1: 2013/04/21(日) 18:53:53.44 ID:quUYGSJV0
大佐『一体どうしたというんだスネーク!?何があった?』

スネーク『俺にもわからない・・・、だが今はこいつを振り切ってからまた連絡する!』

プレデター「!」

――――――――――――【  140.48  】―――――――――――――――――

スネーク『・・・こちらスネーク。
      今さっき奴を振り切って奴から見えない位置にまで来た。 ここなら通信を邪魔されずに済む。』

大佐『一体何があったんだスネーク・・・。詳しく聞かせてくれ。』

スネーク『・・・俺はゲリラの潜伏していたジャングル地帯にて妙な奴を発見した。
      スニーキングを開始した途端、奴は突如として姿を消し俺に襲い掛かってきた。』

大佐『ステルス迷彩の使い手か・・・』

スネーク『大佐、奴は一体何者なんだ?まさかまた隠している事が・・・』

大佐『いや、今回の件は私も予想の範囲外の出来事だ。
    むしろ私が聞きたいぐらいなのだよ・・・スネーク。』

スネーク『むぅ・・・』

3: 2013/04/21(日) 18:55:31.62 ID:quUYGSJV0
大佐『スネーク、相手の力は未知数だ。決して深追いはするな。いいな?』

スネーク『・・・わかった。また何かあったら連絡する。』

大佐『こちらからも何かわかったら君に知らせよう。周波数は140.48だ。』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

スネーク「しかし見えない敵か・・・。」

スネーク「・・・!これは・・・」

そこには木に吊るされ、血塗れになって息絶えていたゲリラの氏体があった。

スネーク「酷い状態だな・・・頭の頭骸骨そして脊柱がくり抜かれている。
      ・・・次にこうなるのが俺だと思うとあまりいい気分がしないな。」

4: 2013/04/21(日) 18:56:42.67 ID:quUYGSJV0
ピッ   ピッ    ピッ     ピッ      ピッ

スネーク「・・・ん?」

ジャングルの遠くから鳴り響く奇妙な音。
そして、咄嗟に音の聞こえる方角にスネークは視線を移す。
そこからは[∴]の形をした赤い3点の光がスネークの額へと向いていた。

スネーク「これはまさか・・・?(レーザーサイト!? ) ・・・クッ!」

俺は一か八か、その場に体を伏せた。
彼が体を伏せた瞬間。辺りに轟音が迸る。
そして、俺の背後1mの木々が跡形も無く消し飛んでいた。

スネーク(何て威力だ・・・これを喰らったら一溜りもないぞ・・・!?)

6: 2013/04/21(日) 18:59:09.67 ID:quUYGSJV0
スネーク(グッ・・・氏体は獲物を誘き出す為のフェイクか・・・!)ダッ

俺は狙撃主に向かって走りだしていた。
時に木の裏に隠れ様子を覗いつつ、相手の隙を突いて接近する。
それが奴の目論見だった。

だが、狙撃主は俺の目論見を許さない。
奴は俺を狙わず、俺がカモフラージュにするであろう木々や、
岩などの障害物を破壊していった。


スネーク「まさかここまで徹底的に障害物を破壊しに来るとは・・・」

俺は奴に近づくどころか、自らの身を隠すのすら危うくなっていた。
そんな俺は今、狙撃主に見えない
崖の場所でダンボールを被り、ジッと息を潜めていた。

8: 2013/04/21(日) 19:00:00.31 ID:quUYGSJV0
――――――――――――――【  140.48  】―――――――――――――――――

スネーク『・・・こちらスネーク。』

大佐『おぉスネーク!何か分かったか?』

スネーク『奴が相当の戦闘スキルはあるのはわかったが・・・
      武器一発の一発の威力がデカ過ぎる・・・
      まるで俺達が普段使っている武器が玩具に見えてくる程に・・・だ。』
      それで、そっちはどうなんだ大佐。何かわかったのか。』

大佐『あぁ、詳しい事はわからないが・・・
    どうやら君を狙っている者の名はどうやらプレデターと言うらしい。』

スネーク『プレデター・・・?』

10: 2013/04/21(日) 19:01:38.93 ID:quUYGSJV0
大佐『そうだ。地球外生命体プレデター。それが奴らの名だ。』

スネーク『大佐、冗談はよしてくれ・・・。俺はSF映画の主人公になったつもりは無い。』

大佐『いや、これは確かな情報だ。
   現にアラン・ダッチ・シェイファー少佐が過去ソレに遭遇し、
   見事撃退したと記述に残っている。』

スネーク『対処法があるのか!?』

大佐『その様だが・・・どうやらこの情報は国にとってシークレットらしい。』
    残念だが、現在私が知れる情報は限られた情報しかなかった・・・すまんスネーク・・・。』

スネーク『いや、大佐。あんたは十分にやってくれた。俺はあんたを責めるつもりは無い。』

大佐『・・・すまんなスネーク。』

スネーク『それで、その情報とは一体なんだ?今の俺の状況を打破出来る様なものなのか?』

大佐『あぁ・・・その情報とは・・・〝泥〟だ。』

スネーク『・・・泥?』

12: 2013/04/21(日) 19:03:14.82 ID:quUYGSJV0
大佐『彼らは特殊な装置にて君を認識している、
    だが泥だけは何故か認識することは出来ない様だ。』

スネーク『奴の装備にそんな穴が・・・。』

大佐『いいかスネーク!泥を使え!
    武装では彼等の方が勝っているかもしれんが、だが君には彼らには無いスニーキング能力がある。
    泥で彼等を欺きスニーキングで相手を仕留めるんだ!君の健闘を祈る!』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

スネーク(水辺がある場所は・・・
     ここから50m付近の場所にあったな。・・・そこに向かうか)

俺は再び走り出した。
今度は先程とは違い、狙撃主を追う形では無く逃げる形で。
そしてそれを察知してか、そう遠くない場所で
生い茂る草花を掻き分けて走り抜ける音が聞こえていた。恐らくプレデターであろう。

14: 2013/04/21(日) 19:04:29.68 ID:quUYGSJV0
スネーク(僅かに聞こえる水の流れる音の場所まで・・・後約30m・・・)

スネークは水の流れる音の場所へと向かう。そこに水辺があると信じて。

奴がスネークをレーザーサイトを駆使し、
己の武器で彼を狙い撃たんとプラズマ弾を放つ。

だが素早いだけでは無く、
その蛇の様にトリッキー走りこなす俺を、正確に狙い定める事は出来なかった。

スネーク(水の流れる音の場所まで・・・後約15m・・・)

そしてそんな短い様で、長い命のやり取りは終わりを告げた。

スネーク(水の流れる音の場所まで・・・約1m・・・ッ!)

そして俺は


                    ――落下した

15: 2013/04/21(日) 19:05:37.21 ID:quUYGSJV0
――――――――――――――
――――――――――――
――――――――――
――――――――

スネーク「・・・・・・ここは・・・。そうかあの時・・・滝から落ちたのか。」

スネーク「滝から落ちた衝撃で気絶したか・・・
      いや、気絶だけで済んだ丈夫な自分の体に感謝するか・・・。」

スネーク「兎に角これで水は確保出来た。後は土を付けるだけだ。」

         ~対プレデター準備中~


スネーク「・・・よし、これで対プレデター専用のダンボールの完成だ!」

16: 2013/04/21(日) 19:06:21.88 ID:quUYGSJV0
――――――――――――――【  140.48  】―――――――――――――――――

スネーク『こちらスネーク。対プレデター専用のダンボールが完成した。』

大佐『そうか。それはよかった。・・・ん?ダンボール・・・?』

スネーク『何か問題でも?』

大佐『いや・・・君のダンボールへの愛には頭が下がるよ。』

スネーク『そうか。それじゃあ、また連絡する。・・・後は奴と決着を付けるだけだ。』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

19: 2013/04/21(日) 19:07:33.60 ID:quUYGSJV0
プレデター「・・・・・・。」

彼は滝壺に消えた獲物を探していた。
蛇の名を持つ獲物。彼と戦っていてもいまだ力尽きる事無く。
逃げおおせている蛇を彼は最上級の獲物だと認識していた。

カチッ

プレデター「・・・?」

水辺を歩いている彼の足元に違和感。
そうだ、これはこの星の住人達の使う地雷を踏んだ時の音だ。

プレデター「・・・・・・。」

だが、地雷を踏んだ程度では彼は慌てはしない。
なぜなら、彼にはプラズマを撃ちだす機械、プラズマキャノンがあるのだ。
爆弾を爆発させることも無く、この世から消し去ることも可能だ。

21: 2013/04/21(日) 19:09:37.31 ID:quUYGSJV0
そして、彼が地雷へとプラズマを発射するそのタイミング。
それは完全に彼が無防備な時間であった。

弾が発射されるその一瞬、プラズマキャノンが一筋の光を放つ。

スネーク「そこだあっ!」

プレデター「・・・!?」

遠くから弾が発射された音。
そして自分の近くの何かが撃ちぬかれた音。

それは自分の肩に装備されている、
プラズマキャノンが撃ちぬかれた音だった。

彼は悟った。今自分は狙う側で無く、狙われる側に回っていると――
それを理解してからの彼の行動は早かった。

23: 2013/04/21(日) 19:10:44.77 ID:quUYGSJV0
先ずは自らが装備しているプラズマキャノンを破棄し、投げ捨てる。
投げ捨てつつも、自らを狙っている狙撃主をサーモグラフィーで周囲を探し続ける。

だが、一向に見つかる気配が無い。少なくとも狙撃できるのだから、
サーモグラフィーで見つけられる範囲にはいる筈だった。

だが、どんなに辺りを見回しても敵の姿は見当たらない。

彼はサーモグラフィーが無駄だと判断すると、
その仮面を脱ぎ捨て、自らの醜悪な顔を露出させた。

彼は焦っていた――命を狙われる恐怖 それが彼を焦らせる
――しかし彼はそれと同時に戦士としての自分を激しく高揚させ、興奮した。

24: 2013/04/21(日) 19:12:04.91 ID:quUYGSJV0
――――――――――
――――――
――――

爆発音がした。恐らく奴の肩に付いていた装備が暴発を起こした音だろう。

スネーク「しかし、これで奴は俺を認識できるようになった訳だ。・・・後は俺の腕次第か。」

遠くからけたたましい雄叫びをあげて、
醜い顔の追跡者がこちらへと向かって来るのがわかる。
その姿は何故かステルスを帯びていない。
いや、それは奴が水しぶきを上げているせいで
光の屈折がし難くなったとかそう言うのだろう。
そう言うのは俺の得意分野じゃない。それはオタコンの仕事だ。

今俺にわかるのは、奴を正確に狙えるような状態になった事。ただそれだけだ。

25: 2013/04/21(日) 19:12:37.31 ID:quUYGSJV0
スネーク「喰らえ化け物!!うぉおおおおおお!!」ズガガガガガガガガガガガガ

プレデター「・・・ッッッ!!」

俺と奴との距離は、約15m。
俺は有りっ丈のFA-MASの弾丸を奴の体へと浴びせてやった。
奴がほんの少し仰け反った。それは弾丸を浴びて仰け反っただけでは無い。
奴の右肩が他の場所よりも強く仰け反ったのがわかった。
恐らくあれはなんらかの予備動作だ。俺は銃を持ったまま、体を屈ませた。

プレデター「・・・」――シュッ

案の定、奴はディスク状の物を投げつけてきた。
それは円を描いて、俺の方へと向かって来る。
俺は透かさず、ローリングをしその場から距離を置く。

しかし、奴はそれだけでは終わらない。
今度は奴の右腕に装着されている、爪の様な形のブレードを俺目掛けて振り下ろす。
だが、ローリングをしたばかりの俺には避けるのは不可能だった。

26: 2013/04/21(日) 19:13:39.11 ID:quUYGSJV0
咄嗟に俺は左手で奴の右腕を掴もうとした。
だが、運の悪い事にタイミングがづれた。
奴のブレードは俺の左手の掌を突き抜ける。左手に激痛がはしった。

スネーク「ぐっ・・・!?」

しかし、痛みに負けていては、このままこいつに殺される。
俺は奴の腹を思い切り蹴とばした。
奴の体と同時に、俺の左手に突き刺さっているブレードが離れていく。

スネーク「ぐぉああああああああああああ!!」

左手に先程よりも強烈な痛みがはしる。
だがこんな所で止まる訳にはいかない。

スネーク(グッ・・・左手が使えないとなると、重火器の類は使用できないか・・・)

27: 2013/04/21(日) 19:14:14.33 ID:quUYGSJV0
          ――――戦いの基本は格闘だ!――――




 

29: 2013/04/21(日) 19:14:46.93 ID:quUYGSJV0
それは俺の戦友が遺した言葉。
こんな状況だからこそ、その言葉が活きてくる。

スネーク「インベーダーと格闘か・・・そんな奇妙な事をした奴は俺が初めてだろうな。」

そうは言いつつも、今出来る事はそれしかない。
俺は突き飛ばされたプレデターの所まで向かう。

俺が近づいた途端、奴は俺が武器を持っていない事に気付いた。
敵と判断するのをやめたのか、奴は俺に関心が無くなった様に反対方向へと歩いて行く。
そんな無防備な奴の後頭部に右ストレートをおみまいした。

30: 2013/04/21(日) 19:15:39.05 ID:quUYGSJV0
スネーク(そっちから吹っ掛けておいて、そりゃないだろう。)

奴は何が起こっているのかわかっていない様子だった。
わからせてやる為にも今度は軽めのジャブを奴の腹に叩き込んだ。

そしてようやく奴は俺が、武器を持たず襲い掛かってきた意図を把握したらしい。
右腕のブレードを外し、奴は俺の顔面に右ストレートを打ってきた。
・・・いいセンスだ。


――俺達は当初の目的も忘れ、拳で語り合った

34: 2013/04/21(日) 19:18:09.37 ID:quUYGSJV0
奴は異星の戦士らしい。
どうやら奴は俺の事を戦士と認めたらしく、
俺と言う戦士への賛美と祝福を込めて、
異星の生物の頭骸骨を使って造ったらしい彼らの武器をくれた。

――正直気味が悪くて捨てたかった。


奴は突如現れた円盤に乗ってどこかへと飛び去って行った。
自分達の星に帰ったのか。それとも、新しい狩場へと向ったのか・・・
それは俺にもわからない

ただ一つ言えるのは
また一つ俺にとって忘れられない出来事がこれで一つ増えた。と言う事だけだった。


                THE END
 
              METALGEAR  SOLID
              ~SOLDIER of ALIEN~

35: 2013/04/21(日) 19:19:22.00 ID:MlwEShD20
面白かった!乙!

36: 2013/04/21(日) 19:20:22.52 ID:/1ePdJlz0
おつかれスネーク

引用元: スネーク「大佐!なんだこの化け物は!?・・・!」プレデター「!」