1: 2014/12/29(月) 00:03:51.46 ID:bAioj2Q50
巷でク○ゲーと評判のファミコンソフト『ウルトラマン倶楽部3』とのパロディです。

アイドルマスターのアイドル達が、原作をなぞる形になります。

多少の改変はありますが、全体の流れはほぼ原作通りなので、ご了承ください。

それではどうぞ。



2: 2014/12/29(月) 00:04:53.82 ID:bAioj2Q50
   765プロ 会議室

P「みんな、忙しい中集まってもらって悪いな!」

小鳥「今日はみんなに、重大発表があるのよ!」

千早「重大発表……ですか?」

P「実はな……ふっふっふ」

伊織「何よ? もったいぶらずに、さっさと言いなさいよ!」

P「お、おう! 実は我が765プロの、ゲーム業界への参入が決定したんだ!」

春香「えっ!? ゲーム業界ですか!?」

小鳥「記念すべき作品第一号は、ついさっき完成しました! パチパチパチ!」

響「えええーっ!? ピヨコ、それホントなのか!?」

小鳥「もちろん!」

P「俺と小鳥さんも数日前、いきなり社長に言われて驚いたクチだけどな」

雪歩「すごいですぅ! どんなゲームなんですかぁ?」

小鳥「765プロの全員が登場する、ドキドキのテキストアドベンチャーノベルですって!」

美希「わぁ……何だか面白そうなの!」

3: 2014/12/29(月) 00:10:52.88 ID:bAioj2Q50
P「しかも! なんとあの有名な、2208プロとのコラボ作品なんだ!」

あずさ「2208プロって確か……ウルトラマンを作ってる会社だったかしら~?」

亜美「スッゲー! すごすぎるZE、兄ちゃん!」 

真美「そんなの、絶対ハマるに決まってるっしょ!」

P「だよな! やっぱりそう思うよな!」

小鳥「ちなみにシナリオライターは、我らが高木社長よ!」

貴音「ほう……。高木殿には会社の経営力だけでなく、文才も備わっていたのですか」

伊織「こう言っちゃなんだけど、ちょっと意外ね?」

P「いやあ。正直、俺も聞いた時はびっくりしたよ」

小鳥「社長曰く、かなりの自信作に仕上がってるそうよ?」

千早「へえ……」

真「社長って、ホントに何でもできるんですね! へへっ、すごいや!」

P「で、俺達はその社長から、ゲームのテストプレイを頼まれたってわけだ!」

小鳥「今日みんなには、そのお手伝いをしてほしいのよ!」

やよい「お手伝い……ですか?」

4: 2014/12/29(月) 00:15:13.90 ID:bAioj2Q50
やよい「えっと……私、何をすればいいんでしょうか?」

小鳥「そんなに構えなくても大丈夫よ、やよいちゃん」

P「俺が最後まで通しでプレイするから、みんなは後ろで一緒に見ててほしいんだ」

真「なるほど! ゲームにおかしな所がないか、チェックすればいいんですね?」

小鳥「そういうこと! 最初はプロデューサーさんと二人でやろうとしたんだけど……」

P「どうせなら、みんなでワイワイ遊んだ方が面白いと思ってな!」

春香「確かに、すっごく楽しそうです! よーし、張り切ってガン見しちゃいますよ!」

律子「ところでプロデューサーと小鳥さんは、ゲームの中身を把握してるんですか?」

小鳥「いいえ。実は私達も、内容は全然知らないんです」

P「開発も全部、社長一人で秘密裏にやってたっぽいからなぁ」

小鳥「一体どんなゲームなのかしら? 楽しみですね、プロデューサーさん!」

P「ええ、全くですよ!」

亜美「兄ちゃん兄ちゃん! 亜美、もう待ちきれないYO!」

真美「早くあそぼーYO! 早く早くぅ!」

P「おう、そうだな! それじゃ早速、スイッチオン!」

5: 2014/12/29(月) 00:18:33.62 ID:bAioj2Q50
   ガチャ



   ウルトラim@s倶楽部   出撃! 765プロのアイドル達!



6: 2014/12/29(月) 00:20:37.87 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『今日も一日アイドル活動を終えた春香』

ナレーターのP『そんな春香が自宅に帰ってきた時だった!』


   リリリィーン リリリィーン

春香「電話? 誰からだろう?」

   ガッチャッ!

春香「はい! 実はとっても強い正義のスーパーアイドル、天海春香です!」


ナレーターのP『何を隠そう、春香達765プロのアイドルは』

ナレーターのP『ウルトラマンにもヒケを取らない、超人的な力を持っているのだ!』

7: 2014/12/29(月) 00:25:03.94 ID:bAioj2Q50
社長「大変だ、天海君!」

春香「あ、社長! どうかしたんですか?」

社長「亜美君が、外へ遊びに行ったきり戻ってこないのだ!」

春香「大変! すぐ探しに行きます!」

社長「うむ、頼むよ! まずは一度、事務所まで来てくれたまえ!」

春香「わかりました!」


ナレーターのP『こうして春香は亜美を探すため、765プロへと出撃した!』

ナレーターのP『物語は、ここから始まる……』

8: 2014/12/29(月) 00:28:15.75 ID:bAioj2Q50
とりあえず、ここで中断します。

完結まで90~100レス程度の予定ですので、本日中にぼちぼち投下していければと思います。

それではまた後ほど、よろしくお願いいたします。

11: 2014/12/29(月) 09:59:45.75 ID:bAioj2Q50
おはようございます。

それでは再開します。

12: 2014/12/29(月) 10:00:17.90 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『765プロ事務所、社長室にて』


春香「失礼しまーす!」

社長「お、来たね! 待っていたよ!」

春香「社長。亜美がどこへ行ったかは、わからないんですか?」

社長「どうやら、事務所の北にある洞窟に向かったようなんだが……」

春香「北の洞窟ですか……。大丈夫かなぁ?」

社長「それと萩原君が、給湯室で遠くを見つめていたよ」

春香「え? 遠くを……ですか?」

社長「何か、悩みを抱えているようだったね」

春香「どうしたんでしょう? 私、行ってみます!」

13: 2014/12/29(月) 10:05:33.42 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『給湯室では、黄昏の雪歩が途方に暮れていた』


春香「ゆーきほ!」

雪歩「あ、春香ちゃん! はぅ……」

春香「こんな所で悩み事? 私でよければ、力になるよ!」

雪歩「ありがとう……。実は私も亜美ちゃんが心配で、北の洞窟に行ってみたんだぁ」

春香「ふむふむ。それで?」

雪歩「そしたら洞窟の入口が、大きな岩で塞がれちゃってて……」

春香「ええっ!? それじゃまずは、その岩をどうにかしないと!」

雪歩「でもあんなの、私のスコップじゃ壊せないよぉ……」

春香「うーん……あ、そうだ! 小鳥さんに相談してみようよ!」

雪歩「そっかぁ! ひそかに超兵器を作ってるらしいし、何とかしてくれるかも!」

春香「決まりだね! 行こっ、雪歩!」

雪歩「うんっ!」


ナレーターのP『雪歩が仲間に加わった!』

14: 2014/12/29(月) 10:11:12.60 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『春香と雪歩は、デスクで妄想中の小鳥さんに訳を話した』


春香「……というわけなんです」

小鳥「なるほどなるほど。北の洞窟が、大きな岩で塞がれているのね?」

雪歩「そこで、音無さんの超兵器の力をお借りしたいんですけどぉ……」

小鳥「それなら私が開発した、地底戦車『ペシルダー』で壊せると思うわ」

春香「本当ですか! やっぱり小鳥さん、頼りになるぅ!」

小鳥「えっへん!」

雪歩「ペシルダー……? 『ペルシダー』の方が、語呂がいいと思うけどなぁ……」

小鳥「ん? 雪歩ちゃん、どうかしたの?」

雪歩「な、何でもないですぅ!」

春香「それじゃ小鳥さん、お願いしてもいいですか?」

小鳥「まーかせて! それじゃあ、ちゃちゃっと行ってくるわね!」


ナレーターのP『小鳥さんは、張り切って事務所を飛び出していった!』

15: 2014/12/29(月) 10:15:31.33 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『そして、小鳥さんが出撃してから三十分後……』


社長「天海君、萩原君! 音無君から連絡があったよ!」

雪歩「本当ですかぁ!」

社長「ペシルダーが洞窟の入り口の岩を壊し、作戦は成功に終わったようだ」

春香「おおー、さすがは小鳥さん!」

社長「が! そのすぐ後、ペシルダーからの連絡が途絶えてしまったのだ」

春香「え!?」

雪歩「ええぇぇ!」

社長「何かあったのだろうか……」

春香「なら、今度は私達が調べに行きます! 雪歩も一緒にお願い!」

雪歩「もちろんだよぉ!」

16: 2014/12/29(月) 10:20:11.94 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『洞窟の入口には、金色に輝く怪獣がいたのである!』


ゴルドン「ケケケッ!」

雪歩「きゃっ、怪獣!?」

ゴルドン「ここから先へは行かせないぞ、覚悟しろ!」

春香「そうはいかないよ! スペシウム光線、ヴァイ!」バアアアアア

ゴルドン「ゴルゲゲゲゲー!」

   ドガーン


ナレーションのP『何を隠そう、春香達765プロのスーパーアイドルは』

ナレーションのP『ウルトラマン達の必殺技も、自由自在に使いこなせるのだ!』


春香「こんな場所にまで、怪獣が出るようになっちゃったんだ……」

雪歩「亜美ちゃん、音無さん……うぅ、不安ですぅ……」

春香「とにかく中に入って、二人を探そう!」

17: 2014/12/29(月) 10:25:15.67 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『中で迷子になりかけた末、二人は洞窟の最深部に到着した!』


雪歩「ふぅ……。ここが、一番奥なのかなぁ?」

春香「あれ? 向こうに変な空間が見えるけど――」

雪歩「ああっ!? 見て、春香ちゃん! こっちの岩壁に、ペシルダーが!」

春香「あっ、本当だ!」

雪歩「ペシルダー、エンジンがおかしくなってるみたいだよぉ!」

春香「そうか! エンジンが暴走して、こんな奥まで来ちゃったんだ!」

雪歩「音無さん! 音無さぁん!」

小鳥「う、うーん……ピヨピヨ……」

雪歩「……気絶してるだけみたいですぅ」

春香「よかったぁ……あれ? ところで、亜美はどうしたんだろ?」

雪歩「近くには見当たらないねぇ……」

春香「むむむ……。とりあえず、小鳥さんを救助しよっか?」

雪歩「そうだね。私達で、765プロまで送り届けよう!」

18: 2014/12/29(月) 10:30:25.26 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『春香と雪歩は小鳥さんを連れ、事務所に戻って来たのだが』


小鳥「助かったわ……。春香ちゃんと雪歩ちゃんは、私の命の恩人ね!」

春香「そ、そんな! 大袈裟ですよ、小鳥さん!」

雪歩「ケガがなくてホッとしましたぁ。ゆっくり休んでくださいねぇ」

春香「それにしても、亜美はどこに消えちゃったんだろ……」

雪歩「うーん……」

春香「そういえば……雪歩」

雪歩「ん? なあに?」

春香「ペシルダーを助けた場所の近くに、妙な空間があったと思わない?」

雪歩「えっ? あ、でもそう言われると、そんな気もするような……?」

春香「もう一度、洞窟を調べてみよう! きっと何か、秘密があるはず!」

雪歩「わかった! お供するよ、春香ちゃん!」

19: 2014/12/29(月) 10:35:09.13 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『再び洞窟に潜った春香は、妙な空間が四次元空間だと見抜いた!』


春香「まさか洞窟の奥が、四次元空間に繋がってるなんて……」

雪歩「一面紫色で、何だか不気味ですぅ……」

??「はるるん! ゆきぴょーん!」

雪歩「え? この声は……」

春香「間違いない、亜美だ!」

雪歩「春香ちゃん! 亜美ちゃん以外にも、誰かいるみたいだよぉ!」

ブルトン「待ってましたよ、遅かったですね」

雪歩「あなたは……!」

春香「この怪獣が、亜美を捕まえてたんだ!」

ブルトン「いかにも。この通り、双海亜美は預かっていますよ」

亜美「わーん、助けてー!」

20: 2014/12/29(月) 10:39:59.10 ID:bAioj2Q50
春香「亜美を返してもらうよ!」

雪歩「さあ、勝負ですぅ!」

春香「ここは任せて、雪歩! ええいっ! ウルトラアタック光線!」ヒュワワワワワ

ブルトン「グベベベベ……ベ」

   ドガーン

雪歩「春香ちゃん、お見事ぉ!」

亜美「うわぁん! 怖かったよー!」

雪歩「よしよし、もう大丈夫だよぉ」

春香「怪獣は、私がやっつけたからね!」

亜美「ねえねえ! 早くこんな変な場所から出て、765プロに帰ろうYO!」

春香「もちろん! 亜美の顔を見たら、きっと社長も安心すると思うよ!」

雪歩「うん! これにて任務完了ですよぉ、任務完了!」

春香「……雪歩。それ、私のセリフなんだけど……」

21: 2014/12/29(月) 10:45:00.04 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『亜美を助けた春香と雪歩は、意気揚々と765プロに帰還した!』


春香「お疲れ様でしたー!」

社長「おお! どうやら、亜美君は見つかったみたいだね!」

雪歩「はい、無事に助け出せましたぁ」

社長「よくやってくれた! ありがとう天海君、萩原君!」

春香「そ、それほどでも……えへへへへ」

真美「あっ! はるるん、ゆきぴょん、お帰りー!」

雪歩「真美ちゃん、ただいまぁ。亜美ちゃん、帰ってきてよかったね――」

真美「うぐぅっ!」

雪歩「えっ!?」

真美「お、お、お腹が痛いよー!」

22: 2014/12/29(月) 10:50:13.21 ID:bAioj2Q50
春香「あ、真美!? 急にどうしたの!?」

雪歩「大丈夫!?」

真美「た、助けてぇ! 痛いよー、痛いよー!」

社長「これはひどい! すぐに休ませないと!」


ナレーターのP『大変だ! 真美が病気になってしまった!』


雪歩「ううっ、一難去ってまた一難ですぅ!」

春香「どどど、どうしよう、どうしよう!」

社長「落ち着きたまえ。天海君、萩原君、エネルギー草というものを知ってるかね?」

春香「うーん……?」

雪歩「聞いたことないですけどぉ……?」

社長「エネルギー草とはどんな病にも効く、素晴らしい薬なのだ」

春香「へえ、そんな薬があるんですか?」

雪歩「すごいですぅ!」

23: 2014/12/29(月) 10:55:04.26 ID:bAioj2Q50
春香「それで、その薬はどこで手に入るんでしょう?」

社長「うむ。薬を作るためには、きれいな水が必要なんだ」

雪歩「きれいな水ですかぁ……」

春香「こんな都会にゲットできる場所、ありますかね?」

社長「なーに、心配する必要はないさ!」

春香「と、言いますと?」

社長「実はこのビルの地下には、新鮮な水が湧き出す泉があるんだよ!」

春香「え? そーだったんですか?」

社長「そーなのだよ」

雪歩「へぇぇ……知らなかったですぅ」

社長「というわけで! そこの水を、このコップで汲んできてくれたまえ!」


ナレーターのP『社長からコップを受け取った!』

24: 2014/12/29(月) 10:59:58.36 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『井戸で水を汲んだ二人は、こぼさないように社長の元へ向かった!』


春香「水を汲んできましたよ!」

社長「おおっ、美味しそうな水だねぇ! 少し、コップを貸してくれるかね?」

春香「わかりました! はい。どうぞ!」

雪歩「それで社長、この水をどうすれば――」

社長「ごっくんごっくんごっくん、プハァー」

雪歩「あ」

春香「え」

社長「へっ?」

雪歩「…………」

春香「…………」

社長「…………」

25: 2014/12/29(月) 11:05:00.88 ID:bAioj2Q50
社長「いやいや、これはすまん!」

春香「あ、あの……」

社長「で、でも大丈夫だ! 見たまえ、コップの底に少し残っているだろう?」

雪歩「本当に、ちょっぴりしかないですけど……」

春香「後で、もう一回汲みに行こっか……」

社長「さて! それではこの水を、日本一高い山の頂上にふりかけてくれたまえ」

春香「つまり、富士山ですね?」

社長「うむ。そうすれば、たちどころにエネルギー草が生えてくるはずだ」

雪歩「ここからだと、ずいぶん遠いですねぇ……」

春香「でも、それで真美が治るなら!」

雪歩「そうだね。行ってみよう、春香ちゃん!」

26: 2014/12/29(月) 11:10:10.61 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『再び二人が765プロに姿を見せたのは、丸一日が経った頃だった!』


春香「ただ今戻りましたー!」

社長「おお、それはエネルギー草だね!」

雪歩「はい、何とか取ってこれましたぁ」

春香「野良メフィラス星人の群れとか、倒すの大変だったんですよ?」

社長「いやはや、ご苦労だったね。さ、早く真美君に食べさせてあげたまえ!」

春香「はいっ! 真美、今すぐ治してあげるからね!」


ナレーターのP『春香は、エネルギー草を真美に与えた!』


真美「わーいわーい! 治った治った、嬉しいYO!」

春香「うん! 元気になったみたい!」

雪歩「真美ちゃん……よかったぁ――」

貴音「大変です!」

雪歩「はうっ!?」

28: 2014/12/29(月) 11:15:07.44 ID:bAioj2Q50
春香「あっ、貴音さん!」

雪歩「ビ、ビックリしましたぁ……」

春香「そんなに慌てて、どうしたんですか?」

貴音「西の自衛隊基地に、ゼットンが現れたらしいのです」

雪歩「え、ゼットンですかぁ?」

春香「ゼットンって確か、すごく強い怪獣だったよね……」

貴音「二人にはただちに、自衛隊基地へ向かってほしいのですが」

春香「わかりました! すぐに出撃します!」

貴音「ゼットンは手強いので、このウルトラブレスレットを使うといいでしょう」

雪歩「四条さん、ありがとうございますぅ!」

29: 2014/12/29(月) 11:19:56.81 ID:bAioj2Q50
春香「ところで貴音さんは、一緒に来てくれないんですか?」

貴音「わたくしは急ぎの用があるので、ここで別れなければなりません」

雪歩「そうなんですかぁ……残念ですぅ」

貴音「春香、雪歩。あなた達ならできると、わたくしは信じておりますよ!」

春香「はい! 私達に任せてください!」

雪歩「どんな怪獣でも、春香ちゃんと二人で何とかしてみせますぅ!」

貴音「頑張ってくださいね。それでは、テレポート」シュン


ナレーターのP『ウルトラブレスレットを手に入れた!』

30: 2014/12/29(月) 11:25:11.36 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『自衛隊基地に到着した春香と雪歩。しかし……!』


春香「見つけた、ゼットンだ! さあ、いざ勝負!」

ゼットン「はっはっは! 罠にかかったな、天海春香!」

春香「え、罠? あうっ!?」

雪歩「は、春香ちゃん!?」

春香「う、ううっ……!? か、身体が……身体が動かないよ!」

雪歩「ああっ!? 春香ちゃんの頭上に、空飛ぶ円盤が浮かんでますぅ!?」


ナレーターのP『何と! 突如現れた円盤のビームが、春香の身体を包み込んでいた!』


春香「し、しまった!? これ、トラクタービーム!?」

雪歩「いけない! 早く助けないと――」

春香「か、身体が引っ張られるぅ!? き、き、きゃああああっ!?」

雪歩「春香ちゃん! 春香ちゃぁぁぁん!」


ナレーターのP『抵抗する春香を拘束した円盤は、どこかへ飛び去ってしまった……』

31: 2014/12/29(月) 11:30:18.32 ID:bAioj2Q50
ゼットン「見たか、我が力を! 邪魔者は倒したぞ、萩原雪歩!」

雪歩「……ゼットン! こんなやり方、卑怯ですぅ!」

ゼットン「さて! これで誰にも邪魔されずに、貴様と一対一で戦えるな!」

雪歩「春香ちゃんを、どこへ連れていくつもりなんですか!」

ゼットン「知らんな……ひっひっひ――」

雪歩「ゼットン、覚悟ぉ! ウルトラブレスレット、ウルトラスパーク!」ヒュンズバアッ

ゼットン「グホッ!?」

雪歩「四条さんからもらった武器の力、甘く見ないでほしいですぅ!」

ゼットン「こ・い・つ……など……に……倒される……とは……何てことだ……」

雪歩「春香ちゃん……仇は討ったよ」

ゼットン「……グフッ」

   ドガーン

雪歩「さあ、あの円盤を追いかけないと!」

32: 2014/12/29(月) 11:35:27.81 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『一方、ところ変わって961プロ前では』

ナレーターのP『三人のアイドルが、盗まれた衣装の捜索活動を行っていた』


美希「宇宙人にドロボーされたミキ達の衣装は、この近くにあるみたいなの」

あずさ「そこに、961プロの事務所があるけど……」

真「もしかすると、何か情報を掴んでるかもしれないぞ!」


ナレーターのP『何を隠そう、961プロのアイドル達は』

ナレーターのP『情報収集に長けた、スゴ腕のエージェントでもあるのだ!』


あずさ「それじゃあ、お邪魔させてもらいましょうかしら~?」 

美希「うん! 昨日の敵は今日の友、なの!」

真「だね! さあ、調査開始だ!」

33: 2014/12/29(月) 11:41:02.80 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『961プロの事務所では、ジュピターが情報収集を行っていた』


真「こんにちは、北斗さん!」

北斗「チャオ、真ちゃん! どうだい、これからランチでも?」

真「すいません、今はそれどころじゃないんです」

北斗「おやおや、これは手厳しいね。どうかしたのかい?」

あずさ「私達の衣装が、何者かに盗まれてしまって……」

美希「何か情報とか、ないかな?」

北斗「そういえばバルタン星人が、何かの衣装を着て空を飛んでいるのを見たね」

あずさ「バルタン星人……。場所って、わかりますか~?」

冬馬「ちょっと待ってな……よし、アンテナに反応! ここから南へ行った所だぜ!」

真「アンテナって……もしかして、あのアホ毛のことなのかな……?」

翔太「平原の上を、フラフラ飛び回ってるみたいだね」

美希「わかったの! どうもありがとうなの!」

真「よーし、やっつけてやるぞ! バルタン星人!」

34: 2014/12/29(月) 11:44:59.00 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『南の平原には、フォッフォと鳴きながら飛んでるバルタン星人が!』


あずさ「いたわ、バルタン星人ね!」

バルタン星人「チッ、見つかったか」

美希「その衣装を早く返すの!」

バルタン星人「やだよーだ! 取れるもんなら取ってみろ!」

真「うおーっ! 泥棒めー!」

あずさ「ま、真ちゃん! もっと、冷静になった方がいいと思うわ!」

真「は、はい! すいません、あずささん!」

美希「口で言っても無駄みたいだね」

あずさ「仕方がないわ……勝負です!」

美希「はああああっ……ストリウム光線、なの!」フォォォォォォピィィィィィィ

バルタン星人「俺様が、こんな簡単にやられるとは……グヘッ」

   ドガーン


ナレーターのP『汚れた衣装を手に入れた……』

36: 2014/12/29(月) 11:50:15.12 ID:bAioj2Q50
あずさ「あら? 何だか、随分と色がくすんでいるような……?」

真「これ……ボク達の衣装じゃないぞ!」

美希「えーっ!? じゃあ本物は、一体誰が持ってるの?」

真「……ん!」

あずさ「真ちゃん、どうしたの?」

真「今、貴音からボクに、テレパシーが送られてきたんだ!」

あずさ「貴音ちゃんから?」

美希「何て言ってるの?」

真「別行動を取ってたやよいが、マグマ星人に捕まってしまったらしい!」

美希「ええっ!? 大変なの!」

あずさ「真ちゃん、早く助けに行ってあげてちょうだい!」

真「わかりました! テレポート!」シュン


ナレーションのP『真が隊列から外れた』

37: 2014/12/29(月) 11:55:14.22 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『真と別れた美希とあずささんは』

ナレーションのP『新たな情報を求め、961プロの事務所へと引き返した』


あずさ「みなさん、先程はありがとうございました~」

北斗「いえいえ。お役に立てなかったみたいで、何だかすいません」

美希「ねえねえ、他に情報はないの?」

冬馬「俺のアンテナが、東の方に異常反応が出てるのをキャッチしたぜ!」

翔太「この反応、宇宙船みたいだよ?」

黒井「ウィ。ベムスターらしき怪獣が、東へ飛んでいくのを先ほど確認したぞ」

冬馬「……おっさん、ナチュラルに混じるなよ」

黒井「細かいことを気にしていては、セレブにはなれんぞ?」

美希「もしかして、社長室に一人で寂しかったの?」

黒井「……ウィ」

あずさ「ベムスター……強敵ね」

美希「でも、怪獣を放ってはおけないの! 東へ行こう、あずさ!」

38: 2014/12/29(月) 12:00:07.77 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『しかし東の宇宙船の入口で、悲劇は待ち構えていた』


美希「こんな所に、宇宙船が来てるなんて――」

ベムスター「バッシィーン!」

美希「しまった、不意打ち!? ああああああっ!?」


ナレーションのP『ベムスターの強烈な一撃が、美希を貫いた!』


あずさ「み、美希ちゃん!?」

ベムスター「へっへっへっ。星井美希、敗れたり」

あずさ「ベムスター……何てことを……!」

ベムスター「コイツは預かっていくぜ。じゃあな!」


ナレーションのP『ぐったりした美希を担ぎ上げ、ベムスターは逃走した!』


あずさ「ま、待ちなさい! 逃がさないわよ!」

39: 2014/12/29(月) 12:03:41.63 ID:bAioj2Q50
一旦ここで中断します。

また午後に再開しますので、よろしくお願いします。

40: 2014/12/29(月) 12:09:28.35 ID:bAioj2Q50
>>35
自分も個人的に、好きなゲームではあるんです。

ただ客観的に色んな要素を見ると、世間の評価は正しいような気も……。

41: 2014/12/29(月) 13:34:30.29 ID:bAioj2Q50
それでは再開します。

42: 2014/12/29(月) 13:35:19.51 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『宇宙船の通路で、あずささんはベムスターを追い詰めた!』

ナレーションのP『近くに、美希の姿は見当たらない……』


あずさ「覚悟しなさい、ベムスター! 美希ちゃんの仇!」

ベムスター「フン、生意気な奴だ!」

あずさ「負けるわけにはいかないわ! マザー破壊光線!」ギュバアアアア

ベムスター「うぐっ……! や、やられたぁ……」

あずさ「やった……! さあ、美希ちゃんを返してちょうだい!」

ベムスター「しかし、ヤツはすでに別の場所に連れて行ったのさ……」

あずさ「何ですって!?」

ベムスター「ざ、残念だったな……」

あずさ「どこなの!」

ベムスター「26番の部屋に行ってみろ……ガクッ!」

   ドカーン


ナレーションのP『美希が持っていた、キングブレスレットを回収した!』

43: 2014/12/29(月) 13:40:22.28 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『宇宙船、26番の部屋にて』


あずさ「美希ちゃん……いない!? 罠だったの!?」

グモンガ「生きて戻れるかな?」

あずさ「どきなさい! マミー光線!」ビュルンビュルン

グモンガ「ゲアアアッ!」

あずさ「美希ちゃんをどこに連れて行ったの? 教えなさい!」

グモンガ「58番……」

   ドカーン

あずさ「美希ちゃん……無事でいてちょうだい!」

44: 2014/12/29(月) 13:45:09.49 ID:bAioj2Q50
ナレーションのP『そして宇宙船、58番の部屋にて』


あずさ「この部屋も宇宙人がいるだけ……だましたのね!」

ベル星人「俺を倒さない限り、ここからは抜け出せないぞ!」

あずさ「邪魔をしないで! ギンガ光線!」ジャパァァァァ

ベル星人「ンアアアアッ!?」

あずさ「美希ちゃんはどこなの、教えなさい!」

ベル星人「……ガハッ!」

   ドガーン

あずさ「く、手がかりが……。美希ちゃん……!」

45: 2014/12/29(月) 13:50:11.35 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『場面は変わって、とある離れ小島にある神殿内部では』

ナレーターのP『やよいを救出するため、貴音と合流した真が探索を行っていた!』


貴音「間違いなくやよいは、ここに捕らわれているはずなのですが……」

真「あっ! あそこの祭壇の近くに倒れてるの、やよいじゃないか!?」

貴音「むっ! この邪悪な気配は……怪獣ですね!」

レッドギラス「我々に勝てるかな?」

ブラックギラス「無理に決まってるさ!」

真「二体二か! でも、負ける気はしないね! クロスビーム!」ピュゥゥゥゥ

貴音「こちらはこれです、ゴッド光線!」ビャリビャリビャリ

レッドギラス「我々が負けるなんて!?」

ブラックギラス「二匹の仇をとってください、マグマ星人様!」

   ドガーン ドガーン   シュン

マグマ星人「クックックックッ……」

真「出たな、マグマ星人!」

46: 2014/12/29(月) 13:55:16.77 ID:bAioj2Q50
貴音「真打ち登場、というわけですね」

マグマ星人「ほれ、お前らの衣装ならここにあるぞ?」

真「何っ!? お前が、衣装を盗んだ犯人だったのか!」

マグマ星人「悔しかったら、この俺と戦え!」

真「なめるなぁ! ボクのヌンチャクを受けてみろ!」ブンブンバキンバキン

マグマ星人「ぬわー! そんなー、俺が負けるなんて……」

   ドガーン

貴音「やりましたね。さあ真、精神を集中するのです」


ナレーターのP『真と貴音はやよいを助けるため、エネルギーを分け与えた』


やよい「うっ……真さん、貴音さん……。これは間違いなく、本物の衣装です……」

真「大丈夫か、やよい! しっかりするんだ!」

貴音「衣装はわたくしが届けましょう。真、やよいを頼みましたよ!」


ナレーターのP『衣装『チェックMYノート』を手に入れた!』

47: 2014/12/29(月) 14:00:21.88 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『一方その頃、美希を追跡するための手がかりを失ったあずささんは』

ナレーターのP『途方に暮れ、961プロに戻っていた』


あずさ「ああ、美希ちゃん……どこへ行ってしまったの?」

冬馬「おい。北東の方角に、新しい空間が現れたみたいぜ?」

玲音「どうやら、ガマスが作り出した二次元空間のようだね」

冬馬「……何さらっと紛れ込んでんだよ、ヘボン」

玲音「別にいいじゃないか、鬼ヶ島」

冬馬「…………」

玲音「…………」

翔太「ちょ、ちょっとやめてよ冬馬君! 玲音さんも!」

あずさ「二次元空間……」

北斗「気持ちはわかりますけど、成すべきことがあるんじゃないですか?」

あずさ「……ええ。いつまでも、悲しんでばかりはいられないわ!」

48: 2014/12/29(月) 14:05:17.87 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『二次元空間は、夢と希望に満ち溢れてはいなかった……残念だ』


あずさ「ガマス! どうしてこんな時に現れたの!」

ガマス「天海春香と星井美希が倒されたそうじゃないか」

あずさ「何ですって!? 春香ちゃんまでやられてしまったというの……?」

ガマス「もう、アイドル達も終わりだな」

あずさ「……いいえ! 私達アイドルは、どんな困難にも立ち向かっていくのよ!」

ガマス「フッ、か・て・る・か・な? 一人で」

あずさ「やってみせるわ! キングブレスレット、ブレスレットランサー!」ヒュンドスッ

ガマス「再び会おう、三浦あずさよ……ガッハハハー……バタッ」

   ドガーン

あずさ「やったわ……あら? 誰かがこっちに来るみたい――」

雪歩「テレポートぉ」シュン

貴音「テレポート」シュン

あずさ「あら~! 雪歩ちゃんに、貴音ちゃん!」

49: 2014/12/29(月) 14:10:10.43 ID:bAioj2Q50
貴音「あずさ、チェックMYノートを取り返してきました」

あずさ「ほっ、よかった……。ありがとう、貴音ちゃん!」

雪歩「連れ去られた春香ちゃんは、北西の教会に捕まってるみたいなんですぅ!」

あずさ「教会……。もしかして、美希ちゃんもそこに送られたのかしら……?」

貴音「何と! 春香と美希は、敵に捕らえられてしまったのですか!?」

あずさ「……ごめんなさい」

雪歩「うぅ、私がもっとしっかりしていれば……」

あずさ「私も……ずっと美希ちゃんの傍にいたのに、守れなくて……」

貴音「あずさ、雪歩。過ぎたことを悔いても、仕方がありませんよ?」

あずさ「……そうね。貴音ちゃんの言う通りだと思うわ」

貴音「奪われたのなら、取り戻せばいいのです。さあ、教会に行きましょう!」

雪歩「はいぃ! 絶対ぜったい、二人を救いましょうねぇ!」


ナレーターのP『雪歩と貴音が仲間に加わった!』

ナレーターのP『チェックMYノートを装備した! 防御力がアップした!』

50: 2014/12/29(月) 14:15:14.60 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『囚われの春香と美希を助けるため、教会に乗り込んだ三人』

ナレーターのP『その最深部で、彼女達は驚愕することとなる!』


あずさ「あ、ああっ!?」

雪歩「春香ちゃんと美希ちゃんが、石像にされちゃってますぅ!?」

貴音「これは、一体……?」

バルタンJR「フォッフォッフォッフォッ!」

あずさ「あなたは、バルタン星人ジュニア!」

バルタンJR「フォッフォッフォッ、よくここがわかったな」

雪歩「春香ちゃんを円盤で連れ去ったのは、あなたなんですか!?」

バルタンJR「フォッフォッフォッ! その通りだとも」

貴音「まさか、二人を石にしたのも……?」

バルタンJR「フォッフォッフォッフォッ!」

貴音「答えなさい!」

バルタンJR「それも私だ」

51: 2014/12/29(月) 14:20:06.95 ID:bAioj2Q50
貴音「何ということを……」

バルタンJR「フォッフォッフォッフォッ!」

あずさ「……あなたという宇宙人は!」

雪歩「許せない!」

バルタンJR「フォッフォッ! お前達とも、そろそろ決着をつけようではないか!」

あずさ「笑っていられるのも、今のうちだけよ!」

雪歩「そうです、そうですぅ!」

貴音「ええ!」

あずさ「雪歩ちゃん、お願いするわね!」

雪歩「はい! バルタン星人が相手なら、これですぅ! 八つ裂き光輪!」ヒュウウウズパッ

バルタンJR「グフオッ!?」

52: 2014/12/29(月) 14:25:06.46 ID:bAioj2Q50
バルタンJR「さ、さすがに強いな……だが……フォッフォッフォッ」

貴音「何がおかしいのです?」

バルタンJR「今頃、お前らの仲間の我那覇響も……フォッフォッ」

あずさ「何ですって……!」

バルタンJR「ブフォッ」

   ドガーン

雪歩「ま、まさか……響ちゃんに限って……」

貴音「しかし……胸騒ぎがします」

あずさ「貴音ちゃん、雪歩ちゃん。春香ちゃんと美希ちゃんを、安全な場所へお願い」

雪歩「は、はい! わかりましたぁ!」

貴音「あずさはどうするのですか?」

あずさ「私は765プロに戻って、律子さんとコンタクトを取ってみようと思うの」

貴音「わかりました。では石化の解除方法は、わたくしの方で探ってみるとしましょう」

雪歩「あずささん、気をつけてくださいねぇ!」

53: 2014/12/29(月) 14:30:27.31 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『そしてその頃、765プロ前では』

ナレーターのP『一人のアイドルが、連絡の途絶えた千早を探していた』


律子「千早……。全く、一体どこへ行ってしまったのかしら」

律子「響に続いて、千早まで連絡が取れなくなるなんて……」

律子「どうも嫌な感じがするのよね……んっ!?」

律子「西の方に誰かいる……もしかして、千早?」

律子「いや、あれはペガッサ星人ね。どうしてこんなところに?」

律子「十分用心して、かかるとしましょうか」

54: 2014/12/29(月) 14:35:01.21 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『西の高原には、怪しげなペガッサ星人がうろついていた!』


律子「あんた、そこで何をしてるの?」

ペガッサ星人「うるさい、関係ないだろ! 氏ねい!」

律子「そっちがその気なら! ハンドビーム!」ピィーーーー

ペガッサ星人「お、おのれー!」

   ドガーン

律子「随分と喧嘩っ早いヤツだったわね……あっ!?」

律子「向こうの空を飛んでいるのは、ペガッサ星人の宇宙都市?」

律子「逃がすもんですか! テレポート!」シュン

55: 2014/12/29(月) 14:40:05.94 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『テレポートを使い、律子はペガッサ宇宙都市の内部に潜入した』


律子「ペガッサ星人、一体何を企んでいるのかしら……」

律子「とにかく、調べてみないとね!」

別のペガッサ星人「ぬうっ! あいつでは、秋月律子を食い止められなかったか!」

律子「ボスはあんたね!」

別のペガッサ星人「あ、俺はザコなんだ。ボスは奥だよ」

律子「あら、そう。なら、早く奥へ行かないと!」

56: 2014/12/29(月) 14:45:00.85 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『最深部には、ペガッサ星人のボスが待ち構えていた!』


律子「今度こそ、ボスはあんたね!」

ペガッサボス「ええーい! もう少しで、地球へ乗り込めるところだったのに!」

律子「私の目が黒いうちに、そんな真似ができると思った?」

ペガッサボス「こうなったら勝負だ!」

律子「上等よ! ウエッジ光線!」ビシュゥン

ペガッサボス「くっそー! 私の野望が、地球侵略が!」

律子「ふ、大したことなかったわね」

ペガッサボス「しかし、他の仲間が三浦あずさを……ガクッ」

   ドガーン

律子「はいはい、負け惜しみ負け惜しみ」

律子「……あずささんといえば、さっきテレパシーが飛んできてたわね」

律子「何だか、大変なことになってるみたいだけど……」

律子「帰ってエネルギージュースでも飲んで、それから合流するとしますか!」

57: 2014/12/29(月) 14:50:01.96 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『律子が765プロに戻ると、社長が慌てふためいていた!』


社長「おお、秋月君! 大変だ!」

律子「あら、社長。そんなに慌ててどうしたんです?」

社長「三浦君がエネルギージュースを飲んだ途端、急に倒れてしまったんだよ!」

律子「え、あずささんがですか!?」

社長「もしかすると、これは宇宙細菌ダリーの仕業かもしれん!」

律子「ダリーって、だり?」

社長「…………」

律子「…………」

58: 2014/12/29(月) 14:55:07.96 ID:bAioj2Q50
律子「つまらないことを言ってないで!」

社長「私は、何も言っとらんのだが……」

律子「どうすれば、あずささんを助けられるんです?」

社長「うむ。おそらくダリーは、三浦君の体の中にいると思われる」

律子「体内に、ですか?」

社長「秋月君、ミクロ化はできるね?」

律子「まあ……それぐらいなら」

社長「それなら話は早い。ミクロ化して体内に入り込み、ダリーを退治するんだ!」

律子「なーるほど。了解です、ウルトラリダクション!」ギュィィィィン


ナレーターのP『ミクロ化した律子は、あずささんの体内に乗り込んでいった!』

59: 2014/12/29(月) 15:00:08.73 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『うごめく宇宙細菌は、あずささんの心臓近くに巣食っていた!』


律子「見つけたわよ、ダリー!」

ダリー「アイドルは次々と倒してやる。次はお前の番だ!」

律子「遠慮しておくわ! ウルトラバブル!」バブルルルルルル

ダリー「ち、ちきしょう! せっかくジュースの中に隠れて潜り込んだのに……」

律子「残念だったわね。ま、作戦は悪くなかったと思うけど?」

ダリー「くやしー!」

   ドガーン

律子「よーし! やっつけたわね」

律子「これであずささんも、元に戻るかしら?」

60: 2014/12/29(月) 15:05:35.33 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『律子があずささんの体外に脱出してから、しばらくの後』


あずさ「んっ……律子さん……? 私を助けてくれたんですか?」

律子「あずささん……よかった」

あずさ「ありがとうございます~! それじゃあ、一緒に行きましょう!」

律子「ええ。どうにかして、響と千早の行方を突き止めないと!」


ナレーターのP『あずささんが仲間に加わった!』


社長「そういえば、先程ここに水瀬君が来たよ」

律子「伊織が? 何か言ってましたか?」

社長「うむ。情報を集めに961プロに向かうと告げて、すぐ出て行ってしまったね」

あずさ「961プロに……」

社長「どうやら単独で、我那覇君と如月君の行方を追っているようなんだが……」

律子「今の状況で一人きりになるのは、危険な気がしますね」

あずさ「律子さん、私達も961プロへ行ってみましょう!」

61: 2014/12/29(月) 15:10:19.46 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『961プロの入口で、律子とあずささんは伊織に追いついた!』


あずさ「待ってちょうだい、伊織ちゃん!」

律子「単独行動は危険よ! 私達と一緒に――」

伊織「あれっ? おかしいわね?」

律子「おかしい? 何がよ?」

伊織「たった今、律子がここの中に入っていくのを見たんだけど……」

律子「え? 私はついさっきまで、765プロにいたわよ?」

あずさ「これは……怪しいですね」

伊織「まさか、敵が律子に姿を変えて……?」

律子「……あり得る!」

伊織「こうしちゃいられないわ! 追撃するわよ!」

律子「私に化けるなんて、舐めた真似をしてくれるわね!」

あずさ「急ぎましょう! 手遅れにならないうちに!」


ナレーターのP『伊織が仲間に加わった!』

62: 2014/12/29(月) 15:15:39.13 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『三人が961プロの事務所に踏み込んだ、まさにその時!』


??「お、お前は!? うおおおおおっ!? ヒィアアアアア!?」

伊織「きゃっ!?」

あずさ「今の悲鳴は……誰かしら?」

律子「もしや、黒井社長!?」

黒井「ヒィー! ヒィー! ウィウィウィウィ!」ゴロゴロゴロゴロ

伊織「あ! 奥の部屋から、黒井社長が転がり出て来たわ!」

あずさ「誰かに襲われてるみたいよ!」

律子「そこまでよ、偽物! 私達が相手になるわ!」

セブンロボット「本物のお出ましか」

律子「これ以上、犠牲者を出すわけにはいかないのよ……って……?」

セブンロボット「お前を倒して、このまま俺が本物の秋月律子になるんだ!」

伊織「……ん? このロボット、よく見ると律子には……」

律子「似てない! どう見ても、どっからどう見ても、ぜーったいに似てない!」

63: 2014/12/29(月) 15:20:09.26 ID:bAioj2Q50
律子「ちょっと伊織! 何をどうしたら、アレと私を間違えるのよ!」

伊織「アイツの顔、ちょっとだけメガネっぽいじゃない」

黒井「その通りだ! 私も最初、秋月律子だと信じて疑わなかった!」

律子「そんなわけあるかい! と、とにかく! チェーンビーム!」ピュヨヨヨヨヨヨ

セブンロボット「あ、あと一歩で、身も心も秋月律子になれたのに……」

   ドガーン

律子「全く……何を言ってるのかしらね、こいつは」

黒井「フン! ありがとうございます」

あずさ「いえいえ、どういたしまして~」

冬馬「おい! 今の悲鳴は何だ!?」


ナレーターのP『騒ぎを聞きつけたジュピター達が、ようやく姿を現した!』


伊織「出てくるのが遅いのよ! アンタ達の社長、もう少しでやられる所だったわ!」

北斗「何だって……!」

あずさ「安心してください。襲撃者は、律子さんがやっつけてくれましたから!」

64: 2014/12/29(月) 15:25:09.58 ID:bAioj2Q50
冬馬「すまねえ。どうやら、大きな借りができちまったみたいだな」

律子「気にしなくてもいいわ。別に、大したことしてないし」

あずさ「これからは、しっかりと守ってあげてくださいね?」

北斗「肝に銘じておきますよ。あ、そうそう」

あずさ「はい?」

北斗「貴音ちゃんが、ついさっきここに来てましたよ」

あずさ「あら、本当ですか~?」

冬馬「ああ。秋月達を探してるみたいだったな」

翔太「765プロで待ってるらしいから、早く帰った方がいいんじゃない?」

冬馬「ここはもう大丈夫だぜ! 行ってやんな!」

律子「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらいましょうか」

あずさ「伊織ちゃんにも、一緒に来てほしいのだけれど……」

伊織「仕方ないわね。手を貸してあげるから、ありがたく思いなさい!」

玲音「ツンデレデレデレツンデレラー」

伊織「う、うるさいうるさいうるさーい!」

65: 2014/12/29(月) 15:30:12.65 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『銀髪の王女は、765プロの前で静かに佇んでいた』


貴音「待っておりましたよ」

あずさ「貴音ちゃん、何かわかったのかしら?」

貴音「申し訳ありませんが、南の展望台に向かっていただけませんか?」

伊織「展望台に? そこに何があるのよ?」

貴音「どうやら、千早が監禁されているようなのです!」

伊織「何ですって!?」

律子「やっぱり、敵に捕まってたのか……」

貴音「しかしわたくしは、春香と美希の石化を解く方法も探らなければならないのです」

律子「ふむ。ここは、二手に分かれるのがベストかしら?」

あずさ「それなら私が、貴音ちゃんと一緒に行きましょうか?」

伊織「頼むわ、あずさ。千早のことは、この伊織ちゃんと律子に任せなさい!」

あずさ「お願いね! 律子さん、伊織ちゃん、くれぐれも気をつけてちょうだい!」


ナレーターのP『あずささんが隊列から外れた』

66: 2014/12/29(月) 15:39:37.86 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『あずささんと別れた律子と伊織』

ナレーターのP『二人はすぐさま、千早が囚われている展望台に向かった!』


律子「見張りがいるようね……」

エースロボット「フッハッハー! だまされたな、アイドル達よ!」

伊織「だまされた? どういう意味よ!」

エースロボット「如月千早はここにはいないぞ、フン!」

伊織「ふーん。なら、アンタはどうしてここで見張りをしてるのかしら?」

律子「見え見えのウソね! ウルトラスパイラルビーム!」ジュワワワワワ

エースロボット「ど、どうしてバレたんだトゥワーン!」

   ドガーン

律子「全く……誤魔化すつもりなら、もっとまともなセリフを考えなさいっての」

伊織「さあ、律子! とっとと千早を助けるわよ!」

67: 2014/12/29(月) 15:45:17.35 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『展望台の最上階では、半裸の千早が十字架に磔にされていた!』


伊織「ち、千早! この変態! 千早に何してんのよ!」

エースキラー「ケッケッケーッ! 倒してくれるわ! アイドル達よ、覚悟!」

律子「お断り! 千早を返してもらうわ、エメリウム光線!」ジィィィィィ

エースキラー「ゲゲゲー! この俺が! 如月千早との十字架プレイがぁぁぁ!」

   ドガーン

伊織「変態って、種族を問わずにどこにでも存在してるのね……」

律子「千早、大丈夫!? 何もされてないわよね!?」

千早「え、ええ……。強いて言うなら、身体をジロジロ見られたぐらいかしら……?」

律子「ふぅ……間一髪だったか。さあ、早くこのチェックMYノートに着替えて!」

伊織「何にしても、千早は救い出せたわ。さあ、次は響よ!」

律子「千早、一緒に来るわよね?」

千早「もちろんよ。私にも手助けさせてちょうだい。平和を守る手伝いがしたいの!」


ナレーターのP『千早が仲間に加わった!』

68: 2014/12/29(月) 15:50:15.21 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『展望台の外に出た三人が見た者、それは大切な一人の仲間』


千早「あら、萩原さん!」

雪歩「ここでみんなを待ってたんだぁ! 私も協力するよ!」


ナレーターのP『雪歩が仲間に加わった!』

ナレーターのP『なお、これが最終パーティとなります』


律子「わざわざ私達に会いに来たってことは、何かわかったの?」

雪歩「ジュピターの天ヶ瀬さんが、響ちゃんの居場所を調べてくれたんですぅ!」

伊織「アイツ、なかなかやるじゃない! で、どこにいるのよ?」

雪歩「南東にある、大きな居住地区ですぅ!」

律子「居住地区……か。よし! そうとわかれば時は金なり、善は急げね!」

伊織「この四人で、居住地区とやらに乗り込むわよ!」

千早「ええ。私達で、我那覇さんを助け出しましょう!」 

雪歩「頑張ろう! 春香ちゃんや美希ちゃん、そして響ちゃんのためにも!」

69: 2014/12/29(月) 15:51:48.22 ID:bAioj2Q50
一旦ここで中断します。

続きはまた夕方6時近くに。

よろしくお願いします。

70: 2014/12/29(月) 17:50:07.26 ID:bAioj2Q50
それでは再開します。

71: 2014/12/29(月) 17:50:46.73 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『到着した居住地区には、異様な空気が充満しているようだ……」


律子「どうやらここが、決戦の場所になりそうね……」

伊織「おっと! 敵のお出ましみたいよ!」

ヤプール「ヤプール、プル、プルー。さあ来なさい」

伊織「……何言ってるのかしら、コイツ」

千早「ふざけないで! アニメじゃないのよ、バーチカルギロチン!」ズパァァァァァ

ヤプール「プルプルプルプルー!」

   ドガーン

雪歩「千早ちゃん、すごぉい!」

千早「このぐらい、別に何てことないわ」

伊織「ねえ、律子。敵の親玉と響、どこにいると思う?」

律子「きっと最深部じゃない? これまでのパターン的に考えても」

千早「敵の本拠地のようだし、気を引き締めて慎重に進みましょう」

雪歩「響ちゃん、必ず助けてあげるからねぇ!」

72: 2014/12/29(月) 17:56:21.33 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『居住地区の内部は、複雑な迷路になっていた』


雪歩「気を抜くと、迷子になりそうですぅ……」

伊織「おまけに、ずいぶんと広そうね……ん?」

レッドジャック「ガァァァァァ!」

ルナチクス「グォォォォォ!」

律子「また敵か!」

伊織「ザコに用はないわ! ゼット光線!」ヴァアアアアア

千早「邪魔をしないで! アロー光線!」ガガガガガガ

   カキン カキーン

伊織「……えっ!?」

千早「しまった、はじかれた!?」

73: 2014/12/29(月) 18:02:04.31 ID:bAioj2Q50
レッドジャック「ガァァァァァ!」バキィ

伊織「きゃあっ!?」

ルナチクス「グォォォォォ!」バキィ

千早「くうっ!?」

雪歩「だ、大丈夫千早ちゃん!? 伊織ちゃん!」

千早「な、何とかね……」

伊織「いつつ……」

律子「このぉ! シェイクハンド光線!」ジジジジジジ

雪歩「ウルトラブレスレット、ブレスレットブーメラン!」キュルンキュルン

   カキン カキーン

律子「き、効かない!?」

雪歩「そんなぁ!?」

74: 2014/12/29(月) 18:04:56.88 ID:bAioj2Q50
レッドジャック「ガァァァァァ!」バキィ

律子「うぐっ!?」

ルナチクス「グォォォォォ!」バキィ

雪歩「いやああっ!?」

千早「律子、萩原さん!」

律子「いたたたた……」

伊織「こいつら……強い!」

千早「生半可な技では、倒せそうもないわね……」

雪歩「全力で戦わないと、こっちがやられちゃますぅ!」

律子「……それなら!」

75: 2014/12/29(月) 18:10:11.73 ID:bAioj2Q50
律子「動けなくしてやるわ! ストップ光線!」キッキュアアアアアア

ルナチクス「グォッ!?」

   ピキーン

雪歩「あっ! 敵の動きが止まりましたぁ!」

律子「今よ伊織! 最強クラスの技をヤツにぶつけて!」

伊織「この隙、逃さないわ! 必殺、M87光線!」ズガアアアア

ルナチクス「グォォォォォ!?」

   ドガーン

律子「まずは一匹!」

千早「律子、もう一匹は私に任せて!」

76: 2014/12/29(月) 18:15:27.43 ID:bAioj2Q50
千早「萩原さん、頼んだわよ! 敵の動きを止めて!」

雪歩「うん、了解だよぉ! フォッグビームだぁぁぁ!」ヒョワァァァァ

レッドジャック「ガァッ!?」

   ピキピキピキーン

雪歩「敵が凍りついたよ! お願い、千早ちゃん!」

千早「これでトドメよ! パンチレーザースペシャル!」ジジジジジビビヒィィィィ

レッドジャック「ガァァァァァ!?」

   ドガーン

千早「よし!」

雪歩「倒せましたぁ!」

伊織「危なかった……。今の連中、思ったよりも強かったわね」

律子「というよりも、間違いなく今までで最強だったと思うわよ?」

雪歩「これからも、このレベルの敵が出てくるんでしょうかぁ?」

千早「どうかしら……? 何はともあれ、油断は禁物ね……」

77: 2014/12/29(月) 18:20:10.13 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『数時間の探索の末に、四人は一本道の通路へたどり着いた』


雪歩「ずいぶん進んで来たはずだけど……」

千早「まだ最深部には到着しない……か」

伊織「全く、ムダにだだっ広いわね!」

律子「でもさすがに、そろそろ終わりも近いはず……ん?」

千早「みんな、気をつけて。通路の奥に、悪の気配が満ち溢れてるわ!」

雪歩「向こうで待ち構えてるの、今まで倒してきた怪獣ですぅ!」

律子「ふーん。リベンジマッチ、ってわけか」

伊織「上等じゃない、片っ端から蹴散らしてやるわ! かかってきなさい!」

ゴルドン「冗談じゃないよ、もうー。ゆっくり寝ていたいのに!」

伊織「ズルッ! あ、あのねえ!」

律子「なら、大人しくしてなさいよ! ラインビーム!」ビュヒャアアアア

ゴルドン「睡眠不足はお肌の敵だぞぉぉぉぉ!」

   ドガーン

78: 2014/12/29(月) 18:25:10.57 ID:bAioj2Q50
ブルトン「みんなの視線が冷たいよー。ダァッダー、ブルブル」

伊織「な、何か調子が狂うわね……」

千早「と、とにかく! マルチギロチン!」ヒュバッヒュバッヒュバッ

ブルトン「ブ……ブルゥゥゥアァァァ!」

   ドガーン

ゼットン「なんでー、アイドルが四人もいるんだよー」

律子「は?」

ゼットン「萩原雪歩と一対一で戦えないだろー、いい加減にしてくれ」

伊織「……雪歩、ご指名みたいだけど?」

雪歩「それなら、相手になりますぅ! ウルトラスピンキックゥゥ!」グルグルンズガアッ

ゼットン「ま、またしても……ゆきぽぉぉぉお!」

   ドガーン

79: 2014/12/29(月) 18:30:11.48 ID:bAioj2Q50
バルタン星人「なんで!? ぼくらをいじめるのー」

千早「別に、いじめてるつもりはないのだけれど……」

バルタン星人「バルタン泣きたくなっちゃう、ニンジャだもの、フォフォフォー」

律子「知らんわ! アイスラッガー!」ヒュゥゥゥゥン

バルタン星人「涙が出ちゃうぅー! ブォー」

   ドガーン

ベムスター「お前ら、星井美希と同じ目に遭わしてやる。バシィ!」

律子「甘い!」サッ

ベムスター「あっ、かわされたか。ちきしょー、勝負だ!」

千早「こいつが、美希をやった張本人ね!」

伊織「美希の無念、思い知りなさい! ウルトラ霞切り!」ズバッ

ベムスター「な、なぜだー! 星井美希は不意打ちで倒せたのにー!」

   ドガーン

80: 2014/12/29(月) 18:35:08.56 ID:bAioj2Q50
グモンガ「へっ。お前らにはわからんだろうが、私が本物のグモンガだ!」

雪歩「え?」

グモンガ「前に現れたのは、偽物なのさ!」

律子「……誰か、こいつ知ってる?」

千早「大方、あずささん辺りと戦ったんじゃないかしら? パンチレーザー!」ピー

グモンガ「この私が……この私がぁぁ!」

   ドガーン

ベル星人「キーンコーンカーンコーン!」

雪歩「ひゃうっ!? な、何ですかぁ!」

ベル星人「765プロの時計の音色より、いい音するでしょー?」

伊織「ふん! 私の家の時計の方が、もっとずっといい音よ!」

千早「み、水瀬さん……張り合ってる場合じゃないと思うけど?」

雪歩「ウルトラブレスレット、ブレスレットボムですぅ!」ヒュンボムッ

ベル星人「ギ……ゴンガン……ゴン」

   ドガーン

81: 2014/12/29(月) 18:40:24.79 ID:bAioj2Q50
レッドギラス「もう負けるわけにはいかないな! ブラックギラス」

ブラックギラス「そうともよ!」

律子「複数の敵か……。ならコレよ、スリーワイドショット!」ガアアアアア

レッドギラス「あー!」

ブラックギラス「れー!」

   ドガーン ドガーン

マグマ星人「菊池真と四条貴音はどこへ行った?」

伊織「あんたに教える義理はないわ!」

律子「そういえば……貴音はともかく、真は本当に音沙汰がないわね……」

雪歩「真ちゃんはやよいちゃんと、各地で暴れてる怪獣をやっつけてるんですぅ!」

千早「つまり、高槻さんと二人っきり……なのね……」

マグマ星人「ふん、逃げるとは卑怯なやつらだ。アイドル達も、大したことないな!」

雪歩「真ちゃんと四条さんの侮辱は許さない! 流星キィィィックぅ!」バギイッ

マグマ星人「お、汚名挽回の機会が……あ、返上だった」

   ドガーン

82: 2014/12/29(月) 18:45:05.32 ID:bAioj2Q50
ガマス「お前達なんて、私の敵ではないわ。倒してやる!」

千早「それはこっちのセリフよ! ダイヤ光線!」グワガガガガ

ガマス「に、二次元サイコー! 二次元バンザーイ!」

   ドガーン

バルタンJr「フォーフォフォフォフォッ。私は宇宙忍者バルタンジュニア」

律子「またバルタン星人? しつこいわね!」

雪歩「この宇宙人のせいで、春香ちゃんと美希ちゃんは石にされちゃったんですぅ!」

千早「なら、我那覇さんを連れ去ったのもあなたなの!」

バルタンJr「それも私……ではない」

雪歩「それなら一体、誰の仕業なんですかぁ!」

伊織「どうせここのボスじゃない? 響を助けるついでに、後でぶっ飛ばしてやるわ!」

バルタンJr「さあ、今度こそ決着をつけよう!」

千早「望むところよ! 切り裂く! ホリゾンタルギロチン!」ズヴァァァッ

バルタンJr「我が一族は不滅です! ブフォォァ」

   ドガーン

83: 2014/12/29(月) 18:50:26.06 ID:bAioj2Q50
ペガッサ星人「地球侵略が失敗に終わったのも、お前達のせいだぞ!」

律子「あのねえ。逆恨みはやめてほしいんだけど?」

ペガッサ星人「覚悟しろ!」

律子「何度戦っても、結果は見えてるわよ! 手裏剣光線!」ピュピュピュピュピュピュ

ペガッサ星人「や、闇の世界の住人に幸あれー!」

   ドガーン

ダリー「お前達の血液を吸って、干物にしてくれるわ!」

律子「こいつは、あずささんの体内で戦った宇宙細菌?」

雪歩「等身大にもなれるなんて、芸達者ですねぇ……」

伊織「干物はアジだけで十分よ! ウルトラフロスト!」ヒュオオオオオ

ダリー「サンマも悪くないぞ……ガクッ」

   ドガーン

84: 2014/12/29(月) 18:55:36.56 ID:bAioj2Q50
セブンロボット「おお、秋月律子! 我が兄弟よ!」

律子「うるさいわ! あんたに、そんなことを言われる覚えはないわよ!」

雪歩「ウルトラブレスレット、ウルトラクロスぅ!」ドシュッ

セブンロボット「お、俺は……りっちゃんに……なりたかった」

   ドガーン

エースロボット「ロボットとして生まれた俺のつらい気持ちが、お前らにわかるか?」

千早「つらい気持ちを味わうのはロボットだけじゃないわ。人間も同じよ……」

雪歩「やあああああっ! ウルトラショットォォォ!」シュワアアビイイイイイ

エースロボット「クックック……本当につらいのはこれからだ……!」

   ドガーン   グニャァァァ

雪歩「ひうっ!?」

85: 2014/12/29(月) 19:00:16.75 ID:bAioj2Q50
雪歩「く、空間が歪んでいきますぅ!」

律子「な、何コレ!? さっきのロボットの仕業なの!?」

伊織「ちょ、ちょっと、どうなってんのよ!?」

千早「み、水瀬さん! 迂闊に動いちゃダメ!」

伊織「うあっ!? か、身体が引っ張られる!?」

律子「ま、まずい! 黒い闇が、私達を包んでいく……!?」

雪歩「い、いやあああああっ!?」

千早「きゃあああああっ!?」

86: 2014/12/29(月) 19:06:19.74 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『四人が目を覚ますと、そこは一面紫色の不気味な空間だった』


律子「う、うーん……はっ!?」

伊織「ここ、どこなのよ?」

雪歩「おそらく、四次元空間……かなぁ?」

千早「萩原さん、どうしてわかるの?」

雪歩「昔ここで春香ちゃんと、亜美ちゃんを助けるために戦ったから……」

律子「それなら、脱出方法は知ってるのね?」

雪歩「はい! 確かここ、765プロの近くにある洞窟に繋がってるはずですぅ!」

律子「オッケー。さっさとここから出て、居住地区に戻るわよ!」

千早「……つまりもう一度、あの長い道のりを越えないといけない……?」

律子「……あ」

雪歩「はぅぅ……とてつもない時間がかかりそうですぅ……」

伊織「きぃぃぃぃ! 何なのよあのロボット! ふざけんじゃないわよぉ!」

律子「全く……嫌がらせにも、限度ってものがあるんじゃない? トホホ……」

87: 2014/12/29(月) 19:10:27.93 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『元の場所に戻るために、彼女達は三日を費やす羽目となった』


千早「や、やっと戻って来られたわね……」

伊織「あーもう! 本っ気でやってられないわ!」

雪歩「つ、疲れたぁ……」

律子「き、気を取り直して仕切り直しよ! 順番的に、次の相手は磔マニアのはず!」

エースキラー「わざわざやられに来たのか!?」

伊織「そんなわけないでしょ? アンタ達を蹴散らしに来たのよ!」

エースキラー「今こそお前らを、全員十字架に張り付けてやる!」

千早「今度は遅れはとらないわ! サーキュラーギロチン!」ヒュッヒュッシュパァァァ

エースキラー「ちーちゃんの磔姿、マジ最高……グハッ!」

   ドガーン

律子「さて……と」

伊織「再生怪獣軍団、残るはアンタ一人よ!」

ヤプール星人「ち、ちきしょう!」

88: 2014/12/29(月) 19:15:16.91 ID:bAioj2Q50
ヤプール星人「偽物を出現させ、お前達の信頼をなくそうと思ったのに!」

律子「は? 偽物?」

伊織「もしかして私が律子と間違えそうになった、あのヘンなロボットのこと?」

律子「だーかーらー! 間違える要素は無かったでしょーが!」

雪歩「でも、どんなに完璧に真似たロボットを作っても、ムダだと思いますぅ」

千早「萩原さんの言うとおりね。私達の友情は、偽物なんかで崩れはしないわ!」

ヤプール星人「ならば、我が手で倒す!」

伊織「どうでもいいけどアンタ、星人なのかそうじゃないのか、はっきりしなさいよ!」

雪歩「一気にケリをつけますぅ! スペシウム光線!」ヴィィィィィ

ヤプール星人「うごおっ、さすがだな……。だが……まだ、本体が……」

   ドカーン

雪歩「とりあえず倒せたみたい……だけど」

千早「本体……?」

伊織「ただの捨てゼリフには思えないわね……」

律子「今ので完全消滅したわけじゃない、ってことか……」

91: 2014/12/29(月) 20:52:04.79 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『激戦を勝ち抜いた四人は、通路の奥へと足を運んだ』


雪歩「あ! 突き当りに扉があるみたいですぅ」

千早「待って、萩原さん。ここにも敵がいるみたいよ」

テンペラー星人「よくぞ、試練を乗り越えてここまで来たな」

律子「親玉のガーディアン、ってとこか……」

伊織「ま、そう簡単には通してくれないわよね」

テンペラー星人「だが、努力もここまでよ! お前達の運命は、ここで終わるのだ!」

千早「それはどうかしら?」

雪歩「運命とは、自分の力で切り開いていくものですぅ!」

92: 2014/12/29(月) 20:55:59.93 ID:bAioj2Q50
律子「伊織、千早、雪歩、一気に片をつけるわ! フォーメーションアタックよ!」

伊織「任せなさいって! グランドスパーク!」ビガビガビガビガァ

千早「受けなさい! メタリウム光線!」ビイイイイイ

雪歩「いっけぇぇぇぇ! シネラマショットォ!」ギャリギャリギャリ

律子「これで! ワイドショット!」ビィィィィィ

テンペラー星人「ぐ……! まさか、ここまで強くなっていようとは……」

   ドガーン

伊織「ざっとこんなもんね! にひひっ!」

雪歩「この扉の奥に、敵のボスがいるのかなぁ?」

律子「おそらく親玉は、さっき戦ったヤプールの本体……ん?」

千早「え? 律子、どうかした?」

律子「……ゴメン、ヤプール星人だったっけ?」

伊織「どっちでもいいわよ!」

雪歩「どっちでもいいですぅ!」

千早「まあ、本気でどっちでもいいわね……」

93: 2014/12/29(月) 21:00:04.03 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『四人が扉を開けると、その先の部屋には』

ナレーターのP『石像にされた響と、ヤプール人の本体が待っていた!』


律子「ようやく、ここまでたどり着けた……」

雪歩「長い道のりでしたねぇ……」

千早「我那覇さん、今助けるわ!」

伊織「ついでに、そこのアンタ!」

雪歩「響ちゃんを石にしたのは、あなたですね!」

伊織「ギタンギタンにしてやるから、覚悟しなさい!」

合体ヤプール「お前達は一体、誰のために戦っているのだ?」

雪歩「私達の愛する地球に住む、みんなの平和を守るためにですぅ!」

合体ヤプール「なぜそこまで、正義、愛、平和にこだわるのだ?」

千早「それが私達にとって、かけがえのない物だからよ!」

合体ヤプール「ふふ……もっと自分に素直になったらどうだ?」

94: 2014/12/29(月) 21:04:43.97 ID:bAioj2Q50
合体ヤプール「そうすれば私のように楽しく生きられるぞ、アイドル達よ!」

律子「だまりなさい! 御託は結構!」

合体ヤプール「フッ、かわいいものだな……氏ね、ア・イ・ド・ル・達!」


ナレーターのP『いよいよ最後の決戦だ! 響を助けて、地球に平和を取り戻そう!』


雪歩「てやぁぁぁぁあ! ウルトラハリケーン!」ギュインギュインギュイィィィン

千早「萩原さんが、ヤツを高速回転させながら空中に吹き飛ばしたわ!」

雪歩「今なら敵は無防備のはずだよぉ! トドメはお願いしますぅ!」

伊織「春香、みんな、私に力を貸して! マリンスペシウム光線!」シュバアアアアア

律子「ここで全てを終わらせる! リュウ弾ショット!」ギュウウウウドギュゥゥゥン

千早「最後よ! ギロチンショット!」キィィィィバシュウ

合体ヤプール「ゴ、ゴアアアアアアッ!」

   ドカーン

千早「勝ったわ!」

雪歩「悪は滅びましたぁ! 私達の勝利ですぅ!」

95: 2014/12/29(月) 21:07:56.84 ID:bAioj2Q50
ナレーターのP『四人が響を連れて765プロに戻ると、そこには石像にされた春香と美希』

ナレーターのP『そして、残りのアイドル達が全員揃っていた』


真「あ! 律子達が帰ってきたぞ!」

小鳥「みんな、お帰りなさい!」

亜美「りっちゃーん! ゆきぴょーん!」

真美「いおりーん! 千早お姉ちゃーん!」

やよい「うっうー! 響さん、助けられたんですね!」

律子「と言っても、まだ石像のままなんだけどね……」

社長「秋月君、よくやってくれたね!」

律子「いえいえ。私は、当然のことをしただけですから!」

社長「水瀬君、ありがとう!」

伊織「私がもう少し早く気づいてれば、もっと早く解決できたのに!」

社長「如月君、無事で何よりだよ!」

千早「余計な心配をおかけして……本当にすみませんでした」

96: 2014/12/29(月) 21:12:24.32 ID:bAioj2Q50
社長「そして萩原君。今回の旅は萩原君にとって、長く、そしてつらい旅だったね」

雪歩「私のことよりも春香ちゃんや美希ちゃん、それに響ちゃんの方が心配ですぅ」

真「そうだね。でも、大丈夫! 元に戻す方法がわかったんだ!」

貴音「わたくし達の力を集結して復活を強く祈れば、石化は解けることでしょう」

あずさ「さあ! 全員の心を一つにして……マザーシャワー!」シャワアアアアア


ナレーターのP『みんなの祈りを受け、あずささんが放った暖かい光流は』

ナレーターのP『春香と美希、響の石化を解くことに成功した! お見事!』


美希「う……ん。こ、ここは……?」

雪歩「やったぁ! 三人とも、元の姿に戻ったよぉ!」

春香「そっか! みんなが力を合わせて悪を倒し、私達を助けてくれたんだね!」

律子「ま、そんな所かしらね?」

伊織「感謝しなさいよ!」

春香「みんなの活躍、私はとっても嬉しいよ!」

美希「心配かけて、本当にごめんなさいなの!」

97: 2014/12/29(月) 21:16:04.22 ID:bAioj2Q50
律子「さてと! これで、全員が勢揃いしたかしら?」

伊織「ね! 夜も更けてきたし、これから屋上に行かない?」

千早「あら、いいわね。再びこんなことを起こさないためにも」

雪歩「みんなの心を一つに合わせて、光輝く星に誓い合おう!」



ナレーターのP『かくして、アイドル達のつらく長きにわたる戦いは、今終わった』

ナレーターのP『そう、平和が戻ったのだ! この広大無限に広がる地球に!』

ナレーターのP『ありがとう、765プロのアイドル達!』



   END



   カチッ

98: 2014/12/29(月) 21:20:17.76 ID:bAioj2Q50
   現実世界の765プロ 会議室

P「お、終わり……みたいだな」

小鳥「こ、これでエンディング……ですか?」

春香「…………」

千早「…………」

雪歩「…………」

やよい「…………」

律子「…………」

あずさ「…………」

伊織「…………」

真「…………」

亜美「…………」

真美「…………」

美希「…………」

貴音「…………」

響「…………」

P(アカン)

99: 2014/12/29(月) 21:24:16.42 ID:bAioj2Q50
P「あ、あーっと……まあ……何だ、その……」

小鳥「な、何か感想があれば、どんどん言ってほしいんだけど……」

やよい「は、はい! ま、まあまあ面白かったんじゃないかなーって――」

春香「プ、プ、プロデューサーさん!」

やよい「はわっ!?」

P「お、おう! 何だ!?」

春香「わ、私、主役だと思ってたのに! 実は、囚われのお姫様役だったんですか!?」

美希「春香は最初に活躍してるからまだいいの! ミキの扱い、ヒドイすぎるのー!」

真「ボクだって! 中盤で、ちょっと出ただけですよ!」

やよい「そ、そういえば私も……セリフ、全部で二行しかありませんでした……」

亜美「っていうか亜美達って、そもそも戦ってすらいないじゃん!」

真美「社長とかあまとう達より出番が少ないって、絶対おかしいっしょ!」

千早「私も後半しか出番がなかったけど、まだマシな方なのかしら……?」

P「う、うーん……。見せ場に偏りがあるのは、どう考えても間違いないよな……」

小鳥「いくらなんでも、もう少し何とかできなかったんでしょうか……?」

100: 2014/12/29(月) 21:28:07.96 ID:bAioj2Q50
あずさ「で、でも……シナリオも、何だかあっさりしすぎじゃないでしょうか~?」

小鳥「ラスボス戦とかエンディングとか、えらくサラッと終わりましたもんね……」

P「そもそもこのストーリーだと、2208プロとコラボした意味あったんですかね……?」

伊織「全体的に、怪獣のセリフがテキトーなのよ! 特に、最後のボスラッシュとか!」

貴音「戦いも、ほぼ必殺技で一撃のようでしたが……少々、味気ないのでは?」

律子「というか、どーして途中のザコ敵っぽいのに一番手こずってるんですか!」

雪歩「怪獣さん達の扱い方、2208プロのファンの人達に怒られないでしょうか……?」

小鳥「う……それは……」

P「正直、メチャクチャ怒られそうな気がするぞ……」

響「プロデューサー! じ、自分、自分、うぅ……」

P「ひ、響……?」

響「自分、一言ぐらいセリフが欲しかったぞー! うわあああん!」

P「わ、わかった! みんなの意見はよぉくわかった!」

小鳥「きょ、今日のテストプレイの結果は、ちゃんと社長に報告しておくわ!」

P「そ、それじゃあこれでお開きだ! 解散! これにてかいさーん!」

101: 2014/12/29(月) 21:32:08.35 ID:bAioj2Q50
   一か月後 765プロ 会議室

小鳥「社長がみんなの意見を踏まえ、ゲームを改良したそうですけど……」

P「おお、本当ですか!」

小鳥「でも……はあぁ……」

P「ど、どうしたんです、ため息なんかついて? 一体、どこがどう変わったんです?」

小鳥「まず、ジャンルが変更されました」

P「へ? ジャンル?」

小鳥「先のノベル形式から、RPG形式に生まれ変わったそうです」

P「……何というか、随分と大胆にモデルチェンジしましたね」

小鳥「複雑なダンジョンが盛り込まれ、ゲーム性のある作品に生まれ変わったとか」

P「ふ、ふーん……? ホントかなぁ……?」

小鳥「特にラストダンジョンは、半端なく広大な迷路に仕上がってるそうです」

P「半端なく……? 具体的に、攻略にはどのぐらいの時間がかかるんですか?」

小鳥「社長はザコ戦も含めて、三時間ぐらいはかかるって言ってました」

P「それ、いくらなんでも長すぎじゃないか……ん?」

102: 2014/12/29(月) 21:35:58.97 ID:bAioj2Q50
P「待った! ちょっと待ってください!」

小鳥「……何でしょう?」

P「確か最後の方で、敵のロボットに異次元へ飛ばされるイベントがありましたよね!?」

小鳥「……気がついちゃいましたか」

P「もしも、あれが再現されてたら……」

小鳥「最低三時間かかる迷路みたいなダンジョンを、二回も攻略するはめに……」

P「…………」

小鳥「…………」

P「無理無理無理! 心折れますって、絶対!」

小鳥「ですよねぇ……」

P「あ! もしかして何度でも楽しめる、飽きがこない戦闘システムが――」

小鳥「本気で組み込まれてると思います?」

P「え、ええっと……」

小鳥「あ、そうそう。戦闘と言えば、ボス戦は必殺技が一切使えないらしいです」

P「は!?」

103: 2014/12/29(月) 21:39:56.36 ID:bAioj2Q50
P「何だそりゃ!? どうしてそんな意味不明なことをする必要が!?」

小鳥「必殺技が強すぎて味気ない、っていう意見を反映した結果みたいですけど……」

P「極端すぎる! 使えなきゃ使えないで盛り上がらないですよ! 確実に!」 

小鳥「ただの殴り合いですもんね……。そしてもう一つ、残念なお知らせがあります」

P「まだあるんですかい!? 今度は何ですか!?」

小鳥「シナリオや怪獣のセリフ回しは、一切変わってないみたいです」

P「まずはそこを変えるべきだろ社長! ってことは、春香は?」

小鳥「序盤で離脱します」

P「美希は?」

小鳥「ベムスターにやられて、以後復帰しません」

P「響のセリフは?」

小鳥「ありません」

P「…………」

小鳥「…………」

104: 2014/12/29(月) 21:43:00.05 ID:bAioj2Q50
P「小鳥さん! 俺、もう一回作り直すように、今から社長に頼んできます!」

小鳥「プロデューサーさん。残念ながら、それは無理なんです」

P「どうしてですか!」

小鳥「もう、全ては遅すぎるからです」

P「そんなことはありません! しっかりと問題点を説明すれば、きっと社長も――」

小鳥「でも発売日、今日ですよ?」

P「え」

小鳥「…………」

P「……ウソ」

小鳥「ホントです」

P「…………」

小鳥「…………」

P「…………」

小鳥「…………」

P「ノ、ノオオオォォォォ!」

105: 2014/12/29(月) 21:45:02.99 ID:bAioj2Q50
P「かくして、ゲームソフト『ウルトラim@s倶楽部』は発売されてしまった」

P「ネームバリューを最大限に活かし、初日に爆発的な売上を見せた本作は」

P「以後数週間の間、色んな意味でネットを大いに賑わすこととなるのだが」

P「それはまた、別の機会に語るとしよう……」



   おしまい

106: 2014/12/29(月) 21:45:46.51 ID:bAioj2Q50
以上になります。

ク○ゲーの呼び声が高い原作ですが、光る部分もなかったわけではない……はずです。

原作をプレイしてる方にも覗いていただけたようで、とても嬉しく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

107: 2014/12/30(火) 09:56:39.03 ID:4zLNLsYq0
乙!

108: 2014/12/30(火) 13:06:10.49 ID:4lShDE3AO
うっわウルトラマン倶楽部3とか懐かしい
ステージ3か4のレオとキングだけでギラス兄弟+マグマ星人倒すとこで詰んだわ

乙スラッガー!

引用元: P「ゲームソフト『ウルトラim@s倶楽部』」