1: 2013/02/10(日) 05:34:45.38
P「日々忙しいと、こういうのんびりした空気って新鮮だなぁ……」
P「おっと、釣れた」

藍子「へー、この川でもお魚が釣れるんですね」

肇「こんにちは、プロデューサーさん」

P「おー、藍子と肇。こんなところでどうしたんだ?」

肇「藍子さんとお散歩をしていましたら、プロデューサーさんのお姿をお見かけしましたので」

藍子「ちょっと声をかけてみた次第です」

P「そうだったんだ。ほい、リリース」

2: 2013/02/10(日) 05:40:16.21
肇「プロデューサーさんも釣りをしていらっしゃったんですね」

P「趣味ってほどじゃないけどな。ぼんやりしたい時とかにちょっとしてるくらい」

肇「宜しければ私もご一緒してよろしいですか?」

藍子「私も」

P「良いけど、肇はともかく、藍子は大丈夫かなぁ?」

3: 2013/02/10(日) 05:45:07.87
藍子「なにがですか?」

P「餌の臭い。練り餌を使ってるからさ」

藍子「もしかして、この少し変わった臭いって餌のなんですか?」

肇「大丈夫そうですか? 私は慣れていますから平気ですが」

藍子「うーん。少しすれば慣れると思う」

5: 2013/02/10(日) 05:50:16.85
P「慣れるまで我慢させるのは心苦しいな。うん、餌を変えるか」

藍子「わわっ、捨てちゃっていいんですか? その餌」

P「撒餌になるし、別に良いよ。それより、確か持って来たと思うけど……」

肇「なにを持って来たのですか?」

P「餌の代わりになるやつ。あっ、トランク開けるから適当に竿を取ってくれ」

6: 2013/02/10(日) 05:55:24.65
藍子「この車、やっぱりプロデューサーさんのだったんですね」

P「ボロセダンだけどな。ほいっとオープン。好きなやつ使っていいぞ」

肇「何本もありますが、全てのべ竿なのですね」

P「リールのやつは性に合わなくてな。どっかり座って糸を垂らすだけの方が好きなんだ」

肇「お気持ち、私にもわかります」

7: 2013/02/10(日) 06:00:31.13
藍子「肇ちゃん、どれ使えば良いかな?」

肇「最初は一番短い物を使ってみてはいかがでしょう」

藍子「それじゃあ、これ?」

肇「ええ。私もお借りします、プロデューサーさん」

P「決まったら、巻いてる糸と竿を伸ばしててくれ。おっ、あったあった」

9: 2013/02/10(日) 06:05:32.46
藍子「餌代わりの物って結局何ですか?」

P「食パン」

藍子「そんな物も釣りの餌になるんですね」

P「練り餌に比べれば食いつきは落ちるけど、持ちは良いから便利なんだよ」

肇「仕掛けはどうしましょう?」

P「予備でいくつか作ってるから、それを使うよ」

10: 2013/02/10(日) 06:10:17.56
藍子「なにからなにまですみません」

P「いいっていいって。二人共、竿を貸して」

肇「私は自分で出来ますので、仕掛けをお借りできれば」

P「そっか。はい、これな。慣れてると思うけど、針に注意するんだぞ」

肇「はい」

11: 2013/02/10(日) 06:15:51.04
藍子「二人はやっぱり手慣れてますね。素人の私じゃ、なにをしているのかよくわかりません」

P「少しやれば誰でもこんな感じになるよ。おし、完成」

肇「そうですね」

藍子「プロデューサーさん、ありがとうございます」

P「もし今回の体験で釣りに興味が湧いたら色々教えるよ。本もいくつか貸すし」

肇「多少でしたら私もお教え出来ると思います」

藍子「では、その時はお願いしますね」

P「おう」

肇「はい」

13: 2013/02/10(日) 06:20:28.41
藍子「餌はどうすればいいのですか?」

P「パンの白い部分を使うんだ。適当に千切って」

藍子「このくらいですか?」

P「少し大きいかな」

藍子「では、このくらいで」

P「うん。それを軽く丸める」

藍子「こんな感じで大丈夫ですか?」

P「大丈夫大丈夫。針にそれを刺したら完成」

藍子「出来ました!」

P「よしよし。肇は大丈夫か?」

肇「私も大丈夫です」

14: 2013/02/10(日) 06:25:04.97
P「始めるか、と言いたいところだけど」

肇「? なにか他にする事があるのですか?」

P「俺は気にしないけど、二人が地面に直で座るのは落ち着かないからな。ブルーシートを敷くよ」

肇「すみません」

藍子「ありがとうございます」

P「どうって事ないよ。これでよしっと。じゃあやろうか」

肇「はい」

藍子「はい!」

15: 2013/02/10(日) 06:30:27.79
藍子「ぷかぷか浮いてる浮きを見ると、心が和みますね」

P「そうだなぁ」

肇「お天気次第ですが、夜中にすると、星空も綺麗で心が清められる気持ちになりますよ」

P「わかるわかる。空が明るくなり始める直前なんて特にな」

16: 2013/02/10(日) 06:35:10.24
藍子「いいなぁ。私もその時間に釣りをやってみたいです」

P「今度、時間が空いた時にしてみるか」

藍子「本当ですか? 楽しみだなぁ」

P「肇もな」

肇「よろしいのですか?」

P「もちろん」

肇「では、ご一緒させて頂きます」

17: 2013/02/10(日) 06:40:08.41
P「その時はみくを誘うと面白いかもな」

藍子「みくちゃんはお魚が嫌いらしいですけど、釣りはどうなんですかね?」

P「退屈でつまんないにゃ! とか言って竿を投げそうな気はするけど」

肇「釣れたら釣れたで、すごく喜んで下さりそうです」

18: 2013/02/10(日) 06:45:35.04
P「ありすにさせたら、途中まで読書の片手間にやって、釣れたら満面の笑顔を見せてくれそうだ」

藍子「年少組の中じゃ大人びていますが、まだまだ小さな子供ですからね」

肇「ありすさんと言えば、この前名前を呼ぶ許可を頂けました」

藍子「あっ、私もです。誰のおかげなんでしょうね」

P「さてな。ありすが大人に近付いただけなんじゃないか?」

肇「ふふっ、そういう事にしますよ」

藍子「そうだね」

20: 2013/02/10(日) 06:50:40.84
P「幸子は中々釣れなくて、強がりばっかり言いそうな気がする」

肇「どうでしょうかね? 釣りは運もありますから」

P「でも、なんとなく想像出来ないか? 終わる寸前でようやく食いつかせても逃がしちゃう幸子」

肇「……ノーコメントでお願いします」

藍子「涙目で強がる幸子ちゃんは、強く抱きしめたくなります」

P「至極同意」

21: 2013/02/10(日) 06:55:15.41
藍子「志乃さんや楓さんがいたら、後ろでお酒を飲んでいそうです」

P「近くで友紀周辺がビール飲んでそうだな」

肇「釣り組とバーベキュー組で別れていそうですね」

藍子「小中学生たちは、その間を行ったり来たりしている様子が浮かびました」

P「夏だったら、落ち着きのない連中が川に飛び込んでるだろうな。きらりに抱きかかえられて、川に落ちる杏とか」

藍子「ある意味二人の関係は、お約束と言えるくらいですから」

22: 2013/02/10(日) 07:00:25.89
肇「ふふっ、色々と想像が膨らんで楽しいですね」

P「個性で満ち溢れてるアイドルばかりだからな。まだまだ出て来るよ」

藍子「いつか、みんなで釣りをしませんか?」

P「人数が人数だから大規模になりそうだな。けど、都合があればやってみたい」

23: 2013/02/10(日) 07:05:36.29
肇「……もし、もしよろしければ」

P「ん?」

肇「その時も、こうしてプロデューサーさんのお隣に座っていてもよろしいですか?」

藍子「私も」

P「むしろこっちからお願いするよ。大人数の中で、一人で釣りをするのは寂しいからな」

肇「それは無理だと思いますよ」

藍子「同意見です」

24: 2013/02/10(日) 07:10:25.31
P「賑やかになって寂しいなんて思う暇はないだろうけど」

藍子「そういう意味ではありませんが、暇がないという点は合っていますよ」

P「? 他になにかあるか?」

藍子「ふふっ。どうなんでしょうかね。肇ちゃんはわかる?」

肇「ええ。ですが、プロデューサーさんにお伝えするべき事ではありませんね」

P「気になるなぁ」

藍子「いつかわかりますよ。それより、プロデューサーさんのお隣は私たちが予約しましたからね」

25: 2013/02/10(日) 07:15:48.45
藍子「あっ!」

P「おお、藍子にアタリが出たか」

藍子「浮きが沈んだので引いてみたのですが……ど、どうすればいいですか?」

肇「そこまで大きくないようなので、ゆっくりと引き寄せれば大丈夫ですよ」

藍子「こ、こんな感じ?」

肇「その調子です」

26: 2013/02/10(日) 07:21:20.28
P「タモは必要なさそうだな。糸掴むからそのままでいてくれよ。よっと」

藍子「わぁ、かわいい! このお魚が私がはじめて釣り上げたお魚なんですね?」

P「そうだぞ。よかったな」

肇「おめでとうございます」

藍子「ありがとうございます!」

28: 2013/02/10(日) 07:25:10.60
P(たかが釣りだけど、こんなに喜んでくれてこっちまで嬉しくなるな)
P(みんなで釣りをする機会、本気で考えてみるか)

藍子「プロデューサーさん、次はもっと大きいお魚を釣りますね」

肇「私も一匹は釣りたいです」

P「そうだな。いっぱい釣ろうな」

肇「はい」

藍子「はい!」


終わり

29: 2013/02/10(日) 07:30:48.16
乙にゃあ

引用元: モバP「絶好の釣り日和だな」