1: 2011/11/10(木) 10:45:41.58 ID:8Uae9uuO0
月「なんでこんなものが校庭に…」

月「とにかく読んでみるか…」ペラ


3: 2011/11/10(木) 10:47:52.84 ID:8Uae9uuO0
月「HOW TO USE……全部英語か、面倒だな」

月「……」ペラ

このノートは囲碁のルールブック兼棋譜です

簡単なルール説明の後、私がこれまで打ってきた碁の棋譜を
書いています

月「ふーん…囲碁、ね」

5: 2011/11/10(木) 10:50:04.21 ID:8Uae9uuO0
月「ここまで几帳面にノート取るなんて結構手が込んでるじゃないか」ペラ

月「うわ……こっから棋譜がびっしり…」ペラ

月「ん?最後のページだけ赤いシミ…血か?」ペラ

月「まあいいか」

6: 2011/11/10(木) 10:51:19.32 ID:8Uae9uuO0
月「にしても囲碁ね……」

月「ちょうど退屈だったし、暇つぶしにはいいかな…」

月「…うん」

9: 2011/11/10(木) 10:54:17.15 ID:8Uae9uuO0
夜神家


月「ふぅ…」パタン

月「とにかく先ずはルールからだな…なになに?囲碁はいわゆる陣取りゲームです」

月「最終的に相手の陣地(地)より自分の陣地(地)の方が多ければ勝ちという
  シンプルなゲームです…ふむふむ」

12: 2011/11/10(木) 10:58:26.11 ID:8Uae9uuO0
しかし、地を地として確立する為には最低でも二眼必要です

眼というのは…

月「…よし、大体覚えたし打ってみるか」パタン

月「こういうのはいくらルールだけ覚えたって実際に打たなきゃ成長しないし
  打ちながらの方がルールも身につきやすいだろうしね」

月「それじゃ…」スッ

月「…………」

月「……誰と打てばいいんだ?」

15: 2011/11/10(木) 11:01:30.89 ID:8Uae9uuO0
月「妹、母さん……無理だ。あの二人が囲碁なんて知ってる筈がない」

月「じゃあ父さん…?」

月「ダメだ。父さんは忙しくていつ帰ってくるか分からない」

月「………っちぇ」ボフン

月「ルール覚えても打つ相手がいなくちゃ意味ないじゃないか、チクショウ!」

月「…………待てよ?たしか昔yahoo!ゲームで囲碁があったような…」カチカチカチ

16: 2011/11/10(木) 11:04:14.57 ID:8Uae9uuO0
月「あった!これだ!」

月「残念ながらyahoo!ゲームは既になくなっていたが、ネットでも碁が打てる
  ところがあった!」

月「ネット碁か……相手の顔も見えないから心理的な駆け引き要素が少し
  薄れるかもしれないが、いいだろう」

月「そうと決まればさっそく…」カチャカチャ

19: 2011/11/10(木) 11:07:04.65 ID:8Uae9uuO0
月「む?登録したと同時に向こうから誘いが来るとは…」

月「ハンドルネームsai?」

月「いいだろう!相手になってやる!」

~~30分後~~

月「バカな!?」

月「なんだ、こいつは?」

月「いくら僕がさっき囲碁のルールを知ったばかりだからって、ここまで
  やられるか?」

22: 2011/11/10(木) 11:10:54.36 ID:8Uae9uuO0
月「これは罠だ!そうに違いない!」

月「じゃなきゃ、僕がこうも簡単に!」

月「くそう!」ドカッ

月「…………こいつのこの手!まさかここでこんな手を打ってくるとは…」

月「絶対に殺せると思ったのに、中央に飛ばれて上手く見会いにされてしまった。
  繋げられたら二眼作られてしまうし……くっ」

月「これじゃあ殺せない…畜生!」

月「それにしても…」プルプル

26: 2011/11/10(木) 11:12:50.65 ID:8Uae9uuO0
月「sai……こいつ、プロじゃないのか?」

月「いや、プロがこんなネット碁なんて……気晴らしの線は…」

月「いけない……一度の負けがなんだ!弱気になるな!」

月「もう一度!もう一度対戦すれば!」バッ

月「…………いない」

27: 2011/11/10(木) 11:16:52.87 ID:8Uae9uuO0
翌日。


粧裕「お兄~ちゃん♪」ガチャ

月「なんだ、粧裕か?どうした」

粧裕「実は宿題で分からない所がありまして」テヘヘ

月「良いよ、どこ?」

粧裕「数学のラプラス変換でーす♪」

月「!?」

28: 2011/11/10(木) 11:18:23.46 ID:8Uae9uuO0
月「ま、まあ良いよ。けどその前に参考書見せてくれないか?」

粧裕「いいよ~♪」

月「ふむふむ…」ペラ

粧裕「あれ?」

月「ん?」

粧裕「お兄ちゃん、これ何?」スッ

32: 2011/11/10(木) 11:20:16.96 ID:8Uae9uuO0
月「ああ、囲碁ノートだよ。学校で拾ったんだ」

粧裕「ふーん。あっ棋譜も載ってる。すごーい」

月「!?」

粧裕「どうしたの、お兄ちゃん?」

月「棋譜って……もしかして粧裕、お前碁が打てるのか?」

粧裕「えっ?うん。ちょっとだけだけどね」

37: 2011/11/10(木) 11:23:43.76 ID:8Uae9uuO0
粧裕「お兄ちゃんも打つの?」

月「……」

粧裕「お兄ちゃん?」

月(なんて事だ。まさか粧裕が打てるとは…)

月(ここは昨日の負けで嫌になった気分を妹で晴らす絶好の機会!)

粧裕「お兄ちゃんってば~」

月「粧裕」

粧裕「ん?」

月「一局、打たないか?」

41: 2011/11/10(木) 11:27:49.14 ID:8Uae9uuO0
粧裕「うわっ、お兄ちゃんも打つんだ!やるやる♪」

月「じゃあ、ちょっと遠いけど碁会所まで行こうか、碁盤も石もないし」

粧裕「あっ、それなら心配しなくても…」


~~~粧裕部屋~~~


月「まさか粧裕の部屋に碁盤と石があるなんて…」

粧裕「最近の女の子はけっこう持ってるよ?」

月(そうなのか!?)

43: 2011/11/10(木) 11:30:28.41 ID:8Uae9uuO0
粧裕「それより打とっ、お兄ちゃん!」

月「あ、ああ…」

月(いけない、平常心だ…こんな事で心を乱されるな。付け込まれる)

月「ふうぅぅぅ…」キッ

月「お願いします」

粧裕「お願いします」

45: 2011/11/10(木) 11:34:06.56 ID:8Uae9uuO0
~~~40分後~~~


月「なん……だと…?」

粧裕「やたっ!あたしの勝ち~♪」

月「まさか……こんな…」

粧裕「お兄ちゃん碁を打つのは初めて?もっと肩の力抜きなよ~」

月(そんな……昨日saiに負けてからというもの、完璧にルールを
  把握してネットで他の対戦者の対局も見た!)

月(それなのに今日も、しかも妹にも負けるなんて……)

46: 2011/11/10(木) 11:38:06.93 ID:8Uae9uuO0
粧裕「じゃ、検討ね。お兄ちゃんここはちょっと強引だったよ」

粧裕「この場合は一旦引くか様子を見ないと……それかこっちに飛んで
   から出た方が良かったね。あたしの薄みもつけるし」

月(こんなはず……こんなはずが…)

粧裕「あと右上を守らずに地を稼ごうとしたのもちょっとね」

粧裕「おかげであたしに荒らされちゃったし」

51: 2011/11/10(木) 11:47:43.58 ID:8Uae9uuO0
月「…………」

粧裕「お兄ちゃん?」

月「粧裕…」

粧裕「うん」

月「お前、どこで碁を習った?」

粧裕「え?」

54: 2011/11/10(木) 11:50:22.62 ID:8Uae9uuO0
月「どこで習ったと聞いてるんだ!」

粧裕「どこって……棋院かな?」

月「棋院?」

粧裕「うん。そこで習ってるの。あたし院生なんだ」

月「院生?なんだ、それは…」

粧裕「なんて言うかな~、碁の塾?」

57: 2011/11/10(木) 11:52:30.76 ID:8Uae9uuO0
月「そうか……そこでそんなに強くなったのか…」

粧裕「うん♪」

月「院生……か、僕も行ってみようかな…」

粧裕「えっ、無理だと思うよ?」

月「!?」


59: 2011/11/10(木) 11:54:55.59 ID:8Uae9uuO0
月「どういう事だ?まさか僕はその塾に行くほどのレベルじゃない
  とでも!?」

粧裕「それもあるけど…」

月(あるのかよ!)

粧裕「年齢制限あるから無理だよ?お兄ちゃんが今から行っても…」

月「年齢…制限?」

粧裕「うん」

60: 2011/11/10(木) 11:58:09.57 ID:8Uae9uuO0
翌日。


月「けっきょく、僕は院生にもなれないし……趣味で碁を打つしかないのか…」

月「くそっ!なにが囲碁ノートだ、こんなもの!」バッ

月「いや……囲碁ノートは悪くない。悪いのは負けた僕だ…」

月「にしても妹にまであんなに負けるなんて……くそっ、イライラする…」

63: 2011/11/10(木) 12:00:27.72 ID:8Uae9uuO0
パチッ パチッ


月「……ん?」

月「囲碁部……うちの学校囲碁部なんてあったのか…」

月「どれ…」ガラララ


部員「あれっ、夜神くん!どうしたのさ?」

月「ちょっと碁に興味持ってね。囲碁部ってなにしてるか気になって…」

66: 2011/11/10(木) 12:03:31.80 ID:8Uae9uuO0
部員「本当?夜神くんが碁に興味持つなんて!」

月「部員は……三人?」キョロキョロ

部員「今日はみんな用事があってね」

月「ふぅん…」

部員「そうだ!夜神くん、一局打たない?僕、相手いなくて暇してたし」

月「いいの?」

部員「大丈夫、大丈夫♪」

月「なら……」ジャッ

69: 2011/11/10(木) 12:06:11.41 ID:8Uae9uuO0
部員「お願いします」

月「お願いします」


~~~1時間後~~~

部員「ふぅ…」

月「ふぅ…」

部員「いやあ、恐れ入ったよ、さすがは夜神くん!」

月「君もね。最後のヨセでひっくり返されそうになった時は焦ったよ」

部員「またまたぁ♪」

月(くくくくっ……なんだ、勝てるじゃないか)

70: 2011/11/10(木) 12:08:07.61 ID:8Uae9uuO0
部員「それにしても夜神くんならプロも夢じゃないかも」

月「そんな大袈裟だよ」

部員「そんな事ないって!夜神くんならなれるよ、絶対」

月「そうかなあ?」

部員「うんうん♪」

部長「なんだ、お前負けたのか?」ヒョイ

部員「あっ、部長!」

78: 2011/11/10(木) 12:11:34.97 ID:8Uae9uuO0
部長「そんなんじゃ下の部員に示しがつかねーぞ」

部員「てへへへへ」

部長「にしても、夜神くん凄いな、まさかうちの三将やぶるとは」

夜神「三…将?」

部員「あれ、言ってなかったけ?俺、三将なんだ」

部長「ちなみに大将は俺な」

部員「まあ、こんな弱小囲碁部の大将の棋力なんてたかが
   知れてるけどね、あはははは」

部長「てめっ!?」

82: 2011/11/10(木) 12:13:22.11 ID:8Uae9uuO0
部員「じょ、冗談冗談だって♪」

部長「いや、さっきのは傷ついた、傷ついたぞ!」

月(こいつが、三将?しかも弱小囲碁部だって?)

月(そんなのに勝って僕は喜んでいたのか?)

月(井の中の蛙もいいとこだ…)

85: 2011/11/10(木) 12:19:49.05 ID:8Uae9uuO0
部員「夜神くん?」

部長「ふむ……もしかして全国模試一位の夜神くんはうちの
   囲碁部よりももっと強い奴とやりたいのか?」

月「いや、そういうわけじゃ…」

部長「教えてあげようか?強い奴がいるとこ」

夜神「!?」

部員「部長、まさか…」

部長「どうなんだい、夜神くん?」

月「……いるのか、碁が強い奴が?」

部長「ああ、それもとびっきりな」

86: 2011/11/10(木) 12:21:28.49 ID:8Uae9uuO0
そして。


月「ここが部長に教えてもらった碁会所か…」

月「本当にこんなトコに強い奴が?」

月「……」

月「考えてもはじまらない…行こう!」ザッ

90: 2011/11/10(木) 12:26:04.00 ID:8Uae9uuO0
ガララッ

市河「あら、いらっしゃい」

月「どうも…」キョロキョロ

市河「どうしたの?」

月「ここに強い人がいると聞いて…」

市河「強い人?ああ、アキラ君のことね」

月「アキラ?その人が強い人なんですか?」

92: 2011/11/10(木) 12:28:19.01 ID:8Uae9uuO0
市河「あなたアキラ君を知らないの?」

月「打てますか?その人と」

市河「えーっと……やめといた方が」

塔矢「呼びました?」ヒョイ

市河「あっ、アキラ君」

月(子供っ!?)

96: 2011/11/10(木) 12:32:18.04 ID:8Uae9uuO0
塔矢「ボクに用ですか?」

月「キミがここの碁会所で一番強いの?」

塔矢「ええ、まあ…」

月(部長はこんな子供が強いと言ってたのか?情けない)

月(こんなおかっぱ頭にやられるとは…)

塔矢「あの…」

月「塔矢くん、だっけ?」

塔矢「はい」

月「一局打ってくれないか?」

月(僕がこんなおかっぱにやられる筈がない!勝負だ!)

98: 2011/11/10(木) 12:35:00.85 ID:8Uae9uuO0
~~~30分後~~~


月「くっ…」

塔矢「……」パチッ

月「負け……ました…」

塔矢「ありがとうございました」

月「あり…がとう…ございました」

月(何故だ……何故こんな粧裕とたいして年も変わらなさそうな
  子供なんかに!)

月(子供……?)

103: 2011/11/10(木) 12:41:07.79 ID:8Uae9uuO0
月「もしかして……君は院生か?」

塔矢「いえ、違いますけど」

月「じゃ、じゃあなんでこんなに強いんだ」

月「プロじゃなきゃこんなに強いのは院生くらいじゃ…」

市河「あ~あ、やっぱり」

月「!?」

市河「あのねえ、確かにアキラ君は院生でもまだプロでもないけど、
   プロ顔負けの実力なのよ?それに、今プロ試験受けてるから
   もうすぐプロになっちゃうけど」

月「プロ!?」

105: 2011/11/10(木) 12:44:33.53 ID:8Uae9uuO0
塔矢「あっ、はい」

月「君がプロ試験?まだ子供じゃないか」

塔矢「碁のプロ試験は子供でも受けれるんですよ。
   というより、若くプロになる方が多い世界なんです」

月「そうなのか?」

塔矢「先程院生の話も出ましたが、たしか院生も18歳まででしたし」

月「ハッ…!?」

110: 2011/11/10(木) 12:50:56.23 ID:8Uae9uuO0
月「そうか……だから粧裕は…」

塔矢「あの…」

月「塔矢くん…」

塔矢「はい」

月「君と打てて良かったよ、ありがとう」

塔矢「いえ、こちらこそ…」

月「また、打ってくれるかい?」

塔矢「え?」

月「次は……負けない!」キッ

塔矢「…………いつでもどうぞ」

月「……」バッ

111: 2011/11/10(木) 12:55:02.02 ID:8Uae9uuO0
帰り道


月「くそっ……くそっ……くそっ!!!」

月「また負けた…」

月「しかもあんな子供に!!!」

月「何故だ!なぜ勝てない!?」

月「あいつの手は全部読んでいたのに!」

月「いくらプロ試験を受けるような奴だからって、僕があんな子供に!」

月「くそっ!」

???「ふふふふふふ、荒れてるな」

月「!?」

月「誰だ!?」

115: 2011/11/10(木) 12:56:31.48 ID:8Uae9uuO0
リューク「俺だ」バッ

月「う、うわあああああああああ!?」

リューク「なにをそんなに驚く?囲碁ノートの持ち主、リュークだ」

月「囲碁ノート?ああ、あれか…」

月「すっかり忘れてたよ…」

リューク「ひどっ!?」

119: 2011/11/10(木) 12:59:31.04 ID:8Uae9uuO0
月「それでその落し主が何の用だ?ノートを返して欲しいのか?」

リューク「ノートを返してほしい?くくくっ、バカな」

リューク「もう、あのノートはお前のモノだ、好きにしろ」

月「……ふうん」

リューク「その様子だとあのノートがふつうのノートじゃないとは
     まだ気付いてないみたいだな」

月「なに?ルール説明と棋譜が書いてるだけのノートじゃないのか?」

122: 2011/11/10(木) 13:03:26.72 ID:8Uae9uuO0
リューク「くくくくくっ、何を寝ぼけた事を…」

リューク「そんな何の変哲もないノートを俺が落すかよ」

月「じゃ、じゃああのノートに他に何があるって…」

リューク「あのノートにはまだ余白があっただろう」

月「ああ…」

リューク「そこに勝敗をあらかじめ書き込んでおくと、その通りになるんだ」

月「!?」

月「そんなバカな!?」

リューク「嘘だと思うならやってみろよ」

月「そんな……こと…」

リューク「負けっぱなしでいいのか?」

月「!?」

123: 2011/11/10(木) 13:04:19.83 ID:tnPUKR9u0
そう言えばデスノとヒカ碁は絵が似てるな!

130: 2011/11/10(木) 13:05:06.78 ID:8Uae9uuO0
月「しかし…そんないかさまみたいな事…」

リューク「どんな勝ち方でも勝ちは勝ちだ」

月「!?」

リューク「試しに一回くらい使っても良いんじゃないか?」

月「本当だろうな?」

リューク「くくくくくっ」

月「…………」

134: 2011/11/10(木) 13:08:02.52 ID:8Uae9uuO0
帰宅


月「……」ガチャ

粧裕「あっ、お兄ちゃんお帰り~」

月「……」ドタドタドタ

粧裕「あれ?」


~~~月の部屋~~~

バタン ガチャ

月「……ふ、ふふふふふ」

月「ふははははははははははは!」

月「囲碁ノート……本物だ!」

139: 2011/11/10(木) 13:13:57.72 ID:8Uae9uuO0
リューク「だから言っただろう」

月「リューク……聞きたい事がある」

リューク「なんだ?」

月「この囲碁ノート、僕は勝つと分かって書き込んだ」

リューク「ああ」

月「覚悟はできてる。僕はどうなる?魂をとられるのか?」

リューク「魂?」

141: 2011/11/10(木) 13:17:26.45 ID:8Uae9uuO0
リューク「なんだそれ、人間の作った勝手な空想か?俺はお前に何もしないし、訴えない」

リューク「おまえが拾った瞬間からそれはお前のモノだ」

月「僕のもの…」

リューク「いらなきゃ他の奴にまわせ。俺はそいつに憑く」

月「……」

リューク「それから元俺のノートを使ったお前にしか俺の姿は見えない」

リューク「もちろん俺の声もお前にしか聞こえない。これがどういう意味か分かるか?」

月「いかさま……しほうだい!」

147: 2011/11/10(木) 13:21:34.81 ID:8Uae9uuO0
リューク「けど俺に出来るのは棋譜がつかない聖地のズルくらいだ」

月「その他のズルをしようとするとバレル…か」

リューク「その通り。あとプロや院生を相手にする場合はそんなズル
     も無理だろうけどな」

リューク「あいつらレベルになると直ぐにズルに気付いちまう」

月「なんだ、意外と使えないな…」

リューク「くくくくくっ、けどな…」

月「そのために囲碁ノートがあるんだろ?分かってるよリューク」

リューク「くくくくくっ…」

152: 2011/11/10(木) 13:25:41.38 ID:8Uae9uuO0
月「僕は囲碁ノートを使って……プロになる!」

リューク(やっぱ人間っておもしろっ!)

月「そうと決まれば早速粧裕と打つぞ」

月「こないだ負けてムシャクシャしてたんだ」

リューク「粧裕?ああ、妹か」

月「妹といって侮るな。流石は僕の妹、しかも院生だ」

リューク「クククククッ…」

月「?」

月「まあ良い…えーっと夜神粧裕…中押しで…」カキカキ

155: 2011/11/10(木) 13:29:13.74 ID:8Uae9uuO0
粧裕「お兄ちゃ~ん、ちょっといい?」トントン

月(なんだ、さっそく来たか手間が省けてちょうどいい)

月(負けて僕のことを見直すがいい!)

月「待って、今開けるから!」

粧裕「えへへ~、また宿題で分かんないとこがあって」ガチャ

月(くくくっ……まだだ、まだ笑いをこらえるんだ!)

粧裕「あれっ、お兄ちゃん?」

月「なに?」

粧裕「その後ろの大きい人、誰?お兄ちゃんの彼女?」

月「!?」

163: 2011/11/10(木) 13:36:51.99 ID:8Uae9uuO0
月「お前、リュークが!?」

月(ハッ……そういえばあの時!)

粧裕「はじめまして~」ペコリ

リューク「くくくくっ、どうも…」ペコリ

粧裕「さっ、お兄ちゃんやっぱり宿題はいいから打とっか?」

粧裕「粧裕、イカサマする人なんかに負けないよ?」テヘッ

月「……う」

粧裕「弱虫」

月「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


この日を境にして、夜神月は碁を打つのをピタリとやめたという。
その後、彼がどうなったかを知る者は誰もいない。

しかし所説によると、なんでもあまりの無念さに囲碁ノートに 取りついて氏んだとか。
そのノートは後の世でこう呼ばれている。

『DEATH NOTE』と……。


夜神月「囲碁ノート?」   終わり

165: 2011/11/10(木) 13:38:40.02 ID:8Uae9uuO0
やっつけSSオワタ

読んでくれた人いたらありがとうございました

168: 2011/11/10(木) 13:39:18.61 ID:kJ65OfzqO
おもろいがもう少し長く見たかった

引用元: 夜神月「囲碁ノート?」