○行きたいとこは○


理亞「……さっきから思ってたんだけど、なんでこんなコテコテに方言使ってるの？」

聖良「何やあかんのか？方言使うとるおなごはめんこいさゆわれるけんね。そんなん、使わさるでしょうよ」

理亞「ごちゃまぜすぎ」

聖良「楽しくなっちゃって」

理亞「はぁ……」

聖良「東京行ったら何しましょうか」

理亞「……とりあえず、神田明神は行きたい」

聖良「うんうん」

理亞「それに、UTX高校は外せない。あとは、池袋のナンジャタウンとか。上野動物園も行きたいし、スカイツリーと東京タワー……お台場も行ってみたい」

聖良「多いね」ｸｽ

理亞「この前はあんまりゆっくり観光できなかったから……姉さまは行きたいところある？」

聖良「皇居」

理亞「渋い」

聖良「国会議事堂なんかも行ってみたいかな」

理亞「うーん」

聖良「国立西洋美術館は？ほら、世界遺産になったでしょ」

理亞「社会科見学みたい……」

聖良「むぅ」

○意見対立？○


聖良「そんな理亞の行きたいところは修学旅行みたいだけど」

理亞「修学旅行の方が楽しい」

聖良「社会科見学の方がクールでスマート。さて、私たちにぴったりなのはどっちでしょう」

理亞「…………」ﾑﾑﾑ

聖良「……ふふ、ごめんごめん。どっちも良いところがあるね」

理亞「うん」ｺｸｺｸ

聖良「あ、そういえば。滞在日程が、本戦の発表の日にちょうど重なってたの。せっかくだし聖地で見届けましょうか」

理亞「！」ｳﾝｳﾝ

聖良「楽しみね」

理亞「楽しみ」

理亞「いつから行くの？」

聖良「明日」

理亞「明日！？」

理亞「どうして早く言わなかったの……」

聖良「ふふ、サプラーイズ」

○急いで準備・お土産○

聖良「Aqoursさん達に、北海道のお土産でも持って行ってあげようと思うんだけど、何がいいかな」

理亞「……カニ？」

聖良「カニはちょっと……」

２人（高い……）

聖良「なんか、東京ばななの北海道版みたいなもの……空港で調達できるものがいいかな」

理亞「え、そんなものでいいの。千歌さん達わざわざ箱でみかん持ってきてくれた」

聖良「…………今から買いに行くの？」

理亞「まだ時間はある」

聖良「そうね……じゃあ何にしようか」

理亞「この前お母さんが買ってきたハスカップのチョコおいしかった」

聖良「それにしましょう」

理亞「即決」

聖良「あれ、理亞が１人で全部食べちゃったから。私食べてないんだよ」

理亞「……ね、姉さまの分も買うから」

聖良「理亞のお小遣いでよろしく♪」

理亞「…………」ﾑﾑﾑ

○急いで準備・荷造り○


～聖良の部屋～

聖良「さて、お土産も買ってきたことだし、次は荷造りをしましょう」

理亞「うん。急がないと」

聖良「着替えと、歯ブラシと、スキンケア用品……」

聖良「あ、これも持っていきましょう」ﾇｲｸﾞﾙﾐ

理亞「ちょっと、そんなのいらないでしょ……」

聖良「これがないと寝られないでしょ？」

理亞「寝られるからっ！昔の話でしょ！」

聖良「そんなぁ～……理亞チャン、もう僕と一緒に寝てくれないの～？」ｳﾗｺﾞｴ

理亞「うっ…………」

聖良「悲しいなぁ…ちっちゃい頃はいつでも一緒で、僕のメロン頭によだれ垂らして寝てたのに……」

理亞「はぁ、そんなことしても持ってかないから……」

聖良「ふふ、冗談よ。理亞ももうおっきくなったもんねー」

理亞「さりげなく私の鞄に詰めないで姉さま」

○荷造りとか片付けのときの宿命○


理亞「あ、姉さま、これ」

聖良「わっ、懐かしい！A-RISEのライブに行ったときの写真？」

聖良「わー、理亞の表情固いっ！緊張してたの？」ｹﾗｹﾗ

理亞「あ、当たり前。姉さまだって人のこと言えない」

聖良「ふふ、たしかに……でも嬉しかったな」

理亞「並んで写真撮ってるなんて、信じられない……」

聖良「昔はこうやって撮影会とかあったものね。今はもうライブすら当たる気がしない……」

理亞「でも、アイドルとしても大人気になって良かった」

聖良「うんうん」

２人「…………」ｼﾝﾐﾘ

聖良「あっ、荷造り途中だった」

理亞「あわわ」ｱｾｱｾ

○片付けのあとは○


理亞「よし、これで全部かな」

聖良「おつかれさまー。さて、それじゃ明日のために！」

理亞「寝る」聖良「でんでんでん鑑賞ターイム！」

聖良「ってなんでやねん！」

理亞「姉さま、それ関西弁」

聖良「どうして……どうしてすぐ寝るの？理亞」

理亞「どうしてって、明日早いから……むしろ姉さまは何故そんなことを」

聖良「A-RISEの話になった瞬間に、今日は夜通しで伝伝伝を見ることは決定してたのよ」

理亞「ええ！？」

○お見通し○

理亞「えーっと……それも東京持って行って、見たら？」

聖良「お姉ちゃんは、今！A-RISEのライブを見たい！！」

理亞「とか言ってその後のμ'sもどうせ見る」

聖良「うっ……」

理亞「そしたらきっとなし崩しにMidnight catsのも見るし、挙げ句の果てにディスクを変えてPolari'sまで見始めるでしょ」

聖良「ううっ……」

聖良「……理亞はすごいね。エスパーなのかな？」

理亞「姉さまの妹になれば誰でも簡単に推測できる」

聖良「そんな私の妹は理亞だけでしょ？」

理亞「……///」

聖良「だから……」

理亞「もうっ！A-RISEのだけ！見たらすぐ寝るから！！」

聖良（ちょろい）

聖良「やった！ペンライト取ってくるからディスクセットしておいて！」

理亞（騒ぐ気満々だし……）

○鑑賞○


聖良「わっちゃどぅー！わっちゃどぅー！」

理亞「ふわふわふわふわ」

聖良「わっちゃどぅー！わっちゃどぅー！」

理亞「ほわほわほわほわ」

＼can I do? I take it ／

２人「べびー！フー！」

＼can I do? I make it ／

２人「べびー！フー！」

理亞（姉さまとっても楽しそう）ﾌﾌ

聖良「あー……ライブ行きたい」

理亞「行きたい…………」

聖良「…………今度のライブ、当たるといいね」

理亞「神田明神で祈ってこよう？」

聖良「そうしましょう」

＼皆さんこんにちは、μ'sです！／

聖良「あっ、μ'sきたっ！」ﾜｸﾜｸ

ﾃｭ-ﾝ...

理亞「約束通り、もう寝る」ﾘﾓｺﾝﾎﾟﾁ

聖良「……」ｳﾙｳﾙ

聖良「ね、一曲だけ……」

理亞「だめ！」

聖良「うぅ……」ｳﾙﾙ

理亞（絶対だめ……ここでμ'sを許したら、今日は寝られないと思った方がいい。ここを突破されてはならない）

理亞「そ、そもそも、もう夜になるし、コールとかで騒ぐのは迷惑」

聖良「……そうね、近隣への迷惑は考えなくちゃね」

聖良「じゃあ、ペンライトとコールは禁止で、音量も下げて…………」ｿ-ｯ

理亞「だめ！！」ﾊﾞｯ

理亞（危ない、リモコンを取られるところだった……この姉さまは危険。瞳がアイドルを求めてる）

聖良「ねぇ、理亞おねがぁい……」

理亞「だっ……だめ！！通用しないから、それ！」

聖良「お、ね、がぁ、い……///」

理亞「う～、だめだめだめ！」

理亞「姉さま、ちゃんと約束したでしょ。A-RISEが終わったら寝るって」

聖良「理亞がA-RISE見たら寝るから！って言ったのに対して、私はウンなんて言ってないもの」

理亞「」

理亞「……姉さま、あんまりごんぼほるんでないよ、みったくない！！」

理亞「もう知らないっ」ｽﾀｽﾀ

聖良「えっ」

ﾊﾟﾀﾝｯ...

聖良「…………あれ、怒ってる？」

聖良「ど、どうしましょう」

聖良「…………」ｲｿｲｿ

聖良（とりあえず伝伝伝は片しておきましょう）

○ご立腹○

～居間～

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

理亞「はーっ、きもやける……」

母「なしたの？どったらこったらほんずけないことこいてたねぇ。聖良と喧嘩でもしたんだべ」

理亞「姉さまが朝までライブ見たいって、じょっぱる……」

母「まーたあのSUN-RISEだっぺ。あんれ、P-RISEだっけか」

理亞「いや、A-RISE……」

理亞「んでね、A-RISEだけだよって約束したのに、あと少しあと少しって！」

母「んでも、明日２人で内地行くんっしょ？あんまりむくれてないで仲直りしておきなね。聖良もきっと反省してるべさ」

理亞「んー……」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

聖良「……」ｿ-ｯ

母「あら」

理亞「むっ……」

聖良「え、ええと、ごめんなさい、理亞……私、ちゃんと約束守るべきだったね」

理亞「…………」

聖良「もう伝伝伝もテレビのリモコンも片したし、布団もちゃんと敷き直したから……い、一緒に寝ましょう？」

理亞「………………うん」

聖良「！」ﾊﾟｧｧ

理亞「私も言いすぎた。姉さま、ごめんなさい」

聖良「ううん、ううん！いいのいいの」

母「あったかくして寝るのよ」

２人「はーい！」

○おやすみ○


～聖良の部屋～

理亞「姉さま、何してるの？」

聖良「目覚ましをセットしてるの。寝坊したらいけないでしょ？」

理亞「だから早く寝ようって……」ｼﾞ-

聖良「そ、それはっ、その……アドレナリンがどばーっとしてて……ごめんなさい」

理亞「でも、楽しかった」

聖良「ほんと？」

理亞「うん」

理亞「２人で、Saint Snowで優勝して……あの景色を見たいと思った」

聖良「…………うん♪」

聖良「頑張ろ、理亞。私たちなら大丈夫」ﾖｼﾖｼ

理亞「ん……姉さまと一緒なら、安心」

聖良「それじゃ、おやすみなさい」

理亞「おやすみ、姉さま」

そして翌日SaintSnowの２人は、Aqoursが待つ東京へと旅立つのであった。

おわれ

可愛かった