1: 2010/11/05(金) 03:42:51.41
??「……シュ、おい」

ルル「zzz…zzz……」

??「…きろ、……シュ」

ルル「ぅん、んん?」

??「起きろ…ルーシュ」

ルル「なんだ、煩いな…」

2: 2010/11/05(金) 03:44:41.83
C.C.「起きろ、起きろ。 ルルーシュ!」

ルル「C.C.か。 こんな夜半にどうしたんだ」

C.C.「いいから起きろ。 そして正座して私の話を聞いて懺悔しろ」

ルル「……?」

6: 2010/11/05(金) 03:46:16.20
ルル「おい、C.C.」

C.C.「なんだ?」

ルル「今、何時なのかお前は知っているか?」

C.C.「夜半2時を過ぎたくらいか」

ルル「なんだ、知っていたのか」

C.C.「時刻を把握できないほど寝惚けてはいない」

ルル「…それで、なんで俺はこんな時間に叩き起こされなければならない?」

C.C.「自分の胸に聞いてみろ」

ルル「…分からないから聞いているんだが」

8: 2010/11/05(金) 03:50:40.66
C.C.「分からない。 お前はそう言ったか」

ルル「ああ。 お前が怒っている理由はおろか、現状の把握すら出来ていない」

C.C.「ほぅ…。『盗人猛々しい』とは、まさにこの事だな」

ルル「何やら凄い言われようだが、一体何の事だ」

C.C.「自分の胸に聞いてみろ。この助平が」

ルル「だから身に覚えが無いと言っているだろう」

C.C.「…本当に分からないのか?」

ルル「当たり前だ」

10: 2010/11/05(金) 03:52:47.88
C.C.「ルルーシュ、お前は年齢的にも健全な男子と見受ける」

ルル「まぁ、確かにそれは否定できない事柄だな」

C.C.「だとすれば問題が一つ発生するだろう?」

ルル「そんな『してやったり』な顔をされても、俺にはいまいち理解しかねるのだが

12: 2010/11/05(金) 03:54:28.67
C.C.「お前くらいの年頃が抱える悩み…それ即ち『性』の悩みだ」

ルル「一般的にはそうだろうな」

C.C.「お前も例外ではないだろう」

ルル「馬鹿を言うな。黒の騎士団や学業,生徒会役員などで俺はそれどころではない」

C.C.「…言い逃れは見苦しいぞ」

ルル「事実を元に意見を述べたまでだ、他意なぞあるはずがないだろう」

13: 2010/11/05(金) 03:56:09.58
ルル「お前の言う『性』の悩みに関して、真意は分かりかねる」

C.C.「ふん」

ルル「しかして、お前が何かを訴えたいのだという事は理解できる」

C.C.「私が何について責めているかまだ分からんのか、このシスコンは…」

15: 2010/11/05(金) 03:58:40.19
C.C.「ルルーシュ、私の目を見ろ」

ルル「…一体何なんだ」

C.C.「私のこの曇りなき眼を見ても無実だと誓えるか?」

ルル「胡散臭さで塗り固められた目を見ても、誓えることなど無いのだが」

C.C.「いちいち五月蝿いぞ、お前。 黙って私の言うことに答えろ」

ルル「…夜中に人を叩き起こした奴の言う台詞とは思えない発言だな」

16: 2010/11/05(金) 04:00:49.80
ルル「しかして、えらく質問の提起に時間をかけるな、C.C.」

C.C.「当然だろう? これは私にとって非常にデリケートな問題なんだ」

ルル「ほぅ、それは何なんだ?」

C.C.「デリケートな問題だと言っただろう? 
   聞き質すためには尋問に時間をみっちりかけるつもりだぞ」

ルル「……おい、それはすぐに終わらない事なのか?」

C.C.「お前が白状すれば数分足らずで終わることだ」

19: 2010/11/05(金) 04:03:35.51
ルル「…C.C.。俺は明日、中華連邦に飛ぶという予定を知っているだろう?」

C.C.「ああ、知っている」

ルル「そのために、明日は朝方の5時には起床しなくてはならないということも?」

C.C.「当然知っている」

ルル「他の国々との締結を結ぶための、非常に重要な会議ということもか?」

C.C.「当たり前だ」

ルル「それよりも大事な事だとでも言うつもりか?」

C.C.「フレイヤが今、私達の住まう場に着弾しても
   この問題を解決するまで私は引くつもりは微塵たりとも無いぞ」

ルル「…よほど大事な問題だというわけか」

21: 2010/11/05(金) 04:06:12.51
ルル「なぁ、C.C.」

C.C.「どうした?」

ルル「そろそろ俺に猜疑の目を向ける原因くらい教えてもいいんじゃないか?」

C.C.「……正直に答えるなら、教えてやろう」

ルル「答えるからさっさと話せ」

C.C.「神に誓うか?」

ルル「ああ、誓おう」

C.C.「ふん、ダウトだ」

ルル「…お前が誓えと言ったんだろ」

C.C.「私は神を信じていないからな。
   そんな存在するか否かも分からぬ神ごときに誓うなどとは愚の骨頂だ」

ルル「…お前が神を信じるか否かなんぞ、俺の知ったことではないだろうに」

24: 2010/11/05(金) 04:08:20.28
ルル「ああ、もう二時半を過ぎてしまったじゃないか…」

C.C.「ほら、貴様がさっさと白状しないから刻一刻と時間は流れていくぞ」

ルル「…原因の9割5分2厘はお前にあるのを忘れるなよ」

ルル「しかして、お前がそこまで躍起になっているのは珍しいな」

C.C.「何度も言っているだろう。 私にとっては大事なことなのだと」

ルル「失せ物でもあったのか?」


C.C.「ルルーシュ、お前……やっぱり犯人だったのか」

ルル「…何か失くしたんだな、お前」

28: 2010/11/05(金) 04:11:08.96
C.C.「今の発言で確固たる犯人像が浮かんだ」

ルル「ほぅ」

C.C.「体型は痩せ型。 髪は黒髪。 年齢は10代後半」

ルル「あんな些細な一言でよくそこまで推理が廻るものだな」

C.C.「そいつは人に言えない秘密がある」

C.C.「例えば、仮面を被って世界的蜂起集団のリーダーに立っている。
   例えば、片目に絶対遵守のギアスを宿している。
   例えば、私の大事なものを盗んでいる」

ルル「見事な推理だ。 
   思い当たる人物が強制的に一人になるのも素晴らしい」

C.C.「ふん、そんなに褒めるな」

ルル「秘かに濡れ衣まで被せているあたり、性質が悪い事この上ないぞ」

30: 2010/11/05(金) 04:13:52.41
C.C.「なぁ、ルルーシュ」

ルル「その慈愛を含んだような目を止めろ」

C.C.「今ならまだ間に合うぞ」

ルル「何が間に合っていないのか分からないと言っているだろう」

C.C.「私も鬼じゃないから、今ここでお前が名乗り上げれば
   お前のカードが破産する寸前までピザを注文する程度で罰は済ませるんだぞ?」

ルル「恐ろしすぎるな、それは」

C.C.「どうしても私の口から言わせたいのか?」

ルル「言ってくれなくては分からない事もある。
   特に今回は本当にサッパリなのでな」


C.C.「…仕方ない、か」

31: 2010/11/05(金) 04:15:18.25
C.C.「ルルーシュ、お前に問おう」

C.C.「なぁ……正直に答えろ」


C.C.「私のパンツ、盗んだのお前だろう?」

36: 2010/11/05(金) 04:19:03.76
ルル「……」

C.C.「おい、ルルーシュ」

ルル「…あと二時間は眠れるか」

C.C.「なに勝手に床に就く準備を始めているんだ」

ルル「C.C.」

C.C.「お、ようやく白状する気になったか」

ルル「最近は寒いからな。 寝冷えしないように温かくして眠れ」

C.C.「あ、ああ。 気遣い感謝する」

ルル「それじゃあ、おやすみ」

C.C.「…おやすみ」

38: 2010/11/05(金) 04:22:08.95
C.C.「いや、違うだろお前。
   自然と就寝の挨拶まで交わして誤魔化せるとでも思ったのか」

ルル「…俺がお前の下着を盗むワケないだろうが」

C.C.「証拠は?」

ルル「ない。 というか、ありもしない事象に有無もへったくれもあるか」

C.C.「やっぱりお前が犯人じゃないか」

ルル「馬鹿を言うな。 
   …俺も自分のインナーがここ数日で減っていて狼狽しているんだぞ」

C.C.「男物の下着紛失なぞ私の知ったことか」

ルル(…ほぼ同じ台詞をそのまま投げつけてやろうか)

39: 2010/11/05(金) 04:24:52.59
ルル「…ではC.C.。 一つ問うぞ」

C.C.「ふん、意見を許可してやろう」

ルル「お前が俺を犯人と思う理由は何なんだ?」

C.C.「愚問極まりないな。 それは非常に単純な事だ」

40: 2010/11/05(金) 04:27:28.10
C.C.「この屋敷の警備は完璧だ」

ルル「ああ、咲世子が施錠のチェックを始めとした警備員代わりになっているからな」

C.C.「よって侵入者が入り込むというケースは考えづらい」

ルル「確かに」

C.C.「となると、内部からの犯行の線が考えられる」

ルル「お前にしては妥当な判断だな」

42: 2010/11/05(金) 04:29:44.43
C.C.「そして、ここの住人」

ルル「俺とお前、そしてロロと咲世子だな」

C.C.「私は当然ながら、咲世子は同姓という事もあるので除外していいだろう」

ルル「…構わん。 話を続けろ」

C.C.「そして残るはランペルージ兄弟」

ルル「……」

43: 2010/11/05(金) 04:31:05.77
C.C.「ロロが犯人とは考えにくい」

ルル「それは何故だ」

C.C.「あいつが異性の下着を盗んで、いかがわしいことに使っているとは想像しがたい」

ルル「同じ事柄を俺にも是非言ってほしいものだ」

45: 2010/11/05(金) 04:33:19.16
C.C.「それに、だ」

ルル「それに?」

C.C.「前にあいつがお前の下着を盗んでいるのを目撃したからな」

ルル「…だから妙に俺の下着が減っていたのか」


C.C.「そういう事例も込み入れるとして、アイツも除外対象だ」

ルル「なるほど。 まさかの犯人情報のリークに感謝する」

46: 2010/11/05(金) 04:35:41.57
ロロ何してんだよwwwww

48: 2010/11/05(金) 04:37:17.69
むしろロロがあやしいじゃねえかww

49: 2010/11/05(金) 04:37:39.55
C.C.「というワケで、だ」

ルル「どういうワケでだ」

C.C.「お前犯人、私は怒る、お前土下座、私は満足。
   理解したか?」

ルル「理解どころか納得すら出来んぞ!」

C.C.「…いつの世も、正しき者は批判を受ける」

ルル「…お前が何に憂いているのかは知らんが、俺からも言わせてもらう」

C.C.「ほぅ、発言を許可してやろうじゃないか」

52: 2010/11/05(金) 04:42:04.58
ルル「これは客観的な分析から基づく答えだ」

C.C.「言ってみろ」

ルル「お前、ここ数日はずっと俺と一緒に行動していただろう」

C.C.「ああ、それはもう嫌というほどにな」

ルル「お前は未だに俺の部屋で寝泊りしているから、否が応にも寝食を共にしている」

C.C.「それがどうかしたのか?」

ルル「つまり、だ。
   お前は俺の行動を自分でも気づかぬうちに監視していたことになる」


ルル「……C.C.、俺にお前の下着を盗める機会はあったか?」

54: 2010/11/05(金) 04:45:28.52
C.C.「私が風呂に入っているときは流石に無防備だったろう」

ルル「その点についてはアリバイが有る。
   貴様が風呂に入っている際、俺はずっとダイニングにいた。
   ロロと咲世子と三人で夕飯を取っていたぞ」

C.C.「怪しいな。わざざわ皆で食べずとも、一人で夕飯くらい食せるだろう?」

ルル「夕飯を食べるタイミングで風呂に入っているだろ。
   なぁ、どこかの誰かさん」

C.C.「…一番最初にシャワー浴びるためには、あの機会が一番なんだ」

55: 2010/11/05(金) 04:48:36.05
ルル「上記の通り、俺にはしっかりアリバイがある。
   無いのはお前の下着を盗む動機くらいだ」

C.C.「見目麗しい女性の下着を盗むのは、男子の本懐じゃないのか?」

ルル「そんな事を本懐として持ち出されても困るがな」

57: 2010/11/05(金) 04:53:14.33

C.C.「そういえば、重大な点を見逃していた……!!」

ルル「いい加減に寝かせてくれ…。 
   で、なんだ。 その重大な点とは?」

C.C.「私としたことが迂闊だったな。
   これさえ確かめれば、お前が犯人か否か一発で判断できるじゃないか」



C.C.「私の下着をお前が穿いているかも知れない」

ルル「本物の馬鹿だったかお前は」

58: 2010/11/05(金) 04:55:45.02
C.C.「おい、ルルーシュ。じっとしていろ」

ルル「……本気か? 本気なのか!?」

C.C.「痛くない。すぐ済むからな」

ルル「お前、男のパンツを脱がそうとするなぞ淑女のすることか!?」

C.C.「ほら、暴れるな」

ルル「無茶を言うな!」

59: 2010/11/05(金) 04:58:08.03
C.C.「ふふ…童O坊やは大人しく私に任せておけばいいんだ…」


C.C.「ほら、もうすぐお前のズボンが脱げて、私のパンツが露わになるぞ…」

ルル「や、やめろ、やめろーーーーー!!」


ガチャッ


咲世子「ルルーシュ様、もう夜半過ぎですよ。
    あまり騒ぎすぎては明日に…響き、ま…すよ……?」


C.C.「……あ」

ルル「……あ」

咲世子「……」

65: 2010/11/05(金) 05:03:09.13
C.C.「………」

ルル「………」


咲世子「……失礼致しました。 ごゆるりと」



C.C.&ルル「誤解だ!」

66: 2010/11/05(金) 05:04:49.16

―――


咲世子「まさか、ルルーシュ様とC.C.様が…」

咲世子「やはり一つ屋根の下に住む男女、何があるか分かりませんね…」

咲世子「しかして……」


咲世子「私の下着にC.C.様の分がいくつか混ざっていたこと…」

咲世子「早めにお伝えした方が宜しいのでしょうか?」


―――

67: 2010/11/05(金) 05:06:37.82
ルル「なにやら大変な場面を見られてしまった…」

C.C.「規制事実でも作るか?」

ルル「寝言を言っている暇があれば、もう寝かせてくれ…」

C.C.「ふん、まぁお前は黒からグレーに変わったしな。
   とっとと休んで明日に備えろ」

ルル「俺は本来明日に備えていたんだが…まぁいい、言われずとも眠るつもりだ」

68: 2010/11/05(金) 05:08:50.33
C.C.「おい、ルルーシュ」

ルル「なんだ?」

C.C.「詰めろ。 私が眠れないじゃないか」

ルル「お前のベッドは向こうにあるだろう」

C.C.「今日は寒いからな。 お前が寝冷えしないための予防だ」

ルル「……」

69: 2010/11/05(金) 05:12:18.38
C.C.「恥ずかしいのか?」

ルル「馬鹿を言うな」

C.C.「私は恥ずかしいぞ?」

ルル「……もう寝ろ」

70: 2010/11/05(金) 05:14:00.68
C.C.「おい」

ルル「…なんだ?」

C.C.「私のパンツ、えOちな事に使うなよ?」

ルル「まだ疑うか、貴様は」

C.C.「…私は、ここにいるんだからな」

ルル「…どういう意味だ?」

C.C.「…ふん。 女心を辞書で引け」



C.C.「おやすみ、ルルーシュ」

ルル「…ああ、おやすみ。 C.C.」

71: 2010/11/05(金) 05:16:42.07
【エピローグ】


ロロ「あ、兄さん!」

ルル「ロロか…おはよう」

ロロ「なんか凄く疲れた顔しているけれど、昨晩何かあったの?」

ルル「とんでもない珍事が少々な…」

ロロ「そっか、大変だったね」

ルル「ああ……」


ルル「そんな事よりも、ロロ。 
   少々お前の時間が欲しいのだが空いているか?」

ロロ「うん。別に何かしているわけでもないし、空いているよ」

ルル「そうか」


ルル「ロロ、お前に問おう」

ルル「俺のパンツ、盗んだのお前だろう…?」


―END―

78: 2010/11/05(金) 07:37:38.77

引用元: C.C.「ルルーシュ、お前に問おう」