1: ◆/neeHoHCcI 2013/07/25(木) 04:01:52.70 ID:DJ+ErHzDO


――目が覚めると、そこは森の中でした。




P「…」

P「って、ファンタジー小説かよ」



ギャア… ギャアギャア…



P「…なんか得体の知れない鳴き声がするし……ふええ…」

高森藍子「…あ、あの。プロデューサーさーん」

P「ヒィッ」ビクッ

藍子「きゃ」

P「…あ、ご、ごめん。驚かせちゃったな」

藍子「いえ、こちらこそ…」

藍子「ふふ。それにしても…こんなところで会うなんて、奇遇ですね」ニコ

P「…うん」

P(ここがどこかよく分かんないけど)



2: 2013/07/25(木) 04:03:29.41 ID:AnM5AYVHo

藍子「あ…えっと、そっちに椅子があるので、よかったら」

P「あ、はい」

P「…」キリカブ…

P「藍子は、ここにはよく来るのか?」

藍子「…よく、というか…」

藍子「ええと、まあ、そうですね。きっとそうだと思います」

P「? ふぅん」

藍子「はい。…ふふ、ほら早く座ってください♪ いま紅茶でも淹れますからっ」

P「あ、うん…」

3: 2013/07/25(木) 04:04:23.06 ID:DJ+ErHzDO

ピー ピー

    ニャー


藍子「あ、ネコさん……ふふっ」ニコニコ

P「…あれ」

P(さっきまでどんよりした雰囲気だったと思ったのに、…いつの間にか、木漏れ日が…。)


カチャ…


藍子「ここ…私の、お気に入りの場所なんです。落ち着くでしょ?」ニコ

P「…、うん。…えっと…ありがとう」

藍子「はい」

4: 2013/07/25(木) 04:05:02.62 ID:AnM5AYVHo

ポスン


藍子「んー。いい天気ですねー…ぽかぽかしますねー」

P「そうだなー」

藍子「…」フフ

藍子「私、プロデューサーさんとお仕事するのは、とても楽しくて」

P「うん」

藍子「…ふふ。でもやっぱり、こんな風にのんびりするのも素敵ですよねっ」

P「そうだな」

藍子「はいっ。あ、紅茶、飲んでください。よかったらケーキなんかも! たくさん焼いてあるのでっ」ポポポン

P「おおっ」

5: 2013/07/25(木) 04:06:25.53 ID:DJ+ErHzDO

モグモグ


P「おいしい」

藍子「本当ですか? よかった!」

藍子「…? あ、プロデューサーさんってば…ふふ、ほっぺにクリーム、ついてますよ」

P「へ?」

藍子「あ、せっかくなので…えい」パチ

P「??」

藍子「ふふっ。写真、撮っちゃいました。かわいいですよ。子どもみたい♪」

P(…恥ずかしい)モグモグ…

藍子「♪」エヘヘ

6: 2013/07/25(木) 04:07:17.86 ID:AnM5AYVHo

P「…」モグモグ

P(分かった。さっきの藍子の手品を見るに――ここは夢だ、きっと。うん)

P(…、どうしてこんな夢を見ているのかは、よく分からないが…)ハハ…

藍子「?」モグモグ

P「…」モグ…

藍子「…?」ニコ

P「…」

P「…まあ…なんでもいいか。せっかくだし、のんびりしよう」ウン

藍子「おお。プロデューサーさんその意気ですよっ。一緒の時間、楽しみましょう!」オー

P「うん」オー

7: 2013/07/25(木) 04:08:06.94 ID:DJ+ErHzDO

ポカポカ



P「…」

P「とはいえ…とくにすることもないな」

藍子「?」

藍子「そうですか? 日向ぼっこはとてもステキな時間の過ごし方だと思いますよ?」

P「そう?」

藍子「そうですっ」

P「そうか」

藍子「ですです」コクコク

8: 2013/07/25(木) 04:08:48.00 ID:AnM5AYVHo

P「じゃあ…はい。日向ぼっこしてます」

藍子「私もしてます」

P「うん」クス

P「…退屈じゃないか?」

藍子「そんなことないですよ? その、プロデューサーさんと、一緒ですし」

P「…そっか」

藍子「はい♪」ニコニコ

9: 2013/07/25(木) 04:09:21.20 ID:DJ+ErHzDO

ポカポカ



P「いい天気だなー…」

藍子「本当ですねー…」

藍子「あ、よかったらあとで一緒にお散歩に行きませんか? 素敵なお花畑とか、いまならきっとたくさんありますよ」

P「へー…」イマナラ?

P「…ぼーっと見ていると、そうは見えないけど…。どちらかと言うと…」



ザワザワ…



P「……怖ろしい森って感じに見える」ブル

藍子「そ、そうですか?」

P「うん」コワイ

10: 2013/07/25(木) 04:09:57.88 ID:AnM5AYVHo

藍子「よしよし」ナデナデ

P「…」

藍子「大丈夫です。いまはプロデューサーさんと一緒だから…。くらい森なんて、こうです。えいっ」パッ


パパパパンッ


P「おおっ」

藍子「…」ニコ

藍子「ね? くらい森なんて、へっちゃらでしょ?」

P「…うん」

P「…って俺、なんだか母親にあやしてもらっている子どもみたいな…」ハハ…

藍子「うふふ。たまには、いいんじゃないでしょうか」

P「……た、たまにはな」

藍子「ふふ。はい。たまには」

11: 2013/07/25(木) 04:10:27.83 ID:DJ+ErHzDO

P「…」コロン

P「あふ。でも、もうしばらく日向ぼっこでもいいかな…。なんだかここは、すごく、落ち着くんだ…」コク

藍子「はい。…プロデューサーさんは、いつも頑張ってくれてますから…。ゆっくり休んでください。お散歩はまたいつでも、ね?」

P「……うん…」コク…

P「…ん……、じゃあ、ちょっと、…だけ」

藍子「はい」

藍子「お休みなさい。プロデューサーさん」ニコ

12: 2013/07/25(木) 04:11:10.68 ID:AnM5AYVHo







13: 2013/07/25(木) 04:11:56.92 ID:DJ+ErHzDO

パチ


P「…」

藍子「…あ。プロデューサーさん…ふふ。えいっ」パチ

P「っ」

藍子「やった。ちゃんと手元にカメラを置いていてよかったです。寝起きの顔、撮っちゃいましたー」

P「……」ハア

P「…そか。よかったな」

藍子「はい♪」

藍子「…それから、えっと…おはようございます」

P「…うん。おはよう」

14: 2013/07/25(木) 04:12:33.57 ID:AnM5AYVHo

P「…」

P「…ええと、俺……。どうしてたんだっけ…」フラ…

藍子「あ、まだ起きない方が…」

P「……、」

P「……。」

P「い、いや。そういうわけにも」

藍子「じ、じゃあ、…わ、私はもうちょっと、こうしていて欲しいなっ、…って」

P「…、そ、そっか」

藍子「はい」

P「……じゃあ、もうちょっとだけ…」コテン

藍子「はい♪」フフ

15: 2013/07/25(木) 04:13:43.44 ID:DJ+ErHzDO

P「…」

P(思い出した。仕事が押して、零時を回って、藍子にプレゼントを渡せなくて――)

P「…、じゃあ…あれ。もしかして、藍子は……わざわざ事務所に戻って来て、待っててくれたのか? 俺の仕事が、終わるの…」

藍子「勝手に待っていただけですよー。プロデューサーさん、寝ちゃってたから…」

P(…そっか。だとすると、さっきのは、……藍子の膝の上でだけ見れる夢だったのかな)ハハ

藍子「??」

藍子「あ…ふふ」

P「?」

16: 2013/07/25(木) 04:16:41.84 ID:AnM5AYVHo

P「どうかしたか?」

藍子「…あ…いえ。プロデューサーさん、楽しそうだから…。私も嬉しくて、つい」エヘヘ

P「そっか」

藍子「…はい」

P「…」

P「ごめんな。俺もお祝いに参加したかったんだけど…」

藍子「…」フルフル

藍子「いえ。それは、その…べつに、全然気にしていないですから…」ニコ…

P「……」

藍子「…」エヘヘ…

P「…」

P「いまの俺が言えた義理じゃないだろうけど」

藍子「?」

P「皆で笑顔でいたいって、いつも藍子が言うのは……藍子自身も一緒にって、ことだよな」

藍子「……」

P「だから、えっと…」ゴソ

P「はい。は、ハッピーバースデー。これで笑顔になってくれませんかー、なんて…」

藍子「……」クス

藍子「なんですかー? それ……もう」

P「なんだろう」

藍子「……ふふ」クスクス

17: 2013/07/25(木) 04:17:22.16 ID:DJ+ErHzDO

藍子「…えっと」

藍子「はい。ありがとうございます。じゃあ、これで私も、笑顔になってみますね」

P「みますって」

藍子「ふふっ。だって、なってくれーっていったのは、プロデューサーさんですから」

P「…そうだけど」

藍子「…ふふー…」エヘヘ…

P「…」ハハ…

18: 2013/07/25(木) 04:18:11.09 ID:AnM5AYVHo

藍子「……」ギュ

藍子「私、もっともっとみんなに笑顔を伝えられるアイドルになりますね」

藍子「そのために、えっと…頑張ります。…自分のことも、自分の気持ちも、ちゃんと伝えられるように」

P「頑張れ」

藍子「ひ、他人事ですね? 一緒に頑張ってくださいね?」

P「頑張ります」

藍子「…、ふふっ。いま頑張るって。私聞いちゃいましたから♪」

藍子「ね。プロデューサーさん。一緒に、もっともっと頑張りましょうっ」オー

P「おー」



[おわり]


19: 2013/07/25(木) 04:20:04.50 ID:DJ+ErHzDO
正直スレタイと森のくだりの思いつきだけの拙作でした。
ここまで読んでくれた方には感謝です。オメデトー

引用元: モバP「ある日、森の中」