2: 2013/02/05(火) 01:04:03.86
「お疲れ様でしたー!」



凛「お疲れ様です」

凛「……ふぅ」

P「お疲れ、今日も良かったよ」

凛「ん、ありがと」

P「今日の仕事はこれで終わりだから……このまま送って行こうか?」

凛「あー、いや、事務所まででいいよ」

P「分かった。なら裏に車回してくるから……」

凛「」 テクテク

P「その間に控え室で着替えといて……って、あれ? もう凛行っちゃったし」

5: 2013/02/05(火) 01:05:07.76
ーーー
ーー



P「お、来たな」

凛「……」 ガチャ ストンッ

P「座れるか? 後ろ今ごちゃごちゃしてるけど」

凛「別に、大丈夫」

P「んじゃ行くぞー」

凛(あ、卯月からLINEきてる……) カチャカチャ

P「……」

凛「……」

P「……」

凛「……」

凛「ねぇ、プロデューサー」

P「んー?」

6: 2013/02/05(火) 01:05:59.98
凛「車の中、少し整理したら?」

P「あはは、やっぱ狭いか? すまんすまん」

凛「いや狭くはないけどさ……。なんか、ものが溢れ過ぎ」

P「あぁ……。みんなが勝手に俺の車にいろんなもの置いてるせいでな」

凛「これ、事務所の車じゃないの?」

P「そうだけど、使う人俺しかいないだろ? だから、ほとんど俺のみたいなもん」

凛「職権乱用だね。ちひろさんに言っておくよ」

P「おいおい、勘弁してくれよ」

凛「……」

P「……」

凛「……」

P「……え、マジで言う気?」

凛「さぁ、どうかな?」

7: 2013/02/05(火) 01:06:42.78
P「頼むから変なコト言わないでいてくれよー、凛」

凛「はいはい」

P「そうだ! 飴をあげよう。それで黙っといてくれ」

凛「どこぞのニートと一緒にしないで」

P「はは、そんなこと杏が聞いたらおこ……らないな。むしろ開き直りそうだな、あいつは」

凛「……いいから飴」

P「あれ、いるのか? 口ぶりからしていらないと思ったんだけど」

凛「ならいいや。ちひろさんに言っておくし」

P「ほら飴をあげよう今すぐあげよう。いや差し上げましょうむしろ受け取って下さい」

凛「ちゃんと前見てよ」

P「任しとけ」

9: 2013/02/05(火) 01:07:48.12
凛「へぇ……濃厚ミルク入り、なんてあるんだ」

P「おぅ、杏の好きなやつでさ。前食べてみたけど、すごい美味しかった」

凛「……」

P「あいつがわがまま言ったら、それをあげてなんとか乗り切ってるんだよ」

凛「……ふーん」

凛「じゃあこれは、杏ちゃんのためにプロデューサーが車の中に置いた飴なんだ?」

P「いいや? 俺じゃなくて、杏が置いたやつだよ」

凛「……」

P「それより凛も食べてみろって。美味しいから」

凛「……」

凛「いや、いらない。私今ガム噛んでるし」

P「あれっ? そうだったか? いやー、すまんな。まぁ、後で食べてみてくれよ」

凛「……気が向いたらね」

10: 2013/02/05(火) 01:08:37.58
P「あっ、そうそう。後ろにピンクのクッションあるだろ?」

凛「……」

P「凛?」

凛「……なに」

P「クッション近くにないか? ピンクのやつ」

凛「ピンクの……うん、あったよ。このクッション、プロデューサーには似合ってないね」

P「ははは、だってそれ杏のだし」

凛「……」

凛「……へぇー」

P「あいつついに俺の車の中でもダラけだしてさ。マイクッション持ち込む始末だよ」

凛「事務所の車だけどね」

P「ちひろさんには、な? なっ? お願いします」

凛「……」

12: 2013/02/05(火) 01:09:24.88
凛「……」

凛「……」

凛(杏ちゃんが勝手に持ち込んだクッション……)

凛「……」

凛「」 ボスッ ボスッ

P「んー? なんか叩いてるような音がするけど?」

凛「なんでもないから運転してなよ」

13: 2013/02/05(火) 01:10:06.35
凛「ねぇ、プロデューサー」

P「うわっ、ギリギリで信号捕まった……ん、なんだ?」

凛「さっきも言ったけどさ、車の中、綺麗にしようよ」

P「あー、俺もそろそろやんなきゃなーって思っててさ」

凛「それじゃあ、始めにこのクッションは本人に返しておくから」

P「いや凛がしなくても、俺があいつに返しておくよ」

凛「うるさい、私がやる」

P「えっ、あ、はい」

凛「次にタオルケットがなんで4枚もあるの?」

P「ん、あ、それな、他の子達のだな」

凛「……」

14: 2013/02/05(火) 01:11:11.02
P「エアコン付けてるんだけどな。寒いのかな? なぁ、寒いか、凛?」

凛「平気」

P「そっか。もし寒かったらそのタオルケット使っていいから」

凛「平気だって。使わないし、絶対」

P「それでなんだっけ? タオルケットだったか? 置いておかないと、もし寒いって時があったらなぁー」

凛「じゃあ一枚でいいよ、みんなで共通のやつ」

P「そうだな。今度暇な時間に買ってくるよ」

凛「私、買ってきてあげようか?」

P「本当か? なら頼むよ。お金は渡すからさ」

凛「うん。ちなみに……このタオルケット、それぞれ誰の?」

15: 2013/02/05(火) 01:12:11.09
P「えーっとー、んー……ポンデライオンのやつあるだろ」

凛「うん」

P「それ法子」

凛「法子、ね……」

P「白色のモコモコしたやつが、安部さん」

凛「あぁ、さんじゅうななさいね……」

P「ん? なんか言ったか?」

凛「何も言ってないから、続き」

P「ハート柄のは美穂の」

凛「……へぇ」

P「あとは……なんだろ? クローバーのやつないか?」

凛「あるよ」

P「それが智恵理のやつだ」

凛「ふーん、法子に菜々さん、美穂、智恵理、ね。分かった……」

17: 2013/02/05(火) 01:13:54.30
凛「あとは……雑誌も溜まってるし」

P「そんなにか? ほっといたらすぐ溜まっちゃうんだな」

凛「旅行雑誌ばっか……なに? プロデューサー旅行いくの?」

P「いやいや。それ俺のじゃなくて……」

凛「はぁ?」

P「えっ」

凛「あ、ううん、何でもないから。続けて」

P「お、おう」

18: 2013/02/05(火) 01:14:46.22
P「楓さん、温泉好きだろ?」

凛「……」

P「それでたまたまその雑誌で、温泉特集がやっててさ」

凛「……」

P「凛、聞いてる?」

凛「聞こえてるから。それで? なに?」

P「あぁ、うん。それで旅館の紹介ページ見ながら、ここ行ってみたいです、そうですよねー、って会話を楓さんと移動中によくやるんだ」

P「そのせいだな。雑誌溜まっちゃったのは」

凛「……」

P「凛?」

凛「なに? プロデューサーと楓さん、旅行いくの?」

20: 2013/02/05(火) 01:16:13.56
P「あー、行きたいですねー、って話はしたかな」

凛「結局行くの? 行かないの?」

P「どうだろ? お互い忙しいしな。ははは」

凛「……」

凛「私もそう、思うかな。今すごく忙しいし、トップアイドルにもなってないのに……誰かと旅行いく暇なんてないよ」

凛「だから楓……いや、旅行いくのはやめといたら?」

P「さずかだな、凛。その上を目指す姿勢」

凛「褒めてもないもないよ」

P「ははは。でも凛は頑張ってるからな。トップアイドルになるのは、そう遠くないさ」

21: 2013/02/05(火) 01:17:02.71
凛「まぁ、頑張るけど……」

P「……」

凛「……」

凛「旅行」

P「ん?」

凛「旅行。トップアイドルに誰かがなったら、記念に行ってみたら?」

P「おー、なるほどな。うん、そうか。苦労を労わないとな」

凛「誰かが、トップアイドルになったらね」

P「あぁ、任せとけ」

24: 2013/02/05(火) 01:17:50.54
凛「……ん」

P「うん? どうした?」

凛「いや、別に。いい匂いするけど、気のせい?」

P「あー、それさ。多分これのせい」

凛「なにそれ?」

P「アロマディフューザー……? だっけか。それの車用」

凛「プロデューサー、アロマとか好きなんだ……意外」

P「いや。これ美嘉が置いたやつ」

凛「……」 ウィーン

P「ん? 暑かったか? 今、こっちの窓も開けるな」 ウィーン

25: 2013/02/05(火) 01:19:45.84
P「いやぁ、俺煙草吸うじゃん?」

凛「あっそう」

P「ははは、冷たいなー。まぁ女の子は煙草の匂い嫌な子多いもんな」

凛「ふーん……」

P「みんなを待ってる時とか、ちょくちょく吸ってたんだよ。車の中で。でさ、美嘉も煙草嫌いらしくて、乗る度にヤニくさいヤニくさいって怒られちゃって」

凛「……」

P「それである日、これ買ってきてさ。これアタシの好きなやつなんだー、って勝手に置いちゃって。そのせいで車の中では煙草吸えなくなっちゃったんだよなー、ははは」

凛「……」

27: 2013/02/05(火) 01:20:27.92
P「でもおかげで、吸う機会も減って禁煙してみようかな、って気にもなるしな。美嘉のおかげだよ」

凛「そう」

P「アロマとかあまり詳しくないけど、こういう匂いって、えーっと、柑橘系? だっけ? いい匂いだよな、最近好きになってきた」

凛「……」

凛「……プロデューサーさんの煙草の匂い、好きだったのに」 ボソッ

P「んー?」

凛「別に」ウィーン

P「お、ならこっちも閉めるぞー」 ウィーン

29: 2013/02/05(火) 01:21:27.21
凛「……」

P「凛、なんかソワソワしてる?」

凛「気のせいじゃない?」

P「ふーん」

凛「……それ、センスいいじゃん」

P「これ? あー、これなー。前にぶら下げてるせいで、たまに見にくいんだけどな」

凛「そのキャラのキーホルダー、今けっこう流行ってるよ」

P「へー、俺にはさっぱり分からんな」

凛「分からないのに、ぶら下げてるの?」 クスッ

P「だって加蓮が飾ったやつだし」

凛「は?」

31: 2013/02/05(火) 01:22:22.11
P「一週間くらい前か? 加蓮の撮影が早めに終わった時があって、時間できたからどこか遊びにいくかー、ってことになって」

P「それでゲーセン行ったんだ。んで、これ取った」

凛「へぇ……」

P「ほら、赤と青ので2個あるだろ? それで、最初はどっちも加蓮にあげたんだけど、こっちはPさんの! ってくれて」

凛「……それがなんで車の中にあるのかな?」

P「それはその日帰りに車に乗った加蓮が、自分のぶら下げて始めてさ」

32: 2013/02/05(火) 01:23:18.10
P「そしたら次にPさんのも貸して、って言われて、こうなった」

凛「……」

P「あっ、そうそう! その時加蓮なんて言ったと思う? 一緒だね、って言って笑ったんだよ!」

P「始めと比べてすっごく素直になっちゃって……。俺なんかもう変な感動して、ウルってきたもん」

P「凛もそう思わないか? 加蓮ってすごく可愛くなったよなぁ?」

凛「……」

P「なー、そう思わないか?」

凛「うるさい。黙って運転して」

P「あれ、うるさかった? ははは、ついテンション上がってな。すまんすまん」

33: 2013/02/05(火) 01:23:59.18
P「あ、そうだそうだ。コンビニ寄るけど、なにか欲しいものあるか?」

凛「……ガム」

P「ガム? 今噛んでるんじゃなかっt」

凛「いいから」

P「あ、はい」

凛「……」

P「……っと。おし、じゃあ少し待っててくれ」

凛「分かった」

P「」 ガチャ テクテク

凛「……」

34: 2013/02/05(火) 01:25:00.31
凛「……」

凛「」 スッ

凛「……」プルルルルル ガチャ

凛「もしもし、加蓮? 今空いてる?」

凛「うん、それでね、明日って加蓮事務所来る? え、来る? あぁ、そう、良かった」

凛「いや、別に。あのさ……少し話したいことあるんだけど。うん、そう」

凛「……違うよ、変なことじゃなくて。うん……えっ? なに? 全然怒ってないけど?」

凛「うん、ふつーだけど? そうだよ。あー……声が冷たい? 電話だからじゃない?」

凛「そんなことどうでもいいからさ。明日話せるよね? え、なに……話せるよね? ね? うん、なら待ってるから」

凛「それじゃあ明日ね。待ってるから。うん、ばいばい」

凛「……来い」 ガチャ ツーツー

36: 2013/02/05(火) 01:25:45.26
ーーー
ーー



P「おーっす、待たせたな」

凛「待ったよ」

P「悪い悪い……って、あれ、助手席に移動したのか?」

凛「ダメだった?」

P「構わないけど、みんなの私物なかった?」

凛「後ろにまとめておいた」

P「ふーん、ならいいか。じゃ、いくぞー」

38: 2013/02/05(火) 01:26:32.48
凛「プロデューサー」

P「なんだ?」

凛「これ、少し邪魔だから取っていい?」

P「あー、気になる? でも加蓮がさ」

凛「加蓮には私から言っておくから、大丈夫」

P「なら、いいのかな? うーん……」

凛「それにもう取ったし」

P「あーあー。加蓮にしっかり言っておいてくれよ?」

凛「うん、『しっかり』言っておくよ」

39: 2013/02/05(火) 01:27:11.18
P「あぁ、加蓮といえばさ。今加蓮から電話かかってきて」

凛「……」

P「よく分からないけど、なんかすごい怯えてたような様子だったんだよ」

凛「へぇ……それは心配だね」

P「だろ? 凛さ、なにか知らないか? 加蓮に大変なことが起こってたりとか」

凛「んー、私には分からないなぁ」

P「そうか……」

凛「原因があるとしたら、自業自得かもね」

P「加蓮なにかやらかしたのか?」

凛「さぁね?」

41: 2013/02/05(火) 01:27:48.35
P「はい、到着」

凛「ん」

P「なら車駐めてくるから……」

凛「いや、少しここで待ってて」

P「え? おう、分かった」

凛「ついでにみんなの私物事務所に持っていくよ」 ゴッソリ

凛「じゃあ、待ってて」

凛「」 テクテク

P「あんなにたくさんあったんだな……」

43: 2013/02/05(火) 01:28:24.09
凛「」 ガチャ パタンッ

凛「お待たせ」

P「どうした? どこか行くところでもあったか?」

凛「ううん、やっぱりこのまま家まで送ってよ」

P「あぁ、大丈夫だよ。ならいくぞ」

45: 2013/02/05(火) 01:29:00.54
凛「……」

凛「ねぇ」

P「どうした?」

凛「プロデューサー、禁煙、するらしいじゃん?」

P「あぁ、かもな、って話だけど」

凛「それで、他のもので口紛らわすと、禁煙になるってよく聞くよね」

P「おー、あるある」

凛「だから、はい」

P「ん、なに? ……ってガム?」

凛「私からガムあげるよ」

P「これさっき俺買ったやt」

凛「文句ある?」

P「まったく」

46: 2013/02/05(火) 01:29:46.94
凛「プロデューサーのために、仕方なく私のガムをあげる」

P「うわー、ありがとうー」

凛「そういうことだから」

P「うん?」

凛「肌身離さず、私の私物を持っててね? プロデューサー」 ニコッ





ー終ー

48: 2013/02/05(火) 01:30:51.44
しぶりんはもっとクールな方がいいと思うんですよ。あとモバマスssのMVPは画像貼ってくれる人だと思います。では

50: 2013/02/05(火) 01:32:48.42
病んでるしぶりんが好きです


51: 2013/02/05(火) 01:33:36.92
かわいい

引用元: 凛「プロデューサーのことなんか別に好きじゃないけど?」