1: 2016/02/28(日) 22:16:12.111
男の子「くそっ!お前はクラスメイト♂!!邪魔をする気か!?」

クラスメイト♂「違うね。お前の為を思って言ってるんだよ。女の子はお前の事なんてこれっぽっちも想ってないからな。」

男の子「そんなことあるか!!こんなにも俺は女の子が好きなんだ!女の子だってきっと」

クラスメイト♂「お前が好きだから向こうも好きと言いたいのか?馬鹿な理論だ。好きも何も女の子とろくに絡んだ事もないだろ。そんなんで勝機が見えてる方がおかしな話だ。」

男の子「そんな…。でも少なくとも可能性は」

クラスメイト♂「無いね。お前は女の子に幻想を抱きすぎてるよ。ちゃんと彼女の行動を見てるかい?視線の先に、お前は写ってるかい?」

男の子「…。」

クラスメイト♂「夢を見るのはいいが場合によったら悪夢を見ることになるぞ。お前の為を思って言わせてもらう。やめとけ。」

男の子「そんな…。」スタスタスタ

クラスメイト♂「すまないな、男の子。敵は極力潰しておかないとこちらも行動を取りづらいからな。次行くか。」ザッ

3: 2016/02/28(日) 22:22:11.720
男の子「くそっ!なんでこうなんだ!幼稚園から何も変わってない!いつも怯えてて、いつも殻に籠ってるんだ!こんなんじゃ…いつまで経っても…友達にすらなれないよ。」

イケメン「どうしたんだ?そんなところで独りで泣いて。辛いことでもあったのか?悩んでるなら聞くけど。」

男の子「イケメンくん…いや、悩んでなんかないよ!ちょっと昔を思い出しててさ。」

イケメン「ふーん、そっか。あんまり思い詰めるなよ。」

男の子「うん。ありがとう。」

イケメン「そんじゃそろそろ行くわ。友達に呼び出されててさ。じゃあな。」スタスタスタ

男の子「うん。ばいばい。」

男の子「…ああいう人が女の子に似合ってるんだろうなぁ。僕じゃ無理だよ。女の子にも悪いしな。」

4: 2016/02/28(日) 22:26:38.108
イケメン「話ってなんだ?」

クラスメイト♂「いやいや、それがさ、紹介したい子が居るんだよね。」

イケメン「本当か?どの子?」

クラスメイト♂「あの子。ほら、ワイワイしてるあの子だよ。」

クラスメイト♀「やだっ!なんか注目されてる!?」

イケメン「うーん、まあ話し掛けてみるね。わざわざありがとな。」スッ

クラスメイト♀「うそっ!イケメン君がこっち来た!」

クラスメイト♂「ふふふ…相変わらず優しいねイケメンは。このままクラスメイト♀で我慢してもらおう。僕は女の子を取りに行かせてもらうよ。」

クラスメイト♀「LINE交換しよ?」

イケメン「うん。いいよ。」

クラスメイト♀「やったぁー!!」

クラスメイト♂「邪魔者は消えたな。」ザッ

5: 2016/02/28(日) 22:36:21.469
男の子(あっ、女の子が一人で何かしてるぞ?)

女の子「どうしよう…。」オドオド

男の子(困ってるのかな…。話しかけようかな…。でも…僕なんかが急に話しかけても怖いよね…。でも、困ってるみたいだし…。)

クラスメイト♂「どうしたんだい?」

男の子(クラスメイト♂!?)

女の子「それがね、次の授業の教科書忘れちゃって。」

クラスメイト♂「そんな!それは大変だね。僕の貸してあげようか?」

女の子「それは悪いよ!同じ授業でしょ?そんなことしたらクラスメイト♂君が忘れたことになっちゃうよ。」

クラスメイト♂「それでもいいよ。女の子が無事ならそれでいいんだ。ほら、教科書貸してあげる。」ヒョイ

女の子「あ、ありがとう。」ニコッ

男の子(そんな…女の子が嬉しそう。それにクラスメイト♂君といい感じだ。僕はただ外から見てるだけか。いや、これが正しいのかも知れないな。)

クラスメイト♀「それでね、その子迷子になっちゃってね。」

イケメン「ハハハハ笑!それは面白いね。」

男の子(周りの人は皆仲が良いんだ。仲良くなれるのが当たり前。僕とは大違いだ。僕に居場所なんて無いのかも知れない。)

6: 2016/02/28(日) 22:49:01.588
先生「はーい、理科の授業始めるよ。忘れ物した人ー?」

シーン

先生「居ないんだね。後で見つけたら頭蓋骨かち割るからなー。それじゃ、教科書92ページ開いて。」

男の子(はぁ…。いつも通り授業が始まった。理科の授業は班でやるから苦手なんだよなぁ。)

クラスメイト♀「♪」

女の子「♪」

馬鹿♂「♪」

男の子(班員は皆浮かれてるな。もう一人不登校の子が班に居るんだけどいつも来ないからな。僕もそのうち学校に来なくなりそうだな。)

先生「はい、そんじゃここ読んでもらおうかな。えーっと、クラスメイト♂君!」

クラスメイト♂「はい。いきます。炭素に熱を加えると、空気中の酸素と炭素が化合して――」

男の子(相変わらずつまらない授業だなー…あれ?なんでクラスメイト♂君が教科書を持ってるんだ?友達に借りたのかな?いや、でも女の子に貸してからすぐに授業が始まったから友達に借りたとは考えづらいな。)

女の子「今日ね、クラスメイト♂君に教科書貸してもらったんだ。」

クラスメイト♀「よかったじゃーん!LINE交換した?」

馬鹿♂「僕も話に混ぜてー!」

先生「A班うるさいよ。」

男の子(おかしい。これじゃあ前もって女の子が教科書を忘れることを知っていたみたいだ。授業が終わったら調べてみよう。)

7: 2016/02/28(日) 22:57:37.232
先生「はい、理科の授業終わり。皆明日は寝ないようにしてね。」

はーい!

男の子(よし、とりあえずクラスメイト♂の使ってた教科書を見ようかな。でも疑ってるって思われるのも癪だな。女の子に話しかけるか。…いや、何考えてるんだ。そんなこと…)

クラスメイト♂「あ、女の子!教科書教科書。」

女の子「あ、ごめん。助かったよ!」

クラスメイト♂「いやいや、大丈夫だよ。明日は忘れんなよー。」スタスタ

女の子「うん。明日は持ってくる!…多分。」

男の子(大丈夫かな…。)

クラスメイト♀「給食当番でしょ?早く行かなきゃ!」

女の子「忘れてたぁー!!」ダッダッダッダッダッ



クラスメイト♂「クククク…。女の子の教科書は僕が所持してる。明日も借りる羽目になるんだよ。勿論この僕にね。」

8: 2016/02/28(日) 23:10:38.030
クラスメイト♀「ふぅー。ご飯も食べ終わったし遊び行こう!」

女の子「そ、そうだね。あ、でもやらなきゃいけないことあるからそれ終わったら行くね。」

クラスメイト♀「分かった。終わったら図書館来てね。」スタスタ

女の子「うん。」

女の子「さてと、教科書探さなきゃ。確かに持ってきてた気がしたんだよねー。」ゴソゴソ

男の子(やっぱり教科書持ってきてたんだ!)

クラスメイト♂「女の子なにしてるのー?」

男の子(クラスメイト♂!すぐ来たぞ!余計に怪しい。)

女の子「あ、ちょっとね。教科書探してて。」

クラスメイト♂「えぇ?なくしちゃったの?そんなことなら早く言ってよ!一緒に探してあげるのにー。」ゴソゴソ

女の子「あ、ありがとね。」

男の子「ちょっと。クラスメイト♂君。理科の教科書貸して。マーカー引くの忘れちゃったからさ。」

クラスメイト♂「えぇ…」

男の子(ここで断れば女の子からの評価は下がる。よってクラスメイト♂には断りづらい状況だ。これでクラスメイト♂が持っていた教科書が誰の教科書か確認出来るぞ。)

クラスメイト♂「もう友達に返しちゃったよ。ごめんな。」

男の子「え、誰?借りてくる。」

クラスメイト♂「あ、そこまでするのか?いいよ。じゃあ俺が借りてくる。お前はそこで待ってて。」スタスタ

男の子「うん…。」

女の子「クラスメイト♂君って優しいよね。」

男の子「うん…。」

男の子(疑わない方がいいのかな…?)

9: 2016/02/28(日) 23:17:00.785
クラスメイト♂「書き終わった?」

男の子「うん。ありがと。」

クラスメイト♂「おっけー。返してくるわ。」

男の子「あ、待って。その教科書って授業中に読んでた教科書?」

クラスメイト♂「そうだよ。先生に指名されたから読むしかなかったんだよ。んじゃ返してくるわ。」スタスタ

女の子「行っちゃった…。」

男の子(女の子…クラスメイト♂に好意を寄せてそうだな。もう僕学校来る意味無いかも。)

男の子(最後に確認だけしておこう。)

10: 2016/02/28(日) 23:23:45.008
たけし「え?今貸しただけだけど?前の授業中は貸してないぞ。そんな話来てないし。なんでクラスメイト♂がそんな嘘つくんだ?」

男の子「いや、間違えだったかも知れないからさ。一応確認しただけだよ。ごめん。」スタスタ

たけし「?訳わかんねーなあいつ。」


男の子(じゃあクラスメイト♂が授業中に使っていた教科書は誰の教科書だ?偶然にも教科書を借りていたとは考えにくい上に女の子が教科書を無くしたタイミングが重なったのも怪しい。十分に疑う余地はあるぞ。)

クラスメイト♂(あいつ…なんだか気づいてそうだな。先に手を打っとくか。あいつが居なくなっても何も変わらないしな。)


キーンコーンカーンコーン

クラスメイト♀「女の子来ないからデートしちゃった!」

イケメン「口に出すなよ恥ずかしいなー。」

クラスメイト♀「だってー!」

馬鹿♂「あいつら馬鹿だなぁー。」

11: 2016/02/28(日) 23:32:28.782
先生「はい、帰りの会終わり!お前ら帰れぇ!!」

さようならー!スタスタ

クラスメイト♂「あっ、男の子のロッカーになんか入ってんじゃん。置き勉はダメだろ。全部持ち帰れよー。」

男の子「置き勉?してないけど…。あれ?理科の教科書だ。」

クラスメイト♂「そう言えば女の子理科の教科書見つかったんだっけ?」

女の子「いや、まだ見つかってないけどもしかしたら家に置いてきたのかも知れないし大丈夫だよ。」

クラスメイト♂「そう?もしかしたら誰か間違えて持ってるかも知れないね。皆に聞いてみるよ。」

男の子(嘘だ…。なんで僕のロッカーに女の子の理科の教科書が?)

クラスメイト♂「あれ?男の子。お前の持ってる理科の教科書。名前のところに女の子って書いてあんじゃん。」

女の子「え?嘘…。男の子が間違えて持ってたの?」

男の子「違うよ!これは。」

クラスメイト♂「違うの?」ニマッ

男の子「仕組んだな!!」

女の子「ま、いいからさ、返して。」

男の子「…うん。」スッ

クラスメイト♂「見つかって良かったね。これで明日から俺の教科書が必要なくなった訳だ。」

女の子「ふふっ笑。一緒に帰る?」

クラスメイト♂「いいよ。」

男の子(くそぉ…。くそぉ!!)

12: 2016/02/28(日) 23:39:14.451
先生「はーい、朝の会始まるよー。出席取るから静かにしてろよー。」

馬鹿♂「わーわーわーわー!」

先生「馬鹿♂は出席のところ土日まで丸しときますねー。」

馬鹿♂「はい!元気です!」

先生「えー、馬鹿♂は置いといて男の子は休みか。熱かな?まあいいや。他は不登校以外全員出席か。いい教室だ。」

馬鹿♂「売り飛ばそう!売り飛ばそう!!」

先生「お前マジで黙れ。」

――――――――――――――――

男の子「復讐してやる。絶対許さない!分からせないと…あいつは…クラスメイト♂は性悪な奴だって!」

男の子「強力な助っ人が必要だな。」

13: 2016/02/28(日) 23:49:22.395
男の子「急に押し掛けてごめん。家知ってたからたまには遊びに行ってもいいかなって思ってさ。」

不登校「その理論には少々不平があるね。確かに幼少期僕らは遊びを共にした事も事実として残るものだろうけれど年月の経った今、家を知っているという理由で僕の家に上がり込むとは些か奇妙な話では無いのかい?歳をとると関係性もまた変わってくるものなんだよ。」

不登校「それに僕は人と関わる事に嫌気がさしている故に学校さえも行っていない事を重々に理解していると思っていたのだがそれは僕の思い違いだったらしい。第一君との記憶は薄れていて昔に君とどのような行動をとったのかも」

男の子「そのくらい元気があれば十分だ。ムカつく奴に痛い目を合わせよう。」

不登校「どうやってだい?僕は学校に行かないよ。」

男の子「来てもらわなきゃ困る。安心して、君の言う人間は放課後に居なくなる。」

不登校「いや、今まさに君と言う人間が」

男の子「いいからいくぞ!」ズズズズ

不登校「引っ張るなっ!」

14: 2016/02/28(日) 23:54:52.249
そんで学校爆破!

崩壊した校舎の中から男の子が女の子を助ける!
クラスメイト♂は潰れて氏んだよ。クラスメイト♀と馬鹿♂に挟まれて氏んだよ。
そしてイケメン登場!
女の子は絶望的状況にイケメンの胸元へ泣きつく。
今度は男の子が絶望。
それでもイケメンは男の子に優しくするんだ。
そりゃあ惚れる他ないよ。
男の子を挟んでイケメンと女の子の三人が仲良くしましたとさ。
そして最後にその光景を見た不登校は言った。

「めでたしめでたし。」ってね。

15: 2016/02/28(日) 23:55:31.435
fin

16: 2016/02/28(日) 23:55:41.228
おやすみ

引用元: 男の子「今日こそは告白するぞ!」クラスメイト♂「それは無理だね!」