1: 2012/12/26(水) 12:33:38
小学生時代 駄菓子屋
男「僕、カップアイスとクジ一回!」

幼 「私もカップアイスとクジー!」

おばさん「あいよー」

男「そこのイスで食べよう、幼ちゃん」

幼「うんっ!!」

幼「冬に食べるアイスって美味しいよねー、男ちゃん」パクッ

男「うんうん、なかなかオツな味だよね」パクッ

幼「ふふっ、男ちゃんたら大人みたいな言い方しちゃって」

2: 2012/12/26(水) 12:43:12
男「あはは」

男「幼ちゃん、クジ開けてみよう」

幼「うん」

男「いっしよに開けようね」

男「いっせーの」

幼「せっ!」

男・幼「…」カサッ

男「…あっ」

幼「…男ちゃんも」

男「…もうじきクリスマスだし、サンタさんからのプレゼントかも」

幼「ねっ」ニコッ

幼「……」

幼「…私いいこと、思いついちゃった」

3: 2012/12/26(水) 12:58:15
幼「…だから…クリスマスの夜に…あとでね…」ゴニョゴニョ

男「」ウンウン

男「わかったよー!」

男「ふふっ、きっとすてきな思い出になるね」

幼「ぜったい、ぜったい、忘れないでね」

男「ぜったい忘れないよ。僕、幼ちゃん大好きだから」

幼「私も大好きー!男ちゃん!!」

男「ずっとふたりでいようね」ニコッ

幼「これをすればもうずっといっしよにいられるよ」ニコッ

男「約束だね」

幼「約束だよ」

6: 2012/12/26(水) 23:47:40
幼「ぜったいに忘れないで。クリスマスの夜だよ」ニコッ

……

男 (…クリスマスの夜に)

男(僕は何を誓ったんだろう…?)

……

7: 2012/12/26(水) 23:52:24
………

ナデナデ

男(…頭が気持ちいい)

男(優しく誰かになでられているみたいな…)

男「?」

?「…起きて、男ちゃん」

男「!」ハッ

9: 2012/12/27(木) 00:03:48
……

幼「おはよう、男ちゃん」ニコッ

男「…おはよう、幼ちゃん」

男「」ボーッ

幼「あいかわらずお寝坊さんだね、男ちゃん」クスッ

幼「早く支度しないと遅刻しちゃうよ」ニコッ

幼「朝ご飯できてるから、降りてきてね」

幼「妹ちゃん、待ってるよ」

男「…ごめん、すぐ着替えるから」

幼「えへへ、じゃあ待ってるね」

バタン

10: 2012/12/27(木) 00:15:35
男(…寝顔見られたのか)

男(くーっ!いつも起こしてもらってるとはいえ、恥ずかしいな…)

男「…朝起きて最初にみる顔が、あんなにきれいでかわいい…」ボソッ

男「…だから、余計恥ずかしいんだよ!!」バシバシ(壁を叩いて)

男「…着替えよ」

……

幼「…男ちゃんの寝顔、かわいかったな」

幼「ずっと見てたいな…」

幼「わたし、へんたいさんじゃないもん!!」カアッ

幼「…朝ご飯食べよ」

11: 2012/12/27(木) 00:35:13
男「待たせてごめんね、幼ちゃん、妹」

妹「遅いです、にーさん。幼ちゃんにあんまり迷惑かけてはいけないですよ」

妹「お寝坊が過ぎるのです」

妹「私はもうお腹がぐーなのです、にーさん」

男「ごめんね」

幼「わたしは気にしてないよ」ニコ

男「」グーッ

男「……」

妹「にーさんも、ぐーですね」クスッ

幼「ふふ、早く食べよう。みんなお腹すいてるみたいだし」

12: 2012/12/27(木) 00:46:23
男・幼・妹「いただきます!!」

幼「今日はね、洋食なの」

妹「…オムレツ、おいしすぎなのです」パクパク

男「トーストについてるジャム、おいしいな」パクパク

幼「マーマレードだよ、手作りしたの。…どうかな?」

男「文句なくうまいね」ニコッ

幼「…よかった。男ちゃんがおいしく食べてくれるのが、一番うれしいな」ニコッ

男「…幼ちゃんが作ってくれたもので、おいしくないものなんてひとつもないよ」ニコッ

13: 2012/12/27(木) 00:58:39
男「とっても料理上手だし、一生懸命作ってくれるし、それに味がね、すごく僕の好みなんだ…やさしくて」

男「まるで幼ちゃんみたいな…」

男「…って僕はなに言ってんだ!?…今のはなし、なんでもない!!」カアッ

幼「…わたしみたいな…そんな、恥ずかしいよぉ」カアッ

幼「…えへへ」

男・幼「……」カアッ

妹「…コーンスープもおいしいです…って、この甘ったるい空気、毎度ながらどうにかなりませんかね…」

14: 2012/12/27(木) 17:05:43
男・妹「ごちそうさまでした」

幼「お粗末さまでした」ニコッ

妹「幼ちゃん料理、上手くなりましたね。昔、味見にたくさん付き合ったかいがありました」

幼「ほんとありがとね、妹ちゃん」

男「僕もおいしかったよ。後片付けは僕がしておくから先に出てて、ふたりとも」

幼「わたしも手伝うよ」

男「いつもお世話になってるんだから、いいよ」

15: 2012/12/27(木) 17:17:25
男「幼ちゃん、家事もしてくれてるし」

幼「…そんなこと、みんな家族が忙しいんだから助け合わなきゃ」

男「…じゃあ、僕も幼ちゃんに何かしたいな。たいしたことはできないけど」

男「何かできることがあったら言ってね。…なんでもするよ」ニコッ

幼「…男ちゃんにそんなこと言われたら、気持ちだけでいっぱいいっぱいだよ…」カアッ

男「」ニコッ

幼「」カアッ

妹「…またこの空気ですか…私もいるんですが」

妹「…ほったらかしは寂しいですよ?」

16: 2012/12/27(木) 17:57:15
通学路

幼「期末テスト大変だったね。いっしよに勉強できてよかったよ。…いい点取れてるかな」

男「大丈夫だよ、きっと。頑張ったし」

男「でも、教えあうのっていいよね。誰かと考えたほうがよくわかるからね」

妹「ふたりとも忙しいのに、勉強みてもらってすみません」

妹「中二の問題なんて、高一には関係ないのに」

幼「気にしないでー」

男「いいって」

妹「私、ふたりと同じ高校行きたいです」

男「嬉しいこと言ってくれるね」

幼「ねっ。えへへ、応援してるね」

妹「はい、頑張ります」ニコッ

17: 2012/12/27(木) 18:13:56
友「男ー!幼ちゃーん!」

幼「友くん、女ちゃん」

女「おは!あいかわらずのラブラブっぷりね」クスッ

友「さすがは生まれたときからのお隣さん、もう夫婦だな!!」

幼「もうっ!!からかわないでよ!!…らぶらぶとかふうふなんて…ソンナフウニミエルノカナ…」ゴニョゴニョ

男「ああ、ふたりとも朝から元気だね」ニコッ

友「テストが終わったんだぞ!!テンション上げなくてどうすんだ!!」

女「完全に同意だけど。…友の場合テスト返しまでよね、浮かれていられるの…」

19: 2012/12/27(木) 18:28:35
友「うるせー!!やなこと思い出させんな!!」

友「冬休みのことで頭いっぱいにしたいんだよ!!」

友「…そのとおりだけどさ」

女「…認めるのね」

男「…相変わらずは、君らもだよな」

幼「えへへっ」

妹「ふふふっ」

20: 2012/12/27(木) 18:51:14
友「…年末だし、もうすぐクリスマスだな」

女「そうね」

友「プレゼントもらえるのはいいが、リア充が浮かれてむかつくわー」

友「クリスマスに恨みはない。…だがリア充、お前らはダメだ。滅べ!爆発しろっ!!」

女「…別にいいじゃないの、どんだけリア充うらんでんのよ」

妹「…気持ちはよくわかります、なぜか…」

幼「…クリスマスかぁ」

男「…うん?幼ちゃん?」

妹「にーさん、幼ちゃん、クリスマスはやっぱり?」

21: 2012/12/27(木) 20:14:03
幼「うん、もちろん!!」

幼「今年もクリスマスイブにパーティーするよ!!」

幼「イブならお父さんとお母さんいるから…男くんのご両親もいるんだよね?」

男「うん、休みだってさ。よかったよ」

妹「去年はにーさんたち受験でしたし、どっちの両親もいないから…」

男「うん、三人で出来合いのケーキやチキン食べただけだったね」

幼「だから今回楽しみなんだ。張り切って料理つくるから、楽しみにしててね」

男「おうっ!」

妹「はい!」

24: 2012/12/27(木) 21:33:04
幼「場所はわたしの家ね~」

幼「女ちゃんと友くんも来る?」

男「人数多いほうが楽しいもんね、どうかな?」

女「いいの?行きたいけど」

友「ホントに?じゃあ、行かせてもらおうかな」

幼「歓迎するよー」ニコッ

男「待ってるね」ニコッ

妹「今年はにぎやかになりそうですね」ニコッ

女「男くん、幼ちゃん、妹ちゃんよろしくねっ♪」

友「よろしく」

25: 2012/12/27(木) 21:57:57
……

妹「…じゃあ私、中学行きますね」
男「ああ、気をつけてな」

幼「またあとでね」ニコッ

女「いってらっしゃい」ニコッ

友「おう、がんばれ」

妹「行ってきます」ニコッ

幼「……」
幼「…ねぇ、男ちゃん」

男「なに?」ニコ

幼「…やくそく…」ボソッ

男「うん?」
幼「…なんでもないよ」ニコッ

男「……」

幼「…覚えててくれてるかな」ボソッ

男(…幼ちゃんが気にしてるの、クリスマスの約束のことだよね)

男(思い出さなきゃ…きっとすごく大切なことだ)

26: 2012/12/27(木) 23:36:19
高校

男「…というわけなんだ」

友「小さいころのクリスマスの約束ねえ…」

女「直に聞いてみれば?幼なら答えてくれるかも」

女「…なんだったら私聞こうか?さりげなくね」

男「…忘れてるのは僕が悪いからね…なんとか、思い出したいんだ」

友「…昔、遊んでたところ回ってみるとか。懐かしくて思い出せたりしてな」ニコッ

男「…そうだね、やってみよう」

27: 2012/12/27(木) 23:54:19
昼休み

幼「男ちゃん、お弁当食べよう」

男「うん、今日も用意してくれてありがとう」

男「おいしそうだね」ニコッ

幼「おんなじクラスでよかったねぇ」

幼「自然にご飯、いっしょに食べられるから」

幼「食べてる人の反応見られると、作りがいがあるんだぁ」

男「いっしょにおしゃべりしながら食べてるだけでも、楽しいけどね」

幼「それはもちろんだよ~」ニコッ

幼「男ちゃんといるだけで楽しいもん♪」

男「ふふ」

友「…あっちで食おうか、今日はいつもよりいっそう、いいムードだな…」

女「邪魔しちゃ悪いもんね…」

28: 2012/12/28(金) 00:09:05
男「……」

幼「…?」

幼「…クリスマス…今年は…」

幼「…クリスマスパーティー楽しみだね、男ちゃん」ニコ

男「そうだね」ニコ

男(いつも助けてもらってるのに、大事なこと忘れてごめんね、幼ちゃん)

男(僕にも何かして上げられることがあればな…)

男「…ねえ、イブじゃないクリスマス当日は空いてるかな?」

幼「空いてるよ。…ていうか、特に用事がなかったらいっしょにいるよね」

幼「…どうかしたの?」

29: 2012/12/28(金) 00:19:03
男「…いや、いっしょに遊ぼうかなって」

幼「いいよ、わかった」ニコッ

男「うん、ありがとう。お弁当おいしいや」

幼「えへへっ、ありがと」

男(…これでよし、あとは準備を整えてと)

男(…もし思い出せても、忘れてしまったことはあやまらなきゃね)

男(…ごめんね、幼ちゃん)

32: 2012/12/28(金) 15:32:18
帰り道

男「…今日は少し違うルートで帰ろうかな…いい?」

幼「いいよ」

……

幼「…幼稚園のときの通学路だね…懐かしいな」

男「来てみたくなっちゃってね。うん、ふたりで手をつないでここをあるいた…」

幼「わたし年中さんのころ、ここでころんで泣いちゃったんだよね」

幼「男くんわたしの頭、泣き止むまで優しくなでてくれたよね。あのころから優しいんだから」ニコッ

33: 2012/12/28(金) 15:50:22
男「幼ちゃんだって優しいよ…年長組のとき僕が迷子になったときに、探しに来てくれたよね」

幼「結局ふたりで迷子になっちゃったけどね」クスッ

男「…でも嬉しかったよ、隣町で心細かったからね」

幼「今なら歩いて行ける距離なのにね」ニコ

男「子供のころって今と感じ方全然違ったよね」

幼「ふふ。でも毎日がキラキラしてたよね、新鮮で」

男「新しい発見でいっぱいだもんね」

幼「…わたしは今でもステキな発見でいっぱいだけど」ボソッ

34: 2012/12/28(金) 16:09:38
……

男「…でこっちが小学校のころの通学路だな」

幼「そこの空き地でよく遊んだよね…」

男「そうだね、妹と三人でいっぱいさ」

幼「…うん、思い出がいっぱいなの…大事な…」ニコ

幼「そこで遊んだあとはね…」

男「あの駄菓子屋さんでお菓子食べるんだよね」

幼「…クジ、よくひいたよね」

男「時々、結構いいのが当たるんだよな…プラモとか」

幼「うん…ホントにいいのがね…」

35: 2012/12/28(金) 16:15:59
男(…空き地、駄菓子屋、くじ…)

男(…夢で見たことがある)

男(何か引っかかる。もう少しで思い出せるかな…)

男「……」

幼「……」

36: 2012/12/28(金) 16:39:09
幼「……」ギュッ

男「幼ちゃん?」

幼「手つないで帰ろ?…なんか懐かしくなっちゃった」ニコ

男「…よくつないでるけどね」ギュッ

幼「いいの、えへへー」

男「……」

男「」ナデナデ

幼「男ちゃん?」

男「懐かしくなったからね…だめかな?」ニコ ナデナデ

幼「…だめじゃない、だめなわけない…」カアッ

男「時々なでてるけどさ、今日はなんか違うね」クスッ

幼「…ううぅ」カアアッ

37: 2012/12/28(金) 20:25:26
男宅

男「…といったわけで、幼ちゃんにクリスマス当日にサプライズがしたいんだ」

男「いつもお世話になってるから、恩返しをね。協力してほしいな」

妹「わかりました」

妹「…しかし幼ちゃんもにーさんも、なぜ私に同じようなこと頼むんでしょう」

男「みんな、妹を頼りにしているんだよ」

妹「…まあ、幼ちゃんにはいつもお世話になってますし、協力しますね」

男「ありがとう、慣れないから色々教えてくれ」

妹「はい」

妹「…サプライズは別にして、ちゃんと約束思い出さなきゃだめですよ」

男「…うん」

38: 2012/12/29(土) 00:02:26
夕飯時

男「今日は僕が夕飯を作ってみたんだ」

男「いつも作ってもらってるからたまには、ね」

幼「すごいねー。ありがと、男ちゃん」

男「さあ、食べてみてくれよ」ニコッ

幼「いただきまーす♪」パクッ

幼「……」

幼「…うん、おいしい…よ」

妹「…この肉じゃが、芋が焦げてるのに中かたいです」モグモグ

妹「…味噌汁、味薄すぎです」

妹「ご飯、べちゃべちゃしてます。水減らして炊きましょう」

妹「全体的にあとちょっとですね」

39: 2012/12/29(土) 00:16:04
男「…率直な意見ありがとう、妹」

男「反省しなきゃな」

男「うーん…」

幼「…わたしは好きだよ。嫌いじゃないもん」

幼「男ちゃんがいっしょうけんめい、作ってくれたんだよ」

幼「…それだけでうれしいよ」

男「ありがとう、幼ちゃん」

男「でもさ、きちんとしたご飯作りたいから素直な感想がほしいんだ」

男「正直な感想聞かせて」

幼「…おいしいよ」

男「そうか…」

男(本当においしいものが作れるように頑張らなきゃ)

男(…幼ちゃんに心から喜んでもらいたいから)

40: 2012/12/29(土) 00:22:08
男「そうだ」

男「明日からお弁当自分で作るよ」

男「上手に作れるようになったら、幼ちゃんにも作るね」

幼「……」

幼「…うん、楽しみにしてる…ね」

妹「……」

妹「…にーさん、ハリキリすぎはいけませんよ」ボソッ

41: 2012/12/29(土) 00:34:34


幼「おはよう、今日も起こしに来たよ…」

男「おはよう」

幼「今日は早いんだぁ…」

男「まあね、毎日面倒みてもらっちゃ悪いし」

男「ああそう、朝食つくったよ」

妹「簡単なものだし、大丈夫ですよ…私が保証します」

男「…ヒドい言われようだ」クスッ

男「さっ、朝ご飯どうぞ」

幼「…うん、いただきます」

幼「…どうしたんだろ、男ちゃん」ボソッ
男(世話になりっぱなしはよくないしね。少しずつ恩返しを…)

幼(…寝顔見たかったな)

42: 2012/12/29(土) 00:45:12
教室

男「…友、相談があるんだけど」

友「なんだ?」

男・友「……」ボソボソ

幼「…なに話してるのかな…?」

女「…さあっ?」

女「それより、洋服屋さん行かない?いいとこ知ってるのよ。一人で行くより楽しいし…」

幼「うん…」

幼「……」

43: 2012/12/29(土) 00:47:48
ではおやすみなさい
見てるひと、ありがとうございます

45: 2012/12/29(土) 18:07:13
昼休み

男「お昼を自分で作るのも悪くないね」ニコッ

幼「…うん」

男「…確かにおいしくないな、はは…」パクッ

帰宅時

幼「男ちゃん、帰ろー」ニコ

男「うんっ」

……

幼「男ちゃん、いっしょに今日遊べるかな」

男「ごめんね、今日用事があるから」

幼「なんの用事?」

男「友とちょっとね」
男「…後で埋め合わせするからね」

幼「…うん、気にしないで」ニコッ
幼「用事頑張ってね」

男「うん」
男「…面接、初めてなんだよな」ボソッ

46: 2012/12/29(土) 18:27:00
……

数日後 昼休み

男「」グッタリ

友「男ー、大丈夫かぁ」

男「まあね…慣れないことするのは大変だ」

友「お前真面目だしな。あんまり肩肘張るなよ」

男「友はすごいね」ニコ

友「お前もよくやってるよ」

友「飯ありがとな、イタリアン好きだから嬉しいわー」

男「…不出来なモノ食べさせて申し訳ないな」

友「ケーキはうまかったぞ」

男「普通の料理より、スイーツがうまくできるとは」クスッ

友「…男らしいな、甘党だし」ニコッ

47: 2012/12/29(土) 18:43:38
男「」グッタリ

男「…眠い」ファーア

幼「……」

幼「…最近男ちゃん、すごい疲れてる」

幼「前よりいっしょに居られないし…心配だよぉ」

女「登下校いっしょだしいいじゃない」

幼「うん、でも放課後から夜まで、外でなにかしてるみたいなの」

幼「帰ってきたあとも夜遅くまで起きてるみたいだし…」

幼「…忙しいみたいだけど、ムリしないでほしいな」

女「…愛されてるのねぇ、男君」

幼「…あ、あいっ!?」カアッ

女「今さら照れないの」ニコ

52: 2012/12/29(土) 21:59:57
女「まったくウブなんだから」ニコ

女「心配しなくても、男君しっかりしてるところあるし平気でしょ」

幼「…うん、でもわたしの個人的なワガママなんだけど…少しさびしいなって」

幼「会える時間がへってることもだけど」

幼「男ちゃんにご飯作ってあげたり、お世話するのわたしすごく楽しいから…」

幼「朝と夜、男ちゃんが作ってくれるのもうれしいんだけど…」

幼「…なんだろ」

女「…嫁かよ」

幼「…お嫁さん」カアッ
女「…それはもういいから」ハァーッ

53: 2012/12/29(土) 22:15:27
幼「…お弁当食べよ」モグモグ

女「あんた、イタリアンすきよね」

幼「うん、スパゲティとかピザとか大好き」

女「お弁当そのままね」

幼「冷めてもおいしいようにとか、お弁当むきにアレンジしてるんだ」

幼「ひとつひとつを小さめにして種類ををたくさん詰めるの…バランスがね」

女「…料理、ホント凝るんだから」

幼「…和食は肉じゃがが好きなの…それはね…」

女「…もう料理好きなのはわかったわ」

女「家事も好きだし、芯までお嫁さんなのね…」

女「男くんは幸せ者ね…幼もだけど」

54: 2012/12/29(土) 23:39:44
夜 男宅

男「…ただいま」

妹「お帰りなさい」

妹「にーさん、ホントに疲れきってますね…時間遅いですもん」

妹「色々頑張るのは結構ですが、幼ちゃん心配してますよ」

男「…あと少しでたまりそうなんだ。あと、あっちが完成するのも近い」

男「もうひとふんばりなんだ」

妹「…私が何度も満腹になったかいがありますね」

妹「…でも幼ちゃん、会う時間が減ってすごくさびしがってます。フォローを忘れないでくださいね」

男「うん、わかってる」

55: 2012/12/29(土) 23:51:01
男「…さて、練習を始めようかな…いつもみたいにダメ出し頼むよ」

妹「好きでダメ出ししてるわけじゃありません。にーさんがダメすぎるんです」

妹「…でも最近良くなってきてます。幼ちゃんも喜んでくれるかも」

男「じゃあ、頑張らなきゃな」ニコ

妹「その意気です」ニコッ

妹「…終わったら、すぐ寝るんですよ。にーさん、ふらふらしてます」

男「わかってる…付き合わせてごめんな」

妹「まったくです。できる妹に感謝、ですよ」

男「あはは…ありがとう」

56: 2012/12/30(日) 00:11:54
幼の部屋

幼「おうちでひとりはさみしいなー」

幼「わたしの家も男ちゃんちも両親出張多いから」

幼「…最近、男ちゃんち居るの気まずいな。なにかこっそりしてるし」

幼「家事とかご飯の支度、男ちゃんが終わらしちゃうし。やることないのも寂しいな」

幼「ちょっと前までずっといっしょだったのに…」

幼「いつもいっしょにいたいなー、なんて」

幼「…もう遅いのに男ちゃんちまだ起きてる」

幼「帰って来たのも遅いのに…」

幼「……」

幼「…よくわかんないけど、頑張ってー男ちゃん!」

幼「わたしは味方だよー!なんて」ニコッ

62: 2012/12/31(月) 21:12:46
また数日後  教室

男「ふーっ」ノビー

友「よう男!ちゃんと貯まったかぁ?」

男「ああ、プレゼントも用意もできたよ」ニコッ

女「幼、きっと喜ぶわね」

男「…ホント、ふたりには世話になったよ…ありがとう」

友「気にすんな、ガンバレよー!応援してるからよ」

女「うまくやりなさいよ」ニコッ

男「うん!」

63: 2012/12/31(月) 21:24:54
……

友「…男たち、うまくいくといいな」

女「そうね、今時珍しいウブなふたりだしね」

女「そうじゃなきゃ、体重計気にして色々協力した甲斐ないし」

友「ははっ…ところでさ、イブじゃないほうって空いてる?」

友「ヒマなんだよ。あいつら見てたら、うらやましくなってさ。一人じゃつまんないしさ」

女「…そうね、空いてないこともないわね。タイクツするより友といたほうがましかしら」

友「…素直じゃないな」ニコッ

女「お互い様よ」ニコッ

64: 2012/12/31(月) 21:43:01
……

幼「…久々だね、いっしょに帰るの」ニコッ

男「…そうかな、二週間くらいだよ」

幼「二週間は長いよ、まあいいけどね…」

男「…僕にも長かったんだけどね」ボソッ

男「」フラッ

幼「…男ちゃん?」

男「…ちょっとつまづいたよ、あはは」

男(…シフトでむちゃしたからな。時間がないとはいえ…体力ないな、僕)

幼「気をつけなきゃだめだよ…なんか顔色悪いし」

幼「ちゃんと休まないとだめだよ。男ちゃんがんばり屋だけどやりすぎはよくないよ」

65: 2012/12/31(月) 21:59:28
幼「…最近忙しいみたいだから、ね」

男「…ありがとね。でも、ほんと大丈夫だから」ニコ

幼「…ならいいんだけど」

男(…幼ちゃんには勝てないや。何かしてることはやっぱりばれてるかぁ)

男「…じゃあ、ゆっくり帰ろうか」

男「…少しだけ寄りたいところがあるんだけど、いいかな?」

幼「…男ちゃんがいいなら。体調、平気?」

男「うん、大丈夫」

幼「…そう、でもできるだけ早く帰ろうね」

66: 2012/12/31(月) 23:22:30
……

幼「わー、なつかしい…ちいさいころよく来てた駄菓子屋さんだぁ」

男「こないだ見たときから来てみたくてね…なにか食べて帰ろうよ」

幼「うん!」

……

67: 2012/12/31(月) 23:31:25
幼「おっきいコーラアメおいしい~」

男「サイコロキャラメルもおいしいよ」

幼「ほら男ちゃん、チョコバット、きゃべつ太郎、サラダポテト♪」

男「…うんうん、おいしいよね。ボンタンアメ、きびだんご…ずいぶん買っちゃったね」

幼「分け合って食べよ」ニコッ

男「うん」ニコッ

68: 2012/12/31(月) 23:42:16
少年「くじ引こうよ」

少女「うん、いっしょに引こうねぇ」

少年・少女「……」

少年「当たったー、船のプラモデルー!」

少女「いいなー」

少年「がっかりしないでー少女ちゃん、いっしょに作ろうよ!」

少女「…いいのー?」

少年「うん、ふたりのほうが楽しいよ!!」

少女「ありがと、少年くん!」ニコッ

少年「帰ってお菓子食べながら作ろ!!」ニコッ

少女「うん!!」(手をつなぐふたり)


男「……」

幼「……」

77: 2013/01/06(日) 00:07:49
幼「…あの子たち」

男「…うん?」

幼「わたし達の小さいころに似てる…」

男「ああ、そう、確かにね。仲良そうな子たちだったね」

幼「ふふっ…なんか懐かしいな」

男「僕もだよ」

幼「あんな感じで遊んでたね、私たち」

男「そうそう、放課後いつもいっしょで」

幼「ふたりのお家のどちらかで過ごして」

男「お菓子とかはんぶんこにして食べてさ」

幼「ここのお店買ったのとかね…あんな風にくじなんかもひいて…」

男「なんかセンチメンタルな気分になったな…」

幼「…物悲しくなっちゃった」

男「やってることは今といっしょなのに…」

幼「ね…今もいっしょにいるのに…」

78: 2013/01/06(日) 00:19:12
男「…子どものときと何も変わってないな…僕ら」クスッ

男「…ガキんちょなわけだね、僕は。…あっ、幼ちゃんは違うよ。僕よりしっかりしてる」

幼「……」

幼「そうかな…?」

男「…幼ちゃん?」

幼「わたしは変わってきてるかもしれないよ?」

幼「何も全部そのままなわけないもん」

幼「…男ちゃんは本当に変わってないの、まったく?」

男「……」

男「…僕は…」

幼「……」

79: 2013/01/07(月) 23:46:01
少年「あーっ、告白だぁ!」

少女「告白だね~」ニコ

男「」ビクッ

幼「」カアッ

少女「らぶらぶなムードになったら告白するんだよね。わたし知ってるよっ!」

少年「僕も知ってる~!」ニコ

少女「とってもいい感じだもん。お兄さんとお姉さん。間違いないよ」

少年「もしかしたら、もう付き合ってて、プロポーズかもしれないよ」

少女「じゃあ、結婚しちゃうの?すごいね~!」

男「…プロポーズ」

幼「…結婚」

男「……」カアアッ

幼「……」カアアッ

80: 2013/01/07(月) 23:54:44
幼「…そんな…まだはやいよぉ」ボソッ

男「…まあ、そんな感じかな」

幼「…男ちゃん!?」

男「まあいいじゃん」ニコッ

少女「美人で可愛い彼女さんだねぇ。お兄さん幸せ者~」

男「でしょ」

少年「少女ちゃんも可愛いよ。僕大好き」ニコッ

少女「わたしも少年くんだいすき」ニコッ

男「…仲良しさんだね」

少年・少女「うん!!」

81: 2013/01/08(火) 00:06:16
少年「僕、少女ちゃんとずっといっしょにいるんだ」

少女「わたしも少年くんといるよ。少年くんのお嫁さんになるんだもん」

男「そっか、ふたりとも幸せだねぇ」

男「…結婚の約束ね」ボソッ

少女「うん♪」

少年「そうだよ。お兄さんも幸せだよね。彼女さんと仲良しだもんね」

男「…うん、そうなんだ。とっても仲良しなんだよ」ニコッ

男「…だから、頑張らなきゃ」

少女「なにを~?」

男「幸せになるために頑張るってこと。少年くんと少女ちゃんも頑張るんだよ」

83: 2013/01/08(火) 18:07:05
少年・少女「うん!!」
男「ふふ」

幼「……」ニコッ

男「……」

男「…それは?」ニコ

少女「指輪だよ、少年くんにもらったの」ニコッ

少年「結婚指輪だよっ!!そこの駄菓子屋さんのくじで当てたんだよ!!」

少年「僕もはめてるよ。ぺありんぐなんだ」

少女「これでずっといっしょにいられるんだよ。好き同士ならぺありんぐするって、お母さん言ってたもん」

少年「ねー!だからしてるんだよ!」

男「…そっかぁ」

幼「……」

84: 2013/01/08(火) 21:00:35
男「ふふ」

幼「……」
幼「少年くんと少女ちゃん、ステキな約束してるんだね」

少年「うん、絶対いっしょにいるんだ」
少女「ねー」

幼「うんうん」ニコッ

幼「…約束、信じてればずっといっしょにいられるからね…」
幼「…指輪大切にしてね」

少年「もちろんだよ」

少女「…お姉さんも約束したの?お兄さんと」
少年「そうなの?」

幼「そうだよ、だからふたりでいられるの」ニコッ

幼「ふたりとおんなじ約束」
幼「…だからふたりも大丈夫」
幼「わたしたちみたいにね」ニコッ

少年「すごいね~」
少女「すてきだね~」

幼「ふふふ」

男「……」

85: 2013/01/08(火) 21:26:35
……

幼「わたしは幼、そっちが男くんだよ」

幼「よくここのお店にいるから、また会おうね」ニコッ

男「またね」ニコッ

少女「男お兄さん、幼お姉さん、またね~」

少年「今度遊ぼうね、バイバイ~」

……

86: 2013/01/08(火) 21:44:50
男「もう、帰ったかと思ってたよ…びっくりしちゃった…まぁ楽しかったけどね」

幼「いい子たちだったね。幼稚園くらいかな、可愛いね」

男「また会いたいね」

幼「うん」ニコッ

男「……」

男「…幼ちゃん」

幼「なぁに、男ちゃん?」

男「僕はね…変わっていないけど、変わりたいんだ」

男「ふたりのこれからをね…」

幼「……」

男「約束、思い出したよ」

87: 2013/01/09(水) 00:43:53
……

クリスマス当日

幼「きのうはパーティー楽しかったね」

男「うん久々に家族揃ってね」

幼「1日でみんないなくなっちゃったけどね…」

男「まぁ、忙しいからね」

幼「友くんと女ちゃん楽しんでたね」

男「僕らの家族のテンション高すぎて、驚いてたけどね」

幼「わたしたちだってびっくりするもん。仕方ないよ」

男「大人もあんなにハシャぐんだな…僕らも見ているだけで楽しいからいいかな」

幼「ふふっ」

幼「…ところで今日は男くんのお家でなにするの?」

幼「誘ってくれたから、なにか楽しいことするんだよね…普段から男くんといるだけで楽しいけど」

88: 2013/01/09(水) 00:54:24
幼「…居間に入らないの?」

男「…ふふ、それはね…」

幼「なぁに?」

妹「はい」バッ

男・妹「メリークリスマス!!」パーン

幼「…きゃっ!?」

男「驚いてくれたね、幼ちゃん」ニコッ

妹「クラッカー作戦成功ですね、にーさん」ニコッ

幼「…男ちゃん、妹ちゃん?」

男「…少しやりすぎたかな、ごめんね」

89: 2013/01/09(水) 01:06:57
男「クリスマスパーティーだよ…昨日もしたけど」

男「一応25日が本番だし、2日してもいいよね。やりたくなっちゃったんだし」

男「今日のためにいろいろ準備したから、楽しんでほしいな」

幼「…パーティー」

妹「わたしも手伝いました」

男「ありがと、妹」ナデナデ

妹「わたし、なでなででよろこぶほど子どもじゃありませ…ふぁ、もっと…」

男「あはは」

男「じゃ、みんな中にどうぞ」ニコッ

幼「うん」

92: 2013/01/09(水) 19:11:51
……

妹「部屋はわたしが飾り付けました」

男「ありがとね…じゃ、ほら」

幼「…あっ」

男「うん」ニコッ

幼「わたしの好きな料理ばっかり」


男「そう、イタリア料理がメインなんだ…と言ってもピザとかスパゲティとかなんだけどね…僕が作りました、一応ね」

男「場違いかもしれないけど、肉じゃがとかコーンスープとかもあるよ」

男「ケーキは昨日はデコレーションだったから、今日はフルーツロールケーキだよ」

妹「料理はわたしが味見に付き合いましたから、にーさんが作ったものでも大丈夫。美味しいですよ」

93: 2013/01/09(水) 19:51:32
妹「朝、昼、晩、それ以外もにーさんの料理に付き合いました」

妹「わたしだけじゃなくて、友さんや女さんも試食してたんですよ」

男「みんなにはずいぶん助けられたよ」

男「僕本当、料理ヘタクソだからさ、幼ちゃんに世話になりっぱなしだからね」

男「自分でも作れるようになりたかったし、幼ちゃんに普段家事とか、色々お世話になってるお礼がしたかったんだ」

妹「にーさん、夜遅くまで料理練習してたんですよ…幼ちゃん、食べてみてあげてください」

男「自信はないけど食べてみてください。お願いします」

幼「……」

94: 2013/01/09(水) 19:59:55
男「普段の幼ちゃんへのお礼を込めて、僕の料理でクリスマスパーティーしたかったんだ」ニコッ

妹「わたしも幼ちゃんにはいつも感謝してます。準備手伝ったから楽しんでください」ペコリ

男「うん、そういうことなんだ」

男「…どうかな」

幼「……」

95: 2013/01/09(水) 20:23:10
幼「ふぇ…うぅ…うっ」ジワッ

男「…幼ちゃん!?」

妹「…幼ちゃん?」

幼「ちが…うのっ…うれしく、てっ」グスッ

幼「…男ちゃんたちの…気持ちがうれしくて…胸があったかくなっちゃって…」グスグス

幼「わたし…ただ好きでしてるだけなのに…」

幼「…ありがとう、男ちゃん……妹ちゃんも…」ニコッ

男「幼ちゃん…」ニコッ
妹「良かったですね、にーさん…」

96: 2013/01/09(水) 21:33:16
男「じゃあ、パーティー始めるよ!!」

幼・妹「おーっ!!」

……

97: 2013/01/09(水) 21:49:37
男「数は多いけど食べきれるように量は調節してあるよ…一応ね」

妹「…そうですか?いっぱいありますよ…」

幼「えへへ、何からたべようかな?」

妹「肉じゃが上達してます」モグモグ

幼「ほんとだぁ、優しい味だよね。おいしい」

妹「唐揚げできるようになったんですね」

幼「ピザ、カリカリしてるのにさくさくしてる」モグモグ

妹「ペペロンチーノいいかんじです」

幼「ん~っ、デザートおいし~」

妹「にーさん、デザートのほうが得意ですからね。男子なのに…」

幼「ケーキ甘さ控えめでたべやすいねぇ」


男「」ニコニコ

98: 2013/01/09(水) 22:02:15
男「幼ちゃん…ほら」

幼「なぁに?」

男「クリスマスプレゼントだよ。開けてみて」

幼「手袋だね…可愛いなぁこれ。ありがと、男ちゃん」ニコッ

男「どういたしまして」ニコッ

幼「渡すの遅れちゃったけどプレゼントわたしからも…どうぞ、男ちゃん」

男「マフラーか…あったかそうだね。幼ちゃんありがとう」ニコッ

幼「えへへ~、喜んでもらえてうれしいよぉ」

幼「パーティーもプレゼントもステキだね…ホントありがと、男ちゃん」

幼「わたし、こんな楽しいクリスマスはじめて…一生の思い出にするね…」

男「そうか…準備したカイあったなぁ…」

99: 2013/01/09(水) 22:13:47
幼「男ちゃん」ニコ

男「幼ちゃん」ニコ

妹「またわたしを放置して、甘ったるい空気を作るんですね…今日は仕方ないですが、なんてったってクリスマスですからね」

妹「…寂しくないですよ」

幼「えへへ」ナデナデ

妹「幼ちゃん!?なぜわたしになでなでを!?」

男「ふふ」ナデナデ


妹「にーさんまで、わたしに!?」

男「幼ちゃんにも」ナデナデ

幼 「えへへ~」

妹「なんですか、これ…」

男・幼「♪」ナデナデ

妹「まぁ、いいですよね…楽しいし」

100: 2013/01/09(水) 23:50:08
その夜 駄菓子屋近くの空き地

男「…この空き地に来るのも久々だな」

幼「…うん」

男「昼間だと目立っっちゃうからね」

幼「ライトだよ、男ちゃん」スッ

男「ありがと」

男「ええと…」

男「…この石の下かな」

幼「当時とあまり変わってないから、場所すぐわかるね」

男「じゃあ、スコップを使って、と…手早く済まそう」

幼「うん、手伝うね」

ザックザック

101: 2013/01/09(水) 23:56:31
男「…見つけた」

幼「うん…わたしの家に運ぼう」

……

102: 2013/01/10(木) 00:08:06
男「…高いクッキーの缶…これおいしかったんだよな」

幼「…わたしのおじさんのお土産だったんだよね…わたしたちのタイムカプセルは」

男「外は錆びちゃったか」

男「…開けるよ」

幼「うん」

パカッ

幼「もうひとつ缶が入ってる…男ちゃん、昔っから慎重だよね」

男「まあね…これも開けて、と」パカッ

男「…中身は厳重にくるんだだけあって無事だね」

幼「…みんな、あるね」

103: 2013/01/10(木) 00:25:41
男「2通の手紙と小さな箱」ガサッ

幼「…読んで、手紙」

男「うん」

男「…未来の幼ちゃんへ」

男「ぼくはいつも幼ちゃんといっしょにいたいです。もし手紙を読んでる幼ちゃんのそばにぼくがいたら、結婚してください」

幼「…男ちゃん」ウルッ

幼「…わたし、ちゃんとそばにいるよ」

男「うん、僕も…」

幼「…こっちはわたしのかな。自分で読むよ、聞いて」

男「わかった」

幼「…未来の男くんへ」

幼「わたしはおとこくんが大好きです。おとこくんといるだけで毎日幸せです」
幼「だからおとこくんにも幸せになってほしいです」

幼「おとこくんがわたしといるときに、笑顔でいられるように頑張りたいです」

104: 2013/01/10(木) 00:39:37
幼「いつもそばでおとこくんを幸せにしたいです」

幼「もし、わたしといるおとこくんが幸せなら、わたしをおとこくんのお嫁さんにしてください」

幼「……」カアッ

男「…僕のよりステキな文章だね」ニコッ

幼「…そんなことない…よ」

男「優しい内容だね。あったかい気持ちになれたよ」

幼「…ありがとう…男くんの手紙も心に残ったよ。わたし、すっごくうれしい…」

幼「……」ギュッ(手紙を抱きしめて)

男「ふふ」

男「…箱も開けるよ」

105: 2013/01/10(木) 00:45:46
パカッ

男「…指輪だよ、駄菓子屋さんのくじで当てた」

幼「なぜかふたりでいっしょに当たったんだよね」

幼「…わたしたちの婚約指輪…」

男「…マセてるな、子供の僕ら」クスッ

幼「えへへ」

男「……」

幼「……」

106: 2013/01/10(木) 01:01:21
男「…ごめんね」

男「僕らがした約束は、今日のクリスマスの日にあの空き地で」

男「手紙と指輪の入ったタイムカプセルを掘り起こすこと」

男「ふたりいっしょにいられたら掘りに行こう。だから絶対離れないように」

男「…僕はこの約束を忘れてたんだ」

男「少年くんと少女ちゃんたちを見て、ようやく思い出したんだ」

男「…ホントにごめんね…」

幼「……」

幼「男くんは悪くないよ…子どものころの約束だもん」

幼「本気にしてるのはきっとわたしぐらい…恥ずかしいよね、子どものままで」

男「そんなこと…」

107: 2013/01/10(木) 01:04:44
幼「…でも男くんは思い出してくれた」

幼「約束、守ってくれた」

幼「こんなに嬉しいことないよ」ニコッ

男「幼ちゃん…」

幼「…男くん」

110: 2013/01/10(木) 18:39:38
男「僕の気持ちはあの日と変わらない」

男「…でも幼馴染という関係を超えて、幼ちゃんと恋人になりたいんだ…大好きだから」

男「…僕とおつきあいしてください」

幼「……」

幼「わたしの気持ちはあの日から大分変わっちゃった」

幼「毎日男ちゃんと過ごしてるうちに」

幼「子どもの頃よりもっともっと、ずっとずっと、大好きになったんだよ」

幼「だから喜んで男ちゃんとおつきあいしたいです」ニコッ

男「…ありがとう、幼ちゃん」ニコッ

111: 2013/01/10(木) 18:51:38
幼「男ちゃん…」

男「…渡したいものがあるんだ」スッ

幼「…可愛いラッピングの箱だね」

男「開けて」ニコッ

幼「うん…これ、指輪?」

男「…今日、告白に成功したら渡すつもりだったんだ」

男「今日が特別な日だってことだけは覚えてたからね…パーティーとか色々準備したんだ、いい日にしたくてさ」

男「一応、シルバーのちゃんとしたやつだよ。安物だけど」

男「友に紹介してもらったバイトでお金貯めて買ったんだ」

男「ペアリングなんだよ、ほら。良かったらいっしょにはめよう?」

112: 2013/01/10(木) 19:03:51
幼「…うん、着けるね」

幼「…似合う?」ニコッ
男「うん、すっごく」

男「僕は?」

幼「ステキだよ」ニコッ
男「ありがとう」ニコッ
幼「……」

男「……」

幼「」クスッ

男「」クスッ

幼「…なんかくすぐったいね…不思議な気持ち」

男「…でも、あったかい気持ち、かな」

幼「これでわたしたち恋人同士だね」

男「もうずっと恋人同士みたいだけどね」

幼「…確かに」クスッ

幼「…じゃあ、恋人だって証明しなきゃ…」

男「…どうやって?」

113: 2013/01/10(木) 21:21:19
幼「…こうやって」

幼「」ギュッ

男「幼ちゃん…」カアアッ

男「…じゃあ」ギュー

男「」チュッ

男・幼「」チュッ

幼「…証明完了だね…ちなみにファーストキスだよ」ニコッ

男「…幼稚園や小学生のころのはノーカンかな…?」

幼「ん~…全部わたしたちふたりだから、アリで」

男「…ふふ、何回ファーストキスする気?」

幼「何回でも」クスクス
男・幼「」チュッ

男・幼「……」

幼「あ~、幸せ」

男「だね」

114: 2013/01/10(木) 21:31:07
幼「…あっ男ちゃん、窓の外」

男「…雪だね」


……

男の家

妹「…にーさんと幼ちゃんが帰ってこないです」

妹「またいつものごとく、イイ感じになってるんでしょうね」

妹「あんまりほっとかれると寂しいですよ」

妹「…あっ、雪」

妹「…明日は三人で雪遊びしたいですね」

妹「ふふ、楽しみです」ニコッ

妹「かまくら、雪合戦…色々したいな…ゆきうさぎとかかわいいですね…」

妹「」ニコニコ

115: 2013/01/10(木) 21:44:44
友の家

友「…女、料理できるんだ。うまいな」モグモグ

女「まあね…美味しかったならなにより」
女「…練習したかいあったわね」ボソッ

友「男と幼ちゃん…うまくいったかな」 女「そうねえ…多分うまくいってるんじゃない」

友「…俺たちみたいに?」
女「うん…長く好きでいるのってすごいことから」

友「俺らは七年か…」

女「ふふっ」

女「…雪」

友「雪だな…」

女「…いいな」

友「」ギュッ

女「」ギュッ

女「…友、手あったかい」

友「…女もな」

116: 2013/01/10(木) 21:48:51
……

幼「…さっ、妹ちゃん待ってるから行こう」

男「うん」

幼「…男ちゃん」

男「うん?」

幼「だいすきだよ」ニコッ

男「僕も…」

男「…愛してる」ニコッ

117: 2013/01/10(木) 21:58:43
……


数年後

少女「…少年くん、待ってよー」タタッ

少年「少女は歩くの遅いな」タタッ

少女「少年くんが急ぐからだよ。もっと私に優しくしなきゃだめ」

少年「…優しくしてるから荷物持ってるんだよ。冬休みになるんだから計画的に荷物持ち帰れよ」

少女「えへへ、そこは感謝してるよ」

118: 2013/01/10(木) 22:34:47
少年「感謝してるなら宿題くらい自分でやれよ。なんで数学、俺にやらせるんだよ」

少女「…私は英語教えてるもん」

少年「少し聞いてるだけだよ。数学は丸投げじゃん」

少年「あと、部屋に勝っ手に入るな。プライバシーの侵害だぞ」

少女「見られて困る物でもあるの?」クスッ

少年「……」

少年「…写真たて見られたら冷やかされるな、俺らふたりのやつだし…」ボソッ

少女「…全く少年くんは素直じゃないなぁ」

少女「…あっ」

119: 2013/01/10(木) 22:43:37
少女「…そういえば」

少女「…男お兄さんと幼お姉さん結婚するんだよ」

少女「クリスマスに式なんだって…ロマンティックだよね」

少女「いっしょに行こうよ。呼ばれてるんだ、ふたりでおいでって」

少年「…うん」

少女「ウェディングドレスかぁ…いいなぁ。お姉さんキレイだからにあうよね。私も着たいなぁ」チラッ
少年「……」

少女「お兄さんみたいにカッコいい人と、ヴァージンロード歩きたいなぁ」チラッ

少年「……」

120: 2013/01/10(木) 22:50:10
少年「…ドレスくらい着せてやる」ボソッ

少女「なぁに?」ニコッ
少年「……」スタスタ

少女「……」

少女「えへへ…ばっちり聞こえたよ」

少女「…待ってよ」

少年「」スタスタ

少年「……」カアッ

少女「おーい」タタッ

少女「もー」

……

121: 2013/01/10(木) 22:53:52
おしまい

122: 2013/01/10(木) 22:56:55
お付き合いどうもです
アマアマ過ぎでしたかね?
自分でも思いますが それでは

123: 2013/01/10(木) 22:57:34
乙でした
良かったよ

124: 2013/01/10(木) 23:01:37
おつ

126: 2013/01/11(金) 00:14:42
オマケ

幼「はまった~」ニコッ

男「どうしたの、幼ちゃん?」

幼「見て男ちゃん、タイムカプセルの指輪はめてみたの。シルバーの指輪は薬指だから、小指に」

男「…じゃあ、僕もはめてみようかな」スポッ

男「…でも、たいへんだな」

幼「なんで?」

男「…婚約指輪や結婚指輪も全部つけたら、どの指にどの指輪をはめるのかな?」ニコッ

幼「…男ちゃん」ジワッ

幼「大好きっ!」ダキツキ

男「ふふ」ナデナデ

妹「…わたしを無視しないでください」

妹「全く……わたしもなでなで頼めますか?」

127: 2013/01/11(金) 00:28:02
オマケ2

少年宅

少女「…最近少年くん、私をお部屋に入れてくれない…なんで、寂しいよ?」

少年「…もう年頃だからな、ほらプライバシーさ」

少年(…俺の部屋はマズい)

少年(いっしょに写ってる写真とか、ふたりで作ったプラモとか…記念の指輪とか見たら、こいつ俺を絶対からかうぞ)

少年「今絶対ダメっ!もう少し、また今度!」

少年(なんとか隠す)

少女「…彼女に内緒ごとはよくないよぉ…えOちなのかくしてるとかじゃないよね」ジトー

少年「…んなわけないっ!」

少女「じゃあ、入れてー!」

少年「やーだー!」

ガヤガヤ

128: 2013/01/11(金) 00:28:54
オマケ おしまい

129: 2013/01/11(金) 01:39:47
おつおつ

引用元: 幼馴染「クリスマスの夜に」