1: 2017/01/22(日) 01:22:55.18 ID:k+LF5jmI.net
海未「希、そろそろ練習再開しますよ」

希「…」

海未「希…?」

凛「希ちゃん!そろそろ練習するにゃ!」

希「り…凛ちゃん!?」

2: 2017/01/22(日) 01:23:26.44 ID:k+LF5jmI.net
海未「何か考え事をしていたのですか?」

希「あはは…そんなところかな」

希「それじゃあ、練習再開しよか」

凛「うん!」

3: 2017/01/22(日) 01:24:30.71 ID:k+LF5jmI.net
凛「にゃっ!?」

希「り…凛ちゃん…!?ごめんなあ…」

海未「二人とも大丈夫ですか!?」

凛「凛は大丈夫だけど…希ちゃんは…?」

希「ウチは大丈夫…」

4: 2017/01/22(日) 01:25:00.68 ID:k+LF5jmI.net
海未「希、どうしたのですか?」

希「ちょっと、振り付け間違えてしまったみたいや…」

海未「でも、怪我が無いみたいで良かったです」

凛「凛は丈夫だから、ぶつかったぐらいじゃ怪我なんてしないよっ!」

希「凛ちゃん…ほんとごめんなあ…」

凛「希ちゃん…」

海未「希…」

5: 2017/01/22(日) 01:25:39.36 ID:k+LF5jmI.net
凛「ふぅ…今日の練習も疲れたにゃ…」

凛「二人とも、この後ラーメン食べに行かない?」

海未「私は構いませんよ?」

希「ウチはこれから神社のお手伝いがあるから、良かったら二人で行ってきて?」

凛「そっか、それならまた今度一緒に行こうね」

希「うん。それじゃあ先に帰るね。お疲れ様」

海未「はい、お疲れ様でした」

6: 2017/01/22(日) 01:26:24.22 ID:k+LF5jmI.net
海未「…」

凛「ねえ、海未ちゃん」

海未「どうしましたか?」

凛「今日の希ちゃん、何か変じゃなかった?」

海未「そうですね…」

海未「今日はずっと考え事をしているようでしたし、希らしくないミスも多かったですし…」

凛「凛、心配だよ…」

7: 2017/01/22(日) 01:27:00.26 ID:k+LF5jmI.net
凛「だから、美味しいもの食べれば元気になるかなって思ったんだけど」

海未「ラーメンは凛が食べたかっただけではありませんか?」クスッ

凛「うっ…」

海未「ふふっ、冗談ですよ」

海未「ちゃんと、凛が希の事を心配してることは伝わってますから」

凛「海未ちゃんのイジワル…」

8: 2017/01/22(日) 01:27:38.07 ID:k+LF5jmI.net
海未「希は自分の事をあまり話しませんからね…ですが、このままというのも…」

凛「それなら、絵里ちゃんとにこちゃんに聞きに行こう!」

海未「凛…?」

凛「もしかしたら、二人なら悩みの原因を知ってるかもしれないし」

海未「ですが、あまり詮索するのも良くないかと…」

9: 2017/01/22(日) 01:28:10.57 ID:k+LF5jmI.net
凛「あのね…海未ちゃん」

凛「希ちゃんって、誰かが困ってる時ひょっこり現れて助けてくれるでしょ?」

海未「そうですね」

凛「凛も、希ちゃんにたっくさん助けてもらったことあるから」

凛「今度は、凛が希ちゃんの助けになりたいなって思ったの!」

凛「だから、行ってもいいかな…?」

海未「凛…」

10: 2017/01/22(日) 01:29:50.87 ID:k+LF5jmI.net
海未「分かりました」

凛「本当!?」

海未「ええ、確かに凛の言う通りですから」

海未「たまには、私達が希の力にならないといけませんね」

凛「うん!」

海未「それでは行きましょうか」

11: 2017/01/22(日) 01:30:31.75 ID:k+LF5jmI.net
絵里「あら、二人でなんて珍しいわね」

海未「ええ、絵里とにこに伺いたい事がありまして」

凛「あのね…希ちゃんの事なんだけど」

にこ「希の事?」

海未「今日の練習中、ずっと上の空と言いますか、様子がおかしくて」

絵里「ああ、そういう事…」

12: 2017/01/22(日) 01:31:05.46 ID:k+LF5jmI.net
海未「心当たりがあるのですか?」

絵里「まあ、一応あるといえばあるかしら?」

凛「絵里ちゃん、良かったら教えて欲しいな…」

絵里「うーん…にこはどう思う?」

にこ「なんで私に聞くのよ…」

絵里「だって、ほら…ね?」

14: 2017/01/22(日) 01:31:51.88 ID:k+LF5jmI.net
凛「あのね…凛達、希ちゃんの力になりたいの…」

凛「いつも、希ちゃんは凛達を陰で支えてくれてるから」

凛「希ちゃんが悩んでいる時は、凛達が…」

凛「でも、今のままじゃ何もできないから…」

にこ「凛…分かったわよ」

凛「にこちゃん…」

にこ「仕方ないから教えてあげるわ」

海未「にこ…ありがとうございます…」

15: 2017/01/22(日) 01:32:24.32 ID:k+LF5jmI.net
海未「そうでしたか…」

凛「希ちゃんがそういう事で悩んでいたなんて気が付かなかったよ…」

にこ「ま、ああ見えて寂しがりなのよ。希は」

絵里「意外とかわいいところもあるのよね」クスッ

にこ「それで、アンタ達はどうしたいの?」

16: 2017/01/22(日) 01:32:51.69 ID:k+LF5jmI.net
海未「せっかくですし、ここは凛の案を採用しましょうか」

凛「えっ…?」

海未「三人で楽しく食事をすればきっと元気になりますよ」

凛「うん!」

にこ「勝手に話を進めて…せっかく教えてあげたのに感謝の一言もないわけ?」

17: 2017/01/22(日) 01:33:20.98 ID:k+LF5jmI.net
海未「す…すみません…にこ」

凛「ごめんなさい…」

絵里「それだけ、二人が希の事心配してたって事でしょ?」

絵里「許してあげましょう?にこ」

にこ「分かってるわよ…それぐらい…」フン

18: 2017/01/22(日) 01:33:50.05 ID:k+LF5jmI.net
海未「絵里、にこ、ありがとうございました」

絵里「いいのよ。私は何もしてないし」

にこ「ま、せいぜい頑張りなさいよ」

海未「それでは行ってきます」

絵里「ええ、希の事よろしくね」

凛「うん!」

19: 2017/01/22(日) 01:34:36.51 ID:k+LF5jmI.net
希「はぁ…」

希(久しぶりに二人に会えると思ったのに、急な仕事で東京に来られないなんて…)

希(一人暮らしにも慣れたと思ったんやけど、ちょっと親に会えないぐらいで寂しくなるなんて、ウチはまだまだダメやなぁ…)

希(昔からあちこち行ってたから実家というものがないけど、これがホームシックってやつかな…)

希(それに、海未ちゃんと凛ちゃんにも迷惑かけて…アカンよね…)

希(うーん…どうしたもんかな…)

希(神社のお手伝い終わった後でもラーメンいいかなって聞けばよかったかもしれん…)

希(なんとなく一人でご飯は食べたくない気分やし…)

20: 2017/01/22(日) 01:35:07.76 ID:k+LF5jmI.net
凛「のーぞみちゃんっ!」

希「り…凛ちゃん!?」

海未「お疲れ様です。希」

希「海未ちゃんまで…どしたん?」

海未「希、仕事はどのぐらいで終わりますか?」

21: 2017/01/22(日) 01:35:40.84 ID:k+LF5jmI.net
希「もう終わったから着替えるだけだけど…」

海未「分かりました。では、ここで待たせていただきますね」

希「な…なして?」

凛「やっぱり三人でご飯を食べよう?凛、お腹すいちゃったから急いでね?」

希「う…うん。分かったよ」

希(そっか、二人とも来てくれたんか…)フフッ

22: 2017/01/22(日) 01:36:13.71 ID:k+LF5jmI.net
希「遅くなってごめんね」

海未「いえ、私達もいきなり来たわけですから」

希「それで、どこ行くん?」

凛「えへへ…内緒」

希「そっか…楽しみやなあ」

23: 2017/01/22(日) 01:37:02.99 ID:k+LF5jmI.net
凛「着いたよ!」

希「えっ?ここであってるん?」

海未「ええ、それでは行きますよ」

希「でも…ここスーパーじゃ…」

海未「はい。その通りですよ」

凛「今日は、凛たちが美味しいごはん作ってあげるね!だから希ちゃんの家にお邪魔してもいいよね?」

希「そ…それはいいけど」

24: 2017/01/22(日) 01:37:57.94 ID:k+LF5jmI.net
希「でも、二人に悪いしええよ?」

希「凛ちゃんの好きなラーメンでも食べに行こか?」

海未「私達は構わないので、希の家に伺ってもよろしいですか?」

凛「凛が美味しいごはん作ってあげるから、希ちゃんは何もしないでいいからね」

希「う…うん…」

26: 2017/01/22(日) 01:38:31.87 ID:k+LF5jmI.net
凛「~♪」

希「あ…あの、海未ちゃん?」

海未「どうしましたか?」

希「あのね…」

海未「そういえば、希の家にある食材を聞いておかないといけませんね」

希「う…うん…」

希(な…なんか二人とも強引やね…)

希(でも、自分の部屋でご飯を誰かと一緒に食べるなんていつ以来かな)フフッ

27: 2017/01/22(日) 01:39:11.22 ID:k+LF5jmI.net
海未「凛、買い忘れはありませんか?」

凛「うん!」

海未「それでは希の家に行きましょうか」

希「あ、良かったらウチも持つよ?」

凛「希ちゃんは何もしなくていいの!」

海未「希の家にお邪魔するわけですから、何もしなくていいですよ」

希「そ…そう?」

凛「それじゃあ、しゅっぱーつ!」

28: 2017/01/22(日) 01:39:46.19 ID:k+LF5jmI.net
凛「とうちゃーくっ!」

希「ちょっと待ってね。鍵開けるから」

希「二人とも重い荷物持ってるんやし、先に入って?」

凛「それじゃあ、お邪魔しまーす!」

海未「お邪魔します。それと」

海未・凛「お帰りなさい、希(ちゃん)」

29: 2017/01/22(日) 01:40:15.23 ID:k+LF5jmI.net
希「えっ…」

海未「希が家に帰ってきたんですから、この挨拶が正しいのかと思いまして」

凛「希ちゃん、おかえりって言われたらどうするの?」

希「た…ただいま」

凛「おかえりなさい♪希ちゃん!」

希(なんでかな…?ただいまとおかえりって、たった8文字のやりとりなのに)

希(こんなに安心した気持ちになるのは…)

30: 2017/01/22(日) 01:40:42.04 ID:k+LF5jmI.net
凛「それじゃあ、早速ご飯作るよ!」

海未「はい」

希「それならウチも…」

凛「希ちゃんはテレビでも見てて!」

希「う…うん…」

31: 2017/01/22(日) 01:41:33.06 ID:k+LF5jmI.net
希「凛ちゃんは何を作ってくれるん?」

凛「えへへ…秘密」

希「そっか、楽しみにしてるね」

希(なーんて、さっきラーメン買ってたの見えたけど、内緒にしておこか)フフッ

希(こうして見ると、やっぱり凛ちゃんは天真爛漫でかわいい妹みたいやね)

32: 2017/01/22(日) 01:42:04.11 ID:k+LF5jmI.net
希「海未ちゃんは?」

海未「中華料理でもと思いまして」

凛「あー!言っちゃダメって言ったのに…」

海未「凛!よそ見しながら包丁を使ってはいけませんよ」

凛「は…はぁい…」

希(海未ちゃんはおてんばな凛ちゃんのお姉さんって感じやね)

希(ウチに妹がいたらこんな感じになるんかな?)

33: 2017/01/22(日) 01:42:42.73 ID:k+LF5jmI.net
希(えりちとウチは親元を離れているってところは同じやけど)

希(かわいい妹ちゃんがいるし、実はちょーっと羨ましいって思ってたんよね)

希(にこっちにも、ちっちゃい妹と弟がいるしなあ)

希(自分の家でこういう姿を見ると、なんか癒されるというか…心地いいなあ)

希(それに、料理が出来るのを待つなんて何時ぶりかな?)

希(家に誰かがいるってええなあ…)

34: 2017/01/22(日) 01:43:08.20 ID:k+LF5jmI.net
凛「希ちゃん、おっきいフライパンある?」

希「確かこっちに…」

海未「凛、火から目を話してはいけませんよ」

凛「分かってるもん!」

希「ふふっ、やっぱりウチも手伝うよ」

35: 2017/01/22(日) 01:43:36.96 ID:k+LF5jmI.net
凛「希ちゃんは…」

希「だって、凛ちゃんの手付き見てると危なっかしくて見てられないんやもん」

希「海未ちゃんだけじゃ手に負えなさそうやからね」

凛「分かった…」

36: 2017/01/22(日) 01:44:05.83 ID:k+LF5jmI.net
凛「希ちゃん手際良い…」

海未「そうですね…凄いです…」

希「一人暮らしも長いから自然と覚えたんよ」

凛・海未「…」

希「二人ともどしたん?」

海未「い…いえ、何でもありませんよ?」

凛「うん!それよりも、凛の方は完成したよ」

海未「私の方はもう少し待ってくださいね」

凛「え~!もうお腹ペコペコだよ…」

海未「凛がずっとコンロを使っていたからですよ」

希「凛ちゃん、ウチと一緒に待ってよか?」

37: 2017/01/22(日) 01:44:36.33 ID:k+LF5jmI.net
凛「うん!」

凛「ねえ、希ちゃん?」

希「んー?」

凛「一緒にご飯作るの楽しい?」

希「うん♪」

凛「良かった…凛もすっごく楽しいよっ!」

38: 2017/01/22(日) 01:45:18.00 ID:k+LF5jmI.net
海未「すみません、お待たせしました」

希「おお…」

凛「美味しそう…」

海未「凛がラーメンを作りたいと言っていたので、中華風にしてみたのですが」

希「うん…とっても美味しそう…」

海未「それではいただきましょうか」

39: 2017/01/22(日) 01:46:06.05 ID:k+LF5jmI.net
希・海未・凛「いただきます」

希(いつの間にか、家でいただきますなんて言わなくなってたなあ…)

希(でも、みんな揃っていただきますって言うだけでなんか…幸せやね…)

凛「希ちゃん!ぼーってしてると凛が全部食べちゃうよ!」

海未「そうですね。私もお腹がすいているのでたくさん食べたい気分です」

希「おお…二人とも食べるの早いなあ…」

希「それじゃあウチも遠慮なく、いただきます!」

40: 2017/01/22(日) 01:46:31.26 ID:k+LF5jmI.net
凛「もうお腹いっぱい…」

希「ウチも…」

海未「後片付けは私がやりますよ」

凛「凛も…やる」

海未「凛はゆっくりしていていいですよ」

凛「じゃあ、そうする…」

希「それじゃあ、ウチもお言葉に甘えよっかな?」

41: 2017/01/22(日) 01:47:05.75 ID:k+LF5jmI.net
凛「ねえ…希ちゃん?」

希「あら、凛ちゃん眠くなっちゃった?」

凛「うん…」

希「凛ちゃん、今日頑張ってたもんね」

凛「うん…あのね…」

凛「希ちゃんのそばには、凛と海未ちゃんが…いつも……いるから………」

凛「…」

希「あらら…寝ちゃったみたいやね…」

42: 2017/01/22(日) 01:47:32.62 ID:k+LF5jmI.net
希(ウチのそばに…か…)フフッ

希(はぁ…ウチはほーんとダメやなあ…)

希(こんなに大事な友達が近くにいるのに…それにも気が付かないで…)

海未「お待たせしました。あら?」

希「少しだけ、静かにしておこか」

海未「ええ、そうですね」

43: 2017/01/22(日) 01:48:04.53 ID:k+LF5jmI.net
海未「あの、希。今日は無理に押しかけてしまって、すみません」

希「気にしなくてええよ」

希「今日は二人が来てくれて、とっても楽しかったから」

希「だから、ありが…」

海未「希、お礼は大丈夫ですよ」

海未「たまには私達の事、頼ってもいいですからね」

希「あはは…気が付いてたん?」

海未「様子がおかしい事は気が付いてましたが…詳しくは絵里とにこに伺いました」

海未「勝手な事をしてすみません」

44: 2017/01/22(日) 01:48:30.20 ID:k+LF5jmI.net
希「ええんよ…そっか、えりちとにこっちにも…」

海未「ええ、二人も心配していたみたいでした」

希「そっか…」

海未「それはさて置いて、希」

海未「また、三人でこうして集まりましょうか」

45: 2017/01/22(日) 01:48:56.38 ID:k+LF5jmI.net
希「…うん」

海未「私達は、三人で支えあいながら進んでいきましょう」

希「海未ちゃん…」

希「そうやね、二人にもう少し甘えちゃってもええかな?」

海未「はい、いつでも」

希「ふふっ、ありがと」


おわり

46: 2017/01/22(日) 01:49:34.42 ID:k+LF5jmI.net
おまけ

絵里「ねえ、にこ」

にこ「何よ」

絵里「教えちゃってよかったの?」

にこ「別にいいでしょ」

絵里「あれだけ、希が心配だって騒いでたのにね」クスッ

にこ「うるさいわよ…」

絵里「本当は、希の所行ってあげたかったんでしょ?」

47: 2017/01/22(日) 01:50:01.12 ID:k+LF5jmI.net
にこ「そういう絵里はどうなのよ」

絵里「私?当然今すぐにでも行ってあげたいわ」

にこ「はぁ…」

絵里「あら?溜息?幸せが逃げちゃうわよ」

にこ「そういうつかみどころがない所、アンタ達そっくりなんだから」

にこ「絵里も、何かあったら私の事頼りなさいよ」

絵里「大丈夫。ずっと頼りにしてるわよ。にこも大切な友達だもの」

にこ「…」フン


おわり

50: 2017/01/22(日) 01:56:34.49 ID:M66nJroP.net
優しい気持ちになれる

51: 2017/01/22(日) 02:00:21.95 ID:k1znKtIW.net

とても良かった

引用元: 海未「希の様子がおかしい」