227: 2009/03/20(金) 19:18:54 ID:btcPkYQIo
シンジ『うぅ~ん・・・あぁ~』
俺は起床した 
どうやらテーブルでノートを写していたが、途中で居眠りをしてそのまま朝を迎えた様だ。
ふと携帯を見ると着信があり、留守番メッセージがあった 
寝呆けながらメッセージを再生する 
『シンジ、私だ。いつも通り今月分は振り込んでおい』
ピッ!! 
 
朝から最悪な声を聞きたくはない 
アイツからのメッセージで残念ながら目が覚めてしまうとは・・・ 

こんな事をして父親面をするクソ親父がハッキリ言ってムカつく 

思い出すだけで親父への憎しみが増す

228: 2009/03/20(金) 19:39:13 ID:???

  
俺が5歳の頃、母親は白血病で氏んだ。穏やかで優しい人だったらしい 

『らしい』と言うのは母親の記憶が俺に残ってないからだ。 
母親が氏んだ後、親父は直ぐに俺を施設に預け、海外へ行ってしまった 
帰国したのは俺が15歳の時、10年ぶりの再会だった。 

施設に電話が来て『俺に会いたいから施設に行く』と連絡が・・・
俺は不安と嬉しさを感じなが 施設内の応接室で施設の園長と共に親父を待った


 



そして、親父はやってきた 

10年ぶりの親子の再会
感動の対面のはず、しかし親父の横には知らない女性がいた・・・ 





親父はこう言った
『久しぶりだなシンジ、突然だが私は彼女と再婚する。今まで寂しい思いをさせてすまなかった。 
これからは3人で一緒に住もう』
との事だった

230: 2009/03/20(金) 19:52:58 ID:???


気付くと、俺は身を乗り出し、親父の頬を殴った 

『ふざけんな!!』
親父は吹っ飛び、床に倒れた
俺は親父の胸ぐらを掴み、声を荒げた 
『俺を捨てたクセに父親面して知らない女と・・・』
ここからの記憶はない 

無我夢中で親父に罵声を浴びせながら殴り続ける俺を親父の婚約相手は震えながら棒立ちして見ていたそうだ。  

その後、暴れる俺を施設の男性職員が二人かがりで親父から引き離し、応接室から連れ出された。 



気が付くと俺は施設内の自分の部屋に寝かされており、親父と婚約者の姿はなかった・・・

231: 2009/03/20(金) 20:04:39 ID:???

そして話は今に戻る 

俺は高校に上がると同時に施設を出た 
一人暮らしをする事にした 
もちろん親父とは住むなど論外 
しかし、施設から聞いた親父は俺への経済支援として毎月金を振り込む様になった 


迷惑な話だ 
あんなヤツからの金なんて使いたくもない


そんな昔話を思い出している内に時間が近いていた 





シンジ『ヤバイ!!遅刻するっ!!』
そう叫ぶと、俺は急いで着替えて高校へと向かった

232: 2009/03/20(金) 20:19:16 ID:???

俺は教室のドアを開けた 

シンジ『はぁはぁはぁはぁ・・・ギリギリセーフ!!』
そう叫びながら教室に入るとドア付近にいた女子2人がクスクス笑いながら見ていた 






俺は恥ずかしながら自分の席へ向かった 
その間も他のクラスメイトが笑いながらジロジロと俺を見ていた 



羞恥になりがら俺は自分の席へ座った 
すると、前に座っていたタクマがニヤニヤしながら振り返った 

タクマ『朝一から笑いを取るとは才能があるじゃないかな~』

233: 2009/03/20(金) 20:47:38 ID:???


コイツは桐原タクマ 
高校で最初に出会った友達と呼べるヤツ 

何時もヘラヘラしながら過ごす自由人だ 

シンジ『うるせぇな~寝坊したんだよ』 

タクマ『あらあら寝坊でちゅか~シンジちゃ~ん
私が毎日起こしに行ってあげましょうか~』

そう言うとタクマは俺の頬をつついてきた 

俺はその指を掴みながら、『そんな口を裂いてやろうか?』と拳を握りながら答えた 

タクマ『ハハハ~マジになるなよ~
それより俺、昨日惣流に告白したぜ』
と笑顔で言った 

シンジ『惣流って、あそこにいるアイツだろ』
俺はそう言うと教室の一点を指で差した 

そこには沢山の女子に囲まれながら楽しく会話をしている彼女の姿があった

241: 2009/05/12(火) 09:20:32 ID:???
  

タクマ『そう!!だけど・・・結果は敗北でした~』
と机に伏せながらお手上げ状態で報告した 

シンジ『所詮は雲の上の存在だ、まっ良い経験をしたな』
と無関心に答えた 

『シンジは、惣流に興味が無いのか?この学校で興味が無いのはお前ぐらいじゃないか~』
とタクマは呟いた 

『いや、確かに綺麗だと思うが、何かお嬢様みたいに育った金持ちの娘さんらしいし、そういう娘はちょっとな・・・』
とシンジは外を眺めながら答えた 


惣流・アスカ・ラングレーはドイツからの帰国子女らしく、学校から少し離れた高級住宅街に住んでいて、周りからはお嬢様と言われている 



242: 2009/05/12(火) 09:34:59 ID:???



すると突然、女子グループ数人を引き連れ、惣流がこちらへ向かって来た 



シンジとタクマの席まで来ると
『ちょっと、さっきからこっちをジロジロ見てたでしょ』
『あと指さしてたし』
と二人の女子が言ってきた 

タクマ『えっ、いや・・・』
タクマは焦っていたが、シンジは冷静だった 
シンジ『いや、普通に会話をしていて惣流さんの話題が出ただけだよ』


すると後ろに居た惣流本人が現れた 

惣流『まっ、私みたいな美しい女子と同じクラスに居るなら話題にもなるわよね~ 
でも、所詮は昨日のアンタは人間以下だし』
とタクマを見ながら、そんな事を言い放った 
そんな惣流の言葉に周りにいた女子グループはクスクス笑っていた 


タクマはいつもの元気が無くなり、沈んでいた 

そんなタクマの姿を見たシンジは・・・ 
『そんな言い方は』
すると・・・ 

243: 2009/05/12(火) 09:50:20 ID:???

惣流『あら、アンタはソイツよりまともね~、それでもチンパンジーって所かしら』

と邪悪な笑顔で言い放った 
するとクラスの女子全員が爆笑した 
『惣流さん、最高!!』

『座布団、1枚!!』
『おっかし~』
と女子達の声が響いた 




247: 2009/05/15(金) 16:22:24 ID:???
>>243
続き 






プチ 
『ふざけんな・・・』
ついにシンジの堪忍袋の緒が切れてしまったようだ  

しかし、そんなシンジを必氏にタクマは押さえる 

『やめろ、シンジ・・・いくらムカついたからって惣流に喧嘩売ったら、学校中の男子を敵に廻すぞ!!』
タクマはシンジの耳に向けて呟いた 

『そんな事知るか!!ここまで言われて、黙っていられるか』

まはや、シンジは獲物を見つけた野獣のようになっていた 

その姿に先ほどまで笑っていたクラスの連中も静まりかえっていた 

惣流を除いて。。。 


『何それ?怒っちゃったの?まだまだガキね~』
惣流は臆する事なく、シンジに語り掛ける 


248: 2009/05/15(金) 16:46:44 ID:???



『ガキだよ、だがなお前みたいな金持ちの親の下で育った成金女には言われたくない!!』
シンジは声を荒げる  

その言葉を聞いた惣流は、何故か黙り込んだ 

シンジはさらに罵声を続ける 

『お前、散々人を馬鹿にしてるがお前も所詮は赤髪生やした猿だよな!!』

『この学校は自分の縄張り、学校の男子は僕って訳だ!!赤猿にのお前には理想郷だな!!』

粗方言うとシンジはタクマの手を振りほどき、カバンを持ち、教室の出口へ向かい、去って行った 




249: 2009/05/15(金) 16:54:16 ID:???






教室に残されたタクマや他の連中は唖然としていた・・・ 


そんな中、黙り込んでいた惣流は突然、自分の席へ戻り、愛用のカバンを手にし、シンジが出て行った出口へ向かった 


『ちょっと惣流さん!!』
1人の女子が声をかける 

『ゴメンなさい、ちょっと今日は早退する・・・』

そう言うと、惣流は教室を出て行った






教室を出て行った惣流はガクガク震えていた 

251: 2009/05/15(金) 17:03:31 ID:???



惣流はガクガク震えながら何か呟いている・・・ 






『私に・・・ 
素直な・・・ 
本気で・・・

面と向かって・・・ 

アイツ・・・』 






そしてアスカは呟いた 

『嬉しい・・・』


 
252: 2009/05/15(金) 17:41:33 ID:???
どMだな

253: 2009/05/15(金) 22:39:09 ID:???
なんか、また視点が変わったw

254: 2009/05/16(土) 01:57:01
おまえら寛大なんだな

引用元: 15