1: 2018/12/25(火)18:41:12
カズマ「そうか。この世界じゃクリスマスはねえか」

めぐみん「ですから、くりすますってなんですかと聞いているじゃありませんか」

カズマ「あのな、クリスマスってのはキリストって神様の降誕を記念する日だ。いわば、記念日ってヤツか」

めぐみん「きりすと?聞いた事がありませんが、そのような神様なんていましたか?」

カズマ「まぁ、基本は俺が居た国でのみ信仰されてる神だからな」

めぐみん「ほぉ、カズマが居た国だけの神とは、変わってますね」

カズマ「あぁ。だから、ここら一帯は、クリスマスが伝わってねぇんだよ」



2: 2018/12/25(火)20:11:52
めぐみん「で、そのくりすますは、何をするんですか?」

カズマ「基本は家で家族やら知り合いやらが揃ってパーティーを開いてごちそう食べたり、酒とかを飲むんだ」

めぐみん「パーティーというのは貴族などがするアレの事ですよね!?高くて美味しそうな物をたくさん食べれると聞いてましたが、くりすますというのも同じ事をするんですか!?」

カズマ「どういうのを想像しているかは分からんが、贅沢とか奮発する事が多いし、まぁ似たようなもんだ」

めぐみん「凄いじゃありませんか、そのくりすますというのは!!!」

カズマ「後は、クリスマスツリーとかを飾りつけしたり、サンタが寝てる子供にプレゼントを持ってくるって事か」

めぐみん「また謎のワードが出て来ましたね…くりすますつりー、さんた?」

カズマ「クリスマスツリーってのはクリスマスの時だけ大きな木に綺麗なもんを飾り、明るいもんか何かで明るく見せる、ヤツだ」

めぐみん「大きな木に綺麗な物を飾って明るい物で明るくする……う~ん、いまいちピンときませんね」

カズマ「サンタってのは赤い帽子に赤い服、大きな白いひげをしたおじいさんの事だ。で、そいつは、今子供たちが欲しいもんをあげるんだよ」

めぐみん「ほぉー、さんた、というのは変わった格好の割りに、子供たちに欲しい物をあげるとは、いい人なんですね」

3: 2018/12/25(火)20:17:35
カズマ「だが、ここらにはクリスマスなんて風習はないし、パーティーをしてた時の日本が恋しいな…」

めぐみん「……」

めぐみん「では、しませんか」

カズマ「ん、なにをだ?」

めぐみん「くりすます…というのを」

カズマ「えっ?」

めぐみん「私は正直知りませんが、カズマはご存知でしょうし、ある程度は教わりながら、くりすますというのを再現していきましょう」

カズマ「えっ、なんで急にそんな?」

めぐみん「カズマが今、パーティーが出来た頃が恋しいと仰ったじゃありませんか」

カズマ「あ、あぁ…」

めぐみん「ですから、そんなカズマを元気付ける為に提案したんですよ。流石に仲間が落ち込む所が見たくありませんし」

カズマ「めぐみん…」

4: 2018/12/25(火)20:27:34
めぐみん「と、いう訳で今日はクリスマスというものをやりましょう」

ダクネス「急に集まって話し合いをするのはいいが、その、くりすますとやらは一体なんなんだ?」

めぐみん「私も良く分かりません。ただ、カズマが言うのはカズマの住む所でのみ信仰されるきりすと、という神の為のお祭りだとかで」

ダクネス「きりすと、とは初めて聞く名だな。だが、そのような聞いた事の無い神が居たことも驚きだ」

ダクネス「それにくりすますとやらが、信仰する神の為のお祭りだという説明なら納得だ。実際、エリス様の為のエリス祭もあるからな」

アクア「クリスマスなら私、知ってるわよ。ただ、同じ神のキリストってのが気に入らない奴だけど」

めぐみん「アクアはご存知でしたか、くりすますを?」

アクア「まぁ、直接体験してないけど、ただ聞いた事があるってだけよ。で、クリスマスをやるって言ったけど、具体的にどのような事をするのかしら?」

5: 2018/12/25(火)21:12:19
めぐみん「今、カズマが自分の把握通りに再現しようと、動いている最中です」

ダクネス「じゃあ、なんだ…カズマがそのくりすますとやらの準備をしているという事か?」

めぐみん「はい。一通り準備が終わったら、私たちに声を掛けると言ってました」

アクア「あの男、この街にあるもんで、どこまでクリスマスを再現できるのやら…」

6: 2018/12/25(火)21:26:57
~その頃カズマは~

カズマ「このぐらい手ごろな木でいいな。」ガシッ

カズマ「しかし、重いには重いな。でも、我慢。えぇと、後は…」

~ウィズの店~

ウィズ「綺麗な物ですか?」

カズマ「そう。ウィズの店だったら、そういう系の魔道具扱ってるよな」

ウィズ「え、えぇ、奥を探せばあるかと。ですが、どうするつもりですか?」

カズマ「まぁ、色々だ。そこは訳を聞かないでくれ」

ウィズ「はぁ、そうですか。まぁ、カズマさんの頼みですし、分かりました」

カズマ「スマンな。あ、後、何か暗い所を照らせるような物とかもないか?」

ウィズ「照らせる物というと、灯りか何かですか」

カズマ「あぁ!」

ウィズ「う~ん。あるかどうかは分かりませんが、とりあえず探してみますね」

カズマ「頼んだ!」

7: 2018/12/25(火)21:53:58
~装備屋~

カズマ「おっ、この厚めの服、良さそうだな。それにこのズボンも」

主人「いらっしゃい。この頃冷寒いから、それお買い得だよ」

カズマ「そうなんですか。だけど、肝心の帽子がな……おっ、これは!?」

主人「あ、それお客さんの要望で作ってみたもんだよ。頭が寒くて大変だから、何か被るもんって言われたから、こういうデザインにしてみたけど」

カズマ「いいね!じゃあ、服とズボンと一緒にこれも買います」

主人「お買い上げありがとうございます」

カズマ「あ、ついでにこれも下さい」

主人「えっ、それって短い上に寒いですよ?」

カズマ「いいから」

主人「お客さんがそう言うのなら、お買い上げありがとうございます」

8: 2018/12/25(火)22:00:38
~ある店屋~

カズマ「これ、色付け(赤)ください」

主人「はい、どうも」


~食材店~

カズマ「これ、いくら?」

主人「○○万エリス。ちょい高めだけど、味はいいよ」

カズマ「じゃあ、これください」

~別の食材店~

カズマ「これとこれとこれね」

主人「はい、毎度あり」



カズマ「さて、必要なもんは買えたし、そろそろ戻るか」

9: 2018/12/25(火)23:08:00
~一方屋敷では~

アクア「ねぇ、カズマはまだなの?」

めぐみん「分かりません。」

ダクネス「ったく、人を待たせるのもアレだが、そのくりすますの準備っていうのは掛かるものなのか」

ダクネス「しかし、こうしてずっと待たされることも焦らしプレイみたいで悪くはないな?」ゾクゾク


カズマ「おーーーい!!」

アクア「あ、この声は!」

めぐみん「カズマです」

カズマ「おーい、遅くなってスマンな」

ダクネス「全く焦らしプレイが好きなんだな、カズマ…///」ドキドキ

10: 2018/12/25(火)23:16:04
カズマ「ほら、用意したぞ。これがクリスマスの準備に必要な物だ」

リヤカー『…』ズッシリ

めぐみん「こ、これは流石に多過ぎます!? くりすますは、ここまで物は必要なんですか!」

カズマ「あぁ、そうだ」

アクア「にしてもこれどんだけ金使ったのよ…。」

カズマ「まぁ、今回は贅沢っつーう事で俺が日頃から貯めてた貯金から出してるから、とりあえずは心配するな」

アクア「アンタって意外に多く貯めてるのね」

ダクネス「にしてもカズマ、くりすますをやるというが、具体的にこの物で何をすればいいのだ?」

カズマ「だから、今から準備を始めるんだよ。分担してやれば早く終わりそうだから、俺の方で誰が係をするのか考えておいたぞ」

11: 2018/12/25(火)23:25:50
カズマ「まずはアクア、お前はクリスマスツリーの飾り付けな。」

アクア「えっ、私が?」

カズマ「お前、クリスマスツリーの知識だって一応あるんだろ。だったら、知ってる奴が飾った方が早いだろ」

カズマ「木はこれだ。飾りは祭りか何かで使われる飾りの余り物貰ってきたから、後電飾は魔力を込めるとしばらく光る丸型の魔道具だ。これらを、この木に飾ってくれ」

アクア「でも、私一人だと大変そう。それに途中で投げ出すかも」

カズマ「終わったら、食事の時…これで乾杯しような」スッ

アクア「あぁぁぁーーーー、それぇ!? 高級シュワシュワじゃないの/// どうしたのよ?」ビクッ

カズマ「今日はクリスマスって事で特別に買ったんだよ。どうだ、やってくれるか?」

アクア「やるわ。こんなもん、私一人で任せなさい!!最後まできっちり飾り付けと魔道具の取り付け行っておくから!!!」

カズマ(相変わらず単純だな、アクアは)

12: 2018/12/25(火)23:38:50
カズマ「めぐみんは料理を手伝ってくれ」

めぐみん「料理…ですか?」

カズマ「あぁ、夕食のな。クリスマスは多少贅沢をするから、今日買った食材はいつもと値段が違う高めの物だ」

めぐみん「えっ、食材が高い物ですか?!」

カズマ「そうだ。中には高級なもんも含まれてるから、しっかり料理しないとな」

めぐみん「成る程。それで私がお手伝いですか」

カズマ「レシピが多かったり、量が凄いと時間も掛かるからな。一人でやるよりは、誰か一人居た方が早いって訳だ」

めぐみん「分かりました。ただし、くりすますに出る料理とか作り方は分かりませんので、そこら辺の指導はお願いしますよ」

カズマ「分かってるって!」

13: 2018/12/25(火)23:49:53
カズマ「後、今日は各自この格好で居てくれ」バサッ

めぐみん「なんですか、この赤い服は?」

カズマ「装備屋で防寒対策用の厚めの服とズボン、寒さから頭を守る糸の帽子も買って、そこに新しく買った色付けで赤の着色をしたもんだ」

アクア「あー、これってサンタの格好でしょ!」

カズマ「そう。クリスマスはこれで過ごす場合が多いから、サンタの服装で頼むな」

めぐみん「分かりました。では、それを貸しtカズマ「いや、これは俺のだ。アクア、めぐみん、ダクネスはこれな」ピラッ

ダクネス「なっ、これはミニスカートじゃないか!?///」

カズマ「女性の場合、服と帽子は良しとしても、下はズボンではなく、ミニスカートで過ごすんだよ」

めぐみん「で、ですが、これだと短い上に寒いのでは…?」

カズマ「どうせ屋敷の中でしか履かないし、それに中だったら温かいし、別に寒くはないだろ」

アクア「確かにそうだけど…」

カズマ「とにかく、これしかないから着てくれ、頼むから!!」

アクア「はぁ~、仕方ないわね」

めぐみん「まぁ、屋敷の中だけでしたら…」

ダクネス「カズマも女性に短い物を履かせるとは、相変わらずの変態だな?」ドキドキ

カズマ「バカ、そういうつもりじゃねぇよ!!」

14: 2018/12/26(水)00:04:31
カズマ「じゃあ、準備開始だ」

ダクネス「ちょっと待ってくれ!?」

カズマ「あぁん、どうした、ダクネス?」

ダクネス「わ、私だけ係とやらがないのだが?!」

カズマ「あぁ…。ダクネスはいいよ。隅でじっとしていてくれれば」

ダクネス「な、なぜだ!?」

カズマ「分かってるとは思うが、お前は不器用だろ。剣をまともに扱えない上、攻撃も当たらない程だったら、こういうのだって無理なはずだ」

ダクネス「ば、馬鹿にするな!!確かに私は不器用だが、それは戦いの時だけで、それ以外ではちゃんと器用だぞ!」

カズマ「ほんとかよ?」ジトーーー

ダクネス「そ、そんな目で見るな…く、癖になったら……どうするんだ///」モジモジ

カズマ「まっ、いっか。じゃあ、ダクネスは屋敷中の飾り付けな」

ダクネス「飾り付けか。一応、エリス祭の手伝いに出て、ある程度はやった事があるな」

カズマ「そうか、ならそういうのは得意そうだな」

ダクネス「もちろんだ。それで、飾り付けは屋敷中だったな?」

カズマ「あぁ。ある意味簡単だし、必要な物の中にある程度飾り付けの物は揃ってるから、それで飾り付けしてくれ」

ダクネス「分かった。」

カズマ「屋敷中の飾り付けはダクネスに任せるから、遠慮なく飾ってくれ」

ダクネス「あぁ。それとカズマ、料理の方…期待してるからな」

カズマ「任せろ!とびっきり美味しいの作ってやるからよ」

18: 2018/12/26(水)17:52:04
アクア「屋敷の中だけって言っても若干スースーするわね、これ」

アクア「で、クリスマスツリーだけど、木の空いてるとこに飾り付ければいいわよね」

アクア「ここはこれ…。これはここに……。これはここが空いてるからここに…」パッパッパッ

アクア「で、電飾は力を注げば明るくなるヤツね。じゃあ、女神の力でうーんと明るくしてやるわよ」ギュッ

19: 2018/12/26(水)17:54:04
ダクネス「こういう綺麗な物は目立つように飾ろう」

ダクネス「うん。ここが適切だな」

ダクネス「しかし、屋敷中というのは大変だな。それなりに広いし」

ダクネス「だが、まぁこれもカズマの為。頑張ろう」

20: 2018/12/26(水)18:00:06
カズマ「さ、流石にメニューを多く考えたから、一人では大変だったろうな…」

めぐみん「では、私が手伝っているおかげである程度負担が減ったという訳ですね」エッヘン

カズマ「そうだな。本当に助かるぞ、めぐみん」

めぐみん「いいえ、これぐらいは。あ、それよりカズマ、これなんですが…」

カズマ「あぁ、これはな……」カクカクシカジカ

めぐみん「成る程、こうすればいいんですね」

カズマ「また分からない事があれば、言ってくれ」

めぐみん「ありがとうございます。」

カズマ「って、おっと、そろそろ火を止めないと!!」ダッ

21: 2018/12/26(水)18:14:57
~しばらくして~

カズマ「はぁ~、なんとか調理と料理を並べ終えた…」

めぐみん「少々大変でしたが、なんとか出来て良かったですね」

アクア「カズマ~、クリスマスツリーの飾り付け終わったわよ」

ダクネス「私もだ。なんとか屋敷中の飾り付け、終わったぞ」

カズマ「おう、ごくろう」

アクア「あら、美味しそうに出来たじゃないの!」

ダクネス「カズマとめぐみんで調理したのか。うむ、上出来じゃないか」

めぐみん「その分、疲れましたがね…」

22: 2018/12/26(水)18:31:00
アクア「なら、私がわざわざ飾り付けしたクリスマスツリーも見なさい」

クリスマスツリー『…』ピカピカ

カズマ「おぉーーー、すげぇじゃねぇか!!」

めぐみん「これがくりすますつりーというものですか!?初めて見ますが、綺麗ですね!!」

ダクネス「私も見るのは初めてだが、このような見事な物だとは思わなかったぞ!」

アクア「そうでしょう、そうでしょう。これも見事な飾り付けをした私のおかげ、感謝してもいいわよ」

カズマ「おぉー、ダクネスの飾り付けも見事だな」

めぐみん「くりすます、は初めてですが、お祝いの雰囲気は出てますね」

ダクネス「そうか? 一応、エリス祭での飾り付けの手伝いをした経験通りに飾り付けを行ってはみたが、これで満足して貰えたなら良かった」

アクア「ちょっと!? 私を無視しないでよ!!?」

23: 2018/12/26(水)22:02:04
カズマ「つーう訳で料理を頂くとしますか」

アクア「ねぇ、カズマさん、高級シュワシュワは?」

カズマ「焦るなって、ほらよ!」スッ

アクア「待ってましたぁ!!これがなきゃ始まらないのよ」

めぐみん「はわぁ~、このお肉、とっても美味しいです///」モグモグ

ダクネス「このスープ、味がいい。うちのシェフが作る料理と同じ味だ」

カズマ「料理のスキルを覚えたおかげである程度は美味く作れるようになったからな」

アクア「この料理に入ってる食材…赤ガニじゃないの!? どうして?!」モグモグ

カズマ「たまたま見つけたんだよ。値は高かったけど、たまにはと思っておもいきって買ったんだよ」

ダクネス「ほぉー、霜降り赤ガニはたまに私の実家から送られては来るが、アクセルの街にも売ってる時があるのだな」

アクア「きっと、カズマの運が呼び寄せたのね」

めぐみん「赤ガニ入りなら、私にも食べさせてくださいよ、アクア!」

24: 2018/12/26(水)23:34:38
アクア「ぷっはぁ///」

アクア「ヒック、高級シュワシュワが飲めて、こんなにごちそうが食べれて…クリスマスもいいわねぇ♪」

カズマ「ごちそうばかりじゃねぇよ…ほら、クリスマスにはこういうのも食べれるんだよ」ゴトッ

めぐみん「これはケーキではありませんか!?」

カズマ「そうだ。ただし、クリスマスにはクリスマスケーキと言ってな…基本、誕生日や記念日、おやつとしてもそうだが、クリスマスにもケーキを食べる習慣があるんだ」

ダクネス「そうか。くりすますとやらは、ケーキを食べる日でもあるのだな」

カズマ「ま、まぁ…そういう事だ」

アクア「あら、ケーキも美味しそうに出来たじゃないの♪」

カズマ「さっそく食べよう」



めぐみん「う~ん、美味しい~~///クリームの甘さがちょうど良いですねぇ~///」パアアァァーー

ダクネス「おぉっ、ケーキも結構イケるぞ!! うちのシェフが作るケーキと比べて、カズマとめぐみんが作った方が上だな」モグモグ

アクア「うん。ケーキの柔らかさといい、甘さといい、それに上に乗ってるお菓子や木の実も中々合うわね」モグモグ

カズマ「ケーキ作りに関しては一から手作業でやったから一番大変だったけど、頑張った甲斐はあったな」

25: 2018/12/27(木)00:06:43
めぐみん「はぁ~///美味しかったです」

ダクネス「私もごちそうやらケーキやらを食べたり、高級シュワシュワを飲んでいて、実家のパーティーを思い出す。こういう余韻に浸る事が出来て、くりすますとやらは良い祭りだな」

アクア「………ヒック///」

カズマ「アクア、お前飲み過ぎだぞ」

アクア「だってぇ~、高級シュワシュワがこんなに飲めるだなんて、滅多にないじゃないの…」

カズマ「あ~ぁ、せっかく衣装が似合ってるってのに、これじゃあ台無しだな」

アクア「え~、私が酔うと台無しって事はないでしょう。むしろ、どんな状態の私だってどんな衣装も似合うのよ…ヒック///」

カズマ「酔い潰れたまま言われても、説得力ねぇな」

カズマ「そうそう、アクアの他にダクネスとめぐみんも似合ってるじゃないか」

ダクネス「なっ、カズマが普通に人を褒めただと!?」

めぐみん「こ、これは明日、とてつもない大雪がっ!?」

カズマ「おいおい、失礼な奴らだな。俺だってたまにはちゃんと人を褒めるぞ」

26: 2018/12/27(木)00:17:06
ダクネス「す、すまない。それと、カズマに純粋に褒めて貰えて良かったし、なにより嬉しかったぞ///」

カズマ「?……なんで顔を赤くしてんだ?」

ダクネス「!?…な、なんでもない。これはただ飲み過ぎただけだ!?///」

カズマ「?」


めぐみん「むぅ~……」

めぐみん「カズマ!」

カズマ「んっ、どうした、めぐみん?」

めぐみん「わ、私もカズマに褒めて頂けて、嬉しかったですよ…///」

カズマ「そうか。」

カズマ(う~ん、でも、めぐみんはサンタの衣装を着たら、まるで本当に小さな子供に見えてきたな…)ジイイィィィーーーー

めぐみん「今、失礼な事を考えませんでしたか?!」

カズマ「いや、なんにも……」

めぐみん「おい、言いたい事があるなら、聞こうじゃないか!!!」

27: 2018/12/27(木)00:23:44
アクア「でもぉ~、カズマ、良く見たら……案外似合うじゃないの」

カズマ「えっ、ほんとか?」

めぐみん「アクアの言う通りです」

ダクネス「同じさんたとやらの衣装だが、カズマは服からズボンから帽子までピシッとしているから、似合うんだな」

カズマ「いや、俺も褒められたのは…なんか久しぶりだな…。だけど、褒められると普通に嬉しいな…//」

アクア「まっ、良いのは今だけよ。普段はスケベで、ヘタレで、ヒキニートなんだから、全然様にならないけどね…」

カズマ「スティール食らわすぞ!!」スッ

ダクネス「カズマ、落ち着け!?」

めぐみん「まぁまぁ…」

28: 2018/12/27(木)00:32:34
~そして、就寝~

カズマ「皆、寝たな。じゃあ、俺はそれぞれの部屋に行って、プレゼントを届けるとしますか」スッ


~アクアの部屋~

アクア「…Z」スゥースゥー

カズマ(飲み過ぎて酔い潰れたせいか、良く眠れているようだな。まっ、普段からそうだけど)

カズマ(で、アクアへのクリスマスプレゼントはなんと、『最高級シュワシュワ』。普通のシュワシュワや高級シュワシュワよりもランクが上で、幻とも言われた最高級のシュワシュワだ)

アクア「…ZZ」

カズマ(少し前からお前は、最高級の話を聞いて「欲しい、欲しい」と言ってたから、わざわざ探してきて、高い金も払った…。だから、一つ思うが、ちゃんと大事に味わって飲めよ…。)スッ

最高級シュワシュワ『…』ゴトッ

アクア(…ZZ)

29: 2018/12/27(木)00:39:02
~めぐみんの部屋~

めぐみん「…ZZ」スピースピー

カズマ(こっちも良く眠ってやがる。しかし、可愛らしい寝顔だな)

カズマ(で、めぐみんへのクリスマスプレゼントはなんと、『新しい杖』だ』

めぐみん「…ZZ」

カズマ(お前も少し前から、店の前でジッと覗き込んでたり、「欲しい」とはっきり言ってた時もあったから、今日買ってきたぞ。俺から言う事はただ一つ……必ず大事にしろよ!)スッ

新しい杖『…』ゴトッ

めぐみん「…ZZ」

30: 2018/12/27(木)00:45:05
~ダクネスの部屋~

ダクネス「…ZZZ」ムニャムニャ

カズマ(こっちは綺麗な寝顔だな…。なんだか、襲い掛かりたくなるな…///)ドキドキ

カズマ(って、おっと、駄目だ駄目だっ!?)ブンブン

カズマ(よし、落ち着いて………ダクネスへのクリスマスプレゼントはなんと、『新しい鎧』だ)

ダクネス「…ZZZ」

カズマ(お前も少し前から、鎧を新調するかなとか、もしくは新しいのが欲しいな、とも言ってたから、今日新しいのを買ったぞ。一つ言うが、元の性格で無茶苦茶にはするなよ!)スッ

新しい鎧『…』ゴトッ

ダクネス「…ZZZ」

31: 2018/12/27(木)00:54:28
~翌朝~

カズマ「ふわぁ~、おはよう」


アクア「あ、カズマァ~、見て見てぇ~♪ ずっと前から氏ぬほど飲みたかった最高級シュワシュワよ?」ギュウゥー

カズマ「どうしたんだ、それ?(俺からのクリスマスプレゼントだけど、一応黙っておくか)」

アクア「起きたら、傍に置いてあったのよ!包みを開けたら、最高級シュワシュワだったから驚きと共に嬉しさが込み上げてきちゃったわ」

めぐみん「あ、あぁん、イイ……イイです……この……触り心地っ///」スリスリ

アクア「めぐみんは新しい杖が傍に置いてあったみたいで、さっきからずっとこの調子なのよ」

ダクネス「お、カズマ、おはよう」

カズマ「おはよう、ダクネス。おっ、なんか鎧が違うな」

ダクネス「気が付いたか!実は起きたら、傍に大きな包みがあってな…開けたら、この新しい鎧が入っていたんだ」

ダクネス「ちょうど新しいのが欲しい所だったから、こういうのは正直嬉しいぞ」

カズマ「そうか。アクアにめぐみん、ダクネスは貰ったんだな…サンタに(ほんとは俺だけど…。)」

32: 2018/12/27(木)01:04:26
ダクネス「さんた、というとカズマが言っていた「子供たちに欲しいプレゼントをあげる」だったな?」

カズマ「あぁ。」

ダクネス「という事は、これはカズマとかではなく、さんたのプレゼントという訳か」

カズマ「そうそう」

ダクネス「だが、私は貰うのが初めてだが、今までこの年のこの時期に貰えなかったのはなぜだ?」

カズマ「あぁ…それは、きっと俺達がクリスマスをやったからだろうな」

ダクネス「くりすます、をか?」

カズマ「そうだ。クリスマスをやったから、俺達の屋敷までやってきて、それぞれ欲しい物をプレゼントしてくれたんだと思うぜ」

ダクネス「そうか…。初めて聞くくりすますといい、さんたといい……少しは理解できた気がするな…。」

33: 2018/12/27(木)01:11:57
めぐみん「あ、カズマ。そういえば、アクアとダクネス、私が貰ったのなら、もちろんカズマも欲しい物を貰いましたよね?」

カズマ「えっ!?」

ダクネス「どうした?」

カズマ「あ、いや……(実はアクア達へのクリスマスプレゼントやらクリスマスの準備やらで金が掛かったから、俺自身にあげるプレゼントは無しにしたんだよなぁ…。)」

ダクネス「なんだ、まさか貰っていないのか?!」

カズマ「………」

アクア「ほら、はっきり言いなさい」

カズマ「あぁ…。」

めぐみん・ダクネス「「っ!?」」


めぐみん「な、なぜ…さんたは、私たちだけあげて、カズマにはあげなかったんですか!!」

ダクネス「そうだ!カズマだってくりすますをやったんだ。なら、さんたから貰う権利はあるはずだろ!!」

カズマ「お、おい!?」

アクア「……………」

34: 2018/12/27(木)01:31:27
めぐみん「ひ、酷いです、さんたは。これではカズマが可哀想じゃありませんか!!」

ダクネス「その通りだ。さんた、は良い存在だと認識したばかりだが、これは前言撤回だな。」

カズマ「お、お前ら…俺は別にいいって!?気にしてないからよ!!」

めぐみん「そうはいきませんよ!プレゼントは、皆で貰ってこそ、仲間同士で喜びを分かち合えるものです。それなのに、私たちだけ喜んで、カズマが喜べないなんて私は嫌ですよ!」

ダクネス「うむ。カズマ…お前は気にしてないと言うが、カズマが気にしてなくとも私たちは気にする。仲間の中で不平等なんて私は嫌だからな」

ダクネス「それに仲間が不平等な扱いを受けたなら、同じ仲間が手を差し伸べて無理にでも平等にするべきだと私は思うな。なにせ、それが仲間だからだ!」

カズマ「めぐみん、ダクネス…。(プレゼント置いたのは俺だし、それに予算の関係で俺だけはプレゼント無しでいいと決めたのに、まさかここまで仲間に心配されるとは…俺は一体、どうしたら!?)」

35: 2018/12/27(木)01:48:25
アクア「はい、カズマ…私からのプレゼント」クルクルッ

カズマ「えっ?」

アクア「えっ、じゃないわよ。ったく、アンタが前から首元が寒いって言うから、わざわざこの私が編んであげたのよ……そのマフラーを」

アクアが編んだマフラー『…』モコモコ

カズマ「なっ、そんな前の事、良く覚えてたな…」

アクア「当たり前でしょ!あんだけ「寒い寒い」って言ったら、誰だって耳に残るぐらい覚えるわよ。」

アクア「だから、女神としてなんとかしようかなって考えて、で…マフラーを編むことを思い付いた訳よ」

カズマ「ずっと、編んでたのか…」

アクア「そうよ。もう大変だったんだから!!」

アクア「まぁ、どこぞのサンタがあげたプレゼントとは違って、そのマフラーだけはある程度金が掛かった訳じゃないけど、でもこれもプレゼントって事でいいわよね」

カズマ(あっ、アクアめ……プレゼントを置いたのはサンタじゃなくて、本当は俺だって最初から気付いてやがったな。けど、まぁ……)

カズマ「あぁ、最高のクリスマスプレゼントだ!寒かった首元が温かくなっていいな」ホカホカ

アクア「正直、サンタからじゃないし、私個人だけど、まぁ女神が編んだって事で妥協もしてくれるよね?」

カズマ「女神が編んだは余計だけど、サンタじゃなくても仲間がくれたプレゼントなら嬉しくて妥協できるに決まってるだろ」

36: 2018/12/27(木)02:08:45
めぐみん「あ、あのう…途中から割り込みますが、つまりカズマもプレゼントを貰えた…という事で納得してよろしいでしょうか?」

カズマ「あぁ。良いプレゼントだよ。もちろん、喜べるから、もう心配しなくていい。むしろ、俺の心配させて悪かったな…。」

ダクネス「そうか…。私達とは違ってさんたではないが、アクア=仲間からのプレゼントならば、流石の私も納得してもいい」

めぐみん「プレゼントが貰えて、本当に良かったですね、カズマ!これで皆、プレゼントが揃いましたし、喜びを分かち合えますね♪」

ダクネス「うん、イイ事だ」

アクア「分かち合うと、心の底から嬉しくなってくるわね」

カズマ「あぁ、そうだな」


カズマ(まぁ、マフラーってクリスマスプレゼントも貰ったけど、もう一つ貰った俺へのプレゼントがある…。)

カズマ(俺を心配し同情してくれる仲間、俺の為に何かをしてくれる仲間……いくら駄目な所があっても、反面良いトコが溢れている)

カズマ(そして、何より俺にとって異世界に居る事の良さと居場所を認識させてくれたこと…。そう……)

カズマ(アクア、めぐみん、ダクネス……という、かけがえのない仲間たちこそ…俺への最高のプレゼントだ!)

37: 2018/12/27(木)17:37:24
カズマ「クリスマスを知らないのに、俺の為にクリスマスをやろうと言ってくれてありがとな、めぐみん」

めぐみん「いえ、私たちは仲間じゃありませんか。もし、落ち込んでたら、助けるのも仲間として当然ですよ」

カズマ「それとダクネスとアクアも協力してくれてありがとな」

ダクネス「仲間だろ、水臭い事はなしだ」

アクア「でしょでしょ。ほら、もっと感謝しなさいよ…アクア様ありがとうございますとか、これからは敬いの心を忘れませんとか!」

カズマ「やっぱ、駄女神に感謝はしない方がいいかな…」

アクア「ちょっ、なんで私だけひどい扱いを!?」

カズマ「自分の胸に聞けよ!」

38: 2018/12/27(木)17:41:08
めぐみん「あの…カズマ…」

カズマ「んっ、どうした?」

めぐみん「その……次の年でもまた、くりすます……やりませんか」

カズマ「えっ?」

めぐみん「ほら……私も初めて体験して、その、楽しかったので、またやりたいな…と」

カズマ「………あぁ、そうだな。また、来年もクリスマスやろうぜ」

めぐみん「はい♪」ニコッ

ダクネス「なら、次のくりすますには、私の実家から良い食材を送らせよう。今回みたいに美味しい料理が出来るはずだ」

アクア「もちろん、私も楽しませてもらうわね」

カズマ「お前はただ、ごちそうと高いシュワシュワに有り付けるとか、プレゼントが貰いたい…だけだろ?」

アクア「ち、違うわよ!? 本当に楽しいクリスマスを!?」

カズマ「どうだかな…?」

ダクネス「まぁまぁ、それぐらいにしておけ」



カズマ(異世界での初めてのクリスマスは楽しく、日本を思い出すようで、良い思い出になった。また、来年も異世界で仲間たちと楽しい二度目のクリスマス…過ごせるといいな)



おしまい

引用元: カズマ「クリスマスだな」 めぐみん「くりすますってなんですか?」