1: 2017/06/27(火) 14:46:33.98 ID:QXMFgZkdo
短め。
百合なしことまきです。

2: 2017/06/27(火) 14:51:40.27 ID:QXMFgZkdo
真姫(青空を白い雲がゆっくり流れていく)

真姫(屋上は穏やかだけど、上空ではきっと強い風が吹いてるから、雲はそれに流されてる・・・)

真姫(本来雲ってどう動きたいと思ってるのかしら・・・)

ことり「真姫ちゃん♪」

真姫(・・・振り向かなくてもわかる。どうせことりだもの)

ことり「そんなところで寝転んでたら制服汚れちゃうよ?」

真姫(いったいことりは何回こうやって構ってくるのかしら。私がここでサボってると決まってやってくる)

3: 2017/06/27(火) 14:56:49.51 ID:QXMFgZkdo
ことり「空なんて見てないでことりを見てよ~」ヒョイッ

真姫「邪魔よ。空が見えないじゃない」

ことり「やっとしゃべってくれた♪ おはよう」

真姫「授業に出てくれば?」

ことり「真姫ちゃんは空なんて眺めてなにを考えていたの?」

真姫「・・・」ハァ

真姫「雲の気持ちよ」

ことり「雲の・・・気持ち? 真姫ちゃんって変わった子だね」

真姫(いちいちうるさいわね・・・)

4: 2017/06/27(火) 15:01:11.35 ID:QXMFgZkdo
ことり「雲の気持ちはどうだったの? 『楽しい~』って言ってた?」

真姫「なによそれ・・・ただ、雲はどこに行きたいんだろうって思っただけ」

ことり「え?」

真姫「雲って風に流されて移動してるわけでしょ? もし風がなかったら雲は本来どこに行きたいのかしら」

ことり「雲は風がないと動けないよ。逆に風がないと雲は動けないし」

真姫「ことりは早く授業に戻りなさい。みんな心配してるわよ」

ことり「大丈夫! しんどそうに教室を出たから」

5: 2017/06/27(火) 15:05:59.97 ID:QXMFgZkdo
真姫「・・・理事長の娘なのに」

ことり「真姫ちゃんこそ医者の娘でしょ?」

真姫「医者はいいの」

ことり「じゃあ理事長もいい」

真姫「意味わかんない」

ことり「真姫ちゃんから言い出したのに・・・ことりはそれに合わせただけだよ? 真姫ちゃんはなんでいっつも授業をサボるの?」

真姫「そんなの退屈だからに決まってるでしょ。何回聞くのよ」

ことり「何回かって言われるとちょっと答えられないなぁ。でも、少なくとも一ヶ月はこんなことしてるよね」

6: 2017/06/27(火) 15:10:49.80 ID:QXMFgZkdo
真姫「勉強は大丈夫なの?」

ことり「サボるのはこの時間くらいだしね。それに優しい同い年の家庭教師さんがいるから」

真姫「海未にチクろうかしら」

ことり「そうすると自動的に真姫ちゃんのサボりもバレちゃうよ?」

真姫「フッ、別にいいわ。海未なんて怖くないし」

ことり「じゃあ今日辺り海未ちゃんに話すね」

真姫「ちょっと待って。お話をしましょ?」

ことり「ふふふ、真姫ちゃんって素直じゃないね。海未ちゃんなんて誰だって怖いよ」

真姫「だ、だから別に怖くなんか・・・」

7: 2017/06/27(火) 15:14:44.98 ID:QXMFgZkdo
ことり「ことり真姫ちゃんがサボる理由知ってるよ」

真姫「・・・」

ことり「親の敷いたレールには従いたくないってやつでしょ? ロックな感じでことりは好きだな」

真姫「まあね。ことりはその辺どうなのかしら」

ことり「どうなんだろう。ことりは教師にならないといけないわけじゃないし」

8: 2017/06/27(火) 15:18:16.98 ID:QXMFgZkdo
真姫「この学校はどうするのよ」

ことり「だって残ってるかもあやしいでしょ」

真姫「理事長の娘のセリフかしら」

ことり「ほら! ここでは娘とか言うの禁止!」

真姫「はいはい。ここは逃避場所だものね」

ことり「うん♪ 親の期待なんてクソくらえ~っ♪ ってね」

9: 2017/06/27(火) 15:22:16.40 ID:QXMFgZkdo
真姫「私はサボりたくてここにいるけど、ことりは私に付き合ってるんでしょ? 申し訳ないから戻りなさいよ」

ことり「ことりは付き合いたくてここにいるの。真姫ちゃんが戻るならことりもそうする」

真姫「放っておいて」

ことり「それが放っておけないのです。非行少女を正しい道に戻すのが理事長の娘の役目なんです」

真姫「なんかもう言ってることめちゃくちゃね」

ことり「細かいことなんてどうでもいいのです」

10: 2017/06/27(火) 15:26:20.50 ID:QXMFgZkdo
ガラッ

ことまき「!?」

教師「お前たち! 今は授業中だぞ!」

ことり「ま、真姫ちゃんヤバいよぉ。どうしよう・・・」ギュッ

真姫「な、なんで手繋ぐのよ・・・ヤバいのは私だって一緒よ」

ことり「頭のいい真姫ちゃんならなにか言い訳考えてよぉ・・・」

真姫「わかったわ。こうするのよ」ボソボソ

ことり「え?」

11: 2017/06/27(火) 15:30:08.81 ID:QXMFgZkdo
教師「こら! お前たち授業をサボっていたんだな!」

ことまき「・・・」セーノ

ことまき「ごめんなさいっ!」

真姫(素直に謝ればきっと許してくれるわ)

ことり(でもこれって結局サボったこと認めちゃってるよね・・・)

教師「素直に謝ったから今回だけは見逃してやる。早く戻りなさい」

ことり(ウソ、ホントに許してくれた・・・)
 
真姫(サボってたのは今回だけじゃないけどね・・・)

12: 2017/06/27(火) 15:33:31.96 ID:QXMFgZkdo
ことり「先生は怖かったけど、真姫ちゃんと話せて楽しかったよ」

真姫「ひとりでいたかったのに」

ことり「でも先生にバレたからこれからはサボれないね」

真姫「サボる場所なんていくらでもあるわ」

ことり「マッキーを探せっ! ってやつだ」

真姫「探さなくていいわよ。今度こそひとりを満喫するんだから」

ことり「ことりが必ず見つけて、ひとりになんてさせないんだからね!」

真姫「勝手にしなさい」

13: 2017/06/27(火) 15:36:04.33 ID:QXMFgZkdo
ことり「一年の教室はこの下だね。また部室で会おうね。バイバイ」

真姫「ええ。さようなら」

真姫(窓越しに雲が見える。やっぱりどこかに流されていく。地上はこんなに静かなのに)

真姫(でも、雲はひとつじゃない。みんなと一緒に流れているのなら、退屈はしないのかも・・・)

真姫(なんて)

真姫(・・・どう言い訳して教室に戻ろうかしら・・・始業する前に出てきちゃったから)

真姫(だめだ、教室入れないんだけど!)ガーン

14: 2017/06/27(火) 15:40:15.68 ID:QXMFgZkdo
おしまいです。

お読みいただきありがとうございました。

多々悪いところがあって、申し訳ないです。

16: 2017/06/28(水) 11:20:33.38 ID:ArS2vlxq0

こういうの好き

引用元: 真姫「サボり学生」