1: 2010/06/26(土) 11:55:19.92 ID:NgJ2CsAO

21世紀

世界各地に異常災害が発生し、空想の産物と思われていた怪獣が現実に出現するようになった

それは、あまりに繁栄をしすぎた人類という種に対して生態系が産み出した天敵でもあったのだ

しかし、怪獣の出現に呼応するように宇宙の彼方から、人類の味方もやって来た


ウルトラマンだ


なんやかんやで彼らは桜高軽音部員に力を貸すことになったのだが、長くなるから割愛しよう


そんなわけで

普段は女子高ライフをのんびりまったりエンジョイしている軽音部の面々

しかし、人々の叫びを聞いた時

彼女たちは銀色の巨人へとその姿を変え、迫る巨悪と戦うのだ!


頑張れ! 放課後ティータイム

負けるな! 放課後ティータイム
けいおん!college (まんがタイムKRコミックス)
2: 2010/06/26(土) 11:57:17.62 ID:NgJ2CsAO

梓「とは言うものの……」

唯「暇だねぇー」

律「暇だなぁー」

紬「ウルトラマンと出会った時以来、2週間ほど怪獣たちは音沙汰なしだもんねぇ」

律「ウルトラマンになったからには、もっと戦い詰めかと思ってたのにな」

唯「ねー」

澪「いやいや」

澪「戦わないで済むならならそれが一番いいんだよ。うん」

律「あれれー? 澪しゃん戦うのが怖いのかなー?」

澪「そ、そんなことないっ!」

ポカッ

律「あいたっ」

3: 2010/06/26(土) 11:58:20.13 ID:NgJ2CsAO

梓「それにしたって、皆さんだらけすぎですよ」

律「だって暇だしなぁ」

唯「暇だしねぇ」

紬「ねー」

梓「いや、いつまた怪獣が現れるかわからないんだからもっと緊張感を……


ビーッ ビーッ ビーッ


澪「!」

律「電話だ!」


放課後ティータイムのメンバーがウルトラマンであることを知っているのは2人だけだ

それは、さわ子と和である

そして街に怪獣が現れた時、部室に設置されたホットラインへと2人から連絡が入るようになっている

ちょうどパワーパフガールズと市長さんの関係のようなものだ

4: 2010/06/26(土) 12:01:00.78 ID:NgJ2CsAO

唯「私が出る!」

ガチャッ

唯「もしもし」

さわ子「B地区に怪獣が! 助けて!」

唯「うん! すぐ行くよ!」

ガチャンッ


唯「街に怪獣です、りっちゃん隊長!」

律「よーし、それなら出動だ」

律「みんな準備はいいか!」

みんな「おー!」

そう言って各々、部室に新設されたロッカーに入る。端から見るとかなり滑稽な姿だが、笑うことなかれ
ここより彼女たちはHTTの誇る特殊戦闘機 クロムチェスターに搭乗するのだ


律「それじゃ。HTT、出動――っ!!」

みんな「おー!!」

5: 2010/06/26(土) 12:05:44.34 ID:NgJ2CsAO

校庭が真っ二つに裂け、クロムチェスターが発進する
普通なら生徒たちは、この非日常的光景に驚き、戸惑うだろう

しかし、クロムチェスターは離着陸時に特殊なバリアを展開しているため、一般の生徒たちにはクロムチェスターを視認することはできない
ただ単に、校庭で地割れが起きたようにしか見えないのだ

放課後ティータイムのメンバーがウルトラマンであり日夜怪獣と戦っている、という秘密はこうして守られている


律「唯。怪獣はどこに現れたんだ?」

唯「B地区だよ、りっちゃん」

律「B地区か」

紬「B地区?」

唯「B地区」

紬「B地区!」

澪「……女の子がビーチク、ビーチク言うんじゃない!」

6: 2010/06/26(土) 12:11:59.82 ID:NgJ2CsAO

バシュ―――――――ン

梓「先輩。B地区、怪獣出現ポイントまであと2kmです」

澪「そろそろ視認できるな」

律「怪獣はどこだー!」

唯「どこだー!」

紬「……いたわ。1時の方向よ」

ギャアアア! ドカ―ン

唯「あっ、ホントだ」

律「……む。1匹じゃないな」

7: 2010/06/26(土) 12:18:54.85 ID:NgJ2CsAO

澪「全部で3匹だ」

律「ムギ、あいつらの情報あるか?」

紬「えぇ」

紬「右端にいるのが、一角超獣バキシム。これといった弱点はないわ」

紬「真ん中が、宇宙戦闘獣コッヴ。こっちにも弱点はなし」

紬「左端のは、宇宙恐竜エレキング。確か、頭の角が弱点のはずよ」

律「なるほど……」

梓「先輩。エレキングから攻めましょう!」

律「当然!」

律「まずはエレキングを攻撃だ。ミサイルでヤツの角を叩き、ストライクバニッシャーでトドメをさすぞ!」

8: 2010/06/26(土) 12:30:53.49 ID:NgJ2CsAO

ウルトラマンになれるからといってその力に頼りきりではいけない

彼女たちにできることを、人としてできることを

そうしなければウルトラマンの力を借りる資格など、地球のために戦う資格などないのだ


律「唯。全ミサイル、エレキングの角へ向かって発射!」

唯「りょーかい!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

エレキング「ギャアアア!!」

澪「当たった!」

紬「効いてるわ!」

律「よーし、梓! ストライクバニッシャー発射ぁ!」

梓「ストライクバニッシャー、はっし……


ド―――――――ン

9: 2010/06/26(土) 12:41:33.28 ID:NgJ2CsAO

律「な、なんだ!?」

紬「バキシム! バキシムがロケット弾で攻撃を……

ド――――ン

唯「きゃっ!」

澪「あぁっ! 右の第2ブースターが停止してる!」

梓「高度がドンドン下がってます!!」

律「くっ! 仕方ない、不時着するぞ!」

律「何かにしっかりつかまってろー!!」


唯「……」ギュッ

梓「私につかまるのは止めてください!」

唯「でも、あずにゃんが一番落ち着くから……

律「しゃべると舌噛むぞ――!!」


ズザザザザ―――――――

10: 2010/06/26(土) 12:57:42.32 ID:NgJ2CsAO

HTTを乗せたクロムチェスターはB地区外れの森の中に不時着した


澪「いたたたた……」

律「みんな無事かー?」

梓「はい」

紬「えぇ」

唯「無事だよー」



律「ムギ、クロムチェスターはまだ飛べるか?」

紬「……ダメ。右ブースターの受けたダメージが大きすぎるわ」

律「そうか……」

律「仕方ない、全員外に出よう」

律「変身だ」

11: 2010/06/26(土) 13:06:36.51 ID:NgJ2CsAO

HTTの5人は丘の上に並び立った
なかなか様になっている。映画ならポスターになりそうなシーンだ



律「ダイナ――――!」バッ

変身アイテム リーフラッシャーを天高く掲げる、律


唯「……」バッ バッバッ

唯「レオ――――!」バッ

右手にはめたレオリングを勢いよく突き出す、唯


紬「タロ――――ウ!」バッ

空に掲げた腕のバッチが輝く、紬


梓「……」キュイーン

梓「メビウ――――ス!」バッ

左腕のメビウスブレスを高々と突き上げる、梓


そして

澪「……」シャカシャカシャカシャカ

澪「……」バッ

歯を磨く、澪

12: 2010/06/26(土) 13:10:28.31 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律「だあっ!」

レオ(唯「や――っ!」

タロウ(紬「たぁーっ!」

メビウス(梓「せやぁーっ!」

ゼアス(澪「ぜあっ!」


並び立つ5人の巨人たち
圧巻だ。こちらをポスターにしてもいいかもしれない


ダイナ(律『街ではまだ怪獣が暴れてる。急ごう』

みんな『おー!』

14: 2010/06/26(土) 13:17:48.26 ID:NgJ2CsAO

こちらB地区市街地


エレキング「ギャアアアア!」

コッヴ「ガァアアアア!」

バキシム「グゥアアアア!」

ドカ――――ン    ズカ―――――ン
   ワー   キャー
     ボカ――――――ン
     キャー    ワー


HTTの攻撃作戦が失敗した今、怪獣たちは街を蹂躙し尽くしていた
ビルは燃え、血が流れ、人々は逃げ惑った

しかし、そんな悲劇が永く続くワケはない

レオ(唯)『やめろぉ――――!!』

ド――――ン

エレキング「ギャアア!」


メビウス(梓)「せやぁ!」

ダ――――ン

コッヴ「ガァアア!」


タロウ(紬)「たぁ!」

バシ――――ッ

バキシム「グゥアア!」





ダイナ(律)『本当の戦いは、……ここからだぜ!』

HTTの攻撃作戦第2弾の、始まりだ

15: 2010/06/26(土) 13:25:10.63 ID:NgJ2CsAO

レオ(唯「やーっ!」バシッ

レオは格闘に秀でたウルトラマンだ
猛烈な打撃の嵐が次々にエレキングに決まる

エレキング「ギャアア!」

レオ(唯「えぃっ! えぃっ!」バシッ バシッ

レオ(唯「ぃ、やあ!」ドカッ

エレキング「ギャアア!」

レオ(唯『!』

エレキング「キシャアアア!」

ビーッ ビーッ ビ――ッ

レオ(唯『光線!? それなら……』

レオ(唯「やあ!」バッ

エレキングの放った光線に唯は身構え……


傘を差した


バキィイイイイン

レオ(唯『どんなもんだい!』


その名もレオブレラ
ウルトラマンキングからもらった代物で、開けば強力なバリアの役割を果たすのだ。いやマジで

16: 2010/06/26(土) 13:30:22.82 ID:NgJ2CsAO

エレキング「ギャアア!」

レオ(唯『もう打つ手がないみたいだね』

レオ(唯『トドメだ!』

レオ(唯「や――っ!」

唯は空高く、地上1000mまで跳び上がる

レオ(唯「ぇや――っ!」

必殺 レオキックだ!

バシィイイイイイイイイ

エレキング「ギャアアアア!」

エレキング「……ギ、ャ……ァア……ァ」


ドカ――――――――――――――ン

17: 2010/06/26(土) 13:35:04.85 ID:NgJ2CsAO

タロウ(紬「たぁ!」バシッ

メビウス(梓「せやっ!」ダンッ

コッヴ「ガァアア!」

メビウス(梓『楽勝ですね』

タロウ(紬『油断禁物。一気に決めるわよ』

メビウス(梓『はいっ!』


タロウ(紬「でやあっ!」ドカッ

コッヴ「ギィイイイ!」

紬が放ったのはアトミックパンチ
なんとあの原子爆弾と同等の威力を誇る恐ろしいパンチだ!


タロウ(紬『敵が怯んだ、今よ!』

メビウス(梓『了解です』

メビウス(梓「……」キュピーン
タロウ(紬「……」バッ バッ

メビウス(梓『メビュームシュート!』
タロウ(紬 「ストリウム光線!!」


ビィイイイイイイイイイイイイイイイ


コッヴ「ガァアアアア!」


ドカ――――――――――――――ン

18: 2010/06/26(土) 13:37:32.97 ID:NgJ2CsAO

バキシム「グゥアアアアア!」

ダダダダダダダダダダダダ

ダイナ(律『こんちくしょう!』バリーア

ゼアス(澪『ロケット弾の弾幕で接近できない!』カワシカワシ

ダイナ(律(このままじゃ埒が明かないな……)

ダイナ(律『澪! 二手に分かれて左右から攻撃しよう!』バッ

ゼアス(澪『わ、わかった!』バッ

バキシム「!」


ダイナ(律「だぁっ!」ドカッ

ゼアス(澪「とぁっ!」バキッ

バキシム「グゥアア!」

左右からの見事なコンビネーション
これにはさすがのバキシムも翻弄される、はずだった

現実には
賢いバキシムは片方に、澪に狙いを絞って攻撃を展開したのだが

バキシム「グァアアア!」

ゼアス(澪「!」

ダダダダダダダダダダダダダ

19: 2010/06/26(土) 13:47:35.07 ID:NgJ2CsAO

ゼアス(澪『うあああああ!』

バキシム「グァアア!」


ダイナ(律『澪!』

バキシム「グゥアア!」

ダイナ(律『……この野郎!』

ダイナ(律「だぁっ! でやぁ!」ドカッ グシャッ

バキシム「グゥアア!」

ダイナ(律「じゃあっ!」バキッ

バキシム「グアア!」

ダイナ(律『これで仕舞いだ!』

ダイナ(律『くらえ―――――――!!』

律が腕を十字に組んで放ったのは、ウルトラマンダイナの必殺技 ソルジェント光線だ!


ビィイイイイイイイイイイイイ

バキシム「グゥウウウウ!」


ドカ――――――――――――――ン

20: 2010/06/26(土) 13:49:58.23 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律『澪、大丈夫か?』

ゼアス(澪『なんとか』


ドカ――ン
         ドカ――ン


ダイナ(律『お、向こうも終わったみたいだ』

レオ(唯『おつかれー』タッ

ゼアス(澪『おつかれさん』

タロウ(紬『みんな無事そうね』タッ

メビウス(梓『そうですね』タッ

ダイナ(律『……よし。みんな揃ったな』



ダイナ(律『これにて一件落着!』

ダイナ(律『寿司でも食い行くかー!』

みんな『おー!』


みんな「しゅわっち!」

バシュ―――――――ン



こんな感じで

今日もみーんな救われた
ありがとう 放課後ティータイム!

22: 2010/06/26(土) 14:10:41.81 ID:NgJ2CsAO
終わらない
ここまでは設定説明のプロローグみたいなもの

23: 2010/06/26(土) 16:15:11.16 ID:NgJ2CsAO

次の日


唯「澪ちゃん遅いねー」

律「ああ。澪なら今日は日直だから部活にはちょっと遅れて来るってさ」

唯「なーんだ」グテー

律「ふぅ」グテー

梓「なんで疲れてるんですか……」

律「長台詞喋ったから疲れた」グテー

梓「えー」

紬「そんなあなたに、はい。今日の紅茶」

律「おぉ! サンキュー、ムギ」

梓「……やっぱり緊張感が足りません!」

律「大丈夫大丈夫」

律「昨日戦ったばっかりなんだから、そんなすぐ怪獣が現れるわけ……

ビーッ ビーッ ビーッ

24: 2010/06/26(土) 16:19:38.93 ID:NgJ2CsAO

ガチャッ

梓「もしもし」

和「A地区第3ブロックに怪獣出現よ」

梓「わかりました。すぐ行きます」

ガチャッ

梓「……ジトー」

律「な、なんだよ?」

梓「いえ、別に」

律「……ええい! 出動だ、出動っ!」

唯「おーっ!」

紬「でもまだ澪ちゃんが……」

律「待ってる隙はない。すぐ出動しなくちゃ」

紬「……それもそうね」


律「いくぞ。HTT出動ー!」

みんな「おー!」

25: 2010/06/26(土) 16:26:30.94 ID:NgJ2CsAO

バシュ―――――――ン

梓「怪獣発見!」

律「お。今日は一体か」

紬「あれは…… 破壊獣モンスアーガーね」

唯「どんな怪獣なの?」

紬「皮膚が恐ろしく堅くて、防御力がすごく高い怪獣よ」

唯「なるほど」

紬「正直言って、クロムチェスターの武装程度じゃ傷一つ付けられないと思う」

律「……」

律「……わかった」

律「私と唯が出よう。ムギと梓はクロムチェスターで後方支援に回ってくれ」

26: 2010/06/26(土) 16:29:58.39 ID:NgJ2CsAO

唯「じゃ。行ってきます!」

梓「いってらっしゃい」

紬「気を付けてね」

唯「うん!」


律「ダイナ――――!」バッ

唯「レオ――――!」バッ


ド――ン   ド――ン

2人の巨人が大地に降り立った

ダイナ(律『よーし。いっちょやってやるか!』

レオ(唯『おー!』

27: 2010/06/26(土) 16:34:42.08 ID:NgJ2CsAO

モンスアーガー「ギィアアアアア!」バキィ

ド―――――――ン

ダイナ(律『そこまでだ!』

モンスアーガー「ギィア!」


レオ(唯『闇の力のしもべたちよ!』

ダイナ(律『とっとと来世に還りなさい!』

レオ・ダイナ(唯律『2人はうるとら!』

ビ――ッ ビーッ ビ―――ッ


ダイナ(律「ぐわっ!」

レオ(唯『レーザー攻撃!?』

梓「真面目にやってください! 撃ちますよ!?」

ダイナ(律『……もう撃ってるし』

梓「口答えしない!」ポチッ

ビ―――――ッ

レオ・ダイナ(唯律『わああああ!』

28: 2010/06/26(土) 16:42:20.21 ID:NgJ2CsAO

その頃の部室


ガチャッ

澪「遅くなってごめーん ……って」

澪「誰もいないし」

澪「……ああ。みんな出動しちゃってるのか」

澪「……」

澪「暇だなぁ……」

澪「……」

澪「……練習しましょうよ!(裏声)」

澪「えー、やだー(唯声)」

澪「やだじゃありません!(裏声)」

澪「まあまあ、梓。もう少しくらい、な?(りっちゃんな声)」

澪「もう! 先輩たちからも何か言ってやってください!(裏声)」

澪「ムギ、おかわりもらえる?」

澪「えぇ♪(麦声)」

澪「先輩!?(裏声)」


澪「……」

澪「……虚しいなぁ」

29: 2010/06/26(土) 16:43:34.26 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律『今度こそいくぞ!』

レオ(唯『うん!』

モンスアーガー「ギィアア!」

ダイナ(律「だぁっ!」バキッ

ガキィイン

モンスアーガー「ギィイイイ!」

ダイナ(律『か、堅い!』

レオ(唯『全然効いてない……』

紬「りっちゃん、唯ちゃん」

ダイナ(律『どうした?』

紬「頭頂部にある水晶体を攻撃して! そこがヤツの弱点よ!」

レオ(唯『とーちょーぶ?』

ダイナ(律『頭のてっぺんだよ』

30: 2010/06/26(土) 16:47:43.37 ID:NgJ2CsAO

レオ(唯『そういうことなら私に任せて!』

レオ(唯「や――っ!」

唯は跳び上がった。上空1000mに

レオ(唯「ぃ、やあ――――っ!」

必殺 レオキックだ!


バシィイイイイイイイイイイイイイイ


モンスアーガー「ガァアアアアア!」


ドカ――――――――――――――ン

31: 2010/06/26(土) 16:59:09.69 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律『唯、ナーイス!』

レオ(唯『えへへ。照れるよー』


梓「無事終わったみたいですね」

紬「えぇ。早く帰りま……


ド――――――――――――――ン

梓「きゃあ!」

紬「な、なに!?」

梓「敵襲です! この機は何者かの攻撃を……


ドカ――――――――――――――ン


レオ(唯『クロムチェスターが!!』

ダイナ(律『ば、爆発した!?』

32: 2010/06/26(土) 17:01:38.35 ID:NgJ2CsAO

レオ(唯『ムギちゃん! あずにゃん!!』

ダイナ(律『ちくしょう! 誰だこんなことするヤツは!!』

ピロロロロ


レオ・ダイナ(唯律「!!」

ゼットン「……ゼットン」

33: 2010/06/26(土) 17:04:23.81 ID:NgJ2CsAO

またも部室


澪「暇だなぁ……」

澪「……む?」

澪「みんなが出動してるってことは、みんな戦ってるってことじゃないか……」

澪「……」

澪「……うん、私も行かなきゃ」



澪「1回言ってみたかったんだよね」

澪「……」

澪「……よし」

澪「HTT出動――っ!!」




バシュ―――――――ン

校庭からHTTの新メカニックであるクロムチェスター δが発進した

澪「一応出動したけど、私が着く頃には戦いも終わってるだろうな。気が軽いや」

澪「~~♪」

34: 2010/06/26(土) 17:06:24.25 ID:NgJ2CsAO

レオ(唯『お前がムギちゃんとあずにゃんを!』

ゼットン「ピロロロロ ……ゼットン」

レオ(唯『許さない!!』

レオ(唯「やあ―――――――っ!」


ピンッ


レオ(唯「!?」スカッ

ダイナ(律『き、消えた!』


ピンッ


ゼットン「ピロロロロ」

ダイナ(律『なっ!? 唯! 後ろだ!』

レオ(唯『えっ?』

ゼットン「……ゼットン」

ゴシュッ

レオ(唯『うわあっ!!』

35: 2010/06/26(土) 17:10:55.60 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律『唯!』

レオ(唯『……だ、大丈夫だよ』


――ピコーン ピコーン ピコーン ピコーン――――


レオ(唯「!」ピコンピコン


ウルトラマンはその姿を保つために大量のエネルギーを消耗する
したがって、何人かの例外はいるものの、彼らは故郷より遠く離れた地球上では約3分間しか戦えない
そして、唯ことウルトラマンレオはその例外だ。レオは地球上で2分40秒しか戦えないのだ


ダイナ(律『ゆ、唯。ホントに大丈夫か?』

レオ(唯『大丈夫だよ。まだカラータイマーが鳴っただけ。』ピコンピコン

レオ(唯『……まだ、消えない。まだ、戦える』ピコンピコン

36: 2010/06/26(土) 17:21:32.82 ID:NgJ2CsAO

レオ(唯「や――っ! ぃや――っ!!」ピコンピコン

ダッ

ダイナ(律『待て、唯! 迂闊に近寄るな!』

レオ(唯『うおおおおお!』ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」


ピンッ


スカッ

レオ(唯『くっ!』ピロロロロ


ピンッ


ゼットン「……ゼットン」ガシッ

レオ(唯「!」

ゼットン「ピロロロロ ……ゼットン」

レオ(唯『……か、……はっ……』ピコンピコンピコンピコン


ゼットンは唯の首を両手で掴みそのまま頭上に持ち上げた。世に言う、ネックハングツリーだ

37: 2010/06/26(土) 17:25:37.17 ID:NgJ2CsAO

レオ(唯『か、っ……ぁ……』ピコンピコンピコンピコン

カラータイマーの明滅スピードが上がっている。唯の命が、危ない


ダイナ(律『唯を、離せええ!』ドカッ

ゼットン「……ピロロロロ」ブンッ

ドタッ

レオ(唯『ぐぁ……』ピコン


――ピコーン ピ、……コーン ピコ…………


レオ(唯『……ぁ』


ゼットンに放り投げられたのがトドメとなって、唯のカラータイマーが明滅を止めその光を失った

もう、戦えない


レオ(唯「」

フッ

唯「」

38: 2010/06/26(土) 17:28:04.63 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律『唯――!』


――ピコン ピコン ピコン ピコン――――


ダイナ(律「はっ!」ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」

ダイナ(律『ちくしょう……』ピコンピコン

ダイナ(律「……だぁっ!」キィイン

律が撃ったのはダイナスラッシュ。必殺の切断光輪だ


ゼットン「……ゼットン」バリーア


ガキィイイイン


ダイナ(律「!」ピコンピコン

39: 2010/06/26(土) 17:36:14.26 ID:NgJ2CsAO

ダイナ(律『……万事休すか』ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」

ピンッ


ダイナ(律『あっ!』ピコンピコン

ピンッ

ゼットン「……ゼットン」ドカッ

ダイナ(律「ぐわあっ!」ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」


その時

バシュ―――――――ン

澪「怪獣出現ポイントはこの辺りだなー ……げ。まだ怪獣が残ってる」

澪「……でもおかしいな。戦ってるのは律だけだ」


ゼットン「……!」

ダイナ(律「はっ!」ピコンピコン

ダイナ(律『澪! 来るんじゃない! 戻れ―――!』ピコンピコン

澪「え? 何だって?」

ゼットン「ピロロロロ」バッ

ダイナ(律「!」ピコンピコン

ダイナ(律『止めろ! 澪を撃つな―――!』ピコンピコン

ゼットン「……ゼット

ダイナ(律『やめろって言ってんだろおおおおお!』ピコンピコン

ダイナ(律「だぁっ!!」バッ

ビィイイイイイイイイイイイイイイ

40: 2010/06/26(土) 17:38:02.08 ID:NgJ2CsAO

ビィイイイイイイイイイイイイイイ


ゼットン「……ピロロロロ」ガシッ

ダイナ(律『なっ!?』ピコンピコン

ゼットンは律のソルジェント光線を、その両手で受け止めていた。そして

ゼットン「……ゼットン」

ババババババババババババ

波状光線として律に跳ね返した!


ダイナ(律『うわああああああ!』ピコンピコン

澪「律!」



ダイナ(律『……あ…、ぐぅ……』

ドサッ

ダイナ(律『ぁ……』

ダイナ(律「」

フッ

律「」

41: 2010/06/26(土) 17:41:23.50 ID:NgJ2CsAO

ゼットン「ピロロロロ ……ゼットン」

澪「う、うそだろ…… り、律が負けた……?」

澪「……まさか他のみんながいないのも、こ、こいつに負けたから?」

ゼットン「ピロロロロ」

澪「ひ、ひぃっ!」

澪「あ…… か、勝てるわけがないよ……」

澪「……逃げなきゃ! 逃げなきゃ!!」

ゼットン「……ゼットン」

澪「……うあ、あ、あ、あ」

澪「うわああああああああああああああああああ!」グイッ


バシュ――――――――――――――ン

澪を乗せたクロムチェスターδは最高スピード マッハ7でA地区から離脱した



ゼットン「ピロロロロ ……ゼットン」


これが、放課後ティータイム全滅の全貌である

42: 2010/06/26(土) 17:43:31.33 ID:NgJ2CsAO
今日はおしまい

至らない描写とかウルトラマン絡みでなんか質問あったら手取り足取り教えるよー

44: 2010/06/26(土) 18:06:27.48 ID:NgJ2CsAO
残念ながら別人

50: 2010/06/27(日) 13:26:40.76 ID:/GuhkwAO

さわ子「HTTが全滅!?」

和「はい」

和「モンスアーガーを囮にして現れた、宇宙恐竜ゼットンによって ……全滅しました」

さわ子「だ、誰か氏んだりしてないでしょうね?」

和「幸い氏者はいませんでした」

和「ただ……」

和「ムギと中野さんはストライクチェスターを攻撃され重傷。意識がありません」

和「唯は体力の消耗が激しいですが比較的軽傷です。こっちもまだ意識が戻っていません」

和「そして最後まで戦った律は、全身に大怪我を負っていて助かるかもどうか怪しい、と……」

さわ子「そ、そんな……」

51: 2010/06/27(日) 13:33:27.27 ID:/GuhkwAO

さわ子「……ん?」

さわ子「澪ちゃんは? 澪ちゃんはどうしたの?」

和「澪は……」

和「今日は遅れて出動したらしく、律が負けたのを見て帰投したそうです」

和「そのため無傷ですが……」

さわ子「どうしたのよ?」

和「……怯えています。心が壊れてしまいそうなくらいに」

さわ子「……」

52: 2010/06/27(日) 13:42:40.32 ID:/GuhkwAO

部室。柄にもなく静かな部室


澪「………………………………」

澪「……………………………」

澪「…………………………」

澪「………………………」

澪「……………………」

澪「…………………」

澪「………………」

澪「……………」

澪「…………」

澪「………」

澪「…」

澪「」


澪「……ナイ」

53: 2010/06/27(日) 13:47:53.83 ID:/GuhkwAO

澪「……アリエナイ」

澪「……アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ!!」

澪「みんなが負けるなんて……」

澪「……」

澪「……次は私の番だ」

澪「私が戦いに行ってあいつに殺されるんだ」

澪「……ヤダ」

澪「いやだああああああああああああああああああ!!」

澪「うわああああああああああああああああああ!!!」



――――ゼットン『ピロロロロ ……ゼットン』――――――



澪「ひいっ!!」

澪「……ぅあ……ぁ……」

澪「……やだぁ」

澪「……」

澪「……グスッ」

澪「……怖…ぃ…」ポロポロ

澪「怖いよぉ……」ポロポロ

54: 2010/06/27(日) 13:52:01.37 ID:/GuhkwAO

さわ子「……それで? 被害の状況は?」

和「はい」

和「ゼットンの出現ポイントであるA地区は既に全壊」

和「現在、隣接するC地区第7ブロックが侵攻を受けています」

さわ子「じゃあ、今こっちが使える武装は?」

和「ストライクチェスターが撃墜されたので、現在使用できるのはチェスターδと予備のチェスターαのみです」

和「ですがハイパーストライクチェスターはおろかストライクチェスターへの移行も不能ですし」

和「ゼットンに有効打を期待することはできないと思います」

さわ子「しかもウルトラマンはいない、か……」

さわ子「……あはは、絶望的じゃないの」

55: 2010/06/27(日) 14:02:29.19 ID:/GuhkwAO

和「……これからどうします?」

さわ子「どうしますもこうしますも、私たちしか戦えないなら私たちが戦うしかないじゃない」

和「ですよね……」

さわ子「……」

さわ子「……真鍋さん」

和「は、はい」

さわ子「あなたは、ここに残って澪ちゃんを励ましてあげて」

和「えっ」

さわ子「立ち直ってくれれば貴重な戦力になるし、何より心に傷を負ったままじゃ澪ちゃんは本当に壊れてしまうわ」

和「せ、先生はどうするんですか?」

さわ子「……私はチェスターδで出動する」

さわ子「たまには大人らしいこともしなくっちゃね」

56: 2010/06/27(日) 14:07:26.08 ID:/GuhkwAO

さわ子「……あれ?」

和「はい?」

さわ子「チェスターってどこから乗るんだっけ」

和「軽音部の部室ですね」

さわ子「澪ちゃんってどこにいるんだっけ」

和「……部室ですね」

さわ子「あー……」

和「一緒に行きます?」

さわ子「うーん……」

さわ子「いいわ。まず私がちょっと澪ちゃんと話してから出動する」

さわ子「だから、真鍋さんが部室に行くのは30分待ってちょうだい」

和「は、はい」

57: 2010/06/27(日) 14:11:38.27 ID:/GuhkwAO

ガチャッ

さわ子「……」

澪「………コワイ コワイ コワイ」ブルブルブル

さわ子「……これは重傷ね」

澪「……コワイ コワイ コワイ コワイ」ブルブル

さわ子「みーおちゃん」

澪「……?」

さわ子「大丈夫?」

澪「……先生」

58: 2010/06/27(日) 14:23:45.09 ID:/GuhkwAO

さわ子「なーにがそんなに不安なの? 先生に話してご覧なさいな」

澪「…………」

澪「……怖いんです」

さわ子「怖い?」

澪「……戦いが怖くなったんです」

澪「私は見た。律があの怪獣に倒されるところを」

澪「そしてまだ暴れてる」

澪「私なんか行ったってあっという間に殺されちゃうんだ……」

澪「律みたいに、みんなみたいに……」

澪「……そんなのいやだ。氏にたくない」ポロポロ

澪「いやだよ……怖いよぉ……」ポロポロ

59: 2010/06/27(日) 14:32:52.80 ID:/GuhkwAO

さわ子「そっかぁ……」

澪「……グスッ」

さわ子「でも」

さわ子「あなたがここでメソメソしてたら、怪獣は野放しのままよ?」

さわ子「それだけで人が氏ぬ。誰かが悲しい思いをするって事」

さわ子「そんな悲しみが生まれないように」

さわ子「誰かの大切な人を守るために、あなたたちは戦っているんじゃないの?」

澪「……そんなの、知ってます」グスッ

さわ子「……だったら」

さわ子「なぜそこで泣いてるの?」

さわ子「その涙は何?」

さわ子「あなたのその涙でこの地球が救えるの?」

澪「……」

60: 2010/06/27(日) 14:39:44.87 ID:/GuhkwAO

さわ子「……今、あの怪獣はC地区にいるそうよ」

澪「……!」ビクッ

さわ子「私が今からチェスターδで先行するわ。だから……」

さわ子「必ず来て。待ってるから」

澪「そ、そんな!」

澪「あいつのとこに行ったら先生だって氏んじゃうよ!!」

澪「氏ぬのが怖くないの!?」

さわ子「……平和のためだもの。へっちゃらよ」

澪「……」

さわ子「……じゃあ行くから」



さわ子「……出動―――!!」



61: 2010/06/27(日) 14:48:58.78 ID:/GuhkwAO

クロムチェスターδ操縦席


さわ子「……はぁ」

さわ子「あーあ。元気を分けてあげるはずが、どうして私がこんなに落ち込んでんのかしら」

さわ子「……あー、分けたから私の元気は減ったのか。あはは」

さわ子「……」

さわ子「はぁ……」


――――澪『氏ぬのが怖くないの!?』―――――――


さわ子「……」

さわ子「馬鹿ね……」

さわ子「……氏ぬのが」

さわ子「氏ぬのが、怖くないわけ、ないじゃない!!」グイッ


バシュ――――――――――――――ン

62: 2010/06/27(日) 14:53:49.24 ID:/GuhkwAO

澪「……グスッ」

ガチャッ

和「邪魔するわよ」

澪「……和」

和「あー、そのままそのまま。座ってていいから」

和「その代わり」

和「ちょっと私の話を聞いてくれる?」

63: 2010/06/27(日) 14:59:00.67 ID:/GuhkwAO

和「知ってると思うけど」

和「あなた以外のHTTメンバーは重傷よ。意識もないわ」

澪「……」

和「でも」

和「どうしてそんなになるまで戦えたか、わかる?」

和「みんなもあなたと同じ人間よ」

和「今のあなたと同じように戦いが怖くなる一瞬だってあるはずなのに」

澪「……」

64: 2010/06/27(日) 15:01:47.21 ID:/GuhkwAO

和「それはね」

和「みんな1人じゃなかったからよ」

和「強大な敵を前にして恐れなかったんじゃない」

和「怖くて恐ろしくて、それでも戦ったの」

和「1人じゃないから。自分の隣に大切な人がいたから」

和「戦えたのよ」

澪「……」

澪「……」

澪「……でも」

澪「今、私は1人だ」

65: 2010/06/27(日) 15:05:57.09 ID:/GuhkwAO

澪「……そうだ。私は1人じゃないか」

澪「誰も助けてくれない……」

澪「たった1人で、……氏にたくないっ」ポロポロ

和「あら? いつの間にあなたは1人になったの?」

和「さわ子先生が先行して戦地に行ったはずよ」

和「ここには私だっているじゃない」

和「それに」

和「側にいないだけで、HTTは今もあなたと一緒に戦っているわ」

66: 2010/06/27(日) 15:08:20.98 ID:/GuhkwAO

和「あなたは一人じゃないわ、澪」

和「たとえ離れていても、あなたはいつも仲間と一緒にいるの」

和「仲間たちの思いをあなたは託されているんだから」

澪「離れていても、一緒……?」

和「そうよ」

和「私やさわ子先生を入れて7対1。負けるはずがないわ」

和「だから、澪。恐れてもいい、怖くたっていい……」

和「ただ、今はそれを乗り越えて!」

和「私たちが付いてるから!」

澪「……!」

和「お願い! みんなを守って!!」

澪「……!!」

67: 2010/06/27(日) 15:10:05.14 ID:/GuhkwAO

―――――――――――――――――――――

――――やっぱり、怖い――――

――――律も、唯も、ムギも、梓もあいつにやられたんだ――――

――――私が行っても、きっと殺される……――――

――――……でも、私が行かないと、みんなが氏ぬんだ――――

――――いやだ。そんなのいやだ――――


――――……大丈夫。私はやれる――――

――――律も、唯も、ムギも、梓も、和も、先生も、みんなが付いてるんだ――――

――――私はやれる――――

――だって私は……―――――

―私は……―――――

――





『ウルトラマン、ゼアス!!』



72: 2010/06/28(月) 18:10:09.90 ID:GsYg/oAO

C地区

古くより工業地域として栄え、現在に至っても大都市圏を形成していた
ちょうどドラゴンボールの西の都みたいな感じでイメージしてほしい。その想起もまったく無意味なものではあるが

なぜなら、ゼットンによって破壊し尽くされたC地区に広がっていたのは、荒廃した都市の残骸だけだったから


バシュ―――――――ン

さわ子「……酷い。何も、何も残ってないじゃない」

さわ子「ゼットンは、……あそこか」


ゼットン「ピロロロロロ」


さわ子「……先手必勝! クアドラブラスター、シュート!!」

ビ―――――――ッ


73: 2010/06/28(月) 18:14:24.01 ID:GsYg/oAO

ゼットン「ピロロロロロ」バリーア


バチィイイ


さわ子「なっ!? 反応が早すぎる!」

ゼットン「……ピロロロロロ」バッ

さわ子「!」

さわ子「回避! 回避を!!」グイッ

ゼットン「……ゼットン」バシュッ バシュッ


キィイイイイイイイイン

さわ子「ギリギリセーフ、か……」

さわ子「……このお!」

さわ子「クアドラブラスター、シュート! シュート!!」

ゼットン「……ピロロロロロ」バッ

 ド―――――――ン

         ド―――――――ン


さわ子「決まった!」

74: 2010/06/28(月) 18:18:12.28 ID:GsYg/oAO

ゼットン「……ピロロロロロ」ビシッ

さわ子「あっ!?」

さわ子「敢えてバリアをせずに私に狙いを……!」

さわ子「…ぁ………あ……」

ゼットン「……ゼット


ゼアス(澪『やめろおおおおお!』


バキィイイイイイ



75: 2010/06/28(月) 18:25:01.29 ID:GsYg/oAO

さわ子「澪ちゃん!」


ゼアス(澪『先生。遅れてすいません!』

さわ子「……」

さわ子「……なーに言ってんの。私は5分前行動で動いただけよ」

さわ子「澪ちゃんは、ちっとも遅れてないわ」

さわ子「だから、……胸張って戦ってきなさい!」

ゼアス(澪『……はい!』


ゼアス(澪「……」キッ

ゼットン「ピロロロロロ ……ゼットン」

ゼアス(澪『今度は、……私の番だ!』

76: 2010/06/28(月) 18:30:34.27 ID:GsYg/oAO

ゼアス(澪「ぜあっ!」ダッ

ゼットン「ピロロロロロ……」

ピンッ


ゼアス(澪『あっ』スカッ


ピンッ

さわ子「澪ちゃん! 後ろ!」

ゼアス(澪「!」

ゼアス(澪「とぁっ!」バキッ

ゼットン「……ピロロロロロ」ドタッ

77: 2010/06/28(月) 18:49:35.01 ID:GsYg/oAO

ゼアス(澪『まだまだぁ!』

ゼアス(澪「はあっ!」

ゼットン「……ゼットン」ドカッ

ゼアス(澪『うわっ!』

ゼットン「ピロロロロロ」バシュッ バシュッ


   ド―――――――ン
           ド―――――――ン

ゼアス(澪『うわあああああ!』

さわ子「澪ちゃん!」

78: 2010/06/28(月) 18:58:40.16 ID:GsYg/oAO

ゼアス(澪『くうっ!』

ドカ―――――――ン
     ドカ―――――――ン

ゼアス(澪『ぐあっ!』

ゼットン「ピロロロロロ」


ビ――ッ ビ――――ッ


ゼットン「……ピロロロロロ」バリーア
ガキィイン


ゼアス(澪『えっ?』

さわ子「だ、誰が……」


キィ―――――――ン

和「ふふっ。私、後方支援は得意なのよ」

そう言って和はやって来た
桜高に残された最後のクロムチェスターαに乗って


ゼアス(澪『和!』

79: 2010/06/28(月) 19:05:14.63 ID:GsYg/oAO

和「ちょっと気付いた事があってね。今の攻撃で確信したわ」

和「先生。残る攻撃力を全て、ゼットンに集中してください」

さわ子「で、でもあいつはバリアを……」

和「大丈夫です。とにかく攻撃を」

さわ子「……わかったわ」


さわ子「クアドラブラスター、シュート!」カチッ

和「……」カチッ



ビィイイイ―――――――ッ



ゼットン「……ピロロロロロ」バリーア

ガキィイイン

80: 2010/06/28(月) 19:09:18.36 ID:GsYg/oAO

和「やっぱり!」

和「澪、今よ! ヤツは頭上にバリアを張っていないわ!!」

ゼアス(澪『……ホントだ!』


ゼアス(澪「とぁっ!」ダンッ

澪は空高く跳び上がった
空中で超高速回転し、赤熱したそのかかとをゼットンの脳天に叩き落とす

ウルトラマンゼアスの必殺技 ウルトラかかと落としだ!


バキィイイイイイイイ

ゼットン「!? ピロロ……! ピロロロロロ」

81: 2010/06/28(月) 19:12:50.99 ID:GsYg/oAO

さわ子「よしっ!」

和「澪! そのまま押し切って!」

ゼアス(澪『わかった!』


ゼットン「ピロロロロ……」

ゼアス(澪「ぜあっ!」バシッ

ゼアス(澪「とぁっ!」バキッ

ゼットン「ピロロロロロ……」


さわ子「くらえっ!」カチッ

和「……」カチッ

ビィイイイ―――――――ッ


ド―――――――ン

ゼットン「ピロロピロロロロロロロ……」

ゼアス(澪「たぁっ!!」ドカッ

ゼットン「……ゼットン」ドタッ

和さわ子「今よ!!」

ゼアス(澪『うん!!』

82: 2010/06/28(月) 19:17:36.99 ID:GsYg/oAO

ゼアス(澪「……」スッ

ゼットン「ピロ…… ピロロロロロ」

ゼアス(澪「……」スッ

ゼットン「ピロロピロロロロ」フラフラ

ゼアス(澪「……」バッ


ゼアス(澪「ぜあっ!」バッ


澪の腕から射出されたスペシュッシュラ光線の青い光が、ゼットンの黒い身体を直撃


ビィイイイイイイイイイイイイイイ


そして、貫いた


ゼットン「ピロロロロロ ……セ゛ット」


ドカ――――――――――――――ン

83: 2010/06/28(月) 19:24:07.94 ID:GsYg/oAO

ゼアス(澪「……」

フッ

澪「……」

澪「……勝った」

澪「勝ったんだ!」

澪「生きてる!!」


和「お疲れ様」

さわ子「やったわね、澪ちゃん」

澪「和、先生!」

―――――――――――――――――――――

それから、HTTのみんなが回復するまでしばらくかかった
命が危ぶまれていた律も、どうにか助かった。回復した後、私がゼットンを倒したんだって言ってもちっとも信じてくれなかったけど

そして今日ついにみんなが退院して来て、いつも通りのティータイムが始まるんだ

なにもかも元通り、本当にハッピーエンドだ

―――――――――――――――――――――


こんな感じで

今日もみーんな救われた
ありがとう、放課後ティータイム!

84: 2010/06/28(月) 19:33:45.72 ID:GsYg/oAO

はい。おしまい

>>80で使った"ウルトラかかと落とし"
実は"ゼアスヒールクラッシュ"とかいうカッチョイイ別名が付いてたりする

今日はこれだけ覚えて帰っていただければ幸いです



続く

85: 2010/06/29(火) 22:12:43.88 ID:J0xuRkAO
今からおよそ40年前

地球は、怪獣や侵略者の脅威に晒されていた

人々の笑顔が奪われそうになった時、遥か遠く、光の国から彼等はやって来た

「ウルトラ兄弟」と呼ばれる、頼もしいヒーローたちが

そして今、ウルトラの父は、一人の若き勇者を地球へと送った……

その名は………


律「私だよんっ!」

梓「いや私たちもいますから」


というわけではじまりはじまり

86: 2010/06/29(火) 22:17:24.02 ID:J0xuRkAO

唯「はふぅ」

律「今日も今日とて暇だねぇ」

梓「暇なら練習でもしたらどうですか?」

唯「それは無理」キリッ

律「私たちはお茶を飲むのに忙しいからな」キリリッ

梓「えー」

澪「まあまあ」

澪「いいんじゃない? たまにはのんびりしても」

梓「澪先輩まで……」

紬「梓ちゃん。今日のお菓子はたい焼きだけど、食べる?」

梓「いただきます!」

ビーッ ビーッ ビーッ

87: 2010/06/29(火) 22:26:36.04 ID:J0xuRkAO

ガチャッ

律「もしもーし」

さわ子「はいはーい」

さわ子「突然だけど、F地区の高井山で怪獣の卵が見つかったらしいの」

律「卵?」

さわ子「えぇ」

さわ子「それでね、今日はちょっとそれを見に行ってほしいのよ」

律「はーい」

さわ子「よろしくね」

ガチャッ


律「よーし、みんな。山行くぞ、山ー」

唯「山かー」

梓「え? あ、あの、たい焼きは……?」

紬「お預けね♪」

梓「うわー……」



律「HTT出動ー!」

みんな「おー!」

梓「……はぁ」

88: 2010/06/29(火) 22:34:13.40 ID:J0xuRkAO

ワン ダー ダバダバダー ダバダバダー ダバダバター

バシュ―――――――ン

唯「ワンダバダ~~♪」モグモグ

梓「……」

唯「ダバダバダ~~♪」モグモグ

梓「……唯先輩」

唯「なに~♪」モグモグ

梓「どうして機内にたい焼き持ち込んでるんですか!!」

唯「おいしいからに決まってるじゃん♪」モグモグ

梓「……理由になってません!」

律「梓ー。あんまり大きな声出すなよ。うるさいだろー」モグモグ

澪「そうだぞー」モグモグ

梓「あっ! た、食べてる!?」

紬「大丈夫よ、梓ちゃん」モグモグ

梓「ムギ先輩!」

紬「梓ちゃんの分は保冷剤と一緒にちゃんと部室に置いてきたから!」モグモグ

梓「……も、持ってきてくださいよ」

梓「……」

梓「……くすん」

89: 2010/06/29(火) 22:41:22.15 ID:J0xuRkAO

―――――――――――――――――――――

唯「見えた! 高井山だよ」

梓「……早く着陸しましょう!」

唯「ど、どうしたの急に?」

梓「いつまでもメソメソしてるのは性に合いません」

梓「早く済ませて、早く帰って、早くたい焼きを食べることにしました!」

紬「あらあら」


律「お、あの辺が広くて良さそうだな」

律「澪。着陸してくれ」

澪「りょーかい」

90: 2010/06/29(火) 22:52:07.44 ID:J0xuRkAO

シュウウウウウン

梓「それで! その変な卵っていうのはどこに!」

唯「そ、そんなに急がなくても卵は逃げないってば……」

律「えー、と。ここからだいたい3kmくらい西だな」

澪「遠いなぁ……」

紬「1時間は歩かないといけないわね」

律「山だからな」

唯「お散歩だと思えば楽しいよー」

梓「そんなお気楽じゃダメです! ダッシュしますよ、ダッシュ!」

唯「ええっ!?」

91: 2010/06/29(火) 23:02:16.96 ID:J0xuRkAO

―――――――――――――――――――――

澪「はぁ……はぁ……」

紬「いい運動だったわ♪」

唯「つーかーれーたー」

律「歩いて1時間の山道を30分で来たんだもんな……」

梓「先輩、先輩。卵はどこですか?」

律「んー?」

律「もらった資料ではこの辺だって言われてるんだけど……」

92: 2010/06/29(火) 23:09:15.26 ID:J0xuRkAO

唯「卵なんて見当たらないよー」

律「資料によると卵と言うより小さめの丸い岩って感じらしいぞ?」

澪「そんなのも見当たらないな」

梓「資料読み違えてるんじゃないですか?」

律「ないない」

律「ほら、F地区第4ブロックポイントK―76って書いてあるだろ?」

唯「ホントだ」

紬「でも実際卵はないのよね」

梓「のんびりしてるから卵が逃げちゃったんですよ!」

澪「そんな馬鹿な……」

93: 2010/06/29(火) 23:12:11.15 ID:J0xuRkAO

律「とりあえず、ここら一帯をもうちょっとよく探してみよう。考えるのはそれからだ」

みんな「おー」


律「とはいえそんな簡単には見つからないよなー」

律「……ふぅ」

律「みんなはどんな感じかな?」


梓「毎日毎日♪ 僕らは鉄板の~♪」

梓「上で焼かれてやんなっちゃうよ~♪」


唯「あ、バッタ!」

唯「こっちにはてんとう虫!」


澪「あの雲ハート型してる……」

澪「ふふっ」


律「……」

律(……誰も真面目に探してない!)

紬「りっちゃん、りっちゃん」

律「ん? ムギ?」

94: 2010/06/29(火) 23:24:34.44 ID:J0xuRkAO

律「どしたん?」

紬「ほら見て。ここ」

紬「石か何かが置いてあったみたいに地面がへこんでる」

律「……ホントだ」

紬「それでね」

紬「ほら。このすぐ近くを車が通った跡があるの」

紬「この先は林道になってるんだわ」

紬「そしてこの辺、妙にたくさん人の足跡がついてるのよ」

律「……むむむ」

律「それってつまり……」

95: 2010/06/29(火) 23:27:36.06 ID:J0xuRkAO



梓唯澪「誰が車で卵を持ってっちゃったー!?」



紬「推測だけどね」

梓「じゃあもう帰りましょうよ」

律「そうもいかない」

律「忘れたのか? あれは、怪獣の卵だ」

律「ほったらかしにはできないよ」

梓「む……。なんて厄介なことを……」

澪「それで? 私たちはこれからどうするんだ?」

律「うん。車の通った跡があるからそれを辿っていこうと思う」

唯「歩いて?」

律「2人だけな。残りの3人はチェスターで空から調査だ」




唯「じゃあ、組み分けじゃんけんしよっか!」

みんな「じゃーんけーん―――――――

96: 2010/06/29(火) 23:45:25.42 ID:J0xuRkAO

梓「……私、もう二度とチョキなんて信用しません」

唯「まあまあ、そう言わずに」


梓「とりあえずこの林道をたどればいいんですよね」

唯「とりあえずはね」

梓「よーし。早く行って、早く帰りましょう!」

唯「た、卵が見つからないと帰れないってば」

梓「すべてはたい焼きのために!」

唯「き、聞いてないし……」

97: 2010/06/29(火) 23:58:05.11 ID:J0xuRkAO

律「うん。すっかり忘れてた」

律「じゃんけんに勝ったのはいいけど」

澪「チェスターの着陸場所までまた1時間、か……」

紬「~♪」

律「ムギはへっちゃらそうだなぁ」

紬「ふふふ。ダイエットだと思えばむしろ走りたいくらいよ♪」

律「なるほどねー」

澪「……律、走ろう!」

律「え」

98: 2010/06/30(水) 00:00:16.00 ID:GkKgf.AO

梓「……」

唯「ワンダバダ~♪」

梓「……先輩」

唯「なにー?」

梓「暇ですし、しりとりでもしませんか?」

唯「おぉーいいねー」

梓「じゃあ、しりとりの"ち"からいきましょう」

唯「おー」


梓「ちり」

唯「り、り、り…… リス!」

梓「すり」

唯「りー…… リズム!」

梓「むり」

唯「……リサイクル!」

梓「るり」

唯「りいぃぃぃぃ……?」

唯「あ!」

唯「りょうり!」

梓「倫理」

唯「うわっ!」


のんきなものである

99: 2010/06/30(水) 00:05:12.77 ID:GkKgf.AO

唯「りぃー……?」

梓「~♪」



梓「……あれ?」

唯「どしたの、あずにゃん」

梓「ほら。あそこに山小屋がありますよね」

唯「うん。軽トラが止まってるね」

梓「その、軽トラの積み荷が……」

唯「……」

唯「……なんか卵っぽいね」

梓「ですよね……」


唯「ちょっと行ってみよっか」

梓「はい」

100: 2010/06/30(水) 00:07:23.91 ID:GkKgf.AO

ガチャッ

唯「おじゃましまーす」

梓「しまーす」

恵「あら、こんにちは」

唯「こんにちはー」

梓「こんにちは」


梓「あの、すいません。表に止めてある軽トラって……」

恵「?」

恵「私のだけどどうかしました?」

梓「あのですね……」

唯「……あずにゃん、あずにゃん」チョイチョイ

梓「……何ですか、唯先輩。人が喋ってる時に邪魔しないでくださいよ」ヒソヒソ

唯「いや、ほら。その人。なーんか見覚えない?」ヒソヒソ

梓「見覚えなんてあるわけ……?」ヒソヒソ

梓「? ……ジー」

恵「……?」

梓「……ん?」

恵「……あれ?」


梓恵「……あっ!」


101: 2010/06/30(水) 00:12:27.73 ID:GkKgf.AO

梓「……もしかして去年の桜高の会長さんですか?」

恵「そういうあなたたちは軽音部の……」

唯「はい! 3年の平沢と」

梓「2年の中野です」

恵「ふふっ。こんなところで会うなんて奇遇ね」

恵「そういえば秋山さんは来てないの?」

唯「今日はちょっと別行動なんです」

恵「あらそう」

梓「あ、あの。さっきの話に戻るんですけど……」

102: 2010/06/30(水) 00:16:24.56 ID:GkKgf.AO

梓「あの軽トラは先輩のなんですよね?」

恵「えぇ、そうよ」

梓「じゃあ、積み荷はどうしたんですか?」

恵「ああ、あれね」

恵「今日ここには小旅行みたいな感じで来たんだけど……」

唯(暇人だ)

梓(暇な大学生だ)

恵「表の林道をまっすぐ行った所で見つけてね」

恵「あんまり珍しい石だから思わず拾っちゃったの」

唯「なるほどー」

梓(こんな投げやりな説明で納得しちゃった!)

103: 2010/06/30(水) 00:18:03.98 ID:GkKgf.AO

恵「あの石がどうかしたの?」

唯「あ……、その。え、っと……」

恵「?」


放課後ティータイムのメンバーがウルトラマンであり、特捜チームとして活動しているのは秘密にしないといけないのだ!


恵「何にもないならそろそろ私は行かせてもらうけど……」

梓「あ、あの!」

恵「?」

梓「私たちここまでバスで来たんですけど」

梓「このままだと夜までに家に帰れそうにないんで、先輩の車に乗せてもらえませんか?」

恵「え、えぇ。別にいいけど……」

梓「ありがとうございます!」

104: 2010/06/30(水) 00:20:20.73 ID:GkKgf.AO

唯「あずにゃん」ヒソヒソ

梓「何ですか?」ヒソヒソ

唯「卵の在処はもうわかったんだし、私たちはチェスターで迎えに来てもらって」ヒソヒソ

唯「あとからまた、みんなで先輩のとこに行けばいいんじゃない?」ヒソヒソ

唯「その方が、先輩も澪ちゃんに会えて喜ぶと思うんだけど……」ヒソヒソ

梓「ダメですよ、それじゃ」ヒソヒソ

唯「なんで?」ヒソヒソ

梓「あの先輩は嘘をついてます」ヒソヒソ

唯「嘘?」ヒソヒソ

梓「はい」ヒソヒソ

梓「あの人はここに卵があることを知ってて、卵を回収しに来たんです」ヒソヒソ

梓「だいたいさっきの説明だって胡散臭すぎますし」ヒソヒソ

梓「そうでもなければ、女子大生が軽トラなんて使うわけありませんよ」ヒソヒソ

唯「でも、先輩が軽トラ好きの女子大生なのかもしれないよ?」ヒソヒソ

梓「そんなの女子大生じゃありません。女子大生の皮を被った変人です」ヒソヒソ

唯「なるほどー」ヒソヒソ

109: 2010/07/03(土) 00:04:35.49 ID:b/4RNAAO

恵「どうかした?」

唯梓「い、いえ別に!」

恵「?」

恵「じゃあ早速乗ってもらおうかしら」

恵「あいにく座席が1つしかないから1人は荷台に……」

唯「はいっ! 乗ります! 私、乗りたいです!!」

恵「そ、そう? じゃあ荷台に」

恵「あ。危ないから、立ち上がったり……」

恵「その石に触ったりは、しないでね?」

唯「はーい」

梓「……」

110: 2010/07/03(土) 00:05:34.08 ID:b/4RNAAO

恵「それじゃあ中野さんは助手席に……」

梓「あ、すいません」

梓「一応、家に連絡入れときたいんでちょっと待っててもらえますか?」

恵「ええ。どうぞ」

恵「でも、こんな山の中じゃ携帯も圏外なんじゃない?」

梓「いえ、大丈夫です」

梓「私の携帯、……すっごく電波いいんですよ」

111: 2010/07/03(土) 00:06:29.25 ID:b/4RNAAO

―――――――――――――――――――――

澪「はぁ……はぁ……」

律「おい大丈夫か?」

澪「……こんなに走ったんだ。きっと体重も…………ふへへへへ」

律(ダイエットへの執着はこうも人を変えるのか……)

律「と、とにかくさっさとチェスターに乗り込もう」

律「私たちは空から調査だ」

紬「おーっ!」




澪「ふふふふふふ……」

律「怖いから早く乗れって!」

112: 2010/07/03(土) 00:07:36.36 ID:b/4RNAAO

バシュ―――――――ン

律「んー……」

紬「むー……」

澪「うー……」




律「異常なし、だな」

紬「そうね」

律「……」

紬「……?」

律「……緊張感が足りない」

紬「え?」

律「……こちらス[ピーーー]ーク! 今の所こちらに異常はない! オーバー」

紬「!」

紬「了解ス[ピーーー]ーク、こちらも異常はないわ! オーバー」



澪(なにやってんだか……)

澪「……ん?」

113: 2010/07/03(土) 00:08:32.25 ID:b/4RNAAO

澪「おい、律」

律「んー?」

澪「ほら。3時の方向、なんか地面が陥没してないか?」

律「どれどれ~ ……お。ホントだ」

澪「あれ、怪獣の通り道なんじゃないかな?」

律「んー? でも怪獣の出現報告はなかったしなぁ」

澪「それはそうなんだけど……」

114: 2010/07/03(土) 00:11:10.95 ID:b/4RNAAO

澪「でもやっぱり人間の仕業とは思えないよ」

律「そう言われてもなぁ」


シュワシュワー シュワシュワー ナナイロー モーニンシャワー♪


律「お。電話だ」


とはいえこれは電話ではない
HTT専用 超高性能小型通信機 HTTセルフォン である
形状を一般の携帯電話に酷似させることでカモフラージュしているのだ
その高性能たるや、地球上なら圏外の地点など存在せず、通信も迅速、しかも軽い
さらにおサイフケータイ機能も完備。とても便利な逸品だ
当然HTT全員が所持、使用している


ピッ

律「もしもーし」

梓『もしもし。私です』

律「梓か。なんか進展あった?」

梓『はい。探してた卵、見つかりました』

律「へぇー ……ってマジで!?」

梓『マジです』

115: 2010/07/03(土) 00:11:54.64 ID:b/4RNAAO

梓『かくかく!』

律「しかじか!」

梓『まるまる!』

律「うまうま!」

梓『そして、これこれこういうわけなんです』

律「なるほどなるほど」



律「まさかあの曽我部先輩が犯人だったとは……」

律「今から先輩の軽トラに乗るんだよな?」

梓『はい』

律「じゃあそのまま先輩に同行してくれ」

律「なんかまたおかしな事があったりしたら連絡よろしくな」

梓『りょーかいです』

116: 2010/07/03(土) 00:12:52.40 ID:b/4RNAAO

ピッ

梓(早くたい焼き食べたいのに面倒なことになっちゃったな……)



梓「お待たせしました」

恵「終わった? じゃあ助手席にどうぞ」

梓「はーい」

ガチャ バタン

梓「……」

梓(……シートが固い!)

恵「シートベルト締めた?」

梓「あ、はい」

恵「それじゃ、しゅっぱーつ♪」

ブロロロロ…… ブゥ―――――――ン





唯「ドナ ドナ ドナ ドナ~♪」

梓「荷台でそんな歌歌わないでください!」

117: 2010/07/03(土) 00:14:26.70 ID:b/4RNAAO

ブゥ―――――――ン

恵「それで」

恵「大学でホリイ博士がタンゴ博士を説教し始めちゃってね~」

梓「へぇー」

恵「……あ。この先に道の駅があるみたいだけど、ちょっと休憩する?」

梓「はい。お願いします」

恵「それじゃ。あと600m、私のおしゃべりに付き合ってね」

梓「はーい」




梓(……)

梓(……どうして)

梓(どうしてこんないい先輩が怪獣の卵なんて拾ったんだろう)

梓(それに、怪獣の卵なんかで一体何を……)

梓(うーん……)

118: 2010/07/03(土) 00:17:35.70 ID:b/4RNAAO

ピーッ ピーッ

恵「……」ソローリソローリ

梓「……」

ピーッ ピーッ

恵「……ゴクッ」ソローリソローリ

梓「……」

恵「……ふぅ」

梓「……バック苦手なんですか?」

恵「あ、あはははは。お恥ずかしい」



恵「なにともあれ道の駅よ」

梓「ちっちゃい建物ですね」

恵「田舎だからね」

119: 2010/07/03(土) 00:18:29.47 ID:b/4RNAAO

恵「とりあえずトイレ休憩にしましょ」

唯「はーい」

恵「15分後にまたここに集合してね」

梓「わかりました」

恵「じゃあ、解散!」

120: 2010/07/03(土) 00:19:26.56 ID:b/4RNAAO

―――――――――――――――――――――

唯「あーずにゃーん!」

梓「あ。唯先輩」

唯「曽我部先輩は?」

梓「まだ来てません。5分しか経ってませんからね」




梓「そんなことより唯先輩」

唯「どうしたんだい梓後輩」

梓「まるまる1時間、あの卵と一緒に荷台にいたわけですけど」

梓「何かわかったこととかありましたか?」

唯「えっとねー」

唯「あの卵、もうすぐ生まれると思うよ」

梓「へぇー ……ってホントに!?」

唯「ホントだよ」

123: 2010/07/06(火) 00:00:04.35 ID:LKGCUsAO

唯「1時間ずーっと卵がカタカタ震えてたからね」

唯「まず間違いないよ」

梓「そ、そんな……」

梓「あれが孵化したら、か、怪獣が生まれちゃうのに……」

梓「このまま市街地に運んじゃったら、街は大惨事ですよ!」

恵「何が大惨事なの?」

梓「ひゃあっ!」

124: 2010/07/06(火) 00:01:04.51 ID:LKGCUsAO

唯「曽我部先輩!」

恵「あなたたち早かったみたいね」

唯「あ、はい……」

恵「それで、何の話してたのかな?」

梓「べ、別にたわいのない話してただけですよ」

恵「ふーん」

恵「でも、怪獣、とか聞こえたような気がしたんだけどなぁ」

恵「……怪獣の話ってホントにたわいもないの?」

唯梓「!」

唯「き、気のせいですよ気のせい!」

梓「そうですよ! ホントに普通の話しかしてませんから!」

125: 2010/07/06(火) 00:05:47.12 ID:LKGCUsAO

恵「ホントに?」

唯「は、はい!」

梓「ホントです!」

恵「ふーん……」

唯「……」

梓「……」

恵「……」

唯「……」

梓「……」

恵「……ぷっ」

恵「あははははは!」

唯梓「!」

126: 2010/07/06(火) 00:11:13.69 ID:LKGCUsAO

梓「え……?」

恵「あはははは!」

恵「ごめんね。いじわる言って」

唯「あ……」

恵「ちょっと悪ノリが過ぎたかしら?」

梓「い、いえそんな」

恵「ふふっ、そう? じゃあそろそろ戻りましょうか」

127: 2010/07/06(火) 00:12:06.29 ID:LKGCUsAO

恵「ふふっ。それにしても」

恵「ずいぶんおもしろい顔してたわよ。あなたたち」

唯「いやぁ」

梓「あはは……」

恵「ホーント阿呆みたいに顔ゆるめちゃって」

恵「……ウルトラマンのくせしてね」

唯梓「!?」

恵「あの怪獣の卵、気になるんでしょ?」

唯梓「!!?」

128: 2010/07/06(火) 00:17:19.19 ID:LKGCUsAO

梓「せ、先輩……? 今なんて?」

恵「あはははハハハハハハハハハ!」

恵「そう、その顔! そノ顔よ!!」

恵「その間抜ケな顔ガ見たかっタの! あはハハハ!!」

唯「……え?……へ!?」

梓「そ、曽我部先輩……?」

恵「……先輩ィ~? ノンノンノン」

恵「私は、……私ハぁ」



恵「宇宙の帝王バド星人よ!!」ババーン



129: 2010/07/06(火) 00:18:07.41 ID:LKGCUsAO
宇宙帝王バド星人参考資料及び画像 http://www.google.co.jp/

130: 2010/07/06(火) 00:18:34.03 ID:LKGCUsAO

唯「へぇー」

梓「はぁー」

恵「え、なに? 反応悪いわよ。さっきまであんなにシリアスだったのに」



唯「とりあえず、帝王(笑)さん」

恵「笑わないでよ」

梓「種明かしでも始めましょうか(笑)」

恵「だから笑わないでよ」

131: 2010/07/06(火) 00:20:21.88 ID:LKGCUsAO

唯「そもそも」

唯「なんで帝王(笑)なんて名乗っちゃったんですか?」

恵「怪獣の卵のことは聞かないの!?」

梓「……質問に質問で返すなんて一体どんな教育を受けてきたんです?」ハァ

恵「い、一応あなたたちと同じ学校を卒業した人間の知識を借りてるんだけどな……」

梓「言い訳は聞きたくありません!」

恵「ひっ」

132: 2010/07/06(火) 00:22:18.22 ID:LKGCUsAO

唯「初登場の時は仕方ないですよ?」

唯「他に帝王(笑)なんて大それた肩書き付けてくる人なんていませんでしたから」

恵「……」

唯「でも今は」

唯「エンペラ星人とかカイザーベリアルとか」

唯「とっても強い皇帝(羨)がいるんですよ?」

恵「……」

唯「それを今更、帝王(笑)だなんて」

唯「エンペラ星人に恥ずかしいと思わないんですか?」

唯「あなた必殺技がメリケンサックじゃないですか」

恵「……」

133: 2010/07/06(火) 00:24:53.17 ID:LKGCUsAO

恵「うるさいうるさいうるさーい!」

恵「帝王ったら帝王なんだい! 偉いんだい!」

唯「へぇー」

恵「エンペラ星人がなによ!」

恵「ちょっと力が強くて心が邪悪で地球を破滅に追いやろうとしただけじゃない!」

唯「やっぱりエンペラ星人は凄いなぁ……」

恵「あんなの脳筋よ、脳筋」

恵「そこいくと私は知的で優れてるからね」

恵「今だって帝王の名に恥じない超☆完璧な侵略計画を実行中なんだから!」

134: 2010/07/06(火) 00:25:44.64 ID:LKGCUsAO

唯「侵略計画?」

恵「そうよ! そのためにわざわざあんな山奥に行って」

恵「怪獣の卵を探してきた(人間を襲って横取りした)のよ!」

唯「なんと」

恵「まず人間の姿を借り、地球に潜入」

恵「次に怪獣の卵を探し出し、市街地へと運び、生まれた怪獣に破壊活動を行わせ」

恵「その隙に疲弊した人類の文明を侵略する」

恵「……っていう隙のない完璧な侵略計画なの!」

唯(結構アバウト!)

恵「まさかあなたたちに見つかって」

恵「こんな辺鄙で誰もいない土地で足止めを食うとは思ってもみなかったけどね!」

唯(読みも甘い!!)

135: 2010/07/06(火) 00:27:37.82 ID:LKGCUsAO

恵「まあいいわ」

恵「あなたたち2人にはここで氏んでもらう」

恵「卵が孵化する前に市街地に行かなくちゃいけないからね」

唯「2人?」

恵「ええ。あなたと、……あれ?」

恵「……?」キョロキョロ

唯「どうかしました?」

恵「……中野さんはどこ?」

唯「あはは。ようやく気付いたようですね」

唯「ここ数レスあずにゃんが喋っていないことに!」

恵「!」

136: 2010/07/06(火) 00:29:49.89 ID:LKGCUsAO

唯「まあ今更気付いても手遅れなんですけどね」

恵「えっ?」



バシュウウウウウ



恵「!?」

梓「遅くなりました」スタスタ

唯「おつかれー」


律「おー。あれが侵略宇宙人か」トタトタ

澪「ホントに曽我部先輩にそっくりだな」スタスタ

紬「でも帝王(笑)なんでしょ?」トタトタ

恵「!?」

唯「うん。みんな揃ったね」

恵「い、一体何を!」

梓「数レスあれば仲間を呼ぶなんて簡単にできますよ」

梓「私の携帯はとっても電波がいいですから」

137: 2010/07/06(火) 00:31:06.52 ID:LKGCUsAO

唯「というわけで、私たち5人になりましたけど」

唯「どうします、先輩?」

恵「……」

恵「……くぅううううううう!!」

恵「こうなりゃ自棄よ!!」

恵「今すぐあの卵を孵化させて、あなたたち全員地獄送りにしてやるんだから!」

梓「私たち、いいことばっかりしてるから地獄には落ちないと思いますけどね」

唯「ねー」

恵「うるさ――い!!」

138: 2010/07/06(火) 00:32:52.98 ID:LKGCUsAO

恵「さあ、卵よ! 生まれなさい!!」

恵「そして奴らを根絶やしにしてしまえ!!」


シーン


唯「……」

梓「……」

恵「……さあ!」


シーン


律「……」

紬「……」

澪「……」

恵「ほら早く!!」


シーン


律「……なあ。卵って生まれろって言えば生まれるのか?」

澪「さあ?」

139: 2010/07/06(火) 00:33:35.09 ID:LKGCUsAO

恵「ほら、生まれてよ!」

梓「……あのー。私たち攻撃始めてもいいですか?」

恵「ちょ、ちょっと待って! もうすぐ、もうすぐだから!」

梓「えー」

恵「くぅう……」

恵「……早く生まれなさいったら!」ペシッ



……ピキピキピキピキ



唯「あ。卵が割れる!」

律「やっと生まれるのか……」


ピキピキバキバキ――――

ギィヤアアアアアアアアアアアアアア



恵「やった!」

澪「あーあ」

恵「ふふふ……。よーし、そうよ。そのままHTTを踏み潰してしまいなさい!!」

「ギィヤアアアアア!」

141: 2010/07/06(火) 00:35:04.73 ID:LKGCUsAO

「ギィヤアアアア!」

唯「何にせよ応戦しなくちゃ!」

律「そうだな」

律「全員ストライクチェスターに乗るんだ!」

みんな「おー!」

律「って、その前にムギ。あの怪獣、なんて怪獣かわかるか?」

紬「もちろんよ。あの怪獣は……」



紬「古代怪獣ツインテール!」

梓「えっ」


142: 2010/07/06(火) 00:36:35.03 ID:LKGCUsAO

律「……」ポク

唯「……」ポク

澪「……」ポク

紬「……」ポク

恵「……」ポク

梓「……」チーン





律「いけ! 梓!!」

梓「言いたいことはわかりますけど!」

147: 2010/07/08(木) 00:20:26.35 ID:LqYdgAAO

律「なんだ梓。嫌なのか?」

梓「そ、そんなことは……」


ギィヤアアアアアアアアアアアアア


律「ほら怪獣が暴れてるんだぞ」

律「お前は人々の幸せを差し置いて自分の我が侭を優先するのか?」

梓「……そこを天秤に掛けられたら戦うしかないじゃないですか!」

梓「あーもう! やってやるです!!」

唯「あずにゃんがんばれー」

梓「他人事!?」

律「……しかしツインテールと戦うツインテールか。ぷぷっ」

梓「言い出しっぺが笑わないでください!」




梓「もう……」キュイーン

梓「メビウ――ス!!」バッ

148: 2010/07/08(木) 00:22:18.61 ID:LqYdgAAO

メビウス(梓「せや――っ!」ドカッ

ツインテ「ギィヤアアアア!」




律「よし! 私たちは空から援護だ!」

唯「おーっ」

紬「でも、あの帝王(笑)はほっといていいの?」

澪「そうだった」

律「大丈夫、大丈夫。どうせあいつには何もできやしないよ」

恵「な、なにをー!」

恵「あなたたちなんてこのメリケ……

律「早くチェスターに乗るぞー」

唯紬澪「おーっ」

恵「無視しないで!」

149: 2010/07/08(木) 00:26:16.71 ID:LqYdgAAO

律「ストライクチェスター、発進!」

バシュ――――――――ン




律「ムギー。ツインテールに弱点ってあるか?」

紬「弱点と言うほどでもないけど……」

紬「あの明滅している発光体はツインテールの三半規管だから、攻撃するならそこを狙うべきね」

律「なるほど」

律「それなら、各機分離して梓を援護しよう」

律「唯と澪のチェスターαは怪獣の右から、ムギのチェスターγは左。私は正面から攻撃する」

律「みんなしっかりやれよ!」

唯澪紬「おーっ!」

150: 2010/07/08(木) 00:27:09.20 ID:LqYdgAAO

メビウス(梓「せやっ!」バシッ

メビウス(梓「だぁっ!」ドカッ

ツインテ「ギィヤアアアア!」

メビウス(梓『……うーん』

メビウス(梓『今日は楽勝っぽいですよー』

紬「梓ちゃん! 油断しちゃダメ!!」

メビウス(梓『えっ?』

ツインテ「ギィヤアア!」グルッ

メビウス(梓『ぐっ!?』ガシッ

151: 2010/07/08(木) 00:28:18.53 ID:LqYdgAAO

澪「し、尻尾で梓の首を締めたぞ!」

紬「まだよ!」

紬「梓ちゃん、気をつけて! その怪獣の牙には……

ツインテ「グァアア!」ガブッ

メビウス(梓「うわあああ!」

ツインテ「ギィアアア!」ギュウウウ

メビウス(梓『ぐっ……ぐぅうっ……』ガクガク



唯「……噛まれただけなのにあずにゃんの様子がおかしい!」

紬「遅かった……。ツインテールの牙には麻酔作用のある毒があるのよ」

澪「なんだって!?」

律「ちくしょう! 各機ツインテールの尻尾の付け根を狙うんだ」

律「梓をあいつから解放する!」

152: 2010/07/08(木) 00:29:06.00 ID:LqYdgAAO

唯「あずにゃんを放せー!」カチッ


ビィ――――ッ!!

バ――――ン!!!


ツインテ「ギィイイ」ギュウウウ

メビウス(梓『……がっ……ま……』ガタガタ



紬「このっ! このっ!」カチッ

律「食らえ!」カチッ


ビィイイイイイ!!

バ――ン!! バ――ン!!


ツインテ「ギィヤアア!」パッ

メビウス(梓「!」

唯「よし! 放した!」

153: 2010/07/08(木) 00:29:56.69 ID:LqYdgAAO

メビウス(梓『ごほっ! ぜほっ!』

律「梓、大丈夫か!」

メビウス(梓『は、はい!』

唯「よかったぁ……」

律「よし。まだ戦えるな」

律「こっちでツインテールの動きを止めるから、メビュームシュートでトドメをさしてくれ」

メビウス(梓『了解です!』

154: 2010/07/08(木) 00:30:22.52 ID:LqYdgAAO

律「各機、ヤツの三半規管を狙え!」カチッ

紬「唯ちゃん、あの光ってる所よ」カチッ

唯「りょーかい!」カチッ


ビィイイイイイイ!!

バ――――ン!!


ツインテ「ギヤアアアア!」ジタバタ

唯「当たった!」

紬「今よ、梓ちゃん!」

メビウス(梓『はい!』キュピーン

メビウス(梓『メビュームシュ……


グラグラグラグラグラ


メビウス(梓『うわぁっ!』

律「なっ!? どうした!」

澪「じ、地震! 地震だ!!」

律「地震!? こんな時に!?」




恵「……来た」

155: 2010/07/08(木) 00:30:58.76 ID:LqYdgAAO

恵「アハハハハハハハハハ!!」

恵「遂に、遂に来たああああああ!!」

澪「な、なんか帝王(笑)が高笑いしてるんだけど……」

律「ほっとけほっとけ。地震が怖くて気が触れたのさ」

唯「そうだよ! 今はそれよりツインテをどうにかしなくちゃ」

恵「だから無視しないでよ!」

紬「なにか御用ですかー?」

恵「ふっふっふっ……」

恵「用も何も惨劇は今から始まるのよ! せいぜい目の前の地獄絵図に驚き狂えばいいわ!!」

律「うわっ。うざっ」

恵「うざいとか言わないで!」

156: 2010/07/08(木) 00:32:44.75 ID:LqYdgAAO


バキバキバキバキバキ


律「な、なんだ……?」

唯「あずにゃんの後ろで地割れ?」

恵「ふっふっふっ……」


バカッ バキッ ドカッ――――

グゥアアアアアアアアアアアア


メビウス(梓『なっ!?』

澪「あ、新しい怪獣が地中から!!」

紬「あれは、……地底怪獣グドン!」

157: 2010/07/08(木) 00:33:40.75 ID:LqYdgAAO

律「グドン? 愚かでのろまなのか?」

澪「それは愚鈍」

紬「ええ。地底怪獣グドンは決して愚かでものろまでもないわ」

紬「両腕のムチを振るって暴れる恐ろしい怪獣よ」

紬「そして……」

唯「そして?」

紬「ツインテールの天敵として知られているわ」

唯「てんてき?」

澪「つまりツインテはグドンの餌ってことだよ」

唯「なるほどー」

律「ん? じゃあツインテがいる間はグドンを味方として扱っていいのか?」

紬「ダメよ」

唯律「?」

158: 2010/07/08(木) 00:34:25.90 ID:LqYdgAAO

紬「いい? 確かにグドンはツインテールを捕食するけど、ツインテールは決してただ食べられるほど弱くはないの」

紬「幸いこの辺り一帯に人はいないけど、お互いの頃し合いは間違いなく周囲に甚大な被害を与えるわ」

澪「ま、まさか帝王(笑)はそれを狙ってわざわざツインテールの卵を……」

恵「その通り!」

恵「言ったでしょ? 私の計画は完璧で隙がないのよ」

恵「破壊活動ひとつにしても最も効率的な方法をとるに決まってるじゃない!」

律「くそっ! なんてこざかしい奴だ!」

唯「帝王(笑)のくせに!」

恵「アハハハハハ! 負け犬の遠吠えにしか聞こえないわよ!」

恵「さあ! 2匹共、メビウスを倒しなさい!!」

159: 2010/07/08(木) 00:35:30.55 ID:LqYdgAAO

ツインテ「ギィヤアアア!」

グドン「グゥアアアア!」

メビウス(梓『くっ!』


ピコーン ピコーン ピコーン ピコーン――――


メビウス(梓『あっ!!』ピコンピコン

唯「カ、カラータイマーが!」

澪「律、どうする!」

律「仕方ない……。ムギ、変身して梓を援護してくれ!」

紬「わかったわ!」



紬「タロウ――――!」バッ

ギュイーン

タロウ(紬「たぁーっ!」

160: 2010/07/08(木) 00:35:58.11 ID:LqYdgAAO

メビウス(梓『ムギ先輩!』ピコンピコン

タロウ(紬『梓ちゃん。私たちはグドンを倒すわよ』

メビウス(梓『はい!』ピコンピコン

メビウス(梓「せやーっ!」ピコンピコン

タロウ(紬「でやーっ!」

グドン「グゥアアア!」




メビウス(梓『いきます!』

メビウス(梓『メビュームブレード!』シャキーン


タロウ(紬「……」

メビウス(梓『どうかしました?』

タロウ(紬『武器いいなぁ、って思って……』

メビウス(梓『……ムギ先輩にはタロウブレスレッドもキングブレスレッドもあるじゃないですか』

タロウ(紬『だってあれ剣じゃないし……』

メビウス(梓『えー』

161: 2010/07/08(木) 00:36:26.14 ID:LqYdgAAO

メビウス(梓『と、とにかくいきますよ!』

メビウス(梓『や――っ!』ピコンピコン


    ズ バ ッ


グドン「グアアアア!!」ジタバタ

タロウ(紬『よし! 右のムチはなくなったわ!』

タロウ(紬『このチャンスに近接戦を!』ダッ

グドン「!」

グドン「グゥアア!」バシッ

タロウ(紬『きゃあっ!』

メビウス(梓『ムギ先輩!』

162: 2010/07/08(木) 00:38:12.91 ID:LqYdgAAO


ビシッ バシッ ビシッ バシッ


グドン「グアアアア!」バシッ

タロウ(紬『がっ!……ぐぅっ!』

メビウス(梓『止めろ――!』キュピーン

タロウ(紬『梓ちゃん、待って!』

メビウス(梓『ムギ先輩!』

タロウ(紬『私なら大丈夫よ』

メビウス(梓『そんな!』

タロウ(紬『むしろ叩かれることが快感になってくるわ!』バーン

メビウス(梓『……はい?』ピコンピコン

163: 2010/07/08(木) 00:39:07.05 ID:LqYdgAAO

律「よーし。私たちはこのままチェスターでツインテを倒すぞ!」

唯「りっちゃん」

律「どした」

唯「いくら弱ってるとはいえ、ストライクバニッシャーじゃツインテールにはトドメをさせないんじゃないかな?」

澪「確かに」

律「ふっふっふっ……。そう言うと思ってもう援軍は呼んであるのさ」

唯澪「援軍?」


キィ――――――――ン

和「私まだ生徒会の仕事残ってるんだけどなあ……」



唯「和ちゃん!」

澪「あれはチェスターδ……。じゃあ!」

律「ああ。ハイパーストライクフォーメーションだ!」

164: 2010/07/08(木) 00:40:35.96 ID:LqYdgAAO

律「いくぞ。ハイパーストライクフォーメーション!」

唯澪和「りょーかい!」


ウィーン ガシャン! ガシャーン! ガキーン!


律「ハイパーストライクチェスターの完成だ!」

和「実は初合体なんじゃない?」

唯「りっちゃん、ツインテにトドメを!」

律「おう!」

律「澪。ハイパーストライクバニッシャー発射!」

澪「りょーかい」カチッ


ビイイイイイイイイイイ!!!!


ツインテ「!」


ズドオオオオオオオオン!!!!



和「ツインテール撃破!」

律「よっしゃあ!」

165: 2010/07/08(木) 00:41:45.32 ID:LqYdgAAO


ビシッ! バシッ!


グドン「グゥアアア!」ビシッ

タロウ(紬『くぅっ!』

メビウス(梓「……」ピコンピコン

グドン「グアアア!!」バシッ

タロウ(紬『うあっ!!』

メビウス(梓「……」ピコンピコン

メビウス(梓『……いい加減にしないとメビュームダイナマイトでグドンもろとも消し炭にしますよ?』ピコンピコン

タロウ(紬『……えっ? あっ! ごめんなさい!』

166: 2010/07/08(木) 00:42:36.88 ID:LqYdgAAO

タロウ(紬「でやーっ!」バキッ

グドン「グアア!」

タロウ(紬『チャンス! たぁ――っ!」


シュピピピピ シュピピピピ シュピピピピ


タロウ(紬「でや――っ!」


バキイイイイイ!!!!


グドン「グウアアア!」

メビウス(梓『あ、あれはスワローキック! 要は跳び蹴り!!』

タロウ(紬『そんな身も蓋もないこと言わないで!』

167: 2010/07/08(木) 00:43:15.24 ID:LqYdgAAO

タロウ(紬『トドメよ!』

メビウス(梓『はい!』ピコンピコン


タロウ(紬 『ネオストリウム光線!』バッ
メビウス(梓『メビュームシュート!』バッ


ビィイイイイイイイイイイ!!!!!


グドン「ガアアアア!!!」


ドォオオオオオオオオオン!!!!!

168: 2010/07/08(木) 00:44:09.54 ID:LqYdgAAO

 ズドーン!

         ドーン!


恵「そ、そんな……」


シュウウウウウン


恵「!」

唯「帝王(笑)さん、ようやく決着の時ですね」スタスタ

律「どうする? メリケンサックで私たちと戦うか?」スタスタ

恵「くっ……!」バッ

フッ

帝王「……」

澪「こ、これが帝王(笑)の本当の姿……」

和「……けっこう不細工ね」

帝王「だ、黙れ!」

帝王「覚えてろ! 私は再び地球へやって来てお前たちを皆頃しにしてやるからな!!」

唯「帝王(笑)ったら逃げる気マンマンだよ、りっちゃん」

律「しょせん負け犬なのさ」

帝王「黙れ黙れ!」

169: 2010/07/08(木) 00:45:12.03 ID:LqYdgAAO

帝王「さらばだ、下等な人間共! 来るべき復讐の時に怯えていろ!!」バッ


バヒュ――――ン


唯「飛んで逃げた!」

帝王「ハーッハッハッハッハッ!!!」ヒュー




タロウ(紬「……」

メビウス(梓『どうしたんですか? 早くみんなの所に行きましょうよ』ピコンピコン

タロウ(紬「……」バッ

メビウス(梓『へ?』


タロウ(紬『去るもの逃がさず! 昭和ウルトラの恐ろしさを思い知りなさい!』

タロウ(紬「ストリウム光線!!」


ビイイイイイイイイイイイ!!!!


帝王「……!?」

帝王「なっ! ば、馬鹿な……ぁ……ああ!!」

(笑)「ぐわあああああああああ!!!」


ドカアアアアアアアアン!!

170: 2010/07/08(木) 00:45:31.44 ID:LqYdgAAO

こうして宇宙の帝王(笑)バド星人の侵略計画は、人々が知らぬ間に頓挫したのだった
そして悪の計画を挫いたHTTは帰路に着いていた


バシ――――――――ュン


律「あっはっはっ。今日は楽勝だったなあ」

和「今日の相手は帝王(笑)だったんだから当然といえば当然だけどね」

澪「いやいや油断は禁物だろ」

紬「でも私たちが力を合わせれば侵略者なんて目じゃないわ」

唯「そうそう。だから早く帰ってティータイムの続きしよ!」

梓「……あ―――――!!!!」

171: 2010/07/08(木) 00:46:05.55 ID:LqYdgAAO

唯「い、いきなりどうしたの、あずにゃん?」

梓「律先輩! スピードを、もっとスピード出してください!」

律「はぁ?」

梓「完全に忘れてました! 私、部室にたい焼き置いて来たんですよ!!」

澪「そういえば……」

紬「そうだったわね……」

梓「早く早く!」

律「む、無茶言うな。これがMAXだよ」

梓「早く早く早く!!」


バシュ――――――――ン


172: 2010/07/08(木) 00:47:15.53 ID:LqYdgAAO

シュウウウウン

梓「着いた!」ダッ

和「廊下は走っちゃダメよー」

しかし和の言葉は梓の耳には届いていなかった
あの瞬間、梓は風だったのだ。たい焼きのために廊下を駆け巡る一陣の風
そして瞬く間に部室に到着した!


バタンッ

梓「たい焼き!!!」

さわ子「あら、おかえりー」モグモグ

梓「先生! ……ん?」

さわ子「?」モグモグ

梓「……先生、なに食べてるんですか?」

さわ子「なにって、たい焼きだけど?」モグモグ

梓「……は?」

さわ子「え?」モグモグ

173: 2010/07/08(木) 00:48:37.36 ID:LqYdgAAO

この後

梓がメビュームダイナマイトでさわ子を亡き者にしようとするのを止めるため一悶着あったのは言うまでもない

眉の太い金髪少女の証言によれば
粒あんのあんこが尻尾まで詰まってないタイプのたい焼きを持ってくるまで
梓の瞳からは血の涙が滝のように流れていたという……





こんな感じで

今日もみーんな救われた
ありがとう、放課後ティータイム!

174: 2010/07/08(木) 00:51:11.97 ID:LqYdgAAO
おしまい
続くかどうかは未定


俺の好きなネクサスのストーリーを絡めようとすると、どう足掻いても鬱ネタ……!

176: 2010/07/10(土) 22:56:35.85 ID:MXadDQAO
7月10日はウルトラマンの日なんだってね



はじまるよ

177: 2010/07/10(土) 22:57:46.45 ID:MXadDQAO

唯「おはよー」

律「おっはー」

澪「古っ!」

律「今日は遅刻しないでこれたな」

唯「へへーん」

唯「私はやればできる子なんだよ」

紬「あらあら」

澪「でも遅刻じゃないだけでかなりギリギリだけどな」

律「今日、休み多いから唯も休みかと思って心配したんだぞ」

唯「今日休み多いの?」

紬「ええ。立花さんに高橋さん、それに三浦さんと山本さんがお休みなの」

唯「へぇー」

唯「ってそういえば、姫子ちゃんって最近ずっと休んでるね」

澪「確かに」

ガラッ

さわ子「はーい、HR始めるわよー」

178: 2010/07/10(土) 23:03:17.26 ID:MXadDQAO

――――――――――――――――――
――――――――――――――

さわ子「今日の連絡はそんなところです」

みんな「はーい」

さわ子「あ。田井中さん、平沢さん、琴吹さん、秋山さんの4人は」

さわ子「用事があるからこの後ちょっと音楽室に来てちょうだい」

律「え? 私たち?」

さわ子「そうよ。よろしくね」

さわ子「それじゃ、HRはこれでおしまい」


キリーッ レー アートーゴザマシター


179: 2010/07/10(土) 23:08:39.66 ID:MXadDQAO

律「呼ばれて飛び出て来たのはいいけど……」

唯「誰もいないねー」


ガチャッ


律「! せんせ……

梓「失礼しまー……って先輩!?」

唯「あずにゃん!」

梓「あ、あれ? 先輩、なんでこんなとこに?」

キーンコーンカーンコーン

唯「あ。授業始まっちゃった」

澪「私たちはさわ子先生に呼ばれて来たんだけど」

紬「梓ちゃんもなの?」

梓「あ、はい。そうです」

澪「……軽音部集めて一体何をする気なんだ?」


ガチャッ

180: 2010/07/10(土) 23:10:09.13 ID:MXadDQAO

さわ子「みんな揃ったわね」

律「さわちゃん!」

唯「授業始まっちゃったけど用事ってなにー?」

さわ子「ええ。順を追って説明するからちょっと待ってね」

さわ子「まず、今日からみんなにはしばらく学校は休んでもらうわ」

澪「はぁ!?」

紬「な、なんでですか!」

さわ子「ここ最近、桜ヶ丘で失踪事件が相次いでるのは知ってる?」

唯「失踪事件?」

181: 2010/07/10(土) 23:13:05.42 ID:MXadDQAO

律「ニュースでもやってるじゃん」

唯「え? そうなの?」

梓「そうですよ」

梓「なんでも、これまで3件で40人も蒸発してる前代未聞の集団失踪事件だとか」

唯「へぇー」

澪「それでその失踪事件がどうかしたんですか?」

さわ子「ええ。その失踪事件がね」

さわ子「エイリアンの手によるものだと判明したの」

182: 2010/07/10(土) 23:15:41.97 ID:MXadDQAO


みんな「エイリアン!?」


さわ子「そうよ」

紬「じゃあエイリアンが人々をさらってるって言うんですか?」

澪「一体何のために……」

さわ子「それも含めてみんなに調査をしてほしいのよ」

律「なるほど。それで学校を休め、と」

さわ子「そういうこと」

唯「でも手がかりもなしに調査なんて……」

さわ子「被害者の名簿や情報はあるからそれを手がかりに調査してちょうだい」

さわ子「それと」

梓「それと?」

さわ子「被害者の1人が失踪の直前に周囲にこう言ってたそうよ」

さわ子「『私は"船"に乗るんだ』って」

183: 2010/07/10(土) 23:21:56.95 ID:MXadDQAO

紬「船、ですか?」

律「それってフェリーとかそういうの?」

さわ子「それはわからないわ」

澪「ふーん」

唯「……」

梓「唯先輩、どうかしたんですか?」

唯「え、あ。うん、ちょっとね」

律「ちょっとどうしたんだよ」

唯「ちょっと心当たりが、ね……」

さわ子「ええっ!」

紬「一体どんな心当たりが?」

唯「あ、いや。確実な心当たりでもないし」

唯「私、ちょっと別行動してもいいかな?」

律「その心当たりについて調べたいのか」

唯「うん」

澪「いいんじゃないか?」

澪「被害者名簿だけじゃ手がかりとしては弱いし」

澪「調べられるものがあるならなんでも調べた方がいいよ」

唯「ありがとう、澪ちゃん!」

184: 2010/07/10(土) 23:24:15.01 ID:MXadDQAO

律「よーし」

律「調査、始めるか!」

みんな「おーっ!」

唯「じゃあ私、ちょっと外で調べてくね」

律「おう、いってらっしゃい」

ガチャッ




さわ子「それじゃ被害者の名簿、渡しとくわね」

紬「あ、はい」

律「へぇー、こんなにいるのか」パラパラ

梓「会社員から学生まで、まさに多種多様ですね」

澪「……ん? 律、ちょっとストップ」

律「え?」

澪「……」

澪「……先生」

さわ子「なに?」

澪「ここに書いてある高橋風子って……」

さわ子「……ええ。うちのクラスの高橋さんよ」

律澪紬「!」

185: 2010/07/10(土) 23:28:06.70 ID:MXadDQAO

さわ子「ちなみに"船"の話をしていたというのも高橋さんよ」

澪「そ、そんな……」

さわ子「気持ちはわかるけどここでグダグダしてても始まらないわ」

さわ子「私はもう行くけど、調査頑張ってね」

ガチャッ バタン



紬「……さっそく始めましょう」

律「そうだな」

律「とりあえず、私と澪は高橋さんちに行ってみる」

律「その名簿を元に被害者の共通点とかを探してみてくれ」

梓「はい」

紬「わかったわ」

186: 2010/07/10(土) 23:28:41.76 ID:MXadDQAO

唯「私が単独調査なんていつぶりだろう」テクテク

唯「……」テクテク

唯(……あれは、2週間前だったかな?)テケテク






唯『お腹がなくから帰ろ~♪』テクテク

唯『……あれ?』

姫子『……』スタスタ

唯『あ、姫子ちゃんだ』

唯『おーい、姫子ちゃ――ん!』

姫子『! ……平沢さん?』

唯『あー、やっぱり姫子ちゃんだ』

唯『今日学校休んでたよね? どうしたの?』

姫子『別に何も……』

唯『ふーん』

187: 2010/07/10(土) 23:31:49.35 ID:MXadDQAO

唯『じゃあ体調とかは大丈夫なんだ?』

姫子『まあね』

唯『良かったぁ。安心したから私、帰るね』

姫子『あぁ、そう……』

唯『バイバーイ!』テクテク

姫子『……』

唯『~♪』テクテク

姫子『……平沢さん!』

唯『?』

姫子『ちょっと話があるんだけど』

唯『なに?』

姫子『……』

唯『?』


姫子『……"船"に、乗ってみない?』


唯『船?』





唯(……あの時は特に興味ないって言って別れたけど)テクテク

唯(姫子ちゃんが言ってた船ってこの事件に関係あるに違いないよ)テクテク

唯(だから姫子ちゃんを探し出せれば、きっと……)テクテク

188: 2010/07/10(土) 23:33:37.44 ID:MXadDQAO

梓「はぁー」

紬「ため息なんてついちゃって」

梓「でも、ムギ先輩」

梓「この名簿、どんなに眺めたって被害者の共通点1つ上がってこないんですよ?」

紬「それはそうなんだけどねえ」

梓「名簿に従って被害者について聞き込みしたって」

梓「みんな口を揃えて『勤勉で優等生タイプだった』なんて」

梓「そんないらないところで共通項発揮されても困ります!」

紬「私に怒られたって、私が困るわ」

189: 2010/07/10(土) 23:35:19.14 ID:MXadDQAO

梓「こうなれば」

紬「こうなれば?」

梓「被害者の動きを完全に監視してやりましょう!」

紬「……え?」

梓「ほら、このNo.027のマサキ ケイゴさん」

梓「この人が勤めてる会社ってセキュリティーが厳しいことで有名なんですよ」

梓「だからその会社に行って……」

紬「監視カメラの映像を見せてもらうのね!」

梓「はい!」



だがしかし

一介の女子高生風情に会社が監視カメラの映像を提供するわけもなく
紬の実家の介入(わいr)がある、これから90分後まで2人は立ち往生するハメになったのだった

190: 2010/07/10(土) 23:36:02.05 ID:MXadDQAO

律「ぬゃー!」

澪「……どんな発音だ、それ」

律「まさか高橋さんちがこんなに遠いとは……」

澪「そうは言ってももう着くんだけどな」

律「あのマンションに住んでるんだっけ?」

澪「名簿ではそうなってた」

律「ふーん」





澪「……ここだ。この部屋だ」

律「よし。いくぞ」

ピンポーン


191: 2010/07/10(土) 23:37:22.81 ID:MXadDQAO

シーン

澪「……」

律「……む」


ピンポーン ピンポピンポピンポピーンポーン


澪「人んちのチャイムで遊ぶな!」スパーン

律「あいてーっ!」

澪「まったく、律は幼稚なんだから」

律「だ、だって誰も出ないからさー」

澪「当然だよ。高橋さんは1人暮らしだったんだから」

律「……それを先に言えよ!」

澪「さ、管理人さんとこ行って鍵借りてこよ」

律「仕切るなよ!」

194: 2010/07/16(金) 23:55:17.54 ID:WG0r.sAO
すまない。書き方が悪かった
高橋さんは"船"のことをクラスメイトとかに話してたわけじゃなくて
"船"乗り場への移動中にタクシーの運ちゃんとかに"船"の話をしていたと考えてくださいな

195: 2010/07/16(金) 23:55:49.46 ID:WG0r.sAO

ガチャリ

澪「これが高橋さんの部屋か」

律「なんか散らかってるな……」

澪「いや、これは散らかってるというより……」

澪「テレビもパソコンもつけっぱなしで」

澪「ペットボトルのふたは開きっぱなしだし」


澪「慌てて飛び出して部屋がそのままって感じじゃないか?」

律「なるほど言われてみれば」

澪「うーん……」

律「?」

196: 2010/07/16(金) 23:56:19.19 ID:WG0r.sAO

唯「……」テクテク

唯「……」テクテ…

唯「……ここだ。この交差点で姫子ちゃんと最後に話したんだ」

唯「……」

唯「……とはいえそう都合よく姫子ちゃんが現れるわけもない、か」

唯「……」

唯「……!」



姫子「……」スタスタ



唯「姫子ちゃん!」

197: 2010/07/16(金) 23:57:16.97 ID:WG0r.sAO

姫子「あれ、平沢さん。また会ったね」

唯「うん。久しぶりー」


唯「ところで姫子ちゃん」

姫子「?」

唯「ちょっと話があるんだけど」

姫子「なに?」

唯「……」

姫子「?」


唯「……"船"について、聞かせてくれない?」


姫子「……ふーん」

姫子「いいよ。教えてあげる」

198: 2010/07/16(金) 23:58:05.97 ID:WG0r.sAO

姫子「なんでも聞いてよ」

姫子「興味があるなら乗せてあげてもいいよ」

唯「……」

唯「……"船"って一体なんなの?」

唯「どうして、"船"は、みんなをさらうの?」

姫子「あーそうきたかー」

唯「答えて!」

姫子「……平沢さん」

唯「なに?」

姫子「平沢さんは誤解してるよ」

唯「えっ?」

姫子「"船"は人々を連れ去るんじゃない」

姫子「"船"を望む人のために"船"は来るんだ」

199: 2010/07/16(金) 23:58:40.55 ID:WG0r.sAO

梓「……」

紬「……」

梓「……」

紬「……」

梓「……ムギ先輩」

紬「なに?」

梓「せっかく手に入れたビデオですけど、無駄足な感じがプンプンします」

紬「ふふふ。私も同じ感想よ」

梓「……」

紬「……」

梓「……真面目ですね、マサキさん」

紬「そうね」

梓「……」

紬「……」

梓紬「……はぁ」

200: 2010/07/16(金) 23:59:48.52 ID:WG0r.sAO

澪「集団失踪は計3回起こってるけど」

澪「当然被害者は1カ所に集められ、何者かに連れ去られたわけだ」

律「今回、その何者かがエイリアンだってわかったから私たちが駆り出されたんだよな」

澪「うん」

澪「それでさ」

澪「被害者がみんな1カ所に集められてるってことは」

澪「連れ去ったエイリアン側から被害者に何か連絡とかそういう指令みたいなのがあったと思うんだ」

律「なるほど」

澪「でもな」

律「うん?」

201: 2010/07/17(土) 00:01:40.20 ID:ALzfXEAO

澪「さっきこの部屋見て、"慌てて飛び出した"って言ったよな?」

律「ああ、言った」

澪「だとしたら」

澪「高橋さんは集合の直前に何らかのメッセージを、この部屋で受け取ったと考えるべきだ」

澪「急いでその場所に向かわないといけない脅し文句とか」

澪「あるいは催眠効果を持つようなメッセージをね」

律「うんうん」

澪「それで、その高橋さんは慌てて部屋を飛び出したわけだからさ」

律「だから?」

澪「エイリアンからのメッセージの痕跡をこの部屋に残していった」

澪「こんな可能性は十分に考えられるんじゃないかな、リツソン君?」

律「さすが、ホームズ。名推理だ」

202: 2010/07/17(土) 00:03:08.39 ID:ALzfXEAO

律「で、なんか見つかった?」カタカタ

澪「なんにも」ガサガサ



律「……しかし最近はすごいねぇ」カタカタ

澪「どうした突然」ガサガサ

律「いやね、パソコン触ってて思ったんだけどさ」カタカタ

律「最近はさ」カタカタ

律「パソコン使えばボタン1つで"おすすめの曲"なんてのは表示されるわ」カタカタ

律「コンピューターが生活習慣をチェックして」カタカタ

律「各々必要な栄養素やそのためのサプリメントを教えてくれるわ」

律「人との触れ合いの少ない"孤独な人"が増えたとあれば」カタカタ

律「政府が音頭をとってペットを飼うよう推奨するわ」カタカタ

律「ものすごい便利な世の中じゃん」カタカタ

澪「そうだな」ガサガサ

律「こういうのが"健康で幸福な生活"、ユートピアを作るのかと思うと感慨深くて仕方ないのさ」カタカタ

澪「ふーん……」ガサガサ

澪「私には、ただお節介なだけにしか思えないけどな」ガサガサ

律「そんなもんかい」カタカタ

203: 2010/07/17(土) 00:04:07.02 ID:ALzfXEAO

唯「望む人の、ために……?」

唯「それってどういうこと、姫子ちゃん?」

姫子「どうもこうもそのままだよ」

姫子「"船"に乗りたいと思う人の前に"船"は現れる」

姫子「あなたも気付いてないだけで」

姫子「心の底では"船"に乗りたいと思ってるのかもしれないよ?」

唯「……変なこと言わないで!」

唯「"船"は実際に人をさらってるんだよ!」

姫子「だから違う……ってもう話しても意味ないか」

姫子「まだこの世界には"船"を望む人が大勢いるんだ」

姫子「私にはやることが山のようにあるんだよ」

姫子「これ以上時間を無駄にはできない」

唯「えっ」

姫子「バイバイ、平沢さん」ダッ

唯「ま、待って!」ダッ



結局

唯は姫子を捕らえることはできなかった
その後、3日間探し歩いたが姫子を見つけるには至らなかった

204: 2010/07/17(土) 00:04:42.74 ID:ALzfXEAO

――――――――――――――――――
――――――――――――――

律「3日経ったわけだ」

唯「うん」

律「一旦途中経過の報告会をしようと思って召集を掛けたわけだ」

紬「ふーん」

律「もちろん澪の提案なわけだ」

梓「律先輩、気持ち悪いです」

律「んなっ!?」

澪「同感」

律「……まあいいや」

律「とりあえず、わかったことを報告してくれ」

205: 2010/07/17(土) 00:05:08.25 ID:ALzfXEAO

紬「私たちは名簿を元に聞き込み中心にやってみたんだけど」

梓「被害者にこれといった共通点は見つかりませんでした」

梓「強いて言えばみんな真面目な人間だったというくらいですね」

律「ふーん」

紬「りっちゃんたちは?」

律「私たちは高橋さんちに行って家捜ししたあと他の被害者の家をいくつか回ったけど」

澪「特に手がかりらしきものはなかったよ」

澪「ただ」

梓「ただ?」

澪「いくつかの家ではテレビがつけっぱなしで家主が慌てて飛び出した感じだったのが気になったかな」

梓「はぁ」

律「唯は?」

唯「あ、うん」

206: 2010/07/17(土) 00:06:17.80 ID:ALzfXEAO

唯「私は、姫子ちゃんに会ってきた」

律「姫子って、……立花さんか?」

唯「うん」

澪「一体どうして?」

唯「実はね――――――

207: 2010/07/17(土) 00:06:47.39 ID:ALzfXEAO

律「な、なるほど」

澪「立花さん、ここ最近学校休んでたから何してるのかと思ったら……」

紬「エイリアンと通じていたのね……」

唯「多分」



梓「"船"を望む人のために"船"は来る、ですか……」


唯「姫子ちゃんが言うには、だけどね」

梓「じゃあ、みんな自分から"船"に乗って行ってしまうんですか?」

唯「まあ、そうなるね」

梓「……」

梓「……私には、そんな風にこの世界から出て行こうとする人の気持ちがわかりません」

唯「……」

208: 2010/07/17(土) 00:07:58.47 ID:ALzfXEAO

紬「気になったんだけど」

澪「?」

紬「被害者の家のテレビの電源は切られていなかったのよね?」

澪「うん。つけっぱなしのサンドノイズだった」

紬「サンドノイズ……」

律「それがどうかした?」

紬「サンドノイズってことはそのテレビは空きチャンネルに合わせてあったってことよ」

唯「うん」

紬「そしたら」

紬「エイリアンからのメッセージはその空きチャンネルに向けて発信されていたんじゃないかしら?」

梓「あ!」

澪「そうか!」

律「……よし!」

律「そのチャンネルに不審な電波が発信されていなかったか、和に調べてもらおう」

209: 2010/07/17(土) 00:09:01.00 ID:ALzfXEAO

和に調査を依頼して3時間が過ぎた
日は既に沈みかけ街は夜に包まれようとしていた


澪「和、遅いな……」

紬「そうね」


ウーチュウー ケイビノー タイチョウハー♪


律「電話だ!」

唯「和ちゃんから?」

律「ああ!」

ピッ

律「何かわかったのか?」

和『ええ』

和『確かに集団失踪が起こった日、その空きチャンネルに不審な電波が発信されているわ』

和『発信源はB地区第3ブロックL77ポイントよ』

律「サンキュー、和!」

ピッ


律「エイリアンからのメッセージ電波の発信源がわかった」

律「急行するぞ!」

210: 2010/07/17(土) 00:10:23.55 ID:ALzfXEAO

――――――――――――――――――
―――――――――――――


唯「ここなの?」

律「ああ、このアパートの404号室だ」

律「よーし……。突入!」


ドタバタドタバタ


シーン


唯「……あ、あれ?」

紬「誰もいないわ」

律「そ、そんな……」

梓「立花先輩には逃げられたみたいですね」

澪「もぬけの殻、だもんな」

律「……ちっくしょ!」

211: 2010/07/17(土) 00:11:23.05 ID:ALzfXEAO

部室


律「日は暮れるわ、手がかりがなくなるわ、踏んだり蹴ったりだな……」

紬「明日になったらまた聞き込みから始めないとダメね」

律「くっそー……」





梓「唯先輩」

唯「なに?」

梓「気になったんですけど」

梓「その立花先輩ってどんな人だったんですか?」

唯「……うーん」

唯「ちょっと不良っぽい見た目だったけど、根はすっごくいい人だったよ」

梓「へぇー」

唯「先生への挨拶はいつも欠かさなかったし、遅刻も全然しなかったし」

唯「本当はすっごく真面目なんだと思う」

梓「真面目、ですか」

唯「うん」

212: 2010/07/17(土) 00:12:29.51 ID:ALzfXEAO

律「……そういえばさ」

澪「うん」

律「高橋さんちでユートピアがどうとか言ったじゃん」

澪「言ったなぁ」

律「あれとおんなじ話題を立花さんに振ったのを思い出したよ」

澪「へぇー。なんて言ってたんだ?」

律「えっとねー」

213: 2010/07/17(土) 00:12:57.51 ID:ALzfXEAO

――――――――――――――――――――――――――――

姫子『それってさ。情報が氾濫して、個人が世界に管理されてるだけじゃん』

律『そう?』

姫子『そうだよ』

姫子『この世界は、そんな健康的で幸福であるための処方箋に溢れてるんだ』

姫子『模範的な幸福に近づくために、モニターを通して絶え間なく処方箋が送られてくる』

律『処方箋……?』

姫子『そう』

姫子『サプリメントを指示するコンピューターにしろペットを勧める政府にしろ』

姫子『健康とは、幸せとはこうあるべきっていう"幸福のお手本"を提示して、強要してるんだ』

姫子『示される通りの幸福を実感できない者は』

姫子『まるで不治の病であるかのようにね』

律『ふーん……』

214: 2010/07/17(土) 00:15:45.36 ID:ALzfXEAO

――――――――――――――――――――――――――――
澪「今日のところは一旦解散しないか?」

律「そうだな……」


ウルトラ キョウダイ ナーンバーワーン♪


律「おっ」

唯「また電話?」

梓「こんな夜中に、人気者ですね」

律「こんな時だけ人気者になっても嬉しくないし」

ピッ

律「もしもし」

和『律? 今すぐテレビをつけて!』

和『例のチャンネルにあの電波が送信されているわ!』

律「……なんだって!」

215: 2010/07/17(土) 00:16:50.93 ID:ALzfXEAO

律「澪、すぐにテレビを!」

澪「わかった」

ポチッ

……ザー ザー ザー ザー ザー――――――


梓「……サンドノイズですね」

律「そ、そんな馬鹿な……」

紬「電波は本当に送信されてるの?」

律「和が嘘ついたりミスしたりするとは思えないよ」

澪「でもサンドノイズでどうやって人々を誘き出すんだ?」

唯「……」

唯(……誘き出したんじゃない。少なくとも姫子ちゃんはそう思ってる)

唯「……」

216: 2010/07/17(土) 00:17:31.48 ID:ALzfXEAO

唯「……」


姫子『心の底では"船"に乗りたいと思ってるのかもしれないよ?』


唯(心の底 ……!)

唯「……サブリミナル」

律「えっ?」

唯「サブリミナルだよ、りっちゃん!」

律「サブリミナル?」

唯「そうだよ!」

唯「サブリミナルは心の底、潜在意識に直接働きかける……」

唯「このチャンネルでエイリアンからのメッセージを受け取って、"船"に乗って行く人々は」

唯「潜在的にこの世界から抜け出したいと強く願ってた人々だけなんだよ!」

紬「なるほど!」

梓「"船"を望む人のために、"船"は来る。嘘じゃなかったってことですか……」

217: 2010/07/17(土) 00:18:08.73 ID:ALzfXEAO

澪「ちょっと待って」

澪「これが本当にサブリミナルだとしたら」

澪「このメッセージを解読するには、電波の発信源を特定しなくちゃいけないぞ」

律「それなら大丈夫」

澪「え?」

律「今、和から追加の連絡が入ったよ」

律「発信源はA地区第4ブロックD51ポイント、だそうだ」

澪「この近くじゃないか」

梓「すぐ行きましょう!」

律「当然!」

唯(そこに姫子ちゃんも……)

紬「唯ちゃん、行くよ?」

唯「……うん」

218: 2010/07/17(土) 00:18:42.36 ID:ALzfXEAO

律「よし。この倉庫だな」

律「全員、ディバイトランチャーは持ったか?」

澪「ああ、大丈夫」

律「よーし……。突入――!」

ドタバタドタバタ――――


シーン


律「……またかよ!」

梓「またですね」

唯「姫子ちゃん、逃げ足早い……」

澪「……ん?」

紬「どうかした?」

澪「なあムギ、あのパソコンみたいなやつって……」

紬「……!」

219: 2010/07/17(土) 00:21:21.63 ID:ALzfXEAO

澪「…………」ヒソヒソ

紬「…………!」ボソボソ


律「ん?」

律「おふたりさーん。なにこそこそやってんのー?」

澪「……うん」

澪「みんな、聞いてくれ」

紬「このパソコン地球のものじゃないわ!」

律「へっ?」

唯「……じゃ、じゃあ!」

梓「この機械からメッセージが送信されてるんですね」

澪「そうだ」

律「!」

220: 2010/07/17(土) 00:23:12.40 ID:ALzfXEAO

律「じゃあ、今んとこ悪いのはこの機械か」

澪「ああ」

律「こいつのせいでみんなさらわれるのか……!」


ガシャッ


律「このっ! ぶっ壊してやる!!」

唯「ええっ!?」

澪「ちょ、ちょっと待て、律! 銃を下ろせ!」

律「何で止める!」

律「今この瞬間もこの機械から不特定多数に向けてメッセージが発信されてるんだ」

律「またたくさんの人がエイリアンに連れて行かれようとしてるんだぞ!」

律「私には、許せない!!」

澪「そんなのはわかってる!!」

澪「でも、今この機械を破壊すれば送られているメッセージがわからなくなるんだ!」

澪「送信されてるサブリミナルのパルスを解析しないと!」

澪「いつどこに"船"が来るのかがわからないんだよ!!」

律「……」

澪「気持ちはわかるけど今は我慢してくれ」

律「ちくしょう……」

律「……ちっくしょお!!」ガシャン

221: 2010/07/17(土) 00:24:06.99 ID:ALzfXEAO

唯「……あ」

唯(パソコンの手元にコーヒー……)

唯(コーヒーがないと夜更かしできないなんて姫子ちゃんもまだまだ子どm……あれ?」

唯「このコーヒー、まだ温かい……」

唯「……」

唯「……姫子ちゃんはまだこの近くにいるんだ!」

梓「ホントですか!?」

唯「りっちゃん!」

律「……わかった」

律「私と澪、ムギはここに残ってサブリミナルのパルスを解析する」

律「唯と梓は二手に別れて立花さんを探してくれ!」

唯「うん!」

梓「了解です」

222: 2010/07/17(土) 00:25:17.68 ID:ALzfXEAO

―――――――――――――――――――――
――――――――――――――


唯「はぁっ……はぁっ……」タッタッタッタッ

唯「姫子ちゃん……」タッタッタッタッ
唯「…………はぁっ……」タッタッタッタッ

唯「きっとまた、あの交差点に……」タッタッタッタッ

唯「……」タッタッタッタッ

唯「……はぁっ……」タッタッタッタッ

唯「……」タッタッタッタッ

唯「……!」タッタ…



姫子「やっほー。また会ったね、平沢さん」



唯「……姫子、ちゃん」

223: 2010/07/17(土) 00:26:08.19 ID:ALzfXEAO

澪「……」カタカタ

紬「……」カタカタ

律「どう? 解析できそう?」

紬「ええ。それほど難しいパルスじゃないみたい」カタカタ

澪「そうだな」カタカタ

律「……」

律「……私、何すればいい?」

澪「黙っててくれればそれでいいよ」カタカタ

律「あ、うん」

紬「……」カタカタ

澪「……」カタカタ

律「……」

紬「……よしっ!」ターンッ!

澪「"船"の来る場所、時間がわかったぞ!」

律「ホントか!」

紬「A地区第4ブロックR2ポイントの河川敷ね」

澪「時間は午前3時だ」

律「わかった。すぐさわちゃんたちに連絡する!」

224: 2010/07/17(土) 00:28:20.46 ID:ALzfXEAO

唯「姫子ちゃん、もう終わりにしようよ」

姫子「……うーん。その感じからすると平沢さんはまだ誤解してるよね」

姫子「私は、人々を無理やり連れ去ってるワケじゃない」

姫子「"船"からのメッセージを伝えてるだけだよ」

姫子「それを本当に必要とする人にだけ届くように」

唯「……」

唯「……なら」

唯「1個だけ教えて」

姫子「なに?」

唯「"船"に乗った人たちはどうしてこの世界を捨てていくの?」

唯「あの人たちにとって、この世界はそんなにも価値のないものだったの?」

姫子「……」

姫子「……その逆だよ、平沢さん」

唯「逆?」

225: 2010/07/17(土) 00:30:14.13 ID:ALzfXEAO

姫子「彼らは、誰よりもこの世界を信じたんだよ」


姫子「彼らは信じた。この世界の提示する幸福を」

姫子「少しでもそれに近づこうと精一杯努力してきた」

唯「……」

姫子「本当は自分がどんなものが好きで何がしたいのか……、一度も考えるいとまもないほど懸命にね」

姫子「けれど、努力すればするほど自分が希薄になって自分自身が見えなくなっていく」

姫子「そしてあるときこう思うの。『ここにいるのは、本当の私なのか』……」

唯「……」

姫子「だけど、世界は彼らの問いに答えてはくれない」

姫子「……船は彼らに呼びかけるだけだよ――――


226: 2010/07/17(土) 00:33:36.06 ID:ALzfXEAO

紬「……このパルス、"船"が来る時間や場所を伝えてるだけじゃないわね」

澪「ああ。何か別のメッセージも送信されてる」

律「それの解析はできるのか?」

澪「やってるみる」カタカタ



―――――――――――――――――――――
――――――――――――――

澪「できた!」

律「おお!」

紬「今、画面に表示するわ」

228: 2010/07/17(土) 00:35:01.16 ID:ALzfXEAO




『帰ろう、まだ見ぬ故郷へ』



『そこで待っているのは本当の私』




229: 2010/07/17(土) 00:39:04.71 ID:ALzfXEAO

姫子「ねえ、平沢さん」

姫子「あなたは本当に平沢さんなの?」

唯「……そ、そうだよ、当たり前じゃん」

姫子「本当に? 本当にそう言い切れるの?」

姫子「自分は"平沢唯"を演じてるだけじゃない、そう言い切れる?」

唯「……!」

姫子「ねえ平沢さん。あなたも、"船"に乗ろうよ」

唯「えっ……」

姫子「誰にも縛られない、あなた自身が思う通りに生きていける」

唯「……」

姫子「本当の自分に会うために」

唯「……」

姫子「"船"に、乗ろうよ」

唯「わ、私は……」

姫子「……」

唯「……あ!」

姫子「あ?」



梓「唯先輩! 大丈夫ですか!」タッタッタッ



唯「あずにゃん!」

姫子「…………チッ」

ドンッ

唯「うわっ!!」

230: 2010/07/17(土) 00:40:09.14 ID:ALzfXEAO

姫子「……バイバイ、平沢さん!」タッタッタッ

唯「ま、待って!」

梓「大丈夫ですか、唯先輩!」

唯「うん。突き飛ばされただけだから」

唯「それより……」

梓「それより?」

唯「……レオリングが盗られた」

梓「ええっ!?」

唯「後を、追わなきゃ……!」タッタッタッ

梓「ゆ、唯先輩!」

231: 2010/07/17(土) 00:41:13.08 ID:ALzfXEAO

唯「……」タッタッタッタッ

唯(……)

唯(……そっか)

唯(最初からこれが目的だったんだ)

唯(レオリングを、ウルトラマンを"船"に載せること)

唯(これが、エイリアンから姫子ちゃんに与えられた本当の使命だったんだ)

唯「……」タッタッタッタッ

唯(……)

唯(……でも、それって)

唯「!」

唯「姫子ちゃ――ん!」タッタッタッタッ


姫子「……は、速っ!」タッタッタッタッ

232: 2010/07/17(土) 00:45:20.56 ID:ALzfXEAO

唯「姫子ちゃん、待って!」タッタッタッ

姫子「……」タッタッタッタッ

姫子「……行こう、平沢さん!」タッタッタッタッ

姫子「一緒に、一緒に"船"に乗ろうよ!」タッタッタッ…

姫子「あなたがあなたでいるために!」

唯「……」タッタッタッ…

唯「……姫子ちゃん」

唯「この"船"が本当に姫子ちゃんの言う通りのものだったら」

唯「……どうしてレオリングなんて必要なの?」

姫子「……えっ」

唯「この"船"が本当の姫子ちゃんに会わせてくれるだけのものなら」

唯「……何も持たずに行けるはずだよ!」

姫子「……!」

唯「……」

姫子「……」

唯「……姫子ちゃん」


唯「あなたは、本当にこの"船"を信じているの?」



233: 2010/07/17(土) 00:48:03.91 ID:ALzfXEAO

姫子「……」

唯「……」

姫子「……」

唯「……」

姫子「…………私は」

唯「……」



姫子「……私は、この"船"を信じたい!!」

姫子「私は会いたいんだ、本当の私に!!」



唯「……」

姫子「……」ニコッ

唯「……?」

姫子「……こんなものはいらないね」ポイッ

唯「あっ、と」キャッチ!

姫子「……時間だよ」


ゴオオオオオオオオオオオオオオオ


姫子「"船"が、来た」

234: 2010/07/17(土) 00:49:06.15 ID:ALzfXEAO

唯「これが、……"船"」

空には白い光をまとった美しい円盤が浮かんでいた


姫子「今度こそ」

姫子「バイバイ、平沢さん」

唯「……」


円盤から降りてきた金色の柔らかい光が、その光は立花姫子を包み込んだ
彼女は静かにまぶたを閉じて、金色の光が自分を"船"に乗せてくれる、その時を待った
その顔に微笑みをたずさえて



が、しかし



ドオオオオオオオオオオオオオオン!!!


唯「なっ!?」

迎えは来なかった

柔らかい光をなぎ払うように、赤い熱線が同じく円盤から発射され立花姫子を直撃したのだ

立花姫子の姿は跡形もなく消え、彼女が立っていた場所の草が焼けこげて赤く光っているだけだった


唯「…………!」


本当の自分に会わせてくれる、そんな"船"を信じた立花姫子はエイリアンから与えられた任務を放棄した

結果

自分が最期の一瞬まで信じ続けた"船"自身に殺されたのだ

235: 2010/07/17(土) 00:52:21.74 ID:ALzfXEAO

シュウウウウウウウウウウウウ

目的が失敗に終わった"船"は、地球から脱出しようとしていた

唯「……許さない」

唯「……」バッ

唯「レオ――――――!!!」

キュイイ キュイイ キュイイ

ドーン

唯『…………』キッ

唯『……!』


ドオオン!     ドオオオオオン!!!
    ドオオン!!     ドオン!     ドオオン!!


大地に佇む赤い巨人を確認した"船"が唯に向かって攻撃を開始した

だが


唯『………………』


唯は攻撃を避けることも防ぐこともせず、ただその場に立っていた

236: 2010/07/17(土) 00:55:58.90 ID:ALzfXEAO

シュウウウウウウウウウウウウ

残弾が尽きたのか、あるいは逃げるが勝ちと悟ったのか
"船"は光弾による攻撃を止め、逃亡することに専念し始めた


唯『…………』


それをも唯はただ見ていた

そして


唯『…………ううううう』

唯『うわあああああああああああああああ!!!!!』バッ


ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


怒りの叫びと共に放たれたのはエネルギー光球
レオ最強の必殺光線だ


光線と"船"の距離はみるみる縮まり

遂に


ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!


直撃

大気圏外にて、"船"は爆破四散したのであった

237: 2010/07/17(土) 00:56:44.00 ID:ALzfXEAO

"船"が消滅し、しばらく経ってから朝が来た
律、澪、紬はまだ例の倉庫から戻っていなかったため、部室には唯と梓の2人きりだった


梓「お疲れ様です、唯先輩」

唯「……うん」

梓「……」

唯「……」

梓「……唯先輩」

唯「なに?」

梓「……私にはやっぱり"船"を望む人たちの気持ちは分かりません」

唯「……そっか」



船はいつ、どうやって姫子と接触したのか
最後まで姫子と"船"の関係は、謎のままだった

238: 2010/07/17(土) 01:00:21.57 ID:ALzfXEAO
おしまい


気付いた人は気付いただろうけど元ネタは ULTRASEVEN X 第2話 CODENAME"R"
セブンXも結構面白い



ではまた

246: 2010/07/24(土) 11:51:00.52 ID:daflT.AO

唯「宇宙にきらめくエメラルド~♪」カキカキ

憂「お姉ちゃん、何してるの?」

唯「ん~?」

唯「国語の授業中に描いた怪獣の絵がすっごくよく描けたからね」カキカキ

唯「色塗りしてるの」ヌリヌリ

憂「へぇー」

憂「あ。ホントに上手」

唯「でしょー」ヌリヌリ

憂「でももう遅いから適当なとこで寝てね」

唯「はーい」カキカキ

247: 2010/07/24(土) 11:54:08.19 ID:daflT.AO

唯「……よし、かんせーい!」ジャーン

唯「いやいや我ながら惚れ惚れする出来映えだね」

唯「そーだ。せっかくだから名前付けてあげようかな」

唯「うーん……」

唯「お」

唯「モンスー太、モンスー太にしよっ!」

唯「うーん、いい名前。私命名の才能があるのかもね ……うひひ」

唯「……名前も決まったところでそろそろ寝ようかな」

唯「おやすみ、モンスー太」

唯「……zzz」



その夜
大熊座M81星雲から謎の宇宙生命体が飛来、唯の落書き モンスー太に取り憑いた

しかし
その事実に誰も気づかないまま次の日の朝を迎えることとなるのであった

248: 2010/07/24(土) 11:55:35.01 ID:daflT.AO

唯「おはよー」

律「おはよ」

唯「今日はみんなに見せたいものがあるんだー」

紬「なになに?」

唯「ふっふっふっー。見て驚くなかれ!」

唯「最強怪獣モンスー太だよ!」ジャーン

澪「モンスター?」

唯「モンスー太!」

紬「わっ、上手!」

律「色まで塗って凝ってるなぁ」

唯「でしょでしょー?」

249: 2010/07/24(土) 11:58:59.93 ID:daflT.AO

澪「いつの間にこんなの描いたんだ?」

唯「昨日の国語の授業中に下書きして、家で色塗りしたんだー」

紬「へぇー」

律「ちゃんと授業聞けよう」

唯「ぶー。そういうりっちゃんだって60分中65分寝てたクセにー」

律「バ、バレてたか……」

澪「いや時空歪んでるし」

紬「それはそうと1時間目は体育だけど、着替えないの?」

唯律澪「……忘れてた!」

 イソゲー!   ワー!

   ハヤクハヤク!

ドタバタドタバタ―――――――――――





ノート「……」

250: 2010/07/24(土) 12:00:32.97 ID:daflT.AO

ノート「……」


謎の宇宙生物がとり憑いた唯の落書き
慌てて教室を飛び出した唯たちはその落書きが描かれたノートを開いたままにしてしまった

そのため

唯の落書き、最強怪獣モンスー太に真夏の日光が降り注いだ


ズズズズズズズズズズズズズズ

なんやかんやで不思議なことが起こって


モンスー太「ピギイイイイイイ!!」


モンスー太は実体化してしまった!

251: 2010/07/24(土) 12:03:13.77 ID:daflT.AO

モンスー太「ピギイイイイイ!!」

ガラガラガラ―――――



茜「きゃー! 校舎から怪獣ー!!」

佐々木「こ、校舎が崩れたー!!」

 キャー!  ワー!

   イヤー! ギャー!



律「お、おい」

澪「あれって……」

紬「さっきの……」

唯「モンスー太!」

モンスー太「ピギイイイイイ!!」

252: 2010/07/24(土) 12:06:22.70 ID:daflT.AO

唯「手に槍、歯に牙、足には鉤爪、肘には刃、刺々しい体表、尖った角に鋭い眼、長い尻尾と腹部のレーザー発射口……」

唯「間違いない! あれモンスー太だよ!」

律(類い希なる"ぼくの考えたさいきょうのかいじゅう"だったんだな……)

律「でも、落書きが本物の怪獣に……?」

紬「……確か別の怪獣が同じように具現化してたはず。あれは……」

澪「待って、今はそんなこと言ってる場合じゃないぞ!」

澪「体育の授業でたくさんの生徒が運動場に出てるからチェスターは発進できない」

澪「このままじゃ怪獣は暴れたい放題だ!」

律「そうだった!」

253: 2010/07/24(土) 12:12:21.95 ID:daflT.AO


モンスー太「ピギイイイイイイ!!」


律「い、急がなきゃ!」

律「誰か変身アイテム持ってきてるか!」

唯「体育だから教室に置いてきちゃったよ……」

紬「私も……」

律「私もリーフラッシャーはかさばるから鞄に入れっぱなしだし……」

澪「となると」

澪「今戦えるのは運動場に歯ブラシを持ってきた私だけ」

澪「久しぶりに私の出番



キュイーン

メビウス(梓「せやーっ!」バーン



唯「あずにゃん!」

澪「えっ」

254: 2010/07/24(土) 12:16:17.30 ID:daflT.AO

唯「頑張って、あずにゃ……メビウス!」


放課後ティータイムがウルトラマンであることはみんなには秘密なのだ


メビウス(梓『はい!』

メビウス(梓『……いくぞ!』

メビウス(梓「せやっ!」ブンッ

モンスー太「ピギイイイ!!」フッ

メビウス(梓『えっ!?』


澪「メビウスのパンチが怪獣をすり抜けた……?」

律「唯、あの怪獣にはあんな能力があるのかよ!」

唯「な、ないよ、そんな設定! 火は吹くけど」

紬「えっ」


モンスー太「ピギイイイ!」


ボオオオオオオオオオオオオオ!!!


メビウス(梓『にゃ―――! 熱っ、熱っ!!』ジタバタ

255: 2010/07/24(土) 12:19:23.86 ID:daflT.AO

メビウス(梓『このお……』グッ

メビウス(梓『メビュームブレード!』シャキーン

メビウス(梓「しぇあっ!」ブンブン

モンスー太「ピギイ!」フッ

メビウス(梓『……くぅっ!』


律「ダメだ、メビウスの攻撃が通用しない!」

紬「このままじゃメビウスが……」


メビウス(梓『あっ!』ピコンピコン

モンスー太「ピギイイイ!」

256: 2010/07/24(土) 12:20:36.10 ID:daflT.AO

紬「カラータイマーが!」

澪「……」キョロキョロ

澪「……律! 校庭に人がいなくなった。チェスターが出せるぞ!」

律「そうか。よし! 全員部室に移動だ、梓を援護する!」

唯「待って!!」

律「ん?」

唯「見て」



モンスー太「ピギイイイ!」

メビウス(梓『……ん?』ピコンピコン

モンスー太「―ギイ――!」スー

メビウス(梓『……なんか色が薄くなってく』ピコンピコン

―ンス――「―ギ―イイ――」スー

――「――イ―」スー

―「」



メビウス(梓『……き、消えた?』ピコンピコン

257: 2010/07/24(土) 12:25:37.75 ID:daflT.AO

紬「カラータイマーが!」

澪「……」キョロキョロ

澪「……律! 校庭に人がいなくなった。チェスターが出せるぞ!」

律「そうか。よし! 全員部室に移動だ、梓を援護する!」

唯「待って!!」

律「ん?」

唯「見て」



モンスー太「ピギイイイ!」

メビウス(梓『……ん?』ピコンピコン

モンスー太「―ギイ――!」スー

メビウス(梓『……なんか色が薄くなってく』ピコンピコン

―ンス――「―ギ―イイ――」スー

――「――イ―」スー

―「」



メビウス(梓『……き、消えた?』ピコンピコン

258: 2010/07/24(土) 12:29:08.05 ID:daflT.AO

紬「消えちゃった……」

律「どういうことだ?」

澪「さぁ?」

梓「せんぱーい、大丈夫でしたかー!」タッタッタッ

唯「あずにゃん!」




梓「しかしあの怪獣一体なんだったんですかね」

梓「攻撃はすり抜けますし、最後には消えますし」

唯「……そ、それがねぇ」

梓「?」

259: 2010/07/24(土) 12:33:12.51 ID:daflT.AO

梓「唯先輩の落書きがホントの怪獣になった!?」

唯「うん」

梓「そんな馬鹿な……」

律「でも私たちもその落書き見てるんだよ」

梓「な、何がどうしたら落書きが実体化するんですか……」

澪「そんなのこっちが聞きたいくらいだよ」

紬「とりあえず唯ちゃんのノートを探しましょ」

紬「怪獣が現れたり消えたりした手がかりがつかめるかもしれないわ」

唯「でも……」

紬「でも?」

唯「校舎が……」

紬「あ」

律「……怪獣の出現で半壊したんだった」

263: 2010/07/25(日) 10:37:30.57 ID:xiHwnQAO

ガラガラガラガラ

律「あっぶね!」

澪「校舎に入ったのはいいもののがれきだらけでなかなか前に進めないな」

梓「唯先輩、ホントにノートは教室にあるんですよね?」

唯「うん。机の上にに開きっぱなし」

梓「だらしないですね」

唯「次が体育だったから仕方なかったんだよ。いつもはちゃんと鞄にしまってるって」

梓「……ふーん」

唯「あー! その目は信じてないなー!」

梓「そーんなことありませんよー」

264: 2010/07/25(日) 10:38:44.18 ID:xiHwnQAO

律「この階段を登れば私たちの教室だな」

紬「階段はがれきで埋まってるけどね」

澪「さらっと手詰まり宣言をしないでくれ……」

唯「他の階段使おうか?」

梓「私に任せてください!」

律「梓?」

265: 2010/07/25(日) 10:39:37.68 ID:xiHwnQAO

梓「それっ」バッ

キュイーン

梓「じゃーん」

唯「メビウスブレスなんか出してどうするの?」

梓「ふっふっふっ」

梓「実は私、人間体のままでも少しならメビウスの力が使えるんです」

紬「へぇー」

梓「いきますよー」

梓「メビュームスラッシュ!」シュッ


ドカ―――――ン!







律「梓ー」

梓「はい」

律「がれきと一緒に階段も崩れ落ちたけど、一体どうやって上に上がるんだ?」

梓「……さぁ?」

律「おい」

266: 2010/07/25(日) 10:42:28.53 ID:xiHwnQAO

紬「……どうしようか?」

唯「うーん……」

律「……ん? あれ、澪は?」


澪「おーい。向こうの階段は使えそうだぞー」


唯「さっすが澪ちゃん!」

紬「向こうの階段の様子を見に行ってたのね」

澪「うん」

律「どこかのツインテールとは大違いだな」

梓「うっ」

267: 2010/07/25(日) 10:43:15.70 ID:xiHwnQAO

唯「それで登ってきたわけだけど」

紬「教室もがれきの山ね……」

澪「この中からノートを探し出すのは骨だな」

唯「あずにゃんのメビュームスラッシュのせいだったりして?」

梓「ち、違いますよ! ……多分」

律「ウダウダ言っても仕方ない。手分けしてちゃっちゃと探してしまおう!」

みんな「おーっ!」

268: 2010/07/25(日) 10:45:07.68 ID:xiHwnQAO

唯「見つかったー?」

梓「っていうか私、それがどんなノートか知らないんですけど」

唯「ああ、うん。探してるのはオレンジのノートだよ」

梓「名前は書いてあるんですか?」

唯「うん。憂が書いてくれた」

梓「……」

269: 2010/07/25(日) 10:47:04.60 ID:xiHwnQAO

律「チャーンスの時を逃さーない~♪」パラパラ

澪「……で、探すのサボってお前は何をしているんだ?」

律「んー? 床に落ちてた澪の日記読んでる」

澪「は?」

律「……7月7日、夜空に瞬くミルキーウェ

澪「……!」ボカッ

律「あいてーっ!!」

270: 2010/07/25(日) 10:47:44.70 ID:xiHwnQAO

ガタッ

紬「あ」

紬「あった!」

律「マジでか!」

紬「ほらこのノートでしょ?」

唯「うん、これこれ!」

紬「がれきの下に埋まってたわ」

梓「なかなか見つからないわけですね」

律「ノートも見つかったところで、これどうしようか」

澪「とりあえず部室に持って行かない?」

澪「あっちは無事そうだったから、この教室より居心地良さそうだ」

律「じゃあそうするか」

271: 2010/07/25(日) 10:48:54.22 ID:xiHwnQAO

律「と、いうわけで」

律「第1回謎の怪獣対策本部を設立しまーす!」

唯「Yeah!」

律「ムギ。あの怪獣について何か知らないのか?」

紬「確か何か似たような怪獣がいたはずなんだけど……」

唯「どんなどんな!」

紬「……ごめんなさい。思い出せないわ」

澪「そ、そうか……」

梓「それならそれで仕方ありませんよ。私たちは私たちができることをやらなくちゃ!」

律「……そうだな!」

律「ムギ。ちょっと頑張って思い出してみてくれ」

紬「ええ」

律「私たちは会議を続行だ」

272: 2010/07/25(日) 10:55:52.02 ID:xiHwnQAO
唯「あ」

律「どした」

唯「モンスー太って実は人参が大好きって設定があるんだよ」

梓「へぇー」

唯「だから人参をいっぱい用意すれば満足して成仏してくれるかも!」

澪「成仏ってあの怪獣は幽霊なのか?」

唯「それはわからないけど……」

律「そもそも大量の人参なんてホイホイ準備できないよ」

唯「むー。ダメだなぁ、りっちゃん。ZATの隊長を見習わなくちゃ」

律「ZATって何さ」

唯「ZATはZATだよ!」

律「?」

273: 2010/07/25(日) 10:56:58.10 ID:xiHwnQAO

澪「そうだ」

澪「そのノートから怪獣が出たんだからそれ燃やしちゃえば?」

唯「ダ、ダメだよ! これには夢と希望と国語の板書が詰まってるんだから!」

澪「板書なら私たちのノート見せてあげるから」

唯「むむむ。夢と希望は?」

澪「それは保障対象外」

唯「むぅ」

唯「……まあいいや。燃やしちゃえ!」

紬「偉いわ、唯ちゃん」

唯「えへへ」

律「そうと決まれば一旦外に出ようか。近くの河川敷あたりがいいかな」

梓「中で燃やすと危ないですからね」

274: 2010/07/25(日) 10:59:45.46 ID:xiHwnQAO

パチパチ

紬「火の準備はOKよ」

律「さぁ、唯! パーッと燃しちゃえ燃しちゃえ!」

唯「うん」

梓「あ、唯先輩」

唯「うん?」

梓「私にもその落書き見せてくれませんか?」

唯「そういえばまだ見せてなかったっけ」

梓「はい」

唯「確かこの辺のページで……」ペラペラ

唯「あったあった。はいこれだよ」

梓「おぉ。上手ですね」

唯「えへへー」



この時、HTTは学校近くの河川敷にいた
そのためノートが開かれると唯の落書き 最強怪獣モンスー太に再び日光が降り注いだ

すると、またもやなんやかんやで



ズズズズズズズズズズズズズズ



モンスー太「ピギイイイイイ!!」

モンスー太が実体化したのだった!

275: 2010/07/25(日) 11:00:19.61 ID:xiHwnQAO

モンスー太「ピギイイイイ!!」


律「げっ! また出た!」

唯「ええっ! なんで、どうして!? Tell me why!」

澪「なぜ英語……でも現れた以上応戦しなくちゃ!」

梓「澪先輩!」

澪「……」シャカシャカシャカシャカ

澪「……ぜあっ!」バッ

シュイーン

ゼアス(澪「とあっ!」

276: 2010/07/25(日) 11:00:52.17 ID:xiHwnQAO

律「澪! その怪獣への対処法はまだないんだ。気を付けて戦えよ!」

ゼアス(澪『わかってる!』


ゼアス(澪「ぜあっ!」ブンッ

モンスー太「ピギイイ!」フッ

梓「や、やっぱりすり抜けちゃう……」

梓「……!」

ゼアス(澪「……」

ゼアス(澪『……これならどうだ』

ゼアス(澪「……」スッ スッ バッ

ゼアス(澪『スペシュッシュラ光線!』


ビィイイイイイイイイイイイイ!


277: 2010/07/25(日) 11:01:54.50 ID:xiHwnQAO

ビィイイイイイイイイイイイ!


モンスー太「ピギイイ!」フッ


ビィイイイイイイイイイイイ!

ドカ――――ン!



ゼアス(澪『……しまった』

唯「光線がモンスー太をすり抜けて……」

律「ビ、ビルに……」

梓「バカヤロ――!!」

278: 2010/07/25(日) 11:02:29.83 ID:xiHwnQAO

律「光線技もすり抜けるのか……」

梓「はい、先生!」

律「はい、あずにゃん」

梓「思ったんですけど、もしかしたらあれって攻撃がすり抜けてるんじゃなくて」

梓「かわされてるんじゃないですか?」

唯「?」

梓「えーと、あの怪獣が猛スピードで動いて私たちの攻撃をかわしてるんじゃないかと思って……」

唯「……なるほどつまり」

律「残像か!」

梓「はい。まず間違いないですよ」

279: 2010/07/25(日) 11:02:56.16 ID:xiHwnQAO

律「そういうことなら私に任せてくれ」

律「おーい、澪ー! 交代だー!」

ゼアス(澪『えっ、あ、うん』ピコンピコン

ゼアス(澪「……」スッ

フッ

澪「……ふぅ」

梓「お疲れ様です」

澪「うん。あんまり役に立てなかったけどな」

律「よーし! じゃあ私の番だな」


律「ダイナ――――!!」バッ

ヒュイーン

ダイナ(律「だぁっ!」

280: 2010/07/25(日) 11:04:00.63 ID:xiHwnQAO

モンスー太「ピギイイイイ!!」

ダイナ(律『ちょーっと待ってろよ。今にぎったんぎったんのけちょんけちょんにしてやるから』

ダイナ(律「……ん――」グッ

フィーン シュピーン!

ダイナ(律「じゅわぁっ!」バッ

ダイナ(律『……じゃっじゃーん!』



唯「りっちゃんが青くなった!」

澪「ああ」

澪「律ことウルトラマンダイナは相手に合わせてタイプチェンジができるんだよ」

澪「青い戦士はミラクルタイプ。スピードと超能力に長けたサイキック戦士なんだ」

281: 2010/07/25(日) 11:04:32.24 ID:xiHwnQAO

梓「でもそのサイキックでどうするつもりなんでしょう……」

澪「まあ見てなって」


モンスー太「ピギイイイ!」

ダイナ(律『お前、怪獣のクセに残像残して動けるらしいな』

ダイナ(律『でもな?』

ダイナ(律「……じゅわっ!」グッ

スウーッ

ダイナ(律『……ふっふっふっ』

ダイナ(律『お前がどんなに速く動けようと、私たちの6つの目からは絶対に逃れられないぞ!』



唯「りっちゃんが3人に分身して天津飯みたいなこと言い出したよ!」

澪「あれはウルトラマジック! ミラクルタイプ自慢の分身戦法だ!」

282: 2010/07/25(日) 11:05:04.22 ID:xiHwnQAO

唯「3方向から同時攻撃だね!」

澪「ああ。しかも高速移動でかわされても分身した6つの目で捉えることができるんだ」

梓「なるほど」


ダイナ(律『へっへーん』

ダイナ(律『いくぞ、ビームスライサ――!』


ビィイイイン!


モンスー太「ピギイイ!」フッ


ビイイイイン!

ドカ――――ン!


唯「ま、また街が……」

梓「バカヤロ――!」

283: 2010/07/25(日) 11:07:54.26 ID:xiHwnQAO

ダイナ(律『バカヤローはそっちだバカヤロ――!』

ダイナ(律『あいつ残像残して移動なんてしてないじゃないか!』

梓「あ、あれ?」

唯「そうなの?」

ダイナ(『6つの目で見たんだ間違いない!』

ダイナ(律『ってそんなことより』

ダイナ(律『ミラクルタイプはいつもよりたくさんエネルギーを消耗するんだぞ!』

ダイナ(律『残り1分で私にどうしろってんだよ!』

梓「とりあえず踏ん張ってください。これからのことはこっちで考えますんで」

ダイナ(律『んな無茶な!』

284: 2010/07/25(日) 11:09:20.00 ID:xiHwnQAO

澪「そういえばさ」

唯「?」

澪「あの怪獣が梓と戦ったとき、唯が火を吹く能力のことを話したらあいつも火を吹いたよな」

梓「そんなことがあったんですか」

澪「うん」

澪「だからさ、唯があの怪獣に弱い設定を付ければあいつも弱くなるんじゃないかな」

唯「おぉー! そうかも!」

梓「唯先輩、さっそく!」

唯「うん!」

285: 2010/07/25(日) 11:12:52.44 ID:xiHwnQAO

唯(弱く弱く……)

唯(モンスー太に弱い設定を……)

唯(……でもせっかく最強怪獣にふさわしいすごい能力いっぱい考えたのになぁ)

唯(火を吹くだけじゃなくて、冷凍ガスとか硫酸とか吐いて)

唯(目からビーム出て、腕がグイ――ンって伸びて、物凄い馬力で)

唯(雷とか地割れとか津波とか引き起こす力を持ってて)

唯(超音波攻撃とかトゲミサイルとかいっぱい装備してて……)

唯(そんなモンスー太に弱い設定を、弱い設定を……)





モンスー太「ピギイイイ!」

ダイナ(律『ぎゃふん!』バタンキュー

澪「律――!」

286: 2010/07/25(日) 11:13:22.44 ID:xiHwnQAO

唯「え、なに? どうなったの?」

梓「あの怪獣がいきなり凄い力を発揮して律先輩をのしちゃったんですよ!」

唯「ええっ!?」

ダイナ(律『も、もー無理……』ピコンピコン

フッ

律「……ギブギブ」

澪「大丈夫か!」

律「な、なんとか……」

287: 2010/07/25(日) 11:13:49.68 ID:xiHwnQAO

モンスー太「ピギイイイイ!」グバッ


ボオオオオオオオオオオオオオ!


律「ああっ! 街が、街が燃える……!!」

澪「誰かが戦ってあいつの攻撃を引きつけないとあっという間に街は壊滅だ!」

梓「でもあれを倒す方法はまだ……」

唯「それでも、私たちはやらなくちゃ!」

唯「……」バッバッ

唯「レオ――――――!!!」バッ


キュイイ キュイイ キュイイ


レオ(唯「いやぁーっ!」

288: 2010/07/25(日) 11:15:47.84 ID:xiHwnQAO

レオ(唯「えいっ!」ブンッ

モンスー太「ピギイ!」フッ


梓「もはやお約束ですね」

澪「あはは……」

律「そういえばムギ、まだ何もわからないか?」

紬「ちょ、ちょっと待って。あと少しでわかりそうなの」

289: 2010/07/25(日) 11:17:31.61 ID:xiHwnQAO

紬(……)

紬(……そもそもどうして、どうやって落書きが怪獣になったの?)

紬(最初にあれが現れた時、ノートは机に出しっぱなし)

紬(怪獣が消えたあと探しに行った時は、ノートはがれきの下)

紬(そしてこの河川敷でノートを開いたらまた怪獣が現れた……)

紬(怪獣が出てる時と出てない時は何が違う?)

紬(……ノートが開いてるかどうか?)

紬(……違う。朝から唯ちゃんがノートを開いた瞬間は怪獣なんて現れなかった)

紬(じゃあ何が?)

紬(……怪獣が消えた時ノートはがれきの下)

紬(がれきの下には何がある? 何がない?)

紬(……お日様?)

紬(……)

紬(……あ)

紬「あ――――――!!」

290: 2010/07/25(日) 11:18:28.24 ID:xiHwnQAO

澪「ど、どうしたムギ?」

紬「思い出した、思い出したわ!」

律「なんだって!」

梓「あいつは何なんですか?」

紬「姿こそ違うけど、あの怪獣って落書き怪獣ゴンゴロスそっくりなの!」

澪「落書き怪獣ゴンゴロス?」

紬「そう。詳しくはこの本に載ってるから自分で調べて!」

梓「ウルトラ怪獣図鑑……」

紬「私は唯ちゃんに加勢してくる!」

律「ちょ、ムギ!」

紬「タロウ――――――!!」バッ

ギュイーン

タロウ(紬「でやーっ!」

291: 2010/07/25(日) 11:18:57.28 ID:xiHwnQAO

タロウ(紬『唯ちゃん、秘策を授けに来たよ』

レオ(唯『ムギちゃん!』

モンスー太「ピギイイイ!!」バッ


バシュッ! バシュッ!


レオ(唯『トゲミサイルだ!』

タロウ(紬『タロウバリヤ―――!』バッ


ガキィイイン!


タロウ(紬『……唯ちゃん、話してる時間はあんまりないけどよく聞いて』

タロウ(紬『あの怪獣の種明かしをするから』

レオ(唯『種明かし?』

292: 2010/07/25(日) 11:19:29.22 ID:xiHwnQAO

澪「……」パラパラ

律「見つかった?」

澪「……うん。ああ、これだな」

澪「落書き怪獣ゴンゴロス」

澪「落書きに宇宙生物が取り憑いて、その名の通り落書きが怪獣になったみたいだ」

梓「唯先輩の落書きにも宇宙生物が憑いていたんですね」

律「だな」

澪「何でも太陽光線をエネルギーに実体化するらしいよ」

律「つまり……?」

澪「唯のノートは机の上に出しっぱなしだったからお日様の光を十分に浴びて実体化したんだ」

澪「でも実体化時にノートはがれきに埋もれちゃった」

梓「だから1回目に現れた時はすぐに消えたんです」

梓「がれきの下じゃ太陽光線は浴びれませんからね」

律「なるほど」

澪「それでこの河川敷でノートを開いたからまた日の光を受けて怪獣が実体化したんだよ」

293: 2010/07/25(日) 11:19:57.40 ID:xiHwnQAO

律「それで?」

律「あいつに対する具体的対策は?」

澪「うん」

澪「水をぶっかけろ、って書いてある」

梓「み、水ですか?」

澪「元が落書きだからな」

律「あ、そういうこと」

澪「あとは唯とムギがどうにかしてくれるさ」






梓「そういえば」

梓「どうしてムギ先輩は怪獣図鑑なんて持ち歩てるんですか?」

梓「文庫版だから重くはないですけど……」

律「まあムギは怪獣大好きだからな」

澪「怪獣の学問があったら一発で博士号だよね」

梓(……あんまり理由になってないです)


ムギはHTTにおけるテッペイやオキのポジションなのだ

294: 2010/07/25(日) 11:20:49.54 ID:xiHwnQAO

レオ(唯『なるほど、モンスー太は水が弱点だったんだ』

タロウ(紬『ええ。水をかけたあと本体の宇宙生物を倒せばフィニッシュよ』

レオ(唯『ムギちゃん、水お願いできる?』

タロウ(紬『もちろん。そのために私は来たんだから』


タロウ(紬『いくよー……えいっ!』

キラーン


 |ヽ/∥ ノ|
 丶( ゚∀゚)ノつ□ ジャーン


レオ(唯『……バケツも出せるなんてキングブレスレッドは万能だね』

タロウ(紬『まあね♪』

295: 2010/07/25(日) 11:21:31.29 ID:xiHwnQAO

タロウ(紬『よーし』

タロウ(紬『それっ!』


バシャ――――――ン!


モンスー太「……ピギイイイイ!!」

タロウ(紬『あとは拭いて消したらおしまいね』

タロウ(紬『~♪』スイスイー

モンスー太「……ピギイイイ」

レオ(唯『落書きが消えるみたいにモンスー太も拭き取られてく……』

タロウ(紬『~♪』スイスイー

モンスー太「」

タロウ(紬『えいっ』キュキュッ!

「」



レオ(唯『いなくなっちゃった!』

296: 2010/07/25(日) 11:23:06.18 ID:xiHwnQAO

レオ(唯『……んん?』


ヒュ―――――――――ン


レオ(唯『青い石が飛んでく……?』

タロウ(紬『唯ちゃん、あれが本体よ!』

レオ(唯『そういうこと!』

レオ(唯『よーし……』

レオ(唯『レッド手裏剣ビ――ム!!』

バシュウウウウウウウン!



…………ドカアアアアアアアン!!



レオ(唯『やったぁ!』

タロウ(紬『ナイスショット!』

298: 2010/07/25(日) 11:24:33.77 ID:xiHwnQAO

こうして地球は壊滅の危機から守られた
その貢献者たるHTTは学校に帰り、いつも通りにティータイムを楽しもうとしたのだが……


唯「……」

梓「……」

紬「……」

澪「……」

律「……学校半壊したの忘れてた」


それでも3日後には学校は復活したそうな









今日もみーんな救われた
ありがとう、放課後ティータイム!

299: 2010/07/25(日) 11:27:36.31 ID:xiHwnQAO
おしまい



二次元怪獣ガヴァドンも好き
名前が素敵

307: 2010/08/12(木) 23:24:45.78 ID:Xxy40EAO
おはようございます。憂です
突然ですが最近おかしな夢を見るんです

夢の中で私は深い深い森を歩いてて
その夢は見るたびに少しずつ少しずつ長くなっていって私の歩く距離も少しずつ少しずつ長くなっていって
ある時私はとうとう森の奥にある奇妙な遺跡に辿り着きました

遺跡の奥へと進んで行くと赤い光の中に赤い巨人が立っています
「レオ兄さん」「レオ兄さん」としか言わない不思議な巨人です

どうしてもその巨人が気になる私は遂に巨人に尋ねます


「あなたは誰? あなたが私を呼んでいたの?」






308: 2010/08/12(木) 23:27:20.07 ID:Xxy40EAO
「……ぃ……ぅ……」

「う……い……」

「憂!」


憂「ふへっ!?」ガバッ

唯「おはよう、憂」

憂「あ、おはよう。お姉ちゃん」

唯「あ、おそようだった」

憂「?」

唯「もう7時半だけど遅刻しちゃうよ?」

憂「ええっ!?」

309: 2010/08/12(木) 23:29:07.74 ID:Xxy40EAO
タッタッタッタッ

唯「憂、最近寝坊ばっかりだけどどうかしたの?」

憂「うーん。最近変な夢を見るんだよね……」

唯「夢?」

憂「うん。森の中で迷子になる夢」

憂「あ、でもね。体の調子はとってもいいの」

唯「へぇー」

タッタッタッタッ

310: 2010/08/12(木) 23:30:24.10 ID:Xxy40EAO
昼休み


純「憂ー、梓ー。お弁当食べよー」

梓「食べよう食べよう」

憂「……あっ!」

梓「どうかした?」

憂「お弁当家に忘れちゃった」

純「あれまあ」

梓「わけてあげようか?」

憂「大丈夫。家まで10分くらいだからちょっと取りに行ってくるよ」

ダッ

純「いってらっしゃーい」

ダッ

憂「ただいま!」

梓「早っ!?」

311: 2010/08/12(木) 23:32:09.60 ID:Xxy40EAO
梓「なに? 忘れ物でもしたの?」

憂「え? ちゃんと家からお弁当持ってきたんだけど……。ほら」

梓「あ、ホントだ」

純「でも10分どころか10秒も経ってないけど?」

憂「あ、あれ?」

312: 2010/08/12(木) 23:35:23.66 ID:Xxy40EAO
梓「憂、最近凄すぎるよね」

憂「えっ?」

純「そうそう。こないだは鉄棒で大車輪決めてたし立ち幅跳びが3m越えたし」

純「いくら要領がいいからってさすがに行き過ぎだね」

憂「私としてはいつも通りなんだけどなぁ……」

純「なんか変なもの食べたとか?」

梓「唯先輩じゃないんだから」

純「……それは結構失礼じゃないかい?」

313: 2010/08/12(木) 23:35:59.61 ID:Xxy40EAO
梓「ということがありまして」

紬「へぇー」

唯「そういえば確かに変かも。最近寝坊ばっかりしてるし」

律「あの憂ちゃんが寝坊を!」

唯「なんか変な夢見るんだって」

澪「変な、夢?」

唯「うん。森の中で迷子になる夢」

律「はぁ……?」

314: 2010/08/12(木) 23:37:21.45 ID:Xxy40EAO
梓「ということがありまして」

紬「へぇー」

唯「そういえば確かに変かも。最近寝坊ばっかりしてるし」

律「あの憂ちゃんが寝坊を!」

唯「なんか変な夢見るんだって」

澪「変な、夢?」

唯「うん。森の中で迷子になる夢」

律「はぁ……?」

315: 2010/08/12(木) 23:38:20.46 ID:Xxy40EAO
律「もしかして夢で悪さするような怪獣に取り憑かれてたりして」

唯「えっ!?」

紬「夢で悪さと言えば夢幻神獣魔デウス、とか?」

唯「ええっ!?」

澪「普通にただ疲れてるだけかもしれないんだしそんな気を張らなくても……」

唯「やっぱり憑かれてるんだ!」

梓「字が違いますって」

316: 2010/08/12(木) 23:42:23.81 ID:Xxy40EAO
帰宅途中


憂「うーん……」

憂「やっぱり私おかしいのかなぁ……」

憂「ちょっと家まで走って時間計ってみよ」

憂「……よーい、どん!」

ダッ



憂「到着!」

憂「タイムは……」

憂「……え? 7秒?」

317: 2010/08/12(木) 23:48:11.39 ID:Xxy40EAO
憂「お、おかしい……」

テン テン テン…

憂「?」

憂「……あ!」


憂ちゃんの目の前にはボールを追いかける少年とそこに突っ込むトラックの姿が!
タッチや幽白でも出てきたよくある事故シーンだ!


憂「危な――い!」

ダッ

キキ―――――――ッ!!



ドンッ!

318: 2010/08/12(木) 23:49:36.20 ID:Xxy40EAO
憂「氏んだかなぁ……」

憂「……」

憂「……?」

憂「……あれ? 生きてる?」

ガキ「お姉ちゃんスゲー! 片手でトラックを止めちゃったよ!!」

憂「はい!?」


トラックに視線を向けると確かに自分のか細い腕一本でトラックが止まっている
あまりの急停車に運転手は気絶しているようだ


憂「えー……」

ガキ「ありがとう、お姉ちゃん!」

憂「えっ、あ、うん。もう飛び出したりしちゃダメだよ」

ガキ「うん!」

タッタッタッタッ

憂「……」

憂「……おかしい」

319: 2010/08/12(木) 23:51:54.88 ID:Xxy40EAO
唯「ど、どうしよう。憂が怪獣に取り憑かれてるなんて……」

澪「だからまだ何かあったと決まったわけじゃ

ビーッ ビーッ ビーッ

澪「!」

律「電話だ!」


忘れている人も多いだろうから説明しよう
HTTとさわ子、和ちゃんの間にはホットラインがしかれている
これによりHTTは怪獣の出現情報を得るのだ

320: 2010/08/12(木) 23:53:41.08 ID:Xxy40EAO
ガチャッ

律「もしもーし」

和『もしもし、私よ』

律「おー、和。なんかあった?」

和『なんかも何も怪獣よ。B地区第5ブロックに現れたわ』

律「マジでか! わかったすぐ行く」

ガチャッ


律「みんな、B地区に怪獣だ」

律「HTT、出動!」

みんな「おーっ!!」

321: 2010/08/13(金) 00:21:29.57 ID:xXcDwAAO
バシュ――――――――――ン

唯「やって来ました第5ブロック」

律「怪獣はどこだ!」

紬「どこだー!」

梓「いました、あれです!」

「オオオオオオオ!!!」

澪「ムギ、あれは?」

紬「大宙魔パスギークよ」

「オオオオオオオ!!!」

322: 2010/08/13(金) 00:23:19.72 ID:xXcDwAAO
律「よーし、各機攻撃開s

梓「ま、待ってください!」

律「どした」

梓「まだ住民の避難が完了してません。今、怪獣に攻撃すれば被害が……」

律「そうか……。なら、唯!」

唯「ほい!」

律「唯は一旦地上に降りてみんなを避難させてくれ」

唯「わかりましたよ、りっちゃん隊長!」

律「そいでチェスターβも降ろして私が怪獣と応戦する」

律「澪、ムギ、梓はチェスターα、チェスターγで援護してくれ!」

澪「了解」

323: 2010/08/13(金) 00:24:01.98 ID:xXcDwAAO
シュイーン

ダイナ(律「だぁーっ!!」

「オオオオオオオオオオ!!!」




シュウウウウウウウウ

唯「……着陸完了!」

唯「りっちゃん達が戦ってるんだ。私も私にできることをやらなくちゃ!」

唯「……よし!」

唯「みんなー! 早く避難して―――!!」

324: 2010/08/13(金) 00:25:08.32 ID:xXcDwAAO
憂「はぁ……」

憂「トラックを腕一本で止めたくらいで事情聴取って……」

憂「そんな人くらいどこにだっている……わけないか」

憂「はぁ……」

憂「すっかり遅くなっちゃっ


ド――――――――――ン!!

「……オオオオオオオオ!!!」


憂「!?」

325: 2010/08/13(金) 00:26:05.74 ID:xXcDwAAO
憂「か、怪獣!?」


キャー! キャー!

     ワー! ワー!


憂「わ、私も早く避難しなくちゃ!」

憂「……!」


シュイーン

ダーッ!


憂「……ダイナだ!」

326: 2010/08/13(金) 00:28:32.47 ID:xXcDwAAO
ダイナ「だぁっ!!」ドカッ

「ギイイイイ!!」ガキッ


憂「ダイナ頑張れ!」

…ヒナンシテー!

憂「? この声は……」

唯「早くしないと危ないよー!!」

憂「お姉ちゃん!」

唯「あ、憂!」

327: 2010/08/13(金) 00:29:19.53 ID:xXcDwAAO
唯「憂、何でこんなところに!」

唯「放課後だし家に帰ってるはずじゃ!?」

憂「お、お姉ちゃんこそ! 今は部活の時間じゃないの!?」

唯「えっ……いやその、今やってるこれが部活動と言いますか……」ボソボソ

憂「?」


くどいようだが唯達が悪しき怪獣と戦ってるのは秘密なのだ
それはたとえ相手が肉親であろうとも絶対に秘密なのだ

328: 2010/08/13(金) 00:30:05.01 ID:xXcDwAAO
唯「と、とにかく!」

唯「ここは危険が危ないよ! 憂も早く避難して!」

憂「じゃあお姉ちゃんも一緒に……」

唯「……私はまだしなくちゃいけないことがあるから」

憂「しなくちゃいけないこと?」


ドゴオオオオオオオオン!!!


唯憂「!?」


ダイナ「ぐあああああ!!」ドタッ

「オオオオオオオオ!!」


唯「あっ!」

憂「ダ、ダイナが!」

329: 2010/08/13(金) 00:30:38.96 ID:xXcDwAAO
唯「行かなくちゃ!」

憂「行くってどこに? お姉ちゃんも避難しないと危ないよ!」

唯「でも、行かなくちゃ」

憂「だからどこに?」

唯「そ、それは……


「ギイイイイイイイイ!!!」

ドカアアアアアアアアン!!!


唯「ああっ!」

憂「ビルが崩れ……キャアアアアアアアア!!」

唯「……!」


ガラガラガラガラ――――――――――





330: 2010/08/13(金) 00:31:14.19 ID:xXcDwAAO
憂「今度こそ氏んだかも……」

憂「……」

憂「……?」

憂「……あれ? また生きてる?」

憂「!」


レオ「……」


憂「ウルトラマンレオ!」

憂「……」

憂「?」

レオ「……」

レオ「……」クルッ

レオ「や――――っ!」グッ

「オオオオオオオオオオ!!」

331: 2010/08/13(金) 00:31:47.82 ID:xXcDwAAO
レオ(唯「や―――っ!」

ダイナ(律『唯!』

レオ(唯『後は私に任せて、りっちゃん!』

ダイナ(律『わかった』

フッ

レオ(唯『……よし』

レオ(唯『今度は、私が相手だよ!』

「オオオオオオオオ!!!」

332: 2010/08/13(金) 00:32:46.46 ID:xXcDwAAO
レオ(唯「いや――――っ!」ドカッ

「ギイイイイ!!」バキッ


澪「よし、唯を援護だ!」カチッ

梓「了解です」カチッ


ビイイイイ! ビイイイイ!


ドドオオオオオオン!!!

333: 2010/08/13(金) 00:33:12.07 ID:xXcDwAAO
ドーン! ドーン!

ヤーッ! ヤーッ! ィヤ―ッ!!


憂「レオが出てきて私を助けてくれた……」

憂「……」

憂「……でもそれと同時にお姉ちゃんが姿を消した」

憂「……」

憂「……もしかして」

憂「もしかしてウルトラマンレオは、お姉ちゃん……?」

334: 2010/08/13(金) 00:35:20.91 ID:xXcDwAAO
澪「唯、こっちで怪獣の動きを止める! その隙にトドメを!」

レオ(唯『わかった!』

澪「スパイダーミサイル、シュート!」カチッ

梓「アビロックミサイル、シュート!」カチッ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ド!!!

「ギイイイイイイイ!!!」

澪「今だ!」

レオ(唯『うん!』

335: 2010/08/13(金) 00:35:49.65 ID:xXcDwAAO
レオ(唯「や―――っ!!」

ダンッ

レオ(唯『レオキックでトドメだ!!』

シュピピピピピピ

「……オオオオオオオオ!!」ボカッ!

レオ(唯「!」

レオ(唯『うわあっ!』ドタッ


澪「レ、レオキックを途中で阻止するなんて……」

紬「澪ちゃん、よそ見しちゃダメ!」

澪「えっ……!」


ド――――――――ン!!!


梓「澪先輩!!」

336: 2010/08/13(金) 00:37:23.95 ID:xXcDwAAO
レオ(唯『こ、このっ!』ブンッ

「オオオオオオ!」バキッ!

レオ(唯『うあっ!』ドタッ

紬「唯ちゃん!」

梓「スパイダーミサイル、シュート!」カチッ

┣¨┣¨┣¨┣¨ド!!!

「オオオオ!!」カッ!


バシュウウウウン!!


紬「か、火球っ!?」

梓「きゃあああああああ!!」

ドオオオオオオオオオオン!!


レオ(唯『ムギちゃん! あずにゃん!』

337: 2010/08/13(金) 00:38:05.52 ID:xXcDwAAO
ドオオオオン!

憂「あ……あ……クロムチェスターが!」

「オオオオオオ!!」バキッ

レオ『うわあっ!』ドタッ


ピコンピコン


レオ「!」ピコンピコン

憂「レ、レオも危ない……!」

憂「……ということは、お姉ちゃんが、危ない!」

338: 2010/08/13(金) 00:39:00.51 ID:xXcDwAAO
レオ「……!」ピコンピコン


憂「レオが危ない……お姉ちゃんが危ない」

憂「お姉ちゃんが……!」

憂「で、でも私には何も……」

「オオオオオオオオ!!」ガキッ

レオ『ぐっ……!』ピコンピコン


憂「お姉ちゃん!」

憂「……私……どうすれば……」


――――サーン!


憂「えっ……?」

339: 2010/08/13(金) 00:39:58.09 ID:xXcDwAAO
憂「い、今のは……?」


――――――ニーサーン!


憂「もしかして……」


――――オニーサーン!


憂「これは……」


――レオニーサーン!


憂「ゆ、夢の……!」


レオ兄さーん!!



340: 2010/08/13(金) 00:40:50.47 ID:xXcDwAAO
憂「こ、こんな時に……!」


レオ兄さーん!


憂「あなたは一体何者なの!」

レオ兄さーん!


憂「そのレオが、お姉ちゃんがピンチなんだよ!?」


レオ兄さーん!


「オオオオオオオオ!!」ゴガッ!

レオ『ああっ!』ドタッ


憂「お姉ちゃん!」


341: 2010/08/13(金) 00:41:57.55 ID:xXcDwAAO
憂「お、お姉ちゃんが……」

憂「……」



憂「……ねぇ!」

憂「あなたが何者なのかはわからない」



憂「でも!」

憂「私はお姉ちゃんを助けたいの!」



憂「もし、夢の中にまで現れて私を呼んだ意味があるとしたら!」

憂「私に、力を貸して!」



憂「……」



憂「……アストラ!!」



342: 2010/08/13(金) 00:43:07.14 ID:xXcDwAAO
レオ(唯『くぅ……っ!』ピコンピコン

レオ(唯『ど、どうすれば……』ピコンピコン

「オオオオオオ!!!」ブンッ

レオ(唯『ぐっ……!』ピコンピコン


「ヤ――――ッ!!!」


ド ガ ッ !!

「ギイイイ!」ドタッ

レオ(唯『えっ……?』ピコンピコン

アストラ「……」

アストラ(憂『お姉ちゃん、大丈夫?』

レオ(唯『う、憂!?』ピコンピコン

343: 2010/08/13(金) 00:44:56.89 ID:xXcDwAAO
レオ(唯『ど、どうして憂が!?』ピコンピコン

アストラ(憂『そんなことより早くあいつを!』

レオ(唯『そ、そっか』

「オオオオオオオオ!!」

レオ(唯『いくよ、憂!』ピコンピコン

アストラ(憂『うん!』

唯憂「や―――っ!!」グッ

344: 2010/08/13(金) 00:46:17.59 ID:xXcDwAAO
レオ(唯「ぇいっ!」ガキッ!

アストラ(憂「やぁっ!」ボガッ!

「オオオオ!!」

レオ(唯「ぃやあっ!」バキッ!

アストラ(憂「えぃっ!」ゴリッ!

「オオオオ!!」ドタッ

レオ(唯『今だよ!』

アストラ(憂『うん!』

唯憂「……」バッ

唯憂「やあ―――――っ!!!」バッ


ピロロロロロロ!!!!


唯憂『ウルトラダブルフラッシャ―――!!』

「ギイイイイイイイイイ!!!」


ドカアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!

345: 2010/08/13(金) 00:47:01.34 ID:xXcDwAAO
律「で、何で憂ちゃんはアストラに変身できたんだ?」

唯「さあ?」

澪「さあって……」

紬「これからも変身できるの?」

唯「さあ?」

梓「……何にもわからないんですか?」

唯「だって憂本人がそう言うんだもん」

梓「えー……」



レオの弟アストラはどうして生きていたのか。どこから来たのか。そしてまたどこへ行くのか。それは誰も知らない

けど

唯の妹憂ちゃんは今日もまた平沢家で愉快で楽しい平和な日々を送っているのでした





そんな感じで
今日もみーんな救われた
ありがとう。放課後ティータイム、と憂ちゃん!

346: 2010/08/13(金) 00:47:49.67 ID:xXcDwAAO
おしまい


憂ちゃんの初陣、なんちゃっt

347: 2010/08/13(金) 02:07:19.36 ID:LEHgtTco
乙=============================
↑これはアイスラッガーなんだから(ry

引用元: 唯「うるとら!」