74: 21/02/16(火) 02:30:52 ID:9Rq
【千川ちひろ「心さんがお姉さんみたい?」西園寺琴歌「はい♪」】

お久しぶりです。次から本文です

75: 21/02/16(火) 02:31:20 ID:9Rq
事務所

ちひろ「またまた……。どうしたんですか、琴歌ちゃん」

琴歌「? ちひろさんはそうお思いになりませんの?」

ちひろ「まぁ……確かに心さんは面倒見の良い人ですけど、姉かと言われるとちょっと悩みます」

琴歌「そうですか? 私にはとっても素敵なお姉さまに見えますけど」

ちひろ「うーん。どうしてまた琴歌ちゃんはそんなふうに思ったんですか?」

琴歌「それはですね……」

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76: 21/02/16(火) 02:31:48 ID:9Rq


数日前 事務所

琴歌「はい♪ 出来上がりですわ!」

千佳「わー……! すごーい……きれー……!」

みりあ「ねぇねぇ、琴歌ちゃん。これってなんていうの?」

琴歌「これはハーバリウムって言いますわ」

千佳「はーばりうむ……!」

みりあ「ハーバリウムかぁ……すごいなぁ……きれいだなぁ……!」

琴歌「ふふっ♪ 気に入っていただけました?」

千佳「うん! なんかとってもきれいでかわいい!」

みりあ「こんなにきれいなのを作れるなんて琴歌ちゃんってすごいんだね!」

琴歌「いえいえ♪ それほどでも。私もうまくできるようになるには何度も練習しましたから」

琴歌「それに千佳ちゃんとみりあちゃんが思っているよりもずっと簡単ですわ♪」

77: 21/02/16(火) 02:32:11 ID:9Rq
心「おっつスウィーティー☆」

心「お? なんか可愛いもの作ってるね♪」

琴歌「お疲れ様ですわ、心さん」

千佳「はぁとちゃんだ! ねぇねぇはぁとちゃん!」

みりあ「はぁとちゃん見て見て! これ! 琴歌ちゃんすごいんだよ!」

心「おおぅ……! ちびっこは元気だなぁ☆」

心「ハーバリウムだっけ? これ。すごい丁寧に作ってあんね」

琴歌「まぁ! 心さんはハーバリウムをご存知なんですね!」

心「前に情報番組の体験コーナーで一度作った事あるからね☆」

みりあ「はぁとちゃんも作れるの!?」

千佳「すごーい……! さすがはぁとちゃんだ! なんでもできるんだね!」

心「はっはっは☆ もっと褒めて☆ 褒めろよ☆」

78: 21/02/16(火) 02:33:25 ID:9Rq
心「ってもはぁともこんなには上手に作れなかったから☆」

心「琴歌ちゃんが作ったの?」

琴歌「え? はい! そうですの!」

心「いやぁ、さすがはお嬢様って感じだね☆ 良い趣味だと思うぞ☆」

琴歌「ありがとうございます♪」

千佳「ねぇねぇ! はぁとちゃん! 千佳もこれ作ってみたい!」

みりあ「みりあも! みりあもやりたーい!」

琴歌「……!」

心「いやいや。はぁとはこんなにうまく作れないし、何より作ったの結構前だから☆」

千佳「えー……。千佳も作りたかったのになー……」

79: 21/02/16(火) 02:33:53 ID:9Rq
心「だ・か・ら♪」

みりあ「?」

心「琴歌先生に一緒に教えてもらおうな☆」

琴歌「え!? わ、私ですか!?」

千佳「琴歌先生! お願いします!」

みりあ「お願いします! 琴歌先生!」

心「ってわけだから、はぁとにも教えてね♪ 琴歌せんせ☆」

琴歌「……はい! 任せてください!」



80: 21/02/16(火) 02:34:19 ID:9Rq


琴歌「って事がありましたの♪」

ちひろ「あー、なるほど」

琴歌「きっと心さんはご自分でも教えるくらいならできたのでしょうが、私の顔を立ててくださいました」

琴歌「千佳ちゃんとみりあちゃんに教えている時も、心さんはお二人にもわかりやすくするために難しい所や要所要所で質問をくださいましたし」

琴歌「心さんほど広く心配りが出来るお方はそうそう居りませんわ!」

ちひろ「いやそれ琴歌ちゃんの考えすぎだと思いますよ」

琴歌「そんな事はありません!」

琴歌「心さんは年下の面倒見が良くて、とても素敵なお姉さまですわ!」

81: 21/02/16(火) 02:35:39 ID:9Rq
ちひろ「確かに心さんは姉としての適性は高いかもしれませんけど、やっぱり琴歌ちゃんの考えすぎですよ」

ちひろ「心さんは面倒見が良いのは事実ですから年少組にもよく懐かれてますし、千佳ちゃんとみりあちゃんの相手をしてあげたのはその通りだと思いますけど」

ちひろ「ハーバリウム作りもです。確かに心さんは手先が器用でセンスも良いですから大抵の事はなんでもうまくこなしますけど。
それでもやはり慣れない作業では難しい部分では詰まったりしますし、琴歌ちゃんって言う先生がすぐ近くに居たなら教えを乞うのも頷けます」

ちひろ「まぁ……仮にですよ。仮にです。仮にですが、確かに心さんが姉だったら楽しいだろうなとは思いますが、琴歌ちゃんが言うほど素敵な姉かと言われたらそこは首を傾げちゃいます。
まともにしてれば確かに素敵な人ではありますけど、でも私に絡んでくるときはただただうざい人ですし」

心「うんうん♪」

ちひろ「それに心さんは実際に妹さんいらっしゃいますし、繰り返しますけど年下の面倒見が良いのは事実なので、琴歌ちゃんがたまたまそこを見てちょっと勘違いしちゃっただけですよ。あの人は琴歌ちゃんの言う素敵なお姉さまではないと思います」

琴歌「お疲れ様ですわ、心お姉さま!」

心「琴歌ちゃん。それは止めない? むずかゆい☆」

ちひろ「……は?」

82: 21/02/16(火) 02:36:18 ID:9Rq
琴歌「ですがちひろさんもこのように言っていることですし、やはり心お姉さまは素敵な方だと思いますわ!」

心「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、やっぱはぁとは『お姉さま』ってガラじゃないから☆」

ちひろ「え? は?」

琴歌「そう……ですの……。じゃあなんとお呼びすれば……」

心「そこはほら『はぁと』って呼んでね☆ 呼べよ☆」

琴歌「はぁと……お姉さま、ですか?」

心「んー、惜しい☆ お姉さまの部分を止めて欲しかったんだけどなー」

琴歌「私なりの精一杯の敬意を込めてみたのですがご迷惑でしたでしょうか?」

心「おおぅ……そういう顔されるとはぁとの中のお姉ちゃん心がくすぐられて……」

83: 21/02/16(火) 02:36:53 ID:9Rq
心「って、どした? 固まっちゃって」

ちひろ「いつから居たんですか」

心「いつからってちひろちゃんが早口で捲し立て始めたあたり☆」

ちひろ「っ!」

心「ストップ! ストップ! キーボードを振りかざすな! 何する気だお前!」

ちひろ「あんなの聞かれちゃこの世の終わりでしょう!? 記憶が消えるまで殴るだけです!」

心「やめれ!!!」

琴歌「ふふふっ」

心「ほら! 琴歌ちゃんに笑われてんぞ! 落ち着け!」

ちひろ「ああもうダメだ……もうおしまいだ……」

心「安心しろ☆ 世界はそう簡単に終わらない☆」

心「てか、そんなに面白かった?」

琴歌「いえ。ただとても仲良しだなぁって思いまして」

84: 21/02/16(火) 02:37:28 ID:9Rq
琴歌「そういう事なら心さんを『お姉さま』とお呼びするのは諦めますわ」

心「ん? おう?」

琴歌「でも親しみを込めてはぁとさんとお呼びするのは構いませんか?」

心「もちろん♪ むしろそう呼んでくれた方がはぁとも嬉しいし☆」

琴歌「はい♪ ではこれからははぁとさんとお呼びしますわ♪」

琴歌「ちひろさん」

ちひろ「……はい?」

琴歌「ちひろさんのお姉さまのこと、取らないので安心してくださいまし♪」

ちひろ「こ、琴歌ちゃん!?」

琴歌「では、今日はお先に失礼させていただきますね。せっかくはぁとさんが来てくれたのにお話する時間が取れずに申し訳ないのですが……」

心「いやいや☆ はぁともちょっと寄っただけだから☆ おしゃべりはまた今度ゆっくりしようね♪」

琴歌「はい!」

琴歌(お二人はとっても素敵な関係なのですね♪ 今日はとても良い事を知れた日ですわ)

琴歌「~♪」

心「鼻歌歌いながらってそんなに良い事あったのかな? ちひろちゃん何か知ってる?」

ちひろ「知りませんよ……。それに琴歌ちゃんはご機嫌かもですが私はご機嫌ななめです」

心「またまた~☆ ちひろちゃんの大好きなはぁとが来てやったんだぞ☆ 照れんなって☆」

ちひろ「あぁ……もうこうしてまた誤解が増えていく……」


引用元: 佐藤心と千川ちひろ