗北として終戦
後にこの戦争を「一年戦争」と呼ぶことになる

それから3年後、宇宙世紀0083年、ジオン残党デラーズフリートによる星の屑作戦により
地球連邦政府は再びコロニー落としを受けることになる

しかし、それらの事実は、歴史から抹消され”なかった事”にされる

それから5年後、歴史は再びあの男を動かそうとする


これは、茶色の流星と呼ばれた男の物語である



前作 ジェリド「やきう?ベースボールみたいな名前だな」彡(゚)(゚)「・・・」

前前作 ジオン兵「おいやきう!お前に新型のMSくれるってよ」彡(゚)(゚)

MG 1/100 ガンダムMk-V
バンダイスピリッツ


2: 2018/05/13(日)03:28:26
グリプス戦役 
後にそう呼ばれる戦いは、ジオン残党狩りを名目に結成された ティターンズ と
それに異を唱えた反ティターンズ組織 エゥーゴ との戦いであり
勝敗はエゥーゴの勝利で幕を閉じた しかし

地球圏には旧ジオン公国最大勢力、ネオジオンが宇宙要塞アクシズと共に帰還
エゥーゴ、ティターンズ、ネオジオンという3つ巴の戦いであり
ティターンズに勝利したエゥーゴも辛勝であり、その兵力は疲弊しきっていた

それに功を奏したのは戦力を温存していたネオジオンであり、ティターンズ亡き後の地球圏は

アクシズ、エゥーゴとの戦いになって行った・・・

ネオジオンの勢いは破竹のごとく、その勢力を止めるすべがないエゥーゴと地球連邦政府は
地球にネオジオン艦隊の降下を許してしまう

そして、ネオジオンに地球連邦政府の本拠地、ダカールを占拠される。

これにより、ネオジオンが地球圏を収めたかに思われたが・・・



連邦兵「なあ知ってるか、消えた宇宙艦隊のこと」

3: 2018/05/13(日)03:29:15
地球連邦軍ヨーロッパ基地の1つ 
別段重要な拠点というわけではなかった、地球連邦軍におけるヨーロッパの重要な拠点は
鉱山都市オデッサ、軍港ベルファストが最大の拠点であり

それ以外の拠点というのは、一年戦争当時に作られた防衛拠点であり
一年戦争終結後は、駐屯所としての役割が強く、キリマンジェロのような地上要塞を除き
その重要性は格段に下がっている

いわば、地上移動ルートの一つとしての補給ポイント程度にしかなっていない

そんな場所に配属される兵士の殆どは、戦力としては宛にならない新兵か、厄介者かのどっちかである。

連邦軍基地内の食堂は、新兵達のたまり場であり
彼らの話は戦争のことや最近TVで見たこと、いい女を街で見かけたこと、それか
大体スポーツのことくらいである

しかし、そんな彼らも話題というのは尽きてくる、戦争は今まさに起きていることであるが
地球連邦政府は消極的であり、本拠地ダカールを明け渡したのである
そんな上層部の下にある組織など、大してやることもなく
穏便に政治的交渉を済ませたい上を刺激しないよう、MSでの出撃など厳禁であり
新兵教育のためのMSの操縦訓練すら禁止されていた。

故に暇なのである

だからなのか、話は猥談から冗談、そして怪談へと話は流れていく


連邦兵1「宇宙艦隊は1夜にしてコンペイトウ中域から消え去ったのさ、そう集団で行方不明になったんだ」

連邦兵2「はははっ、そんなわけあるかよ、今の御時世連邦艦隊が行方不明なんてよ」

若き兵士達は食堂で連邦軍の艦隊が一夜にしてきたという怪談話で盛り上がっていた

連邦兵1「なあ、アンタは信じるか?やきうさん」

そう呼ばれて、ゆっくりとタバコを咥えながら振り返る一人の男

彡(゚)(゚)「・・・・・・」

連邦兵2「流石にこんな嘘信じないよな?コンペイトウの観艦式で艦隊が消えたなんてよ」

彡(゚)(゚)(コンペイトウでの観艦式・・・星の屑・・・か)

4: 2018/05/13(日)03:30:12
連邦兵1「なんだよやきうさん、遠い目しちゃってさ」

彡;(^)(^)「いや、なんでもないねん」

やきうと呼ばれたこの男、嘗て一年戦争を生き残りデラーズ紛争をも生き抜いた男
もしジオンが存続していたなら人は彼を茶色の流星と呼んでいただろう。

しかし、デラーズ紛争とは公式には存在せず、連邦政府が情報改竄をし
地球に対してのコロニー落としを事故という事で済ませ
事の発端であるガンダム2号機及びそれに関わる人間全てを、データから抹消したのである。

それにより、コンペイトウ、旧ソロモンと呼ばれた宇宙要塞での観艦式を
核搭載MSガンダム試作弐号機による攻撃で失ったという事実を、行方不明ということで隠蔽したのだ

今や、そのことを知る人間は あの当時連邦軍で戦っていた人間と、歴史の闇に呑まれた
やきうだけである。

決して表立って公表することは出来ない、それが唯一、自分がこの世で生きることを許された
悪魔の取引なのだから。

彡;(^)(^)「ワイ、怪談苦手やねん、そういう話は勘弁して-な~」

連邦兵1「へぇーやきうさん怪談苦手なんですか」

連邦兵2「MSの操縦も苦手で、怪談も苦手じゃ、軍人としてどうなんですか?」

彡;(^)(^)「ええやんけ、ワイは野球がすきやねん、野球の話しようや」


5: 2018/05/13(日)03:31:27
デラーズ紛争に関わった人間はその過去が隠蔽、改竄されている
決して公表しないことを約束に、身の安全の保証が約束されている、やきうはシーマ艦隊の一員として
落下するコロニーの迎撃をしたが、結果はバスク・オムの焦りよるエネルギーチャージ不足により
ソーラシステムによるコロニー消滅作戦を失敗した。

しかし、ガンダム試作二号機及びそれに関わる計画は無かったことにされ
やきうはジオン共和国の兵士から地球連邦軍へと加わった兵士という事になっている

彼の階級は旧ジオン公国時代から昇進し少尉として、このヨーロッパ基地の1つに配属されている

以前は、アムロ・レイの屋敷の守衛をしていたが、アムロ脱走の責任を負わされ
こんな辺境の地へと飛ばされていた
連邦政府としてもやきうはデラーズ紛争に関わった重要人物であるため、軍をやめてもらいたいところであるが
迂闊に連邦政府の手の届かないところに行かれるよりはマシなので
このように飼い頃しのような扱いを受けている

だが、それは彼にとっては好都合でもあった


デラーズ紛争以降、やきうはMSに乗ったことは一度もなく
茶色の流星という名で呼ばれていた過去も秘匿とされていた、それ故この基地ではMSの操縦はおろか
整備すらすることが無い雑用や歩哨などに従事していた

しかし、それこそが彼の望んでいた戦闘とは無縁の仕事

MSに乗って戦場に駆り出されでもすれば戦いの中いつ氏んでもおかしくはない
そう思っていた彼にとっては、今の自分にとっての平穏な日々を謳歌するため、このような仕事をしている方が
心の平穏を保てているのだ。

6: 2018/05/13(日)03:32:24
とはいえ、旧ジオン公国のエースであるため、ティターンズからはそうとう煙たがられていたが
デラーズ紛争のことを表沙汰にされる訳にはいかない為、やきうを処分することも出来なかった
ある意味運が良かったとも言える

また、ニュータイプの素質を持っていながら
ムラサメ研究所やオーガスタ研究所に駆り出されることもなかったのは
ニュータイプを危険視しする派閥により、アムロ同様戦闘とは無縁の状態にさせておきたい
軍内部で問題により、彼はここ数年、ニュータイプ能力を使用するMS、すなわちサイコミュとも無縁の状態で過

ごすことが出来た

なのでやきうは暇になると基地でのレクリレーションとして野球をしては仲間たちと汗を流し
軍人としてはアレだが、一人の人間としては楽しんでいた

彡(^)(^)「やっぱワイは野球選手のが向いとるようやな!今日も3ホーマーや!」

7: 2018/05/13(日)03:33:00
そんなある日のこと、基地内が軽く揺れたのだ
基地内の兵士達は地震か?と騒いだが、揺れがそこまで強かったわけではないのと地理的に地震が起きるような

場所ではないため
そこまで大きく騒ぎ立てることでもなかった、しかし

彡(゚)"(゚)「・・・・・・」

この男だけは違っていた、何か嫌な感覚に襲われたかのように、しきりに眉間に手を当てるやきう
その尋常じゃない様子に、周りの兵士達も心配しだした

やきうはこの基地では新入りではあるが、階級と年齢もあり周りの新兵たちから
気さくな兄貴分として慕われていた

なにせ普段の温厚な笑顔の絶えないやきうからは想像もできないほどの苦悶に満ちた表情だったからだ

そして、基地内に一報が入る


「ダブリンにコロニーが落ちた!」

8: 2018/05/13(日)03:33:52
その知らせが入るやいなや、兵士達はパニックになった
ダブリンといえば、このヨーロッパ基地からはそう遠くはない、ベルファスト基地の近くでもある
若い兵士達はコロニー落としがどのくらいの物かわからないものも居たが
皆幼少期をあの一年戦争を通じて育ってきた世代でもあった

故にある程度その恐ろしさを習っていた

しかし、その恐ろしさを、いや、悍ましさと悪さを、人一倍感じていた男が居た

一年戦争、デラーズ紛争、そしてコロニー落としを止めれなかったやきうは
コロニー落としという言葉に対する憎悪は凄まじかった

若き兵士達は、基地司令に状況の確認を要求するも、上との連絡が着かないと説明した
コロニーが落ちたにも関わらず、そんな事があってたまるかと憤るも、こればかりはどうしようもない
上層部はネオジオンにダカールを明け渡し、コロニーが落ちたダブリンにでさえ
防衛命令を出さなかった、これは完全に宇宙ががら空きである証明にほかならない

自分たちの頭上を取られて焦り、不安になる兵士達は慌てふためいた
なぜなら、基地司令ですら、こんな場所からはすぐに逃げたいと思うほどだった
そんな中、群がる人だかりを?き分けるかのように、やきうが向かってきた

基地司令に状況を説明せよと詰め寄ろうとする若き将兵らはやきうの放つプレシャヤーに気圧されていた

彡(゚)"(゚)「・・・・・・」

基地司令「な、なんだ貴様は」

彡(゚)"(゚)「・・・知っとるはずや、ワイが誰かくらいは」

9: 2018/05/13(日)03:35:11
基地司令「も、戻れ!お前たちもいいから戻れ!今はどうすることも出来ん!」

彡(゚)"(゚)「ええか、司令はん、よう聞きや」

基地司令「な、なんだ」

彡(゚)"(゚)「コロニーが落ちたんや、一年戦争で何十億という人間を頃した、あのコロニーや」

基地司令「・・・それがなんだ」

彡(゚)"(゚)「アレが落ちんよう必氏で止めたんや、それが虚しくも落ちてきた」

基地司令「おい貴様、それ以上は」

彡(゚)"(゚)「なのに今回は何や?コロニーはダブリンに素通りでもしたんか?」

基地司令「くっ、お前がなんと言おうと・・・私にはどうすることも出来ん、出来ないのだ!」

そんな二人のやり取りを見て、割って入る将兵たち
流石にやきうの放つプレッシャーに当てられたのか、基地司令は座り込んでしまう

連邦兵1「やきうさん、それ以上は!」

彡(゚)"(゚)「司令、覚えておいてくださいな」

彡(-)"(-)「この基地に居る連中は皆戦う準備くらいは出来ている、勝てるか勝てないかはともかく、戦える連中

や」

彡(;)(;)「ならワイらに命令してくれや!今直ぐアホなネオジオン倒しに行けと!命じてくれや!」ブリブリブリブ

ッチチブブブブ!

連邦兵士達(ええっ・・・脱糞(困惑))

だが、号泣(脱糞)しながらも出撃を懇願したやきうの姿に多くの兵士達は心打たれた
基地司令の代行という形で副司令により格納庫で眠っていたMS全てが出撃できるように
緊急整備が行われた

10: 2018/05/13(日)03:37:04
連邦兵1「いやーすごかったな、あの剣幕」
連邦兵2「普段温厚なやきうさんだっただけに、迫力は凄かった・・・」

連邦兵1「でもよう、MSも操縦できないのに出撃命令出されてもあの人戦えないだろ?」

連邦兵達が喋っている中、基地格納庫では慌しい様子だった
なにせネオジオンを煽らないようにと平時はMSを一切出さない基地だっただけに
緊急事態ということも有り、その慌ただしさは尋常ではなかった

ティターンズが排除されてからの連邦軍では、ティターンズ色の強いMSはイメージが悪いということから
大多数のMSが解体されていた、それ故連邦軍で扱えるMSは
ジム系統のMS、エゥーゴ系のMSにのみ限られており、バイアランやマラサイなどはその殆どが解体されていた

ただ、唯一の例外を除いては

それはアッシマーである、ダカールでジェリド・メサ操るバイアランを止めに入ったというシーンがTVに流れた

ことも有り
ティターンズでもその多くが運用されていたMSではあるが、ティターンズを止めたという
イメージがあり、連邦製のMSでは唯一と言っていいほどアッシマーのみ運用が許されていた

所謂プロパガンダであるが、しかし、可変機という性質もあってか
通常のMSを操るという感覚とは違い、空戦能力や機動性の高さからくる地上でのGなどにより
一般の兵士が乗りこなすにはそれなりに訓練が必要であった

連邦兵1「見ろよ、アッシマーが飛んでる」

若き兵士が指差す先にはオレンジ色ではなく、エゥーゴのMSネモに似たカラーリングのアッシマーがMA形態飛ん

でいた

しかし、塗装が間に合わなかったのか、一部カラーリングがおかしく、茶色く変色している部分が見受けられた

連邦兵2「アッシマーか、この基地で操縦できるやつなんて数えるほどだが・・・」

するとアッシマーは地上へと降下してきた、着陸するような体制でギリギリで変形を行うと
アッシマーの足はなんと地上にランディングするように綺麗に滑走路に着地した

連邦兵1「またなんて無茶な着陸を」

11: 2018/05/13(日)03:38:15
兵士達が見惚れていると、アッシマーのコックピットが空いた
すると、そこには普段見かけない人物が、ヘルメットを脱いで足元の整備士達に話しかけていた

彡;(゚)(゚)「ひゃああーけっこうキッツイなー、足壊れてへんか?」

整備士「着地は上出来だが、あんな無茶な着地するんじゃねーぞ!この基地では唯一のアッシマーだからな!」

そのやり取りを見た若き兵士達は、皆驚いた表情でパイロットを凝視していた
中には目が飛び出る勢いで近寄ってくる者も居た

連邦兵1「あんた!MS操縦できるのかよ!!」

彡;(゚)(゚)「えっ?ああ、たまにシュミュレーターで操縦くらいはしてたで」

連邦兵2「シュミュレーターじゃジムⅡかフライトシステムくらいしか出来ないはずだが、よくアッシマーなん

て操縦できたな」

彡;(゚)(゚)「ああ、だから焦ったわ、アッシマーの操縦はジムⅡやフライトシステムとは全然ちゃうな」

連邦兵1「よく着陸できたな・・・」

しかし、なぜいきなりやきうがアッシマーに乗ることになったかというと
やきうの事情を知る副司令が、状況が状況というだけに嘗てのエースの力を戦力として投入せざるを得ないと判

断したからだ
故にやきうもそれを承諾、デラーズ紛争以来、5年ぶりの操縦となる。

12: 2018/05/13(日)03:39:25
彡(゚)(゚)「次は射撃訓練か、アッシマーのは大型のライフルやからジムとはちゃうもんなぁ」

そう心配するやきうではあったが、スコアはそこそこであった
5年ぶりに操縦するとはいえ、停止した目標物にはちゃんと当てることができていた
あとは動く標的であるが、自身のMSが動いていなければ当てることは出来ていた

とはいえ、空中を飛行中のアッシーマーのモビルアーマー形態からの射撃はイマイチであった
これが5年ぶりのブランクである


しかし、それでも事情を知らない兵士達には、やきうの操縦は熟練された兵士と遜色なく
この基地でアッシマーを操縦できる数少ないパイロットとして数えられるようになった

ダブリンのコロニー落としから、2日後

この2日間、上層部からの通達はなかったが、それでもヨーロッパ基地の面々はつかえるMSを全て稼働できるよ

うにしていた
整備班は寝る間を惜しんでの作業のため疲労はすさまじいが、弱音を吐いている状況ではない
今にも第二第三のコロニーが落ちてくるやもしれない
そう思ったら、うかうか寝て入られなかった

そしてついに、上層部からの通達が来た。

13: 2018/05/13(日)03:40:47
ダブリンのコロニー落としの件で連邦軍内では相当揉めたらしく
ネオジオンに対する交戦処置としてどうするかで連邦軍内は二分されていた

以前より穏便に済ませようとしていた派閥を押さえ、エゥーゴを吸収することで「コロニー落としに対する報復

を!」という
武闘派派閥が台頭、これにより連邦軍内部の指揮系統はエゥーゴ系軍人を招く形で
再編成された

この二日間音沙汰がなかったのはこの編成に時間がかかっていたからだ

そして、再統合された連邦軍は、各基地に対してそれぞれ要請を送った

地上に残るネオジオン及びジオン残党の掃討、しかる後、部隊を編成招集し
サイド3及びアクシズへの攻勢

この通達指令により、準備をいち早く済ましていたやきう達は直ぐに輸送機スードリに
アッシマー及び、ジムⅡ部隊を搭載させ

地上に残るネオジオン軍への攻撃作戦に打って出る。


彡(゚)(゚)「久しぶりの戦場やな・・・」

やきうはアッシマーのパイロットとして招集部隊の一員として配属された
これから向かう先はアフリカ大陸であり、地上のジオン残党討伐になる
情報によれば、地上のネオジオン軍は宇宙へと上がっているという部隊もあるという

どうやら、宇宙ではネオジオンも大規模な招集を行っているらしく
今後の戦いに影響が出ることは間違いないだろう。

14: 2018/05/13(日)03:42:03
連邦軍による地上ジオン残党掃討作戦が開始されてから1週間
旧ジオン側の兵士達が一年戦争時代のMS、またネオジオンから譲り受けたであろう
アクシズ製のMSで交戦を続けていた

最初の数日は、ジオン残党側の抵抗は激しく
何年も隠れ戦ってきた熟練兵士達の前に、地上に取り残されてきたティターンズに選ばれなかった若き兵士達は
苦戦を強いられていた、しかし、日を追うごとに徐々にではあるが戦況は優勢になっていく

これには、各地から集まってきた連邦軍の飽和攻撃と
地上のネオジオン軍が徐々に地球から撤退しているという事が重なり
地上のジオン残党は徐々にではあるが後退を余儀なくされていた


そして、やきう達の部隊もまた各地から集まる連邦軍との協力により
わずか1週間で師団にまで迫る勢いで兵力を集結させていた
そのこともあってか、MSこそアクシズ製には劣るものの、数の上では有利であり

また、ゲルググキャノンやドワッジなどの旧公国製のMSにはジムⅡのほうが性能面では上であったため
ネオジオン軍が撤退し補給の道が絶たれ始めたジオン残党側は、よりジリ貧になっていった

そして、いよいよもってその時が迫ろうとしていた

15: 2018/05/13(日)03:42:53
彡(゚)(゚)「やきう少尉アッシマー!で、で出ますよ」

やきうが駆るアッシマーは地上での運用においては、この時代のMSでは考えられないほどの長距離移動が可能で

あった

フライトシステムなどのMSを上に乗せて移動する装置は、MSと同じ数用意しなければならないが
MA形態に変形できるアッシマーなどの可変機は、その点空中移動での手間はなく
MSとフライトシステムの2つを整備するのと比べれば、手間も少ないこともあってか、戦線での偵察及び強襲に

は秀でていた。

それ故、ジオン残党側の撹乱をしやすく、陸路での移動を余儀なくされるMSなどと違い
様々な戦場に駆けつけることができていた

もちろん、アッシマー以外にも、メタスなどのエゥーゴ側の可変機もあり
それぞれが混合した部隊の一員としてやきうはメタス小隊に配属されていた


彡(゚)(゚)「こマ!?メタスって・・・上半身に比べて、下半身の接続部分貧弱すぎやろ・・・」

メタスパイロット「それなー・・・」

整備士「それなー・・・」

メタスのパイロットも整備兵も、メタスの下半身の接続部分の脆弱性には頭を悩ませていた
無重力空間では耐えうることが出来るが、重力圏でのメタスのMS形態での運用は慎重を要する。

メタスパイロット「以前空中での変形で下半身部分を損傷させたからなぁ」

彡(゚)(゚)「こっちもアッシマーは扱うのは初めてやけど、その点に関してはまだマシなほうやな」

メタスのパイロットはエゥーゴの所属であり、この部隊はエゥーゴ兵が大半であったが
お互い所属は違えど、MS乗りとしての感性や悩みなど、通じるところがあり
打ち解けるのは早かった。

17: 2018/05/13(日)03:44:16
部隊長「おい皆、司令部から次の命令が来たぞ!」

部隊長はやけにイキイキとしていた。
それもそのハズ、部隊長は上から通達された命令を隊員に伝える。

彡(゚)(゚)「もう宇宙に上がれるんか?」

メタスパイロット「ここしばらくのアフリカ戦線では、他の部隊も快勝だって話らしいからな」

部隊長「ネオジオンの艦隊が宇宙へと上がっていったのもあるからか、地上の残党刈りは好調だったようだ。」



地上での連邦軍の攻勢は順調であった
しかし、それには子供たちだけで編成されたガンダムチームの活躍もあったようであるが
やきうたちはその事をまだ知らない。

彡(゚)(゚)「宇宙(ソラ)・・・か、もう上がることもないだろうと思っとったが・・・」

やきうはコロニー出身のスペースノイドであった。
一年戦争後、デラーズフリート、連邦軍と転々とした事もあり、故郷の母と会うことはなかった。
いや、会わせてもらえなかったというべきだろう。

地球連邦軍により、やきうの存在はタブーとなっていた。それ故にその存在は連邦軍の監視下に置かれていた。
ティターンズはデラーズ紛争に参加したやきうを禁忌し、ティターンズへの参加は認められなかった。

グリプス戦役とは無縁ではあったが、それでも自由の保証はなくやきうは地上での生活を余儀なくされていた。



彡(゚)(゚)「かーちゃん、元気にしとるやろか・・・」

やきうは、宇宙へと上がることに、母への懐かしさと望郷の念に胸中を蝕ばまれていた。
兵士にとってその感情は命取りになるが、やきうは久々に思い出す、人間らしい寂しさに生きるという実感を得

ることが出来た。

19: 2018/05/13(日)03:46:09
宇宙に上がったやきうを待つのは、地獄だった。
連邦軍の反攻作戦にはやはり無理があった。

というのも、旧連邦製のMSの寄せ集め品では、ネオジオン製の第3世代、第四世代MSには歯が立たなかったから

だ。

ティターンズ時代のMSの大半は、グリプス戦役後のイメージの悪さからその殆どが解体されていた。
ガンダムMK2の量産型と謳われたバーザムやマラサイなどはエゥーゴを吸収した新体制では運用が許されず
ネモとジム2、ガンキャノンディクターなどが運用された。

幸いにしてルナツーからは新型の量産機であるジムⅢやエゥーゴの高性能MS、リックディアスなどが緊急で生産

されているそうだが
やきう達の部隊との合流は叶わなかった。

やきうの駆るアッシマーは地上での運用にのみ特化されており、宇宙での運用は出来なかった。
仕方なく、やきうもジムⅡで出撃したが、サイド3方面からのネオジオン艦隊との戦闘で、やきう達は劣勢へと

なってしまった。


彡;(゚)(。)「ハァ・・・ハァ・・ハァ・・・」

宇宙へと上がったやきうの部隊はエゥーゴ所属も多かったが、地球生まれ、地球育ちの人間達も多かった。
初めて上がる宇宙に操作が追いつかない者も居れば、久々の宇宙に体が馴染まず、宇宙酔いを起こす者もいた。

だが、やきうは、違った理由で疲弊していた。

彡;(゚)(。)「あかん、あのサダラーンからのプレッシャー・・・」

やきうは自身のニュータイプ能力が、敵旗艦から放たれるニュータイプ特有のプレッシャーに反応し
その圧に押されていた。

例えニュータイプでなくとも、その艦に登場している者の名を聞けば、恐れおののくであろうが・・・

20: 2018/05/13(日)03:47:56
また、MSの性能差は天と地ほどであった。

ジムⅡに対して、敵主力MSはガゾウム、ズサ、ドライセン、バウなどの高性能量産機であった。
ネオジン側は幸いにもベテランパイロットが不足して入るが、その腕の差を補うだけの性能の差がそこにはあっ

た。
MSの性能の差が、戦力の決定的な差であることを体感する事になる。

特に、ネオジオン製の第四世代MSはニュータイプ専用機となっており、大火力に加え、サイコミュ兵器を搭載し

ていた。

その特有の攻撃方法に、一般の連邦兵は為す術なくやられ、ベテランパイロット達は回避に専念するしかなく
寄せ集めの戦艦も、マゼランの後期型では、敵戦艦のエンドラ級には及ばなかった。

この敗北に連邦軍の攻勢は一旦ストップしてしまう。

地上での勢いも虚しく、宇宙はネオジオンの独擅場で有り、ネオジオンに立ち向かうだけの戦力の再編成を
余儀なくされてしまう。
しかし、ここに吉報が入る。

なんと、ネオジオン側で内部分裂が起きたと情報が入った。
この事態に、連邦軍は戦力の再編成を早急にするべく、旧ティターンズの遺産とも言うべき
あるMSを、戦線に投入することを決定したのだった・・・。


彡(゚)(゚)「茨の園・・・懐かしいな」

やきう達は、ネオジオン艦隊からの敗北後、撤退先に選んだのは、かつてデラーズフリートが拠点とした
暗礁地域に建設された要塞を連邦軍が接収し、宇宙港に改造していた。

ゼダンの門がアクシズにより破壊されて以降、サイド3及び月とコンペイトウを繋ぐ航路が無く
暗礁地域の再開発をすることで、ゼダンの門を経由しないでも月に向かう方法を研究されていた。
その中間地点として、茨の園が注目されたのだった。

21: 2018/05/13(日)03:48:52
デラーズ紛争後、アナハイムレクトロニクスに茨の園は引き取られていた。
今回のネオジオン抗争により、アナハイム側はMSの一部をネオジオンに提供する事を秘密裏に行っていた。
しかし、それを見過ごすほどの連邦軍ではなかった、そこで一連の取引に対する処置として
アナハイム側は今まで秘密裏に運営されていた茨の園を連邦軍に明け渡すことで、両者間で手打ちに至った。

もともと隠密性に優れた要塞ではあったが、アナハイム側が接収したことで
当時の茨の園を知る者からは信じられないほど快適な施設へと生まれ変わっていた。


連邦兵「ゴミ溜めみたいな所にあるとは聞いていたが、思ったよりも施設はしっかりしてるな」
彡(゚)(゚)「いやー信じられんは、こんなに清潔感ある内部に変わるとはなぁ」

連邦兵「なんだ?お前ここに来たことあるのか?」

彡;(゚)(゚)「ファッ!? いや、ちゃうねん、外の様子から中に入ることで印象が変わるとはなーって・・・」

あくまでやきうはジオン共和国出身の連邦軍人であり、デラーズ紛争に参加したという事は秘密であった。

当面の間、この茨の園がやきう達の基地へとなる
連邦主力艦隊の編成はルナツーで行われ、この茨の園は先遣隊としての拠点になる
しかし、先の戦いで先遣隊のMSはほとんどが使いものにならないことになっていた。

そこで、連邦軍は、先遣隊用に寄せ集めではあるが、いくらか戦力になりそうなものをかき集め
それを茨の園へと送っていた。

連邦兵「おいやきう!見ろよ、お前にお似合いの色のMSが来たぞ!」

連邦兵は輸送艦から届けられた新戦力を見て嬉々としてやきうに話した。対するやきうは自分のイメージカラー

が茶色なことを不満がった

連邦兵「見ろよ、ガブスレイだ!まだ残ってたんだな!」

彡;(´)(`)「なんでワイは毎回こんな色のMSに乗らなアカンねん・・・」

RX-110 パプテマス・シロッコが設計したものをルナツーで生産した可変型MSであった。
更にティターンズが残した遺産はこれだけではなかった。

22: 2018/05/13(日)03:50:14
ニューディサイズ

ティターンズ崩壊後の連邦軍青年将校たちの反乱により小惑星ペズンで結成されたティターンズの残党ともいう

べき存在
彼らは連邦軍に討伐後、ネオジオンへと流れたが、彼らの残した技術は連邦へいくらか残されていた。
その中でも特出すべき物があった。サイコガンダムの小型化を目指し、とあるMSが開発されていたが
それはネオジオンへと渡ってしまった・・・。

しかし、その残滓とも言える技術だけは残されていた。

連邦技術士官「おい、このメンツの中に、サイコミュ兵装を使用したことのあるやつはいるか?」

茨の園にいるパイロット達が集められ、ブリーフィングと称してサイコミュ兵装の使用経験を聞いて回っていた
無論連邦軍にサイコミュ技術が本格的に入ったのはグリプス戦役中、ないしその少し前であった。

よってここでの使用経験は、エゥーゴの兵士達の過去の経緯に、ジオン公国出身者で、サイコミュに触れたこと

があるかについてだった。

無論、エゥーゴ側にもそのような人物は少ない。

その事に連邦の技術士官は頭を抱えていた。なにせルナツーから送られてきたものがとんでもない厄介者だった

からだ。

彡(゚)(゚)「あのー・・・技術士官殿・・・」

連邦技術士官「なんだ、お前か・・・」

やきうは他のもの聞かれないように小声で話しかけた
技術士官はやきうが連邦軍所属の兵士であることは知っていた、顔色から察するに、やきうも他のアースノイド

と同じ
サイコミュに関する知識は無いであろうと思っていた。

彡(゚)(゚)「あまり大きい声では言えないのですが・・・サイコミュ兵器を使用したことならあります」

やきうは直ぐ様連れて行かれ、厳重に警備された格納庫の一角へと連行された
それを見ていた他の連邦兵は、やきうがまた何かやらかしたのだと思いクスクスと笑った。

23: 2018/05/13(日)03:51:21
連邦技術士官「サイコミュを使用したことがあるのは本当か!?」

彡;(゚)(゚)「ええ、まあ・・・その・・・(あかん、なんか大事になりそうやな)」

やきうはことの重大さに気づいていなかった、先にも述べたように、サイコミュが連邦軍で導入されたのは最近

の事であり
また、扱えるものが強化人間しか連邦軍内には存在しなかったことから、一般兵にはその技術が行き渡ることは

なかった。

そんなことは連邦技術士官が一番良く理解している、先程の兵士たちに聞いて回ったのは
ダメ元でもいいからであり、まさか本当にサイコミュを使用できる者がいるとは思わなかったからだ。

やきうは事の経緯を話した。

かつて、一年戦争時代に、サイコミュ兵装を搭載した未完成のMSを操縦したことを。

連邦技術士官「そうか、とりあえず、見てもらいたいものがある・・・」

やきうは案内されるがまま、格納庫に運び込まれたコンテナの物を見て、その異様さを感じ取った。



ガンダムmkⅤ 

オーガスタ研究所で開発されたこの機体は3機製造され、うち1機はニューディサイズ、もう1機はネオジオン

へと渡ったと言われている。
そしてここに立つのは最後の1機であった。

彡;(゚)(゚)「こ、これは・・・ガンダムってやつですか?」

やきうはガンダムというものを過去3回ほど目にした
最初は一年戦争、白い悪魔が駆るガンダムを連邦軍本拠地ジャブローで、そして2回目はデラーズ紛争時にアナ

ベルガトーが盗んだ試作2号機サイサリス。
そして自身が乗り込んだガーベラ、何かとガンダムには縁がある男であった。

24: 2018/05/13(日)03:53:24
ガンダムというものはその逸話からか、連邦軍では半ば神格化されていた。
連邦兵ならばだれしもガンダムというものの名を耳にし、資料で目にする事がある。
しかし、今目の前にあるこの見た目の凶悪さは、かつてコンペイトウで観艦式を核攻撃したサイサリスを彷彿と

させる程
異様なまでの雰囲気を醸し出していた。


連邦技術士官「こいつはな、少し特殊でな・・・もともとは準サイコミュが搭載されていたんだが・・・」

彡;(゚)(゚)「準サイコミュ?通常のサイコミュとはちゃうんですか?」

準サイコミュ、本来はニュータイプ能力を持つものに特化される機能を、一般の兵士にも扱えるようにしたもの

である。

連邦技術士官「だがコイツにはそれがない・・・」

彡;(゚)(゚)「はぁ・・・ということは、動かせないということですか?」

技術士官は頭を抱えながら言った

連邦技術士官「それがな・・・兵装のインコムを扱うはずの準サイコミュシステムが無いんだ・・・その代りに



彡;(゚)(゚)「代わりに?」

連邦技術士官「サイコガンダムと同様のサイコミュが搭載されている」

サイコガンダム、ティターンズが開発を主導していた機体でもあるが、元々の計画は連邦軍時代から存在する。

25: 2018/05/13(日)03:54:45
サイコガンダムの噂は聞いていた
強化人間とよばれる、薬物などでニュータイプ的な素養を強化された、または肉体を強力なGに耐えられるように
改造された、超人兵士のようなものが操縦に携わっていたことを。

そして、そのパイロットとサイコガンダムがホンコンシティでエゥーゴのガンダムと戦い大破したという事も。


彡;(゚)(゚)「よろしいのですか?そのようなものを戦線に投入して」

技術士官が頭を抱えるのはその事もあった、言うならば今現在の新体制下では否定した技術を
厚かましくも利用しようとしていることに他ならないからだ。

しかし、状況が状況であることはやきうが一番理解していた。
むしろ、あのサダラーンから発せられたプレッシャーに、この機体をぶつけたとしても勝てるかと言われると
やきうは、自身が勝つ姿が想像できなかった。

だが、ジムⅡやガブスレイに乗ったとして、ネオジオンの量産型MSに勝てるかというのすら怪しい現状
やきうは、ここで氏にたいわけではなかった、戦士として戦場で氏ぬのは御免こうむる。

やきうは覚悟を決め、この禍々しいガンダムmkVのパイロットを務めることを承諾した。

そして、この機体を駆り出す機会は、思ったよりも早く到来した。

26: 2018/05/13(日)03:56:02
基地内にスクランブルが掛かった、連邦軍が想定していたよりもネオジオン内の抗争が激化しているということ


情報によれば、宇宙要塞アクシズを占拠した派閥と、例のサダラーン級艦隊との間で戦闘が行われている。
その事を掴んだ、独立部隊のネェールアーガマ隊が先行してアクシズに向かったとのこと。

この期を逃す訳にはいかないと、連邦艦隊がルナツーを出港したとのこと、ここはやきう達の部隊が先行し
ネェールアーガマ隊の援護と、アクシズまでの航路の安全を確認することになった。

茨の園から出撃できた艦船は、マゼラン後期型1、ラーディッシュ型1の二隻であった。

やきうはラーディッシュから眺める茨の園を後にすると、一人ガンダムmkVのコックピットで慣れぬサイコミュの

挙動を
出撃直前まで確認をしていた。


連邦兵「おい、どうだーやきう!サイコミュとかいうのでケツを拭くことはできるか?」

彡(´)(`)「アホか、出来るわけ無いやろ」

冗談を飛ばし合う部隊の仲間たち、やきうは出来るわけ無いと返したが、このサイコミュの仕組みならば
やきうがそういった感情をイメージすれば、自然とインコムが動き出しかねない。

しかし、それを感情でコントロールすることで、システムの挙動を抑えることをなんとしてでも覚えなければい

けなかった。

この機体を100%扱えなければ、勝つこと、いや 
生き残ることは出来ないからだ。

果たして、ガンダムの力はどこまで通用するか。やきうはネオジオンのMSに対して過信は出来ないことを
前回の敗北で感じていたからだ。

そして、ラーディッシュ艦隊がアクシズから射出されたと思われる、モーサの存在をデータで捉えたとき
やきう達はそれぞれのMSに乗り込み、ネオジオン艦隊との戦いに出るのだった
願わくば、これがネオジオンと最後の戦いになるように。

27: 2018/05/13(日)03:57:12
茨の園で多少慣らしていたとはいえ、ガンダムmkⅤの挙動は尋常では無いほどの動きをしていた。
直進時のG、方向転換をした際の挙動にかかるGに顔をしかめたくなる程であった。

しかし、この機動力と運動性ならば、ネオジオンの主力MSに迫ることはできるだろう。

だが、戦場の空気というものが、やきうの心を蝕んでいく。

サイコミュから感じ取られる人の思念、このアクシズを中心に多くの人間の魂と感情が渦巻いていた
ニュータイプ、作られたニュータイプ、大人、子供、男、女、様々な感情が戦場に流れている。

やきうのニュータイプ的な素養は高いわけではない、しかしどれも強力であり
ガンダムmkVのシステムはそれらを排除させるようにやきうに呼びかけ、支配しようとしている
だが、ここで心を飲まれれば、システムが暴走する。 
やきうは自我を保つために、あえてウンコを漏らしながらMSを操縦していた。

彡()()「あああああああああ!」ブリュブリュブリュ


このやきうの奇行は効果的であった、パイロットスーツに漂う糞尿の匂いにやきうは
自身の精神を留めさせることに成功した・・・しかし



ジュドー「!?」

マシュマー「なんだこの頭にくる、不快な匂いは!!」

グレミー「うっ・・・」

戦場に出る全てのニュータイプ達は、やきうのプレッシャーに不快感を示した。

28: 2018/05/13(日)03:58:14
やきうは戦場で相まみえる人工ニュータイプというものに恐ろしさを感じた
この戦士たちは、個々の感情が極端に抑えられていた。

人間で有りながらも、人間でない。この様相がガンダムmkⅤを激しく揺さぶった。

彡(●)(●) 「落ち着け、落ち着け」


mkⅤのライフルを発射すると、敵のMS、量産型キュベレイはいともたやすく回避をした。
多かれ少なかれ、戦場に出てライフルを向けられれば恐怖という感情が出るものだが
量産型キュベレイからは感じられなかった。

それが、やきうには恐ろしく感じた。

量産型キュベレイは背部から、ビームキャノンを剥き出しにすると、やきう目掛け撃ってきた。


彡;(>)(。)「しまった!シールドが!」

ビームキャノンの直撃を防げたものの、シールドを損傷してしまう。しかたなくシールドを捨て
やきうはインコムを発動した。

昔取った杵柄か、有線式のサイコミュ兵器にはそこまでの違和感なく使うことは出来た。
インコムは不規則な起動で量産型キュベレイを囲むと、出力は低いながらもビームを発射した。

キュベレイがそれを交わすと、量産型キュベレイの背部から何かが飛んできた、しかし

彡#(゚)(゚)「その挙動は読んだ!」

mkⅤの放ったビームライフがキュベレイの肩を直撃した。
その時、ようやくキュベレイのパイロットから恐怖心というものを感じ取れた。
やきうはその感情を感じ取れた事でためらい、キュベレイにとどめを刺さなかった


彡;(゚)(゚)「二度と出てくんなや・・・」

やきうの感情を感じ取ったのか、キュベレイはアクシズの方へと引き返していった。

29: 2018/05/13(日)03:59:27
連邦兵「くっ、なんだこの機体は、まるでやきうの・・・」

ガブスレイに乗った連邦兵は、緑のMSに苦戦を強いられていた
大型のその機体は、ビーム兵装だけでなく、ミサイルポッドまで装備していた。
これほどまでの重火力ならば動きは遅くなりそうなもの、しかし、それを感じさせないほど
MSのパイロットも、性能も上であった。


連邦兵「こんな機体で戦争なんかできるか!!」

ガブスレイのショルダーカノンで応戦するも、絶え間なく来る敵の射撃に防戦一方であった。

そして、なによりガブスレイを苦しめたのが

連邦兵「またか!コレは間違いない、インコムか!」

時折、緑のMSから放たれる有線式の誘導兵器がガブスレイの氏角からビームを射出してくる。
直撃しても、幸いガブスレイの背部は通常のMSよりは頑丈であったが、それでも何度も同じ攻撃をされれば
不都合が生じてくる。

連邦兵「しまった、動きが!!」

万事休す、そう思われたときである

「なんの臭い!!!」

緑のMS、ドーベンウルフのパイロットは、この場所に近づいてくる不快な臭いを感じ戦場を後にした。

連邦兵「遅いぞやきう!」

30: 2018/05/13(日)04:00:35
邦兵「やきう!!マゼランが敵に取りつかれてる!」

味方の救援要請に出動するも、マゼランではガゾウムとドライセンの連携には対処できなかった。
虚しくもマゼランは撃沈した。

幸いにも、マゼランからは搭載機は全て出撃できていた。ガブスレイとネロ2機と合流すると
ラーディッシュに戻るように指示した。

しかし、この時

最も恐れていたプレッシャーが戦場に乗り込んできた。


ガゾウムでもなく、ドライセンでもなく、他の機体とはもっともかけ離れた、白いMSであった。

例えニュータイプでなくとも、あのMSが放つプレッシャーは感じ取れるだろう、そして
それが怒りに満ちていることも。

連邦兵「まさか、あ、あれは・・・」

彡;(゚)(。) 「この感覚・・・まさか!?」



ハマーン・カーン「貴様か!!私の中に土足で上がり込み糞を撒き散らしたのは!!!」

連邦兵「えぇ・・・」

やきうはなんのこっちゃ分からなかったが、連邦兵は普段のやきうの素行を鑑みれば
ハマーン・カーンの怒りも、どことなくニュータイプでなくともわかりあえる気はした。

31: 2018/05/13(日)04:01:19
ネオジオン大将ハマーン・カーンの猛攻は恐ろしいものであった。
MSの性能差はスペックだけで見れば、キュベレイに劣らぬ部分もあった。
しかし、それを大きく突き放すほどの、パイロットとしての腕がそこにはあった。


ハマーン「落ちろ!便所コオロギ!!」

キュベレイの挙動一つ一つが、恐ろしく正確であり無駄がなかった。

椀部からのビームガンは牽制と呼ぶにはあまりにも的確で、やきうはブーストのペダルをべた踏みしなければ
避けれる気がしないほど、キュベレイにはすきがなかった。

そして、キュベレイには決して近づけないほどの強力な武装が存在した。

ハマーン「ファンネル!!」

キュベレイの背部から射出されるファンネルと呼ばれるサイコミュ誘導兵器は、ハマーンの意思に反応し
自在に動き回り、宇宙空間のあらゆる角度からビームを照射した。

このオールレンジ攻撃に対抗する方法は、やきうには無かった。

やきうは必氏にインコムで応戦するも、インコムの有線部分をハマーンのファンネルに射抜かれてしまった。

彡(;)(;)「な、なんやこの化物が!!」

ファンネルの攻撃を避けるだけでも、並のニュータイプには至難の業である。
しかし、やきうは攻撃を捨て、回避をするだけに徹する事で、なんとか命を繋ぎ止めていた
仮に攻撃に転じおうものなら、直ぐ様蜂の巣になりかねない状況であった。

仲間はやきうを見捨ててすぐに逃げ帰った。仕方ないね(レ)

32: 2018/05/13(日)04:05:17
ハマーン「くっ・・・なんて不愉快さだ!」

ハマーンも焦りが隠せなくなってきていた、ここしばらくやきうに攻撃を回避されていたため
今一歩決め手にかけていた、そして、やきうのニュータイプとしての素養が功を奏してきた。

ハマーンの心の中を、徐々に徐々ではあるがやきうの糞尿の匂いが充満してきて
集中力を欠いてくるのだ。

彡;(´)(`)「頼む!見逃してクレメンス!!」

ハマーン「くっ、ここで貴様に時間を割く訳にはいかない・・・」


祈りが通じたのか、ハマーンのキュベレイはその場を離脱した
まるで、決着を着ける相手を追うかのように。


彡(●)(●) 「た、助かったんか?」

ハマーンに見逃されたことにより、やきうは緊張の糸が途切れ
再び脱糞した。


その時、通信が入った。

「こちら連邦艦隊である、ネオジオンに告ぐ、直ちに停戦を受け入れよ」

少数ながらも、やきう達はなんとかルナツーからの艦隊が到着するまで持ちこたえることが出来た
その後、やきう達と入れ替わるように連邦軍の艦隊がアクシズを包囲した。

33: 2018/05/13(日)04:05:17
ハマーン「くっ・・・なんて不愉快さだ!」

ハマーンも焦りが隠せなくなってきていた、ここしばらくやきうに攻撃を回避されていたため
今一歩決め手にかけていた、そして、やきうのニュータイプとしての素養が功を奏してきた。

ハマーンの心の中を、徐々に徐々ではあるがやきうの糞尿の匂いが充満してきて
集中力を欠いてくるのだ。

彡;(´)(`)「頼む!見逃してクレメンス!!」

ハマーン「くっ、ここで貴様に時間を割く訳にはいかない・・・」


祈りが通じたのか、ハマーンのキュベレイはその場を離脱した
まるで、決着を着ける相手を追うかのように。


彡(●)(●) 「た、助かったんか?」

ハマーンに見逃されたことにより、やきうは緊張の糸が途切れ
再び脱糞した。


その時、通信が入った。

「こちら連邦艦隊である、ネオジオンに告ぐ、直ちに停戦を受け入れよ」

少数ながらも、やきう達はなんとかルナツーからの艦隊が到着するまで持ちこたえることが出来た
その後、やきう達と入れ替わるように連邦軍の艦隊がアクシズを包囲した。

35: 2018/05/13(日)04:09:47
彡;(-)(-)「ハァ・・ハァ・・・」 

彡;(>)(゚)「あああああああああああああああ」ブリュブリュブリュリュ ブッチッパ

彡;(´)(`)「またあの夢か・・・」

やきうは、夜驚症に悩まされていた。

第一次ネオジオン抗争後、サイコミュの影響からかやきうのニュータイプとしての感性は感化されていた。
あの戦場を駆け抜けたわずかながらの期間と、あの戦場での人間の思念、ハマーンカーンとの戦い
それらがやきうの心に強く焼き付き、やきうを苛んでいた。

第一次ネオジオン抗争終結から3年の月日が流れていた。

あの戦い後、やきうは心を病み 暫くの間療養を余儀なくされていた。

彡;(´)(`)「水・・・水を・・・」

ふらつく足で水を求め、冷蔵庫を開け、ペットボトルを取り出す
ペットボトルの水を口に含み、おぼつかない足でイスに座りTVを着けると
そこには、やきうには久々に見た男の素顔が映っていた。


「私の父、ジオン・ダイクンが宇宙移民者、すなわちスペースノイドの自治権を要求したとき、
父ジオンはザビ家に暗殺された!」

彡;(´)(`)「シャア・・・」


「ここに至って私は人類が今後、絶対に戦争を繰り返さないようにすべきだと確信したのである!!」

彡;(´)(`)「・・・」

「それがアクシズを地球に落とす作戦の真の目的である!!」

アクシズを地球に落とす その言葉にやきうはどうしても共感はできなかった。

「諸君!自らの道を拓くため、難民のための政治を手に入れるために!あと一息!
諸君らの力を私に貸していただきたい!!
そして私は・・・父、ジオンの元に召されるであろう!!!」


彡;(´)(`)「シャア・・・お前は何がしたいんや、そして、ワイは・・・どうしたいんや」


やきう、最後の戦いが始まろうとしていた。

36: 2018/05/13(日)04:10:43
規制されそうだからここで終わり
続きはまだ先になるかもだけど

残ってたSS供養しました おやすみ

37: 2018/05/13(日)04:13:13
おつ

38: 2018/05/13(日)04:15:56
お通夜で
ちょうど前の2作読んできたンゴ すごく良かったンゴねぇ

引用元: シャア「地球がもたん時が来ている!」彡(゚)(゚)「・・・」