1: 2017/01/23(月) 23:39:38.36 ID:fX/AbfOg.net
昔あるところに、とてもとても可愛らしい女の子がいました。

歳の頃はおよそ十二。真面目で礼儀正しく、ツインテールを外に出すために頭巾に二つ穴を開けていることから、周りには「にこずきん」と呼ばれています。


とてもとても、可愛らしい女の子なのです。


ある日、にこずきんは母親に呼び出されました。

母は開口一番こう言います。


「にこずきん、実はね、おばあさんが病気になってしまったの」

「にこぉっ!?」


頭巾から飛び出たツインテールを揺らして、にこずきんは大層驚きました。


「おかあさま! 悲報にこ! おばあさまが病気らしいにこ!」

「うん。だから今、そう言ったの」


少しだけ馬鹿でありました。

2: 2017/01/23(月) 23:40:35.93 ID:fX/AbfOg.net
しかし頭が悪かろうが、根っこは優しい女の子なのでした。にこずきんは母の言いたいことを察知します。


「つまり、にこにーが見舞いに行けばいいにこ?」

「その通りよ。私は用事があって行けないから、頼むわねにこずきん」

「任せるにこ。おかあさまは安心して用事を済ませてくるがいいにこ」


自信満々に胸を叩くと、自慢のツインテールがふるりと揺れます。

しかし、母親はとても不安になるのでした。


「本当に大丈夫? 道に迷ったりしないかしら?」

「心配性にこ。今までにこにーがお使いに失敗したことがあったにこ?」


その言葉に母はなおのこと心配になります。今までの数知れぬ頭痛の種が思い出されるようでした。

しかし自分の用事は外せません。おばあさんのお見舞いはにこずきんにしか出来ない仕事だったのです。

3: 2017/01/23(月) 23:41:23.49 ID:fX/AbfOg.net
「いい、にこずきん?」


母は注意深くにこずきんに言い聞かせます。


「あなたにはこの包みを預けておくわ」

「中身はなににこ?」

「おまんじゅうと烏龍茶よ。おばあさんにこれを渡すの」

「美味しそうにこ」

「お見舞いなんだからにこずきんは食べちゃいけないわよ?」

「わかってるにこ!」


本当に分かってるのだろうか。母の心中に暗雲が垂れ込めます。


「それに、途中で道草をしてはダメよ」

「当たり前にこ」

「それから、エリーチカにも用心しなさい。ここ最近、村の近くでも目撃されてるみたいだから」

「わかってるにこ」

「アナタみたいな小さな女の子をエリーチカは狙うのよ。注意しなさいね」

「はいにこ!」

「本当に大丈夫かしら……」

「大丈夫にこ大丈夫にこ! それでは早速行ってくるにこ!」


にこずきんは元気よく家を出ました。

快晴であります。


お使い日和にこ、とにこずきんはご満悦になるのでした。

4: 2017/01/23(月) 23:42:02.43 ID:fX/AbfOg.net
しばらく歩くと、にこずきんは空腹を感じました。

女の子とは言え育ち盛り。思えばお昼も食べていません。

彼女の目は自然と、預けられた包みに向いてしまいます。


「おまんじゅうと烏龍茶にこ」

「一つくらい食べても大丈夫にこ」


にこずきんは休憩することに決めました。

切り株に腰を下ろし、早速包みを開きます。
中からは餡のいい匂いが漂ってくるのでした。


「美味しそうにこ!」


にこずきんは顔を綻ばせます。


「一つだけなら大丈夫にこ! ばれないにこ!」


もぐもぐ、もぐもぐ。
ごっくん。


「もう一つ食べるにこ」


最低です。

5: 2017/01/23(月) 23:42:42.65 ID:fX/AbfOg.net
もぐもぐ、ごっくん。
もぐもぐ、ごっくん。

にこずきんは夢中になりました。

餡の甘さを烏龍茶が洗い流し、胃の腑に落ちるたび、にこずきんは満ち足りた気持ちになるのです。


気がつくと、お見舞いのおまんじゅうは全てなくなってしまっていました。


「ああ! なくなってしまったにこ!」


にこずきんは嘆きました。たとえ頭が悪くとも、彼女は真面目な女の子なのです。
にこずきんは大層反省しました。


「申し訳ないにこ」

「過ぎたことは忘れるにこ」


とても前向きな女の子です。

6: 2017/01/23(月) 23:43:19.68 ID:fX/AbfOg.net
しばらく歩いていると、にこずきんの前に一人の女性が姿を表しました。

そう、エリーチカです。


「お嬢ちゃん、こんにちは」

「こんにちはにこ!」


にこずきんは母に言われたことを思い出しましたが、純粋で天真爛漫なにこずきんには、エリーチカが悪い人間には見えませんでした。

何より、エリーチカは女で、にこずきんも女の子なのです。女同士のあれやこれやなど、にこずきんには想像の埒外にありました。

いくらエリーチカが幼い少女を騙くらかしては性欲を発散するド外道だと言い聞かされても、にこずきんには現実味がなかったのです。

7: 2017/01/23(月) 23:44:04.92 ID:fX/AbfOg.net
「ツインテールが可愛らしいお嬢ちゃん。アナタのことをにこずきんと呼んでもいいかしら?」

「村のみんなからもそう呼ばれてるにこ! もちろんいいにこ!」


エリーチカは心洗われるようでした。
にこずきんの可愛らしい笑顔は、見るものすべてを浄化するような処O性があったのです。


「にこずきんちゃん。アナタは何歳くらいなのかしら?」

「十二歳にこ!」

「妊娠可能なのね」


変態です。

8: 2017/01/23(月) 23:44:46.56 ID:fX/AbfOg.net
「どういうことにこ?」

「いいえ、こっちの話よ。気にしなくていいわ。
それより、にこずきんちゃんはどこへ行くの? たった一人じゃない」

「にこにーはおばあさまのお見舞いに行くところにこ!」

「お見舞い? それは偉いわね。ところで、そのおばあさんの家はどこにあるの?」

「この森を、まっすぐ15分ほど行ったところにこ」

「15分ね……」


変態口リコンエリーチカはちょっと考えました。

思えば、最近はとんとベッドの上で少女を襲った記憶がありません。手っ取り早さを考慮すれば、はもっぱら青姦だったのです。

9: 2017/01/23(月) 23:45:38.24 ID:fX/AbfOg.net
「たまにはベッドでするのも乙なものかもしれないわね」

「どうしたにこ?」


にこずきんは首を傾げました。変態は慌てて取り繕います。


「いいえ、なんでもないのよ。
それよりにこずきんちゃん、周りを見てごらんなさい。鳥は歌ってるし、花も綺麗に咲いてるわ!」

「にこ?」

「世界はこんなにも美しいのよ? どうせおばあさんの家に行くなら、楽しみながら行ったらどうかしら?
花でも摘んでいったらおばあさんもきっと喜ぶわ」

「にこ! それはいい考えにこ!」


にこずきんの目がキラキラと輝きました。

だって、母親に持たされたおまんじゅうと烏龍茶をにこずきんは全部食べてしまっていますから。
お見舞いに代わりの品が必要だったのです。

10: 2017/01/23(月) 23:46:17.93 ID:fX/AbfOg.net
早速にこずきんは森の中を散策し始めました。


「にーこにーこにこにこにー♪ にこにこにー♪ にこっにこっ♪」


なるほど、エリーチカの言う通り世界は極めて美しいものでした。
鳥が歌い、花は咲き、森は力強く地面に根付いています。そんな中を鼻歌まじりに歩いていると、にこずきんはとても幸せな気持ちになるのです。

にこずきんが花を摘みながら歩いていると、やがて道端にあるものを見つけました。


「すごいにこ! とても美味しそうにこ!」

「これならおばあさまのお見舞いにも相応しいにこ!」

「がんばって掘り出すにこ!」


立派なキノコでした。カサだけでにこずきんの顔くらいはありそうです。


「おばあさまもきっと驚くにこ!」


手も顔も泥だらけにして、にこにーは晴れやかに笑います。

それは、名をドクツルタケと言いました。

11: 2017/01/23(月) 23:46:42.35 ID:fX/AbfOg.net
さて、にこずきんと別れたエリーチカは、真っ直ぐおばあさんの家に向かいました。

トントンと戸を叩くと、嗄れた声がエリーチカを出迎えます。


「はいはい、誰だい?」


エリーチカは少女のような声を絞り出します。


「おばあさま、私よ。病気だと聞いたからお見舞いに来たの」

「おやぁ、それは嬉しいねえ。
さあさあ、鍵は鍵はかかってないから戸を押して入っておいで」

「あら、そう? なら遠慮なく」


エリーチカは家に上がりこむと、恐怖で動けなくなったおばあさんを素早くロープでぐるぐる巻きにしました。


「なっ!? エリーチカ! これはどういうつもりだい!?」

「ふん、アナタには興味ないわよ」


幸か不幸か、変態口リコンエリーチカのストライクゾーンは四倍も歳を重ねてそうな皺くちゃの女性には見向きもしないのです。


「おばあさんには別の部屋で静かにしていてもらうわ」

「ま、まさかアンタ、にこずきんに手をかけるつもりじゃないだろうね!」

「そのまさかよ。ふふっ。
あなたのお孫さん、今年で十二らしいわね? 食べごろじゃない!」

「こ、この……っ!」

「はぁい、ガムテープ装着ー」


おばあさんを完全に身動きが取れなくすると、そのまま奥の部屋に転がしてしまいました。


「ふふっ。あとは待つだけ、ね」


エリーチカはおばあさんのベッドに潜り込み、静かににこずきんの到着を待つのでした。

13: 2017/01/23(月) 23:47:37.53 ID:fX/AbfOg.net
しばらくすると、にこずきんが家の前へやって来ました。
お土産を調達できたおかげかとても上機嫌です。


「おばーさま! にこにーにこ! お見舞いに来たにこ! 開けてほしいにこ!」

「ああ、よく来たわね。鍵はかかってないから、入っていいわよ」

「はいにこ!」


戸を押してにこずきんが中に入って来ます。

エリーチカは頭まで毛布を被っているので、にこずきんは何の警戒もしていないようでした。

15: 2017/01/23(月) 23:48:38.96 ID:fX/AbfOg.net
「おばあさま、にこにーがお見舞いに来たにこ!」

「ああ、ありがとうね」

「……にこ? おばあさま、そんなに綺麗な声だったにこか?」

「ああ、やだわ! にこずきんたら、おばあさんの声を忘れるなんて!」

「にこぉ……?」


にこずきんは納得していない様子です。

16: 2017/01/23(月) 23:49:07.42 ID:fX/AbfOg.net
「おばあさまの髪は、こんな金色だったにこか?」

「これはね、にこずきんに居場所を教えるためよ。
アナタが迷子になった時は、この金色を目印にするの」

「おばあさまの口調は、こんな若かったにこか?」

「アナタの若さに触れるたび、こちらまで若返ってしまうのよ」

「おばあさまの手はこんなにスベスベだったにこか?」

「それはね……」


変態口リコンエリーチカは、満を持して毛布を翻しました。


「女の子のカラダを愛撫するためよぉぉおおおおおおお!」

「ああ、エリーチカにこ!」


にこずきんは目を輝かせました。

17: 2017/01/23(月) 23:49:51.95 ID:fX/AbfOg.net
「恩人にこ! さっきはありがとうにこ!」

「……うん?」


思わぬ反応にエリーチカは毒気が抜かれてしまいます。


「どういうことかしら?」

「先ほどのご提案、このにこずきんはいたく感銘されたにこ」

「感銘を受けた、かしら」

「そうとも言うにこ。と言うわけで、なにかお礼をしたいにこ!」

「お礼ねえ……」

18: 2017/01/23(月) 23:50:35.42 ID:fX/AbfOg.net
エリーチカはちょっと考えました。

お礼なるものの正体はわかりませんが、はいつでも出来ることです。何故って、おばあさんはぐるぐる巻きにされて動けませんから。


それに、とエリーチカは思います。

お礼を受けて心を通わせ、存分に仲良くなった然る後に無理やり襲うと言うのもまた乙なものかもしれません。

いい人だと思ってたのに、なんでこんなことするにこ……? 目の前の少女の絶望と痴態を想像すると、変態は心が震えるような快感に襲われるのでした。


エリーチカは、にっこりと微笑みました。


「ふふっ。それは楽しみね。どんなお礼なのかしら?」

「にこにーが手料理を振舞ってあげるにこ! 材料が少ないからお姉さんの分しか作れないけど、頑張るにこ!」


お わ り

20: 2017/01/23(月) 23:52:07.20 ID:fX/AbfOg.net
地の文有りで申し訳ない
それと前回はスレ落としちゃってすまんかった

読了ありがとうございました

22: 2017/01/23(月) 23:54:34.78 ID:tZ9XyyHc.net
つづけ

23: 2017/01/23(月) 23:55:17.75 ID:rmUoFViW.net
うむ、続けたまえ

引用元: 【ss】にこずきんちゃん