1: 2011/11/03(木) 02:26:13.22 ID:CJOc5Ah70
梓「ベットから起き上がれない……」

梓「腕に力が入らない……」

梓「はぁ……」

5: 2011/11/03(木) 02:29:37.36 ID:CJOc5Ah70
コンコン

梓(お母さんかな)

梓「はーい」

ガチャ

唯「おじゃましまーす……」

梓「えっ」

唯「あずにゃん大丈夫?」

梓「あ、はい……一応」

8: 2011/11/03(木) 02:34:38.74 ID:CJOc5Ah70
唯「それとお土産のバナナだよ」

梓「あ、ありがとうございます。でもどうして……」

唯「もちろんあずにゃんのお見舞いに来たんだよ」

梓「そうですか……わざわざありがとうございます。んしょ……っ……あぅ」

唯「そのままでいいよ、無理しないで」

梓「すいません……」

9: 2011/11/03(木) 02:38:50.52 ID:CJOc5Ah70
唯「起きるのもつらいんだ……」

梓「ええ、身体に力が入らなくて……」

唯「そっか」

梓「はぁ……」

唯「つらい?」

梓「いえ、どちらかというと楽というか何も感じないというか……」

唯「そっ、か」

10: 2011/11/03(木) 02:43:59.12 ID:CJOc5Ah70
梓「あぁ……もうずっとこのままでもいいかな」

唯「え」

梓「もう疲れるのやだなぁ……」

唯「あ、あずにゃん!」

梓「……あ、バナナ食べてもいいですか」

唯「あ、うん……。食欲はあるみたいだね、よかった」

梓「……」

唯「はい、どうぞ」

梓「どうもです……あっ」

ポロッ

13: 2011/11/03(木) 02:47:21.75 ID:CJOc5Ah70
唯「あっ、持てないか……食べさせてあげるね」

梓「すいません、やっぱりいいです」

唯「えっ」

梓「なんか……食べなくてもいいかなって」

唯「食べないと元気でないよ?」

梓「……」

唯「お昼何か食べたの?」

梓「今日は何か食べたっけ……食べてないかも」

唯「だめだよちゃんと食べなきゃ。ほら、食べさせてあげるから」

梓「いや……なんかもういいです」

15: 2011/11/03(木) 02:50:06.76 ID:CJOc5Ah70
梓「食欲なくなっちゃいましたし……はぅ」

唯「あずにゃん……」

梓「……すいません、私寝てもいいですか?」

唯「え……」

梓「おやすみなさい、ゆいセンパイ……」

唯「あ、ずにゃん……」

梓「……」

唯「ねえあずにゃん」

梓「……」

唯「あずにゃんてばっ!」

16: 2011/11/03(木) 02:52:37.93 ID:CJOc5Ah70
梓「……」

唯「まだ起きてるんでしょ?」

梓「……」

唯「このままじゃ本当に起きれなくなっちゃうよ?」

梓「……」

唯「バンドは? 軽音部は?」

梓「……もういいです」

唯「っ……」

梓「……」

唯「……よくない」

17: 2011/11/03(木) 02:55:27.82 ID:CJOc5Ah70
バサッ

梓「……ふとん返して下さい」

唯「嫌」

梓「じゃあいいです……」

唯「……」

ドサ

梓「っ」

梓「……重いです。どいてください」

梓「……」

梓「……」

梓「……ゆいセンパイ?」

梓「あっ」

20: 2011/11/03(木) 02:58:32.42 ID:CJOc5Ah70
梓「……は、離してください」

唯「……」

梓「んっ……」プルプル

梓(力が入らない……)

梓「な、何のつもりですか……」

唯「っ……」

梓「……え、ちょ」

梓「顔近づけないで下さいっ……あっ」

梓「ち、近すぎ……」

21: 2011/11/03(木) 03:04:29.48 ID:CJOc5Ah70
唯「……ん」

梓(うわっ!)クルッ

唯「ちゅ……」

梓「なっなにしてるんですかやめて下さい!」

唯「……やだ」

梓「や、やだやだ、やめてっ」

唯「嫌なら自分で振り解けばいいじゃん」

梓「そんなの今の私には出来ないですっ」

唯「ほんとに?」

梓「ほんとですっ。力が入らないんで――ひあっ!?」

唯「んちゅ、ちゅる……」

梓「何でそんな事……!」

唯「あずにゃんが顔をそらすからほっぺにキスしちゃった」

23: 2011/11/03(木) 03:09:31.25 ID:CJOc5Ah70
梓「そうじゃなくてどうしてこんな事をするのかって言ってるんです!」

唯「ねえ、こっち向いてよ。……ちゅぷ」

梓「んんっ! ん~~!」

唯「もう少しで唇なのに」

梓「んぷっ、手離して下さいっ」

唯「……いいよ?」

パッ

梓「え……」

唯「そのかわりあずにゃんにはこっち向いてもらうから」

グイッ

梓「あべっ」

27: 2011/11/03(木) 03:16:52.98 ID:CJOc5Ah70
唯「……」

梓「ちょ、まっ、やめて……」

唯「嫌なら抵抗したら?」

梓「だから力が……」

唯「手は空いてるじゃん」

梓「う、く……近いですってば!」

唯「そりゃあこれからキスするんだもん」

梓「じょ、冗談はこのくらいに……」

唯「あずにゃんこそ軽音部はもういいなんて冗談はやめてよ」

梓「それは……」

唯「今のあずにゃんなら何でも出来ちゃいそうだね」

梓「えっ?」

唯「唇こじ開けるのだって楽に出来そうだし、口も簡単に開いちゃいそう……くす」

梓「ひっ」

28: 2011/11/03(木) 03:23:51.57 ID:CJOc5Ah70
ガシ

唯「あ、抵抗する気になったんだ」

梓「……くぅ」プルプル

唯「ほら、もっと力を入れないと」

梓「こ……の……!」

唯「そんなんじゃ止められないよ?」

梓「うぅ……」

唯「ん……」

梓「あっ……」

梓(やっぱりだめ……)

唯「んちゅ……んぷ」

梓「んふっ……ん……」

29: 2011/11/03(木) 03:30:31.41 ID:CJOc5Ah70
唯「てゅぷ……はぉ……ちゅうぅ……」

梓「んっぷ、ん……んふ……っ…………」

唯「ちゅ…………はあ」

梓「んっ…………」

唯「さっきあきらめたでしょ?」

梓「そんな事……」

唯「だって力が抜けたもん」

梓「も、元々力が入らなかったし……」

唯「んーん、あずにゃんは折れたんだよ」

梓「えっ……」

唯「もうだめだ、仕方ないって思って妥協した」

梓「……」

唯「キスくらいならって思ったんでしょう?」

31: 2011/11/03(木) 03:34:53.52 ID:CJOc5Ah70
梓「それは……」

唯「……」

梓「ゆいセンパイならいいかなって……」

唯「そうかなあ」

梓「そうです……」

唯「じゃあ相手がりっちゃんや純ちゃんだったら?」

梓「えっ……」

唯「それでもあきらめてたよね」

梓「そっ、そんな事ない……」

唯「そんな事あるよ……多分堀込先生でもあきらめてた」

梓「そんな事ないですっ……!」

唯「んちゅぷ……」

梓「わぷっ……ん、んー!」

32: 2011/11/03(木) 03:42:59.78 ID:CJOc5Ah70
唯「ぺろっ……ちゅぷぷ……もう抵抗しないの?」

梓「んっ……んぁ……はぷ……!」プルプル

唯「さっきより力が入ってないよ……」

梓「くぅ……!」

唯「……他のものも貰っちゃおうかな」

梓「え……?」

唯「……」ゴソ

梓「ゆいセンパイ、何を……っ!?」

唯「ココとかね」

梓「っ! い、や……」

33: 2011/11/03(木) 03:46:08.51 ID:CJOc5Ah70
唯「……」スッ

梓「ほ、ほんとにもうやめて下さい! これ以上は……」

唯「……」

梓「ねえ唯先輩! やめて下さい……!」

唯「……」スリスリ

梓「ひゃあ! さ、触らないでっ!」

唯「……」

梓「お願い、ほんとにやめて……!」

唯「……」

梓「う、あ……やだぁ……!」

36: 2011/11/03(木) 03:54:12.60 ID:CJOc5Ah70
唯「……」

梓「私動けないんですよ? それなのにこんな事して……最低です!」

唯「あずにゃんはまだ動けるでしょ」

梓「動けませんっ」

唯「またまたぁ、そんな事言いつつも私にもらわれるのが嬉しかったり?」

梓「なっ……!」

唯「なんか濡れてるみたいだし、さっきのキスも心の奥では……」

梓「そんな事ないっ!」

唯「だとすると私以外でもいいのかぁ。あずにゃんてあれだね、えっと、淫乱」

梓「っ……!」

39: 2011/11/03(木) 04:02:16.06 ID:CJOc5Ah70
唯「なんだか残念だなあ、でもどの道すぐなくなりそうだからあんまり価値なさそう」

梓「……っ」プルプル

唯「でもせっかくだからもらっておこうかな。バナナ代として――」

梓「唯先輩の……馬鹿ぁーーーー!!」

ゴチンッ!

唯「うぶっっ!?」

梓「あぐっ……!」

唯「お、おおお……!」

梓「はあっ……はあっ……!」

唯「い、いひゃいよぉ……!」

梓「唯先輩の石頭……」

唯「あずにゃんのほうがいしあたまだよぉ……」

42: 2011/11/03(木) 04:09:51.58 ID:CJOc5Ah70
梓「唯先輩が悪いんです」

唯「ん、そうだねごめんね」

梓「どうしてこんな……あれ、身体が動く」

唯「よかったぁ~」

梓「え、っと、もしかして……」

唯「んー?」

梓「いや、それでも許し難い……」

43: 2011/11/03(木) 04:14:47.13 ID:CJOc5Ah70
唯「あずにゃん……元気出た?」

梓「これは元気とはいいません」

唯「でも元気そうだよ?」

梓「……ほんとに怖かったんですからね」

唯「あ、うん……」

梓「今だって……」

唯「そうだ! 元気になったならバナナ食べられるよね!」

梓「こんなにバナナが……って話聞いてくださいよ!」

唯「新しいの向いてあげるから……」ツー

梓「唯先輩! 鼻! 鼻血出てます!」

唯「え、うあっ!?」

梓「ティッシュ使ってください、ってそれバナナ!」

44: 2011/11/03(木) 04:19:26.44 ID:CJOc5Ah70
唯「あっもう時間が……」

梓「え?」

唯「あずにゃん! もう一回ちゅーしよう!」ガバッ

梓「しませんよっ!」ベチン

唯「へぶっ」タラー

梓「うわっごめんなさい鼻血が!」

唯「らいじょーぶらいじょーぶ、それよりちゅーを……」

梓「だからもうしませんってば!」

梓「もうさっきまでの私じゃないんです!」

梓「あきらめないし折れません!」

45: 2011/11/03(木) 04:25:46.58 ID:CJOc5Ah70
――――

――――――――

――――――――――――

梓「……むあっ!?」

梓「あ、あれ……?」

梓「……」

梓「え、夢?」

梓「……」

梓「わ、私はなんて夢見てるのよ……」

46: 2011/11/03(木) 04:28:31.36 ID:CJOc5Ah70
梓「……でも、動けるようになった。力も入る」

梓「なんだろ……私ってそういう願望があったのかな……いやいや」

梓「それにあれじゃただのショック療法だよ……」

梓「もっとこう、やさしく……」

梓「……それじゃあダメだったのかも」

梓「でもこれで歩けるようになった」

梓「よし、また明日から頑張るぞー!」

47: 2011/11/03(木) 04:33:07.30 ID:CJOc5Ah70
ぐぅ~

梓「……うん、ちゃんとお腹も空くね」

梓「何か食べよ」

梓「……あ」

梓「バナナ置いてある……食べちゃお」

梓「いただきます」

梓「……あれ?」

梓「このバナナ、血がついてる……?」



END

50: 2011/11/03(木) 04:48:40.01 ID:T++LTdgT0
なんで心折れてたの?

51: 2011/11/03(木) 05:04:15.14 ID:axHSFC4RO
心が折れたっていいじゃないか
あずにゃんだもの

53: 2011/11/03(木) 05:37:26.59 ID:CjHg7NMn0

引用元: 梓「心が折れて、歩けない」