1: 2014/01/18(土) 22:36:43.95 ID:rATqq5XY0
前編→【モバマス】battle for mobap~戦闘中~【戦闘中】(前編)

前作→【モバマス】run for mobap~逃走中~【逃走中】

・ソーシャルゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」と、テレビ番組「逃走中」の派生シリーズ「戦闘中」のコラボ作品です。また、その他諸々のパロディが入っております。

・こちらは後編となりますので、気になった方は↑の前編を先にご覧ください。

5: 2014/01/18(土) 22:52:06.27 ID:rATqq5XY0

-前川みくが指令1に挑戦しているのは、わずか数分間のこと。しかし、それでも決して戦闘中の動きが止まっている時ではない。

むしろ、残り時間半分を前にして、他のプレイヤー達の動きは本当の『START』だと言わんばかりに、活性化していく……


no title




まゆ「ふふ♪」


-自分以外は全て、敵だ。



battle of MobaP ~戦闘中~ (後編)

3: 2014/01/18(土) 22:40:38.16 ID:rATqq5XY0
【前編に関するお詫び】

・最後に残り時間2時間となっておりますが、残り時間は1時間半の間違いです。(10時から11時半まで)

・作中のゲームマネー【Mm】ですが、20万Mmだったり20Mmだったりと、万単位が抜けているケースが多々ありました。ただしくは、全て万単位です。


 もしも前回からご覧の方がおられましたら、申し訳ありませんでした。気を付けて頑張ります!



7: 2014/01/18(土) 22:56:23.24 ID:rATqq5XY0

AM9:55(残り95分) 城下町本町・北の橋付近


愛梨「どこいこっか、かな子ちゃん」

かな子「うーん、そうだね……」

-コンビを組んだ十時愛梨と三村かな子、学校の帰り道を歩くように、のんびりと北の橋を西へ、本町へと進む。

 しかし、このポイントにはハンターが待ち構えている」。


まゆ「……っ」ダッ


-前回の雪辱を誓う、佐久間まゆだ。


愛梨「ほえ?」

かな子「まゆちゃん!!」


まゆ「ふっ!」ヒュッ


-接近しながら、迷いなく放たれたバトルボール。スピードはそれほどでもないがコントロールはよく、不意を突いた一撃。


愛梨「わっ!?」ドテッ

-しかし、当たらない。


かな子「わあ!?」ドテテンッ!

-佐久間まゆがバトルボールを投げつける、その動作に驚いて足をすべらせて後を歩くかな子を巻き込んでこける、まさかのドジ。

 しかし、それがバトルボールを2人ともに回避させていた! 初代シンデレラガール、流石の幸運……いや、天然か。


まゆ「くっ!?」

-バトルボールを1つ失い、佐久間まゆ、瞬時に切り替えて北の橋から撤退。


かな子「! お、追うよ、愛梨ちゃん! まゆちゃん、ボールがなくなったから倒せるチャンスだよ! まゆちゃんを倒せることなんて、そんなにないから!」ダッ

愛梨「え? あ、うん!」ダッ


-一転して、今度は2人がハンターとなり、道の細い町屋の裏道へ逃げる佐久間まゆを追跡。決して2人の足は速い方ではないが、佐久間まゆの足は……『遅い』



11: 2014/01/18(土) 23:09:56.98 ID:rATqq5XY0
no title



愛梨「あ、通れなくなってる~♪」

かな子(やった、追い詰めた!)


-追いついて、追い詰めたことに、勝ちを意識しても無理はない。


まゆ「……うふ」クルッ

2人「!?」


-佐久間まゆがバトルボールを3つ持っていて、その一部をどこに隠しているかを、2人は知る由もないのだから。



愛梨「え、えいっ!」ポンッ

-それでも、狭い場所に追い込んだのは間違いなく、今度は素早い判断を見せた十時愛梨がバトルボールをスロー。しかし、それはスピードもスローで、難なく佐久間まゆが身体をひねって回避。これでバトルボールの数は、2対1。


かな子「う、うう……」ジリジリ

愛梨「あわわっ」ジリ、ジリ

まゆ「うふふ♪」ジリジリ


-少しずつ距離を詰める佐久間まゆに、後ずさる十時愛梨と三村かな子。優位が一瞬で変わり、それぞれがタイミングを計る。いつ、誰が、どう……倒し、倒されるのかを。


愛梨「……あっ」コケッ

-そこで、また十時愛梨が後ろにこける! 今度は三村かな子を巻き込まずに、1人だけで。

 先程は幸運を呼んだが、続かないのが、幸運だ。


まゆ「フッ!」ビュッ!

かな子「っ!」ブンッ!

-両手利きの佐久間まゆ、十時愛梨のミスに乗じ、左手のバトルボールを迷うことなく投げつける。そして、それにつられるように三村かな子もスローイング。


まゆ「あ!」

愛梨「ひゃっ」



 ボンッ、ボフンッ




13: 2014/01/18(土) 23:14:14.87 ID:rATqq5XY0

-ほぼ同時、2つの鈍い衝撃音が響く……1つ目は、三村かな子の投げたバトルボールを思わずガードした佐久間まゆ、その右手にあったボールが弾かれた音。


愛梨「あ……」

-そしてもう1つは、ボールを投げながら十時愛梨の前に出た三村かな子に、佐久間まゆのバトルボールが当たる音だった。

 鈍く、低く……ボフンっと。拍子抜けするほどに、小気味よく『腹が、揺れた』。



まゆ「……っ」プルプル

愛梨「……っ」プルプル

各カメラマン「……っ」プルプル


―――

運営スタッフ「……っ」プルプル

テレビ局P「……っ」プルプル

モバP「……っ」プルプル

ちひろ(ナレーション)「……っ」プルプル

―――


-フフ  絶対に、笑ってはいけない。それが、2人のプレイヤーとスタッフの動きを止める!


かな子「ま……『まだあるよ』!//////」

まゆ・愛梨「!」


-気付いたのは、ほぼ同時。近いのは……愛梨だ。


愛梨「えいっ」

まゆ「きゃっ!」


 パシッ


-三村かな子に当たって、地面に落ちていたバトルボールを拾い上げ、即座に投げつける……十時愛梨のボールにスピードも威力もないが、コントロールはよかった。

 避けるか自分も足元のボールをとるかで判断に迷った佐久間まゆ、身体の中央めがけて飛んできたボールを結局は避けきれずに、右腕をかすめてしまった。


まゆ「あ、ああ……」

愛梨「や、やったぁ。やったよ、かな」

-難敵の撃破、十時愛梨は喜んで駆け寄ろうとしたが、三村かな子は……


かな子「う、うーん……」

-お腹を抱えて、うずくまっていた。


愛梨「……産まれるの?」

かな子「泣くよ愛梨ちゃん!? けっこう痛いんだよ、あのボール!!」


14: 2014/01/18(土) 23:17:19.47 ID:rATqq5XY0

-十時愛梨、良くも悪くも、マイペース。だが、それが重要な場面での勝利を生み出し、多くの人に好かれる魅力という力か。


愛梨「じょ、冗談だよ。ごめんね、かな子ちゃん。私をかばって、代わりに……駄目だなぁ、私。お姉さんなのに」

かな子「もう……いいよ、愛梨ちゃん。それに、最初のボールの時は私を助けてくれたよ?」

愛梨「あれ、そうだっけぇ?」

かな子「そうなの、フフ……あとは頑張ってね、愛梨ちゃん。私の分も」

愛梨「うん! 優勝したらPさんと一緒にお菓子いっぱい、作って食べよーね♪」

かな子「おっけー☆」

愛梨「あ、フレちゃんだ!」


 エヘヘ、アハハハハ!


まゆ「そ、そんなぁ……Pさぁん」グスッ

愛梨「もちろん、まゆちゃんも♪」

まゆ「え?」

愛梨「お菓子食べようよ、ね♪ Pさんや皆と一緒に、楽しんじゃおう! 優勝したら、何でもいう事聞いてもらえるからねぇ~♪」

まゆ「……フフ、愛梨さん。とても、お優しいですねぇ。では、その時は私も呼んで下さいね?」

愛梨「うん!」

まゆ「絶対、に……ねぇ?」

愛梨「う、うん!」

かな子(ああ、愛梨ちゃんもまゆちゃんにロックされた……)



-三村かな子・佐久間まゆ、アウト(残り9名)
 十時愛梨、資金60万Mmとバトルボール3つゲット(最初に佐久間まゆが投げたバトルボールは、小早川に落ちて紛失)


16: 2014/01/18(土) 23:19:30.99 ID:rATqq5XY0
◎残り1時間半 プレイヤー状況


十時 愛梨=資金80万Mm・バトルボール4個
姫川 友紀=資金45万Mm・バトルボール2個
片桐 早苗=資金40万Mm・バトルボール1個
成宮 由愛=資金20万Mm・バトルボール1個・盾
新田 美波=資金20万Mm・バトルボール1個
緒方智絵里=資金20万Mm・バトルボール0個
塩見 周子=資金20万Mm・バトルボール0個
前川 みく=資金15万Mm・バトルボール1個・盾 ☆御神体(携帯電話)所持
輿水 幸子=資金15万Mm・バトルボール0個・盾


【残り1時間半 状況図】

no title






18: 2014/01/18(土) 23:24:15.42 ID:rATqq5XY0
AM10:04(残り86分) 城下町本町・東南部町屋の路地


母・茄子「ただいま~♪」

智絵里「あ、お帰りなさい」

子供達 薫・莉嘉・千佳・舞『おかあさーん!!』ドタドタ

茄子「はーい、茄子お母さんですよ~。ふふ、お利口さんにしてた?」

薫・莉嘉・千佳・舞『うん!!!!』ニコッ

智絵里「は、はは……」ホッ


-1人動きがほとんど見えなかった、緒方智絵里。実は、9時過ぎにこの場所を訪れたのだが、出会った町屋の住人・茄子より、急用でしばらく留守にするので子供たちの面倒を見てほしいと頼まれ、義理堅くも約1時間、茄子の帰りを子供たちと遊びながら、待っていたのだった。


茄子「あらあら、本当かしら~? ごめんなさいね、あなた。急にP……ケホン、主人に、職場まで届け物を頼まれちゃって♪」

智絵里「……そう、ですか」ムゥッ

茄子「あらら、おこ? おこなの? なーんて、フフ。そんなあなたには、はいこれ。茄子の幸せお裾分け~」

智絵里「え……これって、『忍引換券』って書いて、ます!」

茄子「帰りにちょっと問屋さんに寄ったら、福引をしていてね。1等賞がその引換券だったの。私には使い道が分からないけれど、あなたの様な服装をしている人には価値があるって、問屋の大将さんが言っていたけれど?」

智絵里「はい、本当に……ありがとうございます!」

智絵里(これで、私も……戦えるよね)

薫「おかあさーん、舞ちゃんがおっOいほしいって~♪」アハハ

舞「そ、そんな事言ってないでしょ////// そんな子供じゃないもん!!」モウッ!

茄子「ほら、すぐ喧嘩しなーいの。それじゃあね、お世話してくれてありがとう」

子供達『ありがとー、おねえちゃん!!!!』

智絵里「あ、いえ……こちらこそ、です。それじゃ……」スタスタ

-緒方智絵里、バトルアンドロイド・忍の引換券を獲得。よろず屋で忍を手に入れれば、形勢は大きく変わる!


智絵里(……)ピタッ


智絵里「あの」クルッ

茄子「?」

智絵里「……茄子さんの、幸せのプレゼント、本当に嬉しいです。これで私、頑張れます」

茄子「うん、頑張ってね」

智絵里「これで、頑張って、戦って……きっと勝ちます。そうしたら、Pさんと一緒に、私は幸せのクローバーを探す、から……それまでは、借りますね」

茄子「……うん、そうだよね。大事な幸せは、自分の手で掴まないとね♪」


智絵里「……えへへ」

茄子「……ふふふっ」


―――

モバP「……俺、日に日に追い詰められている気がします」

ちひろ「I・MA・SA・RA☆」

モバP「……ちひろぉっ!!」ガタッ

ちひろ「やんのかコラー!!」ガタッ

―――

19: 2014/01/18(土) 23:28:55.11 ID:rATqq5XY0

AM10:07(残り83分) 藤原寺


周子「ただいまーん」

肇「お帰りなさい。御守りはいかがでしたか?」

周子「うん、何か喜んでたよ。お侍さんに色々話しかけられて、ちょっと疲れたけど」

-藤原寺住職・肇より、侍屋敷への使いを頼まれていた塩見周子。無事に目的を果たした様だ。その手には、やや色あせた御守りが握られている。

肇「あら、そうですか? あのお方が初対面の方と、世間話をされるとはお珍しい」

周子「うん、私もそう思った。何か、お殿様に愚痴があるみたいだね~」


(侍・乃々「私がこんな役、むぅーりぃー……早く、終わりたいのに、あなた達いるから帰れない……これもすべては、こんな遊びばかりをする殿様が悪いぃ~」)

2人(ふふっ)


肇「しかし、そうですか。御付け目のお侍様まで……本当に、また、変わってしまった。この双葉の里も、そう長くはないかもしれませんね」

周子(……悪政のお殿様に、苦しむ町民って設定かな?)

周子「まあ、いつの時代も政治って難しそうだからね~。でも、悪い方に変わったって事なら、また良い方にも変わるんじゃない?」

肇「ええ、実際に過去、そういった事はあったのです。先代様の時に。しかし、それも長くは続きませんね。それに、あの時はあの方が……」

周子「ん?」

肇「あ、すいません。お話が長くなっていますね、お忙しいのにお引止めしてしまって」

周子「いいよ、別に。焦っても仕方ないし」

肇「フフ、先程の方もそうですが、あなたも良き心をお持ちの様ですね。そうだ、もしよろしければ、これをお受け取りください」

周子「ん、何かくれるの~? って、これは……笛?」

肇「はい。私が以前、とある方から贈られたものです。この町に、町民達にまた危険や困難が迫った時に吹き鳴らせば、どこからでも救いの手を差し伸べる。そんな奇跡を呼び起こすもの、と伝えられています」

周子「ふーん。そんな大事そうなもの、貰ってもいいの?」

肇「ええ、あなたになら」

周子「ん、じゃあ貰っとくね……ピンチになったら、使えばいいかな?」

肇「……救いがあれば、よいですね」

周子「まあね~♪ それじゃ、頑張りますか」スタスタ

肇「お気をつけて」


周子(うーん、やっぱりちゃんとは教えてくれないか。でも、イベントアイテムっぽいね……とりあえず、ボール買いにいこうかな)


-塩見周子、謎の笛を手に入れ、よろず屋を目指す。


肇「……本当に、現れてくれればいいのですが。また、あの時のように……悪を懲らしめ政を収めてくださった、正義の者が……」


―――

モバP「や、やはり、肇もドラマに、絡んでいたか……」ボロボロ

ちひろ「そうですね!」スッキリ

スタッフ(あの人、強っ)

―――

20: 2014/01/18(土) 23:32:49.67 ID:rATqq5XY0

AM10:10(残り80分) 城下町本町・南西町屋付近


美波「由愛ちゃんって本当に絵が上手だよね。小さな頃から描いているの?」

由愛「はい。小さい頃は絵を見るのが好きで、それから、描くのも好きになって……」

美波「今度、皆の似顔絵を描いてあげたら? 由愛ちゃんの絵、絶対に喜んでくれるよ」

由愛「絵を見られるの、は、恥ずかしいです……けど、頑張ってみようかな。あ、その時は、初めに、美波さんがラクロスしているところ、描いてみたい、かも」

美波「ほんと? 楽しみにしてるね♪ その時は、いつもより頑張っちゃうよ!」

由愛「えへへ」

美波「ふふっ」


-コンビを組んで動く新田美波と成宮由愛、まるで姉妹のような、ほのぼのとした会話だ。

 しかしこのコンビ、まだ戦闘の経験はなく、イベントへも未参加……そろそろ動きがないと、取り残されてしまう。

no title



-戦闘中に必要なのは、戦闘だ。例え、強制的なものでも!



早苗「わおっ」スッ

美波「っ!」スッ

由愛「ひゃっ!?」


-片桐早苗vs新田美波&成宮由夢、開戦!


21: 2014/01/18(土) 23:39:59.93 ID:rATqq5XY0
成宮由夢× → 成宮由愛○ やっちまった、すいやせん。


美波「くっ、いきなりこんな、強い……人っ」ジリジリ

早苗「って、2対1? これは、どうしようかな~」ジリジリ

-言葉とは裏腹に、落ち着いている片桐早苗の目線は、1人をまっすぐに捕らえていた。

由愛「わ、わわ……」

美波「! 由愛ちゃん、盾を!」

-初戦闘に戸惑う、成宮由愛だ。

早苗「甘い!」ブンッ

美波「……んっ!」


 バシッ!


早苗「げっ!?」

由愛「え!?」

-盾も構えられない、無防備な成宮由愛を狙った片桐早苗の鋭いバトルボール。しかし、それは新田美波の腕の中に収まる。自分のボールを捨てながら、素早く成宮由愛の前に出て、その送球を真正面から受け止めたのだ。素早い判断と動き、流石はラクロスで磨かれた身体能力。

 そして戦闘中は、ドッジボール。避けるよりも難しいが、キャッチもありだ。


美波「フッ!」シュッ

早苗「おっと!」スカッ

-お返しとばかりに、新田美波のバトルボールが飛ぶ。鋭いスピードと威力に、片桐早苗は回避するだけで精一杯だ。


早苗「くっ、覚えてなさない美波ちゃん!」タタッ

-そして、新田美波が2つ目を拾って投げる前に北の道へ逃走……元警察官、こちらも判断が早い。


美波「ふぅ。何とか、助かったね」

由愛「ふわ……美波さん、すごいです」

美波「そんなことないよ。必氏だもん、私も初めてだから。いつも運動している分だけ、まだ動けただけだよ。次は由愛ちゃんも大丈夫。ね?」

由愛「は、はい……」

由愛(私、一緒にいるだけで、迷惑かけちゃってる……よ、弱気ダメ。Pさんも見ているし、頑張らないと。今度は私が、美波さんを助ける。今日、もう、助けてもらってるもん)


由愛「が、頑張ります!」

美波「うん、頑張っちゃおう!」

-新田美波、バトルボール1個ゲット。合計2個。


由愛(でも、これ勝てるのって、1人。私、美波さんと……戦うの?)

由愛「ちょっと、怖いな。私なんて……弱いもん」


美波「……」


―――

モバP「僕も、ちひろさんがちょっと怖いです」

ちひろ「そんな恐怖心、エナドリ1本で消し飛びますよ♪」ニコッ

モバP「……くっ!」ギリギリ

―――

22: 2014/01/18(土) 23:42:30.13 ID:rATqq5XY0

AM10:14(残り76分) 食事処・首藤庵


みく「うぃー、ひっく……にゃん」

店主・葵「みくちゃん、飲みすぎっちゃ」

-見世物小屋での指令を失敗し、心身共に大きなダメージを受けた前川みく。隣の首藤庵で、飲んだくれていた(※オレンジジュースです)


みく「ほっといてほしいにゃ。みくは、色々と大きなものを失ってしまったにゃ。与えられたものは、キックと恥ずかしさだけ……散々にゃ~ん」ニャーン ニャーン ニャーン…

葵「困ったお客さんやねぇ。全く、無茶しないように見てあげてね」

ウェイトレス・雪美「……分かった」

みく「うぃ~、そこの子猫ちゃーん。ちょっとこっちに来て、ついでくれにゃーん」

雪美「……にゃあ」(……めんどい)


 プルルル! プルルルル!


みく「もう、何」ピッ


『【特別指令】密告せよ』


みく「にゃ?」


『▽現在、城下町で行われている戦闘中に関して奉行所は警戒心を強めている。そこで、あなたの持っている奉行所に繋がる連携手段を使い、他のプレイヤーの位置・行動情報を奉行所に通報せよ。それにより補導されたプレイヤー1名につき、あなたには報酬として30万Mmが支給される。なお、この指令はあなただけに連絡されており、補導されたプレイヤーは失格となる。この指令は10時30分を期限・終了とする』


みく「……にゃ!?」

雪美「……にゃあ?」


23: 2014/01/18(土) 23:45:23.51 ID:rATqq5XY0

AM10:16(残り74分) よろず屋


智絵里「こ、こんにちは」

店主・ヘレン「いらっしゃい」

智絵里「あ、ヘレンさん……ご、ご苦労様です」


-緒方智絵里、よろず屋に到着。さっそく、茄子より受け取った『忍引換券』を店主・ヘレンに渡しh、本日初めてのバトルアンドロイド・忍が稼働する!


ヘレン「あら、これは……そう、あなたがのあに選ばれた。つまり、そういうことね」

智絵里「??」

ヘレン「では、こちらの2つのボックスを……どちらも、忍が入っているわ。価値は同じ。あなたが、自分で選びなさい」


-店の奥に鎮座している、2つのボックス。どちらも人が立って入れる大きさだが、片方は緒方智絵里とほぼ同じ高さの箱だが、もう片方は20センチ程高い。


智絵里(普通に考えたら、大きい方が、いいよね。でも、テレビ番組だし……ひっかけで、大きい方に……珠美ちゃんとか?)

ヘレン「さあ、どうするのかしら」

智絵里「……お、おっきいのに、します!」

ヘレン「分かったわ」


~バトルアンドロイド・忍(大箱)……稼働~


 プシューッ……





グラハム「ハァーイ♪ キャシー=グラハム、推・参☆」


-箱の中からは、アンドロイド忍・キャシー=グラハム!


智絵里「あ、キャシーちゃん。よ、よろしくね……フフ、オレンジ色の忍装束、似合ってるね」

グラハム「エへへ♪ 智絵里もいつもながら愛おしいねぇ! 今日は忍としてしっかりサポートしちゃうから、ガンバロ! ハイ、ターッチ☆」

智絵里「い、いぇい!」パンッ


-緒方智絵里、さらにバトルボール1個も購入。忍1体とバトルボールを1個獲得し、残り資金は10万Mm。


24: 2014/01/18(土) 23:48:57.71 ID:rATqq5XY0




~その頃、双葉城の地下施設にて……~



杏氏「やっとるかね、博士」コロコロ

博士・アキバ「うむ、問題ない。私にも飴をくれ」

杏氏「えー、嫌じゃ!」

アキバ「せこいこと言うなよ、お殿様。あと、お主いつも同じ羽織物を着ているな。気に入っているのか? それと、髪にも寝癖がついているぞ。トップならもっと身なりにも気を遣え」

杏氏「お主は私の母か! ほれ、飴をやるからおとなしくせーい」ポイッ


-そこは、城郭の中とは思えない、機械的な部品や器具で埋め尽くされた部屋。杏氏や菜々介など、ごく限られたものしか知らぬ……西洋を追われた研究者・ブクロイケ=アキバを招いて軍事技術を研究している、研究室だった。


アキバ「南蛮の者がもってきた、アンドロイド・忍……このデータを使い、かねてより計画していた『人造人間』計画は、一気に進行し……2体も完成した!」コロコロ

杏氏「というか、忍をほぼ丸パクリじゃろ?」

アキバ「言うな! 精神コントロールはこっちの方が上だぞ!」

杏氏「わ、分かったよ……まあ、こっちとしては扱いやすさの方が大事だからね。あれは、気を付けねば使えすぎる。諸星以上にな。特に封印しておる方は……おそろしや」ガクガク

アキバ「ふむ? まあ、実験体の事情は知らぬが、次の『指令』で封印されておらぬ1体を実戦に投入するぞ。その手筈は問題ないか? 確か、あちらへの介入はあと1回だけだろ」

杏氏「ああ、整えておる。今、あちらのものがやっておる『指令』が終われば、今度はこちらの番じゃ。人造人間の調整、それまでに終えておけよ。こちらは準備万端だ」

アキバ「了解。しかし、希羅璃だったか。データを見たが、規格外の身体能力だな」

杏氏「ふふん、だから近衛兵にしておるのじゃ。やらんぞ?」

アキバ「惜しいが、仕方ないか。今の『弱洗脳』状態でも、アンドロイドより強いのではないか? 全く、いいロボットを元よりお持ちなのに、さらに上を欲しがる。強欲な王だ、ハハハ」

杏氏「……ふん、欲を失っては何も残らないさ、父の様に。ああ、それと1つ言っておく」

アキバ「何だ?」

杏氏「……希羅璃は人間。機械と同じ扱いをして、余計な問題を起こすなよ。あと、くれぐれも封印している1体は起こすなよ」スタスタ

アキバ「……了解」フフッ



アキバ「ならば、何故わざわざ洗脳だけするのかね……わがままな王の思考は、分かりかねる。なあ、眠り姫?」


……オオオオオォ……モマセロォ……







―――

モバP「キャシー演技しろー!!」

ちひろ「キャシーちゃんに喋るなという方が無理でしたね。まあ、これはこれで楽しいからよしとして……フフ、杏ちゃん、初めてセリフ変えましたね」

―――

25: 2014/01/18(土) 23:51:30.29 ID:rATqq5XY0
AM10:20(残り70分) 藤原寺付近


早苗「ふぅ、疲れた……あーあ、ボールなくなっちゃった。買いにいかないとね……って、よろず屋どこだっけ? 地図地図っと」バサッ



みく「……」ドニャァ



 ジリリリリ、ジリリリリ……カチャッ


受付嬢・巴『おう、奉行所じゃ』

みく『あ、巴チャンにゃ』

巴『おお、前川の姐さんか。お疲れさんです』

みく『もう、みくでいいのに……あ、違うにゃ。これ、指令の密告電話にゃ! 戦闘中プレイヤーの早苗チャンを藤原寺の前で見つけたにゃ! あぐらかいて地図見てるにゃ』

巴『何やて!? 分かった、すぐにうちの兵回すわ。すまんの! 姉御、姉御―っ!』ガチャッ、ツーツー


みく「あ、もしもし、もしもし!? ……みくは、とんでもない事をしたのかもしれないにゃ。もう、やめことこう」



【一方、その頃……】

幸子「くっ、もう少し……!」プルプル

-輿水幸子、小早川南の橋付近で、川中の岩にひっかかって止まっているバトルボール(まゆが投げて川に流れたもの)を取ろうと、河原から盾と腕を伸ばして奮闘中。

 ちなみに、落ちたら失格である。

幸子「……あっ!」ズルッ


 ドボンッ!


27: 2014/01/18(土) 23:54:42.40 ID:rATqq5XY0
AM10:22(残り68分) よろず屋


周子「それじゃ、おおきに~」

ヘレン「まいど」


-塩見周子、よろず屋でバトルボールを1個獲得。残り資金10万Mm。


愛梨「……うん、いっちゃったね♪」

-その塩見周子がよろず屋を離れていくのをみて、近くで身を潜めていた十時愛梨がよろず屋へと入店する。現在最多の資金を持っている、十時愛梨。戦闘をより優位にすすめる為、武器を購入する様だ。


愛梨「こんにちはぁ」ガラッ

ヘレン「いらっしゃい。ここにきて来店者が増えてきたわね。それだけの流れ……悪くはないわ」

愛梨「あ、ヘレンさーん。忍あります?」

ヘレン「あるわ。これが、一覧表」


◎売買リスト
【販売価格(買取価格)】
 バトルボール   10Mm(買取不可) 在庫:1
 盾        30Mm(15Mm) 在庫:2
 バトルシューター 40Mm(20Mm) 在庫:1
 バックシールド  50Mm(25Mm) 在庫:1
 忍        60Mm(対象外)  在庫:1


愛梨「じゃあ……あ、バトルシューター? これ、パチンコみたいなやつですよねぇ? こっちにしようかなぁ、盾もいいなぁ。でも、お金も残しとかないと」


-ドンドンッ! ドンドンドンッ!


ヘレン「うるさい箱ね」

愛梨「うーん……よし、盾だけ買います。他はもうちょっと考えよ♪」

ヘレン「それがあなたの選択なら、間違いはないでしょう。世界レベルの努力をなさい」


 ……ニンッ……


-十時愛梨、盾を購入。残り資金50万Mm。





AM10:24(残り66分) 藤原寺付近


早苗「さて、場所も分かったし、そろそろ行きましょうか。よっこらせっと」


……ファファン、ファファファ‐ン


早苗「ん?」


 ファンーファファン ブオンオオー ファンファファーンファーンッ!


早苗「こ、この音……バイクのマフラー音!? ここ、江戸の城下町(設定)よね!?」



♪ツッパルコトガオトコオノー タッタヒトツノクンショウ-ダッテ コノムネニ シィンジテイキテキタ~♪
 ファンファンファァーン ファファンファオーンブロロブロォーン!!


29: 2014/01/19(日) 00:00:15.75 ID:5W+b/VxP0
早苗「何なのよ、もう!?」

奉行所員・拓海「見つけたぜ! おう、止めな!」

奉行所員・里奈「おっけ☆」カチッ


-混乱する片桐早苗の前に、真っ白な生地に『奉行所露津苦』と背中に記された特攻服を身にまとった、ママチャリ集団が現れた!(※バイクのマフラー音とBGMはラジカセです)


拓海「よし。あんまりうるさいと、町民に迷惑だからな」

巴「最近はマナーや法律が厳しいからのう」

早苗「本気で何なの!?」

奉行所員・美世「御奉行様!」


町奉行・李衣菜「よし、皆の者……対象をロックにひっ捕らえよー!!」


早苗「えーっ!?」


 キャーッ! ワーッ! ウオーッ! ウッヒョー! ポヨー! チャカヨウイセ-!!


-身体能力に優れる片桐早苗といえど、疲労もある中での多勢に無勢、1分と掛からずにとらえられてしまい……捕獲。


早苗「えー、もう! こんなラスト有り!?」


―片桐早苗、失格(残り8名)

 前川みく、密告成功につき30万Mm獲得。残り資金、45万Mmとなる。(なお、片桐早苗の資金は移動しない)






AM10:26(残り64分) 城下町東町・南の橋付近


幸子「……やっちゃいました」ズーン

-川中でバトルボールを見つけた輿水幸子、苦労の末に何とかバトルボールをゲット。

 しかし、その中で盾を川の中に落としてしまう、痛恨のミス。攻撃の手段を得て、防御の手段を失った。


幸子「うう、盾を売ってボールを買えばよかったです……こうなったら、もう1個ボールを買って攻撃力を上げますか……」トボトボ


―意気消沈しながらも、その足は止まらない。よろず屋を目指して、橋を渡って本町へ……


no title


-その先には、緒方智絵里!


智絵里「あ」

幸子「!」


グラハム「ニンッ☆」シュッ


-忍が先行し、緒方智絵里vs輿水幸子、開戦!

30: 2014/01/19(日) 00:03:53.35 ID:5W+b/VxP0

幸子「え、キャシーさん!? あ、忍に」

グラハム「おりゃっ!」ブンッ


 パシィッ!


智絵里「あ……」

幸子「ぎゃっ!?」ドテッ


グラハム「あ、あちゃ~」

-忍の投げたボールは、逃げ場のない橋の上で戸惑う輿水幸子の『顔面』に、見事ヒット……


グラハム「ご、ごめーん! 大丈夫?」タタッ

幸子「ううう……隙あり!」ブンッ


-つまり、セーフだ!


グラハム「ほっ」パシッ

幸子「!?」

-心配して駆け寄った忍に、輿水幸子、バトルボールを投げつける。だが、こけて体勢の悪い状態で投げられた、威力のないボール。あっさりとキャッチされてしまう……忍の接近を、待ちきれなかったか。


グラハム「甘いデース♪」ヒュッ

幸子「くっ!」


 パシッ


-逆に肉薄され、足元に向かって軽く投げられたボールが、飛び起きる輿水幸子の右足に、かすった。


グラハム「成☆敗! あ、顔に当てちゃってごめんね幸子~。本当に大丈夫?」

幸子「うう……大丈夫です。悔しいけど、負けは負けですね。あーあ……まあ、ボクがカワイイのは何があっても変わりませんけどね!」トヤッ


-強気で勝気な輿水幸子、いつもよりドヤ顔が、弱い。


智絵里「な、なんだか事故みたいな戦いに、なったね。ごめんね、幸子ちゃん」

幸子「もう、いいですよ。それより、このボクに勝ったのだから、最後まで勝ち残って下さいよ! それならボクも満足ですから」

智絵里「うん、頑張るよ」

グラハム「私もね☆」


幸子(……ごめんなさい、美羽ちゃん)


-輿水幸子、アウト(残り7名)

 緒方智絵里、資金15万Mmとバトルボール1個獲得。残り資金25万Mm。



―――

モバP「……え、幸子もう終わり?」

ちひろ「タイキックがピークでしたね」

―――

31: 2014/01/19(日) 00:08:22.31 ID:5W+b/VxP0

AM10:29(残り61分) 城下町本町・北の橋付近


運営の使い・紗南「はい、みくちゃん。ゲームマネーをお届けだよ!」

みく「サンキューにゃ♪」


-片桐早苗を密告により失格として、指令をクリアした前川みく。30万Mmを運営の使いから受け取った。これで、持ち資金としては姫川友紀と並んで、全プレイヤー中2位タイとなる。


紗南「裏ワザやチートの使い過ぎは嫌われるからあんまりやっちゃダメだよ? そんじゃね~!」タタッ

みく「うう、もうやんないにゃ……メールで密告の結果が流れたし、最悪にゃぁ」

-ファンの増減が激しい事で有名な前川みく、何かを得ては何かを失う女なのだろうか。


 プルルルル! プルルルル!


みく「にゃ? あ、10時半になったから、密告期限終了のメールかにゃ」ピッ


『【指令2】闘技場で勝利し、特別な忍を獲得せよ!

▽東の町北の野原にある闘技場にて、参加料20万Mmを払い、特別な戦闘を行う事が出来る。対戦相手は、アウトとなった元プレイヤー。闘技場内のステージにて1対1での戦闘を行い、勝てば2種類の特別な忍【光】【星】のどちらかを獲得できる。なお、元プレイヤーが勝利した場合、プレイヤーはアウトとはならないが、元プレイヤーが戦闘中に復活してしまう。(資金なし・バトルボール1個の状態で、最高2名まで)指令2の終了時刻は、10時45分とする▽』


みく「にゃんと!? 強そうな忍を、20万Mmで……リスクも薄いし、これはいくっきゃないにゃ! 銭ならあるにゃ~!」ダダッ

-前川みく、流石は猫か……ネガティブな思考を切り替え、意気揚々と駆け出していく。偶然にも闘技場の場所は、近くの北の橋を東に渡ればすぐそこにあった。

 そう。とても近く、一瞬で着くからと……油断していた。


no title



みく・友紀『これだ(にゃ)!』


友紀「わっ!?」

みく「げっ!?」


-同じ考え・同じ状況のプレイヤーが、もう1人いた。同じく資金額暫定2位の、姫川友紀だ!


32: 2014/01/19(日) 00:11:12.79 ID:5W+b/VxP0

友紀「みくちゃんか」スッ

みく「友紀チャン」ジリジリ


-共にバトルボールを構えて、距離をとる。姫川友紀はバトルボールを両手に構え、前川みくは右手にバトルボール・左手に盾。その武器の扱いと警戒する動きが示す通りに、お互い戦闘を経験してきている……しかし、動きが硬い。

 それは、今は共に『目的』が違ったからだろう。


みく「……ねえ、友紀チャン。いったん、休戦しないにゃ?」

-先に気付き、言葉を発したのは、前川みく。


友紀「何で?」

みく「友紀チャンも、強い忍が欲しくてきたにゃ? みくも同じにゃ。このままジリジリと、どっちが勝てるかわかんにゃい戦闘で、時間を削らずに……にゃ?」

友紀「……お互いに指令にチャレンジしてから、か。確かに、早苗さんを密告してアウトにしたみくちゃんは怖くて面倒臭そうだなぁ」ニヤニヤ

みく「うっ、それはあまり触れてほしくないにゃ……若気の至り、ついの出来心としてほしいにゃぁ……」

友紀「ああ、ごめんごめん。冗談だってば。私も忍をゲットする方を優先したいよ。仮にみくちゃん倒しても、その後があるからね。ゼロゼロの延長引き分け試合にならない様にも、時間は無駄に消化せず、助っ人を補強したい!」

みく「? それじゃあ、お互いに武器は下ろすにゃ。いいにゃ?」

友紀「……そう見せかけて、私の背中を狙うんだ」

みく「そろそろ泣くにゃ!?」

友紀「アハハ、嘘だって~」


-前川みくの説得もあり、共に武器を下げて一時休戦。そして、並んで闘技場の中へと入っていく。

 この判断が正しいか正しくないかは、すべてこの指令の結果次第となる。



33: 2014/01/19(日) 00:13:23.17 ID:5W+b/VxP0

闘技場受付嬢・忍「お疲れ様で~す。闘技場へ、ようこそ!」

みく「忍チャン、お疲れ様にゃ!」(ちょっとややこしいにゃ)

友紀「お疲れ~。指令のやつ、どうすればいいの?」

忍「えっと、まず持ってる武器は全部置いてチャレンジしてね。闘技場専用のバトルボールを用意するから。あと、この闘技場内ではプレイヤー同士の戦闘を禁止します」

2人『はーい』ポイポイ

忍「それで、今から1人ずつ、この隣の扉をあけて戦闘ステージに入ってもらいます。四角いステージになっていて、真ん中にラインを引いて赤と緑に分けてあるんだけど、みくちゃん達は入ってすぐの赤のゾーンしか動けません。相手は逆に、緑のゾーンしか動けない。それで、専用のバトルボールが自エリア内に4つ設置されているから、それを相手にぶつければ勝ちっと」ペラペラ

友紀「要は、1対1でやる、本物のドッジボールだね」

忍「そう、それのボール多いバージョン! 勝てば忍ゲットで、負ければライバルが復活! あなた達は、負けても失格にはならない。そう、このマニュアルに書いてます!」

みく「言っちゃダメにゃ……でも、ルールはだいたいわかったにゃ!」

忍「それで、どっちからやるの?」

友紀「まあ、ここは人生の後輩に譲ってあげるよ。みくちゃん、頑張っといで」

みく「いいのにゃ? それじゃ先にやったるにゃ!」

友紀(甘い、試合は後攻の方が有利なんだよ……先攻にはない、サヨナラ勝ちがあるからね!)

忍「それじゃ、20万Mm払ってね。それと、対戦相手は誰にするの?」

みく「はい、お金。相手は、そうだにゃぁ……日菜子ちゃんにするにゃ!」

忍「おっけ。それじゃ、ステージへどうぞ~」ギィィ


34: 2014/01/19(日) 00:18:34.94 ID:5W+b/VxP0

【指令2】 第1チャレンジャー/前川みく 対戦相手:喜多日菜子


日菜子「むふふ、チャンスですねぇ~♪ ありがとう、みくちゃん……日菜子、負けません」

みく「これで負けたら、元も子もないにゃ。ボンバーにゃっ!!!」


開始アナウンス・歌鈴『戦闘開始まで、3……2……1……はじにぇ!』プアーッ!


日菜子「むふっ!」

アウウ、マタカンジャイマシタ-!

みく「にゃっ!」

-開始早々、2人はそれぞれのエリアに設置されたバトルボールをとりに走る。ほぼ同じ動き、同じスピード。だが、喜多日菜子は1つをとって中央ラインへ向かうのに対し、前川みくは2つ目のボールを取りに走り続ける。


日菜子「えいっ!」フッ

-その背中に、喜多日菜子が1投目を投げつけた!


みく「フッ! にゃっ!」ヒョイ ブンッ

日菜子「きゃっ!」スカッ

-しかし、それは読んでいた前川みく。走るのをいったん止めてボールを避け、お返しとばかりにバトルボールを投げつける。喜多日菜子、驚きながらも距離があった為に何とか回避成功。


みく「にゃっ!」

-その間にバトルボールの2つ目をゲット。さらに、落ちているバトルボールも拾い上げる。

みく「にゃ、にゃぁっ!」ブンッ ブンッ!

日菜子「むふぅ~っ!!」スカッ、スカッ

-そのままステージ中央ラインまで飛び出し、ボールを取りに戻る喜多日菜子に連続スロー! しかし、喜多日菜子も復活の為に必氏だ。ギリギリのところでステップを刻みボールを回避していく!


みく「むむぅ~しつこいにゃー!」

-興奮する猫、前川。勢いよくステージ端に戻ると、残ったバトルボール2つを取って、すぐさま中央ラインへ駆ける。喜多日菜子は、まだボール1つをとったところ。しかも、緑エリア中央で突っ立っている。鬼気迫る前川みくの勢いに、のまれたか……


日菜子「……むふぅ」

みく「もらった! えい、えいにゃ!!」ブンッ ブンッ

日菜子「……むふ、ふっ♪」スカッ スカッ

-そんな弱い思いで、このステージに立っている訳が、ない。


みく「うっ、また!? もう、何度でも……っ!?」

日菜子「むふふ、むふふふふ……何を、するんですか~?」

-前川みくのエリアに、バトルボールは……ゼロ。全て、喜多日菜子のいる緑のエリアに転がっていた。原因は、自分自身……投げ急ぎ、過ぎた。


日菜子「言いましたよね、日菜子、負けませんって……その為に、考えて動きますよ~」

みく「あわわ、あわわわわ」ガクガク

日菜子「これは、始まる前から日菜子の勝ちでしたね、むふふふぅ♪」


 ニャーッ!(バシィーッ!)


 第1チャレンジャー/前川みく 失敗……20万Mmを失い、残り25万Mm。

 喜多日菜子、プレイヤーとして復活。(残り8名)バトルボール1個獲得。(なお、最初のスタート地点から指令2終了と同時に復活)


35: 2014/01/19(日) 00:21:51.53 ID:5W+b/VxP0
AM10:34(残り56分) 闘技場西・出口付近


みく「ああ、散々だにゃ~」

-戦闘に敗れ、荷物を持って出口より表へと出る前川みく。先程までの勢いはどこへやら、頭と共につけ猫耳もどこか垂れ下がってきている。

 そう、見るからに落ち込んでいる、まるで、全てが終わりのように。

no title



-だが戦闘中は、まだまだ続行中。屋外に出れば、その全てがバトルステージだ。


周子「ほっ!」フッ


 パシンッ!


みく「あ!?」


-闘技場の外、出口のそばで待ち構えていた、塩見周子……前川みくの背後から静かに接近し、すれ違いざまにバトルボールを投げつけ、予期していなかった前川みくの尻に、当たった。


周子「いやぁ、ここまで作戦通りにいくとはねぇ。ごめん、みくちゃん。あとは私が代わりに頑張ってあげる、にゃ♪」

-前川みく、周りが見えないほどに落ち込むには、いくらなんでも早過ぎた。


みく「こ、こんなのってないにゃーっ!!!」ニャーッ ニャーッ ニャーッ……


-前川みく、アウト(残り7名)

 塩見周子、バトルボール1個と資金25万Mm獲得。残り資金35万Mm。



―――

モバP「あいつ、またファンが減りそうですねぇ」ポリポリ

ちひろ「すぐに同じだけ増えるから大丈夫ですよ」ポリポリポリンキー

お世話係・響子「お2人とも、お茶入りましたよー♪」

―――

36: 2014/01/19(日) 00:28:09.96 ID:5W+b/VxP0

AM10:36(残り54分) 闘技場内


友紀「さて、みくちゃんは残念ちゃんだったけど、私は勝っちゃうよ!」


【指令2】 第2チャレンジャー/姫川友紀  対戦相手:片桐早苗


早苗「フッ、友紀ちゃん……私を選ぶなんて、はっきり言って間違いじゃないの? それとも、なめてるの?」

友紀「早苗さん相手に、そんな事思わないよ。試したい事があるんだ」

早苗「ふーん?」

友紀「そのためには、強い相手じゃないと……実験にならないし、やる気がわかないじゃん! 試合はね、強い相手と面白いプレーをやりあって勝つのが1番面白いんだよ! それは野球じゃなくても一緒だよ?」

早苗「まったく、友紀ちゃんはどこまでもおバカさんねぇ……のった♪」


開始アナウンス・智香『戦闘開始まで、3……2……1……GO-☆』プアーッ!


-スタートの合図と共に、双方素早い反転を見せ、バトルボールを取りに猛ダッシュ。先程の戦いとは、行程は同じだがスピードは段違いだ。


早苗(とりあえず、1個で!)

-片桐早苗が僅かに早くバトルボールを手に取り、素早く戻る。対する姫川友紀は……


友紀「ほっ!」ブンッ

早苗「そこから!?」

-バトルボールを取ると同時に振り返り、中央ラインまで戻ってきた片桐早苗に向かって、左足を引きつつ振りかぶってから、半身になって左足を胸元まで上げる……野球の投球フォームで、バトルボールを投げた!


早苗(って、大外れじゃないの?)

-しかし、そのボールはスピードにかけ、さらに片桐早苗の頭1つ上をいく軌道で、避ける必要もない暴投コース。


友紀「落ちろ!」


 クイッ


-しかし、そのボールは空中で軌道を急降下し、片桐早苗を襲う!


早苗「はぁ!?」


 パシィ!


-顔に向かってくるバトルボール、片桐早苗は思わず両手を出してかばってしまい……左手に、ボールが当たった。(顔面はセーフ)



37: 2014/01/19(日) 00:30:24.89 ID:5W+b/VxP0

友紀「やったぁ! フォークボール大成功!!」

早苗「ありえないでしょ!! 何でソフトバレーボールみたいなバトルボールで、フォークとか投げれるの!?」

友紀「フッフッフッ、1時間以上ずっと触ってきたからね。もう、球筋は掴んでいるよ! あたしにかかれば、こんなもん!! だてにキャッツ公認アイドルしてないもんねー!!」ドヤッ

早苗「ええ~……もう、ここまで無茶だと諦めつくけど。はあ、今日は厄日ね」

-片桐早苗、今日は対戦相手に、色々と恵まれていなかった。


智香『友紀さん、おめでとー! じゃあ、そこに『光』と『星』って書かれていて、取っ手のところに押しボタンがついてる扉があるよね。どちらかの1つのボタンを押して。忍が出てくるよ☆』

友紀「おっけー。実は最初から決めてたんだ、やっぱりここは、スターでしょ!!」ポチットナ


 プシューッ……





忍・希羅璃「はぴはぴぃー☆」

-忍・星として、諸星希羅璃が解放!


友紀「おお、きらりちゃん! 忍装束も派手にアクセがついてて、はぴはぴだね! これは勝ったよ、あたし♪」

智香『がんばれパッション☆』


-文字通りの大型戦力加入に、勝利を確信する姫川友紀。だが、希羅璃は戦闘中を幾度か混乱させている、双葉城城主・杏氏の配下である事は知らない。はたして、彼女の戦闘にどう影響してくるのか……


第2チャレンジャー/姫川友紀 成功……忍・星を獲得。(特殊装備:アキバ博士製リング×2)残り資金は25万Mm。


―――

モバP「あの球に筋なんてあるかよ、柔らかいけどつるつるだろうが!」

響子(た、玉……筋があって、柔らかい……モバPさん、つるつる)モンモン

モバP「指で挟んで無理矢理に軌道をつけたのか? うーん……分からんなあ、響子」

響子「へ、へ!? は、ははい//////」

モバP「何で赤くなってんの?」

響子「べ、別になんでもありません! さ、さあ耳かきの続きしましょう。はい、反対側にごろーん♪」

ちひろ ●REC(HD)

―――

39: 2014/01/19(日) 00:34:06.36 ID:5W+b/VxP0

AM10:40(残り50分) 闘技場内


周子「さて、アイドルシューコちゃん、そろそろ本気出しちゃうよ~」


【指令2】 第3チャレンジャー/塩見周子  対戦相手:矢口美羽


-前川みくを倒して資金を獲得した塩見周子。楽しむように様子を見ながらのプレイから一転、勝敗に大きく左右する忍獲得の為に、即座に行動していた。このアイドル、ただのんびりしていた訳ではない様だ。


美羽「悪いですけど、周子さん……このチャンス、逃す訳にはいきません!」

周子「……美羽ちゃん」

美羽「はい?」


周子「いつも通りにもっと面白いこと言った方が、あたし、番組盛り上がると思うなあ~」


美羽「!?」

美羽(そうだ、忘れていた……テレビは、ただ楽しむんじゃない……楽しませなきゃ! でも、どうやって!? どうすれば、私は……やはり、私と言えばお笑い? くっ、楓さんがいれば!)


開始アナウンス・雫『戦闘開始まで、3・・・2・・・1・・・スタート!』モォ~ッ!


-開始5秒、自分の方向性に悩みだした矢口美羽を、塩見周子……難なく、撃退。(あまりにも短く地味なため、本放送ではダイジェスト)


周子「わーい♪」

美羽「うう、大人ってずるい……」

-勝った塩見周子、残った『光』の扉をオープン。


忍・光「……」テクテク

-忍・光として、ヒーロー系アイドル・南条光が解放!


周子「おお、光ちゃん! 真っ赤な忍装束似合ってるじゃん、よろしくね」

光「……」コクッ

周子「おお、本当に忍だ。頼もしいね、ふふっ」


周子(でも、表情なんか暗いな……何かの、役かな?)

光「……」


-塩見周子はこれまでの忍、キャシー=グラハムと諸星希羅璃の事を知らない。戦闘中の本筋からすれば、普通である筈の忍・光は、逆に浮いていた。その違い、何を示すのか。


第3チャレンジャー/塩見周子 成功…忍・光を獲得。(特殊装備・アキバ博士製ブレスレット)残り資金は15万Mm。


-なお、忍が2体とも獲得された為、予定より2分早い10時43分をもって指令2は終了。忍獲得者の姫川友紀・塩見周子の情報、および復活者・喜多日菜子の情報が、全プレイヤーに通達された。

 これで残るプレイヤーは、7名。その内、忍所持者は3名。3分の2以上が経過し、まだ半数が残るこの展開。


 焦れるには、やや早い。だが、戦うための戦力は整った……1人となる為の。



40: 2014/01/19(日) 00:36:13.49 ID:5W+b/VxP0
【指令2終了時 状況】

no title


41: 2014/01/19(日) 00:39:54.46 ID:5W+b/VxP0

AM10:45分(残り45分) 城下町本町・南東町屋付近


日菜子「まずは、誰かを倒さないと……」タタッ

-闘技場で前川みくを倒し、見事復活を果たした喜多日菜子。賞金であり、武器を買うためにも必要な資金を求めて、東へ駆けていく。日頃は自分の世界に入り込む彼女だが、このチャンス、妄想してばかりもいられない。


日菜子「日菜子は必ずやり遂げます。待っていて下さい、王子様……むふふ♪」


―否……妄想を実現する為に、駆けている。このアイドル、ぶれない。


no title



ドドドドドドドドドドドドッ!!


日菜子「!?」


-その妄想アイドルに、強力な2人組が高速で接近する!


友紀「あ、日菜子ちゃんだ! きらりちゃん、プレイボール!」

希羅璃「はぴはぴぃ~☆」スッ

日菜子「えっ? えっ、えーっ!?」


-人馬一体、姫川友紀を背負って猛ダッシュをする忍・星こと諸星希羅璃。スピード緩めることなく、右手の人差し指と中指を横Vの字、ピースの形にして右目の横につけると……その指のリングが、オレンジ色に光輝きだした!


希羅璃「希羅綸毘射無☆」(きらりんびぃむ☆)


 カッ!


日菜子「むふぅー!!!?」ビビビビ

友紀「なんかビーム出た!?」


-希羅璃の右手指から放たれる、オレンジ色のV字光線。日菜子に、直撃だ。



42: 2014/01/19(日) 00:42:22.40 ID:5W+b/VxP0

日菜子「……むふぅ」ドサッ

友紀「大丈夫、日菜子ちゃん!?」


-希羅璃の背中から降り、喜多日菜子に駆け寄る姫川友紀。戦闘中において、とても無防備な行為だが、喜多日菜子の動きは……


日菜子「……はぴはぴぃ☆」

友紀「え」

-攻撃の意思は、まるでない様だ。


希羅璃「はぴはぴぃ~☆」キャッキャッ

日菜子「はぴはぴぃ~☆」キャッキャッ

友紀「ちょっ、これ……ヤバくない? 」

-どうやら、希羅綸毘射無を浴びたものは、希羅璃のようになる様だ。



―――

モバP「ああ、日菜子……かわいいけど、哀れな」

ちひろ「ええと……(説明文)『装着者の思念波を2本のリングに収束して光線として打ち出し、受けた対象者は一時的に表面上の思念を同一化させられる(要は、はぴはぴしちゃう)』とのことです。催眠術のすごい版? 秋葉ちゃんは相変わらず、漫画みたいな発明品作りますね」

モバP「一時的でよかったです。多分、心の中でむふむふ泣いてますよ」

―――



友紀「と、とりあえずこのままじゃ、何だし……ほいっ」ポンッ

日菜子「あぅっ、いたいにぃ」ペチッ

-姫川友紀の軽く投げたボールを、喜多日菜子、逃げもせず……復活早々に、脱落。何とも、相手が悪かった。


友紀「……なんて、達成感のない勝利。まるで相手のパスボールで勝ったサヨナラゲーム……きらりちゃん、ビーム禁止!」

希羅璃「はぴはぴぃ……」シュンッ


友紀担当カメラマン「ハァハァ……や、やっと追いついた……あれ、バトル終わってる!?」



-喜多日菜子、アウト(残り6名)

 姫川友紀、バトルボール1個獲得。合計3個。資金に変動はなし。


 そして、そのほぼ同時刻……


43: 2014/01/19(日) 00:46:43.13 ID:5W+b/VxP0

AM10:48(残り42分) 城下町本町・藤原寺付近


愛梨「むむ……!」ジリジリ

美波「はぁ、はぁ」ジリジリ

由愛「はわわ」ジリリ


-城下町本町、藤原寺付近……来訪者の多い寺院の前で、またも戦闘が行われていた。初代シンデレラガール・十時愛梨に対するは、新田美波・成宮由愛のコンビ。ただ、喜多日菜子と姫川友紀のように、出会って即座に戦闘にはならず、お互いに武器を構えて間合いと隙をうかがう、実に静かなスタート……しかし、確実に戦闘を始めていた。


美波「ふふ。愛梨ちゃん、真剣だね」

愛梨「ま、負けないよ! かな子ちゃん達と、約束したからね!」

―今は単騎だが、コンビを組んでいた十時愛梨。結果的に負かした、三村かな子や佐久間まゆの分もと、勝利への欲望は高まっていた。勝利を知る者は、勝利への欲望も強い。


美波「私達も、負けません」

由愛「う、うん」

-対する2人も、負けず劣らずの気勢を張り上げる。体育会系の面も持っている新田美波に、大人しい成宮由愛が、徐々に引っ張られてきているのか。


愛梨「えいっ!」ヒュッ

由愛「わわわっ」カンッ

美波「-そこっ!」ビュンッ

愛梨「ひゃっ」カインッ

-しかし、人数の上では2対1、バトルボールも1つずつ失っている。なのに、勝負はなかなか決しない。お互いにバトルボールと盾、攻撃と防御の武器を持っているとしても……


由愛「あうっ」

-防御役の成宮由愛、まだまだ動きが固かった。


由愛(ううう……弱気、だめ。美波さんを、守るの!)スッ

美波「……あ、由愛ちゃ」


愛梨「……ほいっ」ヒュッ

由愛「! ううっ!」ダッ

-しかし、そこで成宮由愛が前に出て、新田美波の前に立つ。決氏の表情通り、新田美波をボールから守ろうとする行動は……


愛梨「♪」スッ……

由愛(あれ? ボールが……こない)


-演技を学ぶアイドル達には、分かり易過ぎた。


45: 2014/01/19(日) 00:52:16.86 ID:5W+b/VxP0

愛梨(今っ!)ススッ

美波「み、見えない!」

-盾を持っている成宮由愛が目の前に立ち、十時愛梨の姿が視界から消えてしまう……新田美波が気付き、『その後』を想像した時には……十時愛梨は、今度こそ投げていた!


愛梨「えいっ!」ヒュッ

-投げる振りで2人の動きが止まり、視界から自分を消すと、すぐさま横手へ倒れこむ様に移動しつつ、バトルボールをスローイング。山なりだがコントロールよく、バトルボールは新田美波へ向かう!


美波「……んっ!」ヒュッ

-しかし、当たらない。


愛梨「嘘ぉ!?」

-上体を狙ってきたバトルボールをギリギリのところで、土台となる下半身を踏ん張らせ、上半身を強引に大きく後ろに反らして、かわしたのだ。新田美波、ラクロスで鍛え上げた肉体、伊達ではない。


美波「ふぅっ、んっ!」ヒュッ

-そして今度は、お返しとばかりに新田美波が最後のバトルボールをスロー。しかし、強引な体勢から手で投げただけのもの……スピード・コントロールとも良くはない。


愛梨「わ、わわっ!」ドテッ

-焦られずとも、避けられる。しかし、それでも慌てたのだろう……十時愛梨、ここでこけてしまった。しかし、我慢できずに地面に倒れ込む新田美波も、もうボールがない。


 まともに立っているのは、1人だけ。


美波「由愛ちゃん、投げて!」

由愛「え、えいっ!」シュッ


愛梨「わ! きゃ、きゃっち!」


 パスッ


-十時愛梨、バトルボールを掴みにかかるも……両手は、触れるだけでボールを弾いてしまった。


愛梨「あ、あああ……はふぅ~」

由愛「や、やった!」

-過程はどうあれ、成宮由愛……シンデレラガール・十時愛梨を撃破。


由愛「や、やりましたよ、美波さん……っ?」


美波「よかったね、由愛ちゃん」

-賛辞を贈る新田美波、その表情は笑みも、強張った硬いものだ。


美波担当カメラマン「新田さん、左足……足首、少し腫れてきてますよ!」

由愛「えっ!?」


47: 2014/01/19(日) 00:55:37.14 ID:5W+b/VxP0

美波「大丈夫、です。ちょっと、無理な体勢になったから……心配しないで、ね?」

-気丈に振る舞うも、立ち上がらない新田美波の言葉を、良い意味で誰も信じなかった。


由愛担当カメラマン「これは……リタイヤして治療を受けた方が」

由愛「そ、そんな……せっかく、美波さんが頑張ってきたのに……」

由愛(私が、もっと……ちゃんと出来ていたら、美波さんは怪我なんてっ)グスッ


美波「……由愛ちゃん、ボールとって」

由愛「え? 美波さん、でも」

美波「大丈夫だよ、美波お姉さんは、強いのです……ね? 由愛ちゃんの足元のボール、こっちに投げてくれたらいいよ。武器を持ったら、元気になるかもね? フフ」

由愛「わ、分かりました……どうぞ」ポーン


 パシッ


由愛「あっ!」

美波「あら、はじいちゃった。これって、アウトになっちゃいます?」

-今は、戦闘中。理由はどうあれ、成宮由愛が投げたボールを新田美波はとれず……当てられた。


美波「うーん、失敗」

由愛「……な、何で?」

―しかし、それはあまりにもあからさま。誰もが、ひと目で分かってしまう。


美波「どうせなら、一緒に頑張った由愛ちゃんに、ね。引き継いで、もっと頑張ってほしいもの」

由愛「っ……私、頑張ってないです! 美波さんより、ずっと……何も出来なくて、足手まといだった、でしょ。頼っていただけで、何も……何もしてないのに、頑張ったって言われたくない、です。アイドルだって、皆やPさんがいるから、少しだけ出来てるのに……1人でなんて、何も……すぐに負けちゃうのにっ」ポロポロ

美波「……そんな事、ないよ。本当に。だって、由愛ちゃんと私は、一緒だもん」

由愛「いっ、しょ?」スンッ

美波「うん。さっきからずっと、どこかで言おうと思ってたの……私もね、ほんとは逃げ出したいタイプだよ。怖い事や苦手なこと、やったことのない挑戦には、尻込みしちゃう方」

由愛「そ、そんなの。嘘です」

美波「ううん。けど、それはちょっと前までの事、かな。中学校入るぐらいまでは……すぐに泣いてたなぁ、ちょっとしたことで」

由愛「美波さんが?」

美波「そ、泣き虫だよ私。でも、ラクロスをやり始めて変わったの。誘われて、初めてやったスポーツに、身体を思いっきり動かす初の体験が面白くて、気付けば心から楽しんでいて。そんな思いをしている仲間が、周りにはたくさんいて……つらくても、笑い合って皆で進んでいっている内に、いつでも前を向いて歩けるようになった」

由愛「……」


49: 2014/01/19(日) 00:59:46.83 ID:5W+b/VxP0

美波「由愛ちゃんなら、もう分かるでしょ? あなたも、今、その中にいるんだよ。全部が全部じゃない、しんどいことやつらいこともあるかもだけど、周りには面白くて、笑い合えて、一緒の目標をもって一緒の努力している仲間がいる……そんなアイドル、楽しくないかな?」

由愛「そ、んなこと……ないです。楽しいです」

美波「うん、私も。一緒だと、楽しいよ。昔も、今も、これからも……由愛ちゃんと私、皆で一緒に前に進んでいきたい。だから、ここも進んじゃおう。私がついていけなくても、1人じゃないから……皆が、見てる。仲間や、プロデューサーさん、ちひろさんや社長。テレビ局の人や、ファンの皆、家族やお友達……由愛ちゃんが頑張っている姿を応援しているし、その姿を見て皆も頑張ろうってなるの。あなたが私をみて、何かを思ってくれたみたいに。由愛ちゃんだって、やっちゃおうよ」

由愛「……うん。けど、ちょっと、ずるいかも。だって、私…………もう、負けられないもん」

美波「じゃあ、勝っちゃえ♪」

由愛「……は」

愛梨「由愛ちゃーん!!!」ダキッ

由愛「ふわっ!? あ、愛梨さん……温かいけど、苦しいです」ギューッ

美波「……ふふ、取られちゃった」

愛梨「もう、私も入れてよ~♪ 私の分も、あと美波ちゃんとかな子ちゃんとまゆちゃん、みーんなの分も、頑張ってね!!」


由夢「……はい。頑張ります、戦闘中を……アイドルも!」


カメラマン×3(……俺も、頑張ろう)


-十時愛梨、新田美波、アウト(残り4名)

 成宮由愛、バトルボール2個(あと4つあるが、持ち運びがしにくいからと持っていかず)と資金70万Mmを獲得。残り資金90万Mm。


―――

モバP「……え、何か番組ちょっと変わってないですか?」

ちひろ「由愛ちゃんが良い子過ぎて、つらいです……悪い男に騙されないか不安ですねぇ」

モバP(そっちか……)

―――

51: 2014/01/19(日) 01:03:48.00 ID:5W+b/VxP0

AM10:50(残り40分) 城下町東町・町屋付近


プルルルル! プルルルル!


グラハム「む、ナニヤツ?」

智絵里「ふふ、ただのメールだよ」ピッ



『【通達】東の町エリアについて

▽双葉城城主・双葉杏氏の娘・桃華姫が、帰還する。その時に東の町を通って城郭に戻るため、戦闘中のプレイヤーは11時より、橋を含めた東の町への侵入を不可・立入禁止エリアとする。万が一、11時を過ぎても東の町エリアに残っているプレイヤーは失格とする▽』


智絵里「えっ、大変……ここ、東の町だよね? あと10分で、立入禁止になるって」

グラハム「そいつは大変だ。急いで戻るデース! ここならまだ、南の橋の方が近いよ! ダッシュー!!」タタタッ

智絵里「あ、待ってキャシーちゃん。速いよ~」タタッ


-タイムリミットがせまる中、エリアが1カ所丸ごとの封鎖。残り4名といえど、おのずとプレイヤー同士の接触は増えていく……



同時刻 城下町本町・北の橋付近


周子「あ、ここも封鎖? まだ橋が近くてよかった……って、あれ? メール、2通ある」ピッ



『【特別指令】解放の笛を吹き、忍を解き放て

▽あなたの持っている笛は、『解放の笛』……ひと吹きした瞬間、忍として改造・コントロールされているアンドロイドおよび人間を、どこにいてもその忍の役割から解放させて自由の身とする事が出来る。これにより、プレイヤーの戦闘力を下げる事が可能だ。ただし、自身の持っている忍も解放されてしまうので、注意されたい。解放の笛の有効時間は、今から11時15分まで。吹くかどうか、忍をどう扱うかは……あなた次第だ▽』


周子「ああ、この笛ってそういうもんなんだ……うーん、微妙だなぁ」

光「……」

周子「うち、いるもんねぇ~……本町に戻りながら、もうちょい考えよ」


-藤原寺住職・肇から譲り受けた、解放の笛。ここにきて、全プレイヤーの戦闘力に大きな影響を与える武器となった。しかし、それは我が身にも振りかかる。

 塩見周子、どこでどう判断するのか……そして、泣いても笑っても全てが決まる、最後の30分間が始まる!-



◎残り30分 プレイヤー状況


成宮 由愛=資金90万Mm・バトルボール3個・盾
姫川 友紀=資金25万Mm・バトルボール3個 ◎忍・星
緒方智絵里=資金25万Mm・バトルボール2個 ○忍
塩見 周子=資金15万Mm・バトルボール2個 ◎忍・光 ☆解放の笛

合計資金155万Mm


【残り30分 状況図】

no title



52: 2014/01/19(日) 01:08:47.04 ID:5W+b/VxP0




~封鎖された東の町を、城郭に向かって進む何十人もの行列……その中心には、大きな馬に引かれるきらびやかな赤い籠。


桃華姫「暗い、ですのね」

 双葉城の姫君・桃華姫は、籠の中から周囲の街並みや町民たちの姿を眺め、大きな息を吐くと共に、嘆くように言葉を漏らす。その言葉通り、東の町の建物は傷みが激しく汚れの激しいものが多く、そこに住まう町民達の服装・様相も、同じように……寂れ、暗く、反応は鈍い。


従者・あい「まったく、この数カ月で変わってしまった……殿以上に、ね」

桃華姫「ふふ、あいは正直ね……まったく、お父様は何をしておられるのかしら。離れ町のここほどではなくとも、本町の景観や人々の顔色も、寂しげになってきていますわ。無茶な令や無理な貢を民に強いている事に、どこかで気付くと考えておりましたが……我慢の限界ですの! 帰ったら、とことん問い詰めてやりますわ!」

あい「……本当に、殿は本意でやっているのかな」

桃華姫「何ですって?」

あい「いや、先代の殿もそうだったが……常に殿が着用しておられる、将軍家に伝わる羽織物がある。あれには、初代双葉城城主から続く、強い思念が宿っていると言われているんだ。この話は、姫もご存じだろう?」

桃華姫「ええ、眉唾ものと思っておりましたが……言われてみれば、お父様はいつの日か羽織物をお召しになるようになってから、少し変わられましたわ。しかし、お爺様の騒動の折、お抱えの霊媒師に祓わせたではありませんでした?」

あい「ああ、私もその時の光景は覚えているよ……」


(霊媒師・裕子「さいきっく☆ちちんぷいぷーい!」)


あい「あれは、怪しかった」

桃華姫「……もう1度、いえ、その羽織物は完全に封印した方がよいでしょうか?」

あい「しかし、今の殿に近づくのは容易ではない。側室でさえ、身近には置いても衣服を脱がせはしない。希羅璃もいるしね。何とかできるとすれば、また……」

桃華姫「あの旅のお方達が、ですわね。颯爽と現れて、ピンチを救ってくださいました……要職に付いていただきましたのに、気付けばまた流浪の旅に立たれて……今は、どこで何をされておいでなのでしょうか」

あい「……そうだね」

あい(姫には、乱心した殿に囚われたという事は、言わない方がいいか……さて、どうしたものやら)


~民の生活を思い、それぞれに思いをはせる2人。その思いが、成就するのかしないのか……それは、ある1人のプレイヤーの決断にも繋がっていた。






53: 2014/01/19(日) 01:11:44.29 ID:5W+b/VxP0

AM11:02(残り28分) よろず屋


由愛「こ、こんにちは」

ヘレン「あら、いらっしゃい」


-最多の資金90万Mmを所持する成宮由愛、最後の追い込みの為か、よろず屋で武器を購入する様だ。おそらく、これがこの戦闘中において、最後の買い物となるだろう。



-っ! ドンドン、ドドドン、ドドドドンッ!


ヘレン「ニッポン。いえ、世界レベルのリズムね」

由愛「?? あ、あの……武器、何がありますか?」

ヘレン「こちらがリストよ」


◎売買リスト
【販売価格(買取価格)】
 バトルボール   10Mm(買取不可) 在庫:1
 盾        30Mm(15Mm) 在庫:1
 バトルシューター 40Mm(20Mm) 在庫:1
 バックシールド  50Mm(25Mm) 在庫:1
 忍        60Mm(対象外)  在庫:1


由愛(忍があれば、有利だよね? でも……)


由愛「お金は、0になったら、ダメでしたよね?」

ヘレン「ええ。さあ、あなたもあまり時間がないでしょう。残念ながら、世界の時間レベルは止まらない。つまり、そういうこと。どうするの?」

由愛「バトルシューターを、下さい」


-!!!!!????-


ヘレン「あら、忍はいいのね」

由愛「はい。ちょっと、おしいけど……もう、たくさんもらったから、大切なもの。皆から……だから、後は自分だけの力で勝って、ここまで来られた事のお礼が言いたいです」ニコッ

ヘレン「……その笑顔、世界レベルね。精一杯、実りのある努力をなさい」

由愛「はい!」


-成宮由愛、バトルシューター(ミニバトルボール4個つき)を購入。残り資金50万Mm。少し大きめのパチンコの形をしているバトルシューター、意外な高速で打ち出されるミニバトルボールは、他のプレイヤー達にとってかなり脅威だ。忍がない成宮由愛、これで勝負はイーブンか。



-……マダダ……マダオワランゾ……-



―――

モバP「この忍、忍ばない」

ちひろ「完全に悪役のセリフですね」

―――

54: 2014/01/19(日) 01:15:20.90 ID:5W+b/VxP0
AM11:07(残り23分) 城下町本町・中央の町屋付近


周子「ああ、どうしよう……あと、8分ぐらいで笛の期限かぁ」

-塩見周子、解放の笛をどうするか、なかなか決められないまま15分以上……町屋の路地裏に身を潜め、思案は続く。しかし、残り時間と残り人間を考えれば、熟慮となるのも致し方ない。

 塩見周子のいる場所より南でも……


智絵里「どうしよう、かな」

グラハム「うむ……道は険し、ニン!」

-封鎖された橋の傍で、緒方智絵里も今後の動きを悩んでいた。戦う意思を強めた成宮由愛も、武器の購入後は、慎重に街中を動いている……終盤となり、誰もが迷う。


(自分1人の行動が、4人皆の行動に……最後の戦いに影響するかもしれない)


-考えれば考える程に、動けない……それでも動く者があるとすれば。




ドドドドドドドドッ!


友紀「かっとばせ、きらり号―!」

希羅璃「はぴはぴーっ!!」



 ドコンッ!




周子「わ! な、なんの音!? 南から響いたっぽいけど……」



智絵里「な、何か……壊す、ような音したね」

グラハム「表の通りっぽいね?」




no title



―ただただ勝利を目指す、猪突猛進なパッション脳!


【ワンポイント☆戦闘中・ドラマとも絡まない宿屋は、ほぼベニヤ板で作られた簡単なセットなんだ! 毎日レッスンしているアイドルなら突き破るぐらい、なんくるないさー!】




55: 2014/01/19(日) 01:19:57.32 ID:5W+b/VxP0

由愛「きゃあぁーっ!?」

-成宮由愛。叫ぶのも無理はない。だが、宿屋を突き破って現れた目の前の2人は、敵。今は……戦闘中!



由愛「は、わわ!」チャキッ

友紀「む、由愛ちゃん発見! いくよ、きらりちゃん!」ボール、パス

希羅璃「はぴはぴぃ☆」グッ


-成宮由愛vs姫川友紀&忍・星こと、希羅璃!


由愛(4発しかないし、外せない……この2人だと、余計に)

友紀(パチンコかぁ、球速出そうだなぁ)

-登場から圧倒した姫川友紀、しかし、バトルシューターを見て落ち着いたのか、バトルボールを構えるもすぐには動かない。対する成宮由愛も、強敵と残弾数をふまえ、より慎重に場を見回している。また、盾を左腕にかけ、いつでも前に出す準備も怠らない。

 この戦い、ミスは出来ないのだ。


希羅璃「はぴはぴーっ☆」ブンッ!

-その中での最初の攻撃は、希羅璃!


由愛「ひゃっ!?」ガンッ!

-強烈なストレートボール、防衛本能のままに成宮由愛が前に突き出した盾が弾く。しかし、その重い一撃はその盾を弾き飛ばし、成宮由愛の防御がなくなった!


友紀「もらったっ!」ブンッ

由愛「え、えいっ!」ビシュッ


 ボボンッ!


-チャンスとばかりに放たれた、姫川友紀の鋭い一撃。しかし、防御を失っても冷静さを失わなかった成宮由愛、とっさにバトルシューターを射出。バトルボールにミニバトルボールを衝突させて軌道をずらし、回避に成功!


友紀「おお、やるね由愛ちゃん!!」

希羅璃「はぴはぴぃー☆」

-パッション・コンビ、強敵に、楽しそうだ。


由愛「……えいえい!」ヒュッ、ヒュッ

-その2人に、成宮由愛……普通のバトルボールを素早くスローイング。しかし、スピード・威力とも乏しい一撃。


友紀「ほっ」スカッ

希羅璃「はぴはぴ?」スカッ

-身体能力の高い2人には、簡単に避けられてしまう。


由愛「……」タタッ

-しかしその動作の隙に、成宮由愛は北へ駆けていく。ボールを投げたと同時に走り出したことから、最初から狙いは逃走だ。

由愛(戦略的、撤退、です)タタッ

友紀「お、逃走中だ! 逃がさないよ!!」ダッ

希羅璃「はぴはぴー!!」ダダッ


-すぐさま、2人も成宮由愛を追いかける。スタートに差があるとはいえ、すぐに追いついてしまうだろう。しかし……


56: 2014/01/19(日) 01:24:12.89 ID:5W+b/VxP0

"no title


-その背後から、騒音を聞いて駆け付けた、緒方智絵里と忍・キャシー=グラハムが迫る!


智絵里「ちゃんす、だね」タタッ

グラハム「隙をみて、背後から狙い撃つよ!」タタッ


―そして、逃げる成宮由愛の前には……


no title



周子「わっ」

由愛「!?」

-音を合図とするように表に出てきた、塩見周子と忍・南条光。




友紀(バトルボール1個所持)
「おっ、後ろからも!?」

希羅璃(バトルボールなし)
「はぴはぴぃ★」(低め)


智絵里(バトルボール1個所持)
「わわ、凄いことに……」

グラハム(バトルボール1個所持)
「ワオ、最終バトルっぽいね♪」


由愛(バトルシューター残り3発・バトルボール1個所持)
(はわわ、やっぱり私じゃ……よ、弱気だめ!)


周子(バトルボール1個所持・解放の笛あり)
「……うわ。光ちゃんごめん、タイミング見てやるわ」

光(バトルボール1個所持)
「……」



-時刻は、11時11分。残り時間、19分……


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-ここにきて、またも4つ巴の大合戦!


カメラマン達(俺は、どこにいれば邪魔にならない!?)

58: 2014/01/19(日) 01:27:08.98 ID:5W+b/VxP0

友紀(ヤバい、きらりちゃんはボールない……!)


友紀「きらりちゃん、ビーム撃ってよし!」

希羅璃「はぴはぴぃ☆」スッ


グラハム「ん、ピース?」ピース


希羅璃「希羅綸毘射無☆」カッ!

グラハム「ぎゃー!?」ビビビビビッ

智絵里「キャシーちゃん!?」


グラハム「……はぴはぴぃ☆」キャィキャィ

希羅璃「はぴはぴぃ~☆」キャッキャッ


周子・智絵里・由愛(―あれは危険!!)


光「……フッ!」ブンッ

-希羅綸毘射無の脅威に戸惑う中、1人冷静な忍・光、その希羅璃に向かってバトルボールを素早くスロー!


希羅璃「はぴ?」グワシッ!

周子「嘘!? 片手でボール掴めるの!?」

友紀(仲間でよかったぁ!)


由愛(今!)ビシュッ

光「―光よっ!」


ブンッ


由愛「あっ!」

-南条光を狙った、成宮由愛のバトルシューターの一撃。しかし、それは南条光が掲げた右腕……ブレスレットから発生した、ピンク色の光の壁に弾かれる!


由愛「うう……」

周子「おお、こっちもビームの、盾? いいよ光ちゃん!」

光「……ッ」ウズウズ


智絵里(光ちゃん、笑うのを我慢してる?)

周子(これは、吹かないのも……けど)


友紀「きらりちゃんは、前をお願い。私は、智絵里ちゃんをやる」

希羅璃「はぴはぴぃ★」(低め)


周子「あ、あかんわ」スゥ……

智絵里・友紀・由愛(笛?)



 ピュイィー!

60: 2014/01/19(日) 01:29:53.65 ID:5W+b/VxP0

光「うっ!」ドサッ

希羅璃「は、ぴぃ……」ドサッ

グラハム「はぴは、ぴぃ……うぐっ」ドサッ
(何でアタシはぴはぴ言ってたの、秋葉ちゃんの発明!? ちょっと恥ずかしい//////)


-時限ギリギリの11時14分、【解放の笛】が吹かれ、忍3体が活動を停止!(希羅綸毘射無の効力も)


智絵里・友紀・由愛『え!?』


-笛の効力を知らぬ3人は驚くばかり。その大きな隙を……


周子「ほっ!」ヒュンッ


 バシッ!




友紀「ああーっ!?」


-笛を吹いた塩見周子は、逃さなかった。

 姫川友紀、アウト。塩見周子の資金は40万Mm。


友紀「や、やってしまった……うう、ゲームセットか」ガックリ


智絵里「えっと、えっと……」

由愛「……ごめんなさい!」ビシュッ

智絵里「わっ!?」


 ビシッ!


智絵里「あうっ……負けちゃったぁ」ヘタリ

-相棒・キャシー=グラハムの変異・停止に、対応が追い付かなかったのか……戸惑うままの緒方智絵里、ひと足早く落ち着きを取り戻した成宮由愛のバトルシューターに撃たれ、敗退。

 緒方智恵理、アウト。成宮由愛の資金は75万Mm。



-そうして、残ったのは……2名。



61: 2014/01/19(日) 01:33:18.83 ID:5W+b/VxP0

周子「……一時撤退!」ダダッ
(バトルシューターは不味いね、場所を変えて待ち伏せよう)

由愛「あ! ま、待って下さい!」タタッ
(あ、いつの間にか、ボールを2つも拾っている。すごいなぁ)



-塩見周子と、成宮由愛。

 残り時間は、10分! 2人は、最後の戦いの場所に移る!





光「……おお、ここは……」




―――

モバP「おお、ついに終わりですかね。ドラマの方も?」

ちひろ「ええ。いつに終わりです。これでしばらくは、ゆっくり寝られますね♪」

添い寝係・アナスタシア「ダー……隣に、いつでもどうぞ。プロデューサー」ポンポンッ

響子「アーニャちゃん、そんな係はなかったよね? そんな無駄にスケスケなものを着て、どうしたのかなぁ~?」ニコニコ

夜伽係・ゆかり「そうよ、Pさんはそちらのベッドじゃなくて、こちらのお布団で眠るから、ね?」

アナスタシア「……Вы уверены, что я буду спать жизнь? Bitchi-я」

響子「……さて、大掃除しようかな」

モバP「か、帰っていいですか?」

ちひろ「てめぇ、最後までケリつけろよ!」

―――

62: 2014/01/19(日) 01:37:21.35 ID:5W+b/VxP0





希羅璃「……う、うう」


光「おはよう、希羅璃……いや、きらり」

きらり「あ、光ちゃん。おはようだにぃ☆ って、ここはどこぉ?」

光「見ての通り、城郭の前……双葉城の入口前さ。アタシが運んできた。ぼんやりと、覚えていないか? 戦闘中というゲームの事。そして、どうして今になってから、こうなったのかを、考えられるかって」

きらり「……分かる、にぃ。杏ちゃ……いえ、殿がやったの」

光「ああ。変わった殿によって、アタシ達はあらぬ罪で捕らえられ、操られていたんだ。私は幽閉の中で改造人間にされ、きらりはまともな言葉を話せぬ近衛兵として洗脳され、殿に言い様に使われていた様だ。そして、こんなゲームにまで実験的に使われて……あの笛を、戦闘中のプレイヤーが吹いてくれたのは助かった。おそらく、住職が何かを察して動いてくれたのだろう」

きらり「肇ちゃんは、前にも協力して、町の人もまとめてくれるもんにぃ☆」

光「……しかし、不覚だ。あの羽織物は、もう呪いは解けていると思っていたのに。先代様のように、今回も殿を惑わしてしまった」

(霊媒師・裕子「さいきっく☆ちちんぷいぷーい!」)

きらり「ごめんだにぃ。きらりの前で、殿は羽織物を着ようとしたのを止めなくて……綺麗だから、似合うと思って見てみたくなったのぉ」

光「いや、きらりは悪くないよ。悪いのは、呪いだ。祈祷師を呼んでちゃんと祓い、いっそのこと燃やしてしまおう。何、今ならまだ間に合う。殿に、会いに行こう。だが、その前にあいつを」


アキハ「ふむ、洗脳が解けたか……」


光「! お、お前は……私を改造した、アキハ博士!!」クワッ!

アキハ「すまないが、スポンサーの指令だ。君達、失敗作には消えてもらう。ああ、もうリングとブレスレットは使えないからな? データもとったからね……用済みだ。いけ、しもべ達!」スッ


改良型ウサミンロボ×100体『……しょうじ……しょうじ……しょうじ……』


きらり「はわわ、すごい数のロボットだにぃ! ど、どうしよう光ちゃん!」

光「くっ……っ!」ピンッ


アキハ「フフフ、光君と同じく、アンドロイド・忍のデータを参考にしたM.A.手術(ものごっつい・アキバ・オペレーション)を施している……何故だか変な鳴き声しか出せなくなったが、強いぞ!!」


きらり「うう、でも……でも、きらり達はこのお城の為に、杏ちゃんの為に負けないにぃ!」

光「ああ、その通りだ! 私『達』は、負けない!! なぁ、そうだろう!?」



『その通りだ!!』


アキハ「何!?」


63: 2014/01/19(日) 01:40:41.60 ID:5W+b/VxP0

??「忍法・霧ヶ峰!!」ブシューッ!!


ウサミンロボ×20体『しょうじー!?』


アキハ「い、いきなりブリザードが!? くっ、ロボ達が……この環境でブリザードを起こすなど……どんな技術だぁ!?」


??「技術ではない!!」バッ

アキハ「む、門の上に人が!?」


あやめ「忍術だ、ニンッ!」(※=実際には晶葉の発明品による科学力です)


タタンタタンタン タタンタタンタン♪

アキハ「あいつは、南蛮の者の、アンドロイド忍!? そうか、あいつもコントロールが!!」

ジーライヤジライヤ♪(ハッハッ) ジーライヤジライヤ♪(ハッハッ)

あやめ「戸隠流正統・あやめ! 悪行に黙ってはおられぬ、助太刀いたす!!!! とうっ!!」ザッ!


あやめ(出番ありがとうございますプロデューサー殿ぉー!!!! 世界忍者戦ジライヤのCD持ってきた良かった~!!!!!)


アキハ「くっ、こしゃくな……まだまだロボはたくさんいる、数で押し勝ってやる!!!」


??「甘いよ!」

『ソイヤッ! オレンジ・スカッシュ!!』ブシャーッ!!


ウサミンロボ×20体『しょうじー!?』


アキハ「何!? 今度は、オレンジ色の可視光線にロボ達が焼かれていく!? ま、まさか……まさか!?」


グラハム「私の中の乙女座の心が言っている……少女達を助け、世を導けと!! なんつって、キャシー=グラハム、推参☆」(※=これも晶葉の科学力です。以下略)


晶葉(おお、テレビ見ながら作ったものの割には何だかうまくいってるなぁ)

アキハ「フフ……あ、うほん! 邪魔な忍どもだ。そろそろ本気を出せ、ロボ達!!」


ウサミンロボ達『しょうっ!』ダンッ

あやめ・グラハム『うおおおーっ!!』


光「よし、今の内だ。きらり、君は天守の間へ迎え。道を切り開き、殿を抑えておくんだ。アタシは、地下の研究所に捕らえられている相棒を助けにいく……余計な力がついているアタシ達では、無理矢理になってしまい、羽織物を脱がす事は出来ない。先代と同じく、あいつが必要だ!!」


64: 2014/01/19(日) 01:42:35.94 ID:5W+b/VxP0

きらり「分かったにぃ……あっ! 光ちゃん後ろ!?」


ウサミンロボ×2『しょうじっ!!』バッ


光「―フゥンッ!!」


 ドゴ、ドゴンッ!!!


ウサミンロボ×2『―――』バラバラバラ……


アキハ「なっ!? ロボを、パンチ数発で粉々に……なんて力だ!!」


光「……アタシを改造したのは、あんただろ? これは消えていないようだ、感謝するぜ!!」

アキハ「くっ!」ギリギリ


光「さあ、いくんだ、きらり。そして、お前たち……」


ウサミンロボ達『しょうじ……しょうじ……』ジリジリ




◎国籍:日本 14歳 ♀ 140cm 41kg

 シンデレラガールズランキング・51位(作者熱望)

 M.A.手術 ―超人型-


『小さな英雄』南条光
「道(そこ)を、退(ど)け!!!!」ダンッ!!



晶葉(光、のってるなぁ。あの漫画面白いもんなぁ)

光(アタシ、こういうのをやりたかったんだよ!!!!!!!)ペカーッ







65: 2014/01/19(日) 01:44:54.78 ID:5W+b/VxP0
AM11:25(残り5分) 藤原寺前


由愛「追いつきましたよ、周子さん……」ハァハァ

周子「ふぅ……疲れたね、由愛ちゃん」ハァハァ

-しばしの鬼ごっこを終え、最後の戦いは……藤原寺の前となった。


由夢(周子さんは、バトルボール2個。私は、バトルシューター1発と、ボール1個……数の上では、互角)

周子(勝敗は、ただ……1つのタイミングで、決まっちゃうか)


肇「周子さん」

周子「あ、肇ちゃん。そうそう、笛を吹いたよ」

肇「ええ、私にも聞こえました。これで、何かが変わる……そんな気がします。ありがとうございますね」

由愛(? ドラマ部分の、お話かな)


周子「おかまいまく~。あ、そうだ。1つ、頼んでもいい」

肇「? なんでしょうか?」

周子「この戦いの、仲介者」

肇・由愛『え?』


周子「由愛ちゃん、古い映画で、西部劇って見たことある?」

由愛「……ない、と思います」

周子「そっか。そういった映画で、ガンマン……拳銃使い同士の決闘があるんだ。お互いに背中合わせに立って、1歩ずつ歩いて離れていく。そして、何かの合図……仲介役の声なんかで、2人は同時に振り向いて、相手に発砲……より早く、正確に引き金を引いた方が勝ちってやつ」

由愛「……」

周子「それで、決着をつけない?」

由愛(そんなの、私の方が……)

由愛「私は、バトルシューターを使っても?」

周子「うん、もちろん」

由愛(有利、だよね。どう考えても……つまり)

由愛「やり、ます」

周子「おっけ♪」



肇(え。これ、私が引き受けてもいいのかな?)


-最後の戦いは、1対1の決闘……塩見周子、不利な提案に思えるが、はたして秘策があるのか。



66: 2014/01/19(日) 01:47:09.05 ID:5W+b/VxP0





きらり「きらりんパンチ☆」


 ボゴォッ!!


杏氏「うおっ!? 天守防護壁『藍仔』にパンチで穴を!?」


-ひと足先に城郭に侵入した、諸星きらり。数々の追っ手を打ち倒し、天守の間入口に備え付けられた防御壁も突破! 目の前には、呪われた羽織物に身を包む……城主・杏氏。周りには側室が控えるが、きらりの戦闘力に恐れをなして、震えるばかりである。

お楓(ガタガタガタ)
おナタ(ガタガタガタ)
おみち(フゴフゴフゴ)

杏氏「くっ、恩を仇で返すか、諸星よ!」

きらり「お殿様……いえ、杏ちゃん。元に、戻ろうよぉ」

菜々介「そうです、殿。正気に戻って下さい! 本来のあなたは、サボり癖はあっても民の事を思い、誰とも同じ目線になって考えられる、真に優れた人間なのですよ!」

杏氏「元? 本来? 何を言うか! わしは、わしは……ぐっ、頭が」ドサッ

きらり「杏ちゃん!? 早く、その服を!!」タッ

杏氏「くっ、触るな! この羽織だけは、羽織だけは……っ!」ガシッ

菜々介「うう、そこだけは頑な……そうか、先代の呪いは解けてなかったですね!?」ウサミーン!

(霊媒師・裕子「さいきっく☆ちちんぷいぷーい!」)

きらり「むえぇ……やっぱり、こうなっちゃう。強引にしたら、杏ちゃんを傷付けちゃう……」


光「待たせたな!!」バーンッ!





67: 2014/01/19(日) 01:49:51.49 ID:5W+b/VxP0

きらり「あ、光ちゃん!! それに……!!」


??「私がきたからには、もう大丈夫」


菜々介「あなたは、先代の暴走を止める為に尽力して下さった……!!」

光「ああ、彼女も呪われた殿によって幽閉されていたが、私が解放してきた……さあ、頼むぞ」

杏氏(あれ、予定の人(台本では木場真奈美)より人影が小さいな……?)チラッ


わきわきハンター・愛海「うひひ……性義の味方にお任せあれ!!!」ヌヒャーン!


杏氏「!?」(は、はめられたー!!!!)


光「さあ、頼むぞ」(よーし、ドッキリも大成功だ!!)

きらり「愛海ちゃん、お願いにぃ☆」(驚く杏ちゃんも、かわゆい☆)

菜々介「さくっとお願いしますね、キャハッ!」(ああ、ロケ時間長い……疲れたぁ)


杏氏「ちょ、ちょっと待って! 脱ぐ、もう脱ぐから!!」

愛海「棟方愛海、いきまーす!!!!」ドリームダイブ!!


 アーッ!!


桃華姫「あらあら、一件落着のようですわね♪」

あい「……哀れな」


~こうして、双葉城の騒動は終焉した。呪われた羽織物は今度こそ祓われ、双葉杏氏は元の、やや頼りないがやる時はやる、そんな愛すべき殿へと戻り……平穏が、やってくるだろう。


祈祷師・小梅「ちちん、ぷいぷーい♪」サーッ


一同『ちょっと不安だ……』






68: 2014/01/19(日) 01:53:08.55 ID:5W+b/VxP0

AM11:28(残り2分) 藤原寺前


肇「それでは、背中をぴったり合わせて下さい」

-そして、戦闘中はついに最後の決闘が行われようとしていた……ぴたり、背中を合わせる塩見周子と、成宮由愛。


肇「それでは、始めの合図で1歩ずつ前へ……私が、今でしょ!と叫んだら、振り向いて……ボールを投げるか打って、当てれば勝利。基本的なルールはそれだけで、よろしいですね?」


由愛「お願いします」

周子「……うん、いいね」


肇「それでは…………始めっ」

-1歩、2歩、3歩……2人の決闘者は、ほとんど同じ歩幅で、少しずつ距離をとっていく。お互いに背後は見えない。どれぐらいの距離なのか、どれぐらいの位置か、どれほどの力で……相手に自分のボールが届き、倒せるのか。


肇「―今でしょ!」


-この瞬間にならないと分からない。


周子(いくよ!)バッ

由愛(いきます!)バッ

-ほぼ同時に2人は振り向き、わずかに早く成宮由愛がバトルシューターを構える!


由愛「え!?」

-しかし、その動きが驚愕で鈍る。


周子「ふっ!」タタタッ

-塩見周子は、真っ直ぐに、成宮由愛に向かって駆け寄っていた!



69: 2014/01/19(日) 01:55:31.27 ID:5W+b/VxP0

周子(あくまで、西部劇の決闘っぽく……駆け寄っちゃダメとは、早打ち勝負とは、『言わせなかった』からね!)


-それは、成宮由愛、そして藤原肇が西部劇を知らぬと察知した塩見周子の賭け……正々堂々の決闘、それを相手に強く植え付けて、自分にとって動きやすい範囲でルール制限を抑える。


由愛「ああ、あ……っ」グッ

周子(ごめんね、ここまで来たら勝ちたいし!)

-その上で、塩見周子は成宮由愛に接近する。これなら射的範囲が制限され、反応しやすい。自分のボールでもガード可能、近距離で速さは有利にならないと判断。そして、何よりも……


周子(悪いけど、由愛ちゃんのメンタルじゃ、こんな展開は対応できない!)


-そう、見込んでいた。



由愛「―やっ!」ヒュッ

周子「っ!?」

-その塩見周子の表情が、驚きに変わる。接近する塩見周子に打たれたのは、通常のバトルボール!


周子「くっ!」スカッ

―動揺しながらも、それをかわす……しかし、それで体勢は大きく崩れてしまった。当然、そこに向けられるのは、残ったバトルシューター!



 そして……



由愛「え、ええい!!」ビシュ!

周子「く、おりゃ!!」ブンッ!




 バシィッ!!





2人の最後のボールが、打たれた――



70: 2014/01/19(日) 02:04:21.57 ID:5W+b/VxP0
※結果発表※





-古より復活した城下町を舞台に、3時間にも渡る長き戦い、戦闘中。勝利の栄光を掴んだのは……






由愛「や、やりました! えへへ♪」



winner・成宮由愛(賞金115万Mm獲得)





【最終結果】


北条加蓮  アウト(開始35分・姫川友紀)
喜多日菜子 アウト(開始40分・片桐早苗 開始136分・姫川友紀)
藤居朋   アウト(開始43分・佐久間まゆ)
矢口美羽  アウト(開始80分・姫川友紀)
三村かな子 アウト(開始87分・佐久間まゆ)
佐久間まゆ アウト(開始89分・十時愛梨)
片桐早苗  失 格(開始115分・前川みくの密告)
輿水幸子  アウト(開始117分・忍)
前川みく  アウト(開始125分・塩見周子)
十時愛梨  アウト(開始138分・新田美波)
新田美波  アウト(開始140分・成宮由愛)
姫川友紀  アウト(開始164分・塩見周子)
緒方智絵里 アウト(開始164分・成宮由愛)
塩見周子  アウト(開始179分・成宮由愛)







【完】






71: 2014/01/19(日) 02:07:23.55 ID:5W+b/VxP0
すいません、おわりです。何だかグダグダした……お付き合いいただいた方、ありがとうございます。

好きなネタを混ぜすぎて、知らない方には申し訳ない。あと、幸子はみくとの扱いがかぶって、結果的に浮いてしまい扱いに困ってしまった……おまけで幸子を救済しようかな、桃華ちゃまみたいに。


とにもかくにも、スレもわけてしまい、長々と好きに書いてしまってすいませんでした~。


75: 2014/01/19(日) 04:42:28.69 ID:4e+5GXVDO
乙乙、逃亡もこっちも楽しかったよー

たださっきもぼやいちゃった幸子が嫁なPだからっつーのもあるけど
裏でなんもせずにいちゃいちゃしてる響子やらがいるのに、よくある扱いばかりで頑張るチャンスもほぼなかったのがマジでしょんぼり
芸人キャラや不遇扱いするにしても、前のちゃまにしても
後からお情けでおまけつくってフォローするなら最初からおまけまでプロット作ってから投稿したほうがいいかなって個人的には思う

まぁ幸子に限らず、読む人…特に好きなキャラ出てる人はそのキャラの見せ場にはなんだかんだ期待しちゃうわけだし
次回なんか書くときは出した子は全員、ワンシーンでもいいからしっかり活躍させたげたらいいとおもいました、まる(こなみ)

まぁちょっと疲れてて愚痴になってるし
自分の腕前棚上げにしてるって自覚はしてるが全体が面白かっただけに言いたかった

80: 2014/01/19(日) 21:29:59.08 ID:5W+b/VxP0
こんばんは、PaPな作者です。南条光の新SRはいつでしょうか……

宣言通り、おまけを2本あげてお話を終了として、しばらくしたらHTML化させていただきます。

ここまでお付き合いいただいた方、また、ご感想やご意見にご指摘いただい方、ありがとうございます! 楽しんでいただければ大変うれしいですし、いろいろと未熟な点・勢いだけで初めた方法からお気を悪くされた方がいれば申し訳ないです。スレッドの使い方・文書作成方法など、今後はより注意してまいります。


それでは。

81: 2014/01/19(日) 21:37:01.38 ID:5W+b/VxP0
【おまけ番外編1】 ふつうの幸せ


幸子「ハァ」ポーイ…ポチャン

モバP「あ、いたいた。幸子~」

幸子「! プロデューサーさん、何でここに!?」

モバP「……お前、多摩川のほとりで三角座りして、何たそがれてんだよ。変装も眼鏡だけで。リストラされたけど、家族に言えないサラリーマンみたいな背中してるぞ」

幸子「ど、どんな背中ですかそれ……このボクをオジサン扱いしないで下さい!」プイッ

モバP「悪い悪い。隣、座るぞ?」トス

幸子「……何の用ですか?」ムスッ

モバP「美羽と買い物に行ったんだって?」

幸子「え? ええ、行きましたよ。渋谷と原宿に、お店を見て回っていたらあっという間に1日が経っていました……ね」

モバP「ふーん。誰にも見つからなかったか?」

幸子「ええ、心配でしたが、ボクは変装も完璧ですからね。美羽さんと、楽しく1日を過ごせましたよ!」ドヤッ

モバP「お、何か久しぶりに見たな、幸子のドヤ顔」

幸子「ド、ドヤ顔はやめてください! 自信と気品に満ち溢れた、カワイイ顔と言って下さい」

モバP「ああ。カワイイな、幸子は」

幸子「あぅ……め、面と向かってまともなこと、言わないで下さいよ//////」

モバP「どうしろってんだよ……あ、来週には智絵里やみく達と、植物公園に行くんだっけ?」

幸子「ええ、そうです。よくご存知ですね……フフーン、一緒に行きたいなら連れて行ってあげなくもないですよ?」

モバP「仕事だよ……仕事、なんだよ」

幸子「ごめんなさい」

モバP「ハハ、いいよ。お前たちは、たまの休日を楽しんでこい。俺はお前たちがアイドルとして楽しめる仕事をとってくるよ。それも、俺にとっては楽しいし、嬉しいからな」

幸子「……さすがは、ボクたちのプロデューサーさんですね。代表して、ボクが褒めてあげましょう♪」ナデナデ

モバP「ありがとう。しかし、こう仕事が続くと家の事がろくに出来ないわぁ」ゴローン

幸子「っ……あ、あの! ボクでよければ、プロデューサーさんのおうちに行って、掃除や洗濯、なんか……してあげましょうか? ボ、ボクは世界レベルに優しい皆のアイドルなので!!」

モバP「ええ、でも悪いだろ。お前1人に、そんな事」

幸子「いえ、そんな事……あ、そうだ! それなら、皆も誘って……みましょうか。美羽ちゃんや智絵里さん、などなど。プロデューサーさんに、相談したいこともあるって聞きましたし!」

モバP「うーん。まあ、他の皆も含めて、やってくれるって言うなら……たまには、アイドル達に甘えるのも悪くないかな?」

幸子「ええ、ボクに任せてくれれば、みーんなでプロデューサーさんをサポートしてあげますよ! ボクは……ボクたちは、カワイくて優しい、あなたのアイドルですから!!」ドヤッ!

モバP「そんじゃ、頼むよ。日取りが決まったら、連絡してくれ」

幸子「分かりました! それじゃ、さっそく確認してきます!!」ザッ、タタッ


モバP「お、おい! 速いな……現金な奴だな」

(幸子ちゃん、戦闘中で活躍できなかったこと、気にしているみたいですよ? 少し、気にかけてあげて下さい……最近夕方はよくここにいるので、お願いします!!)

モバP「いつもは自己アピール強めな癖に、いざという時は他人を立てるか……損なやつだけど、俺は好きだな」クスッ


-ボクが特別に、Pさんの家に行って家事をしてあげますよ!―

モバP「ちょっと、ルール違反かもだけど……まあ、たまにはいいだろ」


幸子(うう、勢いで恥ずかしいこと言っちゃった……えへへ//////)


【おわり】幸子はいじらないとちょっと不安になる。


82: 2014/01/19(日) 21:42:42.20 ID:5W+b/VxP0
【おまけ番外編2】 BD・DVD映像特典~未公開映像~


赤ブルマ軍団長・卯月「くっ、まさか瑛梨華ちゃんがやられるとは……無念!」

赤ブルマ軍団副長・瑛梨華「GO・ME・N・NE★」(あれは無理だよ……)

紺ブルマ軍団長・凛「熱々皿うどん大食い対決は引き分け……いえ、両者敗北により勝敗はなし! さあ、今度こそ決着をつけようか」


『ちょっと待ったーっ!!!』

卯月・凛『誰だ!?』


 ザワ……ザワザワミサワ……ザワザワ……

-お互いのプライドと、正統派女子体操服の座を賭けて決氏の戦いを繰り広げていた、赤ブルマ軍団と紺ブルマ軍団。そこに、突如コートに身を包んだ謎の軍団が――!(ナレーション・川島瑞樹)


??「赤や紺のお話じゃないよ。もう、ブルマなんて古い! ほとんどの学校では体操服として採用されていないからね!!」

卯月「何ですって!?」

凛「いえ、まだまだ需要は多方面であるわ!! 特に風」


黄色ハーフパンツ軍団長・未央「言わせねぇよ!!!?」バサーッ!!


卯月・凛『お前は、新世代(ニューパンツ)!!』

未央「ロートル同士でどんな戦いをやるのかと来てみれば……とんだ茶番だよね! 皿うどんの大食い1つで、勝敗すら成立しないなんて!」

卯月「くっ、何も知らないくせに!! あなたが思っている以上に皿うどんは熱々なんだよ!! ドクターストップギリギリの調理だったんだからね!!」

むつみ・瑛梨華(!?)

凛「そこまで言うなら、あなたは……出来るんだよね?」ギロッ

未央「ふふ、言われるまでもない。こちらは、それ以上の戦いを用意できるよ。どう、お2人さん……私と勝負する? 嫌ならいいんだよ、お年寄りに無理はさせられないからね!! おうちでゆっくり養生すればいいよ!!」アハハッ

卯月「そこまで言われたら、引き下がれないよ!」

凛「ええ、私の蒼い力で……返り討ちにしてあげる!」

未央「いい度胸ね、よろしい……あれ持ってきて!!」


-黄色ハーフパンツ軍団長・未央の合図に、奥の扉が開かれて1台のワゴン車が運ばれてくる……大量の、湯気を立ち昇らせながら。


卯月「こ、これは……おでん!!」

凛「うん。おでん……だね!」

未央「このぐっつぐつに煮込んだおでん、それもお汁をたっぷり吸っている茶巾(おもち入り)をどれだけ早く、多く食べられるかで勝負……それが、新世代(ニューパンツ)の定番だよ! どう、内心は引いてない? 怖いんじゃない? やめるなら、今の内だぞロートルどもぉ!!」

卯月「同じ事を言わせないで……逃げる事なんて、出来ない!!」

凛「うん。この勝負に勝てば、ブルマでありながら、ハーフパンツを越える……下剋上だ!」

未央「その意気やよし! それじゃあ……始めるぞーっ!」


 ウオオオオオオーッ!!!!


-勝負の準備はあっという間に整い、女子体操服界の未来をかけた世紀の対戦が、始まる――!


卯月「準備はできたね……3人一緒に、せーの・スタート!で、始めるよ?」グツグツ

凛「分かってる。勝負に、アンフェアなことはしない。正々堂々とやるよ!」グツグツ

未央「見せてあげる、新・正統派の力を……いくよ!」グツグツ


『……せーのっ』

83: 2014/01/19(日) 21:44:59.22 ID:5W+b/VxP0

卯月「いっちゃえ、あずきちゃん!!」

赤ブルマ軍団員・あずき「熱々、おでん、早食い……大作戦!」プルプル


凛「蒼い力、見せつけてやって奈緒!!」

紺ブルマ軍団員・奈緒「なあ、これマジなやつじゃないか!?」プルプル


未央「あっさり勝って力の差を見せつけてやるのよ、柚!!」

黄色ハーフパンツ軍団員・柚「まだ、まともかな……いや、ないない!!」プルプル


『スタート!』プァーッ!!


犠牲者3人(くっ、番組は壊せない……ソイヤ!!)パフッ


あずき「ごひゅ!?」ブボーッ!

奈緒「ぼふぇ!?」ブボーッ!

柚「あにゅい!?」テヘベボーッ!


―3人全員、奮闘するも1つも食べられずに……勝負、終了。



卯月「くっ、こんなことって……まだ、まだ諦めないよ!」

凛「そ、そうだよ! まだ、負けたわけじゃないからね! 赤ブルマと、新世代(ニューパンツ)にも!!」

未央「ふ、ふふ……ちょっと今回は、設定を厳しくし過ぎたみたいだね。予想外だ、仕方ない。この勝負……預けるよ!」バサッ

卯月・凛『次は、決めてやるからねー!!』ネー ネー ネー……


―こうして、今回の戦いでは勝敗がつかず、決着はまたの機会に持ち越しとなった。はたして、真の正統派女子体操服の座は、誰のものになるのか……




瑞樹(……わからないわ)



【おわり】

84: 2014/01/19(日) 21:48:11.21 ID:yG60y3Uto
アイドルなのに体張りすぎである

90: 2014/01/22(水) 19:42:34.10 ID:VbtK6FXm0

引用元: 【モバマス】battle for mobap~戦闘中~【戦闘中】 (後編)