1: 2016/01/17(日) 00:01:33.85
ほたる「遅いわね、ココノツ君たち。先に始めちゃいましょうか」

サヤ「まだ明るくない? せっかくの花火が見えないよ」

ほたる「大丈夫。いわゆる『おもちゃ花火』には色々種類があるわ」 ガサゴソ

サヤ「また随分買い込んだねー」

ほたる「これなんてどうかしら? ロケット花火!!」 パンパカパーン!!

サヤ「あー、確かに音だけだった気がする。てか待ち切れないんだ……」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1452956493

2: 2016/01/17(日) 00:06:10.50
サヤ「空き瓶にセットして、と」

ほたる「それじゃ……。点火するわね……」 ドキドキ

ジジジ...

ヒュルルルル......

サヤ「……」

ほたる「……」

3: 2016/01/17(日) 00:11:22.18
サヤ「音は!? こうパーンって! うわ、すっごいモヤモヤする!!」

ほたる「きっと火薬が湿気ってたのね。よく見たら製造日が一昨年……」 ゴクリ

ココノツ「何かすみません……」

ほたる「あら。ココノツ君、いつの間に」

サヤ「遅いよ、バカ兄」

トウ「バケツに水を汲んできたんじゃねーか。まったく扱き使いやがって」

4: 2016/01/17(日) 00:16:53.74
トウ「まあいいや。暗くならないうちにパラシュート花火やろうぜ!」

ほたる「すごいわサヤ師! この花火、落下傘が三つも仕込まれてるのよ!!」

サヤ「(同じレベルではしゃいでる……)」

ココノツ「サヤちゃん、今日は浴衣じゃないんだね」

サヤ「え?」

ココノツ「いや夏祭りの時に似合ってたから」

7: 2016/01/17(日) 00:21:35.05
サヤ「え、えへ……」

ほたる「川の方に一つ向かったわよ遠藤くん!!」

トウ「任せろ!! 退いてくれココナツ!」 ドン!

ココノツ「うわっ」 バシャッ

トウ「あ、悪い……。バケツの水を溢しちまった」

サヤ「……」 ゴゴゴ...

8: 2016/01/17(日) 00:28:08.32
トウ「おいサヤ! 爆竹とねずみ花火を一度に投げんな!!」 バチバチ!!

サヤ「ココナツ、平気? 寒くない?」

ココノツ「う、うん。僕は大人しく蛇花火でもしてようかな……」

サヤ「……あのさ。後で一緒に、その……」

ほたる「見てサヤ師! 手持ち花火の二刀流よ!!」 グルグル!!

しんみりとした線香花火には、もう少し時間が必要みたいだった。



おわり

10: 2016/01/17(日) 00:37:19.56
え?短くない?

13: 2016/01/17(日) 04:16:34.64
ほたる「遅いわね、ココノツ君たち。先に始めちゃいましょうか」

サヤ「まだ明るくない? せっかくの花火が見えないよ」

ほたる「大丈夫!! いわゆる『おもちゃ花火』には色々種類があるわ!」 ガサゴソ

サヤ「また随分買い込んだねー」

ほたる「これなんてどうかしら? ロケット花火!!」 パンパカパーン!!

サヤ「あー、確かに音だけだった気がする。てか待ち切れないんだ……」

14: 2016/01/17(日) 04:18:43.88
サヤ「空き瓶にセットして、と」

ほたる「それじゃ……。点火するわね……!」 ドキドキ

ジジジ...

ヒュルルルル......

サヤ「……」

ほたる「……」

15: 2016/01/17(日) 04:19:18.81
サヤ「音は!? こうパーンって! うわ、すっごいモヤモヤする!!」

ほたる「火薬が湿気ってたのね。よく見たら製造日が一昨年……!」 ゴクリ

ココノツ「何かすみません……」

ほたる「あら。ココノツ君、いつの間に」

サヤ「遅いよ、バカ兄」

トウ「バケツに水を汲んできたんだろ。扱き使いやがって」

16: 2016/01/17(日) 04:19:57.64
ココノツ「ロケット花火かぁ。ちょっと懐かしいね」

トウ「昔はよくやったよな。瓶を幾つも並べて、連続で打ち上げたりしてさ」

ほたる「多段式ロケットにできたら、きっと遥かな高みまで……!」 ウットリ

ココノツ「導火線の長さで調整しても、まとめては上手く飛ばないんですよね」

サヤ「タイミングよく空に投げたら、そこから点火して高く飛んでかない?」

ほたる「えっ」

17: 2016/01/17(日) 04:20:24.80
トウ「ま、まあいいや。暗くなるまで時間潰せそうなのないか?」

ココノツ「えっと、これはどうかな。蛇花火」

サヤ「火を点けると燃えかすが伸びるやつだっけ」

ほたる「まったく花火らしくないところが、駄菓子みたいで悪くないわね!!」

シュワシュワシュワ...

ココノツ「(すごく地味だ……)」

18: 2016/01/17(日) 04:20:55.94
トウ「つ、次だ次!! もっとこう! 何かあるだろ!?」

ココノツ「えっと、煙花火とか」

トウ「煙が出るだけじゃねーか! 煙幕かよ!!」

サヤ「色がついててかわいくない?」

ほたる「この商品は、赤、青、黄色の三色のようね」

ココノツ「信号機かな」

19: 2016/01/17(日) 04:21:23.70
プシュウー...

ほたる「楽しいわよ、これ!! まるで忍者か戦隊ヒーローになった気分だわ!」

ゲホ、ゴホッ!!

ココノツ「あああ、ほたるさん、風下に立つから……」

サヤ「この煙、身体に悪くないのかな」

トウ「今更だよなぁ」

20: 2016/01/17(日) 04:21:51.48
ココノツ「そういえば僕、パラシュート花火を持ってきてたんだった」

トウ「それだ!! でかしたぞココナツ!」

ほたる「すごいわサヤ師! この花火、落下傘が三つも仕込まれてるのよ!!」

サヤ「あ、うん。これって勝負の流れだよね」

ココノツ「だね。そろそろ日が暮れそうだし、思い出せてよかったよ」

トウ「二人とも慣れてるなー」

21: 2016/01/17(日) 04:22:21.93
ほたる「誰が一番、落下傘をキャッチできるか!!」

ほたる「地面に着いたらノーカン!! 最下位にはペナルティが必要ね!」

トウ「トップの命令を何でも一つ聞くってのは?」

ほたる「じゃあそれで!」

ココノツ「ちょっと豆くん!? ほたるさんも!」

サヤ「な、何でも一つ……」

22: 2016/01/17(日) 04:22:47.36
ほたる「三、二、一。点火!!」

ポン、ポンッ!!

ココノツ「二つしか出ない!? やっぱり湿気って……」

サヤ「これも売れ残りなんだ……」

トウ「一つ取ればトップは確定だな!!」 ダッシュ!!

ほたる「甘いわね遠藤くん。闇雲に追うのではなく、風の流れを読めば!!」

23: 2016/01/17(日) 04:23:13.32
ヒュウウ...

ほたる「……」

ココノツ「ほたるさんがマークしてた方、川に落ちちゃいましたね……」

ほたる「ハッ! もう一つは!?」

トウ「退け、サヤ!!」

サヤ「邪魔だよバカ兄貴!」

24: 2016/01/17(日) 04:25:02.63
ココノツ「わわ、僕の近くに流れてきた!?」

ほたる「でも、このままではサヤ師の方が先に……!!」

トウ「くっ! 後はお前に託すぞ、ココナツ!!」

ココノツ「豆くん!? 一体何を……!」

トウ「こいつは俺が足止めする!!」

サヤ「!?」

25: 2016/01/17(日) 04:26:14.52
バッ

ココノツ「(豆くんがサヤちゃんのズボンをずり下ろした!?)」 ブーッ!!

サヤ「――!!」 バキッ!!

トウ「ぐはっ!? いま火花が……!!」

サヤ「花火と一緒に燃やしたろかァァ!!!」

ほたる「落下傘はココノツ君の手に納まったわね。漁夫の利といったところかしら」

26: 2016/01/17(日) 04:27:04.32
トウ「おいサヤ! 爆竹とねずみ花火を一度に投げんな!!」 パンパン!!

ココノツ「本当にすみませんでした。命令権はサヤちゃんに差し上げます」 ゲザ

サヤ「……ココナツが謝ることはないけどさ。ま、権利をくれるっていうなら」

サヤ「……後で一緒に、その……」

ほたる「見てサヤ師! 手持ち花火の二刀流よ!!」 グルグル!!

しんみりとした線香花火には、もう少し時間が必要みたいだった。



おわり

27: 2016/01/17(日) 06:13:48.25
乙です

28: 2016/01/17(日) 08:43:52.62

サヤ師可愛い

引用元: 【だがしかしSS】ココノツ「おもちゃ花火」