1: 2015/06/09(火) 10:37:19.72 ID:siVEQdws0

八幡「え?なんて?」

雪乃「私が葉山君と付き合ったのは知ってると思うけど…」

八幡「うん、そうだな。で、それで相談事ってなに?」

雪乃「ええ…比企谷くんには色々感謝しているの」

八幡「…」

結衣「…」

雪乃「相談事というのは…うまく言えないのだけれど…」

雪乃「彼との恋愛が上手くできないのよ」


2: 2015/06/09(火) 10:42:00.75
八幡「…俺に相談することか、それ?」

雪乃「でもこんなこと、あなたや由比ヶ浜さんくらいにしか相談できないわ」

八幡「葉山に相談しろよ…あいつこの手の事は慣れっこだろ」

雪乃「そうなんだけど…葉山君もなぜか奥手になってるみたいで」

雪乃「今、彼に相談できる雰囲気じゃないのよ」

八幡(なにこれ?なんでか葉山を殴りたくなったんですけど…?)

八幡「で、俺に相談かよ…」

結衣「ゆきのんは隼人くんのこと好きなんだよね?」

雪乃「ええ」

3: 2015/06/09(火) 10:48:41.89
八幡「……」

八幡(葉山と雪ノ下が付き合ってる…しかも本当の意味で)

八幡(バレンタインにチョコレートを渡した雪ノ下)

八幡(その辺りから、二人の関係は変わってきたか)

八幡「好きなら、後は適当にデートしてりゃいいだろ」

結衣「ヒッキーそれは冷たいよ…」

八幡「恋愛してない俺に聞くことじゃねぇだろ」

雪乃「それは…ごめんなさい」

4: 2015/06/09(火) 10:53:22.39
八幡(葉山と折本らで以前行ったのは…)

八幡「普通に服を買いに行ったり、映画見たり、葉山おすすめのカフェで飯食べたり」

八幡「そのルートでいいんじゃね?」

結衣「それって、前にヒッキーが辿ったルートじゃないの?」

八幡「まあそうだけど」

雪乃「葉山君はそれで喜んでくれるかしら…」

結衣「怖いんだね、ゆきのん」

雪乃「溝が深かったから…」

八幡(雪ノ下、葉山を嫌ってるように見えたしな…幼馴染でもほとんど交流がなかったらしいし…)

5: 2015/06/09(火) 11:01:33.51
結衣「いいじゃん!まずやってみようよ!今度隼人くんと行く時はそれで!」

雪乃「ええそうね、試してみるわ」

結衣「で、服装はゆきのんが前に買ってた…」

八幡(あ、ここからは女子の領域だな)

八幡(3月になって二人で話す機会を作ったり、俺は影で色々動いた…)

八幡(もっと時間を要すると思ってたが、思いのほか二人の距離が縮むのは早かった…)

八幡(ていうか、俺は内心完全に破たんしてほしかったように思うけどな…)

八幡(で、4月現在、葉山と雪ノ下は付き合ってるといった現状だ…)

15: 2015/06/09(火) 16:28:47.27
八幡(しかし、二人が付き合うようになった歪みは思いのほか大きかった)


~回想~


八幡「それで…三浦の様子って」

海老名「うん、今泣き止んでね。なんとか体裁は保ってるかな」

八幡「…」

海老名「ねえ、これって」

八幡「葉山だって、誰かと付き合う時がくるだろ…それが雪ノ下だったってだけだろ」

海老名「そうだけど…なんでいきなり」


16: 2015/06/09(火) 16:33:14.47
八幡(まず、葉山は三浦優美子を振った)

八幡(それ自体はありうることだったし、去年の一色の時もそうだったが誰でも振られるというのは予想できた)

八幡(しかし、雪ノ下と付き合うというのは三浦的にはショックは大きいようで…)

八幡(三浦・葉山グループはあっけなく崩壊してしまった…)

八幡(戸部達や由比ヶ浜、海老名でもそれを保てなかったようだ…)

八幡(まあ、そんだけあの二人の影響力が強かったんだろうけど)

17: 2015/06/09(火) 16:39:07.33
八幡(で、もう一つの問題点は…)

~回想~

一色「先輩…雪ノ下先輩…葉山先輩と…」

一色「付き合ったんですよね」

八幡「ああ…」

一色「そうですか…残念です」

一色「ホントに……」ヒックヒック

八幡「一色…ごめん」

一色「なんで先輩が謝るんですかぁ…まるで先輩に告白したみたいじゃないえすかぁ」

八幡「そうだな」


18: 2015/06/09(火) 16:42:59.36
一色「いいんです…二人は美男美女でお似合いですから…」

八幡「で?お前どうすんの?」

一色「わかりません…しばらく一人にしてください」

八幡「わかった…」


八幡(と、まあこんな感じで一色もかなり落ち込んでた…)

八幡(それから…俺も少しおちこんだ)

八幡(別に雪ノ下のことが好きだったというわけじゃないだろうけど…)

八幡(なんだろうな、この感じは…)

19: 2015/06/09(火) 16:46:15.68
コンコン ガラ

葉山「すまない…お邪魔していいかな?」

雪乃「あ…葉山くん?」

結衣「あ、隼人くん」

葉山「えっと…雪乃ちゃん…に用があって来たんだけど…」

雪乃「そ、そう…なにかしら?」

葉山「できれば一緒に帰ろうかなって思ってさ」

結衣「あ~いいじゃん!そうしなよ!」

20: 2015/06/09(火) 16:49:56.40
葉山「結衣…あんまり大声で言わないでほしいな…照れくさいから」

結衣「あ、ごめん」

雪乃「そうね、一緒に帰りましょうか」

葉山「うん、ありがとう」

八幡(これだ…人の家に他人が土足で上がりこんでくる時の微妙な気持ち…)

八幡(おそらく小町が彼氏を家に連れてきたら、こんな気持ちになるだろう…)

葉山「比企谷もいいかな」

八幡「俺に許可求めるなよ…雪ノ下がいいって言ってるだろ」

葉山「ああ…すまない」

21: 2015/06/09(火) 16:54:56.23
雪乃「本当に先に帰っていいの?」

結衣「大丈夫だよ!鍵はあたしが戻しておくからさ!」

葉山「すまない、結衣。比企谷もありがとう」

八幡「おう」

スタスタ

結衣「行っちゃったね」

八幡「おう…」

結衣「でも…よかったよ~!」

八幡「嬉しそうだな」

結衣「うんそりゃそうだよ!だって…」

22: 2015/06/09(火) 16:58:23.87
結衣「優美子があんなに落ち込んで…いま、分断状態だしさ…」

結衣「それであの二人も、恋人状態が微妙だったりしたら…救えないじゃん」

八幡「確かにな…」


八幡(…俺はいつの間にか、この場所を我が家のように感じてたのかもな…)

八幡(そこから巣立っていく雪ノ下を少し寂しく思ってたのかもな…)

八幡「しかし…」

結衣「えへへへ~~!…ん?なに?ヒッキー?」


24: 2015/06/09(火) 17:01:45.75
八幡「お前、本当にそれだけか?そのわりには…なんか変だ」

結衣「え?そんなことないよ?」

結衣「それに…ヒッキーはゆきのんの幸せ願えないの?この1年色々あったのに!」

八幡「いや…そんなことねぇよ…願ってるっての…」

八幡(そうだな…俺的にも雪ノ下が喜ぶ方がいいに決まってる)

結衣「じゃあ、一応解決でいいじゃん!ね?」

八幡「はいはい」

八幡(しかし…由比ヶ浜の態度は含みがある気がする…)

26: 2015/06/09(火) 17:09:55.34
八幡(葉山は良い奴だろう…性格は俺の対極と言える)

八幡(空気は読めるし、二股とかもしないし二枚目で体力もある)

八幡(喧嘩がどの程度強いかはよくわからんが、その辺りの馬鹿に負けるなんてことはない)

八幡(理想の彼氏だろう。ただ、希薄さがあるだけで…)

八幡(また、雪ノ下とは家族ぐるみの付き合いだし、ああいう家系の煩わしさにも精通している…おいおい完璧じゃねえか)


結衣「ねえ、ヒッキー!帰りサイゼ寄って行こうよ!」

八幡「ん~そうだな、いいよ」

結衣「あ、ヒッキーが優しい」

八幡「うっせーよ」

27: 2015/06/09(火) 17:16:43.56
それからしばらく経って…

八幡(暑い…残暑が厳しい季節になってきた…もう9月だな…)

八幡「暑い…学校行きたくねぇ…」


雪乃「比企谷くん、おはよう」

八幡「おう、雪ノ下か…おはよう」

雪乃「今日も暑いわね」

八幡「そうだな…夏休みも色々しんどかった」

雪乃「勉強もしないで遊び呆けていたでしょう?」

八幡「そ、そんなことねぇよ…」

29: 2015/06/09(火) 17:20:18.64
雪乃「日焼けの跡がなによりの証拠になるわ」

八幡「うぐ…」

雪乃「奉仕部はもうないけれど…平塚先生に怒られないようにね」

八幡「ああ…ていうか、雪ノ下ちょっと変わったよな」

雪乃「そうかしら?」

八幡「社交的になった気がする」

雪乃「隼人くんのおかげかしらね」

八幡「隼人くん…ね」

30: 2015/06/09(火) 17:27:04.54
雪乃「なに?」

八幡「なんでも…」

雪乃「あなたも変わったわね…明るくなった気がするわ」

八幡「そりゃどうも…今では彼女もいますしね」

雪乃「ふふ」


葉山「雪乃ちゃん、おはよう」

雪乃「あら、隼人くん。おはよう」

八幡「…」

葉山「比企谷もおはよう」

八幡「おう…焼け取るな相変わらず…」

葉山「君に言われたくないが…」

31: 2015/06/09(火) 17:32:34.96
雪乃「もうすぐ予冷の時間ね、少し急ぎましょう」

葉山「そうだな、急ごう」

八幡「ああ」


キーンコーンカーンコーン

八幡(9月…葉山と雪ノ下は順調に付き合っていた。雪ノ下も前より綺麗に、器用になった気がする)

八幡(多分だが、身体も重ねてるだろうな…)

八幡(そういうシーンを想像すると、やはり葉山を殴りたくなる…)

八幡(これって嫉妬?まあ、奉仕部は引退だしもう活動は終了してるからな…)

八幡(で…俺はというと)




32: 2015/06/09(火) 17:35:30.29
結衣「ヒッキー、おはよう!」

八幡「おう」

結衣「相変わらず、ヒッキーてばノリ悪い」

八幡「お前に夏休み中引っ掻き回されたからな…テンション下がってんの」

結衣「もう~楽しかったじゃん!」

八幡「へいへい、そうですね」

結衣「もう、拗ねないでよ~!」

八幡(俺は結衣と付き合ってるわけで…)

34: 2015/06/09(火) 17:40:43.57
八幡(一色はあれから元気になって、今誰かと付き合ってんのか?良くわからんが)

八幡(三浦たちは、葉山らとちょっとひと悶着あって…戸部と葉山も少し冷戦中…)


八幡「なあ、結衣。そういえば」

結衣「なに?」

八幡「前に、雪ノ下と葉山を仲良くさせようって言ったの…お前だっけ?」

結衣「う~んどうだったかな~忘れたけど…」

八幡「ま、いいか」


八幡(そんなわけで、微妙なわだかまりはまだ残ってる…ハッピーエンドってわけにはいかないかね…)

八幡(やっぱり人生は苦いな…苦すぎる)


おわり

35: 2015/06/09(火) 17:41:52.51
これで終わりなんですが、難しいですね
見てくれてありがとうございました!

引用元: 八幡「雪ノ下に相談された」