1: 2014/02/01(土) 20:07:01.20
蛍「あ、あの、すみません。私今日この小学校に転校してきたばかりで何も知らなくて…」

れんげ「言い訳になってないなぁ、“カワイコちゃん”よぉ…」

蛍「ひ、ひぃぃ…」

れんげ「姉ちゃん、どっから来たんよ?」

蛍「東京ですぅ…」

れんげ「ハクいスケじゃねぇの。どうよ、今から学校フケていいことしないかのんのん?」

蛍(どうしよう、このままじゃこの小学一年生めいた幼女に…)

小鞠「おやめなさい」

れんげ「何だぁ?」

小鞠「ここは私が何とかします。貴女は早く校内へ」

蛍「は、はいっ///」キュン

蛍(あの不良も美幼女だったけど、さっきの子はすごい美少女だったなぁ・・・)

8: 2014/02/01(土) 20:15:39.61
夏海「あら、転校生?」

蛍「あっ、はい、そうです」

夏海「ふふっ、緊張しなくていいのよ。見たところ私より年上みたいだけれど・・・」

蛍「私、小学五年生です」

夏海「そうなの。私より二つ年下なのね」

蛍「よく年齢を上に見間違えられて・・・」

夏海「私は越谷夏海。気軽にお姉さまって呼んでも構わないわよ?」

蛍「ふぇぇ・・・///」

蛍(学校で最初にあった子は怖かったけど、私を守ってくれたかっこいいセンパイや、こんな素敵な先輩もいるんなら田舎も悪くないかな・・・)

夏海「あら?チャイムだわ。えっと・・・」

蛍「蛍です。一条蛍」

夏海「そう。一条さんっていうの。早く教室へ急ぎましょう」

蛍「はいっ」

12: 2014/02/01(土) 20:23:28.96
一穂「今日は転校生が教室にいます。その前にミナサン、アイサツを。オハヨー・ゴザイマス」

夏海・れんげ・小鞠「オハヨー・ゴザイマス」

蛍(うわぁ、今朝の幼女も同じクラスだ・・・)

一穂「転校生は真ん中の席に。ミナサンはそれを囲んでクダサイ」

ガタガタ

蛍(先生なりの配慮なんだろうけど、不良の幼女が怖いです・・・)

れんげ「よぉ姉ちゃん、また会ったなぁ・・・。ヒヒヒのん」

小鞠「やめなよ。転校生が怖がってるじゃない」

夏海「あら、二人はもう彼女と面識があるのかしら?」

一穂「私語は謹んでクダサイ」シバッ

女教師が投擲したのは何とチョークであった
弾丸めいたその速さで少女らの頭部を貫くかに見えたそれは、幼女の拳と、美少女の持つ本と、一番年上めいた少女の扇により防がれていた

蛍「痛いっ!」

ただ一人蛍だけは反応できず、チョークを高速で頭部に受けチョークが瞬間的に粉末に生じる程の衝撃を受け痛いだったよ

蛍「痛いっ!」

わかる

15: 2014/02/01(土) 20:30:06.00
卓「・・・・・・」

蛍(あれ、あの人は・・・?)

眼鏡をかけた少年は、教室の隅に座っていた
天井の隅に

蛍(怖い、幽霊!)

夏海「一条さん、ここの授業のシステムは変わっていて、学年が違う子しかいないから各自自習をするの」

蛍「は、はぁ・・・」

夏海「わからないことがあったらお姉さんにいつでも聞いてね」

蛍「ありがとうございます」

小鞠「一応私がこの学校の最年長者で、学級委員でもあるから私を頼ってくれても構いません」

蛍「えぇっ、最年長だったんですかぁ!?」

小鞠「・・・・・・まあ、そう見えなくても仕方ないわね」

蛍「す、すみません、そんなつもりで言ったんじゃ・・・」

夏海「ふふっ、彼女は私の姉なのよ?私がお姉さんに勘違いされる事が多いのだけれど」

蛍「姉妹ですか!?確かに雰囲気がどことなく・・・。それに二人とも綺麗・・・///」

16: 2014/02/01(土) 20:36:29.54
れんげ「おいおい、誰かうちの事無視してんじゃないですかのん?」ビキッ…ビキビキッ…

蛍「ひぃっ、あ、朝の・・・」

小鞠「おやめなさい」

夏海「一条さん。彼女は宮内れんげっていって、小学一年生なの。生意気盛りだけど仲良くしてあげてね?」

蛍「と、とても仲良くできる雰囲気ではないんですが・・・」

れんげ「朝はすまなかったなぁ・・・。アンパン、食うかいのんのーん?」

蛍「あ・・・あんぱん・・・?」

小鞠「学校への飲食物の持ち込みは禁止されています。宮内さん、しまって下さい」

れんげ「あぁん?委員長さんよぉ、“ブリっ子”かましてんじゃぇねぇぞォ?」

小鞠「ぼ、暴力反対・・・!」

夏海「まあまあ、ここはマリア様に免じて二人とも喧嘩はよそうよ」

蛍「マリア様・・・?」

17: 2014/02/01(土) 20:39:35.17
蛍(うわく、天井の隅の眼鏡の少年はマリアという通称で呼ばれていて、悪い事はみんなマリア様が見てるのでやってはいけないとの事だった)

卓「・・・・・・」

蛍(うわぁ、すごく不良美幼女を見てる・・・)

れんげ「チッ、あんなガン飛ばされたんじゃ気分も萎えるのんっ!」

小鞠「ほっ・・・」

蛍(田舎の学校は不思議がいっぱいです)

22: 2014/02/01(土) 20:51:39.46
夏海「さて、授業も無事終わりましたわね。帰りはどうしますの?」

蛍「徒歩で帰ろうかと。バス通学する予定なんですけど、この辺の地理になれておきたいので」

小鞠「感心な事ね」

夏海「でも、この辺りはたまに不審者も出ると聞きますし危ないですわよ?」

蛍「そうなんですか?都会より物騒かも・・・」

夏海「車を待たせてるの。よかったら送っていくわよ?」

蛍「わぁ、ありがとうございます、越谷先輩」

小鞠・夏海「それはどっちの?」かしら?」

蛍(夏海さんの事はお姉様、小鞠さんの事はセンパイと呼んで呼称を分けることとなった)

駄菓子屋「お嬢様、お迎えに参りました」

蛍「わぁ、ハイエースですか!?」

夏海「ええ。広いから色んな事に使えるの」

23: 2014/02/01(土) 20:56:11.93
駄菓子屋「おや、お嬢様、そちらの方は・・・」

夏海「今日転校してきた子よ。今日はこの子を連れて帰るわ」

蛍「えっ?連れて帰る!?」

小鞠「早く押し込んで」

蛍「えっ?えっ?」

駄菓子屋「暴れんなよ・・・暴れんな・・・!」

蛍(私は転校初日から、可愛いセンパイと綺麗なお姉様とチョイ悪系の運転手さんに拉致される事になったみたいです)

25: 2014/02/01(土) 21:10:39.61
蛍「け、景色が良いですね・・・」

小鞠「田舎だから何もないのが取り得。ただそれだけの事・・・」

夏海「そう固くならないで。何も連れ去ろうとかじゃないの。ただ、せっかく都会から来てくれたんですもの。色々と都会のお話が聞きたくて・・・。ね?」

蛍「は、はぁ・・・」

駄菓子屋「不味い、このままじゃ轢いてしまう!?」

夏海「あれはハクビシン!?」

小鞠「アライグマでしょ!」

蛍「イタチですよ」

どごーん

車は事故を起こした

駄菓子屋「どうやら“不運”(ハードラック)と“踊”(ダンス)っちまったか・・・」

29: 2014/02/01(土) 21:19:34.89
れんげ「ちっ、転校生が連れ去られたンで単車でついてきてみりゃ、箱がオシャカになってンじゃねぇの」

駄菓子屋「危なかった・・・」

夏海「幸い私たちはドア寄りに座っていましたので衝突前に脱出できましたけれど・・・」

蛍「こまセンパイは私と夏海お姉様の間に座ってましたので・・・」

れんげ「はっ、優等生らしいお粗末なおたんこなつな最期だのん」

小鞠「・・・勝手に殺さないでくれるかしら?」

れんげ「てめぇ・・・生きてやがったか・・・」

31: 2014/02/01(土) 21:25:59.73
小鞠「やれやれ。車とぶつかった動物をよく見てみなさい」

れんげ「こ、これは・・・」

蛍「わからないです・・・」

小鞠「ハムスターです」

!?

駄菓子屋「なん・・・だと・・・?」

夏海「なるほど、だから軽症で済んだんですのね」

小鞠「さて、帰りはどうしましょう」

れんげ「転校生よォ、後ろ乗れや・・・のん」

蛍「えっ?」

れんげ「見たくねェか・・・?“スピードの向こう側”って奴をよォ・・・」

そう言うと幼女は無理矢理三輪車の後ろに乗せ、私を連れ去ったのです

35: 2014/02/01(土) 21:32:56.18
中略



卓「・・・お前はこのみ!?」

このみ「決着をつけに来たよ。眼鏡君」

卓(負けるわけにはいかない・・・)

卓(ようやく登り始めたばかりなのだからな・・・。この果てしなく続く男坂って奴をよ・・・)

終わり

引用元: れんげ「うちの単車に何跨っちゃってくれてんの?」ビキッ…ビキビキッ…