1: 2013/01/06(日) 19:48:03.45
――――――


凛(……)ジー


P「……同じ事務所にいるのに、なんだか久しぶりな気もするなあ」

春香「ほんとです。プロデューサーさんが私を捨てて、一人にするから……」

P「ひ、人聞きが悪いな。プロデュースをやめたわけじゃないし、もう付きっきりじゃなくてもなんとかできると思って」

春香「そうですけどー……なんだかさみしいです」

P「おいおい……」

2: 2013/01/06(日) 19:52:52.85
春香「あ、そういえば凛ちゃんはどうですか? 最近大活躍みたいで、色んな現場で話を聞きますよ」

P「本当か? 確かに今は人気が出てきて、仕事も増えてきてるな。……まあ、まだまだ目を離せない部分もあるけど」

春香「きびしいですねー……でも、頑張ってるみたいでよかったです」

春香「……凛ちゃんのこと、よろしくお願いしますね? 私たちの、かわいい後輩ですから」

P「もちろん、そのつもりだ」

4: 2013/01/06(日) 19:57:12.69
春香「あ、そうだ。今日、クッキー焼いてきたんです。まだ残ってるので、よかったらどうぞ」

P「おお! いただくよ。春香のお菓子も久しぶりだな……」モグモグ

P「……うん。相変わらずうまい。こっちの腕も上がってるんじゃないか?」

春香「よかった。うれしいです♪ あ、こっちの方は凛ちゃんに渡してあげて下さいね」

P「わかった。凛も喜ぶと思うよ。……またお菓子、期待してもいいか?」

春香「もちろんです。また作ってきますね」

P「そうか。ありがとうな春香」ナデナデ

春香「わっ、わっ……えへへ……はい……///」

5: 2013/01/06(日) 20:02:35.14
凛(っ!?)ガタッ

凛(お菓子……そうか、お菓子か。さすがは先輩)

凛(……私も、春香さんみたいに……撫でて……)


P「……うん。変わりないみたいだな。春香……ん? 凛、いつの間に……」

P「……? どうしたんだ、ぼーっとして」

凛「……ううん。なんでもない」

P「……そうか?」

凛(……よし)

7: 2013/01/06(日) 20:06:21.39
――――――


凛「おはようございます、プロデューサー」

P「おはよう、凛。今日も頑張っていこうな」

凛「うん。……あ、あのさ、プロデューサー」

P「ん? なんだ凛。何かトラブルか?」

凛「そうじゃなくて……ええと、今朝、さ。その、これ……」

P「これ? ……なんだ、この袋? 開けていいのか?」

凛「うん……それ、あげるから」

8: 2013/01/06(日) 20:11:15.68
P「んーと……」ガサガサ

P「……これは、クッキー? もしかして手作り?」

凛「う、うん。一応……」

P「おおっ、すごいな。お菓子も作れるんだな、凛。……なんて、ちょっと失礼な言い方だったか? ……悪い」

凛「ううん。しょっちゅう作ってるわけじゃないし、口に合わないかも」

P「そんなこと無いと思うが……じゃあ、さっそくいただくよ」

 モグモグ

凛「……どう、かな」

10: 2013/01/06(日) 20:15:59.83
P「……うん! うまい! やるなあ、凛」

凛「本当? ……よかった」

P「うんうん……多分これなら、春香ともいい勝負だと思う」

凛「っ……そ、そんなことないよ」

P「ははは、謙遜するなって。……ありがとうな、凛」

凛「う、うん」

凛(……やった……!)

11: 2013/01/06(日) 20:20:06.05
P「……」

凛「……」

P「……? どうかしたか、凛?」

凛「……」

P「?」

凛「……別に。もう仕事の時間でしょ? 早く行こう、プロデューサー」スタスタ

P「……り、凛? どうした? 急に不機嫌な感じじゃないか? おーい? 凛ちゃーん?」

凛「……」スタスタ


凛(……むー)

13: 2013/01/06(日) 20:22:45.04
――――――


凛(……)


やよい「プロデューサー! おひさしぶりですー!」

P「お、やよい! 久しぶり。相変わらず、元気だなあ」ナデナデ

やよい「えへへー」


凛(!? いきなり!? しかも無条件で!?)

凛(さ、さすがやよいさん……)

14: 2013/01/06(日) 20:26:33.91
P「どうだ、仕事の方は。頑張ってるか?」

やよい「はい! がんばってますよ! 困ったときも、律子さんが助けてくれますし!」

P「そうか。……なにかあったら遠慮なく、俺にも相談してくれよ? やよいのプロデュースは今でもやめたわけじゃないからな」

やよい「ありがとうございます、プロデューサー!」

やよい「……あ。じゃあ……さっそく、おねがいがあるんですけど……」

P「? なんだ、やよい」

16: 2013/01/06(日) 20:29:47.24


やよい「あのあの……最近、会ってなかったので……これ、してもらっていいですか?」スッ

P「これ? ……ああ、なるほど。確かにこれも久しぶりだな」スッ

やよい「……ハイ、ターッチ!」

 パチン!

やよい「イェイ! ……ありがとうございますっ、また元気にがんばってきますね!」

P「よかった。またな、やよい」

やよい「はいっ!」

21: 2013/01/06(日) 20:32:45.85
凛(……ハイタッチ。自然なボディタッチ……そうか)

凛(撫でられるのが難しいなら、こっちで……)

凛(……よし、次はこれだ)

22: 2013/01/06(日) 20:35:00.64
――――――

P「……おつかれさま、凛! オーディション合格おめでとう!」

凛「うん、ありがとうプロデューサー。……どうだった?」

P「カンペキだったぞ! 教えた部分はしっかりと直せていたし。だいぶ、実力もついてきたんじゃないか?」

凛「そう言ってもらえると、うれしいな……」

凛(……よし)

凛「……」スッ

P「いやー、いつも凛には驚かされるな。歌にしろダンスにしろ、覚えるのが早いというか、度胸があるというか……ん?」

凛「……」スッ

24: 2013/01/06(日) 20:38:14.64
P「……?」

凛「……」スッ

P「……り、凛?」

凛「……っ」スッ

P「……えーっと……」

P「……あ、なるほど。そういうことか」

凛「!」

P「よし。いくぞ……」


凛(きたっ……!)

25: 2013/01/06(日) 20:41:11.57
凛「……」

凛「……」



凛「……?」

凛「……あの、プロデューサー?」

P「……んー……凛は結構……生命線、長いな」

凛「」

26: 2013/01/06(日) 20:45:48.36
P「他の線は……ん?」

凛「……」ジッ

P「……ど、どうした? またちょっと不機嫌に……」

P「……あ! わかった! ……すまん凛、勘違いしてた」

凛「……! プロデューサー」


P「心配しなくても、凛の指はきれいだぞ。確かにオーディションでは指先まで細かく見られてるときもあるが、大丈夫。凛なら―――」

凛「おつかれさまでした」スタスタ

P「り、凛!? 待て、どうしたんだ凛!? りーんっ!!」ダッ

28: 2013/01/06(日) 20:49:41.91
――――――


凛(……)


真「おはようございます、プロデューサー!」

P「お、おはよう真!」

P「明日、ソロライブだったよな。悪いな、着いててやれなくて」

真「大丈夫ですよ! ボクなら一人でも、ビシッと決めちゃいますから安心してください!」

P「はは、そのくらいやる気があるなら安心だ」

真「ボクだって今までより進歩してますから。どうですか? 前より可愛いらしくなってませんか?」キリッ

P「あ、ああ。そうだなー……」

29: 2013/01/06(日) 20:54:44.80
真「あー、その顔。信じてませんね!? わかりました……見せてあげますよ!」

P「!? い、いやっ、無理にやらなくても―――」


真「……きゃっぴぴぴぴ~ん! 菊地真ちゃんで~す☆」キャピッ♪

P「」


凛「」


真「……」

P「……」

30: 2013/01/06(日) 20:57:15.37
真「……そうですよね。これじゃあ全然―――」


 ポンッ


真「―――!? ぷ、プロデューサー?」

P「あのな? 可愛く見せようとしなくても、十分に真は女の子らしくなったぞ。男性ファンも、前よりもっと増えてるんだろ?」

真「……そうですけど」

P「ならいいじゃないか。今度のライブも飾らないで、自分らしくいけよ?」

真「……うん。そうですね……わかりました! プロデューサーの言うとおりにいきます!」

P「ああ! がんばれよ真!」

31: 2013/01/06(日) 20:59:01.44
凛(……)

凛(……頭、ポンッって……)

凛(……)

凛(……これだ。もう、これしかない)

33: 2013/01/06(日) 21:05:11.84
――――――


P「……さて。今からグラビア撮影だな……大丈夫か凛?」

凛「うん。まだ、ちょっと恥ずかしいけど大丈夫。がんばるよ」

P「よし。頼んだぞ」


カメラマン「……準備整いましたー! お願いしまーす!」


P「お、出番だな。……いってこい」

凛「はい! お願いします!」

35: 2013/01/06(日) 21:12:58.55
カメラマン「じゃあ、最初はキリッと凛々しい感じで」

凛「……」スッ

カメラマン「……ん! いい感じ! 次はもうちょっとやわらかい表情で!」

凛「……」スッ

カメラマン「OK! じゃあ次は……」


P「……うん。最初の頃は照れがあったが、随分慣れてきたみたいだな。これなら安心して……」


カメラマン「……じゃあ次! ちょっと雰囲気かえてみようか! 今度は可愛らしい感じ!」

凛「可愛らしい感じ……」

36: 2013/01/06(日) 21:14:14.55
凛(……はっ、ここだ!)

凛「……」

カメラマン「……凛ちゃん? どうかした―――」

凛「……きゃっ、きゃぴぴぴぴーんっ☆」キャピッ

カメラマン「」


P「」

38: 2013/01/06(日) 21:19:22.62
P「……り、凛? おつかれー……」

凛「……」

P「……大丈夫だぞ? カメラマンさんも、滅多に見られないものが撮れたって喜んでたし」

凛「……っ」バシッ! バシッ!

P「痛っ!? 痛いです凛さんっ! 痛いっ!」

凛「……うう……」


凛(先輩たちを意識しすぎて……ちょっとおかしくなってるかもしれない)

凛(もう、恥ずかしい……)

40: 2013/01/06(日) 21:23:19.74
P「……」

凛「……」

P「……」


 ポンッ

凛「―――っ!?」

P「あのな? 凛はどう思ってるかわからないけど、本当にカメラマンさんの言う通りだぞ」

凛「……?」

P「凛の普段見られない顔が見れた。可愛い子ぶってる感じも見れたし、恥ずかしがってる顔も見れたし―――痛い! ちょっと我慢して聞けって!」

P「……だからな? そうやって、色んな凛をもっと見せてほしいんだ。そうしてくれたら俺もうれしいし」

凛「……プロデューサー」

41: 2013/01/06(日) 21:24:51.62
P「キリッとした凛もいいが、やっぱり年相応の顔もいいと思うよ。すごく可愛いぞ。今の凛」

ナデナデ

凛「っ!? わ、わ、ぷ、ぷろ、ぷろでゅー!?」

P「? ……あっ!? す、すまん! つい撫でてしまった! ち、違うぞ凛! 子ども扱いとか、そういうことじゃなくて……」

凛「……いい」

P「……え?」

凛「……撫でられるの、嫌いじゃないし」

P「……そ、そうか。ならよかった……のか? ……じゃあ……」ナデナデ

凛「……」

42: 2013/01/06(日) 21:26:04.93
凛(……や、やった……)

凛(やった……!!)

凛(……春香さん! やよいさん! 真さん! ……本当にありがとうございました!)


P「……凛? なんでガッツポーズ?」



 めでたしめでたし

43: 2013/01/06(日) 21:29:42.58
――――――


凛(……な……)ワナワナ


響「……だーかーらー! 自分、完璧だって言ってるだろ!」

P「はいはい、完璧完璧。響はかんぺきだなー」ナデナデ

響「全然心がこもってない! 本気じゃないだろプロデューサー!?」

P「そんなことないぞー。響はかんぺきー。まじぱーふぇくとー」ナデナデ

響「棒読み過ぎる!? どんどんひどくなってるぞ!?」

P「ははは」ナデナデ

44: 2013/01/06(日) 21:31:20.12
凛(……さ、さっきから、ずっと……撫でられてる……)

凛(さ……さすが、響さん……)

凛(……でも……)



凛「……先輩たちには……負けない……!」



P「……ん? なにか、聞こえたような……」ナデナデ

響「んがーーー!! なーでーるーなーっ!!!」



 おわり

48: 2013/01/06(日) 21:36:56.60
終わりです

この前あげたのもあるんですが、最初はさるさんくらって、リベンジしたらモデムがぶっこわれて

最後まで書けなかったので、別の作品でリベンジしました


49: 2013/01/06(日) 21:38:50.17
おっつおっつばっちし☆
がんばれ凛。でも見習うなら千早にしとこう、な

50: 2013/01/06(日) 21:48:53.75
乙乙乙

引用元: 凛「先輩アイドルに負けない」