1: 2013/02/17(日) 09:04:57.63 ID:i9tL2f/P0
六花(私も…プリキュアになったんだ…)

六花(またマナに振り回される毎日が続きそうね…)


パチ、パチ、パチ…


六花「誰?」


奏「おめでとう、菱川六花さん。いえ、キュアダイヤモンド」

れいか「あなたも今日から、プリキュアメンバーの仲間入りですね」


六花「え、どういう…それにどうして私がプリキュアって…」

4: 2013/02/17(日) 09:09:50.61 ID:i9tL2f/P0
奏「自己紹介がまだだったわね。私は南野奏」

れいか「青木れいかと申します」

六花「…はじめまして」


奏「私たちも、実はプリキュアなのよ」

六花「そ、そうなんですか…」

奏「私は、このキュアモジューレと…今ここにいないけど、妖精のレリーの力でキュアリズムに変身できる」

れいか「わたくしは、このスマイルパクトで、キュアビューティとなることができます」


六花「あの…プリキュアであることはあまり話さないほうがいいのでは?」

奏「悲しいことを言うのね、私たち、仲間じゃない!」

れいか「そうです。仲間、ですね」



奏・れいか「うふふふ…」

六花(何、この人たち…?)

6: 2013/02/17(日) 09:14:04.75 ID:i9tL2f/P0
れいか「菱川さんは、とても頭が良いと伺っております」

六花「六花でいいです。…いえ、それほどでは」

奏「謙遜しなくてもいいのよ。ちなみに、私もこう見えて、地元の学校では学力トップなのよ」

六花「はあ…」

れいか「わたくしも、自慢するほどではないのですが、知力には多少自信があるのです」


奏「私たちって、意外と共通点があるのよ。」

奏「私だって、プリキュアになる前は、走り回ったりするような活動的なことはなかったし」

れいか「わたくしも、弓道をたしなんではおりますが、すべての運動が得意というわけではありませんでした」

奏「それに、そういうキャラは、ねぇ?」

れいか「そうですね。言うまでもなく…」


奏・れいか「「私の 幼 馴 染 の立ち位置なので」」

六花「!?」

10: 2013/02/17(日) 09:19:30.15 ID:i9tL2f/P0
れいか「立ち話もなんですし、どうぞ、お座りください」

六花「……」

六花(ここで座ったら、話が長くなりそう…)


六花(というか、すごく嫌な予感がする…この人たちの話に乗っていいものかどうか…)


奏「ハイ座って座ってー」グイッ

六花「うっ」ドサッ


れいか「そう緊張なさらずに、どうか、くつろいでください」

奏「飲み物なにがいい?」

六花「あの…やっぱり私…」

奏「まーまー、いいからいいから!私たち、先輩プリキュアとして、あなたを歓迎したいのよ!」


六花(マナ…私どうしたら…)

11: 2013/02/17(日) 09:24:30.75 ID:i9tL2f/P0
奏「ピキーン」

六花「な、なに…」


奏「ふふ、今、何を考えていたのかな~?」グリグリ…

六花「何って…」

奏「正確には誰のことを…」


れいか「奏さん。その話は、追い追い、させてもらいましょう?」

奏「…そうね。」


六花(…この人たち、なんか怖い)


六花「あ、あの!プリキュアになったことを祝ってくれるのなら…」

六花「もう一人、私の仲間がいるんです!その人も一緒じゃ、ダメですか?」

六花「呼べばきっとすぐに来」


奏「駄目よ」

14: 2013/02/17(日) 09:29:37.99 ID:i9tL2f/P0
六花「ど、どうしてですか!?」

奏「その人は、この場に呼んじゃいけないのよ…会の趣旨に反するわ」

六花「会の…趣旨…?一体あなたたち…プリキュア、じゃないんですか?」


れいか「前置きが長くなりましたね。始めましょう、奏さん」

奏「そうだ、せっかくだから、フリを六花さんにお願いしましょ?」


れいか「六花さん。よろしいでしょうか?」

六花「な、何ですかフリって…」


奏「『貴方たちは何の括りですか?』って言ってちょうだい。私たちがそれに続くから。」

六花「は、はあ…」

奏「それじゃ、張り切ってどうぞ」


六花「えっと…『あなたたちは、なんのくくりですか?』」

奏「私たちは…」


奏・れいか「「幼 馴 染 大 好 き プ リ キ ュ アですっ!」」

16: 2013/02/17(日) 09:35:24.33 ID:i9tL2f/P0
六花「」ドンビキ



奏「いやー、ついに『幼馴染大好きプリキュア』通称『ド百合キュア』が3人になったってわけね…」

れいか「新プリキュアに仲間がいてくれたのは、心強いですよね」


六花「…待って、ちょっと待ってちょっと待って。いろいろおかしい」

れいか「質問ですか?どうぞ」


六花「…まず、『幼馴染大好きプリキュア』、って何?」

六花「さっきの話では、あなたはキュアリズムで、あなたはキュアビューティって…」


れいか「そのことは、まずわたくしからお話ししましょう」

れいか「わたくしの所属するチームスマイルには、私含め5人のプリキュアがいるのですが」

六花(5人もいるんだ…)


れいか「その中の一人、キュアマーチこと緑川なおは、わたくしの幼馴染なのです」

18: 2013/02/17(日) 09:40:40.53 ID:i9tL2f/P0
奏「私のほうは、チームスイートで、キュアメロディこと北条響が、私の幼馴染なのよ」

六花「そ、そうなの…」

六花「確かに、私の仲間も、私の幼馴染だけど…」


奏「ちなみに、その幼馴染のお名前、訊かせてよ」

六花「えっと、相田マナ…キュアハートに変身するんですけど」

奏「駄目。やり直し」

六花「え?」


れいか「六花さん。その…もう少し愛情をもって紹介してくださいませんか?」

六花「あ、愛情???」


奏「だめよ、六花さん。貴方たち、愛の力が源のプリキュアなんでしょ?」

奏「もっと、心を込めて、紹介しないと。さ、もう一回」


六花(なにこれめんどくさい…)

19: 2013/02/17(日) 09:45:28.90 ID:i9tL2f/P0
六花(今の二人と同じような紹介の仕方をすればいいってこと…?)


六花「あの…。キュアハートこと相田マナが、私の幼なじ」

奏「ダメダメ!」

六花「えー…」


奏「れいかさん。何が足りないのかしら」

れいか「そうですね…。敢えて一つ上げるなら…『恥じらい』、でしょうか」

六花「な、なにも幼馴染を紹介するのに恥じらいなんて…」


奏「六花さん。いい?大事なのは、聞いている人の心がキュンっってなる甘酸っぱさなの」

奏「こう、目を泳がせつつ、頬を染めながら…でも、名前はじっくり味わって呼ぶことで…」

六花(さっきの2人の紹介なんて別にそんなことなかったのに…)


奏「はい!テイク3!」

六花(目が泳いでいればいいの…?)

22: 2013/02/17(日) 09:50:21.85 ID:i9tL2f/P0
六花「私、の、幼馴染は、相田、マナで…キュア」キョドキョド

奏「違う違う、それ違――う!」

六花「………」


奏「…どうしよう、れいかさん。正解からどんどん遠ざかっているわ」

六花(…既にこの会合の方向性がおかしくなっている気がする)


れいか「…。仕方ありません。では、こういうのはどうでしょう」

奏「え?」


・・・


奏・れいか「「ごー、ろーく、ななー」」

六花「はぁっ、はちーっ!き、きゅうーっ!」


六花(ど、どうしていきなり腕立て伏せなんて…っ!)

六花「じ…じゅうっ!」

24: 2013/02/17(日) 09:55:19.52 ID:i9tL2f/P0
六花「はぁ、はぁ、はぁ…」


れいか「今です、六花さん!」

六花「はぁ、はぁ…え??」

れいか「さあ、あなたの幼馴染を紹介するのです!」


六花「はぁ…はぁ…、幼馴染…はぁ…相田マナ…はぁ、はぁ…キュア、ハート……はぁ、はぁ…」


れいか「どうでしょう、奏さん!?」

奏「うむ…」


奏「少々方向性が違う気もするけど、赤くなった頬に、吐息が色っぽくて、これはこれで良いもの」

奏「よし、合格としよう!」


六花「はぁ…はぁ…」

六花(かえりたい…)

25: 2013/02/17(日) 10:00:10.69 ID:i9tL2f/P0
六花「はぁ…はぁ…ちょっと…はぁ…休ませて…」


れいか「…奏さん。さすがに今日プリキュアになったばっかりの六花さんには酷じゃありませんか?」

奏「そうかな?」

れいか「わたくしたちは、ともに戦い続けて、今では、より愛情の深まった幼馴染となっていますが」

れいか「六花さんは、まだその大切さ、奥深さに気づいていないのかも、しれません」


奏「そうか、そうかもしれないわね…。」

奏「確かに、プリキュアになった初日にこんなことやれって言われても、私はたぶん無理だったわ」


奏「ご、ごめんね、六花さん?私たち、長いこと『ふたりはド百合キュア』でやってきたから…」

奏「新人であるあなたの力量を見誤っていたのかもしれない、これは私たちの過失よ」


六花「はぁ…はぁ…そ、それともう一つ」


六花「なんなんですか…その…『どゆりきゅあ』って…」

六花「どこを、どう略したら…はぁ…はぁ…その名前になるんですか…」

28: 2013/02/17(日) 10:06:07.32 ID:i9tL2f/P0
奏「でも、あなたたちって、チームドキドキでしょ?」

六花「え?なんですそれ…」

れいか「奏さん。まだそこまでお話が進んでいないのかもしれません」

奏「あ、そっかー」


奏「ドキドキプリキュア略して『ドプリキュア』が由来、とかって適当に答えようと思ってたのに」

れいか「それは、うちのみゆきさんの芸風ですよ、奏さん。それにこちらの発足が先ですし。」

六花(…気のせいかな、適当に答えるという旨の発言が聞こえたのは)


奏「…つかぬことを訊くけど、六花さんは百合ってご存知?」

六花「ユリですか?夏に咲く花の…ヤマユリとか…」

奏「あー、そういうのじゃなくってね?」

六花「……?」


奏(れいかさん。彼女、完全に生娘よ)

れいか(大丈夫です。これから、積み上げていけばよいのです)

六花「……???」

31: 2013/02/17(日) 10:12:02.68 ID:i9tL2f/P0
奏「えっと、まだプリキュアになったばかりの六花さんには難しい話なので…」

奏「ひとまずは『幼馴染大好きプリキュア』として活動してもらえるかしら?」

六花「…まだよくわかっていませんけど、結局、それって具体的にはどういうことなんですか?」


れいか「奏さん。そろそろ始めましょうか」

奏「ええ。六花さん、習うより慣れよ、ってね。少しずつなじんでもらえばOKよ」

六花(馴染める自信が今のところ皆無なんだけど…)


奏「さ、ファンキープリキュアカモン!」パンパンッ

六花(何が来るの…?)


ビート「……」

ピース「……」


六花「な、な、な…!」

六花「あなたたち…プリキュア…!?」

33: 2013/02/17(日) 10:17:44.74 ID:i9tL2f/P0
六花「それに…なにその等身大パネル…!?わざわざそれを持ってここに…?」


ビート「…爪弾くは魂の調べ…キュアビート…」ボソッ

ピース「…ぴかぴかぴかりん、じゃんけんぽん(台詞だけ)……キュアピース…」グスッ


六花「ちょっと、奏さん、れいかさん!この2人、明らかにやる気ないですよ!?」

六花「無理やり参加させているんじゃないですか!?」


奏「そんなことないわよ?ねぇ、ビート?」

ビート「……」


れいか「わたくしは、嫌なら辞めてもいいと言っているのですが…」

ピース「わ、わたしは……じ、自分の意志で…さ、参加しています……」ガクガクブルブル…

39: 2013/02/17(日) 10:24:56.82 ID:i9tL2f/P0
六花「だ、だいたいどうしてプリキュアの姿で…」

六花「プリキュアってことは、誰かが変身した姿なんでしょう?」


ビート「……匿名で参加したかったので」

ピース「……こんなことやってるってばれたら、友達いなくなっちゃう」グスッ


六花(右の黄色い子、完全に泣いてるじゃない…泣くほど嫌なの…)

六花(プリキュアって…こんなだったの…!?)


奏「お疲れ様、ファンキープリキュアの二人。またあとでね。」

ピース「……」スタスタ…


ビート「……」

奏「ん?どうしたのビート?」

42: 2013/02/17(日) 10:30:40.47 ID:i9tL2f/P0
ビート「私も…私もこの会合に参加する資格が…あるような気がするんだけど…」

奏「んー、前も言ったけどビート。あなたのはちょっと違うのよね…」


奏「私、人と獣の恋愛は理解できなくて…」

ビート「け、獣じゃないわよ、妖精よ!?私だって…」

奏「あ、うんうん!ごめんね?愛の形は人それぞれよね?」


奏「でもビートに代わる、ファンキープリキュアの代役を探さないといけないじゃない?」

ビート「…。この役を、姫様に…やらせろと……?」


奏「代役が決まれば、すぐにでも参加してもらってもいいんだけど…」

奏「イ工口ープリキュア同士で、ピースとも絵面合うし、私はそれがベストだと思うんだけどなぁ。」


ビート「……。帰ります」トボトボ…


六花(…あらためて)

六花(とんでもない場所に、来てしまったのかもしれない…)

46: 2013/02/17(日) 10:36:42.86 ID:i9tL2f/P0
六花「あの…その等身大パネル…」

奏「みてのとおり、私たちの幼馴染よ!」

六花「………」


れいか「自前のものでも構いませんので、六花さんも次回からご用意ください」

六花「は?…自前って」


奏「あれ~?もってないの?意外だね」

六花「ふ、普通そんなもの持ってませんよ!?」

れいか「では等身大ポスターとか、引き延ばした写真とかですか?」

六花「いや、だから」


奏「もしかして添い寝シーツとか、抱き枕というレベル…!?」

六花「その単語はちょっと理解不能」

49: 2013/02/17(日) 10:42:53.55 ID:i9tL2f/P0
六花「そのパネル、私物なんですか!?」

奏「私物っていうか、まあ、自分で作ったかな」

れいか「奏さんとわたくしの共同出資で、A1レーザープリンターを購入したので」

奏「毎回、写真で撮影した幼馴染の画像を等身大に引き延ばして、台紙に張っているのよ」

六花(………)


れいか「ちなみに、等身大なので、運搬中見つかると恥ずかしいものですから…」

奏「さっきのファンキープリキュアに、私たちの部屋からここまで、うまいこと運んでもらっているってわけ」

六花(………)


奏「六花さんも、そろそろファンキープリキュアの候補が見つかる気がするから、声かけておくといいかな」

六花(…仮に見つかったとしても、こんな悲しい汚れ役をやらせろというの…?)


れいか「でも、すぐには無理かもしれません。」

れいか「しばらくは今のファンキープリキュアに任せるのもよいかと思います」

奏「そうね。軌道に乗ってからがいい気もするし。あなたたちは、まだまだこれからだもんね」

51: 2013/02/17(日) 10:49:02.63 ID:i9tL2f/P0
奏「でも、あなただけ相方(のパネル)がいないというのも寂しいわね」

れいか「何か、写真などは持ち歩いていないのですか?」

六花「そんな急に言われても…」


六花「あ、手帳にあったかな」

奏・れいか(わくわく…)


六花「あった、これ」

六花「ちょっと前に撮影したものですけど」

奏「見せて見せて?」

六花「い、いいけど…」


奏「いやーーっ!ツーショットよ、ツーショット!!腕なんか組んじゃってっ!」

六花「ちょ、ちょっ…///」カーッ

れいか「いいですね…これはとてもいい…肌身離さず持ち歩く以外に用途がないです」


奏「これ、コラって私と響にできないかしら」

55: 2013/02/17(日) 10:55:21.37 ID:i9tL2f/P0
奏「はー。いやね、実のところ先週と今週の六花さんの活動を見せていただいたのだけれど」

六花「見せていただいたって…ど、どこでどうやって???」

奏「まあまあ、細かいことは気にしないの」

六花(ジコチューとの戦いを見られたってこと…?)


奏「『私はあなたのツバメにはなれない!?』最っ高の告白だったわね!」

六花「えぇ?そこ!?」

れいか「わたくしは諸般の事情で、そういうことをおおっぴらに言えなかったので、羨ましい限りです」

奏「私は色々と行間読ませて差し込んでいたんだけど、そんな小細工をしていた自分が恥ずかしいわ」

六花「………」


奏「それに、どうも、あなたの夫であるところの相田マナさんは」

六花「お、幼馴染ですっ」


奏「ああ、ごめんなさい。あなたの『幸せの王子』であるところの…」

六花(ああ、めまいがする…)

59: 2013/02/17(日) 11:02:26.61 ID:i9tL2f/P0
奏「相田マナさんも、天然ッ気はあるけど、普通に頭がよさそうなのよね」

奏「正直うちの響バカだし」

れいか「な、なおも、根は優しくていい子なんですよ…?」


奏「それに、やり取りなんか見てると、わりと相思相愛な雰囲気があるわ」

奏「私は、響の胃袋を握ることで、どうにかこうにか今に至ったわけだけど」

れいか「なおは、あまり自分の話を進んでしないものですから…わたくしは現在進行形で苦労しています」


奏「そういう意味では、六花さんのポジションはとてもいい位置にいるといえるわね」

奏「でも油断しないで?」

れいか「わたくしたちの調査では、最初仲のいいプリキュアは、テコ入れで後半ケンカする傾向があります」

れいか「そして、その役回りは、わたくしたちのような立場が口火を切る傾向にあり…」

奏「いい?六花さん。確かに1年間も続けてるとちょっと機嫌の悪い日とかも出てくるけど…」

奏「あまりグダグダと険悪な状態を続けるのは、よくないわよ?」

奏「向こうが悪くっても、こちらから一歩退くという判断も、時には必要だからね?」


六花(なんか、妙に必氏)

62: 2013/02/17(日) 11:10:23.95 ID:i9tL2f/P0
六花「あの…プリキュアはマナと私だけだと思っていたんだけど…」

六花「ほかにもいるってこと…?」

奏「ええ、いるわよたくさん。ねえ?」

れいか「その辺については、近々、また皆で集まることもあるでしょうし、心配はいりませんよ?」

六花「いや、心配とかはしてないけど…」

六花(こういう厄介ごとはもう嫌なだけなんだけど)


奏「次集まった時に、どうにか先輩プリキュアも巻き込みたいんだけどね…」

奏「後輩であるところの私がしゃしゃり出るのも難しい話なのよね」


奏「本来なら、先輩が先陣切って音頭取るべきよ」

れいか「なにも先輩ありきで進める必要もないですよ、奏さん」

れいか「わたくしたちが、積極的に盛り上げて、もっとド百合キュアを盛り上げ、拡大していけばいいのです」

れいか「そのためには、奏さんの、そのプリキュア随一の幼馴染大好き属性が必要不可欠なのですから」


奏「いやだなぁ、れいかさん。そんなこと言われたら惚れちゃうじゃない、響の次くらいにっ♪」

六花「」ざわっ…

65: 2013/02/17(日) 11:15:56.12 ID:i9tL2f/P0
六花「…あの、根本的な質問、いいですか?」

れいか「どうぞ。訊きたいことは、積極的に訊いてください。わたくしたち、力になりますから」

奏「基本はやっぱり胃袋を握るところからねー」

六花「あ、いえ、そうじゃなくて…」


六花「今ここに至るまで、この場所の目的とか、やりたいことが見えてこないんだけど…」

六花「別に私がいなくてもいい気がするし」


れいか「そうでしょうか?わたくしには、六花さんにとって最適な場所だと思っておりますよ?」

奏「そうそう。六花さんはこれからプリキュアとして頑張っていくにあたって…」

奏「加えるなら、幼馴染と、プリキュアを頑張っていくにあたって…」

奏「私たち以上に最適なアドバイザーは、いないと思っているのよ?」

れいか「悩んだり迷ったりするときに、一人で考え込むのは良くないものです」

れいか「迷ったときは、是非ともわたくしたちを、頼ってほしいのです」

れいか「プリキュアは、一人ではないのですから」


六花(いや、悩みがあればマナに相談すればいいし)

67: 2013/02/17(日) 11:22:30.93 ID:i9tL2f/P0
奏「…その目は、『悩みなんて大好きなマナちゃんに相談するもんね!』てきな目ね」

六花「いや、別にそんな」

六花(奏さんって鋭いわね…)


奏「確かに、あなたの幸せの王子であるところの相田マナさんは、話しやすいし相談しやすそうだし」

れいか「しかし、そんな幼馴染だからこそ、相談できないことも、生まれうるのです」


六花「」ムッ


六花「そ、そんなことはないわ。私とマナは、いつだって分け隔てなく、付き合ってこれるわ!」

六花「マナだって…プリキュアだってこと、私に一番に話してくれたし」

六花「…とても信じられるような話じゃないのに。それでも、私を信じて…」


六花「…?」

奏「いいわね、名言録音させてもらったわ」

六花「な、な…///」

奏「六花さんは、幼馴染のことになると、周りに目もくれず熱くなるタイプなのねー。いいわね~」

71: 2013/02/17(日) 11:31:02.72 ID:i9tL2f/P0
奏「確かに、先週は、周りに生徒がいる中、どう考えても告白にしか聞こえないこといっちゃったり」

れいか「あの骨董屋さんが相田さんに迫った時、初対面にもかかわらず厳しくつっかかっていましたもの」

奏「でも私、ああいうのは嫌いじゃないわよ?嫌な虫が寄り付かないように、的な、独占欲というか?」

六花「………」


奏「そうでしょう?相田マナさんが他の人とイチャイチャしたら、イライラちゃうでしょう?」

六花(今は割と、この人たちにちょっとイライラしてるけど)

六花「…。マナが誤ったことをしそうになったら、正すのが私の役目だから」


奏「でも、まあ、そこは絆が、愛情が強くなればなるほど、気にならなくなるものよ」

奏「今はまだ、もしかしたら自分以外が…って、いう可能性が見えちゃうから、不安になるのよね」

れいか「それはありますね。」


奏「そのあたりの不安は、大丈夫よ?我が道を進めば、必ず払しょくされるから」

れいか「道…!!」

73: 2013/02/17(日) 11:38:41.51 ID:i9tL2f/P0
奏「響も、れいかさんとこの緑川なおさんも、女性からかなり人気があるからね。確かに最初は不安だったけど」

れいか「そうですね…まずよりどころとなるのは『幼馴染』。これにつきます」

れいか「『誰よりも彼女と付き合いが長い』『彼女のことをだれよりも知っている』」

れいか「その気持ちが強ければ、多少の浮気…否、いちゃつきにも余裕で耐えることができますよ」


奏「でも、確かに男は有害ね。近づいたら排除するのは正解」

れいか「ふふ、王子先輩を追っていた奏さんのセリフとは思えませんね」

奏「あれはいろいろ思うところがあったのよ~。」


奏「具体的には、響に嫉妬心をあおる作戦だったのだけれど、天然の響には効果皆無だった」

れいか「そうだったのですか…ご苦労されていたのですね…」


六花(なんだろう、なんか幼馴染の話と恋人?の話が入り混じっている気がする)

76: 2013/02/17(日) 11:46:09.53 ID:i9tL2f/P0
六花「えっと、もう一つ質問、いいですか」

れいか「はい、どうぞ」

六花「どうして、こんな集まりを始めたの?」


六花「見た感じ、会を主催しているのは奏さんのようにみえるけど…」

六花「目的は…なんかもうどうでもよくなったので」

奏「どうでもいいとは失敬な」


六花「あ、すいません、つい本音が…ではなく」

六花「ちょっと腑に落ちない点も多々あるけど…」

六花「確かに、私と同じような境遇の、同じような経験、プリキュアである皆さんと」

六花「こうして話ができる機会というのは、大事だと思うし」

六花「その点では、私を招いてもらったことは、感謝してはいるので」


六花「それに場所というものは、自分で活用して使うものだから」


奏「…お、大人ね六花ちゃん。生娘のくせに」

77: 2013/02/17(日) 11:51:41.22 ID:i9tL2f/P0
れいか「奏さんについては、パートナーである響さん…キュアメロディとの仲の良さが」

れいか「プリキュアの強さに直結していたのです」

奏「ハーモニーパワー、って、ハミィが言っていたわ。結局それが何なのか、よくわかってないんだけど」

六花(わかってないんだ)


奏「まあ、要は、喧嘩してたり、すれ違っていたり、あの日だったりすると…」

奏「プリキュアになったとしても、私たち本来の力が出せないという困った仕組みだったのよ」

六花(…あの日??)


れいか「必殺技も、ベルティエがなかったころは、パッショナートハーモニーという名の恋人手つなぎが」

奏「いやん!そんなはっきりと言わないでっ♪」

六花「…恋人手つなぎ?」


奏「れいかさん、ちょっと手伝って」

れいか「はい」

79: 2013/02/17(日) 11:58:13.38 ID:i9tL2f/P0
奏「普通、手をつなぐと言ったら、こうやって相手の手を握る感じで…こうよね?」

六花「ええ、そうですね」

奏「でも、この手つなぎって、正直長時間することには向かないのよ。」

奏「手首の角度がちょっと無理しているのもあって、疲れやすいわ」

六花「はぁ」


れいか「なので、このようにお互いの指と指を絡ませて、こう握る」

れいか「この握りだと、手首の負荷も少ないので、長時間手をつないでいられるのですよ」

六花(ほぅ…?)


奏「恋人同士(男女とは限らない)が手をつなぐときに、恋人手つなぎにしているか否かで」

奏「お互いの本気度がわかるわね。」

れいか「それに…」


奏「は、はぁん…っ」

奏「や、やめてよ、れいかさん…っ」

れいか「たまに適度な力を入れてあげると、気持ちいいのですよ?」

80: 2013/02/17(日) 12:04:36.08 ID:i9tL2f/P0
奏「れいかさんは、隙あらば私を堕とそうとする…油断ならないわ」

れいか「い、いえ…そんなつもりでは…」


六花「恋人手つなぎ…指を絡ませ…適度に力を…」メモメモ…

奏(ふふ、いい傾向ね…)


六花「はっ!そ、そうじゃない!話が逸れているわ」

六花「そ、それで、ハーモニーパワーとこの集まりに何の関係が?」


奏「いろいろあって、私のほうは無事悪い人たちから世界を救ったのよ」

奏「で、次はれいかさんのところが頑張っていたのだけれど」

奏「最初はただの真面目な生徒会役員さんかなーって思っていたところ」

奏「話を聞くにつれ、どうも、怪しいと感じてね」


れいか「ちょうど、去年の今頃、わけあってプリキュアのメンバーが勢ぞろいした時に」

れいか「奏さんから声をかけられたのが、事の始まりでした」

82: 2013/02/17(日) 12:10:47.06 ID:i9tL2f/P0
れいか「はじめは、奏さんのことをよく知らなかったので…」

れいか「今の六花さんのように、わたくしも多少なりの警戒を抱いていたのですが…」

奏「話をしていけばしていくほど、私たちは多くの共通点があり、」

奏「夜が明けるまで、腹を割って話した結果、ひとつの大きな結論にたどり着いた」


奏・れいか「「私たちは、幼馴染のことが大好きだってことに!!」」


六花「」

奏「それも、単なる友達としての好き、とは次元が違うわ」

奏「そうね、例えるなら」


奏「響の子供を産むことも、やぶさかではない」ドヤッ

れいか「そ、それは確かに夢ではありますけど…噂のiPS細胞があれば実現できるとも言われていますけど…」

れいか「わたくしは、そこまで大逸れていなくても、なおを養子として受け入れるくらいの覚悟くらいですね」


六花(今、確信した)

六花(ここは、一刻も早く逃げなければいけない場所だった)

84: 2013/02/17(日) 12:16:23.93 ID:i9tL2f/P0
六花(あわよくば、マナと一緒ならいてもいいかと思っていたけど)

六花(とんでもない混沌の深淵…!後戻りできるなら今しかないっ)

六花「あ、あのっ!今日は歓迎頂いて光栄でした!でもこれから先は私とマナでがんばりますから!」

六花「これで失礼しま…!?」


ガシッ

奏「ふふ…まだ後戻りできる、そう思っているのかな…?」ニヤリ

六花「は、離してください!私、そういうのじゃない!マナとはそういうのじゃ…」


奏「恋人手つなぎのこと、あんなに熱心に訊いてたのに~…?」

奏「どこで活用するつもりだったのかなぁ?」

六花「………」


れいか「恋人手つなぎ以外にも、きっと六花さんの役に立つような知識や経験則が」

れいか「ここでは効率よく、集まりますよ?」


六花「……」ゴクリ

87: 2013/02/17(日) 12:23:32.66 ID:i9tL2f/P0
奏「私たちは、確かにちょっと変わった感情を抱いているかもしれないけど」

奏「でも、幼馴染が大好きで、大切だという気持ち。六花さんと同じだと思うのよ」

奏「六花さんの流儀を私たち色に染めるつもりは、まったくないわ。」


れいか「先ほど、六花さんもおっしゃったように」

れいか「場所とは、使う場所を固定されるものではなく、自分自身で有効に使いこなすもの…その通りです」

れいか「六花さんほどの頭の良さがあれば、流されることなく、自身の力で…」

れいか「自分自身の力に変える場所へと昇華できるのではないでしょうか」


奏「そんなことより、なにより…」

奏「私たち、もう友達、でしょ?」


六花「……」

六花(いや、まだ友達とは言い切れないな…)

88: 2013/02/17(日) 12:27:33.63 ID:i9tL2f/P0
六花「わ、わかりました…。ここで出会ったのも何かの縁。」

六花「私にまったくメリットがないと言われれば、確かにそうではない…」

奏「うんうん!」


六花「で、でも!まだ『幼馴染大好きプリキュア』かどうかは保留にさせてください!」

六花「『どゆりきゅあ』メンバーとしても、まだ数えないでください!」

奏「えーー?過去最高クラスのラブラブプリキュアなのにー?」

六花「やめてください」


六花「それと、たった一つ、条件があります」

れいか「なんでしょう?」


六花「この場には、相田マナも同席させます」


奏「!!」

れいか「…!」

90: 2013/02/17(日) 12:33:06.67 ID:i9tL2f/P0
六花「確かに、奏さん、れいかさんは経験も豊富な頼りになる先輩です」

六花「しかし、私が正しい方向に進んでいるかどうかは、ここではきっと判断できません」

六花「マナなら、私が間違ったことをしそうになったら、必ず声をかけてくれます」

六花「私には、マナがいないと…マナがいないとダメなんですっ!」


奏「……」

れいか「……」


六花「なんなら、私のファンキープリキュアにキュアハートを指名します」

六花「だから…マナと一緒にいさせてください」

六花「お願いします…それに、マナに隠れてこの場にいることなんて…黙っていられないし…。」


れいか「奏さん。…ここまで言われてしまったら」

奏「そうよね、断れないわ。いいわよ、六花さん。その条件、飲むわ」


六花「…!ありがとう、奏さん!れいかさん!」

91: 2013/02/17(日) 12:39:20.79 ID:i9tL2f/P0
奏「でも、その道は茨の道よ?その覚悟はあるの?」

六花「マナとなら、乗り越えられます」


六花「そもそも、相手不在で相手のことを語るのはおかしくないですか?」

六花「響さんに、なおさん。この二人もぜひ招待したらどうです?」

六花「人数は、多ければ多いほうが、楽しいですよ!?」


六花「本人がいれば、等身大パネルもいりませんし…」

六花「それを運ぶだけだという、悲しい役回りとなっているファンキープリキュアも不要です」

六花「…これはこれで、私の思い…私の流儀の押し付けになっているかもしれません」

六花「でも、間違ったこと、言ってないと思っています!」


奏「なるほどね…。」

奏「うん、六花さんのいうことも、一理ある!」

れいか「か、奏さん…」

93: 2013/02/17(日) 12:46:57.57 ID:i9tL2f/P0
奏「そうね。私たちももっと柔軟であるべきかもしれないわ」

奏「そのための、新しいプリキュアである、六花さんの参戦なんだから」


奏「れいかさんは、大丈夫?」

れいか「…正直、不安のほうが大きいです。」

奏「まあ、私も少しは、ね…。」


六花「その不安も、私たちで解決していきましょう?」

六花「さきほど、二人も言っていたわ。不安は自信が払しょくするって」


六花「私だって、幼馴染のこと…マナのこと、大好きです。きっとそこに、ブレはない」

六花「…奏さんのプリキュアは、お互いの仲の良さが力に代わるといってたけど」

六花「それは、何も、プリキュアだからと限った話ではないはず」


六花「誰かと一緒に何かをするなら、お互いを思いやり、助け合う心がなければ」

六花「力なんて発揮できないわ。どんな場面においても」

95: 2013/02/17(日) 12:52:09.63 ID:i9tL2f/P0
奏「そうね…確かにそう。」

れいか「わたくしたちは、思わぬ盲点を見逃していたのですね…」

奏「ありがとう、六花さん。私たちも、今日は勉強になったわ」

六花「そ、そうですか?ありがとうございます」


奏「…今日はもういい時間ね。急に引き留めて悪かったわね、六花さん」

六花「いえ…。いろいろ戸惑ったけど、興味深かったですし」

奏「近々、みんな集まるだろうし、その時にまたお話ししましょう?」

れいか「マナさんはじめ、六花さんの仲間にお会いできるの、楽しみにしています」


六花「はい!今日は、ありがとうございました!また!」



タッタッタッ…



奏「……」

れいか「……」

96: 2013/02/17(日) 12:59:46.18 ID:i9tL2f/P0
奏「六花さん…まだまだ若いわね。」

奏「完全に分かり合っているというのは、確かに理想だけど…」

奏「だからこそ、秘めておかなければならないことだってあるのに」


れいか「それも、これから、少しずつ分かっていくのではないでしょうか」

奏「うん、きっとわかるわ。六花さん、常によく考えているし、それに間違いなく、私たちの側の人間…」

奏「自分の思い描く理想と現実のギャップに、苦しめられる時が、きっと来るわ」


れいか「その時は…」

奏「もちろん、私たちが助けてあげるわ。私たちは、『仲間』だもの!」

奏「…いい逸材が、入ってくれてよかったわ。今後ますます滾(たぎ)って…」

奏「…じゃなくて、盛り上がっていけそうね」


奏「ファンキープリキュアの二人―?後片付けしましょう?」

ビート・ピース「……」



<おしまい?>

97: 2013/02/17(日) 13:01:50.56 ID:jzSwYK2H0
おしまい…?

98: 2013/02/17(日) 13:02:11.91 ID:ysBwKDbG0
続け

引用元: 奏「うふふ…」れいか「うふふ…」六花(何、この人たち…)