1: 2015/07/02(木) 19:18:30.20 ID:sCIm5qlh0
アイカツ!のSSです

2: 2015/07/02(木) 19:19:28.53 ID:sCIm5qlh0
スターライト 教室

ユリカ「えぇ……」

ユリカ(朝からいきなり何言ってるのかしら、この子……)

おとめ「教えてください! ユリカたん!」

ユリカ(『赤ちゃんがどこから来るのか』なんて……)

ユリカ(こんなに人が居るなかで言えるわけ無いじゃないっ!)

ユリカ(でもおとめさん凄く目キラキラさせてるし……)

おとめ「わくわく」

ユリカ(ここで「違う」なんて言ったらショック受けるわよね……)

ユリカ(適当に話合わせておきましょうか)

3: 2015/07/02(木) 19:20:16.22 ID:sCIm5qlh0
ユリカ「え、ええそうよ」

おとめ「わー、やっぱりー! らぶゆーですぅ」

ユリカ「で、それを知ってどうしたいのよ」

おとめ「あい! おとめ赤ちゃんが欲しいです!」

ユリカ「はぁ!?」

おとめ「ちゅーーーー」

ユリカ「ちょ、ちょ、ちょっと待って!」

おとめ「え?」

ユリカ「急過ぎるのよっ!」

おとめ「えー、でもおとめすぐに赤ちゃん欲しいです~」

4: 2015/07/02(木) 19:21:12.24 ID:sCIm5qlh0
ユリカ「……」

ユリカ「いい? おとめさん、真剣に聞いて頂戴」

おとめ「はい」

ユリカ「赤ちゃんはちゃんとした生命なのよ」

おとめ「あい」

ユリカ「だからお人形を買うみたいに気軽に『赤ちゃんが欲しい』なんて言っちゃダメなのよ」

おとめ「……」

おとめ「わかりました、おとめ反省します」

ユリカ「そう、それでいいのよ」

ユリカ(おとめさん、物分かりはいいのよね)

ユリカ(……)

ユリカ(まぁおとめさんとキスしたいって思わないこともなくなくなくも無かったけど……)

5: 2015/07/02(木) 19:22:06.01 ID:sCIm5qlh0
一週間後

おとめ「ユリカたん! 今日こそ赤ちゃんを!」

ユリカ「ちょっ! おとめさん声大きい!」

おとめ「あ、ごめんなさいですぅ」

ユリカ「……て言うか赤ちゃんは諦めたんじゃ無いの?」

おとめ「いいえ、おとめはユリカたんに言われて反省していっぱい調べました……」

ユリカ(あっ、だからもう赤ちゃんがどこから来るのか分かったのね、これで安心)

おとめ「おとめ『子育て』についていっぱい調べました! これでいつ赤ちゃんが生まれても大丈夫です!」

ユリカ「て調べたのそっち!?」

おとめ「あい!」

6: 2015/07/02(木) 19:22:45.70 ID:sCIm5qlh0
ユリカ(なんでおとめさんはこう、微妙に外してくるのかしら……)

おとめ「というわけで」

おとめ「ちゅー」

ユリカ「わわっ、ストップストップ!」

おとめ「えー? まだ何かあるんですか?」

ユリカ「い、今はダメっ!」

おとめ「今は?」

ユリカ「ふ、二人の時だったら……」

おとめ「ふむ…… わかりました! 今晩ユリカたんのお部屋に行きますね」

ユリカ「わ、わかったわ……」

7: 2015/07/02(木) 19:24:22.61 ID:sCIm5qlh0
夜 ユリカ自室

ユリカ「わ、わたし何であんなこと言っちゃったの~」

ユリカ「おとめさんやる気まんまんだったし、絶対来ますよね……」

ユリカ「お、おとめさんとちゅ、ちゅーするなんて……」

ユリカ「あああああ!どうしようどうしよう!」

ユリカ「あれ?」

ユリカ(でも何でおとめさんはわたしとちゅーしたがるんだろう?)

ユリカ(さくらさんやしおんさんでもいいのに)

ユリカ(……)

ユリカ(もしかして……)

おとめ「ユリカたーん!」

ユリカ「わわっ! い、今行きます」

8: 2015/07/02(木) 19:25:49.27 ID:sCIm5qlh0
おとめ「こんばんは、ユリカたん」

ユリカ「こ、こんばんは」

おとめ「お邪魔しますぅ~」

ユリカ「ど、どうぞ」


ユリカ「ローズティーです」

おとめ「わー! ありがとうですー」

おとめ「いただきます」

ユリカ「…… ど、どうかしら?」

おとめ「うん、とっても美味しいです! らぶゆ~」

ユリカ「良かった」

9: 2015/07/02(木) 19:28:00.08 ID:sCIm5qlh0
おとめ「それで、本題なのです!」

ユリカ「は、はい……」

おとめ「ユリカたん、おとめとちゅーしてくれますか?」

ユリカ「い、いいですよ……」

おとめ「それじゃあ」

おとめ「ちゅー」

ユリカ「ちゅー……」

おとめ「んっ……」

ユリカ「んん……」

ユリカ(な、長い…… も、もしかしておとめさん本気なの!?)

10: 2015/07/02(木) 19:33:43.60 ID:sCIm5qlh0
おとめ「っは……」

ユリカ(や、やっと終わった……)

ユリカ「……」

おとめ「……」

ユリカ「……」

ユリカ(ちょっ…… な、何この沈黙……)

おとめ「……これでおとめ、妊娠しますか?」

ユリカ「え、ええ、そそうだと思います」

おとめ「やったー!」

11: 2015/07/02(木) 19:35:51.84 ID:sCIm5qlh0
ユリカ「う、産むからにはちゃんと育てないとダメですよ?」

ユリカ(な、何言ってるのわたし!? これで赤ちゃんが産まれるわけないじゃない!)

おとめ「あい! 責任持ってユリカたんと一緒に育てます!」

ユリカ「わ、わたしもですか!?」

おとめ「え? だっておとめがママだからユリカたんがパパですよ?」

ユリカ「そ、そうでしたね」

ユリカ(やっぱりおとめさん本気なんだ~)

12: 2015/07/02(木) 19:37:33.71 ID:sCIm5qlh0
おとめ「ふぁ~…… おとめ、眠たくなっちゃいました……」

ユリカ「確かに、もう時間ですね」

おとめ「はい! だからおとめ、今日はユリカたんのお部屋に泊めてもらいたいのです!」

ユリカ「ええっ!?」

おとめ「ダメですか?」

ユリカ「えーいやあのえっと…… はい大丈夫、大丈夫です!」

おとめ「やった! 今日はユリカたんと一緒に眠れるのですぅ~」

ユリカ(一緒に寝るって…… おとめさんもしかして本当に……)

おとめ「おやすみなさい」

ユリカ「お、おやすみなさい」

13: 2015/07/02(木) 19:40:53.71 ID:sCIm5qlh0


ユリカ「……」

ユリカ(まぁ何も無いですよね……)

ユリカ「起きてください、おとめさん朝ですよ」

おとめ「う、ううん……」

おとめ「…… おはようなのです~」

ユリカ「おはようございます」

おとめ「う~ん……」

ユリカ「朝ごはん食べますか?」

おとめ「あい……」

14: 2015/07/02(木) 19:42:02.55 ID:sCIm5qlh0
ユリカ「グッドモーニングシリアルです、どうぞ」

おとめ「いただきますぅ……」

ユリカ「美味しいですか?」

おとめ「あい、おいしいですぅ……」

ユリカ「良かった」


おとめ「それじゃあ、おとめは髪をセットしてきますね」

ユリカ「はい、わたしも着替えます」

15: 2015/07/02(木) 19:46:17.77 ID:sCIm5qlh0
おとめ「おとめの完成なのですー!」

ユリカ「それじゃ行きましょうか、おとめさん」

おとめ「あい! 二人で一緒に登校なのです」

ユリカ「このユリカ様と一緒に学校に行けることを光栄に思いなさい」

おとめ「はい! ユリカたんらぶゆ~なのです」

ユリカ「っ…… 早く行くわよ!」

おとめ「は~い」

16: 2015/07/02(木) 19:47:07.99 ID:sCIm5qlh0
1ヶ月後

おとめ「ユリカた~ん……」

ユリカ「どうしたの? おとめさん」

おとめ「おとめ、妊娠したじゃ無いですか」

ユリカ(そう言えばちょっと前にそんな話したわね……)

おとめ「なのに全然変化が無いのです……」

ユリカ「あ~ それね……」

ユリカ(最近その話しないからてっきり忘れていたものだと……)

おとめ「ユリカたん、何でだかわかりますか?」

ユリカ「そ、それは……」

17: 2015/07/02(木) 19:47:41.37 ID:sCIm5qlh0
ユリカ(もうこれ以上嘘つくの辛いしおとめさんの為にもならないし本当のこと言おう!)

おとめ「それは……?」

ユリカ「それはね……」

ユリカ(そ、そんな涙ぐんだ目で見ても無駄なのよ! 赤ちゃんは何処にも居ないんだから!)

ユリカ(本当のこと言おう本当のこと言おう本当のこと言おう)

ユリカ「それは……」

18: 2015/07/02(木) 19:48:16.59 ID:sCIm5qlh0
ユリカ「あ、赤ちゃんは私のお腹の中に居るのよ!」

ユリカ(あぁ、やってしまった……)

おとめ「ああなるほど! そういうことだったんですね!」

ユリカ「そう言うことだからおとめさんは安心して待ってなさい」

おとめ「あい! この中に赤ちゃんがいるんですね~ すりすり~」

ユリカ「ちょっ…… く、くすぐったいからやめなさい!」

おとめ「お腹の中の赤ちゃんに話しかけたり、なでてあげたりするのは『たいきょー』に良いって本に書いてあったのです」

ユリカ「で、でもみんなの前だと恥ずかしいから……」

おとめ「じゃあ二人っきりの時にしますね」

ユリカ「二人っきり……」

ユリカ(ま、まさかこれから二人っきりの時はずっとあんなことされちゃうの……!?)

19: 2015/07/02(木) 19:50:46.35 ID:sCIm5qlh0
1週間後

ユリカ(それからおとめさんはわたしと二人っきりになる度、お腹をさすってくるようになりました)

ユリカ(例えば偶然踊り場で会った時とか……)


おとめ「えへへ~ 良い子に育つんですよ~」

ユリカ「お、おとめさん! こんな所でそんなことやっちゃ……」

おとめ「え? だって今誰も居ないですよ?」

ユリカ「でもここはスターライトの中だしいつ誰が来るか……」

おとめ「えー、でもおとめも赤ちゃんとお話したいのです!」

蘭「ん? 今『赤ちゃん』って聞こえた気がするんだけど」

おとめ「あっ、蘭たん! そうなんですユリ

ユリカ「あー!あー! 何でも無い! 何でも無いですから!」

蘭「そ、そうか……」

20: 2015/07/02(木) 19:51:35.75 ID:sCIm5qlh0
ユリカ(勿論こんなことが続けばどうなるかは明白……)


「ねぇ知ってる? あのユリカ様が妊娠したって話」

「知ってる知ってる、相手は誰なんだろうねー?」

「おとめちゃんが何か知ってるみたいだけど……」

「おとめちゃんに聞いたら『おとめとユリカたんの赤ちゃんなのですー』って言ってたよ」

「えー! それってどういう意味!?」


ユリカ(あっという間に学園中に『藤堂ユリカ 妊娠』という噂が広まり)

ユリカ(遂にわたしとおとめさんは織姫学園長に呼び出されてしまいました……)

21: 2015/07/02(木) 19:52:47.48 ID:sCIm5qlh0
織姫「今学園はとある噂で持ちきりなんだけど、もちろん貴女たちは知ってるわよね?」

ユリカ「わたしの妊娠…… のことですよね……」

織姫「そう、ちゃんと事情を話してもらえるかしら?」

ユリカ「はい……」

ユリカ(そしてわたしはことの真相、妊娠はおとめさんの勘違いだということ、それをわたしが煽ってしまったことを織姫学園長に話しました)

織姫「はぁ…… そんな話だったの……」

ユリカ「ごめんなさい」

おとめ「??? ユリカたんのお腹の中に赤ちゃんは居ないのですか?」

ユリカ「………… そうよ」

おとめ「ユリカたんはおとめに嘘ついたのですか?」

ユリカ「だ、だっておとめさんがあんまり目をキラキラさせて聞いてくるからつい……」

織姫「とにかく、二人は保険の授業の補習を受けてもらいます」

ユリカ、おとめ「はい……」

22: 2015/07/02(木) 19:54:30.44 ID:sCIm5qlh0
夜 ユリカ自室

ユリカ「疲れた……」

おとめ「お疲れ様なのです~」

ユリカ「おとめさんのせいで疲れたのよ!」

おとめ「ごめんなさいなのです……」

ユリカ「もういいわ、終わったことだし」

おとめ「ありがとうございます、やっぱりユリカたんは優しくてらぶゆ~なのです」

ユリカ「……」

ユリカ「ねぇ、なんでおとめさんは私との赤ちゃんを欲しがったの?」

ユリカ「私じゃなくてもさくらやしおんじゃダメだったの?」

おとめ「…… ダメです」

ユリカ「それって……」

おとめ「……」

23: 2015/07/02(木) 19:55:39.84 ID:sCIm5qlh0
ユリカ(なんでここで黙っちゃうのよ……)

ユリカ(おとめさんは本当は私のことどう思ってるの……?)

おとめ「ユリカたん! やっぱりおとめユリカたんとの赤ちゃん欲しいのです!」

ユリカ「えっ! ちょっと何よいきなり…… て言うか今日の話ちゃんと聞いてたの!?」

おとめ「あい! 赤ちゃんは『せーこーしょー』をすれば生まれるんですよね?」

ユリカ「そうだけど」

おとめ「それで『せーこーしょー』は大好きな人とだけする事なんですよね?」

ユリカ「っ……」

おとめ「おとめはユリカたんの事が大好きです!」

おとめ「おとめはユリカたんが相手だから赤ちゃんが欲しいのです、ユリカたんと一緒に家族になりたいのです!」

24: 2015/07/02(木) 19:56:32.56 ID:sCIm5qlh0
ユリカ「おとめさん……」

おとめ「…… ユリカたんはどうですか?」

ユリカ「私、わたしは……」

おとめ「……」

ユリカ「……」

ユリカ(はぁ、このままだとまた嘘をつかなきゃいけなくなりそうね……)

ユリカ「わたしも、私も貴女の事が大好きよ、おとめさん」


おしまい

25: 2015/07/02(木) 19:58:03.66 ID:sCIm5qlh0
読んでくれた方ありがとうございます。HTML化依頼してきます。

26: 2015/07/02(木) 21:09:49.70 ID:O5ieIUpAO

引用元: おとめ「ユリカたん! ちゅーすると赤ちゃんが生まれるってホントですか!?」