1: 2014/05/26(月) 15:11:01.05 ID:fxNYc2iN0
絵里「……暇ね」

希「確かに、なんも仕事がないと、暇なことは暇やな」

絵里「はあ……本でも読もうかしら……希、そのへんにあるの適当にとって」

希「はい、どうぞ」

絵里「ありがとう……って、これ怪談ものじゃない。絶対読まないわよ」

希「えー……いける思ったんやけど」

絵里「確信犯じゃない……はあ、もういいわ」

希「で、自分で取るのはアンデルセン童話なんや」

絵里「う、うるさいわね…」

希「かわいい思っただけよ」



2: 2014/05/26(月) 15:15:20.13 ID:fxNYc2iN0
―しばらくして―

絵里「……やっと2年の集会が終わったわね……」

希「ほんま暇やったなあ……」

「うわーん!!」

絵里「……?」

穂乃果「もうひどいよー!! 先生のばかあ!! うんこたれぇ!」

希「穂乃果? アイドルがそんなこと言うたら、あかんで」

海末「……希、これはそういわれても仕方のない事態です」

希「というか、何の断りもなく生徒会室に入ってくるようになったね、皆」

ことり「あははは……」

3: 2014/05/26(月) 15:19:02.72 ID:fxNYc2iN0
絵里「それで? なんで穂乃果は泣いちゃってるの?」

穂乃果「先生が……今日の部活は2年生は無しだって……ぐすっ」

希「ええ? なんで?」

海末「学年の中で、高熱で休んだ人がたまたま何人も出たみたいで……とりあえず2年は中止らしいです」

ことり「穂乃果ちゃん、次のライブはセンターだから、皆で練習したいって言ってたしね」

希「うーん、残念、としか言えへんね。とりあえず、今回メインの3人がおらんのやったら、ウチらも今日はやめとこうか?」

絵里「……そうね。μ'sは9人そろってこそだし」

希「じゃあ、1年生にもそう連絡しとこうかね」

絵里「ええ、お願い」

4: 2014/05/26(月) 15:23:20.83 ID:fxNYc2iN0
穂乃果「こんなのってないよ! あんまりだよ! 海末ちゃん! ことりちゃん!!」

海末「?」

ことり「は、はい!?」

穂乃果「ちょっと近くの公園で練習するから、穂乃果のダンス見て!!」

ことり「え? えーっと……テストが近いし、勉強も大事だと思うんだけd」

穂乃果「穂乃果はそんなに大事じゃないもん!」

ことり「ええー……」

海末「言い切りましたね。まあ、こういう風に言う時の穂乃果は、他人の話を聞きませんからね。協力しましょう」

ことり「うん……まあ、ことりは平気だけど……」

海末「では、すぐにでも向かいましょう!」

穂乃果「おー!!」

ことり(あ、これ海末ちゃんも体動かしたいんだなあ……)

ことり「ふふっ」

海末「な、なんですか?」

ことり「なんでもないですよー♪」

5: 2014/05/26(月) 15:27:14.93 ID:fxNYc2iN0
絵里「……嵐のようにやってきて、嵐のように去って行ったわね……」

希「本当ね」

絵里「まあ、なんだかんだでみんな楽しそうじゃない」

希「さて……仕事がなんもない休日、どうしようかね」

絵里「……帰って、少しだけ寝たい……」

ダダダダッ、バンッ!

にこ「ちょっと!!希ちゃんなんでにこにメールくれなかったの!?」

希「ああ、完全に忘れとった」

にこ「忘れとったあ!? いい加減にしなさいよね本当!!」

絵里「はあ、またうるさいのが来たわね」

にこ「そこ、失礼なこと言わない」

絵里「もう聞いたでしょ? 今日は部活は休みだから、帰ってもいいのよ?」

にこ「ふっふっふー、甘いわね……二人はこれから予定ある?」

絵里「帰って寝たい」

希「星占いでもしようかなって」

にこ「ないわね!」

6: 2014/05/26(月) 15:33:44.43 ID:fxNYc2iN0
にこ「じゃあ、これ! ちょっと見て!」

希「なんやそれ……福引券?」

絵里(ないことにされた)

にこ「これ、1000円分の買い物で1枚たまるってやつで、10枚で1回ひける福引なんだけど……あと3枚たりないのよね~?」

にこ「そ・こ・で~」

にこ「二人に協力してもらって、福引を引くにこー!!」

絵里「……」

希「……」

にこ「二人してシーンとしない! どう? にこのアイデア!」

希「ええんちゃう?」

絵里「福引って何が当たるの?」

にこ「はずれなしで、1~3等、それから特賞があるわね」

にこ「2等と3等は微妙なぬいぐるみとかだけど、1等と特賞がすごくてね……特に特賞は、有名なアイドルのライブチケットがあたるのよ!!」

希「それはええ話やね」

にこ「でしょ!? だから協力してね!!」

絵里(……3等のぬいぐるみ、かわいい……欲しい)

7: 2014/05/26(月) 15:40:13.24 ID:fxNYc2iN0
―ショップ―

にこ「さてと……とりあえず着いたわね」

絵里「普通のお店ね」

希「普通やね」

にこ「じゃあ、とりあえず洋服からチェックするわよ! 絵里ちゃんと希ちゃんに似合いそうなやつ、この前見つけたしね! るんるるーん♪」

絵里「はいはい、ふふっ、楽しそうね」

希「本当にね」

8: 2014/05/26(月) 15:43:18.49 ID:fxNYc2iN0
―服屋―

にこ「これよこれ!! どう!?」

希「おお~、ええやん!! ……あー、でも、胸の辺りとかちょっときつそうかも……」

にこ「腹立つわね」

希「合いそうなサイズもないなあ。残念やわ」

にこ「うーん……サイズがないなら仕方ないか……絵里ちゃんはね、これ!!」

絵里「ええ!? さすがにそれは……ちょっと派手すぎない? 普段着というか、ドレスじゃないの……」

にこ「いいのいいの!! 着てみて!!」

絵里「あっ、ちょっ、お、押さないでったら!!」

9: 2014/05/26(月) 15:46:25.04 ID:fxNYc2iN0
にこ「どう? まだ?」

絵里「き、着てるから待って…………」

希「ふ~ん、ここ、いい店ね」

にこ「でしょでしょ!? 扱ってる洋服の幅が広いのよ」

希「で、いっつも皆に似合いそうなのとか、選んどるんやろ?」

にこ「な、ちょっ……違うから!」

希「素直やないなあ」

にこ「え、絵里ちゃん!! 終わった!?」

希(うまいこと逃げられてしもた)

絵里「お、終わったわよ……ど、どうかしら?」

にこ「お、おお……」

10: 2014/05/26(月) 15:51:58.67 ID:fxNYc2iN0
希「ふわぁ……すごいなあ、おとぎ話の世界から飛び出してきた、お姫様みたいやん」

絵里「そ、それは言い過ぎよ! あと、あんまり見ないでよ……その、恥ずかしいし……」

にこ「ちょっとー! 店員さん! この服いくら!? 買いまーす!」

絵里「か、勝手に買わないの!!」

にこ「いいのいいの。にこと希ちゃんで出すから!」

絵里「それはそれで悪いし……」

希「平気やて。別のところで、絵里ちにはいろいろ頑張ってもらっとるし。な? 生徒会長?」

絵里「ちょっと……そういうこと言われると涙出そうになるからやめてよね…」

にこ「じゃあ、このまま着ていっちゃいますね!」

絵里「……にこちゃん、店員にすごい事言った気がするんだけど」

希「このまま着る、言うとったで?」

絵里「このまま……着る? この格好でお店歩くの!?」

希「仕方ないやん」

絵里「うそでしょ……」

にこ「はーい、ここでのお買い物終了! 安売りしてたおかげで簡単に買えたし、福引券もあと1枚ね」

希「そういえばそれ、期限は平気なん?」

にこ「うーんと、日付は……今日の閉店時刻まで……ね。まあ平気よ!」

11: 2014/05/26(月) 15:57:21.29 ID:fxNYc2iN0
絵里「そんなことより、早く終わらせちゃいましょ? か、帰りたい……制服の二人とドレスの一人って、明らかにおかしいじゃない……」

にこ「おかしくないわよ? ね、希?」

希「そうよ、別におかしくなんて、ぶふっ、おかしくなんてないよ」

絵里「二人とも覚えてなさいよ。特に希」

男A「……なあ」

男B「ああ、超きれいだなあの人」

絵里(ああ、もう皆から視線が来てるのがわかるよ……この視線にも慣れてきたと思ってたけど、やっぱりスポットが当たると違うのね……)

男C「あ、あの!」

絵里「ひゃっ! ど、どうしたんですか?」

男C「え、えーっと、その……握手お願いできませんか?」

男D「あ、お、俺も!」

男A「俺もお願いします!」

男B「俺も!!」

絵里「え、ちょ、ちょっと……二人とも」

にこ「そう! 今回のチケットで見れるアイドルなんだけど……」

希「ふふっ、なにそれ! めちゃくちゃ面白いやん!」

絵里(だめね……2人とも全く気付いてないわ……)

絵里「ご、ごめんなさい!」ダッ

男たち「あ、待って!!」

13: 2014/05/26(月) 16:01:49.13 ID:fxNYc2iN0
にこ「あ、あれ? 絵里ちゃん?」

希「ほんまや、どこに行ったんやろうか?」

にこ「……さあ」

希「……まあ、目立つ格好やし、どっかにおったらわかるやろ」

にこ「そうよね」

希「次はどこいくん?」

にこ「んー、そうねぇ……適当にぶらつきましょうか」

希「ふふ、そうね。……それにしても絵里ち、どこ行ったんやろうなあ……」

14: 2014/05/26(月) 16:08:01.73 ID:fxNYc2iN0
―おもちゃ売り場―

絵里「はぁ……なんとか逃げ切れたわ…それにしてもこのドレス、走りづらいというかなんというか……」

絵里「……ん?」

少年「うぅ……ぐすっ、えぐっ」

絵里「……ボク、どうしたの?」

少年「うぇ、ぐすっ、お母さんとはぐれちゃったの……」

絵里「あら……それはこまったわね……どんな人?」

少年「お母さん」

絵里(だめだ。ラチあかねぇ。とりあえず迷子センターに連れて行きましょうか)

絵里「……よければ、お母さんを一緒に探してくれる人のところまで、連れて行ってあげるわよ?」

少年「本当に?」

絵里「ええ」

少年「えへへ……ありがとう! きれいなお姉ちゃん!」

絵里「ふふ、そういってくれてうれしいわ」

15: 2014/05/26(月) 16:13:33.92 ID:fxNYc2iN0
―フードコート―

にこ「はもっ」

希「にこはおいしそうに食べるん上手よね」

にこ「まあねえ、これで福引券もたまったし、あとは……はもっ、絵里ちゃん見つけて……むぐっ」

にこ「福引を引くだけよ!」

希「なんで食べながら言うたん」

にこ「そう! 引くだけなのよ!」

希「どうして2回いうたん。あと、ハンバーガー片手にやと、何か格好つかんよ」

にこ「……それもそうね。にことしたことが、うかつだったわ」

希「まあええやん。さて、やろか」

にこ「ん? なんでこんなところでババ抜きするのよ」

希「カード見たら全部ババ抜きや思うのなんでなんよ。これで絵里の居場所を占うねん」

にこ「ふーん……どこにいすなのよ?」

希「……ここより東、いうとるね」

にこ「ひ、東?」

希「こっちや」

にこ「あ、ちょっ! まだハンバーガー食べれてない! はぐっ、はむっ。待って!!」

16: 2014/05/26(月) 16:18:33.71 ID:fxNYc2iN0
―迷子センター―

少年「ここにお母さん来てくれるの?」

絵里「ええ、そうよ。すみませーん」

店員「はい」

絵里「迷子の子を、ここで預かってもらってもいいですか?」

店員「はい、構いませんよー! はいボク、お名前は?」

少年「……○○って言います」

店員「そう、じゃあすぐにお母さん呼ぶから、待っててね」

少年「うん……」

ぴんぽんぱんぽーん

希「まさか絵里ちか!?」

にこ「迷子のエリチカ!?」

『迷子のお知らせです。白いTシャツに、白の短パンを履いて、白の帽子をかぶった男の子が』

希「違った、全然絵里ちやないわ」

にこ「白大好きねこの子」

『……以上、ショッピングセンターでした』

ぴんぽんぱんぽーん

店員「さて、もうすぐお母さん来るから、いい子にしてるんだよ?」

17: 2014/05/26(月) 16:20:47.55 ID:fxNYc2iN0
少年「はーい…」

絵里「よかったね、じゃあ私はこれで」

店員「あ、わざわざありがとうございました」

絵里「いえいえ」

少年「えー! お姉さん行っちゃうの!?」

絵里「ええ……私もお友達のところに行かないと……」

少年「うう……お姉さんと一緒がいい……」

絵里(も、もう……この子、なんでこんなかわいい泣き顔してくるのかしら……)

絵里「わ、わかったわ……一緒にいてあげる」

少年「わーい!! やったー!!」

18: 2014/05/26(月) 16:24:07.57 ID:fxNYc2iN0
少年「ねえねえ、お姉さんお歌好き?」

絵里「ええ、好きよ」

少年「じゃあ、何かお歌うたって!!」

絵里「ふふ、いいわよ。ボクは、どんなお歌がすき?」

少年「僕はねー、かっこいい歌!」

絵里「かっこいい歌かあ、例えば?」

少年「マスクライダーの歌とか!!」

絵里「ふふ、確かにかっこいい歌ね」

絵里(確か、曲のさびは……)

絵里「~♪」

少年「わあ……お姉ちゃん、お歌上手なんだね!」

絵里「あら、そんなことないわよ」

少年「何か他にも歌ってよ!」

絵里「ええ、私のでよければ。じゃあ、他にはね……?」

19: 2014/05/26(月) 16:27:00.84 ID:fxNYc2iN0
「ボクー!! どこにいるの!?」

少年「あ! お母さんだ!」

母「ああ! よかったわ……あなたが、ここに連れてきてくれたんですの?」

絵里「あ、はい」

母「ああ……ありがとう、助かったわ」

絵里「いえ、当然のことをしたまでですから」

母「ふふふ、頼もしいわね。ほら、あんたもお礼を言いなさい」

少年「お姉ちゃん、ありがとう!」

絵里「どういたしまして、ふふっ」

少年「またお歌聞かせてね!!」

絵里「ええ、もちろんよ」

少年「じゃあまたねー!!」

絵里「ばいばーい♪ ふふふっ♪」

20: 2014/05/26(月) 16:30:55.60 ID:fxNYc2iN0
「エリチカー!!」

絵里「あ、私のお迎えも来たみたい」

希「え、なんで迷子センターおるん?」

にこ「そんな大きな友達を、迷子センターで扱ってくれるわけないでしょ?」

絵里「ち、違うわよ! これは……男の子が」

希「というか勝手にどこか行ったらあかんやん。ハンバーガー食べた後ずいぶん探したんやで?」

絵里「ハンバーガー食べてるじゃない…それに迷子になったのは、男の人が」

にこ「まあなんでもいいわよ! それにしても、絵里ちゃん本当にきれいね……にこの目はやっぱりくるってない♪」

絵里(きれいなお姉ちゃん、か……)

絵里「ふふ、そうみたいね♪」

希「なんかええことあったん?」

絵里「なんでもないわ♪」

21: 2014/05/26(月) 16:35:41.81 ID:fxNYc2iN0
―翌日―

にこ「~~~~~~っ!!」

花陽「で、あたったのがこれなの?」

絵里「ええ、そうよ!」

真姫「尋常じゃなく目がキラキラしてるわね……」

絵里「私は一番欲しかったんだもの」

希「ま、昨日は絵里ちが得する日やったってことやな」

穂乃果「そのぬいぐるみ、何か知ってるよ!」

海末「ことり、あれ好きでキーホルダー持ってましたよね」

ことり「はい! ぴにゃこら太っていうんですよ♪」

凛「何だかかわいいにゃ~♪」

にこ「もー! 納得いかないわよー!」

22: 2014/05/26(月) 16:38:22.46 ID:fxNYc2iN0
にこ「というか、にこが福引券持ってたんだし、それはにこのものなんじゃないの!? なんでもいいから貸しなさいよ!」

絵里「ふふっ♪ 認められないわっ!」

にこ「もーなんでよー!!」

希「今日も平和やねぇ……」

希「……あ、茶柱」

END

23: 2014/05/26(月) 16:39:14.61 ID:fxNYc2iN0
ラブライブの3年生の雰囲気が素敵すぎて作ってみたけど、勢いだからあれかもしれない。

見てくださった方、ありがとうございました

24: 2014/05/26(月) 17:22:17.03 ID:W5HCZL7eo
おつ

引用元: 絵里「3年生ショッピング」