1: 2013/06/16(日) 00:00:50.16 ID:rmtfoz4T0
「私、好きな人ができたの!」


「…え?」


「だから、告白したい!アドバイスして!」





向日葵(櫻子に好きな人が出来てしまった…)

向日葵(所詮私達は女同士)

向日葵(いつか櫻子も好きな人が出来て…)

向日葵(それでも、私達の関係はきっと続く…)


向日葵(そう思いたかったのに…)





向日葵(それがこんなに嫌な事なんて)

4: 2013/06/16(日) 00:04:37.53 ID:rmtfoz4T0
向日葵(櫻子に好きな人が出来てしまって)

向日葵(櫻子は相手を教えてくれない)

向日葵(相手をこんなに頃したくなるほど憎い…)



向日葵(今度の日曜日に櫻子が告白する…)

向日葵(櫻子は可愛いから、きっと絶対にうまくいくはず)

向日葵(その後、私達の関係はどうなるのかしら?)


向日葵(いえ、今まで通り櫻子は接してくれるでしょう…)

向日葵(でも、櫻子の一番は私じゃなくて、きっと私の知らない誰か…)

向日葵(頃してやりたい)

5: 2013/06/16(日) 00:08:44.22 ID:rmtfoz4T0
向日葵「はぁ~」

楓「お姉ちゃん、どうしたの?怖い顔をしてるよ?」

向日葵「え?そうかしら?」

楓「また櫻子お姉ちゃんが何かしたの?」

向日葵「そ、その…」

楓「櫻子お姉ちゃんは悪気はないと思うの。だから許してあげて」

向日葵「ふふ、そうですわね。ありがとう楓」

楓「ううん。楓はお姉ちゃんの優しい笑顔が好きなの」



向日葵(そうよ。幼なじみの櫻子に恋人ができるんだから、祝福をしてあげないと!)

6: 2013/06/16(日) 00:12:43.55 ID:rmtfoz4T0
 
…………………………

櫻子「今度の日曜日に着ていく服って何がいいかな?」

向日葵「そうですわね。これとかどうかしら?」

櫻子「それ、本当に私に似合うと思う?」

向日葵「ええ、とても似合うと思いますわ」

櫻子「えへへ~。そうだよね、櫻子様には何でも似合うもんね!」

櫻子「~♪」

向日葵(憎い…櫻子にここまで想われるなんて)

向日葵(憎い…相手を頃してやりたい)

向日葵(憎い…無茶苦茶にしてやりたい)



向日葵(って、私何を!?)

向日葵(ダメ!ダメ!私は何を考えてますの?)


向日葵(櫻子に嫌われちゃう)

7: 2013/06/16(日) 00:16:52.17 ID:rmtfoz4T0
 
…………………………



櫻子「こことか夜景が綺麗だし?告白するのにいいよね?」

向日葵「確かに綺麗ですが、レストランで告白ってどうなのかしら?」

櫻子「ロマンチックじゃない?」

向日葵「もしも、あくまでももしもですが…」

櫻子「?」

向日葵「もし、ふられたら…すぐに帰る事ができないかも……お金を払ったりとかありますし」

櫻子「あっ、そっかー。そうだよね…」

向日葵「ごめんなさい!『もしも』あくまでも『もしも』の話ですわ」

向日葵(ごめんなさい!本当にごめんなさい!)

向日葵(櫻子がふられたらいいのに!って毎日考えてるの。本当にごめんなさい)

向日葵(…でも…)

向日葵(ふられたらいいのに)

9: 2013/06/16(日) 00:21:09.39 ID:rmtfoz4T0
櫻子「そ、そうだよね。告白する前から弱気になるなんてダメだよね!」

向日葵「そうですわ。櫻子の良い所は無駄に明るい所だけなんですから」

櫻子「向日葵のバカ!私の良い所はもっともっとあるもんね!」

向日葵「…良い所?もしかして、バカが良い所なのかしら?」

櫻子「んだとー!!私バカじゃないもんね!向日葵のバカ!」

向日葵「なんですって!?」

向日葵「あなたのバカなところなんて10個でも100個でも言えますわよ!」

櫻子「んぎぎぎぎぎ!!」



向日葵(もうこんなバカみたいな事も言えなくなりますの?)


向日葵(いえ、恋人が出来ても何も変わらないわよね)



向日葵(信じてますわよ。櫻子)

11: 2013/06/16(日) 00:24:45.07 ID:rmtfoz4T0
 
…………………………

向日葵「プラン?」

櫻子「うん、夜景がきれいなレストランで食事して」

櫻子「その後、移動してから告白しようと思うの」

向日葵「…で、どこで告白するか?を相談しに来たの?」

櫻子「うん!さすが私の向日葵!わかってるね!」

向日葵「嫌っ!」

櫻子「…え?」

向日葵「な、何でもありませんの。蚊が目の前に来て、驚いてしまって」

櫻子「蚊なんていたかな?」

向日葵(お願いだから『私の向日葵』なんて言わないで)

向日葵(私は…私は…こんなにダメな人間なのに)

向日葵(最近の私は憎んで憎んで憎んで憎んで憎んで憎んで憎んで憎んで憎んで)

12: 2013/06/16(日) 00:29:50.86 ID:rmtfoz4T0
向日葵「う~ん…ちょっと根本から見直しが必要かも…」

櫻子「なんで?」

向日葵「夜景が綺麗なレストランということは、食事は夜になりますわ」

向日葵「その後に行ける範囲は学生では限られてますし」

櫻子「あっ、そっかー」

櫻子「さすが向日葵!頼りになるね♪」ニコッ



向日葵(やめて!そんな笑顔で言葉で!私を見ないで!!!!)

13: 2013/06/16(日) 00:33:02.60 ID:rmtfoz4T0
 
…………………………



向日葵(もう無理。櫻子の顔を見たくない)

向日葵「じゃあ、昼食を一緒にとって、ショッピングモールでデートして…」

櫻子「その後に、公園で告白する!」

向日葵(告白なんてしないで櫻子!)

向日葵「そう…櫻子、頑張ってね」

櫻子「うん!ありがとう!向日葵にはお礼をしないとね」

向日葵「別にいいのよ。これくらい」

向日葵(お礼?だったら告白しないで!私の気持ちに気付いてよ!)

14: 2013/06/16(日) 00:37:48.61 ID:rmtfoz4T0
向日葵(所詮、私達は女同士)

向日葵(ずっと一緒になんていられない)

向日葵(結婚して家庭を持ったら、ずっとなんて無理)

向日葵(友達の限界)




向日葵(でも、それでも、もう少しだけ…もう少しだけ…)

向日葵(一緒にいれられるって思ってたのよ…櫻子)

15: 2013/06/16(日) 00:41:20.67 ID:rmtfoz4T0
■日曜日

櫻子「じゃあ、行ってくるね」

向日葵「ええ、いい返事を………………期待してますわ」

櫻子「ありがとう。向日葵」

向日葵(無理。櫻子に恋人が出来ても同じ関係がと思ってたけど)

向日葵(私が無理)

向日葵(櫻子の一番の笑顔が他人に向けられる…無理)

向日葵(櫻子が違う人の事をずっと想う…無理)


向日葵(櫻子が楽しそうに恋人の話をする…無理)

向日葵(櫻子が毎日遊びに来てくれない…無理)


向日葵(無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理)



向日葵(氏にたい)

18: 2013/06/16(日) 00:45:10.93 ID:rmtfoz4T0
楓「お姉ちゃん大丈夫?」

向日葵「え?」

楓「何で泣きそうなの?顔色も悪いよ?」


向日葵「ちょっと寝不足で…あくびをしてしまったの」

楓「大丈夫?」

向日葵「ええ大丈夫ですわ。ありがとう楓」

楓「う、うん」

19: 2013/06/16(日) 00:49:32.11 ID:rmtfoz4T0
 
…………………………




「向日葵!今すぐ来い!待ってるから」




…………………………



向日葵「何ですのよ。いきなり呼び出して」

櫻子「それが…その…」

向日葵(何で泣きそうな目をしているの?)

向日葵(…そうふられたのね。よかったわ)

向日葵(って、私何を!!)

向日葵(何で『よかった』なんて!)


向日葵(でも、本当によかったわ)

21: 2013/06/16(日) 00:53:34.29 ID:rmtfoz4T0
櫻子「えーとさ、よかったら私と一緒に」

向日葵「言わなくてもいいわ。あなたの事なら何でもわかってますから」

櫻子「…え?」

向日葵「ほら、お店の予約もしてるんでしょ?」

櫻子「う、うん」

向日葵「勿体ないから一緒に行きましょう」

櫻子「うん」

24: 2013/06/16(日) 00:57:20.12 ID:rmtfoz4T0
 
………………………………


向日葵(食事中も、その後ショッピングモールに行きたいというから行っている間も…)

向日葵(櫻子は…ほとんど何も喋らない…)

向日葵(私って最悪ですわね)

向日葵(櫻子がふられたのを嬉しがって)


向日葵(でも、今の落ち込んでいる櫻子を見ているのがつらい…)

向日葵(本当に…本当に相手の事が好きだったのね…)

向日葵(ふった相手…許さない)

25: 2013/06/16(日) 01:01:18.88 ID:rmtfoz4T0
櫻子「ね?向日葵?」

向日葵「どうしたの?」

櫻子「楽しい?」

向日葵「え?」

櫻子「さっきから、何も喋らなくて…その怖い顔してたから」

櫻子「それにご飯も全然食べてなかったし」

向日葵(憎しみでいっぱいで…ご飯なんてここ数日、ほとんど食べてませんわ)


向日葵「あら?あなたも口数が少ないわよ?」

櫻子「それはその…」

向日葵「まぁ、ふられたなら仕方ないですわね」

櫻子「え?いや、それは」

向日葵「『初恋は実らない』という言葉があるでしょう?だから次を探せばいいんですのよ」

向日葵(違う!!!!!!!!!)

向日葵(初恋は実ります!だって…私は…私は…)

櫻子「そっか…初恋は実らないか…えへへ。そうかもね」

29: 2013/06/16(日) 01:04:46.79 ID:rmtfoz4T0
櫻子「でもね、私ね、諦めたくないの」

向日葵「そう…」

櫻子「あっ、もう少ししたら公園だよ」

向日葵「公園…」


向日葵(そう…ここで告白の予定)

櫻子「もう夕方か…」

向日葵(夕日の公園でロマンチックに…告白)

櫻子「向日葵?聞いてる?」

31: 2013/06/16(日) 01:08:45.54 ID:rmtfoz4T0
向日葵(…あれ?櫻子はいつ、告白を…)

向日葵(……………頭がまわらない?)

櫻子「向日葵!!!!??」

向日葵(櫻子?何で驚いた顔を…?)

向日葵(私の意識はここで途切れる)

向日葵(ショックのあまり記憶を損失したように、霧がかかって、詳細を思い出せない)


向日葵(でも、一つだけ。はっきりわかってるのは)








「櫻子が車にひかれてしまった---------」




「私の代わりに----------------」

35: 2013/06/16(日) 01:27:40.11 ID:rmtfoz4T0
■10年後

櫻子「…」

向日葵「もう10年…櫻子…私ね。あれからの事を全然覚えてないの」

櫻子「…」

向日葵「だって、あなたは寝たっきりになって、動かなくなって、笑顔を見せなくなって、私に喋ってくれなくて…」

向日葵「生きている意味がないの。何もないの」

櫻子「…」

向日葵「今日、お医者さまがね?言っていたの」

櫻子「…」

向日葵「10年たっても意識が戻らなくて…『もう戻る可能性は、ほぼ0』ですって」

櫻子「…」

37: 2013/06/16(日) 01:29:43.82 ID:rmtfoz4T0
向日葵「何を言っているのかしらね?だって、あなたはこんなに…こんなに…」

櫻子「…」

向日葵「綺麗な姿でいるのに」

櫻子「…」

向日葵「見た感じ…どこも怪我なんてしてないのに…」

櫻子「…」

向日葵「櫻子…ねえ、笑顔を見せてよ。また『向日葵はバカだなー』って笑ってみせてよ」

櫻子「…」

38: 2013/06/16(日) 01:33:45.75 ID:rmtfoz4T0
向日葵「何で、何で私の代わりに車にひかれたのよ」

櫻子「…」

向日葵「お願い…黙ってないで何か答えて…」

櫻子「…」

向日葵「ごめんなさい。ごめんなさい。謝るから…戻る可能性がないって言わないでよ…」

櫻子「…」


向日葵「私が悪かったの。相手を頃したいって憎んで憎んで憎んで」

向日葵「それで頭いっぱいで…車にひかれようとするなんて」

櫻子「…」

40: 2013/06/16(日) 01:37:46.01 ID:rmtfoz4T0
向日葵「神様…お願いします」

向日葵「今日は私の誕生日…プレゼントが欲しいんです」

向日葵「贅沢は言いませんから贅沢は言いませんから」

向日葵「私は氏んでもいいから、櫻子を櫻子を櫻子を!」

櫻子「…」




向日葵「櫻子を助けて…助けてよ」

43: 2013/06/16(日) 01:41:53.54 ID:rmtfoz4T0
 
………………………………………………………………



櫻子「向日葵向日葵向日葵向日葵向日葵向日葵向日葵向日葵!」

向日葵「…さくらこ、何で泣いてるの?」

櫻子「向日葵!?生きてる!?大丈夫?」

向日葵「あれ?ここは…ベッド?」

櫻子「病院だよ!向日葵が急に倒れるから!」

向日葵「あれ?櫻子が生きてる?」

櫻子「はあ?何を言ってるんだよ!バカ!氏にそうだったのは向日葵じゃん!」


向日葵「…ごめんなさい、頭が…痛っ」

櫻子「もう少ししたら公園につくって時に、真っ青になって倒れて」

向日葵「…わたくしが?」

櫻子「そうだよ!1時間前くらい!救急車で運んで今は病院なの!検査中なの!」

45: 2013/06/16(日) 01:45:51.59 ID:rmtfoz4T0
向日葵「泣かないで…櫻子の笑顔を見せて」

櫻子「っ!バカ!こんな状態で出来るか!」

向日葵「…ありがとう櫻子」

櫻子「何がありがとうだよ!バカ!」

向日葵「私の為に泣いてくれて」


櫻子「バカバカバカバカバカバカ!そんなの当たり前だろ!」


向日葵「ふふっ。そう…あれ?あた…ま…が…」

櫻子「向日葵!?」

向日葵「…」

櫻子「返事をしてよ!向日葵!!!」

47: 2013/06/16(日) 01:50:10.88 ID:rmtfoz4T0
 
………………………………………………………………


櫻子「…で、ただの貧血?」

向日葵「はい…」

櫻子「最近、食べてないし、寝不足だったから?」

向日葵「はい、すいません」

櫻子「どれだけ私が心配したと思ってるの!」キイッ

向日葵「ごめんなさい」



スタスタスタスタ


櫻子「あっ、さっきの公園…ちょっと寄っていかない?」

向日葵「え、ええ」

櫻子「…体調は大丈夫?」

向日葵「ちょっと体力がない程度だから」

櫻子「…そう」

48: 2013/06/16(日) 01:53:08.46 ID:rmtfoz4T0
向日葵(…きっと神様は…願い事を聞いてくれたのね…)

向日葵(櫻子が生きていて…でも…でも私は…)

向日葵(なんて我がままなのかしら…)


向日葵(私のものにならないなら、ずっと寝たきりもいい…)

向日葵(なんて、思ってしまうなんて…)


櫻子「公園…誰もいないね」

向日葵「もう夜ですしね」


櫻子「ここで、ちょっと休憩してから家に帰ろうか?」

向日葵「…ありがとう、櫻子」

櫻子「うん」

51: 2013/06/16(日) 01:56:09.74 ID:rmtfoz4T0
向日葵(櫻子の優しさが痛い)

向日葵(これじゃあ、私…どうしたらいいの?)

向日葵(この優しい櫻子が他の人の物に?)


向日葵(嫌っ!そんな想像したくない!)

向日葵(胸が痛い!こんな…こんな…)


向日葵(こんな苦しい思いをするなら…あの10年後の方が…)



櫻子「ねえ、向日葵…一つだけ話を聞いてくれないかな?」

向日葵「何?」

櫻子「私の好きな人の話」

向日葵「…はい」

52: 2013/06/16(日) 01:59:09.19 ID:rmtfoz4T0
向日葵(嫌)

櫻子「その人はね。みんなに優しいの」

向日葵(嫌っ…嫌!)

櫻子「その人はね。みんなに笑顔を振りまいてるの」

向日葵(嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!)

櫻子「でもね、私の前ではあまり笑顔でいてくれないんだ」

向日葵(聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!)

53: 2013/06/16(日) 02:00:08.25 ID:rmtfoz4T0
櫻子「でもその人はいつも私と一緒にいてくれるの」

向日葵(やめて!やめて!やめて!)


櫻子「『しょうがないですわね』って言って、どんな時でも一緒にいてくれるの」

向日葵(よかった…やめるのね…そう、好きな人の話なんて聞きたくないですわ)


櫻子「ずっとずっと一緒にいてほしいけど、将来はどうなるかわからないんだ」

向日葵(……………………え?)


櫻子「だから、私…言うね」

櫻子「私、古谷向日葵さんの事が好きです。恋人として付き合って下さい」

櫻子「ずっと一緒にいてください!」

向日葵「…え?」

56: 2013/06/16(日) 02:05:04.01 ID:rmtfoz4T0
向日葵「え?」

櫻子「聞いてなかったかよ…」

向日葵「…え?いえ…え?」

櫻子「私は向日葵が好きなの!ずっと一緒にいたいの!」

向日葵「っ//」

向日葵(さ、櫻子が…え?なんで?)



櫻子「その…向日葵の理想の告白プラントはちょっとずれちゃったけど」

向日葵「え?」

櫻子「ほら、向日葵に色々聞いたじゃん…ぶっちゃけると、向日葵の好みのデートプランなら、うまくいくかな~って」

向日葵「そ、そうだったの…?」

櫻子「ただ、呼び出し方が思いつかなかったから、急になっちゃったけど」

向日葵「…そう」

櫻子「でも、夕日を背景に告白できなかったのは向日葵のせいなんだからなっ!」

向日葵「ごめんなさい」

61: 2013/06/16(日) 02:08:22.11 ID:rmtfoz4T0
櫻子「…で、その…ね?」

向日葵(櫻子…強がってるけど、泣きそうな顔…)

櫻子「お、女の子同士で気持ち悪いってわかってるの!でも、その…」

櫻子「べ、別に無理しなくていいんだからね」



向日葵「あの…なんで?」

櫻子「へ?」

向日葵「私のどこがいいの?」


櫻子「う、うっさい!向日葵の事が好きなの!全部!もう全部好きなんだよ!バカーーーー!!!」

向日葵「っ//」

64: 2013/06/16(日) 02:13:18.20 ID:rmtfoz4T0
櫻子「…で、向日葵は?」

向日葵「え?私は……私は酷い人間ですわ」

櫻子「うん…………………ん?」


向日葵「櫻子が、好きな人が出来たと聞いた時、相手を憎んで憎んで」

向日葵「私という人間がよくわかりましたわ!とても汚い人間!」

向日葵「でも、櫻子が好き!櫻子が好き!ずっとギュってしたい!キスしたい!櫻子の全部が欲しいの!!!!!!」


向日葵「だけど、私にはその資格はありませんわ!」

向日葵「だって、だって!」

向日葵「こんなに酷い人間なんだから!」


櫻子「向日葵…」

向日葵「だから…」


向日葵「だから、さようなら」

66: 2013/06/16(日) 02:16:32.61 ID:rmtfoz4T0
櫻子「向日葵のバカーーーーー!」

向日葵「なっ」

櫻子「何が『さよなら』だよ!知ってるよ!向日葵が憎んでいた事くらい!」

向日葵「…え?」

櫻子「私知ってたもん!向日葵に好きな人の話をする時に、向日葵が苦しそうな顔するの!」

櫻子「でもね、私、それが嬉しかったの!やきもち焼いてくれる向日葵が!」

櫻子「私の方が最低だよ!私の方が!!」

櫻子「資格とか言ったら、私の方がないの!」



櫻子「でも、それでも向日葵が好きで好きで仕方ないの!」


櫻子「だから、一緒になってよ!」

櫻子「私が間違ったことをしたら怒ってよ!」

向日葵「じゃ、じゃあ、私が間違った時は…」


櫻子「私が全力で止めてあげるよ」

69: 2013/06/16(日) 02:20:47.52 ID:rmtfoz4T0
向日葵「…」

向日葵「……………………………………………」

櫻子「向日葵…何で泣いているの?」

向日葵「だ、だって…櫻子が…私は最近ずっと変だったのに…櫻子が…」

向日葵「それでも一緒になってよ…なんて、嬉しくて…」


櫻子「向日葵もこれで少し大人になったね♪」


向日葵「…なによ。あなたなんてもっと子供のくせに」

70: 2013/06/16(日) 02:24:27.92 ID:rmtfoz4T0
櫻子「何を!昨日までの櫻子様と一緒にするなよ!」

櫻子「なんたって、今からは向日葵というライバルと恋人になったスーパーグレード櫻子様なんだからねっ!」

向日葵「もう幼なじみじゃないのね」

櫻子「うん…そうだね」


櫻子「バイバイ、昨日までの私達」

櫻子「そして、今日からよろしく!向日葵!」

向日葵「何それ…くさいですわよ」

櫻子「うっ」


向日葵「でも、そうですわね。櫻子。告白の件をお受けしますわ」

向日葵「よろしく櫻子」

71: 2013/06/16(日) 02:26:35.22 ID:rmtfoz4T0
櫻子「あれ?もう告白を受けてる物だと思ってた」

向日葵「ふふふ、さすが私の櫻子。既に私の返事を知っていましたのね?」

櫻子「え?あっははははは。さすがウルトラミラクル櫻子様だねっ」

向日葵「スーパーグレード櫻子だったでしょうに」

櫻子「うっ」

72: 2013/06/16(日) 02:30:41.66 ID:rmtfoz4T0
向日葵「私も貧血の事は、少しは大丈夫ですわ。帰りましょう櫻子」

櫻子「あっ、その前に!」


ギュウウウ


向日葵「さ、櫻子!?何で抱きついてますの//」

櫻子「だって…」
向日葵『でも、櫻子が好き!櫻子が好き!ずっとギュってしたい!キスしたい!櫻子の全部が欲しいの!!!!!!』
櫻子「って、言ってたじゃん」

向日葵「あ…あぅあぅ//」


櫻子「つ、次は…」

75: 2013/06/16(日) 02:34:53.76 ID:rmtfoz4T0
 
チュッ



向日葵「ふぇっ//」

櫻子「…」


向日葵「あ、あ…幸せ」

櫻子「//」カァー



櫻子「か、勘違いしないでよね!向日葵がしたいって言ったからしただけで、私がしたかったわけじゃないんだからねっ!」

櫻子「そもそも、私は告白だけのつもりで!向日葵がどうしてもって言うから流されてやっただけで!」

櫻子「でもでも、別に嫌ってわけじゃなくて、むしろ嬉しいんだけど、でもでも恥ずかしいの!」


向日葵「は、はい?」

櫻子「か、帰る!お家に帰る!」

向日葵「ちょっと、櫻子!?置いていかないで!」

76: 2013/06/16(日) 02:38:57.48 ID:rmtfoz4T0
向日葵「行ってしまいましたわ…」


ダダダダダダダダダダ


櫻子「忘れてた!」

向日葵「…」

櫻子「これ!誕生日プレゼント!」



向日葵「そういえば…私の誕生日?」

向日葵(櫻子の告白関連ですっかり忘れてましたわ)

78: 2013/06/16(日) 02:42:51.26 ID:rmtfoz4T0
櫻子「ね?開けて?」


パカッ


向日葵「ひまわりのイヤリング?」

櫻子「どうかな?向日葵に似合うと思うんだけど」

向日葵「綺麗…ありがとう」


向日葵「櫻子…私ね、とっても幸せよ」

櫻子「え?あっそっか…じゃあね」


ダダダダダダダダダダ


向日葵「首まで赤くして…照れ隠しなのかしら?」

79: 2013/06/16(日) 02:46:57.22 ID:rmtfoz4T0
向日葵(私って単純な人間なのね)

向日葵(あんなに憎悪していたのに…今は…)

向日葵「ふふふ♪ありがとう櫻子」


向日葵「私、あなたと一緒なら人間にも悪魔にもなれそうですわ」


ダダダダダダダダダダ



向日葵「一体何がしたいの?」

櫻子「え?あの…向日葵が一人で帰るのは不安で」

向日葵「はぁ…じゃあ、一緒に帰りましょう?」

櫻子「うん」

80: 2013/06/16(日) 02:48:57.57 ID:rmtfoz4T0
 
ギュウウ


櫻子「な、何で手を繋ぐの!?」

向日葵「あなたが逃げるからでしょう」

櫻子「ぐぬぬぬぬぬ」

81: 2013/06/16(日) 02:52:56.61 ID:rmtfoz4T0
向日葵「これからはずっとイチャイチャするのね」

櫻子「え?あ、そうだね」

向日葵「お弁当の日の時は、毎日お弁当を作ってあげますわ」

櫻子「うん」

向日葵「毎日、宿題を見てあげますわ」

櫻子「ありがとう」

向日葵「毎朝、モーニングメールと寝る前にメール…他にもたくさんメール送りますわ」

櫻子「あ、はい」

向日葵「お風呂の時は呼んでね。背中を流して差し上げますわ」

櫻子「うん…え?」

向日葵「毎日携帯をチェックさせてね。他の女と浮気してないかチェックを…」

櫻子「向日葵怖いよ!」


向日葵「冗談ですわ」

82: 2013/06/16(日) 02:57:03.85 ID:rmtfoz4T0
櫻子「…」

向日葵「ほ、本当ですわ。そんな事するはずないでしょう?」

向日葵「あっ、でもお風呂とモーニングメールくらいは…」

櫻子「はぁ~…お風呂は無し!メールはいいけど」


向日葵「冗談ですわ」

櫻子「何でそんなにしょんぼりしてるの!」


櫻子「ま、まあ、そのうちね」

向日葵「櫻子…」

櫻子「何でそんなに嬉しそうな顔するの!こっちが恥ずかしいよ!」

84: 2013/06/16(日) 03:02:48.30 ID:rmtfoz4T0
櫻子「あっ、そうだ」

向日葵「ん?なに?」

櫻子「言うの忘れてた!」









櫻子「向日葵!誕生日おめでとう!!!」







       終わり

85: 2013/06/16(日) 03:03:14.74 ID:rmtfoz4T0
これにて終わりになります。
こんな時間まで読んでくれてありがとうございました
また、機会があればよろしくお願いします

87: 2013/06/16(日) 03:03:41.56 ID:QX2QLfZt0

88: 2013/06/16(日) 03:06:49.86 ID:QFi+/Bhi0

ひま子の誕生日に書くあたり愛を感じた

89: 2013/06/16(日) 03:07:07.13 ID:d/vlsaumO
最終的にハッピーエンドならよかろうなのだァァ
と思うのはゲンキン過ぎかな

引用元: 櫻子「バイバイ、昨日までの私達」