15: 2008/04/19(土) 00:52:53.23 ID:vsKOEAiRO
長門「…………どらやき」

キョン「どらやきがどうしたんだ?」

長門「…………見当たらない」

キョン「そこにあるのは、違うのか?」

長門「これは中身がカスタードクリーム。私はこしあん派」

キョン「そ、そうなのか」

17: 2008/04/19(土) 00:54:52.73 ID:vsKOEAiRO
長門「…………どらやき」

キョン「そんなに食べたかったのか?」

長門「………………」コクッ

キョン「じゃあ、帰りにコンビニで買っていこうか」

長門「………………」コクッ

キョン「よしっ、きまりだな」

22: 2008/04/19(土) 00:59:10.02 ID:vsKOEAiRO
ビリッ ガサガサ

もぐもぐ

長門「………………」

長門「カスタードも、悪くはない」

長門「………………♪」



古泉「おや、僕のドラ焼きは……」

長門「…………知らない」

25: 2008/04/19(土) 01:09:09.63 ID:vsKOEAiRO
古泉「長門さん、口のまわりにカスタードが……」

長門「…………知らない」

古泉「長門さん、手に持っているドラ焼きの袋は……」

長門「…………落ちていた」

古泉「長門さん、カスタードはおいしかったですか」

長門「悪くはなかった」

29: 2008/04/19(土) 01:28:25.50 ID:vsKOEAiRO
古泉「…………食べましたね?」

長門「…………ない」

古泉「………………」

長門「………………」

古泉「………………」

長門「………………」

古泉「ふんもっふ!!」

長門「ッッ!!!!」ビクッ!!

32: 2008/04/19(土) 01:49:36.73 ID:vsKOEAiRO
古泉「食物の恨みは恐ろしいと言います」

長門「…………」ビクビク

古泉「これは僕も本気にならざるをえませんね」

長門「古泉樹、冷静になったほうがいい」

古泉「ふんもっふ!!」

長門「ッッ!!」ビクッ!!

33: 2008/04/19(土) 01:50:43.76 ID:nPwi2TKJ0
こんなので吹いちゃうなんて…悔しいッ

34: 2008/04/19(土) 01:54:09.89 ID:vsKOEAiRO
キョン「ま、まってくれ、長門をいじめないでやってくれ!!」

古泉「いえ、私の気が済みません」

長門「………………」ジワリ

キョン「お、俺なんだ!!ドラ焼きを食べたのは実は俺なんだ!!」

古泉「あなたが、ですか?」

長門「………………」グスッ

キョン「長門の手に持つ袋は、俺が放っておいたゴミを長門が拾っただけなんだ」

36: 2008/04/19(土) 02:00:19.21 ID:vsKOEAiRO
古泉「…………ふむ。確かに、それなら彼女がドラ焼きの袋を持っていることは
  おかしなことではありませんね」

キョン「だ、だろ!?」

長門(私のどらやき、ポケットに入っていた……)グスッ

古泉「しかし、問題はそれだけではないのですよ?」

キョン「なん……だと……?」

長門「………………」ガサッ ビリビリ

古泉「彼女の口に付いたカスタード。これの説明を、あなたはどうするつもりで?」

キョン「くっ……それは……」

長門「………………」アムアム

41: 2008/04/19(土) 02:10:51.88 ID:vsKOEAiRO
古泉「あなたが食べたはずのカスタードドラ焼き。しかしカスタードは彼女の口に……」

古泉「ふつうこんなことはありえないと思うのですが」

キョン「うぅ…………」

長門「…………フュニーフュ」モグモグ

キョン「こ、こら。食べてるときにしゃべらな…………はっ!!!!」

古泉「どうしました?」

キョン(見つけたっ……打開策……!!圧倒的解決法……!!
   これなら違和感無く……完璧に実証できる……!!
   しかし、これは…………この方法は……)

古泉「おやおや。黙ってしまいましたね……」

キョン(危険すぎる……あまりにもっ!!
   今この時間……この場所……すべてが危険……っ!!
   あまりにも細すぎる道……しかし、見える……勝機!!」

古泉「途中からこえに出ていますよ」

長門「…………」ゴクン

43: 2008/04/19(土) 02:15:05.37 ID:3AnNvPcvO
ざわ…ざわ…

44: 2008/04/19(土) 02:15:56.40 ID:Fk3m4uoa0 BE:1139702494-2BP(585)
圧倒的ドラえもん...!

45: 2008/04/19(土) 02:16:39.83 ID:vsKOEAiRO
キョン「……あるぜ、一つだけ!!」

古泉「なんですって!!」

長門「………………」ウツラ ウツラ

キョン「俺が食べたカスタード。それが長門の口まわりに付く方法……!!」

古泉「ば、ばかな……!!ありえない……!!」

長門「……ざわ……ざわ……」フラッ フラッ

キョン「……わかるはずだ……おまえなら。他人の口に、
   他人の食べたものが付着する可能性……!!」

古泉「まさか、……まさか……!!」

長門「……おど……おど……」スヤスヤ

48: 2008/04/19(土) 02:23:10.77 ID:vsKOEAiRO
キョン「長門!!」

長門「…………ッ!!」パチリ

古泉「キョン君!!君は!!」




古泉「な、なんてことを…………」


これしかなかった。この方法でしか実証できなかった。
けれど簡単なことだろ?カスタードクリームのついた口で、誰かにキスをしたら、簡単にクリームは相手の口に付く。
現に、先程長門が食べていたドラ焼きの餡が、俺の舌に甘く絡み付いている。
単純なこと、頭を使うことすらなく、再現できる。

長門「………………」

キョン「ど、どうだ古泉!!」

幸い、危険視していたハルヒは、部室に乱入してこなかった。

49: 2008/04/19(土) 02:27:05.61 ID:vsKOEAiRO
古泉「あ……あぁ……」

キョン「………………」

古泉「………………」グスッ

キョン「な、泣いているのか、古泉?」

古泉「…………う……」

長門「………………」

キョン「………………」

古泉「うわぁぁぁぁああああん!!」ダダダダッッ!!!!

キョン「は、走って行きやがった……」

長門「…………」


キョン「そんなに大事なドラ焼きだったのか?」

長門「……」

53: 2008/04/19(土) 02:29:55.32 ID:vsKOEAiRO
キョン「な、長門……?その……すまん、いきなり……」

長門「…………」

キョン「い、いやだったよな!?いきなり好きでもない男から、あんな……」

長門「………………」ジワリ

キョン「……………ッッ!!!!」

長門「………………」グスッ

キョン「あ、あわわわわわ…………」

54: 2008/04/19(土) 02:33:33.81 ID:vsKOEAiRO
キョン「ほ、ホントにすまなかった!!」

長門「…………別に、口付けのことは気にしていない」グスッ

キョン「…………長門」

長門「…………それに」

キョン「………………」

長門「………………泣いていない」グシグシ

キョン「………………」

56: 2008/04/19(土) 02:38:17.13 ID:vsKOEAiRO
長門「…………どらやき」

キョン「…………?」

長門「…………買いに行く」

キョン「……ど、ドラ焼きか?」

長門「…………あなたと、一緒に」

キョン「そ、そうか!!行くか、一緒に!!コンビニかどこかへ!!」

長門「隣町に、おいしい和菓子を売ると評判の店がある」

キョン「ちょっととおいな……」

長門「…………一緒に」

キョン「……………………わかった。行くか」


58: 2008/04/19(土) 02:41:37.34 ID:vsKOEAiRO
古泉「うぅっ……ぐすっ……うぅぅ……」

古泉「ドラ焼きなんてどうでもいいんです」

古泉「長門さんのことも、別に気にしていません……」

古泉「……でも、彼は、彼は……」

古泉「…………ぐすっ」

古泉「……ガチホ〇設定がこんなにつらいなんて……」

63: 2008/04/19(土) 02:57:30.11 ID:vsKOEAiRO
キョン「うまいか長門?」

長門「…………フュニーフュ」

キョン「そっか」

長門「…………あなたも、たべたい?」

キョン「そうだな。数量限定でなかったら、食べたかったな」

長門「…………それなら」

キョン「…………えっ、ちょっ、長門むぅっ!!!!」

長門「………………んっ……」

67: 2008/04/19(土) 03:11:54.34 ID:vsKOEAiRO
長門「あなたがやった方法を実践してみた」

キョン「な、長門……」

長門「私は、あなたに口付けされても、嫌悪感を感じない」

キョン「…………」

長門「むしろ、うれしいと感じる」

キョン「そ、そっか。そうか。ハハ……」

長門「…………」アムアム

キョン「……アハハ。ハハ」



どらやき終了

68: 2008/04/19(土) 03:13:44.33 ID:69eF2mMC0
長門可愛いよ長門

69: 2008/04/19(土) 03:17:26.77 ID:Ss+Ot3cwO
終了…だと…?


乙!

70: 2008/04/19(土) 03:25:45.12 ID:6b2u0sNqO
なごんだ

引用元: 長門「…私のどらやき」