1: 2016/04/15(金) 22:13:34.33 ID:gQS45d/P0
さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって、いつだったかあんた言ってたよね。今ならそれ…よく分かるよ」


さやか「確かに私は何人か救いもしたけどさ、だけどその分…心には恨みや妬みが溜まって。一番大切な友達さえ傷付けて」


杏子「さやか、アンタまさか」


さやか「…誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。私達魔法少女って、そう言う仕組みだったんだね」


さやか「あたしって、ほんとバカ」 パキン


杏子「さやかぁぁっ!!」



2: 2016/04/15(金) 22:14:33.47 ID:gQS45d/P0
〜♪〜♪〜♪〜♪


オクタヴィア「…バイオリンの音色?」


あたしは駅に居たはずなのに…


オクタヴィア「…でもこの音…なんだか安心する」


オクタヴィア「…えへへ。ずっと聞いていたいなぁ…」


〜♪〜♪〜♪


3: 2016/04/15(金) 22:15:40.12 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「…演奏、上手だったよ。…また聞かせてね」


使い魔「…………」


オクタヴィア「あ、あたしは向こうに行っとくね…」




オクタヴィア「…ここは魔女の結界…だよね。…でも魔女は見当たらないんだよなぁ」


オクタヴィア「…なんだかあたしの格好も変な鎧になってるし」


オクタヴィア「それにしても、コンサートホールみたいな結界だなぁ…」


オクタヴィア「あれ?こんなところにポスターが張ってある」ヒラッ


オクタヴィア「あっ、落としちゃっ…」


裏面には、


[Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me Look at me]


オクタヴィア「なっ、何よこれ…」

4: 2016/04/15(金) 22:16:38.58 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「…表にはキョウスケって名前、日時や場所とかが書いてある…」


結界に居ない魔女、バイオリンの演奏、キョウスケと書かれたポスター


…偶然にしては出来すぎている


オクタヴィア「ソウルジェム…魂の宝石」


…もし、それが濁りきったら…


オクタヴィア「…あたし…魔女になっちゃったの…?」


…そんなの、信じたくないよ…


オクタヴィア「…もう一度…あの演奏を聞きたい」


オクタヴィア「使い魔達、演奏してくれるといいな…」

5: 2016/04/15(金) 22:18:23.05 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「もう一度演奏してくれないかな…」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…相変わらず無口だね」


使い魔「…………」


〜♪〜♪〜♪〜♪


オクタヴィア「…演奏中は黙っとくよ」


〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪


使い魔「…………」


6: 2016/04/15(金) 22:20:04.02 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「ブラボー!とっても上手だったよ!」パチパチ…


使い魔「…………」


オクタヴィア「…また演奏してくれる?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…返事くらい、してほしいな…」


使い魔「…………」


オクタヴィア「あたしのこと嫌い?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…そこは否定して欲しかったかな」


オクタヴィア「素敵な演奏をありがとう。…観客、増えるといいね」


使い魔「…………」


オクタヴィア「えへへ…きっとみんなの演奏聞いたら喜んでくれるよ。あたし、観客を呼んでくるね」


オクタヴィア「このコンサートホールを満員にしてみせちゃうからね!」


使い魔「…………」

7: 2016/04/15(金) 22:22:49.22 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「…たくさん集まってくれたよ」


使い魔「…………」


オクタヴィア「あたしバカだからさ、どうすれば喜んでくれるかとか分かんないよ」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…演奏、聞かせてもらっていいかな」


使い魔「…………」


〜♪♪〜♪〜♪〜♪♪〜♪


オクタヴィア「テンポの良い曲だね。…喜んでくれてるのかな」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…ごめんね。黙っとくよ」




10: 2016/04/15(金) 22:24:07.31 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「ブラボー!最高の演奏だったよ!」パチパチ…


使い魔「…………」


オクタヴィア「…やっぱり観客が来てくれた方が嬉しいよね」


オクタヴィア「えへへ…もっと観客を集めてあげるからね」


使い魔「…………」


オクタヴィア「明日も演奏聞かせてくれる?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…聞かせてくれるってことでいいのかな?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…楽しみだな…」

11: 2016/04/15(金) 22:37:15.07 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「…今日も演奏聞かせてもらえるかな」


使い魔「…………」


オクタヴィア「ふふ…楽しみ。あのね、観客を昨日よりもたくさん集めて来たよ」


オクタヴィア「…曲のリクエスト、してもいいかな」


使い魔「…………」


オクタヴィア「ドビュッシーの美しい夕暮れって曲なんだけど…」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…駄目…かな…」


使い魔「…………」


〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪


オクタヴィア「…ありがとう」


12: 2016/04/15(金) 22:50:17.63 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「ブラボー!素敵な演奏だったよ!」パチパチ…


使い魔「…………」


オクタヴィア「…少し、話を聞いてもらってもいいかな?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…あのね、実は夕暮れ時に幼馴染と喧嘩しちゃったの…」


オクタヴィア「その時に聞いてた曲がドビュッシー作曲の曲でね…あっ、亜麻色の髪の乙女って曲なんだけど…」


オクタヴィア「…ポスターを見てさ、思い出しちゃって」


オクタヴィア「…つまらない話を聞かせちゃったね」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…今日はわがまま言っちゃってごめんね。次に演奏するときは好きなのを演奏していいから」


使い魔「…………」


13: 2016/04/15(金) 22:54:01.69 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「ねぇ、貴方の名前は何ていうの?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…聞いてみただけだよ」


オクタヴィア「…あたしの名前は美樹さやかって言うの。…呼んでくれたら嬉しいな…」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…そっか。でもいつかは呼んでね…?」


使い魔「…………」


オクタヴィア「約束、だよ…」


14: 2016/04/15(金) 23:00:55.10 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「…演奏を聞かせてほしいな」


使い魔「…………」


オクタヴィア「貴方の演奏を聞くとね、安心するの」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…今日は何を聞かせてくれるのかな」


使い魔「…………」


〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪


オクタヴィア「これって…ドビュッシーの…」


オクタヴィア「…恭介…」ポロポロ


15: 2016/04/15(金) 23:10:07.03 ID:gQS45d/P0
オクタヴィア「ブラボー!とっても良かったよ!」パチパチ…


使い魔「…………」


オクタヴィア「あの、昨日の話…」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…ううん。なんでもない」


オクタヴィア「えへへ、明日も演奏聞かせてもらえると嬉しいな」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…今日はありがとね」

16: 2016/04/16(土) 06:35:09.73 ID:XKLUfGcM0
オクタヴィア「…このコンサートホールも観客でいっぱいになってきたね」


使い魔「…………」


オクタヴィア「あたし、この空間で貴方の演奏を聞いているときが一番幸せなの」


使い魔「…………」


オクタヴィア「だから…この結界の平和はあたしが守るよ」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…演奏、聞かせてくれるかな」


使い魔「…………」


〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪


17: 2016/04/16(土) 06:38:20.67 ID:XKLUfGcM0
オクタヴィア「ブラボー!」パチパチ…


使い魔「…………」


オクタヴィア「…あのさ、あたし…」


!今のって…


オクタヴィア「魔法、少女…」


使い魔「…………」


オクタヴィア「…絶対に貴方の演奏の邪魔はさせないから」


オクタヴィア「えへへ…もし、魔法少女を退治できたら返事くらいしてほしいな…」


使い魔「…………」

18: 2016/04/16(土) 07:33:16.71 ID:XKLUfGcM0
杏子「いいな、打ち合わせ通りに」


まどか「う…うん」


まどか「さやかちゃん…私だよ。まどかだよ。ねぇ、聞こえる?私の声がわかる?」


オクタヴィア「…演奏の邪魔をしないで!」ブンッ


まどか「もうやめてよこんなこと…さやかちゃんだって嫌だったはずだよ。…ねえお願い、元のさやかちゃんに戻って!」


オクタヴィア「あたしはこの結界の平和を守るって決めたんだ!」ブンッ


杏子「…っ」


まどか「杏子ちゃん!?」


オクタヴィア「…これで…また使い魔達の演奏が聞ける…」


杏子「ちょっとしくじっちまった。…ごめんな。」


まどか「……ううん」

19: 2016/04/16(土) 13:54:54.59 ID:XKLUfGcM0
ほむら「…杏子」


杏子「…ほむらか」


杏子「呼んだけどアイツに伝わんなかったみてーで…このザマさ」



杏子「…なぁ、その子だけでも助けてくれないか?…コイツはアタシが引き受けるからさ」


ほむら「まさか、貴女……」


杏子「ワルプルギスの夜…アタシは一緒に戦えそうもない」


ほむら「だ、駄目よ杏子!行っても無駄氏によ!」


杏子「…そうだとしても。アタシはさやかを…ほっとけないからな」

20: 2016/04/16(土) 14:11:18.91 ID:XKLUfGcM0
杏子「…さやか」


オクタヴィア「!まだ…動けるのね」


杏子「つらかったよな」


オクタヴィア「あたしは…この使い魔達を守らないといけないの!」ジャキンッ


杏子「…聞こえてなくてもいいんだ。お前を心配してくれる人がいるって知っててほしい」


オクタヴィア「黙れ!あたしはあんたなんて知らない!」ブンッ


杏子「お前を一人ぼっちにはしないよ」


オクタヴィア「あたしには使い魔達がいる!一人なんかじゃない!」


杏子「…さやか。元に戻ってくれよ…」


杏子「…一度くらい奇跡ってやつを起こしてくれよ神様…」ポロポロ


オクタヴィア「なんで…泣いてるのよ…」


オクタヴィア「…あたしは…」





↓2安価

22: 2016/04/16(土) 14:44:49.53 ID:2c50GSdLo
…どうしろと?

26: 2016/04/16(土) 18:58:57.84 ID:XKLUfGcM0
オクタヴィア「…ねぇ、魔法少女」


杏子「…?」


オクタヴィア「…あたし、貴女のことを見たことがある気がするの」


オクタヴィア「貴女だけじゃない。さっきの桃色の髪の女の子も」


オクタヴィア「どうしてかな…思い出そうとすると涙が出てきちゃうの」ポロポロ


杏子「…さやか…?」


オクタヴィア「あたし…この姿になる前に何か、あったの?」


オクタヴィア「今はもう前のことをほとんど思い出せないの」


オクタヴィア「…あたし…どうなっちゃったの?」


27: 2016/04/16(土) 19:00:55.13 ID:XKLUfGcM0
杏子「…アタシにはさやかが何を言っているのか分からない」


オクタヴィア「…………」


杏子「でもさ、魔女になってもさやかはさやかだ」


杏子「…アタシはそう思うよ」


オクタヴィア「…ありがとう」


杏子「はは、さやかはやっぱり魔女になっても変わんないな…」


杏子「くだらないことでうじうじ悩むところとかそっくりだ」


オクタヴィア「そうかな」


杏子「…なんだか素直だな。元のお前なら突っかかってきたぞ」


オクタヴィア「そうなんだ。…もっと話を聞かせてほしいな」


杏子「初めて会ったときなんか、いきなりアタシに喧嘩ふっかけてきてさ…」


杏子「…さやか。アタシはずっと待ってるからな」


オクタヴィア「…………」

28: 2016/04/16(土) 19:02:29.03 ID:XKLUfGcM0
杏子「…ってことで、さやかと暮らすことにしたから」


オクタヴィア「えへへ…。あたしは杏子の嫁になるんだ…」


杏子「で、ほむらに頼みたいことがあってさ」


杏子「ハネムーンに行きたいんだけど、パスポートなくて…」


ほむら「私に…どうしろと言うつもりなのかしら?」






おしまい

29: 2016/04/16(土) 19:42:09.90 ID:3lsGd2qV0
安価ならそうと書いといてくれればいいものを

30: 2016/04/16(土) 20:34:37.38 ID:2c50GSdLo
…どうしろと!?(二回目)

31: 2016/04/16(土) 23:56:49.87 ID:NsAWhI9eo
ほむほむもむちゃブリされてるww

32: 2016/04/23(土) 14:04:58.62 ID:YwuAAKw/O
乙、なんかむしろなごんだ

引用元: オクタヴィア「希望と絶望の狭間で」