1: 2021/08/09(月) 03:02:57.557
親友「あー、待った。待って。……今はこっち、ちょっと……見ないでくんね…?」

親友「……○○だろ、お前。……頼むよ……。」

親友「いやぁ……まあ、見られたくないっつーか……グロいし、さ。それに、オレもさぁ。」

親友「……見た、よな。……えと……どっから見てた…?」

親友「……ああー…………最悪……。うぁ……ほんっと……なんで……あーもう……はぁぁ……んっでこうなっかなぁ…。」

親友「…………待った。色々、聞きたいこととかあんだろうけど……とりあえず、深呼吸させてくんね?お前もさ、少し落ち着いた方がいいぜ。」

親友「ふぅぅ…っ……はあぁぁ……。…………あー……で、まあ……なんか聞きたいことあんなら……どーぞ。」

親友「……んー…………えと……まあ……食って、た…。……うん……この人のこと…。」

親友「……体質でさ。満月の夜、どうしようもなく……食べたくなるんだ……。あー、まあ……何言ってるか分かんないよな。」

親友「オレさ……狼女なんだ。……あの、狼男ってあるだろ。吸血鬼とかフランケンとかと仲良しの……満月になると、狼に変身しちゃう男のこと。あれの、まあ女版ってとこ。」

親友「そこから見えっか分かんないけど……今のオレ、結構狼だぜ。ほら、尻尾とかさ……見える?ほら、かわいいだろ……はは……。」

親友「…………悪い……なんか、変なテンションになってる…。」

4: 2021/08/09(月) 03:13:26.971
親友「えーっと……どっから聞きたい?つっても、まあ……今見てるのが全てなんだけどさ。」

親友「でも、案外うまいこと隠してただろ?こんなバケモノなのに、ちゃんとヒトのふり、出来てたろ?そこんとこは、結構がんばってたんだぜ。」

親友「こっちの……ヒトの社会に紛れ込むのに、結構勉強しててさ……まあ、昔っからヒトの文化とか、嫌いじゃなかったし、楽しかったんだ……それが活きたってことかな。」

親友「結構友達とかいたし……お前みたいなのも、できたしさ……ほんと…………もうちょいで、なーんもかんも上手くいったんだけどなぁぁぁ……っ。」

親友「…………ん…。」

親友「…………く…………食うかよ…ッ……馬鹿……っ…。」

親友「……はは……いやぁ……腹減らなきゃ、食わないよ。今日のぶんはもう、済ませたしな……。」

親友「……いや、違う……やり直させて。……お前は、減ってても食わないよ。……信じてくれるか、分かんないけどさ…。」

9: 2021/08/09(月) 03:20:34.710
親友「……なあ……。」

親友「オレさぁ……お前みたいな友達ができて、嬉しかったんだよなー…。一緒に馬鹿やって……なんつーか……気の置けない、っていうんだっけか…こういうの…。」

親友「メシ食って、勉強して、遊んで……楽しかった…。……あのさー…………スマブラ、今オレが勝ち越してただろ、確か…。あーいうどうでもいいことが……めっちゃ楽しかったんだわ。」

親友「新しい靴買ったら、真っ先にお前に写真送って……馬鹿にされてムカついて……はは……いや、なんだろ……幸せだったんだよなー……なんかさ。」

親友「……ごめん……なんか、ずるいよな…。ば……バケモノだってことがバレたからって……なんか……情に訴えかけようとしてんのかな……っ…。……はあぁぁ…っ……卑怯だよなあ…っ…。」

親友「…………どう……する…の…?」

親友「……いや……このまま、時間かけてっと……夜明けちゃいそうだし……なんか、このままだと、それまでずっと、だらだら……言い訳とか、しちゃいそうだから…。」

親友「……お前が、決めろよ…。……もう、なんか…はは……分かんねーや…。どうすりゃ、いいと思う…?」

親友「…………頼むよ……助けてくれよ……。」

14: 2021/08/09(月) 03:31:06.645
親友「……はああ……?」

親友「なっ……ゎ、分からないって……ははは……なんだよ…。た、頼りになんねーなぁ…。」

親友「……分かってるよ…ごめん……。お前に分かるわけないんだよな…。むしろ、お前のセリフだろってのに……つくづく……はああっ…。」

親友「…………………み……」

親友「………みの…がし、て………くんねえ、かなあ……!?」

親友「い……嫌なんだよッ!嫌われたくないんだッ!だ、だったら今日、み、見たことっ、全部!忘れてくんねえかなあ!!」

親友「そ、そうすりゃっ、明日からだって…!!上手くやるッ!ちゃんとっ、お前の友達に戻るから!!だから!!なあ……!!」

親友「じゃ…ないと……っ…………お前……オレみたいな、バケモノじゃ……もう……二度と……っ……!!」

親友「……嫌だぁ……嫌だぁあ……!!ああああッッ……嫌だってぇ、そんなのお……!!!」

17: 2021/08/09(月) 03:40:18.842
親友「…………!!」

親友「んなッ……なんだっ?うぁ!なんだよッ!来るな!!馬鹿馬鹿馬鹿ッ、ふざッ……来るなあッ!!」

親友「や……やめて……。頼むよ……!頼むから、近づかないで……。今のオレを……見ないで、くれよ……お願いだからぁ…!!」

親友「……はぁあ…!?だって、嫌いになるに決まってるッ!こんなッ、醜い姿!!見たら……き、嫌われるくらいなら……ぃ…今……お前を……!」

親友「そ……そこ、から……一歩でも進んだら……襲う、ぞ……!脅しじゃないっ!!お前の、顔が……歪むくらいなら……お前の目が、冷たくなるくらいなら……本気で……!」

親友「……ぅぅぁぁああああーーッッ!!!」

21: 2021/08/09(月) 03:50:38.319
親友「ヒッ…ヒィッ……ハアッ……!ハフッ……ヒ……ぁ……ぁあ…ぁ……?」

親友「……あぁ……あああああ……!!!ごめんッ、ごめんよ…!ああっ、○○…ッ!なんで…うぁあ…!血、け、怪我っ……爪がっ……!」

親友「ヒッ!!……ぇ……え……?……な……なに……。……あ……んッ………んぁ……。」

親友「……はっ……はっ…………ふ……ふざ…け……おまッ……なに、考えて……。」

親友「…………ああーぁ…ぁ…もう…………は…はは……み……見られ、ちゃったよ……。」

親友「み……見られたくないって、言ってんのに…さぁ……。ど…どんだけ、性格悪いんだっつの……はは……最悪だよ、お前…。」

親友「…………嬉しく、ねぇって…。人のンプレックス、褒められたって……逆効果だっての……。」

親友「……でも…………いくら、最悪の馬鹿はいえ、さ……お前が…………お前が、気にしないくらいには……大したこと、なかったかも……とか…思ったりして……。」

23: 2021/08/09(月) 03:59:03.125
親友「…………なあ……。」

親友「……怖く、ねーの……?オレ、こんな、なんだけど……。ヒトとか、食うぜ……?しかも、生で…。」

親友「……はは……焼いては食わねーよ…そこまでグルメじゃねえって…。あー……ほんっと…ば……馬鹿にしやがって……。」

親友「ほら……爪とかさぁ……ほら、すごいだろこれ……ちょっとその気になれば、お前の肌も、肉も……一瞬で………。」

親友「……お……怒ってもお前には向けねーよっ。そこまで、タガ外れてねーっての……。信用しろよ…。」

親友「そ……それと………匂い、とか…毛とか……つくかも、だし…。あと、あとは……ほら、牙とかさぁ……へ、は、はいっ。」

親友「……な……なんでもいいって……。……お前なぁ……人がどんだけ気にしたと思って……。」

親友「……まあ、いいや…。お前がいいなら、それで…。はは……ったく……なんか、アホらし…。」

25: 2021/08/09(月) 04:12:45.960
親友「……ふー、こんなもんか。」

親友「悪いな、手伝ってもらって。本当ならもうちょい綺麗に食ってから埋めるんだけど……まあ、食欲なんてすっかり萎えちまったし。」

親友「それにしても、お前もこれで立派な犯罪者だな。氏体遺棄。ははは、どうすんだよ。お先真っ暗じゃんか、その歳で。」

親友「まあそんときはしばらく、うちにでも来てなよ。ほとぼり冷めるくらいまでなら、いてもいいからさ。」

親友「……ありがとな。なんか、すっげー肩軽いわぁ。……正直言うとさ、ずっと後ろめたかったんだ。隠し事してて。」

親友「だからといってそう簡単に言えるとでもないし……よかったよ、お前が馬鹿で。……あー、違う。ごめん。えっと……理解のあるやつでさ。」

親友「はは……なんか今日は、ずっとお前にヘンなことばっか言ってる気がするよ。なんか、妙なテンションっていうか……駄目だね、満月の日は。」

親友「……ヘンなことばっか言ってるついでに、もうひとつだけヘンなこと言うけど……。」

親友「ちょっとだけなら……惚れてもいいぜ……○○のこと。………………あー……やっぱ、言うんじゃなかったな…。」

親友「まあ、いいや。今日起こったオレにとって都合の悪いこと、すっかり忘れといてよ。明日以降またイジったら、噛むからな。」

親友「……そんじゃあ……また、火曜な。ちゃんと宿題しとけよ。また見せるの嫌だからな。あと……」

親友「今度から、朝迎えに行くから。一緒に学校行こうぜ。……じゃ、おやすみっ。」

26: 2021/08/09(月) 04:12:56.757
みたいなの…

27: 2021/08/09(月) 04:17:15.571
なるほど

28: 2021/08/09(月) 04:19:28.520
狼形態のところを無理やり抑え込んであんなことやこんなことがしたい

引用元: 狼女だった親友(♀)「あれ……。」