1: ◆IIiEuGs1j. 2014/04/04(金) 00:45:29.90 ID:P+teVhaL0
P「どうしたんだ?」

雪歩「プロデューサー……私、このままじゃあ、駄目だと思うんですぅ!」

P「雪歩は十分、頑張ってるさ」

雪歩「今の私じゃ、トップアイドルなんてなれないんですぅ!」

P「……」

雪歩「ご、ごめんなさい……」

P「いや、それだけ雪歩は本気なんだろ?」

雪歩「……はい」




2: 2014/04/04(金) 00:50:37.41 ID:eNq+gfVR0
雪歩「もう、弱いだけの自分は嫌なんですぅ!」

P「そうか。雪歩は本気なんだな?」

雪歩「はい!」

P「……わかった。仕事が終わったら961プロダクションの屋上に来るんだ」

雪歩「……はい!」

春香「……何で961プロダクション?」

3: 2014/04/04(金) 00:54:26.30 ID:eNq+gfVR0
961プロダクション屋上。

雪歩「プロデューサー」

P「強くなりたい……それは変わらないんだな?」

雪歩「……はい!」

P「なら、言葉は不要だな……来い!」

春香「真……これって……」

真「うん。ボクにもわからない……でも」

春香「でも?」

真「二人は本気……それだけはわかるよ」

春香(何言ってんの……この娘)

4: 2014/04/04(金) 00:57:42.57 ID:eNq+gfVR0
雪歩「行きます! プロデューサー!」

P「良いスコップだ。雪歩の魂を感じる……だが」

バキッ!

春香「雪歩のスコップを……!」

真「片手で弾いた!?」

P「一発目はサービスだ」ゴゴゴ……

雪歩「ひぃっ……!」

真「雪歩! 避けるんだ!」

5: 2014/04/04(金) 01:00:20.30 ID:eNq+gfVR0
P「いい反応だ!」

ドゴン!

雪歩(手を振っただけなのに……屋上の床が……抉れた!)

真「そんな、スコップも無いのに……!」

P「ふっ……」

雪歩「え、えい!」

ドガッ!

真「床を抉って壁にして防いだ!? 雪歩も負けていない!」

春香「千早ちゃん? うん、私だけど……」もしもし

6: 2014/04/04(金) 01:01:45.70 ID:eNq+gfVR0
P「耐えるばかりがお前の求めた強さか!?」

雪歩「……!」

P「肝心な時に逃げ出してしまいそうになる自分が嫌なんだろ!」

雪歩「私は……私は……!」

P「変われないなら……氏ぬだけだぞ!」

真「プロデューサーが手を大きく振りかぶった……不味い!」

春香「うん? 今? プロデューサーさんと雪歩、真も一緒だよ」

7: 2014/04/04(金) 01:03:38.61 ID:eNq+gfVR0
雪歩(軽く手を振っただけでもあの威力なのに……! に、逃げなきゃ……)

雪歩(逃げる……? 違う、変わるんだ……!)

ガキン!

P「雪歩……!」

雪歩「やああぁぁぁ!」

真「プロデューサーの一撃を逸らした!」

P「そうだ! お前が一歩踏み出した時の力には、何時も驚かされる!」

春香「な、仲間外れなんかじゃないよ! わざわざ誘うような事じゃないから……いや、本当に」

8: 2014/04/04(金) 01:05:44.90 ID:eNq+gfVR0
真「まだ雪歩の間合い! 攻撃しない手はないよ!」

P「くっ……」

雪歩「たああぁぁぁ!」

バキン!

P「見事だよ。アイドル相手に……スコップを抜く事になるとは……!」

真「あ、アレがプロデューサーのスコップ……! 黄金に輝いている……」

真「ドリラー<掘り進む者>でも最高クラスはスコップを黄金に輝かせるという……!」

雪歩(シルバーにも至っていない私が、勝てる訳がない……でも……逃げない!)

春香「今度、カラオケ行こうか? うん、みんなで!」

9: 2014/04/04(金) 01:09:12.35 ID:z2BJHKmb0
P「震えているのか? だが……それは……!」

雪歩「はい! 怖いからだけじゃありません! ワクワクするから、そういう震えですぅ!」

P「そうだ。それで良い!」

真「雪歩が飛んだ!? そして回転……これは……まるで!」

P「そう来たか!」

春香「ドリル!? ……あ、ごめんね。千早ちゃん」

10: 2014/04/04(金) 01:12:35.46 ID:ncQVdY2r0
雪歩「スコップじゃプロデューサーには勝てません! だったら……私にはこれしか無いんですぅ!」

P「避けるのは簡単だが……これは受けて立たないと失礼だな!」

真「プロデューサーのスコップが黄金のドリルに!?」

P「来い! 雪歩!」

雪歩「やああぁぁぁぁ!」

P「ふんっ!」

ズドン!

真「二人のドリルがぶつかり合って、ビル全体が震えている!!」

春香「ちょっと千早ちゃんの声が聞こえないから静かにして」

真「あ、ごめん……」

12: 2014/04/04(金) 01:18:12.04 ID:aGpoje++0
961プロのビルが激しく揺れる!

黒井「う、ウィ……何だ。何が起きてる!」

冬馬「地震か!?」

北斗「ち、チャオ!」

御手洗「は、早く! 逃げようよ!」

黒井「わ、私は逃げんぞ! 私はこのビルと運命を共に……」

冬馬「北斗!」

北斗「チャオ!」

黒井「げふ!」

冬馬「よし、脱出するぞ!」

御手洗「う、うん!」

13: 2014/04/04(金) 01:20:15.48 ID:aGpoje++0
雪歩(つ、強い……れ、レベルが違う……!)

ズドドドド……!

P(雪歩……此れ程とは……だが! こんな程度では、トップアイドルへの戦いには生き残れない)

真「このままじゃ……961プロダクションのビルがもたない……!」

春香「プロデューサーさん? 今、手が離せないみたい」

雪歩(こ、これじゃあ……届かないよ……)

14: 2014/04/04(金) 01:24:21.19 ID:5dY1v+Zt0
雪歩(無理だったのかな……私なんかが変わるなんて……弱いままなんだ……)

真「ゆーー」

春香「雪歩! 頑張れーー!」

真「え」

雪歩(春香ちゃん……)

春香「もう少しで、もう少しで手が届くんだよ! 私は知ってる……!」

雪歩「……」

春香「確かに人より踏み出すのを恐れるかも知れない……でも! 一度踏み出したら、誰にも負けない力があるってことを!」

雪歩「……!」

15: 2014/04/04(金) 01:27:00.57 ID:3e2QadUS0
春香「だから……踏み出そう? 振り絞った勇気は……雪歩を裏切らないから……!」

雪歩(春香ちゃん……ありがとう!)

P「ここに来てパワーが上がるか!」

雪歩(見てください。プロデューサー……私、こんなに強くなれました)

雪歩(初めはまともにプロデューサーと話せなかったのに……可笑しいですよね?)

P「……いや、何も可笑しくはないさ」

雪歩(今まさに、あなたに手が届く……!)

P「うおおぉぉぉぉ……!」

雪歩「やああぁぁぁぁ……!」

ビキビキビキ……。

真「ビルが崩れる……!?」

春香「千早ちゃん? 後でかけ直すね」

16: 2014/04/04(金) 01:32:37.10 ID:zIUzpN7x0
雪歩「やああぁぁぁぁ!」

ビキビキビキ……。

P「……そうか。強くなったな……いや……雪歩は初めから強かった」

真「プロデューサーのドリルがヒビ割れて……雪歩のドリルに押し負ける……!」

P「それに気づかなかっただけなんだよ……雪歩は……自分の強さに、な……」

雪歩「これで……!」

バキン!

P「……ふっ」ニコッ

雪歩「プロデューサー……?」

17: 2014/04/04(金) 01:38:10.94 ID:5dY1v+Zt0
雪歩「……あれ……? プロ……デューサー……?」

P「……がはっ!」

真「雪歩が……勝った……」

P「参ったな……強いよ……お前……は……」クラッ

雪歩「プロデューサー!」だきっ

P「……今のお前はトップアイドルを凌駕する力がある……」

雪歩「喋らないで下さい! わ、私はこんなつもりじゃあ……!」

P「お前が……トップアイドルを目指して……俺が……プロデュースしてるんだ……いつかはこうなっていたのかもな……」

18: 2014/04/04(金) 01:42:01.06 ID:hozqd9UH0
ゴゴゴゴゴ……!

961プロのビルが激しく揺れ続ける。もう一刻の猶予も無く、このビルは崩れ落ちるだろう。

真「ビルがもうもたない!」

春香「雪歩! 階段が全部、崩れちゃってる!」

雪歩「大丈夫! 今の私なら……! これがトップアイドルに至る為のーー」

真「雪歩のスコップが銀色に輝いて……!」

雪歩「アイドリル!<掘り進むは栄光の為>」

19: 2014/04/04(金) 01:46:52.80 ID:Z0wgl6NP0
次の瞬間、雪歩達は遠くから崩れていく961プロのビルを眺めていた。

真「これは一体……」

雪歩「床や地面。掘れる場所なら……何処にでもいける……それが私の新しい力」

P「……ぐ……」

春香「プロデューサーさん! 雪歩、まだプロデューサーさんは生きてる!」

雪歩「ぷ、プロデューサー……!」ぐすっ

真「泣いてる場合じゃないよ! 早く病院に……!」

雪歩「大丈夫! 私の新しい力なら、すぐ病院に……」

雪歩「アイドリル!」

20: 2014/04/04(金) 01:56:11.89 ID:Z6TG4pf+0
双海病院。

双海院長「暇だね……いや、暇なのは良い事だけど……オペしたいなぁ……」

看護師「大丈夫か。この人」

ドドドド!

双海院長「地鳴り? なに、地震!?」

看護師「ゆ、床が……!」

ズドン!

雪歩「ぷ、プロデューサーを助けて下さい!」

双海院長「え? キミたちは……真美と亜美の……ん、そこの青年は……」

春香「お願いします!」

真「ボクからもお願いします!」

双海院長「何が何だかわからんが……手術の準備だ!」るんるん

看護師「は、はい!」

21: 2014/04/04(金) 02:04:50.14 ID:Z0wgl6NP0
ーーそして数日後。

P「……あのな……雪歩」

雪歩「何ですか?」にこにこ

P「……ちょっと、近くないか?」

雪歩「そんなことないですよ? プロデューサーは怪我をしてるんですから、お世話するのは当たり前です」

雪歩「それとも……迷惑、ですか……?」じっ

P「……強くなったよ。雪歩は」

雪歩「えへへ……プロデューサー」

P「何だ?」

雪歩「これからも……こんな私を……プロデュース……して貰えますか……?」

P「……勿論だ」

22: 2014/04/04(金) 02:16:50.41 ID:aGpoje++0
春香「雪歩がトップアイドルの戦いに挑むに相応しい力を得るなんてね」

伊織「手加減したとは言え、あのバ……プロデューサーを倒すとは思わなかったわ」

やよい「うっうー! 戦える日が楽しみです!」

春香「まあ、トップアイドルになれるかは……別だけど……案外、手強くなるかも」

伊織「ふんっ……伊織ちゃんの敵じゃないわ」

春香「だと良いんだけど、な」

23: 2014/04/04(金) 02:18:07.48 ID:aGpoje++0
千早「プロデューサー……ちょっと良いですか?」

P「何だ?」

千早「トップアイドルになる為には……歌を次のステージにするべきだと思ういます」

P「……本気か」

千早「はい! どんな……どんなレッスンでも受けます!」

P「千早の覚悟はわかった……」

千早「それでは……!」

P「ああ、千早が本気なら」


P「……言葉は不要だ」


end

24: 2014/04/04(金) 02:22:13.71 ID:e6/J59Nr0
深夜のテンションで書いた……。

雪歩とPがお互いを支え合いながら……みたいな話になる筈だったのに……どうしてこうなった……。
とりあえず、読んでくれた人に感謝です。

25: 2014/04/04(金) 02:23:52.89 ID:dkjH5zq+o
おつおつ

引用元: 雪歩「私は強くなりたい」