1: 2014/04/16(水) 18:11:54.01 ID:PEWVFXVR0
真「そうですか?」

雪歩「別にそんなことないと思いますけど……」

P「昨日、春香が何持ってきてくれたか覚えてるか?」

真「クッキー、ですね」

雪歩「クッキーだと思いますけど……」

P「そうか……お前たちにはそうなのか……」

雪歩「プロデューサーのは違ったんですか?」

P「ああ、違った」

P「俺の差し入れな……」

P「納豆だったんだよ」


2: 2014/04/16(水) 18:15:37.33 ID:PEWVFXVR0
真「納豆、ですか……」

P「ああ、納豆だったんだ……」

雪歩「そ、それは何というか……すごいですね」

P「すっごいキラキラした目で納豆を差し入れられたよ……」

P「プロデューサーさん!納豆ですよ!納豆!って」

P「午後からテレビ局と打ち合わせがあったけど、食べないわけにはいかなかったよ……」

真「大丈夫だったんですか?」

P「ああ、食べた後めちゃくちゃ歯を磨いて、ブレスケア食いまくった」

3: 2014/04/16(水) 18:19:41.15 ID:PEWVFXVR0
雪歩「納豆、どうしてでしょうね……?」

真「ちょっとしたイタズラだったんじゃないですか?」

P「それが、どうも違うような気がするんだ」

真「どうしてですか?」

P「差し入れがおかしいの、昨日だけじゃなくてな」

雪歩「そうなんですか?」

P「一昨日は、イワシのフライだった」

真「イワシ……?」

P「その前の日は、ナッツのアソートで、そのまた前の日はアボカドソースのパスタだった」

4: 2014/04/16(水) 18:22:35.42 ID:PEWVFXVR0
雪歩「納豆、イワシ、ナッツ、アボカド……?」

真「な、なんというか、よく分からないラインナップですね……」

P「お前たち、本当に普通のクッキーしかもらってないのか?」

真「はい、そうですね」

雪歩「私たちは、普通にお菓子類を……」

P「そうか……」

P「なんで俺だけあんな感じなんだ……?」

6: 2014/04/16(水) 18:26:22.58 ID:PEWVFXVR0
真「お腹すいてそうだったんじゃないですか?」

P「それにしたって、アボカドのパスタは手が込み過ぎだろ」

P「手作りだって言ってたぞ」

雪歩「うーん、何なんでしょう」

P「それで、何でこんな話をお前たちに言ってるかなんだけどな」

P「お前たちに、こっそり春香の様子を見ててほしいんだよ」

真「うーん、今日まで変わった様子はありませんでしたけど」

P「頼む、ちょっとしたことでも気が付いたら教えてくれ」

雪歩「分かりました、ちょっと気を付けて春香ちゃんのこと見ておきますね」

P「ああ、そうしてくれると助かるよ」

7: 2014/04/16(水) 18:29:01.35 ID:PEWVFXVR0
真「あ、プロデューサー」

P「何だ?」

真「窓の外、春香が歩いてますよ」

雪歩「え!?じゃあ真ちゃん、早く隠れないと!」グイッ

真「え?何でさ雪歩」

雪歩「いいからいいから!早く!」グイグイ

真「え、ええ?分かったよ」

8: 2014/04/16(水) 18:32:23.66 ID:PEWVFXVR0
ガチャ

春香「おはようございまーす」

P「春香、おはよう!」

春香「プロデューサーさん、おはようございます」

春香「……」

春香「今、事務所の中、プロデューサーさんだけですか?」

P「……ああ、そうだよ」

春香「えへへ……じゃあ今のうちに……」ゴソゴソ

春香「じゃーん!プロデューサーさん!差し入れですよ!差し入れ!」

P「お、今日も作ってきてくれたのか」

春香「はい!」

春香「今日は、タコとオクラのカルパッチョですよ!」パカッ

10: 2014/04/16(水) 18:35:41.19 ID:PEWVFXVR0
P「タコとオクラのカルパッチョか……」

P「……そうか、ありがとな、頂くよ」

春香「はい!今日のは自信作ですよ!」

P「……」パクッ

P「……」

P「……うん、おいしいな」

春香「ホントですか!?」

P「ああ、美味いよ」

春香「嬉しいです!」

P「……なあ、春香」

P「今日差し入れは、何でタコとオクラのカルパッチョなんだ?」

11: 2014/04/16(水) 18:40:18.80 ID:PEWVFXVR0
春香「え?何でって……」

P「なんかこう、理由があるだろ?」

春香「理由、ですか?」

P「うん」

春香「……」

春香「ヒミツ、です」

P「え?」

春香「えへへ、プロデューサーさんには教えてあげません!」

P「な、何でだ?」

春香「何ででもです!」

P「なあ、春香……」

春香「それじゃあ私、今日はこの後取材なので、もう行きますね」

バタン

12: 2014/04/16(水) 18:43:45.42 ID:PEWVFXVR0
P「……と、言う感じなんだけど」

P「二人とも、どう思う?」

真「タコとオクラ……」

雪歩「……」

P「今日のメニューでますます謎が深まったよ……」

真「ボクも、よく分かりませんね……」

雪歩「……」

真「……雪歩?」

雪歩「……はっ、な、何でもないよ!」

P「何か思いついたのか?」

雪歩「いえ!全然!全然ですけど……」

雪歩「プロデューサー、もう何日か、春香ちゃんの様子を見てもらえませんか?」

13: 2014/04/16(水) 18:47:26.12 ID:PEWVFXVR0
数日後

P「と、言うわけであれからのメニューをメモって来た」

真「どんな感じでしたか?」

P「ああ、それがな」

P「次の日はカキフライ、2日目はホタテのバター焼き」

真「……魚介系ですね」

P「しかもな、その次の日も、ウナギのかば焼きだったんだ」

雪歩「ウナギ……」

P「でも、4日目はさらに訳が分からないんだ」

真「何だったんですか?」

P「ああ、驚くなよ」

P「ニンニクのホイル焼きだ」

14: 2014/04/16(水) 18:51:20.52 ID:PEWVFXVR0
真「……ニンニクの」

雪歩「ホイル焼きですか……」

P「ああ、今度は口臭だけじゃない、体臭もヤバかった」

P「しょうがないから、ファブリーズで何とかごまかしたよ」

雪歩「……」

P「なあ、雪歩、本当に見当ついてないのか?」

雪歩「……そう、ですね……」

雪歩「明日、明日のメニューが気になるところですけど……」

雪歩「この感じだと、今度はお芋かお肉かもしれませんね……」

P「お芋?」

真「お肉?」



16: 2014/04/16(水) 18:55:26.52 ID:PEWVFXVR0
次の日

春香「プロデューサーさん!差し入れです!」

P「はは、最近は毎日持ってきてくれるな、春香」

春香「はい!」

P「実は、最近の昼の楽しみだったんだよ、今日は何だ?」

春香「えへへ、今日はですね……」ゴソゴソ

春香「じゃーん!里芋の煮つけでーす!」

P「里芋……」

春香「あ、あれ?もしかして嫌いでしたか?」

P「い、いや!そんなことはない!むしろ煮物は好物だ」

春香「本当ですか、良かった~」

P「ああ、それじゃあ頂くな」

春香「今日のは、お母さんに教えてもらったんです、おふくろの味ですよ!」

P「……うん、美味い」

17: 2014/04/16(水) 18:58:52.89 ID:PEWVFXVR0
P「……というわけで、昨日は里芋の煮つけだった」

真「お芋、でしたね……」

雪歩「やっぱり……」

P「なあ、雪歩、そろそろ話してくれないかな?」

P「何か気が付いてるんだろ?きっと」

雪歩「そうですね……そろそろ……」

雪歩「……」

雪歩「ううっ、でもやっぱり……」

P「な、なんだよそれ」

真「そんなに言いにくいことなの?」

18: 2014/04/16(水) 19:02:01.02 ID:PEWVFXVR0
雪歩「あうう……」

P「そ、そんなに言いにくいことなら、無理に言わなくても……」

真「そうだよ、ボクが悪かったからさ……」

雪歩「い、いえ、言います……」

雪歩「さ、さ……」

雪歩「最近!」

P「」ビクッ

真「」ビクッ

雪歩「最近!プロデューサー、調子が良くありませんか!?」

20: 2014/04/16(水) 19:04:31.30 ID:PEWVFXVR0
真「調子?」

P「……調子かあ」

P「そんなこと急に言われても、別に気にして無かったけど……」

雪歩「何て言うか、その……」

雪歩「調子がいいというか、元気というか、有り余ってるというか……」

真「……?」

雪歩「そ、そう!例えば、夜寝つきが悪くなってたりしませんか?」

P「寝つき?」

真「調子がいいのに?」

22: 2014/04/16(水) 19:07:36.81 ID:PEWVFXVR0
雪歩「そうです!寝つきが」

雪歩「というか、プロデューサーが自分で夜更かししてるというか……」

P「……夜更かしかあ、確かに最近してるかもな……」

雪歩「や、やっぱり!」

真「どうして分かるのさ、雪歩」

雪歩「だ、だから、つまり、春香ちゃんが最近持ってきてる差し入れは……」

雪歩「精の付くものばっかりなんですぅー!!」

24: 2014/04/16(水) 19:11:16.27 ID:PEWVFXVR0
P「精の付く……」

P「……あっ」

真「……ウナギ、納豆、オクラ、カキ……」

真「あ……」

真「……」カァ

雪歩「何赤くなってるの!真ちゃん!私が一番恥ずかしいよ!」

真「そ、そんなこと言われたって……」

ガチャ

春香「おはようございまーす」

P「あっ」

真「あっ」

春香「えっ?」

雪歩「……春香ちゃん!」

25: 2014/04/16(水) 19:14:03.46 ID:PEWVFXVR0
春香「……え?え?」

雪歩「春香ちゃん!ちょっとこっちに来なさい!」

春香「え?雪歩、どうして怒ってるの?」

雪歩「いいから!来なさい!」

春香「は、はい」

雪歩「……」

春香「……」

雪歩「……春香ちゃん、もうネタは上がってるんだよ?」

春香「……へ?」

雪歩「春香ちゃん、プロデューサーに差し入れしてるよね?」

26: 2014/04/16(水) 19:17:39.26 ID:PEWVFXVR0
春香「……あ、あれ?どうして知ってるの?」

雪歩「プロデューサーさんから聞いたの!」

春香「あ、そ、そうなんだ」

春香「え?で、でも、どうしてそんなに怒って……」

雪歩「……今日は何?」

春香「え?」

雪歩「春香ちゃん、正直に答えて」

春香「は、はい!」

雪歩「今日の、差し入れは、何を、持って来たの……?」

27: 2014/04/16(水) 19:20:58.64 ID:PEWVFXVR0
春香「こ、怖いよ雪歩……」

雪歩「……」

春香「あ、あの」

春香「レバー焼き、です……」

雪歩「やっぱり」

春香「やっぱり?」

雪歩「ね、春香ちゃん、私、怒らないから」

春香「……怒ってるよね?」

雪歩「怒ってない、怒ってないから、正直に答えて」

春香「怒ってるよね?絶対怒ってるよね?」

雪歩「ここ最近、プロデューサーに何を差し入れしてたの……?」

28: 2014/04/16(水) 19:23:34.07 ID:PEWVFXVR0
春香「何って……」

春香「アボカドでしょ、ナッツでしょ、イワシでしょ……」

春香「あと、納豆とか、ウナギとか、ニンニクとか」

真「……で、今日はレバー?」

春香「う、うん」

雪歩「明日は?」

春香「へ?」

雪歩「明日は一体何を差し入れようとしてたのかな?」

春香「……モロヘイヤ」

29: 2014/04/16(水) 19:27:31.24 ID:PEWVFXVR0
雪歩「……」

真「……」

P「……」

春香「え?どうして皆そんな顔を……?」

雪歩「春香ちゃん!」

春香「はいぃ!」ビクッ

雪歩「私は春香ちゃんをそんな子に育てた覚えはありません!」

春香「え、ええ?」

雪歩「17ばかりの生娘が!大の大人を手籠めにするために!」

雪歩「頭では嫌がっても、体は正直なんですね作戦だなんて!」

雪歩「そんなこと、お姉ちゃんが許しませんよ!」

春香「雪歩、何言って……」

33: 2014/04/16(水) 19:34:04.48 ID:PEWVFXVR0
雪歩「この数日間、どれだけプロデューサーが苦労したと思ってるの!?」

雪歩「理性では分かっていても、本能が抑えきれなくて……」

雪歩「ああっ、自分の担当アイドルをこんな目で見るわけには行かないのにって!」

雪歩「昼間は平気な顔で仕事をして!」

雪歩「日付が変わる頃に、夜な夜な自分で自分を慰める……」

雪歩「プロデューサーが可哀そうだよぉ!」

P「雪歩、待て、待ちなさい」

真「雪歩!今すんごい怪我してるよ!」

春香「……?」

真「どうして春香は不思議そうな顔してるのさ!」

34: 2014/04/16(水) 19:37:20.25 ID:PEWVFXVR0
春香「え、だって……」

雪歩「亜鉛の力を舐めないで!」

春香「……だって、私そんなに変なもの差し入れしたかな?」

雪歩「……え?」

春香「え?」

真「春香、さすがにその言い訳は……」

春香「……言い訳?」

真「……違うの?」

36: 2014/04/16(水) 19:40:44.81 ID:PEWVFXVR0
真「ん?待って待って」

真「春香、自分で差し入れたもの、覚えてる?」

春香「うん」

真「それって、どんな基準で選んだのかな?」

春香「どんなって……」

春香「知らない?精の付く食べ物って」

雪歩「ほ、ほら!やっぱり……」

春香「私、プロデューサーさんが最近お疲れみたいだったから、元気になってもらおうって……」

雪歩「えっ」

39: 2014/04/16(水) 19:44:22.03 ID:PEWVFXVR0
春香「え?」

真「……春香、それは……」

春香「……違うの?」

P「いや、元気になることは確かなんだがな……」

P「……何というか……」

P「音無さーん!」

小鳥「はい!」

P「グーグル先生をここに!」

小鳥「了解です!」

小鳥「はい、春香ちゃん!このタブレットを見なさい!」

42: 2014/04/16(水) 19:46:20.21 ID:PEWVFXVR0
春香「……」

P「……」

真「……」

小鳥「……」

雪歩「スコップ……スコップはどこ……?」

春香「……こ、これって」

真「うん、残念だけど、そう言う事なんだ」

春香「い……」

春香「いやーーー!!!」

49: 2014/04/16(水) 19:52:25.87 ID:PEWVFXVR0
数日後

雪歩「穴掘って埋まってますぅ……穴掘って埋まってますぅ……」

真「で、出た!発作!」

真「皆、押さえて!」ガシッ

響「雪歩!これ以上はまずいぞ!」ガシッ

律子「事務所がに何匹ミーアキャットを住まわすつもり!?」ガシッ

亜美「ゆきぴょん!間違いは誰にだってあるんだよ!」ガシッ

真美「そうだよー!だから止めてー!」ガシッ

雪歩「離してくださいー!こんな私なんて穴掘って埋まってた方が良いんですぅー!」

P「はは……大変だな……」

春香「……」

P「ま、まあ、春香も気にするなよ」

P「間違いは誰にでもあるって、な?」

春香「はい……」

50: 2014/04/16(水) 19:56:57.41 ID:PEWVFXVR0
春香「あの、プロデューサーさん」

P「なんだ?」

真「ちょっと!2人も話してないで止めてくださいよ!」

響「今月の利益が改装費だけでとんじゃうかもしれないんだぞー!」

春香「あの、明日、ご迷惑をかけたお詫びにお昼ご飯奢らせてください」

P「……ああ、頼むよ」

春香「私、おすすめのお店があって、そこに行こうと思うんです」

P「どこだ?」

春香「おそば屋さんです」

51: 2014/04/16(水) 20:00:27.49 ID:PEWVFXVR0
P「ああ、いいなそば屋」

春香「そこには、おすすめメニューがあるんですけど」

P「へえ、なんだ?」

春香「とろろそばなんです」

P「え?」

春香「……とろろそばです」

P「いや、聞こえてはいたんだけど」

春香「何でも、とってもおいしい長芋をを使ってるらしくて」

P「な、なあ春香、それって……」

春香「だから」

春香「プロデューサーさんにも、食べてほしいなぁって……」

P「……」

春香「えへへ……」カァ

P「……」

P「俺、我慢できるかなぁ……」

        おわり

53: 2014/04/16(水) 20:02:37.32 ID:PEWVFXVR0
終わりです、ありがとうございました

皆もご飯食べよう

54: 2014/04/16(水) 20:03:28.38 ID:IK/bKeY1o

雪歩・・・掘るなら俺のあn

55: 2014/04/16(水) 20:05:22.86 ID:tiRXPzuy0
乙!

引用元: P「最近春香の差し入れがおかしい」