1: 2009/08/27(木) 02:37:05.58 ID:fzZfB/Fv0

―幼稚園


唯「和ちゃん大好き♪」

和「私もだよ唯♪」

唯「ほんと!?嬉しいなぁ♪」

和「私も嬉しいよ♪」

唯「えへへ♪」

和「えへへ♪」

2: 2009/08/27(木) 02:41:57.40 ID:fzZfB/Fv0
―小学校


和「唯ー、一緒に帰ろう?」

唯「…うん」

和「…?どうしたの?元気ないね」

唯「…なんでもないよ♪」

和「嘘つかないで、その顔は何か隠してるでしょ?」

唯「…!どうしてわかったの?」

和「当たり前でしょ、大好きな唯のことはなんでもわかるよ」

唯「和ちゃん…うわあああん!」

6: 2009/08/27(木) 02:45:50.82 ID:fzZfB/Fv0



和「あなた達、唯のことを池沼って馬鹿にしたそうね…」

男子A「だって本当のことだろ、何が悪いんだよ?」

男子B「そうだそうだ!」

和「…許せない!今すぐ唯に謝りなさいよ!」

男子A「はぁ?なんでですかー?」

男子B「意味わかんないんですけどー」

和「いいから!唯に謝りなさい!」

10: 2009/08/27(木) 02:50:26.00 ID:fzZfB/Fv0
男子A「うるせー!」バキッ!

和「あっ…!」ドサッ

男子B「兄貴!女を殴るのはまずくないですか…?」

男子A「こいつが生意気だからだよ!これで懲りただろ…」

和「あなた達…謝りなさい…!」ヨロ…

男子A「こいつ…!まだ殴られたりないのかよ!」バキッドカッ!

和「うあ…いた…い…!」

11: 2009/08/27(木) 02:53:44.89 ID:fzZfB/Fv0



男子A「はぁ…はぁ…!今度こそ…!」

和「…早く…謝ってよ…」

男子A「…こいつ、なんで立ち上がれるんだよ…」

男子B「気味が悪いですよこの女…」

和「…はやく謝ってよ!」

13: 2009/08/27(木) 02:57:57.29 ID:fzZfB/Fv0



和「…ゆい」

唯「和ちゃん!?どうしたのその怪我…?」

和「私はいいわ…それよりこいつらが謝りたいって…」

男子A「……平沢、ごめん」

男子B「ごめんなさい…」

唯「………」

和「こうやって謝りに来てくれたのよ?許してあげなくちゃ」

唯「……許せない」

14: 2009/08/27(木) 03:01:43.74 ID:fzZfB/Fv0
和「唯…?」

唯「あなた達が和ちゃんをこんな風にしたんでしょ!?」

男子A「それは…」

男子B「うぅ…」

唯「私のことよりも先に謝ることがあるでしょ!早く和ちゃんに謝ってよ!」

和「唯…私はいいから…」

唯「謝ってよ!!!」

男子A「…真鍋も…ごめん!」

男子B「ごめんなさい!」

15: 2009/08/27(木) 03:06:43.85 ID:fzZfB/Fv0
和「私はあなた達が唯に謝ってくれただけで満足だから…」

男子A「本当にごめん!」

男子B「ごめんなさあああい!!!」ポロポロ

和「もういいわよ…反省してるなら…」

男子A「…すまない、それじゃ俺達はこれで…」

男子B「ひっく…ひっく…」グスッ

和「…さぁ、私達ももう帰りましょう?」

唯「………」

和「唯?」

唯「…和ちゃぁん!」ギュッ

16: 2009/08/27(木) 03:16:24.24 ID:fzZfB/Fv0
唯「ごめんなさい…!私のせいでぇ!」ポロポロ

和「大丈夫よ。気にしないで…」

唯「でもっ!酷い怪我だよ!?」ポロポロ

和「大丈夫だって…すぐ直るよ」

唯「本当に…?和ちゃんに何かあったら…、私…」ポロポロ

和「…そんなに心配してくれてるんだ…ありがとう」グスッ


この時、私も唯と一緒に泣きたかった。怪我が痛いからじゃなく、唯が私を心から心配してくれているのが嬉しかったから。

でも、私の胸で泣きじゃくる唯を見ていると泣いてはいけないと思った。

私まで泣いてしまえば、泣き虫な唯のことを守れなくなってしまうと思ったから。

18: 2009/08/27(木) 03:20:02.12 ID:fzZfB/Fv0
―中学校


和「…え!?告白された!?」

唯「しーっ!声が大きいよ和ちゃん…」

和「ご、ごめん…それで唯はなんて…?」

唯「もちろん断ったよ」

和「そう…でもなんで?」

唯「だって私は和ちゃんが好きなんだもん」

和「……え?」

19: 2009/08/27(木) 03:24:08.85 ID:fzZfB/Fv0
>>17
ありがとう
今日も朝まで頑張るよ


和「あっそうか…友達としてよね…うん」

唯「違うよ。本当に好きなの」

和「…あまりからかわないでよ」

唯「からかってなんかいないよ!和ちゃん…私と付き合って下さい!」

和「………」

唯「…ダメ?」

和「……え?」

21: 2009/08/27(木) 03:26:17.85 ID:fzZfB/Fv0
和「…本当に?」

唯「本当」

和「…嘘じゃない?」

唯「嘘じゃないよ」

和「………」

唯「………」

和「………」

唯「…それで、返事は?」

和「……え?」

22: 2009/08/27(木) 03:29:30.54 ID:fzZfB/Fv0
唯「返事、聞かせてほしいなぁ…」

和「………」

唯「………」

和「…わかったわ。付き合いましょうか」

唯「ほんと!?やった~!和ちゃん大好き!」

和「…ひとつ聞いていいかしら?いつから私のことを?」

唯「幼稚園」

和(なら今までの好きってそういう意味だったのか…)

23: 2009/08/27(木) 03:35:06.33 ID:fzZfB/Fv0
唯「和ちゃんはいつから私のことを?」

和「え…?」

唯「だって和ちゃんも私の事が好きだからOKしてくれたんだよね?」

和「…そうよ」

和(…本当にそうなのかな?)

唯「ならいつからなの?」

和「…わからない」

唯「え~?どうして~?」

和「さぁね。でもこれから付き合うんだから前のことなんかいいでしょ?」

唯「う~ん…そうかな?」

和「そうよ」

24: 2009/08/27(木) 03:42:29.85 ID:fzZfB/Fv0
月日は流れて―


和「唯!迎えに来たわよ!」

唯「ちょっと待っててー!」

和「たく…これじゃ入学式の日に遅刻じゃない」

憂「おはようございます和さん、桜高の制服似合ってますね」

和「憂ちゃんおはよう、でもこの制服ぶかぶかなの」

憂「そうですか、でもすぐにちょうど良くなりますよ」

和「そうかしら…ありがとう憂ちゃん」

和(…ん?ちょうど良くなるって…ふとる的な意味で…?)

唯「ごめん和ちゃん!おまたせ~」

和「遅いわよ唯、遅刻しちゃうわ」

25: 2009/08/27(木) 03:48:26.18 ID:fzZfB/Fv0
私と唯はあれからずっと付き合っていた。でも、恋人らしいことは一つもすることなく、これじゃ前と何も変わらない。

普通恋人ならキスとかは当たり前なんだろうか?…でも、私と唯がキスって…


和「ありえない…」

唯「確かに…こんなに部活のチラシもらったって邪魔なだけだよ」

和「…どこかに…あった!」ポイッ

唯「えぇ!?それ全部捨てちゃうの!?」

和「だって邪魔なだけじゃない」

唯「なら和ちゃんは部活どこにするか決めたの?」

和「私は部活なんてしないわよ。唯は何かするの?」

28: 2009/08/27(木) 03:55:24.94 ID:fzZfB/Fv0
唯「うーん…まだだけど…」

和「何かしたいことは?」

唯「特に…でもせっかくの高校生なんだもん!何かしたいよねー」

和「…唯の得意なことは?」

唯「…ない。私運動音痴だし、文化系のクラブも良く分からないし…」

和「はぁ…こうやってニートが出来上がっていくのね…」

唯「部活してないだけでニート!?…でもそれなら和ちゃんだって同じじゃん」

和「うっ…!」

29: 2009/08/27(木) 03:59:42.02 ID:fzZfB/Fv0
―数日後


唯「和ちゃん!部活決まったよ!」

和「へぇ、どの部?」

唯「とりあえず軽音部ってところに入部してみることにしました!」

和「唯って楽器弾けたの?」

唯「うん!カスタネット!」

和「……え?」

30: 2009/08/27(木) 04:05:01.53 ID:fzZfB/Fv0
―さらに数日後


和「えっ!?本当に軽音部に入ったんだ!?」

唯「うん!ギター弾くことになったよ」

和「唯が…ギター?」

和「………」

和(…想像できない)

唯「…なにか失礼なこと考えてるでしょ」

和「そ、そんなことないわよ?ならギター買うんだ?」

唯「うん。5000円くらいで帰るよね」

和「……え?」

32: 2009/08/27(木) 04:09:12.19 ID:fzZfB/Fv0
―さらに数日後


和「唯、今日も一緒に帰りましょう」

唯「あ、ごめーん。今日はどうしても部活に行かなくちゃいけないんだ」

和「そ…そうなんだ…なら仕方ないね」

唯「うん。ごめんね?」

和「いいのよ。早く行ってらっしゃい」

唯「うん!行ってきまーす」

和「………」

和「…今日は一人で帰ろう」

34: 2009/08/27(木) 04:14:13.39 ID:fzZfB/Fv0
―次の日


和「唯!今日こそ一緒に…」

唯「ごめん!今日はみんなでギター買いに行くんだ」

和「みんな…?」

唯「そうだよ。軽音部のみんな!」

和「…そう」

唯「…?どうしたの和ちゃん?」

和「…なんでもないわよ。早く行けば?」

唯「和ちゃん?」

和「早く行きなよ。みんなが待ってるんでしょ」

唯「…うん。それじゃ、行ってくるね…」

和「………」

和「……帰ろう」

36: 2009/08/27(木) 04:21:20.07 ID:fzZfB/Fv0
―また次の日


唯「和ちゃん、昨日はごめんね…」

和「…なんのこと?」

唯「昨日和ちゃんのこと怒らせちゃったみたいだし…私馬鹿だから何したか覚えてなくて…」

和「………」

唯「だから…ごめんなさい!」

和「…なにいってるの、唯は何もしてないわよ」

唯「…でも昨日和ちゃんが怒ってたのは私のせいじゃ…?」

和「怒ってなんかいないわよ。気のせいだって」

唯「ほんと?」

和「ほんとだよ。それより今日は一緒に帰れそう?」

唯「うん!大丈夫だよ」

38: 2009/08/27(木) 04:28:46.65 ID:fzZfB/Fv0

―放課後


和「唯、それじゃ帰りましょうか」

唯「………」

和「唯?」

唯「…ごめん和ちゃん!やっぱり今日も一緒に帰れそうにない!」

和「え…どうして?約束したでしょ」

39: 2009/08/27(木) 04:32:05.15 ID:fzZfB/Fv0
唯「それが…今日は買ったギターをみんなに見せる日だったんだ…」

和(また「みんな」…みんなみんなって、そんなに唯はその「みんな」が大事なの…?)

唯「だから…ごめんなさい!」

和「…私との約束は?」

唯「…ごめん」

和「…はぁ、もういいわ。先に帰るわね」

唯「…ごめん」

和「………」

41: 2009/08/27(木) 04:39:03.58 ID:fzZfB/Fv0
―次の日


唯「和ちゃん…昨日は約束破ってごめん」

和「…今日もみんなの所に行くんでしょ?」

唯「うん…ごめん…」

和「いいわよ…謝らなくたって」

唯「うん…それじゃ行ってくるね」

和「………」

和「…そろそろ中間テストよね、図書室で勉強していこう」

42: 2009/08/27(木) 04:45:08.92 ID:fzZfB/Fv0
和「勉強してたらすっかり遅くなっちゃった…」

和(唯はもう帰ったのかしら…?最近ずっと一緒に帰ってないなぁ…」

和「…寂しい」

唯「和ちゃーん!」

和「…唯?」

唯「今帰りなの?一緒に帰ろう!」

和「…えぇ、いいわよ」

43: 2009/08/27(木) 04:53:34.77 ID:fzZfB/Fv0
唯「今日は途中からだけど一緒に帰れるね」

和「…そうね」

唯「…ごめんね、最近一緒に帰れなくて…本当にごめん」

和「…こっちこそごめん。最近唯に嫌な態度とってばっかりで」

唯「………」

和「私ね…寂しかったんだ。唯と一緒に帰れないのが…私よりみんなのとこに行くのが…」

唯「…何言ってるの。私と和ちゃんは恋人なんだからみんなとは違うよ」

和「…ほんと?」

唯「うん!その証拠に…」チュッ

和「…!」

唯「…今はまだほっぺだけど、そのうち口に…ね?」

63: 2009/08/27(木) 14:45:04.58 ID:fzZfB/Fv0
支援ありがとうです
続き書きます

66: 2009/08/27(木) 15:08:46.93 ID:fzZfB/Fv0
それからの唯は、なるべく私の為に時間を作ってくれるようになった。

キスは相変らずまだだけど、それでも私は唯と一緒にいれることがすごくうれしくて…

この関係がずっと続くなら私はこのままでもいいと思っていた。

でも…

67: 2009/08/27(木) 15:15:44.18 ID:fzZfB/Fv0
―数カ月後 生徒会室


唯「こんにちわー」

和「あら、唯じゃない」

唯「あ、和ちゃん!」

律「だれ?唯の知り合い?」

唯「そうだよ。恋人なんだ」

律「ふ~ん…って、えぇ!?」

和「こんにちわ、真鍋和です」

律「…本当に…唯の恋人なの?」

和「そうだけど…?」

69: 2009/08/27(木) 15:20:02.47 ID:fzZfB/Fv0
澪「………」

律「…そうなんだ」

唯「うん♪」

澪「…私、先に帰るね」

律「澪!待てよ、おい!…くそ」

唯「澪ちゃんどうしたのかな?」

和「…それで、何の用?」

律「あ、ああ…、部活のことなんだけど…」

71: 2009/08/27(木) 15:26:22.21 ID:fzZfB/Fv0
―数日後


和「唯ー、今日は部活あるの?」

唯「今日はないよ…」

和「そう、なら一緒に…」

唯「ねえ和ちゃん…私達…別れよっか…」

和「……え?」

73: 2009/08/27(木) 15:28:38.17 ID:fzZfB/Fv0
和「そんな…どうして!?」

唯「………」

和「ねぇ!どうしてなの!?」

唯「………」

和「なんとか言ってよ!ねぇ!」

唯「…ごめん」

和「…そんな…」

77: 2009/08/27(木) 15:33:47.56 ID:fzZfB/Fv0
和「…私のこと…嫌いになったの?」

唯「………」

和「ねぇ、私のどこがいけなかったの?ちゃんと治すから…だから…」

唯「…もう、疲れちゃった…」

和「そんな…酷いよ…」グスッ

唯「…本当にごめん」

和「…!」ダッ

唯「あ!和ちゃん…」

唯「…ごめんなさい、和ちゃん…」ポロポロ

79: 2009/08/27(木) 15:39:49.06 ID:fzZfB/Fv0
―帰り道


和「………」トボトボ

…どうしてこうなった。私と唯は昨日までずっと仲が良かったじゃないか。
この関係がずっと続くと思っていたのに…どうして…


次の日から、私は唯と話さなくなった。

83: 2009/08/27(木) 15:44:27.35 ID:fzZfB/Fv0
―教室


和「…さて、帰ろうかしら」

がらっ

澪「唯ー、一緒に部室行こう」

唯「澪ちゃん…いいよ。行こう」

和「あ…」

ぴしゃん

和「…そっか…そういうことか」

和(…唯には別に好きな人が出来たんだ…)

84: 2009/08/27(木) 15:48:32.47 ID:fzZfB/Fv0
それから月日はあっという間に過ぎ、気がつけば私達は進級していた。


和「あ…澪…」

澪「和…同じクラスになったんだな…」

和「…そうみたいね」

澪「…まぁ、これからよろしくな」

和「………」

87: 2009/08/27(木) 15:58:02.96 ID:fzZfB/Fv0
―昼休み


澪「なぁ和、一緒にお昼食べないか?」

和「…いいわよ」

澪は話してみると意外と気さくで、それにとてもしっかりしている人だということが分かった。
なるほど…、これなら唯が好きになるのもわかる気がする。
こんな嫉妬深くてダメな私より、澪の方が全然いいものね…。

そしてだいぶ打ち解けてきた頃、私はあのことについて聞いてみることにした…。

和「ねぇ澪…一つ聞きたいんだけど…」

澪「どうした?」

和「…澪と唯って、付き合ってるの…?」

澪「……うん」

88: 2009/08/27(木) 16:08:31.88 ID:fzZfB/Fv0
和「…そうなんだ」

澪「うん…ごめん」

和「そんな…謝らないでよ」

澪「でも…唯と和はずっと…」

和「…いいのよ、もう前のことなんだもの」

澪「…ありがとう」

和「それより、二人のことを聞かせてよ」

澪「…うん!唯のやつな…」

私はこの時、唯のことを諦められた気がした。
いつまでも前のことに囚われてちゃいけない。今は唯と澪のことを応援してあげなくちゃ。
…でも、やっぱり少しだけ寂しい…。

澪「~でさ、……和」

和「ん?どうしたの?」

澪「どうして泣いてるの…?」

92: 2009/08/27(木) 16:16:29.08 ID:fzZfB/Fv0
和「…泣いてる?私が…?」

目元を指で拭う。すると、少し暖かいものが指につく。
…私は泣いていた。

和「…本当だ。私…泣いてたんだ」

澪「…ごめん、やっぱり唯のことで…」

和「違うわよ!…ちが…」

それ以上は否定できなかった。どうして?
私は唯のことを諦めた筈なのに…、今は澪と付き合っている筈なのに…
わかっている…筈なのに…

和「……ち…が…」ポロポロ

涙が止まらない。

93: 2009/08/27(木) 16:22:44.52 ID:fzZfB/Fv0
澪「和…」

澪が私を心配そうな目でみつめている。
私にはそれが同情されている様に思えて…
自分があまりにも哀れに思えて我慢ならなかった。

和「…私…ちょっとお手洗いに行ってくるね…」

澪「…うん、本当にごめん…」


和「………」ポロポロ

こんな泣き顔、唯に見せられないな…。
唯のことだからきっと、こんな私を見たら…

唯「…和ちゃん、泣いてるの?」

101: 2009/08/27(木) 16:36:18.37 ID:fzZfB/Fv0
和「…!唯…」

気がつくと、唯が私の前に立っていた。
とても心配そうな顔で私を見つめている。

唯「どうして泣いてるの…?」

和「な、泣いてなんか…!」

私は制服の袖で目元をごしごしと擦った。
唯に泣いているところを見られてはいけない、唯を守れなくなるとあの日誓ったから。
でも、今の唯を守るのは私の役目ではない、澪の役目だ…。

唯「なにかあったの…?」

唯はまだ私を心配そうな顔で見つめている。
その顔を見たら、やっぱり唯の前では泣けないなと改めて思った。

和「…なんでもないわよ。目にゴミが入っただけ」

唯「嘘つかないでよ…どんなゴミが入ったらそんなに涙が出るの?」

和「うっ…それは…」

正論だ。

111: 2009/08/27(木) 17:49:06.47 ID:fzZfB/Fv0
再開


和「とにかく…なんでもないのよ」

唯「…どうして隠し事するの?」

和「別に隠してる訳じゃ…」

唯「嘘だよ!お願いだよ和ちゃん…話してよ…」

和「………」

唯が今度は泣きそうな顔をして私を見る。
そんなに心配するなら…最初から別れようなんて言わないでよ…

和「…なんでも、ないのよ」

唯「でも…!」

和「なんでもないって言ってるでしょ!!!」

113: 2009/08/27(木) 17:59:00.84 ID:fzZfB/Fv0
唯「ひっ…!」ビクッ!

和「あ……ごめん…」

唯「………」

和「…もう、私達二度と話さないほうがいいわ…お互いの為に…」

唯「………」

和「それじゃ…さようなら…」

…本当にこれで良かったのだろうか。
いや、いいんだ。どのみち唯も私も…もう昔のようには戻れないから。
それなら…会わないほうがずっといい。

和「……唯」ポロポロ

私はまた、泣いていた。

118: 2009/08/27(木) 18:27:49.77 ID:fzZfB/Fv0
和「それじゃ…さようなら…」

まって…行かないで和ちゃん…
私、まだ和ちゃんに言いたいことがあるのに…

唯「…まっ…て…」

…だめだ、うまく言葉が発せない。
私はまだ和ちゃんにちゃんと謝っていないんだよ。

唯「お願い…まって…」

和ちゃんとの距離が、徐々に開いていく。
ここで引き止めなければ、私は和ちゃんとまた話す機会を失ってしまう。
大きな声で呼びとめなきゃ…

唯「和ちゃん…まって…!」

…やっぱり大きな声がでないよ…どうして?
多分、私はあのことに罪悪感を感じているから…
和ちゃんに責められるのが怖いから…

…そして、和ちゃんは私の前から消えてしまった。

121: 2009/08/27(木) 18:32:38.61 ID:fzZfB/Fv0
―部室

がちゃっ

唯「…お邪魔します」

梓「唯先輩、遅かったですね」

澪「…唯、和のことなんだけど…」

唯「…和ちゃんがどうしたの?」

澪「…私、和に唯と付き合ってるって嘘ついちゃったんだ」

125: 2009/08/27(木) 18:38:06.54 ID:fzZfB/Fv0
ちょっと家の家事しながら書いてるんでかなり遅くなります

唯「…え?なんでそんな嘘を?」

澪「………」

唯「どうして!?」

澪「…ごめんなさい」ポロポロ

唯「だからどうしてそんな嘘を…」

律「唯…私の話を聞いてくれないか?」

135: 2009/08/27(木) 19:09:06.97 ID:fzZfB/Fv0
ごめんなさい終わりました


唯「話ってなに…?」

律「…ここじゃなんだ、帰りに私の家で三人で話そう」

唯「わかったよ…」

律「それじゃ今日はもうお終いだ。唯、澪、行こうぜ」

唯「うん…」

澪「……わかった」

がちゃっ ばたん

紬「………」

梓「………」

紬「…私達も帰りましょう」

梓「…はい、そうですね」

137: 2009/08/27(木) 19:16:29.63 ID:fzZfB/Fv0
―律の家


唯「それで、話って…?」

澪「………」

律「…実はな、澪は唯のことが好きなんだよ」

唯「え…?本当なの澪ちゃん…?」

澪「うん…」

唯「そうなんだ…」

律「…あとはお前が言うんだ、澪」

澪「ありがとう律…、唯…私と付き合ってくれ!」

138: 2009/08/27(木) 19:26:08.58 ID:fzZfB/Fv0
唯「………」

澪「…初めて部室で会ったときからずっと気になっていたんだ」

澪「どうにかして付き合いたいって…そう思っていた」

澪「でも…お前が和と付き合ってるって言った時、私は無理なんだなって思ったんだ…」

澪「だから唯と和が別れたって聞いた時…私はすごく嬉しかったんだよ。…こんなこと言ってごめん」

律「………」

澪「でも私は、唯に告白する訳でもなくずっと今日まで過ごしてきた…ふられるのが怖かったから…」

澪「…だけどそれも今日でお終いだ、私は逃げない」

澪「唯、もう一度言う!…私と付き合ってくれ!」

唯「…すこし、考えさせて…」

139: 2009/08/27(木) 19:34:12.29 ID:fzZfB/Fv0
澪「…返事、待ってるから」


私はそれから、家で告白のことについて考えていた。
澪ちゃんのことは確かに好きだけど、でも私が本当に好きなのは…

でもダメだ、あの時私は和ちゃんよりも部活を選んでしまったんだから。
今更よりを戻そうなんてそんな都合のいいこと…出来るわけがない。

唯「ふぅ…どうすればいいのかな、ギー太…」

ギー太「………」

ギー太は返事をしてくれない。当たり前か…。
私はもう一度ため息をついた。

prrrrrrr…

唯「…電話?誰からだろう?」

141: 2009/08/27(木) 19:48:09.79 ID:fzZfB/Fv0
唯「…はい、もしもし…」

律「…唯、今大丈夫か?」

唯「りっちゃん?どうしたの?」

律「…実は私、唯に謝りたいことがあって」

唯「謝りたいこと…?」

律「ああ、私が部活と恋人…どっちを取るかって言ったことだ」

唯「………」

確かあの時は、りっちゃんが部活を疎かにするなら和ちゃんと別れろって言ったんだっけ。
その時私はまだ部活に入りたてで、みんなに迷惑かけちゃいけないと思って…それに、両立させるのに疲れていたから、だから別れたんだ。
…でもそれは、心のどこかで和ちゃんと別れても、私達二人ならきっとまたよりを戻すことができると思っていたから。

…今思えば、私は最低だ。

律「…そのことで謝らせてほしい」

143: 2009/08/27(木) 19:58:08.12 ID:fzZfB/Fv0
律「…実はあの時、私が唯と和が別れるように仕向けたんだ」

唯「え…?」

律「どっちかを選べって言えば、唯は部活を選ぶって信じていたから…」

唯「…どうしてそう思ったの?」

律「見ていたらわかるよ。お前は和と付き合うことに疲れていたんだろ?」

唯「………」

…否定はできない。

律「だから、唯と和が別れてくれれば澪はお前と付き合うことができるって…そう思ったんだ」

唯「…そうなんだ」

144: 2009/08/27(木) 20:06:30.90 ID:fzZfB/Fv0
律「だから…その…ごめん!」

唯「いいよ…謝らないで…」

…悪いのは私の方だ、和ちゃんと付き合ってるって自覚がなかったんだから。
何とかなるって…和ちゃんの気持ちも考えないで、そう一人思いこんでた私が悪いんだよ。

唯「…ひとつ聞いていい?」

律「なんだ…?」

唯「りっちゃんはどうして澪ちゃんの為にそこまで必氏になれるの?」

澪「…さぁ、なんでかな…たださ、あいつは放っておけないんだよ」

唯「…そうなんだ」

…きっと、りっちゃんは澪ちゃんのことが好きなんだ。
なんとなくだけど、そんな気がした。

146: 2009/08/27(木) 20:15:28.12 ID:fzZfB/Fv0
ちょっと出かけます。
30分後に携帯から書きます

ほんとうに申し訳ないです
いっそ頃して下さい

249: 2009/08/28(金) 03:39:33.34 ID:WDW+N7k20
律「ごめんな急にこんな話して…でも、澪のこと真面目に考えてやってくれ」

唯「…うん」

律「じゃあまた明日…おやすみ」

唯「おやすみ…」ピッ

唯「…ふぅ」

…どうしようかな、私は今でも和ちゃんが好きなんだよ…。
でも、和ちゃんとよりを戻すことなどもう出来ない。

それならいっそ…

251: 2009/08/28(金) 03:46:41.80 ID:WDW+N7k20
―次の日


唯「澪ちゃん、ちょっといいかな?」

澪「…どうした?」

唯「昨日のことなんだけど…その…私と付き合ってほしいの」

澪「…え?いいのか!?」

唯「うん、こんなことで嘘なんかつかないよ」

澪「…やった、やったー!」ガバッ

唯「わっ!?急に抱きつかないでよ…びっくりするじゃん」

澪「だって…すごく嬉しいんだもん…」グスッ

唯「…澪ちゃん、これからよろしくね♪」

澪「うん!こちらこそ…よろしくな♪」

唯「………」


…私は、やっぱり最低だ。

253: 2009/08/28(金) 03:53:44.23 ID:WDW+N7k20

それから私と澪ちゃんは付き合うことになり、軽音部のみんなにもそのことを知らせた。

梓「えっ!?唯先輩と澪先輩が…!?」

紬「付き合うですって…?」

澪「あぁ、今日からな。みんなにも知らせとこうと思ってさ!」

唯「そうなんだ~、よろしくね」

紬「まぁまぁ…素晴らしいわ…♪」

梓「驚きました…すごく…」

律「………」

澪「律もありがとな、唯と付き合えたのはお前のお陰だよ!」

律「…え?あ…あぁ!二人とも、仲良くやるんだぞ!」

澪「言われなくても!」

律「…私ちょっとトイレ行ってくるわ!」

258: 2009/08/28(金) 04:04:36.52 ID:WDW+N7k20
和「………」

私は生徒会室に行く為、一人廊下を歩いていた。
そしてトイレの前を通った時、誰かのすすり泣く声を聞いた。

「…寂しいよぉ…えっぐ…」

…この声は…私は知っている。
面影はないくらいに弱々しいが、これは、いつも明るい軽音部の部長の…

和「…どうしたの律?」

律「…え?の…和…?」

和「泣いていたの?」

律「な…泣いてなんか…!」ゴシゴシ

和「嘘おっしゃい、顔がぼろぼろよ」

律「……うわああああん!和ああああ!!!」

262: 2009/08/28(金) 04:12:39.57 ID:WDW+N7k20
律が私に抱きついてくる。私は彼女を胸で受け止めた。

律「ひっぐ…和…」ポロポロ

和「………」

…その体はとても小さくて、普段の彼女からは考えられない程かよわく思えた。
彼女にもこんな一面があったのか…と考えてしまう。

和「…それで、一体何があったのよ?」

律「…澪が唯と付き合うって」グスッ

和「…?前から付き合ってるじゃない」

律「違うよ…それは澪の嘘なんだよ…」

和「え…?じゃあ唯は…」

律「…今まで誰とも付き合ってなかったよ」

263: 2009/08/28(金) 04:26:11.59 ID:WDW+N7k20
和「ちょっと待って…唯が私と別れたのって、澪のことが好きだからじゃ…」

律「…違う、それは私が…」

和「え…?どういうこと…?」

律は私に全て話してくれた。
律が唯を揺さぶったこと、それは律が澪のことを思ってやったこと、なぜなら澪は唯のことを好きだったからということ、
その為に私と唯が別れる方が都合がいいからということ…
そのことを律は全て話してくれた。

和「………」

律「ごめんなさい…ごめんなさい…!」ポロポロ

和「…そんなに怒ってないわよ。謝らないで」

律「でも…私のせいで…!」

和「…もういいのよ、どうせ過ぎたことなんだから」

私は律を責める気など少しもなかった。
…なぜなら、あの時の唯の「疲れた」というのは唯の本心だと知っているからだ。
なのに律を責めたところで一体何になるのか。
私達はどのみち、別れる運命だったのだろうから…。

265: 2009/08/28(金) 04:41:13.37 ID:WDW+N7k20
和「それより、律はどうして泣いていたの?」

律「唯と澪が付き合うって聞いて…それで…」ポロポロ

和「…あなた、澪が好きだったのね」

律「…そうなのかな?私は澪が唯と付き合えるならそれでいいって思ってたのに…今は嫌だよ…」

和「それが、律が澪を好きだってことなのよ」

律「…そうなのかもしれない。澪ぉ…寂しいよぉ…うわああああん!!!」ポロポロ

和「………」

…律と私は同じなんだ。本当に好きなのに、相手に直接自分の本当の気持ちを伝えられない。
それは、私達が素直じゃないから。

私は、急に律が自分のことの様に感じられた。
そして、優しくその体を抱いてあげた。

律「和……」

和「あなたは私と…同じね」

268: 2009/08/28(金) 04:57:14.48 ID:WDW+N7k20
律「………」

和「………」

私達はしばらくお互いの体を抱き合っていた。
こうすることで、お互いの弱い部分を埋めあえる…そんな気がしたからだ。
やがて律も大分落ち着いてきたらしく、私から体を離した。

和「どう、落ち着いた?」

律「うん、ありがとう和…」

和「どういたしまして、あなたはこれからどうするの?」

律「…どうもしないよ、澪のことはもういいんだ」

和「…そう」

どうやら律は澪のことを諦められたらしい。
なぜならその眼には悲しみがもう宿っていないから。
律は強いんだな…私は未だに心のどこかで唯を諦め切れないでいるのに…

和「なら私は生徒会室に行くわ…それじゃあね」

律「あ…和!…どうもありがとう」ニコッ

律がはにかんで笑う。私はそのしぐさに少しドキッとしてしまった。
少し火照った顔を隠すように、私はトイレを後にした。

269: 2009/08/28(金) 05:05:00.23 ID:WDW+N7k20
それからというもの、律は何かと私に懐く様になった。
最初は澪と唯が付き合ってる為、律も結局は寂しいのかと思っていたのだが…

律「の~ど~か~!」

和「………」

律「和ー!なんで無視すんだよー?」

和「…ちょっと、あまりべたべたしないでよ」

律「いいじゃん別に!腕組むくらいさー」

和「…はぁ、まあいいわよ…」

…どうやらそれだけじゃない気がする。
どうしてこんなに急に懐く様になったんだ?

271: 2009/08/28(金) 05:09:54.75 ID:WDW+N7k20
―次の日

律「和ー!一緒に帰ろうぜー!」

和「…まぁいいわよ」

―また次の日

律「和ー!一緒にトイレ行こうぜー!」

和「ちょっと!そんなこと大きな声で言うことじゃないでしょ!」

―またまた次の日

律「和ー!えへへ…ぎゅー!」ぎゅっ

和「…抱きつかないで、周りが見てるでしょ」

―またまたまた次の日

律「和ー!えへへ…ちゅー♪」

和「ちょっと!顔を近づけないでよ!」

274: 2009/08/28(金) 05:18:42.40 ID:WDW+N7k20
…やっぱりおかしい、何がって全体的にだ。最初はただのスキンシップだと思っていたことが徐々にエスカレートしていっている。
そもそも友達にキスを求めるなんて普通じゃない。キスっていうのは普通は好きな人と…………ん?
………まさか律って、私のことが…?

そう考え事をしていた時、いつもの様に勢いよく教室の扉が開かれる。
この開け方だけで誰だかわかる……間違いない、これは……

律「和ー!一緒に帰ろうぜー!」

和「………」

律「…?どうしたんだよそんな顔して?」

和「…いや、私も大分わかってきたんだなって」

律「なにがだよ?」

和「いや、なんでもないわ…それより一緒に帰りましょうか」

律「おう!」

277: 2009/08/28(金) 05:36:19.88 ID:WDW+N7k20

いつもと同じ帰り道、私達はいつものように二人並んで歩いていた。
だが、いつもと違うことが一つ…それはいつも騒がしい律があまり喋らないことだ。
一体何かあったのだろうか?さっきまではあんなに騒がしかったのに…

和「………」

律「………」

…気まずい。何か話しかけなきゃ…どんな話題でもいい何かないか…?
私が話題のことで考えていると、代わりに律が口を開いた。

律「…なぁ和」

和「な、なに?」

律「…驚かないで聞いてくれるか?」

律がいつになく真剣な表情をしている。
…いや、この類の顔は前に見た。

和「どうしたの?そんな真剣な顔をして」

律「大事なことなんだ…実はさ…」

律「私…和のことが好きなんだよ」

280: 2009/08/28(金) 05:51:14.64 ID:WDW+N7k20
…やっぱりそうだったんだ。
私の予想は当たっていた。

和「…そう」

律「あまり驚かないね」

和「だって、そんな気がしていたから」

律「…そうなんだ、でさ…私と、その…付き合ってくれ!」

唯『和ちゃん…私と付き合って下さい!』

和「……!」

一瞬、律の姿が昔の唯とだぶった。あの時の唯は本気で私のことが好きだったんだろう。でも今は…
…もし私が律と付き合うとしてもうまくいきっこない、最後にはお互いに悲しい思いをしなくちゃいけない…私にはそれだけはわかった。
だって、私はそれを体験しているんだから。

和「…ごめんなさい」

律「…!どうして…?」

和「………」

律「なんとか言ってくれよ!」

和「…ごめんなさい」

…まるで私は、あの時の唯じゃないか。

282: 2009/08/28(金) 06:23:16.28 ID:WDW+N7k20
律「…わかった、もういいよ」グスッ

律があの時と同じようなとても悲しい顔をする…今にも泣きだしそうだ。
それだけ今の律には私の存在が大きかったのだろう。前の澪と同じくらいに。

律「私…先に帰るな…」

律は今にも零れ落ちそうな涙を隠すように、私に背を向け走り出した。
私はそれを黙ってみている…これでいいんだと自分に言い聞かせながら…

……本当に?本当にこれでいいのか?次は誰が律を救ってあげられる?
今ここで私が律を追いかけてあげなくちゃ…律は誰にも頼れないで、一人でまた…

284: 2009/08/28(金) 06:28:48.12 ID:WDW+N7k20
和「律ー!」

私は気がつくと律を追いかけていた。
遠すぎて律が霞んで見えるが、徐々にその姿が明らかになっていく。
もう少し…あと少しで追いつける…!

和「とまって律!お願い!」

律「………!」

…私の声が聞こえたのか、律はその場に立ち止った。
そして私は律に追いつくことができた。

和「はぁ…はぁ…!律…さっきの話なんだけど…」

律「………」

和「…律?」

律は私に目もくれず、ただ遠くをずっと見ている。その顔は少し悲しんでいる様に見えた。
律は何をそんなに見ているのだろうか?私は気になり、律の視線の先に目をやった…そこで私が見たものは

和「…!そ…んな…」

律の視線の先、そこにはお互いの口を重ね合う…澪と唯の姿があった。

To be continued!

385: 2009/08/28(金) 23:32:58.45 ID:WDW+N7k20
>>384
了解です
書きだめてないんであい変わらず遅いですけど頑張ります

399: 2009/08/28(金) 23:55:16.13 ID:WDW+N7k20
私達二人はいつものように並んで帰り道を歩いていた。
まぁ付き合っているんだから一緒に帰るのは当然だろう。

唯「………」

澪「………」

…なんだか今日の澪ちゃんは静かだ、いつもなら色々と話を聞かせてくれるのに。
何か悩みごとでもあるのかな?私は聞いてみることにした。

唯「…ねぇ澪ちゃん、今日はなんだかあまり喋らないね」

澪「…そうかな?」

唯「うん、何か悩みごと?」

澪「…なぁ唯、その…キス、しないか?」

403: 2009/08/29(土) 00:09:26.06 ID:zvgbirWz0

唯「…え?キス…?」

澪「うん…私達さ、その…付き合ってるんだし」

唯「………」

そんなこと急に言われても、私はなんて答えればいいんだろう。
私は和ちゃんともキスなんてしたことないんだし…
でも、恋人同士なら普通はすることなんだよね。なら私はちゃんと澪ちゃんの恋人だっていう自覚を持たなくちゃ…
それじゃないとまた和ちゃんの二の舞になってしまう、それだけは嫌だ…
なら答えは一つしかないだろう。

澪「…やっぱり駄目?」

唯「…わかった、いいよ」

405: 2009/08/29(土) 00:23:46.11 ID:zvgbirWz0
澪「本当か!?…なら目を閉じて…」

唯「こう、かな…?」スッ

辺りが真っ暗になる。目を閉じているんだから当然だ。
それでも、澪ちゃんの顔が徐々に近づいてくるのがわかる。

澪「それじゃ…いくぞ…」

唯「うん…」

徐々に徐々に、顔が近付いてくる。
その距離は、私の唇に澪ちゃんの吐息がかかるまでに縮まった。
そして…

澪「ん…」

唯「…む…」

私は初めてのキスをした。

407: 2009/08/29(土) 00:34:33.77 ID:zvgbirWz0
キスには、一瞬を永遠に変える魔法の力があると昔どこかで聞いた。
その頃の私はそんなのある訳がないと馬鹿にしていたっけ。

澪「………」

唯「………」

でもその話は本当だった。私達は一体どれだけの時間、お互いの唇を重ね合っているのだろう。
1分?それとも1時間?…そう思えてしまうほどにキスにはとてつもない魔力があった。
まるで夢を見ている様な感覚、この時間が永遠に続けばいい…そう思っていた時

「…いやあああああああああああ!!!」

誰かの叫び声によって私の夢は覚めてしまう。

415: 2009/08/29(土) 00:54:43.10 ID:zvgbirWz0
俺はNANAを推奨したい
だれか書いてくれよぅ


私は和に涙を見せたくなくて一気に走りだした。
どこでもいい、今は和に惨めな私を見られたくない。

律「くそ…くそ…!」

とにかく我武者羅に走った。後ろからは和の私を呼びとめる声が聞こえる。
でも止まらない。今止まれば和は私に慰めの言葉をかけるのだろうから。…そんなのはごめんだ。
私は更に足を速く動かそうとする…だが、そうすることができなくなってしまった。
なぜなら、私は見てしまったから…

律「………!」

唯「………」

澪「………」

私が向かおうとしていた先で、唯と澪はキスをしていた。

422: 2009/08/29(土) 01:10:22.59 ID:zvgbirWz0

二人は長い時間唇を重ね合っている。
…私は澪を諦めた筈だ。それなのに…なんでこんなに悲しい気持ちになるんだろう。
私が二人を見つめていると、後ろから和が声をかけてきた。

和「はぁ…はぁ…!律…さっきの話なんだけど…」

律「………」

私は何も答えられなかった。
あの二人に気を取られていたから。

和「…律?」

和が私の様子がおかしいことに気づき、私の視線の先を見る。
…そして私は、和の壊れてしまう音を聞いた。

和「…!そ…んな…」

和「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…こんなのいや…」

律「………」

和「…いやあああああああああああ!!!」

426: 2009/08/29(土) 01:27:26.71 ID:zvgbirWz0
和の叫び声で私は、はっと我に帰る。

和「いやああ…」

和は地面に膝をつき、涙を流しながら震えていた。
…まるで全てを否定するかのように。
私は和と同じ目線まで下がり、和を落ち着かすように話しかけた。

律「和!しっかりしろ…!」

和「いや…いやぁ…」

律「和…」

…こんな和は初めて見た。いつもの和からは考えられない。
とりあえず私は和を優しく抱いてあげることにした。いつか和がしてくれたように…

和「いやだ…唯…」

律「大丈夫だから…落ち着けよ」

それでも和の震えは止まらない。やはり私では役不足なのか…?
…だめだ私、弱気になるな。今の和を救うのは私の役目だ。

唯「りっちゃーん!」

唯が向こうから駆けてくる。澪はその後ろ姿を悲しそうな顔で見つめていた。

429: 2009/08/29(土) 01:44:59.84 ID:zvgbirWz0
唯「りっちゃん!一体…」

律「くるんじゃねぇ!!!」

唯「っ!」ビクッ

私は咄嗟に唯に叫んだ。
唯は一瞬驚き、その場に立ち止まる。

律「…来るんじゃねぇよ」

唯「でも…!和ちゃんが…」

律「うるせぇ!!!…お前には関係ねぇよ」

唯「どうして…?好きな人を心配して何が悪いの!?」

澪「…!」

澪が驚いた後、悲しい表情をする。
その顔は前に、唯と和が付き合ってると聞いたときの…私の見たくない顔だ。

律「お前は澪が好きなんだろ!?なら和のことはお前には関係ないだろうが!!!」

唯「…違う。私は今でも和ちゃんが好きなの!」

澪「…うぅ…ひっぐ…」ポロポロ

435: 2009/08/29(土) 01:53:17.85 ID:zvgbirWz0
…澪は等々泣きだしてしまった。
こいつは私の大事な友達を気づ付けたんだ…
絶対に許せない。

律「てめぇ…!ならさっき澪としていたことはなんだよ!?」

唯「それは…」

律「言ってみろよ!」

唯「…キスだよ」

律「わかってんじゃねぇか!ならお前は澪の気持ちを弄んだんだぞ!」

唯「ちが…!」

律「違わないだろ!!!」

唯「………」

律「…とにかくだ、お前には和を心配する資格なんてないんだよ」

唯「…ふざけないでよ」

444: 2009/08/29(土) 02:13:35.82 ID:zvgbirWz0

律「はぁ…?」

唯「ふざけないでって言ってるの!!!」

唯が今までに聞いたこともないような大声で私に叫ぶ。
私はそれに圧倒され、しばらく言い返せないでいた。

唯「さっきから聞いていれば何なの?まるで自分だけは悪くないような言い方してさぁ…」

律「わ、私の何が悪いって言うんだよ…?」

唯「ふぅん…自分のしたことも覚えてないんだ…」

唯が厭らしい笑みを含めて、私を見下すように眺める。
こんな唯…初めて見た…
私は背筋に何か寒いものが走る感覚を覚えた。

律「だから何を…!」

唯「…わからないなら教えてあげるよ、私と和ちゃんが別れる原因を作ったのは誰だっけ?」

律「私のせいだって言いたいのか…?」

唯「そうだよ!りっちゃんがあんなことを言わなければこんな事にはならなかった!」

447: 2009/08/29(土) 02:26:40.28 ID:zvgbirWz0
律「違う!」

唯「違わないよ!和ちゃんをそんな風にしたのはりっちゃんだよ!」

律「ちが…う…!」

なぜ私は反論できない?やはり心のどこかでそのことに罪悪感を持っているから?

唯「あなたがあの時あんなことを言わなければ、私と和ちゃんは幸せだった!」

律「でもっ!あの時お前は疲れたって…!」

そうだ。唯は確かにそう言っていた。
なら私のせいじゃない。

448: 2009/08/29(土) 02:30:22.24 ID:zvgbirWz0
唯「…確かにそういったよ、でもね…私はそれでもがんばって両立させていこうって思ってたんだ!それなのに…」

やめろやめてくれ。確かにあの時は私が悪かったよ…でも唯だって許してくれたじゃないか。
それなのに今更…

唯「あなたがそんなことを言うから全てが狂いだした、そうでしょ?」

ちがうちがうちがう…私は悪くない…悪いのはお前だ…
すべてお前が悪いんだ私は悪くない悪くない…悪いのは平沢唯……お前だ

律「………」

唯「どうしたの?本当のことだから言い返せない?」

…黙れ…今すぐその汚い口を塞イデヤル

唯「あはははははは!!!惨めだねぇ♪

律「………うわあああああ!!!!」







451: 2009/08/29(土) 02:47:30.57 ID:zvgbirWz0
和「唯…ゆい…」

律「和…全部終わったよ、もう帰ろう」

和はまだうずくまって震えていた。唯の名前を何度も呼びながら。
私はそっと和に手を差し出し、和の手を優しく引いてあげる。

和「唯…ゆい…」

律「………」

以前澪に言われたことがあったっけ、私はカチューシャを外すと唯に似ていると。
そのことを思い出した私は、カチューシャを外し前髪を下ろした。

律「和ちゃん…一緒に帰ろう?」

和「唯…?ゆい…!私…寂しかったんだよ?」

律「和ちゃん…もうどこにも行かないから安心して」

452: 2009/08/29(土) 02:50:03.72 ID:zvgbirWz0
和「うん!ねぇ唯、前みたいに一緒に手をつないで帰ろう?」

律「いいよ、一緒に帰ろう!」

今の私はあまりにも惨めだ。好きな人の傍に居たいが為に、好きな人に成り済ましているんだから。
なぁ澪、今の私は滑稽かい?でも、これしかないんだよ。和は唯に依存しているんだから、私にはこれしか方法がないんだ。

律「じゃぁな澪…」

和「澪がどうかしたの?」

律「なんでもないよ、それより早く帰ろう♪」

和「うん!」

私達は手をつないで仲良く歩きだす。街頭が私達の影を伸ばした。
その影の中、二人は私達の背中を黙って見つめていた。


~バッドエンド~

456: 2009/08/29(土) 03:07:15.46 ID:zvgbirWz0
実はこれが最初に思い描いてたエンドです。
次はハッピー行きます

かなり戻るけどいいね?
それじゃあ…いくよ!


いつものように帰り道を歩いていた私達、しかしいつもと違うことがおきた。
それは…

澪「なぁ唯、キスしてもいいか?」

唯「…え?」

澪ちゃんがキスを迫ってきたことだった。恥ずかしい話だが私達は一度も手をつないだことがない。
それなのにいきなりキスだなんて…順序が違うんじゃないか?
私があれこれと考えていると澪ちゃんが私の肩を掴み、真剣な表情で見つめてきた。

澪「…私さ、唯のことが本当に好きなんだ。でも時々唯は和のことを考えてるよな」

唯「それは…」

…確かにそうだ、実のところ澪ちゃんと付き合ったのだって和ちゃんのことを忘れたいからだ。
でも私はそれで初めて気がつく、私は何があっても和ちゃんの隣にずっといたいって。

457: 2009/08/29(土) 03:19:56.44 ID:zvgbirWz0
澪「…私が好きならキスをしよう、でも和が好きなら…私は諦める」

唯「………」

澪「さぁ、選んでくれ」

なんて言えばいいんだろう。私は自分の為に澪ちゃんを利用したんだよ?
それなのに今更和ちゃんがいいだなんて…それはあまりにも自分勝手すぎる。
私はどうすれば…

唯「………」

澪「…ははっ!唯は本当に分かりやすいな!」

唯「え…?」

澪「わかったよ、私と別れよう唯」

458: 2009/08/29(土) 03:36:28.58 ID:zvgbirWz0
唯「私まだ何もいってないよ…?」

澪「それでもわかるよ、お前は顔にすぐ出るからな。それに…」

澪「唯は私の大好きな人なんだ…考えてることぐらいすぐにわかるさ!」

唯「……!」

澪ちゃんは目に涙を溜めながら笑っていた。その笑顔は誰が見たって作り笑いだと分かるほどに痛々しくて…
私はこんなにも愛されていたんだと改めて思い知ることになる。
それなのに私は自分のことばかりで…一度も澪ちゃんと向き合ったこともないじゃないか。
そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになり、気づけば私は泣いていた。

唯「…ごめんなさい、ごめんなさい!」ポロポロ

澪「泣くなよ、私は唯に笑っていてほしいんだから」

462: 2009/08/29(土) 03:59:30.97 ID:zvgbirWz0


澪「ほら、早く和の所に行ってやれよ」

唯「…うん、ありがとう澪ちゃん」

澪「いいよ、和と仲良くな」

唯「わかった!そうだ澪ちゃん」

澪「ん?なん…」

私はそっと澪ちゃんに口づけした。
私たちが付き合っていたことには変わりはない。これが私なりの恋人に対する最後のケジメだ。

澪「な…なななな…!」

唯「今までどうもありがとう、これからも澪ちゃんのことは大好きだよ!」

澪「…それが恋人に対しての言葉ならどんなに良かっただろうな」

463: 2009/08/29(土) 04:15:37.61 ID:zvgbirWz0
律「私…和のことが好きなんだよ」

…そうだろうと思っていた。今までの律の態度を見れば誰だってわかる。
でも私は、今でも唯のことが好きなんだ。

律「だから…その…私と付き合って下さい!」

和「…ごめんなさい」

律「…わかったよ、あ~!やっぱり駄目だったか!」

和「随分あっさりしてるわね?」

律「…告白する前からさ、こうなるだろうなぁとは思ってたんだよ」

和「どうして?」

律「だってさ、和は今でも唯のことが好きなんだよな」

和「それは…」

どうして分かったんだろう。そんなに私の考えてることはわかりやすいのだろうか?

律「とか考えてるだろ?」

和「うっ…」

…図星だ。

465: 2009/08/29(土) 04:25:33.66 ID:zvgbirWz0
律「くっ…あはははは!和はわかりやすいなぁ!」

和「悪かったわね…わかりやすくて」

律「でも和の考えてることが分かるのは、多分私と唯だけだろうな」

和「えっ?」

律「だってさ、私達は和のことが好きなんだから。好きな人の気持ちはなんとなく分かるよ」

和「でも、私には唯の気持ちがわからなかった…」

律「それはさ、和が唯のことをちゃんと見ようとしなかったからだよ」

和「………」

たしかにそうかもしれない。私は今まで唯をちゃんと見ようとしたことなどなかった。
だから私達は別れたんだろう。いつも自分のことばかりで、あの時唯のことをもっと考えてあげていたら…

律「とか考えてるんだろ?」

和「うっ…」

…図星だ。

467: 2009/08/29(土) 04:36:32.91 ID:zvgbirWz0
律「…とにかくだ、今すぐ唯のところへ行ってやれよ」

和「でも律は…」

律「私はいいんだよ。無理してまで一緒にいてほしくない、好きな人にはいつも笑っていてほしいからな!」ニコッ

和「……!」

…今わかった。あの日、律を抱きしめたときから私達はお互い救いあってきたんだ。
それはお互いの弱い部分を埋めあったから、私は今もこうして律に救われている。

和「ありがとう律…、大好きよ」

律「はは…なんだか照れくさいな」

和「ねぇ律…」

律「なんだ…よ…」

私は律の体を優しく抱いてあげた。あの日と同じように。

468: 2009/08/29(土) 04:43:24.30 ID:zvgbirWz0
和「無理しないで…、最後ぐらいは甘えていいのよ?」

律「最後って…嫌な言い方するなよ…」

和「………」

律「…和…ありがとう…大好きだよぉ…!」ポロポロ

和「私も大好きよ…律」

律「うん…!」

律の体温が私の体に伝わる。もちろん私の体温も伝わっているだろう。
私達はもう大丈夫。だって、全て埋めあえたんだから。

470: 2009/08/29(土) 04:51:07.82 ID:zvgbirWz0
律「…もうそろそろいけよ、唯が待ってるぞ」

和「えぇ…それじゃ…」

律「あ…和!」

和「なに?」

律「私達さ…これからも友達だよな?」

和「…違うわ。私達は親友よ」

律「親友か…、へへっそうだな!ほら行ってこいよ、私の親友!」

和「言われなくても行ってくるわよ」

私は駆けだした、唯を探す為に。




唯「じゃぁ行ってくるよ!」

澪「おう、和と仲良くな」

唯「うん!言われなくても大丈夫!」

私は駆けだした。和ちゃんを探す為に。

471: 2009/08/29(土) 04:57:01.49 ID:zvgbirWz0
和「唯…!唯…!」

唯はどこにいるんだろう?居場所などわからない、ただあそこに行けば唯に会える気がした。
私は走る。あの場所を目指して。




唯「和ちゃん…!」

和ちゃんはどこにいるのかな?居場所なんてわからない、ただあの場所に行けば和ちゃんに会える、そんな気がした。
私は走る。あの場所を目指して。

472: 2009/08/29(土) 05:04:32.91 ID:zvgbirWz0
和「唯!」

…返事は帰ってこない。ならここは違ったのか?
唯が他にいる場所、あとは家…?
とにかく無駄足を踏んでしまった。早く唯に会いに行かなくちゃ、
あって私の気持ちを伝えなくちゃ。
私が踵を返したその時

唯「和ちゃん!」

私の探していた人が目の前に現れた。

473: 2009/08/29(土) 05:10:33.09 ID:zvgbirWz0
和「唯…、なんであんたもここに?」

唯「あんたもって、和ちゃんも私のことを?」

和「えぇ、ここに来れば唯に会える気がしたから」

唯「なんだ、私もだよ」

和「そうなの、私達って考えることは同じね」

唯「うん♪だって幼馴染だもん」

和「…ねぇ唯、話があるの」

唯「私もだよ…」

474: 2009/08/29(土) 05:17:57.74 ID:zvgbirWz0
和「私から言うわね、私今まで唯の気持ちをあまり考えたことがなかった」

唯「…それは私もだよ、和ちゃんなら別れたってまたやり直せるって思ってた、でもそれこそが和ちゃんを思ってなかった証拠」

和「…私達、またやり直せるかしら」

唯「うん、やり直せるよ。私はやり直したい…」

和「私も…やり直したい…!また唯と一緒に手をつないで歩きたいよ…!」ポロポロ

唯「なんだぁ…和ちゃんも同じこと考えてたんだね…よかった…!」ポロポロ

477: 2009/08/29(土) 05:28:59.22 ID:zvgbirWz0
唯「和ちゃん…もう一度言うね?私と…」

和「私からも言わせて…唯、私と…」

唯和「付き合って下さい!」

和「…返事は?」

唯「言うまでもないでしょ、和ちゃんは?」

和「言うまでもないわ」

唯「あはは、私達両思いだね♪」

和「えぇ…本当のね」

中学の時の唯の告白、あの時の私の返事はとても簡単なものだった。
それは、付き合うっていうことが良く分かっていなかったから。
それと、唯のことをずっと昔から好きだったから。その頃の好きと今の好きでは全然違う。
私は今、唯が大好きなんだから。だから今私は付き合うことの意味をちゃんと理解できる。
そう、だってこれが付き合うってことなんだから。

478: 2009/08/29(土) 05:35:35.87 ID:zvgbirWz0
唯「そういえば、どうして和ちゃんは私がここにいると思ったの?」

和「さぁ、どうしてでしょうね。そういう唯は?」

唯「私もわかんないや、でもここにいるって思ったんだ」

和「そう、でも驚くわよね。私達別れたところでまた付き合うんだから」

唯「そうだね、これって運命なのかもよ?」

和「この教室が?それとも私達?」

唯「両方だよ、運命が重なったんだよ」

和「そういうものなのかしら?」

唯「そうだよ、さぁ和ちゃん一緒に帰ろう」

和「えぇ、そろそろ帰りましょうか」

479: 2009/08/29(土) 05:48:30.52 ID:zvgbirWz0
私達は久しぶりに手をつないで帰った。
唯の手の温もりが懐かしい。
この温もりを毎日感じていた頃の私は、いつも唯に甘えていたっけ。

唯「えへへ♪和ちゃんと手を繋げて嬉しいなぁ」

和「私もよ、ねぇ唯…」

唯「なぁに?」

和「私はこの手を二度と話さないから…唯も離さないでね?」

あの頃と同じで私はまた唯に甘えている。
でもこの関係も悪くないよね、唯。

唯「もちろんだよ♪」

…私は今も唯に依存している。
この依存症は決して治ることはないだろう。



和「唯依存症」     ~おしまい~

483: 2009/08/29(土) 05:55:09.74 ID:zvgbirWz0
以上です。やっぱりハッピーエンドはいいですね。
今回も前の律の記憶喪失の話みたいにあっさり終わらすつもりだったんですがかなりgdgdになってしまいました。
地の文とか全然書いたことなかったんで、かなり時間もかかってしまいましたし
それと、ここまで読んでくれた方々、保守してくださった方々本当にありがとうございました、次は書きだめてきます。

ではおやすみなさいノシ

484: 2009/08/29(土) 06:03:10.34 ID:PXXevbOo0
おつかれっした!
おやすみっす…あれ?朝日が眩しい…

485: 2009/08/29(土) 06:14:22.22 ID:kUcTwiaVO
乙!!!

引用元: 和「唯依存症」