10: 2008/02/29(金) 20:53:34.05 ID:xQyUut7iO
古泉「亜空間にバラまいてやる!」

ハルヒ「うーん、なんか違うのよねえ……」

古泉「はあ……」

ハルヒ「こう、もう少し迫力があるように出来ないかしら」

古泉「やってみます」

古泉「亜空間にバラまいてやる!!」

ハルヒ「んー、なーんか違うのよねえ。……今日はここまでにしましょうか」

ふう、やっと今日は終わりか。
今俺達は文化祭に向けて、去年の映画の続編を撮影していたところだ。
涼宮ハルヒの憂鬱(20) (角川コミックス・エース)

12: 2008/02/29(金) 21:02:05.53 ID:xQyUut7iO
キョン「お疲れさん」

古泉「今日はすみませんでした。結局、僕のあの台詞だけで1日が終わってしまって……」

そうなのだ。
何故かハルヒはあの台詞に妙に力を入れていて、今日は一日中演技指導で終わってしまったのだ。

キョン「ま、仕方ないさ。ハルヒのこだわりはハンパないからな」

古泉「ですね」

キョン「長門も、もうそれ脱いだらどうだ」

長門「そうする」

そういうと、寡黙な宇宙人は去年も着ていた魔女の帽子とマントを脱ぎ始めた。
まったく、去年の続編だからとはいえ長門も大変だな。

15: 2008/02/29(金) 21:08:49.84 ID:xQyUut7iO
ハルヒ「さ、みんな帰るわよ」

団長様から声がかかり、俺達は部室から出た。


……ああ、そうだ。あいつに伝えないといけない事があったな。

古泉「あの」

キョン「古泉」

なんだ、珍しくかぶったな。

古泉「あ、お先にどうぞ」

キョン「ああ、すまないな」

古泉「いえいえ。それで、何ですか?」

キョン「いや、さっきの台詞の事だがな、ハルヒの要求がキツくなる前に適当なとこで撮っちまわないか」

古泉「と言いますと?」

16: 2008/02/29(金) 21:15:07.42 ID:xQyUut7iO
キョン「明日、ハルヒが来る前に先に撮っておこうぜ」

キョン「そうしとけばハルヒだって取りあえず先に進めるだろうしさ」

古泉「なるほど。そうですね、それもいいかもしれません」

キョン「それで、お前はさっき何を言いかけたんだ?」

古泉「ええ、実は……」

キョン「顔が近いぞ」

古泉「ふふ、すいません。…………去年のように、今年も涼宮さんが力を使ってしまうかもしれません」

キョン「まさか、もう何か変化があったのか?」

古泉「いえ、まだ可能性の段階です」

18: 2008/02/29(金) 21:19:29.10 ID:xQyUut7iO
キョン「それなら……」

古泉「一応、心の準備を、と思いまして」

キョン「そうか…………そうだな」

長門「確かにその可能性を考慮しておいた方がいい」

うっ、なんだ、聞いていたのか。

長門「情報統合思念体も、度重なる改変でこの宇宙が不安定になることを危惧している」

20: 2008/02/29(金) 21:26:08.13 ID:xQyUut7iO
宇宙人からも警告され、あいつも神妙な顔つきになった。
悩む顔が似合っていないがな。



まあいいだろう。
宇宙人からの警告は計算外だったが、こちらとしても好都合だ。



こちらの計画になんら問題もない。
むしろ、大分やりやすくなったというものだ。

ハルヒ「それじゃあね」

皆それぞれの家路につく。
さあ、それじゃあ計画を実行しよう。
明日が楽しみだ。

22: 2008/02/29(金) 21:29:23.64 ID:xQyUut7iO
ハルヒ「亜空間にバラまいてやる!!」

ハルヒ「んー、やっぱり違うわねー」

ハルヒ「顔の凄みとかじゃなくて……」



ハルヒ「亜空間にバラまいてやるッ!!!」

ハルヒ「あ、今のいいかも!」

ハルヒ「早速古泉君に……」



ハルヒ「………………出ないわねえ。ま、いいわ。明日にしましょ」

23: 2008/02/29(金) 21:32:25.97 ID:xQyUut7iO
みくる「わ、私は未来からやってきましゅ、……また噛んじゃいました……」

みくる「うー、どうしたら上手くセリフが言えるんだろ」

みくる「私は未来かりゃ」

みくる「………………」

みくる「うう……」

25: 2008/02/29(金) 21:39:30.45 ID:xQyUut7iO
明日……あのセリフを撮るなら、あいつはここに立つだろ。

って事は……これは……で……ここに……。

……よし、準備はこれでいいな。
明日は寝坊したって事にして遅れていけばいい。
宇宙的な情報操作とかはハルヒの前じゃ出来ないだろうからな。

「何をしているんですか?」

な、なんでここに……。
いや、落ち着け……。

「ああ、喜緑さん。明日のSOS団の映画撮影の準備ですよ」

27: 2008/02/29(金) 21:46:48.23 ID:xQyUut7iO
「そうですか」

「ええ」

「……それにしては、このような物騒なモノがありますけど」

やはり目ざとい。
宇宙人とやらは皆こうなのだろうか。

「それは撮影にリアリティを出すために」

「嘘ですね」

仕方ないな。
多分長門と連絡を取っているだろうが、どうせこちらをただの人間とでもなめきっているだろう。
まだ奴らの前では、これは見せていないしな。

「な……何故あなたにこんな事が出来るんですか!?」

29: 2008/02/29(金) 21:52:23.66 ID:xQyUut7iO
「さあ、ね」

「そんな事より、さっさとお得意の情報操作とやらをしたらどうだ?」

「言われなくとも……」

「……え?」

出来るわけがない。

俺が行ったのは、俺と喜緑を含む半径10m程度の閉鎖空間の作成。
だが、この空間の中では俺以外は何の能力も使えない。
今までに何人かの超能力者で試しているから間違いない。

………………さあ、パーティの始まりだ。

31: 2008/02/29(金) 21:58:03.71 ID:xQyUut7iO
長門「喜緑エミリの反応が消失」

長門「反応消失直前に行っていた行動を分析」

長門「…………なぜ」

長門「喜緑エミリが消失する前後一時間の情報が消失している」

長門「このような事が出来る存在は……」

長門「バックアップとして朝倉涼子の再構成を要請」

長門「……不許可。情報統合思念体も混乱している」

長門「一体何が」

32: 2008/02/29(金) 22:02:05.32 ID:xQyUut7iO
キョン「悪い、古泉。寝坊しちまった」

古泉「ああ、いえ、実は僕も今日は遅れてしまいまして」

キョン「なんだ、珍しいな」

古泉「昨日、あれからセリフの練習をしましてね」

キョン「それで寝不足って訳か?」

古泉「お恥ずかしながら」

ハルヒ「おっはよー! あらキョン! 珍しく早いわね!」

キョン「たまにはな」

33: 2008/02/29(金) 22:06:10.94 ID:xQyUut7iO
古泉「彼には僕のセリフの練習を見てもらおうと思いまして、早く来ていただいたのですよ」

ハルヒ「あら、そうなの?」

古泉「ええ」

ハルヒ「それじゃ、ちょっと見せてもらえる?」

古泉「はい」

古泉「亜空間にバラまいてやる!!!」

キョン「お、良くなったんじゃないか?」

ハルヒ「昨日よりは良くなったけどね。ちょっと見ててもらえる?」

古泉「はあ」

ハルヒ「亜空間にバラまいてやるッ!!!」

35: 2008/02/29(金) 22:14:35.85 ID:xQyUut7iO
そして全員集まり、撮影が再開した。

…………正直、さっきのハルヒの演技はかなり恐怖を感じる程だった。
が、そのかいがあってセリフもよくなったな。

古泉「亜空間にバラまいてやるッ!!!」

ハルヒ「はい、カット! いいわよ、古泉君!」

古泉「恐縮です」

ハルヒ「さ、一休みしたら次のシーンね! みくるちゃん、準備はいい?」

みくる「は、はい!」

…………よし、計画通りだ。
このまま上手く行けば、俺達の時代を好き勝手にいじくるやつはいなくなる。

36: 2008/02/29(金) 22:30:40.12 ID:xQyUut7iO
ハルヒ「よーい、スタート!」

みくる「わ、私はみりゃいかりゃきましゅた!」

ハルヒ「カーット! みくるちゃん噛みすぎよ!」

みくる「すいません……」

ハルヒ「まあ少しくらいならいいけど、さっきのはねえ」

みくる「頑張ります!」

ああ、そうだ。
頑張ってもらわないと困る。
シーンがあと少し進まないと仕掛けが作動しないからな。


ハルヒ「さ、いくわよ! よーい、スタート!」

みくる「私は未来からきましゅた!」

長門「知っている」

38: 2008/02/29(金) 22:35:20.11 ID:xQyUut7iO
みくる「この世界を、あなた達の自由にはさせましぇん!」

みくる「か、覚悟ー!」

ここだ!

古泉「朝比奈さん!?」

みくる「ふぇ?」

長門に走り寄ろうとした未来人は、頭上から落ちてきたレンガの下敷きになった。
学校の屋上から落ちてきたんだ、無事ではすまないだろう。

ハルヒ「え……みくるちゃん?」

キョン「大丈夫ですか、朝比奈さん!」

さあ、近づいて様子を確認しないとな。

39: 2008/02/29(金) 22:40:36.51 ID:xQyUut7iO
結論から言うと、今回は俺の計画どおりになった。

ハルヒ「みくるちゃんが……」

古泉「あれだけのレンガが頭に直撃したのですから……」

長門「………………」

やはり今回は宇宙人の情報操作は行われなかった。
まあハルヒの目の前であれだけ絶望的な状況を見せたんだ。操作しようがないだろう。

キョン「……朝比奈さん……」

さあ、次は宇宙人だ。

40: 2008/02/29(金) 22:44:13.65 ID:xQyUut7iO
ハルヒ「みくるちゃん……」

ハルヒ「私があんな所で映画なんて撮らなければ……」

ハルヒ「ごめんなさい……ごめんなさい……」

ハルヒ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
    ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
    ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

43: 2008/02/29(金) 22:47:28.87 ID:xQyUut7iO
>>38NGシーン


さあ、近づいて様子を確認しないとな。




みくる「ふんぬっ!!」



ハルヒ「え? みくるちゃん?」

古泉「は?」

キョン「へ?」

みくる「この程度で我が命、取ることなぞ出来ぬわ!!!」

ずこー。

46: 2008/02/29(金) 22:50:21.37 ID:xQyUut7iO
いや、なんかすいません

いつもと書き方変えてるせいもあって頭が煮詰まりそうだったもので



以下何事もなく続き

48: 2008/02/29(金) 22:58:20.48 ID:xQyUut7iO
ハルヒ「ねえ、みんな……」

キョン「なんだ?」

古泉「どうしました、涼宮さん」

ハルヒ「あのね……」

キョン「おう」

ハルヒ「み、みくるちゃんが、あんな事になっちゃった、でしょ?」

キョン「ハルヒ、少し落ち着け」

古泉「これで涙を拭いて下さい」

ハルヒ「ありがと……」

ハルヒ「………………それでね、私考えたの」

ハルヒ「映画、撮るの中止しましょう」

50: 2008/02/29(金) 23:05:01.64 ID:xQyUut7iO
古泉「………………」

長門「………………」

キョン「そうした方がいいかもしれないな…………」

ハルヒ「そう、でしょ?」

キョン「ああ、確かに朝比奈さんの事は不幸な事故だった」

キョン「鶴屋さんなんて、その事を聞いてからずっと泣いてるらしい」

ハルヒ「……………」

キョン「映画なんて撮ってる場合じゃない、よな」

ハルヒ「…………ぐす…………」

51: 2008/02/29(金) 23:15:35.81 ID:xQyUut7iO
こうも上手く行くと、ある意味笑えないな。
さて、これで映画撮影なんてくだらない事もなくなった。

宇宙人が接触してくるならそろそろのはず……。

長門「…………本」

キョン「え?」

長門「今日、読んで」

ハルヒ「有希、こんな時に本なんて……」

キョン「いや、こんな時だからこそ、煮詰まった頭をリラックスさせるのも必要じゃないか?」

ハルヒ「…………そう、ね」

はっは、何もかも思い通りだ。
やはり俺はツイている。

52: 2008/02/29(金) 23:19:22.53 ID:xQyUut7iO


ハルヒ「有希が行方不明!?」

キョン「ああ……」

古泉「まさか……」

キョン「ハルヒ! どこに行くつもりだ!」

ハルヒ「決まってるでしょ! 有希を探しに行くのよ!」

古泉「落ち着いて下さい!」

キョン「古泉の言う通りだ。探すにしても、もう警察がやってくれてる」

ハルヒ「でも!」

キョン「俺達が行っても邪魔になるだけだ」

53: 2008/02/29(金) 23:23:50.72 ID:xQyUut7iO
ハルヒ「あんた達は心配じゃないの!?」

キョン「心配に決まってる!」

ハルヒ「!」

古泉「涼宮さん……僕も彼も、もちろん心配です……ですが、やはりここは警察に任せるのがベストではないかと」

ハルヒ「分かった……わよ」

まあもうこの世にゃいないけどな。
喜緑をやった時のように簡単にいった。
むしろこっちが、マンションから出て来る所を待ち伏せ出来ただけ楽勝だったな。

55: 2008/02/29(金) 23:30:40.72 ID:xQyUut7iO
キョン「なあ、古泉」

古泉「はい」

キョン「お前、今回のことで何か知ってる事はないか?」

古泉「いえ、残念ながら……」

よし、これでいいだろう。
単純なこいつの事だ。
もう俺を疑うなんて事はないだろう。

まあ疑われるような行動はこいつの前ではしてないけどな。

ようやく、俺達の世界を未来人や宇宙人から取り戻した。
さあ、それじゃあ仕上げといこうか。

58: 2008/02/29(金) 23:42:22.22 ID:xQyUut7iO
古泉「少しよろしいでしょうか」

キョン「ん? ああ」

古泉「あなたは今回の事件、どうお考えですか?」

キョン「そうだな、あの長門までやられたんだ……例の新手の宇宙人の仕業じゃないのか?」

古泉「いえ、そんな事ではありません」

キョン「な、何がそんな事だよ!」

古泉「未来人と宇宙人がいなくなった事により、僕達、この惑星(ほし)、この時代に生きる人間に自由が戻ってきたのですよ!」

キョン「古泉……?」

古泉「今まではこの世界は僕達のものではなかった!」

古泉「常に未来からは干渉され、宇宙からは監視されてきた!」

古泉「でもこれからは違う! 自由! 最高じゃないか!」

60: 2008/02/29(金) 23:46:44.32 ID:xQyUut7iO
キョン「古泉、まさかお前……」

古泉「ああ、そうだ! 未来人も宇宙人も俺がやった!」

古泉「そして! 今、ここでお前も消せば、涼宮ハルヒは俺のもんだ!!」

キョン「な……」

古泉「もうお前を守るやつはいない」

古泉「さあ、豚のような悲鳴を上げろ」

62: 2008/02/29(金) 23:53:05.43 ID:xQyUut7iO
空間を閉鎖し、あのマヌケ面を閉じ込める。
ああ、そうだ。全てはこの時の為に準備してきたんだ。



機関に気付かれないように敵対組織に接触し。
天蓋領域から力をもらい。
それらを試す為に俺に力を与えたマヌケ共をぶち頃した。

ああ、まったく莫迦なやつらだった。
適当な言葉に騙され、簡単に俺に殺されてくれるのだから。

さあ始めよう。最後のショータイムだ。

63: 2008/02/29(金) 23:58:28.65 ID:xQyUut7iO
キョン「な、なんだここは!?」

古泉「どうせ氏ぬんだ。知らなくてもいいだろう」

キョン「な……」

古泉「さあ、氏」

朝倉「はい、そこまで」

キョン「朝倉!?」

古泉「な!? 何故ここが!?」

朝倉「あら、側面の情報封鎖が甘いわよ? だから私に気づかれちゃう。侵入を許すの」

キョン「なんでお前が……」

朝倉「長門さんが消える前日にね、もし何かあったら私を再構成するように、って。上の方が頭堅くて今まで時間かかっちゃったけどね」

65: 2008/03/01(土) 00:05:41.30 ID:l3zxMro9O
キョン「長門……」

朝倉「あの時はごめんなさい。でもね、今はあなたを助けるためにここにいるの」

朝倉「信じて」

キョン「朝倉……」

古泉「は、お前に何が出来る!」

古泉「この空間では、俺以外の存在は特殊な能力は使えない! お前もただの女にしかすぎない!」

朝倉「そうね。だから喜緑さんも長門もやられちゃったんだものね」

朝倉「両手足を切断された挙げ句、首をはね飛ばされて、ね」

古泉「…………何故、知っている」

古泉「いくらこの空間の情報封鎖が甘くとも、俺は完璧に事実を隠蔽したはずだ! そう天蓋領域から力をもらった!」

67: 2008/03/01(土) 00:12:14.80 ID:l3zxMro9O
朝倉「あなたがいくら完璧に事実を隠蔽しても」

朝倉「長門さんはその時既に思念体にその可能性を伝えていた」

朝倉「それさえ分かれば、人間ごときの情報操作なんてどうにでもなるのよ?」

古泉「ぐ……だが! それでもお前はここでは情報操作を使えない!」

朝倉「そうね。でも……」

古泉「な……いつの間に後ろに……」

朝倉「最初からインターフェイスの機動力を最大限にしておけばいいだけよ」

古泉「くそ……」

71: 2008/03/01(土) 00:17:32.73 ID:l3zxMro9O
朝倉「じゃあ、氏ん……」

キョン「ちょっと待ってくれ!」

朝倉「え?」

キョン「なあ、古泉。お前なんでこんな事したんだ」

古泉「お前はやっぱり莫迦だな」

古泉「さっき言っただろう。この世界を俺達の手に戻す、と」

古泉「そして、さらにお前を消して涼宮ハルヒを手に入れ、世界を俺のものにしたかったんだよ」

キョン「………………」

キョン「なんで、どうしてそんなになっちまったんだよ……」

72: 2008/03/01(土) 00:25:38.90 ID:l3zxMro9O
古泉「もう、嫌だったんだよ……」

古泉「命がけで化け物を倒すのも」

古泉「機関の命令で朝比奈みくるや長門有希を監視するのも」

古泉「お前の、ああそうだ! 莫迦なお前の涼宮ハルヒに対する態度も!」

古泉「なんでだ!」

古泉「どうして俺がこんな事をしなきゃいけない!」

古泉「最初は耐えられたさ! 涼宮ハルヒの笑顔の為だと!」

古泉「でも! 俺がここに来た時には既にお前がいた! 彼女の気持ちはお前に向いていたんだ!」

古泉「それでも俺は任務をこなしたさ。彼女の為に。決して気付かれる事のない任務を」

古泉「まるで俺は道化じゃないか……」

73: 2008/03/01(土) 00:29:08.01 ID:l3zxMro9O
キョン「古泉……」

古泉「さあ、俺を殺せ」

古泉「じゃないとこの空間からは出られないぜ」

朝倉「古泉君の言っている事は本当よ」

キョン「何……」

朝倉「どうする、キョン君。私はあなたに従うわ」

キョン「く……」




キョン「………………朝倉」

74: 2008/03/01(土) 00:34:50.73 ID:l3zxMro9O
キョン「よう、ハルヒ」

ハルヒ「ああ、おはようキョン」

キョン「なんだ? 機嫌悪そうだな」

ハルヒ「ちょっとね……嫌な夢見たのよ」

朝倉「涼宮さん、おはよう!」

ハルヒ「おはよう、涼子。ああ、ちょうど良かったわ。今日の部活の事なんだけど……」


あの後、俺は朝倉に記憶を操作してもらった。
朝比奈さんや長門、そして古泉も、最初から居なかったのだと。
情報統合思念体なら、みんなを生き返らせる事も出来たかもしれない。
でも、それはしない方がいいと思ったんだ。

75: 2008/03/01(土) 00:42:43.09 ID:l3zxMro9O
朝倉に聞いたら、氏人を蘇らせるよりも、最初からいなかった事にする方がリスクも少ないらしい。
今ではみんなの事を覚えているのは俺と朝倉だけだ。

ハルヒは何もかもすっかり忘れて、朝倉と仲良くやっている。
結局SOS団は無かった事になり、俺たちは文芸部として活動していた。

ハルヒ「それで、今度の機関誌に書こうと思ってる小説なんだけどね」

朝倉「うんうん」

ハルヒ「宇宙人、未来人、超能力者が出て来る話を書こうかと思うのよ!」

ハルヒ「そうね、超能力者の決めセリフは……」

ハルヒ「亜空間にバラまいてやるッ!!!」

ハルヒ「なんてどうかしら」

79: 2008/03/01(土) 00:47:54.39 ID:l3zxMro9O
キョン「てな夢を見たんだが」

長門「ユニーク」

キョン「いや、長門?」

長門「……その夢は可能性」

キョン「は?」

長門「宇宙を流れる時間の流れは一定のように見えて、実は多数に分岐している」

長門「例えば、先ほどあなたの言ったような世界もあれば、朝倉涼子が消えていない世界もあるかもしれない」

キョン「じゃあ、あの夢は、パラレルワールドを覗いたって事か?」

長門「かも、しれない」

長門「実にユニーク」



終わり

82: 2008/03/01(土) 00:50:55.07 ID:l3zxMro9O
はい、パイナポゥだよ

何人の人が犯人を予想出来たかな?
今回は敢えて叙述トリックとか言うのをやってみたくてこんな風になりました
みくるでばれないように話し方も抑えたしね!
朝倉を活躍させられて満足です


それでは最後に

朝倉は俺の嫁

83: 2008/03/01(土) 00:51:35.45 ID:CLD4rtaCO
ちょww夢オチwww
おかげで救われたがww

良作だった

89: 2008/03/01(土) 01:44:19.50 ID:l3zxMro9O
この落書きを見て振り向いた時

谷口「…………?」

お前は

谷口「………………」

氏ぬ

谷口「…………はっ?」

谷口「危ない! キョン!」

キョン「谷口?」

キョン「おい、冗談だろ谷口ィィィイイ!」

古泉「谷口は」

古泉「亜空間でバラバラになって氏んだ」

91: 2008/03/01(土) 01:47:57.95 ID:l3zxMro9O
古泉「次はおま」

キョン「谷口め……使えんやつだ」

古泉「へ?」

キョン「あんなやつなど不要!」

キョン「このキョン! ただ一人でも成し遂げてみせる!」

古泉「うぎゃーやられたー」

国木田「さすがキョン! 僕たちに出来ない事を平然とやってのけるッ!」

ちゅるや「そこに痺れる憧れるにょろ」

93: 2008/03/01(土) 01:51:35.62 ID:l3zxMro9O
ハルヒ「カーット! オッケーい」

キョン「ふう」

谷口「なあ、やっぱり納得いかないんだが」

ハルヒ「うるっさいわね、いいのよ、これで!」

古泉「今回の映画も傑作になりそうですね」

ハルヒ「でしょ!?」

ハルヒ「みんな、私についてきなさい!!」



終わり

94: 2008/03/01(土) 01:52:09.89 ID:l3zxMro9O
スレタイまんまだとこうなってた

引用元: 古泉「亜空間にバラまいてやる!!」