1: ◆FnwJR8ZMh2 2016/04/14(木) 21:36:19.66 ID:+0ysWP5X0
【あらすじ:マジキチMS決定戦に連れ去られたバルバトス。本人の気持ちとは裏腹に、プラモは阿頼耶識の設定補完をして彼を追い詰めるのであった……】





リベイク「……で、これか」ピラッ

キマリス「ええ」


【おにいちゃんたちえ】

【ばるばとすおにいちゃんの かわりの まじきちもびるすーつお さがしにいってきます】

【さがさないでください】

【ぐれいずあいん】

リベイク「理由はともかく目的がひどすぎる」

キマリス「まあ我々阿頼耶識システム搭載機全部に言えますからねえ、この問題」

リベイク「気持ちは分かるがなあ……プラモのインストのせいで兄貴猿に勝っちまったし」

キマリス「(どっちがまともかで)対抗心燃やしてたサイコザクが敗退したせいで色々辛そうでしたね」

リベイク「……おまけに……」カサッ

キマリス「……ええ……」


【兄弟へ】

【うららかな春の訪れとなりました、皆さんお変わりございませんか。兄のバルバトスです】

【今、準決勝戦のリアルバトルのために月軌道上にいます】


【相手はカオスレルです】

【たす け t(インクが掠れて読めない……)】




リベイク「いきたくねえぇ……!!」

キマリス「同上……!!」



2: 2016/04/14(木) 21:45:43.23 ID:+0ysWP5X0
リベイク「でもこれ行かねえと兄貴がエンジェルコール漬け確定なんだよなあ……」

キマリス「ただでさえマーズ・レイとかあるのに加えて天使の呼び声とか悲惨極まりませんね」

リベイク「悲惨さのレベルが違いすぎるけどな」

キマリス「ていうかどうやって200mの化物相手に戦うんですか、斬艦刀とかライザーソードとかなきゃやってらんないでしょうに」

リベイク「知り合いにグロウスバイル借りてきた、けど無理っぽいなあ」ブンッ

リベイク「とりあえずこっち先に行くしかねえ、イサリビに連絡だ」ppp

リベイク「アインなら大丈夫だろ、一応俺らより強いしな」

キマリス「デカイですしね」


バルバトス:18.0m
グシオン :18.0m
キマリス :19.3m   


アイン  :22.2m


――地球、ジャブロー――


 ここは地下洞窟を改装してMS用のリゾートとか博物館とかにした、なんかこうすごくいいところ。
 月に二回、ジャブロー攻略戦再現パレードが連邦ジオンMSによって行われています。
 二回も核攻撃されて遺跡にもなりましたが、ここはどの作品どんな時代でも元気です。


グレイズアイン「…………」


グレイズアイン「迷った……!!」ガーン

「おーい!!」

「やっと見つけた……」


グレイズアイン「!!」

3: 2016/04/14(木) 21:53:35.14 ID:+0ysWP5X0

 ・ 
 ・
 ・



スサノオ「マジキチ……ふむ、変わったシステムが有るという意味ならば、東のクレーター外周のプールに何機かいたと思うぞ」

グレイズアイン「ほんと?!」

スサノオ「阿頼耶識以上となれば限られてくるが、代わりになりそうな機体がもしかすればいるかもしれないな」

グレイズアイン「ありがとうございました!!」ペコリオ

スサノオ「礼には及ばん。兄君が無事帰ってくることを祈っているよ」



百里「あっ、いたいた!」

漏影「で、どうだったんだい?」

グレイズアイン「東のクレーター外周になんかいるって!」

百里「なんかって何よ……さっきみたいに木星圏のゲテモノ連中じゃないでしょうね」

漏影「百里、ブーメラン刺さってる」

グレイズアイン「ゲテモノなの見た目だけで普通に良い機体ばっかりだったねぇ」

グレイズアイン「でもごめんね、こんなとこまで追っかけてきてもらっちゃって」

百里「い~のい~の、どーせ暇だし」

漏影「解説役は必要だからって百錬姐さんにも言われたからね」

グレイズアイン「よーし、さっさと終わらせていっぱい遊ぼう!!」

「「おー」!!」


―― ――

クシャトリヤ「あら、もう終わったのですか?」ペラッ

スサノオ「道順はMAPを見れば分かるからな、この程度でも十分だ」

スサノオ「待たせて済まなかった。どこに行こうか?」

クシャトリヤ「貴方の好きなところで構いませんよ」ペラッ

スサノオ「それを言うと動く必要が無くなってしまうよ。そうだな……歩きながら探すとしようか、一緒に」スッ

クシャトリヤ「はいはい、分かっていましたよ……もう」パタン


スサノオ「さて、どこまで行こうか?」

クシャトリヤ「あなたとならば、どこまででも」

5: 2016/04/14(木) 22:14:11.86 ID:+0ysWP5X0


――外周プール――


デルタカイ「ウェーーイwwww」


グレイズアイン「さっそくいた」

百里「ガンダムデルタカイ……乗ったパイロットをニュータイプ能力のある強化人間に変えてしまうシステム【ナイトロ】を持ったマジキチ十傑の一機」

漏影「……のはずだけど……」


ガブスレイ「ウェーーイwwww」

サイコガンダム「ウェーーイwwww」

サイコMk-II「ウェーーイwwww」


グレイズアイン「なんかいっぱいいるー?!!」

百里「なんか全部真っ青な炎出てるー??!」

漏影「901ATTかな?」

百里「漏影、解説解説!!」


漏影「デルタカイ……デルタガンダム系列で、重武装高起動という攻撃的な性能を持つ【可変機における各種兵装の運用実験機】」

漏影「最大の特徴でもある【システム・n_i_t_r_o(ナイトロ)】は、説明通りにパイロットを強化人間にすることでサイコミュを使用可能にする機能を持つ」

漏影「……んだけど、どうやらコイツ【パイロットの脳みそを脳波干渉で強制的に書き換えて順応させる】らしくて」

漏影「簡単にいえば【パイロットをデルタカイ専用の別人に作り変える】システムってことになるようだね」


グレイズアイン「別人に……? なんて酷いんだ……!」

百里「と、パイロットが自分の体だと認識しきってしまう高感度阿頼耶識搭載MSがおっしゃっています」

漏影「まあそれのせいで頭や腹を執拗に狙ってくれて、ラフタとアジー助かったんだけどさ」




6: 2016/04/14(木) 22:35:37.43 ID:+0ysWP5X0
漏影「ゲームでは、模擬戦→乱入してきた宙賊相手の戦闘でパイロットの発言はだんだん変化していって」


「了解です、必ずやってみせます!」

「了解、望むところだ」

「……当たり前だ」フン


漏影「とまあ、同じ上官相手の受け答えがどんどん荒れてって、加えてそれを咎めたオペレーター(ソフィ・ロム中尉、結構カワイイな子)に」


「まったくうるせえ女だ、メガ粒子のカタマリをぶち込んでもらいたいのか?」


漏影「と、ミノフスキーハラスメントかます下劣さまで出すようになったね」

百里「メガ粒子のカタマリ(意味深)」

グレイズアイン「乗ってる人の口調が変わっちゃうなんて……個性が無くなっちゃうよ!!」

百里「ガエリオ特務三佐……」ボソッ

(==○=)「漫画版のここのシーン、赤面したソフィちゃんが大変よろしい」

漏影「おまけにリミッター外れてるのか馬鹿力も出るっぽい描写があるね、すごいなこれは」

グレイズアイン「待って、今の誰?」

漏影「で、だ」

グレイズアイン「ねえってば」


漏影「コイツ、【実はグリプス戦役時代から存在してる】みたい」

グレイズアイン「えっ?」

百里「宇宙世紀ってそんなのばっかねホント」

アカツキ「全くだな」

スノーホワイト「ええ、ほんと」

7: 2016/04/14(木) 22:48:18.00 ID:+0ysWP5X0
漏影「元々このシステムは【サイコガンダムのような能力の高い強化人間でなければ使えないMAに、より操縦者を適応させるための、もしくはパイロットを選ばずに使う為のもの】らしいんだ」

漏影「まあサイコガンダムって、今まで使った人間の思念が溜まってたり、パイロットがパーツ扱いで勝手に飛んできたりする、元祖【やばいシステムのあるガンダム】なわけだけど」

百里「ちゅうことは、あそこでウェイってる奴らは……」

漏影「初代のナイトロを内蔵してた連中ってことになるかな」

漏影「まあこのナイトロだけど、初期型はもう完全にパイロットが【燃え尽きる】ベルフェゴール仕様」

漏影「デルタカイのも、パイロットは病院送りの上登録抹消が待ってるらしいから、だいたい変わらないみたいだね」

グレイズアイン「宇宙世紀の人たちはもうちょっとパイロットを大事にしようよ……沢山のお金かけて養成するんだからさあ……」ハァ

百里「怖いくらいの説得力だね……」


デルタカイ「チョリーッスwwww俺っちの話っすかwwww嬉しいっすwwww」ダキッ

グレイズアイン「 」ギュイイイイン!!!

デルタ。カイ「あばばばっばばばばb」ガリガリガエリオガリ

百里「アインストップ!! ドリルキックストップ!! コクピットに穴空いちゃってる!!」

グレイズアイン「セクハラ反対!! ばか!! えOち!! korosu!!」ジャコンッ

百里「バンカーもダメだって!!!」

デルタ○カイ「愛が重いぜ……wwww」

グレイズアイン「ていうかこんなにやばいシステムなら兄ちゃんの代わりにもなるよね!!?」

デルタ○カイ「無理wwww俺っち負けたしwwww」

百里「あんた敗退したの?! 相手は誰よ!!」


デルタ○カイ「デwwビwwルwwガンダムwwww」

グレイズアイン(上には上がいたぁ~~……ッッ!!)ガクッ


漏影「ちょうど良かった、一個分からなかった事があってね」

デルタ○カイ「なんすかwwwwなんでも聞いてちょwwww」

漏影「君っていうかナイトロ、なんで今さらになって復活したの?」

デルタ○カイ「可愛い顔して手厳しいっすねお姉さん」

9: 2016/04/14(木) 22:57:42.92 ID:+0ysWP5X0
漏影「いや、時代錯誤な大型MAの操作のために生まれたナイトロを、そこまで安全性改善できてないにもかかわらず、何故高価で整備性も悪く武装が特殊で金食い虫の君に積み込んだのかって話さ」

デルタ○カイ「すいません、言葉のドリルキックもストップイイすか? 泣きそうっす、つうか泣けてきたっす」

百里「まあその代わり実験機のくせにあんた滅茶苦茶強い上に誰が乗ってもイケるもんねえ」

漏影「プロトフィンファンネルの散弾ビームも結構かっこいいし、宇宙世紀でも数少ない面攻撃サイコミュって価値もあるしね」

グレイズアイン「いっぱい武器も持ってるもんね、分けてよ」

百里「ビームは駄目だかんね」


デルタ○カイ「まああれっす、【おれっちのナイトロはあくまで復刻改装版の旧型】で、別にもう一機最新式ナイトロは存在するんス」


グレイズアイン「え!?」

百里「まだナイトロあるの!?」

デルタ○カイ「んんwwww新鮮な驚きが心地よいですぞwwww」

漏影「君たちの開発認可した連中って、ハロとかと頭部すり替わってんじゃないかい?」

デルタ○カイ「せめて余韻くらいは楽しませて欲しかったっす」


デルタ○カイ「ちゅうわけで、新しいバディの紹介だぜブラザーーーーズ!!!!」


ナイトロズ「「「イエエエーーーーーイwwww!!!!」」」ボボボボ


漏影「いやー、炎だけ見てるとものすごく幻想的な恐怖感があるんだけどね」


デルタ○カイ「イカれた新メンバー紹介するぜ!!! ご・登・場・ヨロシクゥウ!!!」


バンシィノルン「うーっす」

フェネクス「はい、こんにちは」


デルタ○カイ「テンションひっく!?」

バンシィノルン「テメーらが無駄にたけえんだよ……穴塞げみっともねえ」

フェネクス「ハロならあるけど、使う?」

10: 2016/04/14(木) 23:16:02.20 ID:+0ysWP5X0
百里「え、あんたらなの?ナイトロ搭載MSって」

フェネクス「正確にはナイトロを元に開発した【アームド・アーマーXC】だけれどね」

グレイズアイン「親戚のフェニックスおじさんとお友達?」

フェネクス「ああ、一応私もソロモン悪魔モチーフだったわね……邪悪な不氏鳥って、中身的にももうちょい考えて欲しかったものだわ」

バンシィノルン「パイロットの強化人間をカラダごと取り込んでおきながらそりゃあねえだろうよ、俺なんか泣き女だぞ」

フェネクス「兄さんは黙っててよ! 閑話休題……で、ナイトロのことだけど、なんとも言いがたいっていうか、わかりづらいというか」


フェネクス「そうねえ……【いつでもNT-D出来、パイロットと機体をより深く繋げるサブジェネレータ】ってところかしら」

フェネクス「これがあると、相手がニュータイプじゃなくても脳波を無理やり感知してデストロイモードになれるのと、インテンション・オートマチックの感応速度が上がるらしいわ」

グレイズアイン「スゴイね、阿頼耶識みたい!」

バンシィノルン「一緒にすん」

フェネクス「ふん!」ゴスッ

バンシィノルン「グフッ?!」


フェネクス「……まあ繋がない阿頼耶識みたいなものかもね、インテンション・オートマチックは。」

フェネクス「でもこれ、パイロットがニュータイプで、かつインテンション・オートマチックを使いこなせるなら無意味で、ただのサブジェネレータ扱いらしいんだけど」

フェネクス「リディさんの覚醒タイミングから言って、【最初はナイトロとして彼を狂わせていた】のか【最初からただの補助兵器で、狂っていたのは彼自身の憎しみの増幅のせい】か」

フェネクス「いまいち判断しづらいのが本音でね……どっちなんだろう」

百里「前者なら【ユニコーンシリーズをオールドタイプでも運用可能にする悪魔の装置】だし、後者なら【ただの補助装置】だもんねえ」

フェネクス「わたしたちがそもそもおかしいからね、それに本来は強化人間で運用してニュータイプを倒す機体だから、ニュータイプが乗ったら意味が無いって可能性もあるし」

漏影「ううむ、詳しく知りたいものだがどうしたものか」




デルタハロカイ「なんか……別のMSっつうか?」<ハロ、ゲンキ


デルタハロカイ「でもこれはこれで……いけてね?!」<それはない

11: 2016/04/14(木) 23:28:16.99 ID:+0ysWP5X0
百里「とりあえずデルタカイはダメねえ、代わりにならない上に設定が多すぎたわ」

グレイズアイン「酷く無駄な時間を過ごした」

漏影「どうどう……落ち着けアイン」


グレイズアイン「兄ちゃん大丈夫かなあ……」



―― ――

バルバトス「助けてええええええええ!!!」

リベイク「ああああああああああああ!!!」

キマリス「うわああああああああああ!!!」

流星号「なんで俺までエエエエエエエ!!!?」


カオスレル「ほーら、早く逃げないとコクピットにギムレットビット突き刺して機体のコントロール奪いつつパイロットにエンジェルコール撃ちこんじゃいますよー?」ヒュンヒュン

バルバトス「えげつねえええ!?」

リベイク「発想がネオ・ジオングと同じなのにおまけがグロすぎんだろ!?」

キマリス「だ、大丈夫です!動きまわってればとりあえず真芯に当てられず刺さらないはずですから!!」

カオスレル「その代わり直線貫通力ならバンゾ(自分で自分のミサイル当たる前提のめっさ硬い一騎当千機)のコクピット装甲も抜いちゃうけど、ね?」

バルバトス「OMG」

リベイク「WTF」


流星号「つうか審判どこだよ!!もう負けでいいから帰らせてくれよお!!」


審判ズンビー「アバー」「アバー」「アバー」


流星号「アイエエエエエ!!ギムレット刺さってるううううう!!?」

カオスレル「あなた達を操れば、ミダス様ともども私もオルフェンズに出られるかもしれないし……ね? ちょっと、先っぽだけでいいから」

バルバトス「ねえよ?! 暗黒時代の御大ですら出さねえよそんなもん!!」


 説明しよう!
 ミダスとは、カオスレルと連携する前提で開発されたクロボンゴーストのラスボスである!
 頭部から発生される光を「見ただけで」モビルスーツは全て謎の動作不良を起こして完全停止してしまう、奇怪なシステムを搭載!
 これで止めた相手をギムレットビットでゾンビにするというおぞましい戦法が彼らの得意技だ!
 一回で艦隊クラスの数のMSが動けなくなるぞ!

 しかもコイツ従来の機動手段でミノフスキードライヴのファントム以上の機動性を有し、全身防護可能なビームマント持ち、かつ攻撃もビームシールドを軽々ぶち抜く異常性能!!
 乗ってるパイロットもあのビルケナウでMS五体を手玉に取る凄腕である!!ピピニーデンとは一体……うごごごg



ビルケナウ「俺の活躍が唯一見れるクロスボーン・ガンダムゴースト!感動の最終回を迎えたから是非買ってくれよn……あ、アバー」

12: 2016/04/14(木) 23:44:34.34 ID:+0ysWP5X0
グレイズアイン「きっと大丈夫だよ、多分!」

漏影「そうかな? なんかどす黒い液体垂らしながら操られてそうだけど」

百里「いやに具体的ね」

グレイズアイン「次行こう、次! どんどん行こう!!」


シスクード「えっ、僕ですか?」

グレイズアイン「うん! G専用フラッグさんやトールギスさんをも超えるマジキチだって、グレイズリッターちゃんが!」

百里「こ、こら! いきなり直接的すぎるでしょうが!」

漏影「無邪気も過ぎると失礼だけが残るぞ」

シスクード「ッ…………!!!」


百里「ほら、アイン! 今のうちに謝って……」

シスクード「ありがとうございますッ!!」ガシッ


百里「……へっ?」


シスクード「僕、【満足度は高いけどマイナー】みたいなゲームにしか出てないせいで本当に知名度が低いんです……ッ」

シスクード「モノアイガンダムとか、結構CM覚えててくれたりはするんですけど、今更DSやろうって人もホント珍しくて……!」

シスクード「何かの引き合いに出してもらえるなんて夢みたいです! マジキチでも何でも、無視や無関心よかマシってもんです! なんでも聞いてください!!」ブンブン

グレイズアイン「ありがとう! こっちこそよろしくね、シスクードさん!」ブンブン

漏影「百里、ごめん。ハンカチある?」

百里「ちょっと待って、あたしも泣けてきたわ」


13: 2016/04/14(木) 23:56:59.78 ID:+0ysWP5X0
漏影「シスクード、【左腕の盾】を意味するプロジェクト・セイレーネの護衛MS」

漏影「コンセプトとしては、相方のデスパーダ(右腕の剣)と組んで母艦MA【テラ・スオーノ(一兆の声)】を守る役割」

漏影「相方が面攻撃でエースを撃滅する対タイマン機体なのに対し、高機動高火力を活かし広範囲の一般機を迎撃する多対一用MSだね」

漏影「装備も性能も、特務機体の嗜みとでも言うように採算度外視の規格外」

漏影「Iフィールドとメガカノン、ロングレンジビームライフルが一体化したマルチウェポンを持ち、火力と防御面でも優秀な機体といえるね」

漏影「モノアイガンダムズ、の名の通りセンサーアイが一個しかなく、シャアが『モノアイのガンダムだと!?』って驚くCMは今でも覚えている人、いるんじゃないかい」


シスクード「いやあ……他機に説明されるってむず痒いですね……」モジモジ

グレイズアイン「宇宙世紀のIフィールドや高火力兵器って時期によって携行性や燃費がまちまちすぎてややこしいね!」

シスクード「ウッ」ガクッ

百里「話題に出されなさすぎて打たれ弱くなってる……!」


漏影「そんなこのシスクード、最大の特徴にして問題点は【オフェンスモード1・2】」

漏影「この機体はもともと性能を二段階のリミッターで制限してるんだけど、その度合が文字通りたいへん頭おかしい」

漏影「オフェンスモード1を解除するだけでも、同時代では比肩する機体がガッツリ減るレベルの高機動戦闘が可能」

漏影「この時点でパイロットが強化された耐G能力を有していても、相当な負担を強いられるようだね」


漏影「で、オフェンスモード2に至っては、ニュータイプの知覚が追随できないレベルの超速機動戦闘が可能になるけど」

漏影「アストナージ曰く『使ったらミンチになる』レベルの衝撃が襲う、パイロットを下ごしらえする兵器と化してるね」

グレイズアイン「ねえ、眉間と心臓に一発ずつ撃てば人って楽に氏ねるんだよ? 知ってた?」

シスクード「ごめんなさい……生まれてきてごめんなさい……」

百里「仕方ないのよね……あたしらそういうもんだもん」ポン


漏影「まあこのオフェンスモード2を平気な顔して乗りこなすオールドタイプがいるわけなんだけどね」

グレイズアイン「メタル刹那かな?」

百里「ゼクス・マーキスでしょ」

シスクード「シグ・ウェドナーです!! 僕のパイロットです!!!」

14: 2016/04/15(金) 00:13:34.63 ID:SvcDzN7l0


グレイズアイン「んー、でもリミッター解除しなくても普通に強いし、何より想定されてる分だと【高機動Iフィールド搭載機】ってとこにコンセプトが置かれてるよね、この機体」

百里「まあマジキチかもしれないけど、少なくとも扱い方に制限かかるわけじゃないし、普通に優秀よね、シスクード」

シスクード「そうですか?」

漏影「武装が強いってのもあるけど、オフェンスモード2を使わなくても十分以上の活躍が可能なことを考えたら、バルバトスの代理は無理だろうね」

グレイズアイン「残念……だけど、良かったね! 使いこなしてくれる人がいて!」

シスクード「はい! シグは、僕の大切な相棒なんです!」

グレイズアイン「またね! 今度はパイロット交換とかしようね!」

シスクード「ごめんなさい、それはちょっと……」

グレイズアイン「よぉしつぎ!どんどん行こう!」


デスパーダ「…………」ソワソワ

漏影「君、特にマジキチ要素無いんだよねえ……普通によくまとまったMSって感じ」

デスパーダ「パイロットの名前繋がりとか……」

漏影「君、パイロット交換とかしたいの?」

デスパーダ「すいません、ちょっと用事思い出しました」

15: 2016/04/15(金) 00:27:34.57 ID:SvcDzN7l0
アマクサ「それで俺か、まあ気持ちはわかるけどな」

グレイズアイン「モノアイガンダムだ!?」

アマクサ「あー、まあそうだな、一応X2のデータを元に造ってるらしいしな」

アマクサ「木星はモノアイにゴーグルって組み合わせ多いんだ、ぱっと見ツインアイに見えるがね」


漏影「アマクサ、木星がクロスボーン・ガンダムを元に研究し開発した、木星版ガンダムというべき存在」

漏影「当時の木星はMS開発レベルがそこまで高くなく、サナリィの最新鋭MSであるF97クロスボーン・ガンダムに追いつこうと躍起になってた」

漏影「彼はそんな海賊たちの機体に追いつくことが出来た代わりに、機体が大型化してしまったMSなんだ」

グレイズアイン「え?ちっちゃいじゃん」(22.2m)

アマクサ「うちの連中は15mが平均だからな、おれでもデカイのさ」(18m級)


漏影「武装はビームライフルにサーベル、シザーシールドにガンダムハンマー」

アマクサ「悪いな、変わってるだろう?」ジャラッ

グレイズアイン「いや、全然」ギュイイイン

アマクサ「……俺、お前らの世界のほうが活躍できるんじゃないかって気がしてきたぜ」

百里「気のせいではない、かもね」

漏影「まあ彼の一番のマジキチポイントはやっぱりパイロットだろうね」


漏影「彼の一番機、アマクサは、【アムロ・レイの戦闘力をコピーしたバイオ脳】を移植して活動できる、という点かな」


グレイズアイン「バイオ脳……?」

16: 2016/04/15(金) 00:48:18.66 ID:SvcDzN7l0

漏影「人物の特定思考パターンを再現した、人格再現用の生体ユニット、巨大な脳髄の詰まった文字通りの培養脳だよ」

漏影「彼にはそのバイオ脳に一年戦争時のアムロ・レイの戦闘データを幾度と無く反芻させ、その動きをコピーしたものを搭載したんだ」

百里「え、脳って、それ、人じゃないの?」

アマクサ「どうだろうな。少なくとも俺のパイロットだったアイツは、会話どころか与えられた命令を考えることさえしなかった」

アマクサ「味方の識別がない、というだけで、仲間のはずのバタラまで皆頃しにして基地も吹き飛ばしちまったよ」

グレイズアイン「……!!」

漏影「作中では、ドゥガチ総統が九人ものバイオ脳を作成し、完全に影武者として扱っていた」

漏影「カリストは氏んだ弟の思念を入れた……と言っていたバイオ脳が登場したけれど……ああ、これ以上は関係なくなってしまうね」


漏影「それがどうあれ、強さだけは圧倒的だったね」

漏影「フリント、量産型F97を三機、一瞬で戦闘不能にし、クロスボーン・ガンダムX1も脚を一本失うなど、トビアが戦慄する力を発揮」

漏影「バタラも、あれだけいた数を相手に被弾も全くなしに壊滅せしめるなど、計画自体は間違いなく成功を収めていたと思うよ」


アマクサ「だがまあ……ニュータイプがなんであれ、あれはアムロではなかったろうなあ」

アマクサ「思うが、あれがアムロなら、ハンマーを利用した反撃であっさりやられちまうような事にはならなかったはずだ」

漏影「かなり際どいタイミングを縫った絶妙なカウンターだと思うけど?」

アマクサ「それを被害軽微で収められるから、きっとアムロ・レイは伝説なんだよ」

アマクサ「量産ができそうだという内容でもなかったな、高いコストを掛けて何百と教え込み、もし一個でも成功すれば、みたいなもんだったはずだ」

アマクサ「ドゥガチやカリストみたいな、正確精密に写し取るのは無理だったろう」シュボ

漏影「……君は、バイオ脳では完全な人格のコピーをすることなど出来ないと言いたいのかい?」


漏影「それとも……【自分のパイロットはアムロのコピーなんかじゃなかった】と信じたいのかい?」


アマクサ「――両方、だろうさ」フー

アマクサ「ドゥガチのコピーですら、娘に嘘をついて匿い、登場にうろたえた奴、その娘を使い捨てようとしたやつ、明らかに反応が違うのが二人いた」

アマクサ「カリストのあれも、光のカリストと同じ能力だったら、如何にクロスボーン・ガンダムとて挟撃に耐えきれはしなかったろう」


アマクサ「希望的観測にすぎないが……俺のパイロットは、アムロ・レイのコピーこそ要求されはしたが」

アマクサ「自分の考えさえ持つことができていたかも怪しいが……」


アマクサ「【アムロ・レイの戦いから何かを学んで、それに近づこうとした何者か】であったと、想いたい」

アマクサ「そして、学んだからこそ……最後に、あの二人を助けようとしたんだと、そう願うよ」

アマクサ「戦闘兵器が言うんにしては、青臭すぎるかも知れんがね」フー

18: 2016/04/15(金) 01:07:27.01 ID:SvcDzN7l0
百里「……漏影、で、コイツはどうなの?」

漏影「機体性能自体は高性能で扱いやすいけど、使い手の拡張性に重きが置かれているせいか、一般兵士では全く性能を出し切れずに終わってるみたいだ」

漏影「本体のことには特筆内容はない、あくまでバイオ脳が焦点になるわけだけど」

漏影「量産不可、そもそもシステム的に記憶蓄積型のAIはそれをコピーしたり出来ないのを考えると……バルバトスと比べるのは難しい」

漏影「危険性があるわけじゃあない。あくまで倫理性の垣根の問題だ」


アマクサ「まあ気味悪がられはするだろうよ、だが、生きている人間の相対的価値を下げるってのが、実害にどこまで影響を与えるか、なんてのに言及しだしたら、横道もいいところだ」

アマクサ「それを言い出したら、イノベイドなんていう遥かに倫理的禁忌に踏み込んだ存在がいる。バイオ脳なんて、カワイイもんさ」

漏影「同意しかねるが、否定もしないよ。それじゃあ、手間を取らせたね」

アマクサ「なに、暇つぶし程度にはなった。また来なよ、お嬢さんがた」




グレイズアイン「アマクサさん!」

アマクサ「おう?」


グレイズアイン「あなたのパイロットは、【アムロ・レイのコピー】じゃなくて、【名前のなかった誰かさん】だったと思うよ!」

グレイズアイン「またね!! 【誰かさん】のモビルスーツさん!!」ブンブン


アマクサ「……誰かさん、か。そだな、つまんねえ形式番号で呼ぶのも味気ねえ」シュボッ

アマクサ「一杯も一服も出来ねえが……あんたは間違いなく、俺の相棒だよ。【誰かさん】?」フー

19: 2016/04/15(金) 01:22:44.65 ID:SvcDzN7l0
――――


ヅダ「未完成?馬鹿な!ちゃんと使えば生き残れるってア・バオア・クー戦で証明しただろ!! デュバル舐めんな!!」

漏影「ただの設計段階のミス、というか木星エンジンが強すぎたせい」

グレイズアイン「次!」



――――

パトゥーリア「一人いればあれだけ強いMAが動かせる、お得でしょう? カリスきゅんニュルニュル」

漏影「マジキチといえばそうだけどどっちかというと効率が良すぎて怖い部類かな」

グレイズアイン「次!!」


――――

ノーベルガンダム「もうあんなの積んでないってば。アレンビーが泣いちゃうじゃない!」

漏影「後遺症があるわけでもないし何気にスゴイシステムの部類なんだよね、バーサーカーシステム」

グレイズアイン「次い!!」

――――


ジェミナス01「ちゃんとリミッターもあるし、専用の訓練と適性も考えてる。バーンはありゃリミッターがない、ただの馬鹿だろ。アディンはしっかり決めてくれたぞ?」

漏影「危険性を鑑みた対策が取られている点も考慮すると、二歩及ばず」

グレイズアイン「つうぎい!」


――――

キュベレイパピヨン「エンボディとあなた達のそれは流石に比べないでくださいよ……ガンプラですよ、ガ・ン・プ・ラ!!」

百里「テンプラ?」

キュベレイパピヨン「アイラ・ドコイッタンネン……!」

グレイズアイン「つーぎー」


――――

リジェネレイト「なあ……スケベしようy」

グレイズアイン「 」ギュイイイイン

リジ○ネレイ○「あばばばbっばば」

グレイズアイン「 」ガシャコン

グレイズアイン「 」ドゴォン!!

○ジ○ネレイ○「うんぬ」

グレイズアイン「……次」

漏影「止めなくてよかったのかい?」

百里「セクハラの域超えてるし……」

漏影「ああ、マジキチっていうか、(形態が虫めいて)キモいだけだね。むしろ機能自体はスゴイというか、有能な部類だと思う」

20: 2016/04/15(金) 01:44:38.19 ID:SvcDzN7l0



――――



マゼラアタック「砲塔が回らないからって阿頼耶識と一緒は酷すぎますぅ……!!」


――――

コルレル「極限まで痩せた肉体美を狂気と表現されるのは、むしろ褒め言葉だよね……?」

――――

ミラージュフレームセカンドイシュー(なげえ)「反応速度が良すぎてついてこれないってアレックス時代からの伝統じゃんか……ただの怠慢だよ。合わせろよ、どっちかがどっちかに」


――――

ガブル「撃っても倒せないなら敵は近づいてくる、そこを殴る。なんの問題ですか?」


――――

ノーヘッド「狂気すら感じさせるカッコ悪さとでも言いたいのか……皆で、俺を否定するのか!!!!」

――――


フォビドゥンブルー「禁忌の棺桶って……まあそうっすね」

フォビドゥンブルー「でもすぐに改修はされましたし、何より実験機。性能自体は普通に高いから活躍できましたし、下手に深海で戦わなきゃ良いだけっすよ……」


――――


∀「はい、なんでしょう?」

漏影「大会規定で殿堂入りしてる、無駄だよ」

グレイズアイン「ぐぎぎぎぎぎいい…………」


――――


百里「……で……」

漏影「これか」

グレイズアイン「…………」

バグ「」カサカサ

22: 2016/04/15(金) 01:58:51.56 ID:SvcDzN7l0
百里「まあ確かに、コイツはやばいよね」

漏影「人類の九割を抹頃するための兵器……三百万人を三日で虐殺可能と称した貴族主義の闇の体現」

漏影「あの作戦が終わったら地球や月でも運用するつもりだったらしいけど、「人間だけを頃す機械」って表現には本当エイハブリアクターの芯から底冷えする気分だよ」

百里「何も考えずに淡々と人間を頃していく一連の流れ、怖かったもんね」

漏影「……だけど……」

漏影「これが適応されるとなると、MD(モビルドール)との差別化という問題点が取り立たされてしまうんだよね」

百里「デストロイモード・オートマトンもでしょ。無人で人を頃すだけの兵器って、個体じゃないからなあ……」

漏影「マジキチなのは間違いないが……人が動かすバルバトスと比較していいものかどうか……ううむ」


百里「……ん?」

漏影「どうした、百里」

百里「あ、アインはどこ?」

漏影「おいおい、あの巨体で迷うなんてこと……」


漏影「……いない……」

百里「あ、あたし探してくる!!」

漏影「待った、手分けして探そう! 私はあっち、君はあっち!!」

百里「落ち着いてよもう!場所おんなじじゃんか!!」ギャーギャー


 ・
 ・
 ・
 ・

グレイズアイン「はあ……」

グレイズアイン「やっぱり、僕たち阿頼耶識組は狂気じみてるのかなあ……」

ガラガラガラ

「「ちょっと失礼するよ」」

グレイズアイン「!」

23: 2016/04/15(金) 02:20:33.13 ID:SvcDzN7l0
ジェノアスタンク「やあ、お嬢さん。君も作戦かい?」

グレイズアイン「え? いや、僕は……」

バクト「おいおい、絡んでやるな。関係ないんならそれに越したことはない」

ジェノアスタンク「ああ、そうだな。済まない」


【緊急速報・緊急速報】

【月面で大会に参加していたヴェイガンギア・シドとデビルガンダム(現デビルムーン)がエネルギー源の確保に成功し暴れ出しました】

【鎮圧にMSを投入しますが、小型シドの拡散が懸念されますので自衛の準備を怠らないようお願い申し上げます】


グレイズアイン「ふぇぇ?!」

ジェノアスタンク「全く、上の連中の暇つぶしで済んでればよかったものを……」

バクト「言いなさんな、MSなんてなあ戦ってなんぼなんだからよ」

ジェノアスタンク「また来たらどうする?」

バクト「シドがか?決まってんだろ」

「「戦うさ」」

「「はっはっはっは!!」」ガシッ

グレイズアイン「えっ……シドって、AGEの一番強いMA、ですよね?」

グレイズアイン「おじさんたち、戦ったことがあるんですか……!?」

バクト「小説版だけだけどな」

ジェノアスタンク「俺アニメにはいないしね、ははは」

グレイズアイン「戦えた……んですか?」

グレイズアイン「その……ええと……」

ジェノアスタンク「俺達みたいなポンコツで、あんな化物と、ってかい?」

バクト「ははは!」

グレイズアイン「う……」

24: 2016/04/15(金) 02:36:10.10 ID:SvcDzN7l0

バクト「確かにな。おれはまだしも、コイツはなあ?」

ジェノアスタンク「うるせえなあ、何機かぶち込んでやったんだぞ?」

ジェノアスタンク「……ああ、でも、確かに、な」

バクト「もっといい性能の機体があれば、もっと強い奴がいたら、そっちに乗ってたかもしれないなあ、あいつも」

ジェノアスタンク「俺のパイロットなんか、弾除けにしかならないってぼやいてたしな……」

グレイズアイン「…………」


ジェノアスタンク「でも、行くって、言ってくれたんだなあ、あいつら」

グレイズアイン「!」


バクト「おれは、弱者の悲しみを知る巨人だとさ。ただの量産MSだぞ、んなわけねえけどよ」

バクト「けど……アイツがそう言ってくれたから、そう考えられるんだぜ。今はさ」

グレイズアイン「…………」


ジェノアスタンク「パイロットが良い機体を選んでいられない状況もある、自分なんかに乗らざるをえない状況だったって奴もいる」

バクト「だが、結果的に自分に乗ってくれて、命を預けてくれた事実ってやつに、俺達は支えられてるんだなって、おれは思う」

バクト「だから、【今】、また奴が来るってんなら、また、やってやるさ」

ジェノアスタンク「ああ」


ジェノアスタンク「俺たち量産型MSは、いや、全部のMSは……パイロットを愛するために生まれてきたはずだから、な」


グレイズアイン「パイロットを……愛する……」


『これが、そうなんだ……!』

『これこそが、俺の本来あるべき姿!』


グレイズアイン「……!」

25: 2016/04/15(金) 02:43:56.88 ID:SvcDzN7l0
【えー、緊急速報、緊急速報】


グレイズアイン「ふぇ?」

ジェノアスタンク「ん?」


【月面鎮圧に際して、MSが一機、投入されました】

【ですので警戒態勢は解除されます。お手数おかけいたしました】


グレイズアイン「へ?」


バクト「……んだよ、拍子抜けさせやがって」

ジェノアスタンク「とかいって、ちょっと安心してんだろ?」

バクト「当たり前だろ、氏なねえとか言っても、痛えもんは痛えしな」


グレイズアイン「ちょ、ちょっといいです?」

「「ん?」」

グレイズアイン「ヴェイガンギア・シドとデビルガンダムですよね? 投入戦力一機って……おひげさんですか?」

ジェノアスタンク「……ああ、そうか。君最新作の子だったね」

バクト「こういうときに一機ッつったら、そりゃあ一機しかいねえだろうよ」

グレイズアイン「? ???」


ジェノアスタンク「俺達の元祖さ」

バクト「文句のつけようもねえや」





【……もう、最初っから出るんなら出るって言っといてくださいよ】



【大叔父貴】

26: 2016/04/15(金) 02:56:22.02 ID:SvcDzN7l0





「――おーおーおー、好き放題暴れやがって、ひでえ有様だ」


「たまのガス抜き用意してやると、すぐこれだ。甘やかしすぎたか、ああん?」


デビガン「………!!!」


VGシド「あわわわ……!!」



「おめえらも、大団円で完結迎えたんだから少しは静かにしてると思ったら、これだよ……」



カオスレル「お、おほほほ……!」

ネオ・ジオング「い、いやですね、これにはワケが……あはは」


「パイロット恋しも結構だが、落とし所ってのは必要だよなあ……お前ら」


バルバトス「…………」

バルバトス(あれ?もしかして俺も怒られてる?)

ガガ「トランザム!!」シュゥゥン


ズキュウゥゥゥン

ガガ「」チュドーン


バルバトス「ヒィッ?!」







ガンダム「――来やがれ、ガキども。お仕置きの時間だ」





ガンダム「久々にマジでやるぜ……五体満足で帰れると思うなよ……!!」ブッピガン











27: 2016/04/15(金) 03:12:54.81 ID:SvcDzN7l0


 ・
 ・
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百錬「……で? 阿頼耶識組の汚名返上は諦めたってわけ」

グレイズアイン「諦めてないよ! アプローチ? ってやつを変えるんだ」カキカキ

百錬「アプローチ?」


グレイズアイン「うん!」クルッ


グレイズアイン「どんな性能でも、どんな状況でも、パイロットが【乗って良かった】って思えること」

グレイズアイン「それがMSの目指さなきゃならないところなんだって、そう思うことにしたの!」カキカキ


百錬「……状況に左右されやすいことではあるけれど、確かに、後天的な戦力確保が厳しい阿頼耶識は、やってれば得になることも多いかもねえ」

グレイズアイン「だから、狂ってるとか言われても、気にしないことにした!」

グレイズアイン「だって、ミカは阿頼耶識してるから兄ちゃんに乗れたし、アキヒロもそうでしょ?」

グレイズアイン「戦わなきゃ生き残れないんだもん、しょうがないよねって!!」

百錬「随分シビアな落着点にたどり着いたもんだね、あんたも」


グレイズアイン「だって、アインくんは僕に乗らなかったら氏んじゃってたかもしれないんだもん!」

グレイズアイン「それでいいの! 最後に、意地見せてくれたんだ! 僕に乗って、鉄華団に!!」

グレイズアイン「僕は満足! 以上!!」


百錬「まあ……あんたが良いならそれでいいよ、あたしは」ナデナデ

グレイズアイン「えへへ」




バルバトス「うう~……ハイパーハンマーが……ハイパーハンマーが追いかけてくるぅ……」

リベイク「ナパーム……ナパームは止めてえ……」

キマリス「ひいい……ジャベリンが……またジャベリンがぁ……」


流星号「おっOい……」


百里「どうする、これ?」

漏影「大叔父貴にやられたんじゃあ、しばらく放っとくしかないでしょう……」

28: 2016/04/15(金) 03:16:29.58 ID:SvcDzN7l0
百錬「で、あんた……なに書いてるの?」


グレイズアイン「お手紙!!」


グレイズアイン「僕の兄弟をたくさん造ってくださいって、マクギリスさんに!!」

百錬「ストオオオオオオップ!!!!!」



【終わり】

29: 2016/04/15(金) 03:19:41.91 ID:SvcDzN7l0
クロスボーン・ガンダムゴースト、お薦めです。
一話から全部見終わった後の爽やかな読後感はガンダム漫画の中でもトップクラスだと思います。
最後の最後で泣かされるとは思いませんでした。
是非、お手にとって頂きたい。

ではまた

30: 2016/04/15(金) 07:07:24.99 ID:prioU6Pm0
シェイディングガンダムは?

31: 2016/04/15(金) 10:47:33.00 ID:0jMyjRm1O
乙乙
結局カーティス・ロスコの正体はミスター・ブシドー並みに謎を抱えていたな()

32: 2016/04/15(金) 11:54:40.87 ID:ZbuCJV5T0
乙でした
プロトタイプZZ「ナイトロ搭載機からハブられた件」

引用元: グレイズアイン「納得できません……!」百錬「あらら」