1: 2012/11/11(日) 10:31:55.23 ID:3UDYp72s0
ロックハートの部屋

ビンズ「ホグワーツの創始者、サラザール・スリザリンが残したという秘密の部屋。彼の意志を継ぎ、かの部屋を空けホグワーツを粛清する者こそが『スリザリンの継承者』である。そう言い伝えられておりますなヒンヒン!」

ハニー「ふぅん、そう。賢い豚は好きよ?」フーッ

ビンズ「ヒンヒン!ありがたいですな!ヒンヒン!」

ロン「ゴーストでさえ速攻これだよ。ちくしょうなんだって僕は『ホグワーツの歴史』を丸呑みしてなかったんだ!」

ハーマイオニー「そういうのは私の専門よ、ロン。あれから私たちは、ろ、ロックハート先生の部屋に先生達と移動したのだものね。あぁ、壁中先生だわ……」

ハニー「それはどうだっていいの。とにかく……」

フィルチ「喋るなこの犯罪者ども!お前たちが私の猫を!それに、なんだその態度は!ふざけてるのか!」

マクゴナガル「アーガス、少し抑えなさい。あー、ポッター?私はあなたがたを疑って連れてきたわけではないのですが」

マクゴナガル「……流石に、そう、ウィーズリーを下に敷き、グレンジャーに抱きしめられているのは、渦中の者の態度とは思えませんが?」

ロン「そりゃないぜ先生!あのハニーが猫がそんな風になっちまってるのをみて平気だとおm」

ハニー「ロン」

ロン「なんだいハニー!僕のハニー!」

ハニー「後頭部をおもいっきり小突かれるのと、ヒンヒン鳴くの。どっちがいいのかしら」

ロン「どっちもさ!もちのロンでね!ヒンヒン!」

3: 2012/11/11(日) 10:34:17.88 ID:3UDYp72s0

12: 2012/11/11(日) 10:39:59.79 ID:3UDYp72s0
ハニー「どうしてこの私がまたこの部屋にいないといけないのかしら……まったく、不快だわ」

ロン「あぁごめんよハニー!こんな壁中ロックハートの写真の部屋なんて僕もまっぴらさ!世界中の壁が全部君の肖像画で覆われればいいのに!」

ハーマイオニー「失礼なことを言わないのハニー!それに、あなた、あの廊下から離れられてとってもホッとしてたじゃない」

ハニー「水浸しでとても汚かったからね、えぇ」

ロン「僕が足元に寝転がったから君の足は一ミリも濡れてないけどね!」

ロックハート「猫を頃したのは『異形変身拷問の呪い』に違いありませんえぇ間違いありませんよフィルチさんお任せあれ僕にかかればあんなものはですねぇ!」

フィルチ「うぅ、ノリス、ミセス・ノリス……」

スネイプ「……そんなにこの猫の状態について見聞がおありならば、こちらに来て調べるのを手伝ってはどうですかな?」

ロックハート「おぉっとスネイプ教授!若輩の私があなたがたのお邪魔なんてしませんよ!HAHAっ!」

ダンブルドア「アーガス、猫は氏んでおらんよ。石になっただけじゃ」

14: 2012/11/11(日) 10:45:29.78 ID:3UDYp72s0
ロックハート「やっぱり!私もそうだろうと思っていましたよダンブルドア!HAHAHA!やはり私たちは天才どうし息があうようですね☆」

ダンブルドア「ほっほ、そうじゃのうギルデロイ」

ロン「……あいつ、ついさっき『猫を頃したのは』って言ってたよな」

ハニー「ねぇハーマイオニー、あなた本当にあんな人を支持するの?私でなく?あんな豚以下を?」

ハーマイオニー「こ、細かいことよきっと言い間違いよ!むしろわざと間違うことで私たちに注意を喚起して、とか、そういう、あぁハニー、そんな目でみないで……」

ダンブルドア「ただ、どうしてこの状態になったのやら。わしにも皆目検討がつかん」

フィルチ「そいつらに、そいつらに聞いてくれ!!私の猫を石、石にしやがったのはそいつらだ!」

ロン「あー、確かにハニーの前には石みたいになっちまう人がままいるけどさ。茫然自失になるくらい完璧だから」

ハニー「そうね、それで高貴で可憐で儚げ、知ってるわ」

ハーマイオニー「事実でしょうけど今はそれはいいの。あの、校長先生、私たち、なにがなんだか……」

20: 2012/11/11(日) 10:52:00.86 ID:3UDYp72s0
マクゴナガル「当然です。ただの二年生に、こんなまねが出来るはずがありません」

ロン「先生、先生!ハニーをただの二年生!?とんでもない!ハニーはもはや全校生徒の上級生さ!」

ハニー「私の下につくという意味でね」

ハーマイオニー「お願いだから少し黙ってて頂戴」

ハニー「あら、黙らせてくれるの……?」

ハーマイオニー「なっ、んなっ、そんな期待顔で待たれたって知らないんだから!そ、そんな。やだ、私今日リップ……違うったら!!」

ロン「先生、ちょっといいですか?猫のことは後回しにして、少し様子をみません?」

ダンブルドア「異論ないのぅ」

マクゴナガル「アルバス」

ダンブルドア「アーガス、落ち着きなさい。これは非常に高度な闇の魔術じゃ。それに、君の猫をどうしてこの子たちが襲う理由がある?」

フィルチ「こいつらは、こいつらは私が罰則についてネチネチ言ったことをうらんで……!それにきっと、私が、私が出来そこないのスクイブだという噂も知っているに違いない!だから、あんな昔話の文句を……!」

23: 2012/11/11(日) 11:05:40.52 ID:3UDYp72s0
スネイプ「興奮しているところ悪いが、フィルチ。我輩はどうも、この三人は単に間が悪くでくわしただけのように思いますな」

ハーマイオニー「! スネイプ先生が、私たちを庇った……?」

ロン「おったまげー、ハニー、君いつのまにあいつを豚に加えてたんだい?」

ハニー「そんな覚えはないわ。あちらが勝手に私を崇め奉るのは好きにすればいいと思うけれど」

ロン「あぁ、だってそれって登ってきた朝日を見つめて今日一日に感謝するくらい当たり前のことだもんな」

スネイプ「とはいえ、校長。どうにも疑わしい状況が存在するのもまた事実。例えば、どうしてこの三人は罰則の後ハロウィーンパーティーの会場ではなくあんなところへ向かったのか、など」

ハニー「……そうね、いい質問だわ。私たち、特にお腹が空いていたわけでもなかったもの。それより疲れていたから」

グゥーーーッ

ハニー「……」

ロン「ハーマイオニー!何か腹につめるものもってないかい!?僕ペッコペコさ!お腹と背中がドルーブル風船ガムで引っ付くくらいにね!」

ハーマイオニー「えっと、ノンシュガーのスナックしか、も、もうロンったらはしたないわそうよね今のはあなたのお腹の虫よね知ってるわ!」

スネイプ「……なんとまぁ熱い友情ですな。どちらにしろ、ポッター。貴様の証言は今この瞬間矛盾したわけだが」

25: 2012/11/11(日) 11:14:25.79 ID:3UDYp72s0
スネイプ「校長、お聞きになったでしょう。この三人はどうにも、正直に証言をしているとは言えない。これでは事態を解決しようという我々の邪魔にしかなりません」

ロン「それじゃ、お世話様。邪魔な僕らは帰ろうかハニー、さぁ僕の背中にお乗りよ!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「もう乗ってるでしょ」

スネイプ「軽口はやめろ!とにかく、全てを正直に話すようになるまで、このアイマスクでも被せて……」

マクゴナガル「セブルス」

スネイプ「ゴホン、権利の一部を取り上げるのがよろしいかと思われますな。例えば、クィディッチの出場停止なぞ……」

ダンブルドア「おぉーう、セブルス。猫は箒の柄で殴られたわけではおらんよ。それに、疑わしきは罰せず、じゃ」

フィルチ「! そんな!私の猫がこんなことになったのに、こいつらが無罪放免だって!?」

ダンブルドア「アーガス、何度も言うようにこの子らにはこんな真似はできん。なぁに、そう悲観せずともよい。ポモーナ、そうじゃろう?」

スプラウト「えぇ、えぇ。フィルチさん?今年度は温室で『マンドレイク』を育てていますからね」

ハーマイオニー「! 強力な回復薬!」

ロン「僕はハニーに命じられれば骨になっても復活するけどね」

ハニー「そもそもそんな状況にはさせてあげないわ」

27: 2012/11/11(日) 11:23:48.20 ID:3UDYp72s0
ダンブルドア「十分に『マンドレイク』が復活すれば、薬で元に戻してやれるじゃろう。そうすれば……」

ロックハート「HAHAHAHAHA!それでは、その薬を作るのは僕にお任せあれ!」

ロン「……暫く黙ってたと思ったら。あぁハニー、耳をふさぐかい?」

ハニー「そうね、その体勢から私の耳まで腕を伸ばすのは大変でしょうけれど、あなたなら出来るわよね、ロン?私の豚?」

ロン「ヒンヒン!そりゃそうさ!なんてったって、ぼ、僕、はっ!」

ハーマイオニー「ロン、豚のあなたでも人体の限界を越えるのは無謀だわ」

ロン「そんなものハニーの前では霞むよ。あとハニー以外が僕を豚って呼ぶのはやめろよ」

ロックハート「HAHAHA!お嬢さんたちそんなに騒ぎ立てることじゃないさ!僕ならいくらだって作れてしまうよね、『マンドレイク回復薬』なんて!」

スネイプ「……」

ロックハート「眠ってたって作れてしまいますよ!なんなら実演しましょうか!」

スネイプ「……」

ロックハート「今まで何度もその薬は……おっと、そういえば以前作ったものが余っていたかな!?HAHAHA!少しお待ちを……」

スネイプ「……」

28: 2012/11/11(日) 11:32:30.79 ID:3UDYp72s0
スネイプ「お言葉だが、ロックハート」

ロックハート「HAHAっ!なんです、スネイプ教授!あぁ、私に弟子入りですか!もちろんですよしくよろにあなたへ魔法薬のなんたるかを……」

スネイプ「マンドレイクを用いた蘇生薬を作るには事前に念入りに吟味した材料と複雑な工程が必要なわけですが、それを眠っても出来る、と?それに、以前作っていた?とおっしゃいましたかな?」

ロックハート「HAHAHAHAHA!それはもちろん、私にとっては造作も無いことで……」

スネイプ「なるほどこれはこれは、ロックハート、いやギルデロイ。あなたは希代の魔法薬学者のようだ」

ロックハート「いやぁHAHAHA!それほででも……あるよn」

スネイプ「マンドレイクを用いた薬品は鍋から上げてもれなく1時間でダメになるためにその保存方法は今でも研究がなされ、発見者には数多の勲章が約束されているという代物だというのに」

ロックハート「HAHA……へ?」

スネイプ「それでは、見せていただきましょうかな。ロックハート。貴殿の研究に基づいたその素晴らしい成果を……どうされましたかな?本 当ならば、我輩から魔法薬学会に後押しして君を向かえる準備をですな」

ロックハート「……」

スネイプ「……この学校の魔法薬の先生は誰だ?」

ロックハート「スネイプ教授です、ね」

スネイプ「それでいい。でしゃばるな」

30: 2012/11/11(日) 11:37:58.70 ID:3UDYp72s0
ロン「なんだかロックハートを隅に連れて行って凄い勢いでまくしたててたぜ、スネイプの奴」

ハーマイオニー「なんて人なのかしら。最低よね。ねぇハニー?」

ハニー「私、去年からそう言ってるのだけれど、あなたの今年のおかしさには負けると思うわ」

ロン「君は去年にも増してステキだけどねハニー!」

ハニー「そうね、加速度的に素晴らしくなる、それが私ね?」

ダンブルドア「うむうむ、成長しているようで何よりじゃ。じゃがハニー、ロン、ハーマイオニー?無茶を、してはいかん」

マクゴナガル「そのあたりに関しては成長がみられないようですが、ね。ミス・ポッター、ミスター・ウィーズリー。今年度の初めにいったことをお忘れないよう」

ハニー「……えぇ、マクゴナガル先生。あと、腹黒豚」

マクゴナガル「校長先生とお呼びなさい!」

ハニー「だってその豚、絶対何か勘付いてるもの」

ダンブルドア「ヒンヒン」

マクゴナガル「アルバスものらない!帰ってよろしい!」

34: 2012/11/11(日) 11:43:12.17 ID:3UDYp72s0
ハニー「私がおかしな声を聞いたってこと、話さなくて正解よね?」

ロン「あぁハニー!君はいつだって正しいさ!」

ハーマイオニー「そうね。他の人には聞こえない声、だなんて。正気とは思われないもの……あぁ、別にあなたがどうって、わけじゃ!」

ハニー「分かってるから。ふふっ、正気じゃいられなくさせる?それとも、される……」

ハーマイオニー「あっ、そんなフリじゃないったら!ちょ、あぁ……ハニー、あなたの手、まだ震えて」

ハニー「……寒いからよ、そうよ」

ロン「違いないねハニー!もう11月だものねハニー!ヒンヒン!」

ジニー「……」ギリッ

ロン「……ジニー、寮の前で待っていてくれたのはありがたいけどね。その顔怖いぜ?ママが泣いっちまうよ……いやむしろ喜ぶか」

37: 2012/11/11(日) 11:47:39.44 ID:3UDYp72s0
ハニー「あら。ハァイ、ジニー。寮に帰る混雑で潰されたりしなかった?小さな可愛い私の妹」

ジニー「あぁ、おねぇさま……うん、私、あの……なんだか……」

ハーマイオニー「妹、なによ……あら?ジニー、あなた……顔色、悪いわ?大丈夫?」

ロン「ハーマイオニー、いくらハニーに構われるのが自分でありたいからって君ね」

ハーマイオニー「ち、違うわよ!あぁ、違うくも、もう!そうじゃなくて!ジニー、あなた本当に顔色が……」

ジニー「あっ……ぁ、これ、は」

ロン「あー……そうか、ジニーは猫が好きだったもんな。猫が襲われたって聞いて、ショックなのかい?」

ジニー「っ、ぇ、そ、そう!そう、なの……猫、えぇ」

39: 2012/11/11(日) 11:51:35.08 ID:3UDYp72s0
ハニー「そう……平気よ、ジニー」

ジニー「えっ……はゎっ!お、おねぇさまそんな抱きしめていただけるなんて……!」

ハニー「私も猫は好きだから、よく分かるわ……ふふっ、あなたって、子猫みたいね?」

ジニー「あぁっ、あぁ……にゃ、にゃーん」

ハーマイオニー「私って、どうして猫じゃないのかしら」

ロン「マクゴナガルに弟子入りでもすればどうだい」

45: 2012/11/11(日) 12:00:17.44 ID:3UDYp72s0
数日後

ハニー「……まただわ」

ロン「あー、あぁハニー!君はいつでも城中の目を集めているねハニー!だって君って歩く幸福そのものだものね!」

ハーマイオニー「歩いているのはあなただしあなたくらいの背の高いのに背負われれば嫌でも目立つけどね。ハニー、あまり気に病むことはないわ」

ハニー「……やよ、私のあずかり知らないところで、ヒソヒソされるのは」

ヒソヒソ……スリザリン……ヒソヒソ

ロン「まーったく、この城の連中ったら何でもかんでも信じるんだもんな。大丈夫だよハニー!僕が信じるのはいつだって君だよ!君が白いといえば全英中のカラスだって漂白剤に身投げするよ!」

ハーマイオニー「大方、私たちのがスリザリンの継承者だ、とでも噂してるのでしょうね」

ハニー「……」

――君はスリザリンで偉大になれる可能性が――

ハニー「ロン、私の豚。私はだぁれ?」

ロン「ヒンヒン!僕のハニーはグリフィンドールのハニー・ポッター!それ以上でも以下でもないよ!ヒンヒン!」

ハニー「……あなたって」

ロン「ヒンヒン!   君が何を考え出すかなんてお見通しさ、もちの僕でね。ヒンヒン!」

50: 2012/11/11(日) 12:07:12.42 ID:3UDYp72s0
ロン「とにかくハニー、一時だけさ。この城の奴らって単純だものな」

ハニー「ふふっ、そうね。素直な豚さんは好きよ?」フーッ

ロン「うひゃぁヒンヒン!ヒーン!」

ハーマイオニー「あぁ、私毎朝牛乳飲まないと……ともあれ、そうね。ヒソヒソしている人もいるけど、普通にヒンヒン言っている人の方が多いもの」

アァハニー! ヒンヒン!
 オハヨウハニー!ヒンヒン! ロンシネッ!!

ロン「ハハッ、やだねっ!!」

ハーマイオニー「気にするだけ無駄よ、ハニー。それにあの、あなたには私たちがいるじゃない」

ハニー「……えぇ、そうだったわね。いつだって、そう、こんな暗い廊下でも……暗い廊下?」

ロン「うん?あれ?ハニーの感触を喜んでたらなんだか曲がるとこを間違っちまtt あっ」

ハーマイオニー「ロナルド、そこに正座しなさい……あら、ここって」

ハニー「私以外が私の豚をお仕置きなんて許されないわよ。ここは……例の廊下ね、猫が石になってた」

51: 2012/11/11(日) 12:12:16.44 ID:3UDYp72s0
ロン「あの文字はそのまんまか。相変わらず、水浸しだなぁ。ここ、どうなってるんだい?」

ハーマイオニー「あぁ、あなたは男の子だから知らないのよね。原因はここ、このトイレよ」

ハニー「『嘆きのマートル』ね」

ロン「? なんだいそれ、マーリンの股従姉妹とかかい?」

ハーマイオニー「そんなものすごい人をこんなところに放っておくわけないじゃないゴーストよ、ゴースト」

ハニー「このトイレに憑いているのよ。ヒステリーで、卑屈やで、蛇口やトイレを溢れさせたり。おかげでここはいつも、この私でさえ使えないわ」

ロン「おらぁああああ!僕のハニーに気を使わせるなんて何事だこのやろぉおお!!」

ハーマイオニー「ロン!?ローーーン!?ここ女子トイレよ!?なんで迷わず突入しちゃうのよあなたって、もう!!」

ハニー「さすがねロン、出来る豚だわ」

54: 2012/11/11(日) 12:17:52.43 ID:3UDYp72s0
マートル「!? な、なによあんた!」

ロン「僕かい?僕はハニーの一番の豚さ!」

マートル「二つの意味で誰よ!!!」

ハーマイオニー「あー、こんにちわ、マートル」

ハニー「ハァイ、お邪魔するわ。あら、随分と綺麗ね」

ハーマイオニー「マートルがとり憑いてからほとんど使われてないんだから、そうでしょうね」

ハニー「ふぅん、ふふっ。静かだし、綺麗だし、人もこない。なんだか、うってつけ。そうよね?ねぇハーマイオニー、さっきずっと一緒って言ってくれたのは本当?」

ハーマイオニー「んなっ、あなたこんなところでなにを、あぁ、そんなの当たり前で、あの……」

ロン「つづけて」

マートル「私のトイレで何をやってるのよ!な、何、な……どうぞ」

57: 2012/11/11(日) 12:29:36.31 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ、も、もう!マートル!あなたまで煽らないの!」

マートル「氏んでから五十年、初めていいもの見たわ」

ハニー「へぇ、五十年も前に氏んだの、あなた。どうして?」

マートル「別に。いじめられて、馬鹿にされて。このトイレで泣いてて、気づいたら」

ロン「へぇ、去年のどっかの誰かさんみたいだな」

ハーマイオニー「私は別にいじめられたわけじゃありませんけど誰のことかしら」

ハニー「……誰かしらね。そう、マートル。今まであなたのこと……誤解していたみたい」

マートル「ふんっ、どうせみんなして私のことをバカにしていたんでしょ!?知ってるわ、根暗で卑屈で、眼鏡のマートルって!」

ハニー「そうね。あなたのこと、よく知らなかったから」

ロン「ゴーストだもんな、あぁ。ニックみたいによく知らないのに、ハニーが率先して会いたいとおもうはずが」

ハニー「ロン、喉が渇いてないかしら」

ロン「あぁハニー!君はなんて優しいんだろう!カラカラさ!ヒンヒン!」

ハニー「床、水浸しね」

58: 2012/11/11(日) 12:34:51.24 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「ロン、あなたいつかお腹壊すわよ?」

ロン「うっぷ、何を言ってるのさハーマイオニー。ハニーの靴底が使ってる水だぜ?そんなもん僕にとっちゃカボチャジュースより美味さ。ゴクゴクゴクッ」

ハニー「そういうわけで、私たちはお友達。そうよね?ねぇマートル、ふふっ。眼鏡、ステキよ?私もかけてみたいわ」

マートル「あぁ……あなたならきっと何でも、似合うわ……水も滴るくらい」

ハーマイオニー「なんだかあちらも陥落させてしまっているし……また女の子だわ」

ロン「うん、あのねハーマイオニー。普通はそこで怖い顔にはならないんだけどね、普通じゃないからいいけどさ」

61: 2012/11/11(日) 12:40:29.88 ID:3UDYp72s0
ハニー「これからちょくちょく、何かの用事にここを使わせてもらっていいかしら」

マートル「もちろんだわ。水浸しで歓迎する」

ハーマイオニー「それは歓迎と呼べるのかしら。そしてハニー、ちょ、ちょくちょくのあたりで私の方を見ないの!」

ロン「あぁ、ほんと、誰か性転換の呪文知らないかなぁ」

ハーマイオニー「そうでなくとも迷わず女子トイレに入っておいて、何を言ってるのよ」

ハニー「ロンは私の豚として正しいことをしたわ。偉いわよ、ロン。いい出会いもあったもの。褒めてあげる」フーッ

ロン「ヒンヒン!ヒン!ありがとうございます!ヒンヒン!」

マートル「私からは水を……」

ロン「ハニー以外が僕に折檻はやめろよ!僕はマゾじゃないぞ!?」

ハーマイオニー「衝撃の事実だわ」

63: 2012/11/11(日) 12:46:30.78 ID:3UDYp72s0
ガチャッ

ハニー「さぁ、お昼に行きましょう?もうお腹がペコペコだわ。それでもこの私のお腹の虫が鳴ることなんてありえないけれど」

ロン「あぁ、完璧で究極で唯一無二の君からそんな音なんて鳴らないよな、鳴るのはヒンヒン鳴く僕らの声だけさヒンヒン!」

ハーマイオニー「ねぇハニー、別にそんなに恥ずかしがることじゃ。あれって生理現象だもの……あっ」

パーシー「っ、ロン!!!そこは、女子トイレだ!」

ロン「違う!ここはハニートイレだ!!」

ハーマイオニー「だからなによ、というお話だわ」

ハニー「私が誰にも特別な存在ということよ」

ハーマイオニー「そうでしょうね、そうでしょうとも」

67: 2012/11/11(日) 12:54:20.80 ID:3UDYp72s0
パーシー「は、ハニー!?と、とにかく何を考えてるんだ!この間のことがあったのに、よりによって、君らでここに、この廊下にいるなんて!」

ロン「なんで僕らがここにいちゃいけないさの!いいかい、パース!僕らはあの猫に髭の一本も触れてないんだぞ!?マーリンの髭!」

パーシー「そういうことじゃない!心配をかけるなと言っているんだ!いいか、ジニーは、あの子は本当に君らを心配して心を痛めてだね……!」

ロン「おやおや、完璧・パーフェクト・パーシー!まるで妹のことを気遣っているみたいな言い方だけどね!知ってるぞ兄さん!兄さんが心配してるのは、僕の素行のせいで首席になるチャンスがふいになるなることを……」

ハニー「ロン」

ロン「なんだいハニー!僕のハニー!」

ハニー「身内に敬意を払えない豚は嫌いよ」

ロン「ごめんよパーシー兄さん!僕が悪かった!」

パーシー「……あー……僕も、まぁ、少し……いや、とにかく。迂闊なことはしないように。いいね。探偵ごっこはやめにするんだ。ハーマイオニー、任せたよ。この子たちを立ち直らせるのは僕路線の君しかいない」

ハーマイオニー「あー、努力は、するわ」

71: 2012/11/11(日) 13:04:46.85 ID:3UDYp72s0
その夜

ロン「パーシーの奴にはあぁ言われたけどさ。気になるよな」

ハーマイオニー「それをやめてといわれたばかりなのに……でも、そうね」

ハニー「……あんな人の猫でも、可哀想だもの。しらんぷりは、出来ないわ」

ロン「優しいねハニー!いつだってそうだけどねハニー!」

ハーマイオニー「優しい人が友達の背中をクッション代わりにするのかしら」

ハニー「ハーマイオニー?ふふっ、あなたもひっつきたいのなら、そう言ってくれれば……いくらだって」

ハーマイオニー「そういうことじゃないったら!そ、それにあなたね!怖い夢をみたって何度私のベッドにもぐりこできてると……」

ロン「おいなんだよそれ!聞いてないぞ!」

ハーマイオニー「わざわざお教えする必要はないわ!それにあなただって、夏中……!」

ハニー「騒ぎすぎよ、やめなさい。それに、私が悪夢?ハーマイオニー、あなたこそ夢をみたんじゃない?私の夢はいつだって最高よ、そうよ、そうに決まって……」

ロン「あぁ、もう!なんで僕は女の子じゃないんだ!マーリンの髭!髭!」

72: 2012/11/11(日) 13:09:24.52 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「……お望みどおりのことが、できないわけじゃないわ。ロン」

ロン「ほんとかいハーマイオニー!あぁ、君って最高さ!ハニーの次にだけど!」

ハニー「そうね、僅差だけど私には及ばないわハーマイオニー。でも平気よ?あなたにはあなたの、あなただけの良さが、ほら」ツツーッ

ハーマイオニー「い、今そういう話をしているんじゃないの!後よ、後!あっ、後でもないわ!あのね……少し、考えていたんだけど」

ロン「あぁ、君が何か考えてない時なんて、僕がハニーへの想いを心の中で叫んでるのと同じくらいいつものことだもな」

ハニー「表に出したって一向に構わないのよ、ロン?」

ロン「ヒンヒン!ヒン!」

ハーマイオニー「もう、ちゃんと聞いて。ねぇ、マルフォイが言ったこと、覚えてるでしょう?」

ロン「フォイフォイフォーイって?」

ハーマイオニー「それじゃなくて。『次はお前たちの番だぞ』とか、なんとかって。怪しいと思わない?」

ハニー「思いっきり小者の台詞ではあるけれど、そうね」

73: 2012/11/11(日) 13:15:00.08 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「だから、私たち。何か知ってるのであろうマルフォイに話しを聞けば、何か手がかりが得られるんじゃないかしら。それにほら、ひょっとしたらあの人自身が……」

ロン「そりゃいいや。おーい、ドラコ、君ってスリなんとかの継承者なのかい?……とでも言えばいいの?」

ハーマイオニー「もちろん、普通に聞いたってダメよ。分かってるわよそれくらい。それでね……先日の、スネイプ先生の授業を覚えてる?」

ロン「? 魔法薬が目に飛ぶといけないからって、生徒全員に何故かアイマスクを配ったやつかい?」

ハニー「私は私の出来る豚たちが壁になってくれたおかげで、そんな格好にならないものはつけなかったけれどね」

ハーマイオニー「なんだかあの後のスネイプ先生は荒れてらっしゃったわね……えぇっと、それで。話していたのよ、『ポリジュース薬』のことを」

ロン「ポリジュース?」

ハニー「強力な変身薬ね」

ハーマイオニー「流石だわ、ハニー。どこかの誰かさんと違ってとっても優秀」

ハニー「私の豚はハーマイオニーであっても貶めちゃだめよ。それに、讃える言葉は高貴で可憐から受け付けるわ」

75: 2012/11/11(日) 13:20:51.10 ID:3UDYp72s0
ロン「僕がスネイプの授業を真面目に聞くわけないだろ?そんなことをするなら、もっとマシなことをしてるね」

ハーマイオニー「例えば?」

ロン「チャドリー・キャノンズが優勝するにはどうすればいいのか、とか」

ハーマイオニー「……私もハニーが選手になってから勉強してみたけど、それって神への祈りしかないんじゃないかしら」

ロン「あぁハニー、僕の女神、キャノンズをどうか……」

ハニー「全員私の豚にすれば少しはマシになるかしら」

ハーマイオニー「ともあれ、その薬をつかえば……スリザリンの寮に入って、マルフォイから何か聞きだせるわ」

ロン「なるほどね。それで、それってどうやって作るんだい?ハニーの命令とあれば、僕がすぐにスニジェットして……」

ハーマイオニー「……分からない、わ。『最も強力な薬』という本で紹介されている、ってスネイプ先生はおっしゃっていたけど」

ハニー「図書館の、禁書の棚にあるのだものね」

ロン「あぁ、先生の許可がないと貸し出しはおろか閲覧も出来ないって言う……先生の許可、かぁ」

ハーマイオニー「……」

ハニー「余裕ね」

ロン「君の豚も随分増えたものね。それでも一番は僕さ!ヒンヒン!」

76: 2012/11/11(日) 13:26:17.70 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「ま、待って!これは魔法薬に関することだもの、そういうのに明るい人がいいと思うの!」

ロン「ってことは、スネイプの野郎かい?あー、あれはハニーの豚じゃないからなぁ」

ハニー「……ハーマイオニー、あなたの頼みならそうしてあげてもいいけれど……」

ハーマイオニー「そ、そうじゃなくて。私も、あなたに無理に苦手な人と関わってほしくないもの……あのね!」

ハーマイオニー「ロックハート先生って、『グールお化けとのクールな散策』の中で!とっても魔法薬に詳しいところを!」

ハニー「ロン、枕」

ロン「あぁハニー、こういうのは放っておいたほうがいいね、賛成さ。僕はいつだって君に賛成だけどね」

ハーマイオニー「無視は賛成と受け取るわよ!あぁ、緊張するわ!ロックハート先生は公正でしょうから、きっちり貸し出しの理由と用途を書き上げなきゃ……!」

ロン「あの鈍ちんが?冗談。紙飛行機を作りたいんだって言っても笑って許可くれるだろうさ」

78: 2012/11/11(日) 13:32:20.72 ID:3UDYp72s0
翌日

ロックハート「『ゆっくり効く毒薬』のことを理解したい?」

ハーマイオニー「はい、先生。あの、私、あの時の先生の発想にはとても驚かされて。それで、あの、先生」

ロックハート「HAHAHA!えぇ、あの本は私の一番の傑作と言ってもいいでしょう!そうだね、うん。ミス・グレンジャー?」

ハーマイオニー「は、はいっ!先生、私の名前……!」

ロックハート「HAHAHA!もちろん、バンビーナちゃんたちの名前を知らない僕じゃないさ。君は私のテストにも満点でしたし、学年最優秀生を少しだけ後押ししても、誰も文句はないでしょう」パチンッ☆

ハーマイオニー「あ、ありがとうございます、先生!光栄です、先生!」


ハニー「ロン、終わった?」

ロン「あぁ、僕の背中で待っててねハニー。酷い悪夢はすぐ終いさ、ハニー!ヒンヒン!」

81: 2012/11/11(日) 13:38:13.31 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「先生のサイン……一生の宝物にしたいわ」

ロン「お願いだからやめてくれよな。それ、司書のマダム・ピンスに渡すんだから。ほんと君、あいつのことになるととち狂ってるよな」

ロックハート「HAHAHA!僕の魅力がなんですって?おや、ハニー、ハニー、ハニー!私の良き友人!」

ハニー「えぇ、ロックハート先生。ご機嫌よろしいようね」

ロックハート「えぇもちろん!朝からとても素敵な美少女にあえてアゲアゲですよ!」

ロックハート「それで、どうしましたハニー?私に何か用を?おっと、先日のつづきかな……よろしい!それではミス・グレンジャーにそこのもてない君!席を外して……」

ロン「ぶっとばすぞ」

ロックハート「おやおや!もてないチェリー君の僻みは怖い!まぁ私くらいになるとなれっこですよ!HAHAっ☆」

82: 2012/11/11(日) 13:42:21.29 ID:3UDYp72s0
ハニー「私は別に、あなたにはなにも。ハーマイオニーの付き添いですもの」

ロックハート「おやそうでしたか。そういえばハニー?そろそろクィディッチの試合だそうだね?」

ロン「そういやそうだっけ。まぁハニーはいつだってコンディション完璧だけどさ」

ロックハート「私も学生時代は凄腕の選手としてブイブイ言わせていましたよ!ハニー、いつだって声をかけなさい!私が稽古つけてあげましょう!」

ロックハート「ふ、た、り、きり、で!ねっ」パチンッ☆

ハニー「お生憎様、間に合っていますわ」

ロックハート「HAHAHAHAHA!これは手厳しい!」

ハーマイオニー「ロン、私に飛行を教えてくれないかしら」

ロン「そうだね、まずはそこの端っこに行こうか。それで、おもいっきり駆け抜けて、そっちの窓に突っ込む。どうだい、簡単だろ?寝ぼけちゃってる君にはぴったりの方法さ」

86: 2012/11/11(日) 13:50:51.90 ID:3UDYp72s0
三階の女子トイレ

マートル「いらっしゃい。トイレの水はいかが?」

ロン「い、いいよ。お世話様」

ハーマイオニー「あなたこの間はガブガブのんでいたくせに……それより、これね。『ポリジュース薬』のページ……まぁ」

ハニー「……」

ロン「わぁーお、なんてステキな薬だろうね。挿絵に書かれた飲んだひと、滅茶苦茶苦しそうで……おぉっとハニー?僕のハニー?なんだか目が疲れてるんじゃないかい?スネイプの奴からかっぱらったこれをお着けよ」

ハニー「そうね、少し本を読みすぎたみたい。休ませるために、そうね。挿絵?何のこと?分からないわ」

ハーマイオニー「さっぱりだわね。こんな絵参考にならないからメモを重ねて隠してしまいましょう、そうしましょう」

マートル「あなたたち、何を言ってるの?」

ハーマイオニー「あなたはまだ知らなくていいわ」

ロン「僕らの特権だからね。ヒンヒン!」

87: 2012/11/11(日) 13:59:53.78 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「ふん、ふん。難しい薬だけれど、訳の分からない物は、ないわ」

ハニー「作る工程は、難しいどころではないみたいだけれどね」

ロン「僕なんか、この説明書き一行目からノック・アウトだよ。任せたよ二人に。材料は僕がハニーにかけて集めてくるから」

ハーマイオニー「そうして頂戴、と言いたいけど……満月草は次の満月まで待たないといけないし、クサカゲロウは二十一日間煮込む必要があるわ。それに」

ハニー「二角獣の角の粉末、毒ツルヘビの皮……きっと、スネイプの個人用保管庫に忍び込むしかないわ」

ロン「任せてよハニー!僕のハニー!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「ダメよ、あなたは次ぎに規則破りをしたら退学じゃないの。それに……変身したい人の一部」

ロン「ハニー、ちょっと髪の毛を一本……冗談、冗談だよハーマイオニー。だから杖をしまって。冗談だよ、もちのあの、彼だよ」

ハーマイオニー「あなたご自身よ、なんなら変身薬の前に人相を変えてさしあげるわよ?」

89: 2012/11/11(日) 14:06:16.59 ID:3UDYp72s0
ロン「でもさ、うーっ、ゴイルの爪なんて入ってたら僕ぁまたナメクジゲーゲーしっちまうよ」

ハニー「この私が、私以外になるなんて……我慢ならないわ」

ハーマイオニー「仕方ないじゃない、聞き入れてよ。あなたはあなただもの、ハニー。大丈夫よ」

ハニー「……ありがと、ハーマイオニー。そうね、私が私であること、あなたを隅々まで確かめてみれば分かるかも。そうでしょ?」

ハーマイオニー「あっ、な、なんですぐそういう、やめ、あぁハニー、貴方の髪、なんて、綺麗……」

ロン「どさくさに紛れてハニーの髪を調達しないでくれよな、ハーマイオニー……ともあれ、薬が出来るのはずっと先、かぁ」

ハニー「……そうね。十二月、の末になるかしら」

ハーマイオニー「……それまで、何事も起きないといいのだけど」

ロン「あぁ、ハニー。君が今度の試合でマルフォイの奴をこてんぱんにしてやれば早いかもな」

ハニー「そうね、意気消沈のあまり自らチームを辞めさせてやるわ。応援しなさい、私の可愛い豚?」

ロン「ヒンヒン!もちのロンさ、ハニー!ヒンヒーン!」

90: 2012/11/11(日) 14:07:10.21 ID:3UDYp72s0
ちょいメシ

101: 2012/11/11(日) 14:53:40.35 ID:3UDYp72s0
クィディッチ競技場

ワーーーーワーーーァァァ!
 ヒンヒーーン!ヒーン!!!
 ハニィイイイイイイイイイイイ!

ロン「ハニー!ハニーィィィ!!また後ろ、後ろだぁああああ!あぁ、なんてこった!なんてこったちくしょう!なんで僕は空をスニジェットできないんだ!!」

ハーマイオニー「ロン!それ以上乗り出したらあなたが落ちてしまうわ!それより、あぁ、ハニー!」

ハグリッド「どこの、どいつだ!?ブラッジャーが細工されちょる!あれが一人の選手を追いかけ続けるはずがねぇ!ハニー、あぶねぇ!おぉ、俺ぁ見てらんねぇ!」

ハーマイオニー「あぁハニー、お願い……!」


ハニー「っ!っつ、なぁに、ブラッジャー!無生物のくせに、見る目があるじゃない!私に、惚れてしまった!そういうわけ!?っ!」

106: 2012/11/11(日) 15:01:43.93 ID:3UDYp72s0
フレッド「ヘェーイハニー!こっちだ!僕らの間を駆け抜けろ!いくぜ相棒!いちにーのさんしがなくてロニー!」

ジョージ「パーフェクト・パーシー!どうだ、かっとべブラッジャー!スリザリンチームにぶち当たって……なんだと!?」

ハニー「ありがとう、二人……っ、明らかに私から離れて、スリザリンのチェイサーの近くまでとんだのに」

フレッド「ブーメランみたいに、戻ってきやがった!こなくそぉっ!」

ジョージ「ハニーに何かあるとうちの豚どもが黙ってないぞ!っと!」

ハニー「私以外が、豚たちを豚って……っ!埒が、明かないわ!二人とも、ブラッジャーは私に預けて!もう一個のブラッジャーでゲームに参加して!」

フレッド「!?しょ、正気かハニー!?」

ジョージ「!?いくら、君だって……!」

ハニー「私を誰だと思ってるの!ハニー・ポッターよ!さぁ、早く!このまま負け越したら、オリバーが黙ってないわ!」

フレッド「……僕らは君の豚じゃないけど!」

ジョージ「……健闘を祈ってるぜ、ハニー!」

ハニー「えぇ……さぁ、来なさいブラッジャー! 震えてる、ふざけないで!雨が降ってるから、寒いだけよ!さっさと終わらせて、ロンに座って暖めてもらうんだから!!!」

109: 2012/11/11(日) 15:07:32.61 ID:3UDYp72s0
ドラコ「ハッハ、ざまぁないなポッター。どうしたんだい、変な動きばかりして。バレエの練習でも始めたのかい?」

ハニー「っ!そう、っね!私が舞えば、城中の豚たちがヒンヒン鳴いて……っ!?」

ドラコ「言っていろ。君がふざけている間に、僕は悠々とスニッチを捕まえてやろう。このフォイき、おっと、箒でね!」

ハニー「マルフォイの、右耳のあたり……あれ、スニッチ……?あぁ、でも、今マルフォイの方に、飛び出してしまったら……っっああああああああ!?」



ロン「ハニーーーーーーーぁあっぁぁぁあああああ!!離してくれハーマイオニー!!ブラッジャーのやr」

ハーマイオニー「『インペディメンタ妨害せよ!!』『レダクト砕けよ!!』止まりなさいブラッジャー!!ぶっ壊してやるわ!!」

ロン「……いいぞいいぞ!!雨の中だしどうせだぁれも気づきゃしないさ!やっちまえハーマイオニー!」

ハグリッド「流石だハーマイオニー!俺達のハーマイオニーに出来ない呪文はねぇ!ハニーの言う通りだった!ヒンヒン!」

111: 2012/11/11(日) 15:14:10.54 ID:3UDYp72s0
ドラコ「はっは、はっははははははは!おぉい、ポッター!どうした、右腕が折れたんじゃないかい!?」

ハニー「っ、んて、バカな……一瞬止まってしまう、なんて……あぁ、もういわ」

ドラコ「いい気味だ!よぉし、このまま僕がスニッチをとってお前をもっと困るフォイさせて……うん?な、なんだ?どうして、どう、どうして僕の方に、突っ込んでくるんだぁああ!?」

ハニー「退きなさい!豚以下の家畜!私もろとも地面に地面に叩きつけられる覚悟があるのなら!少しは見直してあげるわ!!」

ドラコ「い、いったい、なにを……っく!!」

ハニー「あぁ、それで、いいわ……」

パシッ

リー「! スニッチが獲られました! グリフィンドールのハニー・ポッター!なんという決氏のダイブ!あぁ、でもこのままじゃ……!」

ハニーーーーィイイイイイ!!
 ヒンヒーーーーン!

ロン「もちのロンで、先回りした僕がばっちり地面にスタンバってたわけだけどおぅふっ!ヒンヒン!怪我ないかい、ハニー!」

ハーマイオニー「あぁ、ハニー!ハニー!あのブラッジャーにはあとであなたに土下座させるわ!だから、しっかり……!」

ハニー「あぁ、ふたりとも……うん、わたし……勝てた、のね。よか、tt」



ロックハート「HAHAHA!ミス・グレンジャー!大丈夫、私が看てあげればすぐに元気になりますよ!私を見るだけでも十分でしょうけどねっ☆」

ハニー「……」

116: 2012/11/11(日) 15:24:01.25 ID:3UDYp72s0
ロン「あー、先生。失礼の無いように端的に言うよ。お呼びじゃないんだよ!帰れよ!」

ロックハート「HAHAHAHAHA!ミスター・もてない君、お友達のハニーが怪我をして錯乱しているね?大丈夫、私に任せなさい!骨折の一つや二つ造作もないさ!」

ハーマイオニー「あぁ、良かった、良かったわねハニー!すぐに、先生が!」

ハニー「やめ、なさい。やめて。それより、医務室に……」

ロックハート「HAHAっ、医務室で二人きり?それはまた今度にしましょう!さぁ、今は治療が先決です!そーれ☆」

ハニー「っ……?」

ロックハート「……あっ」

ロン「……おい、今の『あっ』って、おい……そ、それより……あー、は、ハニー!僕のハニー!あっと、えーっと」

コリン「わー!ハニー、写真をいいですか!?『夕刊僕達のハニー』の表紙にしますから!1枚!ハニーの右腕が骨無しになっちゃうなんて!わー!」

ハニー「あぁ……編集を写真撮るのが上手いあなたに任せたのは私、だけど、今はやめなさい……この、豚」

117: 2012/11/11(日) 15:25:00.15 ID:3UDYp72s0
コリン「ヒンヒン!あぁハニー!熱っぽいあなたの表情もステキです!ヒンヒン!」

ロン「やめろってんだろ!おい豚ども!こいつを連れ出せ!」

ハーマイオニー「ハニー、さぁハニー……肩をかすわ。医務室に行きましょう?ね?」

ロックハート「そう、そうですね!そうしたほうがいいでしょう!何より、今は骨は折れてない!そのことが大事です、そうでしょう?」

ハニー「……骨無しにはなったけれど」

ロックハート「僕の魅力に骨抜きってとこかな☆HAHAHA……おぉっと、もてない君たちの目線がなんだか怖いね!それじゃ!」

ロン「待てこら!逃がすなみんな!僕につづけ!ハニーの一番の豚の僕に!!ヒンヒン!ヒン(怒)!!!」

ヒンヒーン!ヒンヒンヒンヒーン!

126: 2012/11/11(日) 15:32:18.59 ID:3UDYp72s0
マダム・ポンフリー「まっさきに私のところへくるべきでした!」

ハニー「えぇ、私も全く持って同意見だわ、マダム」

ハーマイオニー「えぇっと、ハニー。その、先生も悪気があったわけじゃ、あ、もちろん許せることじゃないわ。あの……なんでもない」

ハニー「そうね、あの人のことは喋らないでいきましょう。それで、マダム?治る、わよね……?」

ポンフリー「それはもちろん。ですが、辛いですよ。今晩はここに泊まらなければなりません」

ロン「ヒンヒン!それじゃ僕が痛みを紛らわすためのクッションになるよ、ハニー!ヒンヒン!」

ハニー「出来る豚ね、ロン。それに、いい働きだったわ。褒めてあげる」フーッ

ロン「うひゃぁ!き、君の豚として当然さハニー!ヒンヒン!」

ポンフリー「いけません!入院患者は一人だけ!いいですね!」

ハーマイオニー「ね、ねぇロン?ロックハート先生はどうなったの?」

ロン「あぁ、あのバカかい?あれからマクゴナガルの後ろに隠れやがったんだ」

ハニー「あぁ、公正で生徒想いのマクゴナガル女史ね」

ロン「うん。それで、僕らが事情を説明したら、ロックハートに全力フルスイングビンタしてくれたよ、あぁ。僕ぁ尊敬するね彼女を」

ハーマイオニー「……複雑だわ」

ロン「そりゃ君だけさ。全校生徒スカッと晴れやかだよ、今日のお天気とは真逆でね」

130: 2012/11/11(日) 15:38:28.72 ID:3UDYp72s0


ハニー「うーん、う……ん……痛い。痛い……なんて、言う、もんですか。でも……うー」

ドビー「……ハニー・ポッターが苦しんでおられる。あぁ、ドビーのせいにございます。ドビーは悪い子!悪い子!ですが……」

ハニー「この声……ドビー?私の豚!?そこにいるの……近い!な、ど、どうして置き抜けそんなに近くにいるの!私の寝顔は安くないわよこの豚!」

ドビー「ヒンヒン!ヒン!申し訳ありませんハニー・ポッター!ですが、ドビーは、ドビーのブラッジャーで怪我をしたあなたさまが心配で……」

ハニー「……待ちなさい。あなたの、ブラッジャー?」

ドビー「はい……衣服のブラではなく」

ハニー「分かってるわよそんなの、それもってたらあなた解雇されてるじゃない」

133: 2012/11/11(日) 15:45:19.69 ID:3UDYp72s0
ハニー「一体、どういうこと!?あなた、私を殺そうとしたの!?私の、わたしの、豚、のくせに……!」

ドビー「め、滅相もありません!滅相もございませんハニー・ポッター!ドビーめは、ドビーめはあなたさまを思いましただけで!」

ハニー「私を思って身を悶えて転がりこそせど、私の身を殺そうとする豚なんていらないわよこの豚!」

ドビー「違うのですハニー・ポッター!ドビーは、ドビーはハニー・ポッターがほんの少し怪我をするだけで、それで、この学校が嫌になれば、と……」

ハニー「その程度の怪我に見えるの!?私は今、生えてくる骨の!腕にギュウギュウ詰めにされてる棘の塊のようなものを味わってるのよ!?っ、泣く、泣くわけないじゃない!こんな痛み、へっちゃらよ!」

ハニー「それより、答えなさいドビー!どうして私を酷い目に合わせてまで、私をそこまで家に帰りたがらせたいのか!」

135: 2012/11/11(日) 15:53:29.30 ID:3UDYp72s0
ドビー「あぁ、ハニー・ポッター!ドビーたち屋敷しもべにとっても貴女様は英雄です!光なのですハニー・ポッター!」

ハニー「全ての生きとし生ける者の光のようなものよね、知ってるわよ」

ドビー「その通りにございます!あぁ、そのハニー・ポッターに危険が迫っていると知っていながら、ドビーめが何もしないわけにいきましょうか!再び、秘密の部屋が解き放たれようといいますのに!」

ハニー「秘密の部屋……そう、そうだわ。ドビー、あなたが夏に言っていたことが本当に……再び?それじゃ、今までにも開かれたことがあったの?最初のスリザリン卿以外に!?」

ドビー「あぁ、あぁハニー・ポッター!とにかく危険なのです!あなたさまは家に帰らなければ!ドビーめがお世話をいたします!ですから、どうか!」

ハニー「出来損ないの豚にみられる筋合いはないの!それに、おかしいわ!私はマグル育ちかもしれないけれど、両親ともに魔法使いよ?その私に、どうして危険が……?」

ドビー「お聞きにならないで!お願いでございます!ハニー・ポッターは家に帰って!かえってくださいまし!」

ハニー「そんなわけにいかないの!私の大切な人はマグル生まれだわ!あの子が危険なのに、そんなまねできるもんですか!」

ドビー「ご自身が怖くていてもにございますか!?あぁ、あぁハニー・ポッター!あなたはなんとお優しくなんと気高い!ですが……ハッ!?」

コツッコツッコツッコツッコツッ ガヤガヤガヤガヤ

ハニー「誰か。いいえ、これは何人もの先生達?が、こちらに……あっ!」

ドビー「ドビーは行かなくては!ハニー・ポッター!ドビーの言葉を忘れないでくださいまし!ヒンヒン!」

ハニー「あっ、ちょっと!……行ってしまったわ。っと、私も、寝たふりをしないと」

136: 2012/11/11(日) 15:59:07.01 ID:3UDYp72s0
ハニー「……」

マクゴナガル「見てください、アルバス。この子の手に葡萄が……きっと、ポッターの見舞いに来たのでしょう。酷いことをしてしまった、許してもらえるだろうか、と、私に相談していましたから」

ダンブルドア「まっこと、嘆かわしいことじゃ……じゃが、彼はわしらにヒントを残してくれたようじゃの。この、カメラに……」

スネイプ「……犯人を映している、そうお思いですかな?」

ダンブルドア「あけてみようぞ……なんと」

マクゴナガル「! ネガも、フィルムも……全部、溶けて……アルバス、これはどういうことなのでしょう」

ダンブルドア「……『秘密の部屋』が開かれた、そういうことじゃろう」

スネイプ「ですが、校長。一体、誰が……この、コリン・クリービーを」

コリン「」

ハニー「こ、リン……わたしの、豚……あぁ……」

ダンブルドア「誰が、という問題じゃないのじゃ、セブルス。重要なのは……どうやって、じゃよ」

141: 2012/11/11(日) 16:05:45.11 ID:3UDYp72s0
翌日

ネビル「あっ、ハニー!昨日はすごいキャッチだったね!ヒンヒン!もう怪我はいいの?」

ハニー「ハァイ、ネビル。えぇ、すっかり元通りよ……ロンとハーマイオニーをみなかった?」

ネビル「?さぁ、てっきり君のお見舞いに行っているのかと思ったよ」

ハニー「そう……隣をいいかしら?ふふっ、たまには一緒に朝食をどう?私の豚?」

ネビル「! いいのかいハニー!ヒンヒン!ぼく、僕なんかが君と!うひゃぁ!」

ザワザワ
 ロングボトム爆発しろ!!

ハニー「私も一人は嫌だもの……あら、ここの椅子ってこんなに硬かったのね……まったく、ロンって出来る豚だったんだわ」

143: 2012/11/11(日) 16:11:33.93 ID:3UDYp72s0
ネビル「コリンが石になったらしいね。みんなその話でもちきりだよ。目線は君にいきっぱなしみたいだけどねヒンヒン!」

ハニー「そう、ね。私も医務室で……あら」

ジニー「……あ、おねぇ、さま。良かった、無事だったのね。これからお見舞いに行こうと、思っていたの」

ハニー「ハァイ、ジニー。えぇ、平気よ。それより、あなたの方が元気がないわ」

ネビル「仕方ないよ、ハニー。君の豚たちは昨日は心配のあまり過呼吸の人続出だったし……ジニーは、えっと、今年入学だよね?コリンと、仲がよかったのかい?」

ジニー「あの……えぇ、授業で何度か、班が一緒に。だから……」

ハニー「……私も、豚が減ってとても残念だわ。でもジニー、元気をお出しなさい。さ、私はハーマイオニーとロンを探してくるわ。心当たりはなぁい?」

ジニー「ありがとう、おねぇさま……いいえ。……ねぇ、あの」

パーシー「おや、もう朝食に降りてたのかいジニー。探したよ」

ジニー「っ、ぱ、パーシー……」

146: 2012/11/11(日) 16:16:00.85 ID:3UDYp72s0
ハニー「あら、パーシー。おはよう。ジニーを探してたって?」

パーシー「やぁハニー、昨日は見事だったよ。あぁ、クリービー君にあんなことがあったろう?一年生のジニーが心配でね」

ジニー「お世話様、だけど、私、大丈夫だから」

パーシー「あっ……行ってしまった。難しい年頃なのかなぁ、僕にはいまいち分からない。それで、ハニー。うちのロンはどうしたんだい?」

ハニー「えぇ、私も探しているところよ」

パーシー「……まさか、また女子トイレなんかに入っていないだろうね?」

ハニー「……さぁ、ね。それじゃ。ネビル、またね。はい、パンの最後の一かけらよ」

ネビル「ヒンヒン!ありがとうハニー!君の手から投げられたパンは最高だよ!ヒンヒン!」

パーシー「ハニー!君もだね、グリフィンドールの品位を!」

ハニー「品位を着て歩いている私に何を言うのよ」

152: 2012/11/11(日) 16:23:52.80 ID:3UDYp72s0
ハニー「腰が痛いわ……ロンの背中が無いとあんなに硬い椅子だったなんて」

ハニー「まったく、あの二人。私の見舞いにも出迎えもせず、何をしてるのよ」

ハニー「……一人に、しないでよ」

ハニー「……」

ハニー「なんて、ね。分かってるわ。コリンが襲われたって聞いたあの二人が今、何をしなくちゃいけないって判断してるか」

ハニー「私の一番の豚と、一番のお友達だもの……」

三階女子トイレ

ガチャッ

 ロン「で?このヒルを投げ込めばいいのかい?」

 ハーマイオニー「やさしくゆっくり入れて頂戴、っていうのをどうすればそんな風に意訳できるの!」

ハニー「ハァイ、二人とも。この私を差し置いて、なんだか楽しそうね」

 ロン「っ!h」

 ハーマイオニー「!!ハニー!!!」

ガシャァァンパリィィィン!

ハニー「えぇ、ハーマイオニー。とりあえず膝に乗せた本は置いてから立ち上がった方が良かったわね。狭い個室が大惨事になってるみたいだもの」

155: 2012/11/11(日) 16:29:53.43 ID:3UDYp72s0
ロン「あぁハニー!僕のハニー!ヒンヒン!ごめんよ、君のお見舞いも行きたかったんだ!でも……」

ハーマイオニー「私たち、先にポリジュース薬に手をつけなきゃ、って思ったの。ごめんなさい、ハニー」

ハニー「えぇ、大丈夫よ。分かってるから。でも、そうね。少しだけ腰が痛かったわ」

ロン「ヒンヒン!僕がいる限り君にすわり心地悪い思いはさせないよハニー!他の奴らはなにをやってたんだ気が利かないな!マーリンの髭!」

ハニー「あら、ロン以外の豚がやっても私はおいそれと座らないわよ」

ロン「どうしよう、ここって近くに男子トイレはあったかな」

ハーマイオニー「さぁ。それで、ハニー?それだけ?ふふっ、一人で寂しかったんじゃない?」

ハニー「それはあなたじゃないの、ハーマイオニー?一人のベッドで何をしてたのかしら」

ハーマイオニー「なっ、なにも!何もないわよ!本当よ!あっ、あなたの枕洗っておいたわ!特に意味はないけど!」

ハニー「そっ。ならよかったわ。私の方は、ドビーのせいで騒がしい夜だったけれどね」

ハーマイオニー「!?ドビー!?」

ロン「!あの野郎、ハニーの寝込みにやってくるなんて!豚の風上にもおけないな!」

ハーマイオニー「あなたが言うの、それ」

159: 2012/11/11(日) 16:38:53.63 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「秘密の部屋が、以前にも……それじゃ」

ロン「決まったな。あのマルフォイの父親が前回開けたスリなんとかの継承者で、親愛なる息子のドラフォイに教え込んだに違いない」

ハニー「えぇ、私もそう思ってたわ」

ロン「ヒンヒン!僕の考えはハニーの考えだよハニー!ヒンヒン!それにしても、『秘密の部屋』ってのに隠されてる怪物?の正体をドビーが教えてくれたらよかったのになぁ」

ハーマイオニー「きっと、透明になれるのだわ。それか変装よ。『カメレオンお化け』のお話は読んだことある?」

ハニー「あぁ、あなたがお勧めしてくれたあれね」

ロン「本の読みすぎだよ君たち。まぁ僕はそんなハニーのブックスタンドでありブックチェアーなんだけどさ」

ハニー「快適な読書時間の提供をありがとう。それで、あの口ぶりだと駅で私とロンを足止めしたのも……」

ロン「奴さんだろうな、あぁ。ハニー、ドビーを放っておくと君を本当に病院送りにしかねないよ。同じ豚として許せないね」

ハーマイオニー「そうよね。それに、どうして私だけ残してあなたちを二人にしたのかっていうのも、じっくり問い詰めて……なんでもないわ」

ハニー「そういうことにしてあげる。それで、薬の方はどうなの?」

163: 2012/11/11(日) 16:47:03.03 ID:3UDYp72s0
ロン「あぁ、マートルが場所を提供してくれたおかげでばっちりだよ」

マートル「フン!ハニーがいないならあんたたちなんかにかしてあげなかったんだからね!」

ハニー「マートル、この二人も私の大事な人なの。打ち解けてあげてよ」

ロン「どうしようハーマイオニー、僕本気で泣きそう」

ハーマイオニー「ハンガ、グスッ、ハンカチかしましょうか?あ、これはダメだわ。ハニー仕様だから」

マートル「ダメよ!その二人には、理解できないわ!私とハニーのことなて、ハニー、あなたと私、同じ目をしてるもの」

ハニー「ハシバミ色なのは私だけだけれどね。何のこと?」

マートル「……いじm」

ハニー「マートル?私、ゴーストが排水溝に流れていくのってとっても興味があるのだけれど」

ロン「うっわ、すっごいや。夢にでてきそう」

ハーマイオニー「ハニーも悪夢決定ね。やったわ」

164: 2012/11/11(日) 16:52:25.82 ID:3UDYp72s0
十二月

ハニー「……城に残る、に、まる。今年ももうすぐ終わりね」

ロン「あぁハニー!僕のハニー!今年ももちろん僕は城に残って君と一緒さ!えーっと、こっちに○フォイっと」

ハーマイオニー「私もよハニー、今年こそ、ね。○といえば、マルフォイも残るそうだわ」

ロン「いつもは母上の料理ガー七面鳥ガーってやかましいのにな。益々怪しいよ」

ハニー「薬ももうすぐ完成だものね。化けの皮剥いであげましょう」

ハーマイオニー「えぇ、そうね。っと、その前にやることがあるわ……スネイプ教授の保管庫から、いくつか材料を拝借しないと。これはとっても難しいわ。ねぇ、二人が証拠を残さないように授業で騒ぎをおこして、それで、その間に私がこっそり……」

ハニー「ハーマイオニー、透明マントが、なんですって?」

ハーマイオニー「……そうよね」

ロン「難しく考えすぎだよ君は」

166: 2012/11/11(日) 17:01:09.60 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「なんだかふに落ちない入手法だけど、これで揃ったわね」

ロン「何がさ、折角なんの波風も立たせず手に入ったってのに、何を望むんだい?ハニーの唇かい?恐れ多いね」

ハーマイオニー「べ、べべ別にそんな唇とか、誰も何も言っていないわ!何を言ってるの、ロン!あなたって!あなたって!」

ロン「……なんだいその反応」

ハーマイオニー「オホン。これで、あとは煮込むだけ。あと二週間、そうね……ちょうど、クリスマス頃かしら、出来上がるのは」

ハニー「マルフォイにとっては、とっても散々な聖夜になりそうね」

ロン「ざまぁみろフォイだよな」

ハーマイオニー「ロン、あなた最近毒されてるわよ」

ロン「控えるよ、どうも。とにかくみてろよ、マルフォイのやつ!父さんが苦労させられてる仇もとってやれるね!」

ハニー「その意気よ、ロン。親御さんを大事にする豚は好きよ」フーッ

ロン「ヒンヒン!ハニー!あぁ、パパママ大好きさ!」

ハーマイオニー「!わ、私だって、こんなに長い手紙を出すくらい大事にしてるもの!!!」

167: 2012/11/11(日) 17:05:00.88 ID:3UDYp72s0
ハニー「あぁ、そうね。クリスマスに帰れないのだものね……ねぇハーマイオニー、私もあなたのご両親手紙、書いてもいいかしら」

ハーマイオニー「えっ……?いいけど、どうしたの?」

ハニー「ナイショ。蝋で封をするから、中身は見ないでね」

ハーマイオニー「なぁに?気になるわ……私のことを何か、あることないこと……?」

ロン「僕のハニーがそんなことするわけないだろ、ハーマイオニー。ほら、あれさ。きっと、ははっ。ハーマイオニーがいかに自分にとって大切なー、とか、ね。ねぇハニー?ハハッ」

ハニー「……わ」

ロン「うん?」

ハーマイオニー「え?」

ハニー「わ、わるい、の……?だって、わたし、まだハーマイオニーのご両親には、一度も。ちゃんと、しないとって、ずっと、ね……?」

ロン「ハーマイオニー、便箋ありったけ」

ハーマイオニー「えぇ、もちのあなたよ」

170: 2012/11/11(日) 17:10:59.10 ID:3UDYp72s0
ガヤガヤ、ガヤ

ロン「あーぁ、工口ール爺さんあんな一大小説を抱えて大丈夫かなぁ……あれ、なんだいこの人だかり」

ネビル「あっ、ロン、ハーマイオニー、それにハニー!ヒンヒン!みてよ、『決闘クラブ』をするんだって!」

ハーマイオニー「決闘クラブ?」

ハニー「? ロン」

ロン「あぁハニー!おい!一番前の奴!シェーマスか!何て書いてあるんだい!?ハニーが見えないってさ!」

シェーマス「ヒンヒンさハニー!えぇっと、決闘の練習をする集まりだそうだ!参加者は八時に大広間!」

ロン「決闘、へぇ。みんな乗り気なのかな。スリザリンの怪物に、魔法使いの決闘云々の作法が役に立つとは思えないけどね」

ハーマイオニー「そういいつつ、参加したそうでたまらないって顔だわ」

ハニー「行ってみましょうか。ロン?私の豚?」

ロン「ヒンヒン!ハニー、あぁ!もちろん君に何かしてくる馬鹿がいたら僕が全身で守るよハニー!ヒンヒン!」

ハニー「それより私を連れて逃げなさい、盾になんか冗談じゃないわ」

ロン「ごめんよハニー!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「決闘クラブ、ね。一体誰が教えるのかしら……」

172: 2012/11/11(日) 17:16:38.69 ID:3UDYp72s0
大広間

ロックハート「僕さっ☆」

キャー!ロックハートセンセーケットウチャンピオーーーン!

ロン「帰ろうか、ハニー。人が多いしね、おぶるよ、さぁ」

ハニー「そうね」

ハーマイオニー「なっ、ど、どうして!?あんなに凄いことをたくさんしたロックハート先生に教えてもらえるのよ!?すばらしいじゃない!」

ロン「あぁ、あんなにたくさんのご本の数々を全部奴さんがやったんならね。どうなもんだか」

ロックハート「HAHAHAHAHA!ありがっとーぅみんな!校長先生にかけあって、この僕が決闘クラブを開催することになりました!助手を務めるのは、勇気あるスネイプ先生です!どうぞ!」

スネイプ「……」

ロン「ハニー、ちょっと待った。あの二人が潰しあうならちょっと見ものじゃないか?あぁ、豚の分際で意見してごめんよ!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、そうね。どっちが痛い目みてもおいしいもの」

ハーマイオニー「き、きっとロックハート先生がコテンパンよ!

175: 2012/11/11(日) 17:25:28.63 ID:3UDYp72s0
キャーーー!ロックハートセンセーダイジョーブーーー!?
 スネイプシネーーーー!ドウテーーーー!スニベルスーーーーー!

スネイプ「……我輩は助手としての仕事を果たしたまでですがな。今口を開いた者それぞれ寮から5点減点、あと最後の者には聞くことがあるから残っておれ」

ロックハート「ぐっふ、っは、ハッハ、は!さ、さぁさぁみなさん、今スネイプ先生が私になさったのが『エクスペリアームズ武器よ去れ』すなわち『武装解除の呪文』ですね!私は吹き飛ばされ、杖を先生に奪われたわけです!」

ロン「やるじゃんスネイプ」

ハニー「少しはね」

ハーマイオニー「最低だわ!あんまりだわ!」

ロックハート「ですが、先生?HAHAHA!すこーしだめだしするのなら、何をするのかがあまりにも分かりきりすぎていまくりましたよね!HAHAHA!」

キャーーー!ロックハートセンセーキョウジャノカンロクーーー!

スネイプ「……我輩に分かる言語でおっしゃってほしいですな」

ロックハート「つまり、HAHA!僕が返そうと思えば造作もなかった、ということですよ☆さって、今度は誰か生徒にやらせてみましょう!さぁ、この私の防衛術を伝授されたいバンビーナちゃんはだ、れ、か、な」パチンッ☆

キャーーーーキャーーーー!ワタシヨーーーワタシヨオーーー!

177: 2012/11/11(日) 17:30:08.47 ID:3UDYp72s0
ロン「分かってたけど女の子限定か、アホくさ。さぁハニー帰ろう、帰って君成分であいつのこと忘れっちまいたいよ」

ハニー「そうね、何の意義もなさそうだもの」

ハーマイオニー「ま、待って、待ってよ!今からすぐ、あぁ、私も前に、ちょ、ハニー!」

ロックハート「うん? おやおや、ハニー!ハニーハニー!どこに行くんだい、そうだ!君にお教えさしあげよう!さぁ、こちらへ!」

ハニー「……」

エエーーーズルーーーーイ!

ハニー「結構よ、お世話様。それj」

ロックハート「HAHAHA!遠慮は要らないよハニー!君と僕の仲だろう?」

ロン「おい!気安くハニーの手を触るなよ!!ちっくしょうマーリンの髭!」

ハーマイオニー「あぁ、あの二人の感じ、写真に撮りたいわ。コリンがいてくれれば……」

ロン「うん、ハーマイオニー。君、ロックハートがでてきたらちょっと黙ってなよ」

181: 2012/11/11(日) 17:36:16.79 ID:3UDYp72s0
ハニー「……それで、そっちはあなたってわけね」

ドラコ「ふんっ、そのすかした面を恐怖に歪ませてやるよ、ポッター!」

ロン「どこまでも小者な台詞が似合うよな、君って」

ドラコ「うるさいぞウィーズリー!」

ロックハート「おやおやお坊ちゃん、お嬢ちゃん、始まる前から勇ましいね!」

ハニー「そんな言葉はいりませんわ、先生。あなたには褒めてもらうことさえ結構だけれど」

ロン「君は高貴で可憐で儚げだよハニー!ヒンヒン!」

ヒンヒーーン!ハニー!ハニー!

ロックハート「HAHAHA!君はすこーしもてない君たちに人気のようだねハニー?」

ハニー「私の豚を愚弄すると酷いわよ。それで、私は何をすれば?」

ロックハート「そうだね、杖を出して。ここを、こう。ノンノン、こうです」

ハニー「……腰を触る必要がどこに」

ロン「ふざけんなロックハート!マクゴナガルに言いつけるぞ!!!!」

187: 2012/11/11(日) 17:47:00.08 ID:3UDYp72s0
ドラコ「『サーペンソーティア!蛇よ、出ろ!』」

蛇「シャーーーーッ!」

キャーーーー!キャーーーー!

ロックハート「武装解除だけだと言ったのに!」

ハニー「あら、可愛い蛇ね」

ドラコ「はんっ!強がりもいまのうちだぞ、ポッター!」

スネイプ「そうですな、ポッター、強がらずに下がっておるがいい。怖がるならもっと後ろで、目を瞑っているとよかろう。そうだ、目を瞑って、ふむ。それを我輩が……いやいかんあれはリリーではないあれはリリーではないあれは」ブツブツブツブツブツ

ハニー「何をぼやいているのか分からないけれど。強がる?冗談、私が恐れるのは退屈と体重計だけ。こんな蛇くらいでうろたえないわ」

188: 2012/11/11(日) 17:48:03.59 ID:3UDYp72s0
キャーーーキャーーー!
 ワーーーー!

ハニー「ホント、蛇くらいでみんな、何を騒いでいるのかしら……」

キャーーー!

ロン「あっ!あの蛇、他の生徒の方に!よかった、ハニーの方にいったら僕の壊れた杖をぶん投げてやるところだった!」

ハーマイオニー「杖を手榴弾みたいにしないの。あ、あぁ!あれ、ハッフルパフの、ジャスティンの方に!」

ジャスティン「あっ……あぁ……こないで、く、れ」

ハニー「……蛇くらいで、あんなに。そうね、ハッフルパフにも増やす、いい機会だわ」

ハニー「……コホン」

蛇「シャーーーーーッ!!!!」


ハニー『ハァイ、蛇さん』シューーシューーーー

ロン「!?」

ハーマイオニー「っ!?」

192: 2012/11/11(日) 17:52:13.10 ID:3UDYp72s0
蛇『……?……君か?今……君か?』シューーーシューーーッ

ハニー『そうね。あなたがいると、なんだか騒がしくなるみたい。大人しくなってくれる?』シューーシューー

蛇『……分かった。少し……イライラしてた。すまない』シューシューッ グルグル

ハニー『えぇ、聞き分けのいい子は好きよ。素敵なトグロの巻き方ね、ふふっ……』シューシューッ

ハニー「コホン。ふぅ、久しぶりだったけれど、うまく……あら?」

シーーーーーン……

ハニー「? 私の美しさに見惚れてる? さもありえるけど……あなた、ジャスティン?知ってるわよ、よーくね」

ジャスティン「ひっ!?」

ハニー「良かったわね?これであなたの命は私のもの、そうでしょ?」

ジャスティン「う、わ、うわ、うわぁあああああ!!!!く、くるな、来るなぁああああああああああ!」

ハニー「…………え?」

194: 2012/11/11(日) 17:56:34.08 ID:3UDYp72s0
ハニー「……人ごみを掻き分けて、行ってしまったわ。なんなのかしら。なんの……」

シーーーーーン……

ハニー「? ねぇ、どうしてみんな……みんな、そんな目で私を、見るの?気に入らないわ、あのね、私を見るときは崇め奉る羨望のまなざしだけを……」

ロン「ハニー、ハニー。こっちに来て。さぁ、僕の背中に。さぁ、ハニー」

ハニー「ロン?ちょっと待ちなさい、どうして私が逃げるようなまねを!?だって私、ただジャスティンを……!」

ハーマイオニー「今は黙って、お願いだから黙ってついてきて。さぁ、こっち。談話室行きましょう?」

ハニー「……あなたが、そう言うのなら」

197: 2012/11/11(日) 18:03:08.11 ID:3UDYp72s0
談話室

ハニー「一体、何なの?どうして私があんな、腫れ物のような、病人のような……あんな風にみられなくちゃいけないわけ!?あんなのもうまっぴらよ!」

ロン「あぁハニー、ごめん、ごめんよ。あそこじゃどんなに言っても逆効果だったんだ……ハニー、君、君は」

ハーマイオニー「パーセルマウスだったのね、ハニー?どうして言ってくれなかったの?」

ハニー「パーセル……あぁ、蛇語使い?そうね。小さいときから、話し相手になってもらってたわ。殆ど私が一方的にだけれど、相槌なんかはよくうつもの」

ロン「蛇と、世間話をしてたって?ヒューッ、ハニー、ほんと、君ってすっごいや」

ハーマイオニー「小さいときから……それじゃ、蛇に向かって適当にそれらしいことをしていたわけでもなく……」

ハニー「当たり前じゃない。あの子、ごめんねって言ってたわ。私、シェーマスを救ったのよ?なんでこんな扱いをうけるの?」

ロン「あ、そうだったのかい、ハニー。僕はてっきり、新手の豚勧誘かと」

ハーマイオニー「そうよね……」

ハニー「え……?」

203: 2012/11/11(日) 18:09:04.52 ID:3UDYp72s0
ハニー「どういうこと?あなたたちだって、聞いたでしょ?私が、あの蛇に……」

ハーマイオニー「だからね、ハニー。あなたがあの蛇に言ったのは、蛇語なの。私たちじゃ、聞き取れないわ。意味も伝わらない。あの場の誰にも」

ロン「僕はもちろん君がジャスティンちょっとしたおふざけをしようとしてたのだとばかり。でも、そうか、君は救おうってしてたのかぁ。あぁハニー、僕のハニー、やっぱり君は女神だよ」

ハニー「ちょっと、ちょっと待って。あなたたち二人が蛇語を使えないのは、分かった。でも……」

ハーマイオニー「……そのくらいの事が出来る人。ここには、吐いて捨てるほどいるんじゃないか、そう思っている?」

ハニー「えぇ、だって……歴史に、何度かいたように……あ……」

ロン「……そうなんだ、ハニー。君は、自分が喋れるから滅多なものじゃない、そう思ってたみたいだ、けど」

ハーマイオニー「……歴史上、パーセルマウスは数える程度しかいないわ。そして、その一番の使用者として有名なのは。二つ名が『蛇舌』だったほどに、知れ渡っていたの、は……」

ハニー「……サラザール・スリザリン。秘密の部屋を、作った……」

208: 2012/11/11(日) 18:12:58.22 ID:3UDYp72s0
ザワザワザワザワ

やっぱりポッターだったんだ

  ザワザワザワザワ
ヒソヒソヒソ

 蛇語を使うのをみた?
それにあの傲慢な態度、おかしいと思ってた

ヒソヒソヒソ
  ザワザワザワ

やっぱり、彼女が継承者なんだよ

ザワザワザワ
 ヒソヒソヒソ

ううん、ひょっとしたら



スリザリンの子孫とかでも、おかしくないんじゃない?

ヒソヒソヒソ 
 ザワザワザワ
ヒン……ヒン

213: 2012/11/11(日) 18:19:30.98 ID:3UDYp72s0
学期最終日

ザワザワザワ

ハニー「……気に入らないわ」

ロン「あぁハニー!みんな君の素晴らしさに嫉妬してるのさ!ハニー!なんてったって君は最高だからね!」

ハーマイオニー「いつものこと、すぐにみんな忘れるわ。ハニー、それまで私たちがいるから。ね?」

ハニー「……それは、当たり前だけれど。でも」

ヒソヒソヒソ

ハニー「……ヒソヒソ言われるのは、とっても……気に、いらない。嫌いよ、こんな、想いなんて……」


フレッド「おんや……おぉいジョージ、あれみろよ!スリザリンの継承者さまがいらっしゃるぜー!」

ジョージ「なんだって相棒、そりゃ本当かい?あぁなんてことだー!僕ら全員石にされっちまうー!」

ロン「!?お、おい!?」

ハニー「……フレッド、ジョージ」

217: 2012/11/11(日) 18:22:18.07 ID:3UDYp72s0
ごめん。ネタバレかかるからそっから先勘弁

221: 2012/11/11(日) 18:27:11.36 ID:3UDYp72s0
フレッド「えぇい皆の衆ひかえおろう!ここにおわすのをどなたと心得る!えぇいひかえぇい!たたっきっちまうぞ!」

ジョージ「かのコソコソ陰険フィルチの糞猫に、我らがコリンを石にしっちまったスリザリンの継承者様にござーい!」

ロン「あー……ははっ」

ハーマイオニー「……あぁ、そういう」

パーシー「こ、こら!フレッド、ジョージ!おふざけがすぎるぞ!」

フレッド「ひぃ!これがスリザリンの怪物完璧・パーフェクト・パーシーみたいだぜ相棒!」ゲラゲラゲラゲラ

ジョージ「そりゃおっそろしー!宿題に規則に寮の品位に!乱せば即刻石にされっちまう!」

パーシー「こら!だからふざけるなって言って!待て、この!待て!ママに言いつけるぞ!!」

ザワザワ  アハハハハハハ!
 イイゾイイゾー、ヤレヤレー! ヒンヒン!

ジニー「あの、おねぇさま。フレッドとジョージは、悪気があるわけじゃ、ない、から」

ハニー「えぇ、よく分かってるわよ。ふふっ、ジニー、ロン?いいお兄様をもったわね」

ロン「たまーにはね、そう思うよ、うん」

224: 2012/11/11(日) 18:32:58.75 ID:3UDYp72s0
図書館

ハニー「……」

ヒソヒソヒソ

ロン「……ったく、みんな大雪で授業が無くなったからってわざわざ図書館に来るなよな。僕らとハニーの憩いの時間が台無しさ」

ハーマイオニー「談話室よりは静かだし、人も少ないわ。ハニー、宿題に集中してしまいましょ?ね?」

ハニー「……そうね。でも、なんだかそんな気分じゃないわ……ねぇ、ハーマイオニー。スリザリンって、どんな人だったの?」

ザワザワ! ヒソヒソヒソ

マダム・ピンス「図書館では静かに!!」

ハーマイオニー「えぇっと、ハニー?それを聞いて、どうするの?」

ロン「ハニー、前にも言ったけどさ。君は君で、グリフィンドールの……」

ハニー「……そうじゃないの。考えてみたら、スリザリンの部屋というのに悩まされているのに、あまりその、創設者っていう人のことを知らないわ。だから、ただの興味」

ハーマイオニー「そう?えーっと、私も『ホグワーツの歴史』程度でしか知らないのだけれど……」

231: 2012/11/11(日) 18:40:53.66 ID:3UDYp72s0
ロン「スリザリンは、今の純血主義の創始者、ってことだね、簡単に言うと」

ハーマイオニー「大雑把に言えばね。主義といっても、千年も前の人だもの。彼が実際にはどんな人物だったのかは、あまり残ってないわ。東からきたとか、湿原が、とかしか」

ハニー「歴史者の怠慢ね、かかとで踏んづけてやりたいわ」

ロン「ハニー、僕、今日から君の歴史『ハニー史』をまとめることにするよ!さぁ、踏んでおくれよ!」

ハニー「あなたはよくやっているから、あげるのはおしおきでなくごほうびよ」フーッ

ロン「うひゃぁ!ありがとう、ありがとうございますヒンヒン!」

ハーマイオニー「あまり騒がないで。えーっとそれで、最初は学校を創って上手くいってた四人の創設者も、仲たがいをした、って。主にその、純血主義のスリザリンと」

ハニー「……勇気ある者、グリフィンドールとが。そういうこと?」

ハーマイオニー「えぇ、そう伝わってるそうよ。こんな感じでいいかしら……あら、手紙。パパとママからだわ!な、なんでこんなに分厚いのかしら……ほとんどハニー宛!?」

ロン「あぁ、ハニー。君、あちらさんのご両親に気に入られたみたいだぜ」

ハニー「それはとても良かったわ。はい、ハーマイオニーありがと。読ませてあげないわ、お父様とお母様と私の秘密だもの。ちょっと私、本を探してくるわね」

ロン「着いてくよハニー!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「一体何を言ったのかしらあの二人に……ちょっとロン!あなたは課題!まだ一文字も書いてないじゃないの!」

ロン「君こそなんだよその手元の羊皮紙!!ハニーの素敵なところ!?僕なら羊皮紙大鍋一杯は書けるね!!!!!」

237: 2012/11/11(日) 18:46:59.26 ID:3UDYp72s0
ハニー「……」

ハニー「(本当に、そうなのかしら)」

ハニー「(こんなステキな学校を創った人達が、その一員が、そんなに簡単に……)」

ハニー「(……千年も前の魔法史じゃ、彼らの人物像まで知ることは出来ない。そうよね、流石の私も……時は越えられないわ。いつかやってみせるけれど)」

ハニー「(変わってしまった、四人の関係。そんなに簡単に、変わってたまるもんですか。大切なものが)」

ハニー「(それは彼らだって同じのはず)」

ハニー「(変わってしまったのは、本当に……彼らなの……?)」

ハニー「……っと。また考え事……いけないわ、こうやってすぐにどこを歩いてたか分からなく……えーっと、この棚は……」

 アーニー「だからさ、僕、ジャスティンの奴に言ってやったんだ。なるべく外を歩くなよ、って。ポッターの奴が、またあいつを狙うかもしれないだろ?」

ハニー「……っ」

246: 2012/11/11(日) 18:52:43.75 ID:3UDYp72s0
アーニー「あの女、言ってたろ?『知ってるわ』って……ぞっとしたね、僕は。きっとジャスティンがマグル生まれだってのも調べあげてるのさ」

ハンナ「じゃぁ、アーニー。あなた、本当にポッターが継承者だ、って?」

アーニー「ハンナ、あのね。彼女はパーセルマウスだぜ?それが闇の魔法使いの印だってこと、子供でも知ってるよ。絵本に出てくる悪い魔法使いは大抵蛇と一緒だろ?」

ザワザワザワ

アーニー「いいかい?僕が調べたところによると、ポッターたちはフィルチとなにかゴタゴタがあった。それで、フィルチの猫はいつの間にかやられてた」

アーニー「それで、あのクリービーはポッターが酷い有様のところを写真に収めようとした。それで、気づいたらクリービーがやられてた」

アーニー「誰でも分かるだろ?『継承者の敵よ、気をつけろ』って。スクイブのフィルチ、ポッターを怒らせたクリービー。絶対、彼女だよ」

ハニー「……」

248: 2012/11/11(日) 18:57:29.69 ID:3UDYp72s0
ハンナ「でも、でも、ポッターって悪い人には見えないわ。それは、少し変わってるけど、ステキだし……それに」

アーニー「あー、続けるよ。それに、『例のあの人』を倒した。そういいたいんだろ?」

アーニー「おかしいと思わないかい?まだほんの赤ん坊だったポッターを、『あの人』は何でわざわざ襲ったのさ」

ザワザワ ザワザワ

アーニー「だろ?つまりさ、『あの人』は彼女が自分以上の闇の魔法使いになるって思ったんだよ、きっと。あいつ、これいじょうどんな力を隠してるんだろ。ぞっとしないね……」

ハニー「そうね、私自身にはなんの力もないけれど」

アーニー「!?ぽ、ぽ、ぽぽぽ、ポッター!?」

ハニー「……ハァイ、ハッフルパフのみなさん。私、ジャスティンとお話がしたいの。どこにいるか、教えていただけるかしら」

255: 2012/11/11(日) 19:03:47.76 ID:3UDYp72s0
ザワザワザワザワ!

アーニー「彼に、なんのようだ!?」

ハニー「えぇ、あなたには何にも関係のないことよ、名探偵さん。大人しく隅っこでブヒブヒ鳴いているといいわ、私の豚にする価値もない」

アーニー「! あの時何が起こったのか、僕らはみんなみてるんだからな!ジャスティンの居場所!?教えるわけ、ないだろう!」

ハニー「私が蛇を退かせたところを?それをみておいて、どうしてそんな態度をとられなきゃいけないのかしら」

アーニー「いいや!君が蛇を追い立ててるところ、だ!それに、何か探ろうとしてるなら言っておくけど!」

ハニー「なぁに?」

アーニー「ぼ、僕、僕の家は九代前まで遡れる由緒正しい魔法使い家系で……」

ハニー「……いい加減になさいよ、あなた。どうして私が、この私が!マグル生まれの人たちを襲う必要があるというの?」



アーニー「君、マグルのとこで育てられて、憎んでるって聞いたよ。そうだろ?」

261: 2012/11/11(日) 19:09:42.68 ID:3UDYp72s0
ハニー「っ」

アーニー「ほ、ほらね!図星なんだろう!だから、君は……」

ハニー「憎んでなんか、ないわよ。おじは別だわ、あれは憎まれ口が挨拶のようなもの……だけど

ハニー「あなたが、代わってみればいい。わたしが、どれだけ。変わるのに頑張ったか。ダドリーを許すのに、どれだけ苦しんだか、知りもしないくせに」

アーニー「ダド、え?な……っぁああっ!?」

ハンナ「!? ぶ、分厚い辞典でアーニーの顔面にクリーンヒットですって!?!?」

ハニー「できるものなら、あなたがやってみればいいわ!それであなたが継承者にでもなんでもなったのなら、わたしは鼻で笑ってやる!二度と顔を見せないで!」

ハンナ「あぁ……実際、あまり人に見せられないかも。アーニー……言いすぎよ、うん」

アーニー「いって、あぁ、はな、はなが……ふ、ふんっ、僕らの仲間を守るためだ、あれでも足りないくらいさ」

263: 2012/11/11(日) 19:15:59.76 ID:3UDYp72s0
ハニー「っ、っく、っ」

ロン「あー、なーんで僕はハニーの靴下とかじゃないんだろう……あぁハニー!おかえり……ハニー!?」

ハーマイオニー「ハニー、ハニー?どうしたの?だい、大丈夫?えぇっと、私の胸……」

ハニー「なに、別に、なんとも、ないわ。なんとも。でも少し気分が悪いの。先に談話室に、いいえ、寝室に戻るわね」

ロン「なんとも、って、ハニー!今にも泣いちまいそうな顔で、なにを……」

ハニー「ふざけないで!誰が、あんな子の言葉で泣くもんですか!知らないわ!じゃあね、夕食で……ううん、夕食もいらない。それじゃ」

ハーマイオニー「あっ、待って、ハニー!」

ロン「そ、そうだよ!今から僕らで君の素敵なところ1000選を読み上げようとしてたのに!」

ハーマイオニー「そうよ、ってそれじゃないわよロン!……あぁ!私どうしてあなたに宿題じゃなくてこんなことをさせてるの!?」

ロン「何故って僕らがハニーの……あぁ、行っちまった。あまり無理にも止められないし……なぁ、ハニー今、誰かになにか、って言ったかい?」

ハーマイオニー「……そう聞こえたわね」

ロン「……ハニー、どっちから来た?」

ハーマイオニー「……まかせて、ハニーの髪の匂いはばっちりよ」

ロン「うらやましいね」

273: 2012/11/11(日) 19:22:06.72 ID:3UDYp72s0
廊下

ハニー「……」

ハグリッド「お?おぉー、ハニー!こんな雪の日にあえるたぁおめぇさんは天使だな知っとったが!ヒンヒン!」

ハニー「……あぁ、ハグリッド。こんにちわ」

ハグリッド「……ハニー、ハニー。どうしたい、怪我でもしたか?え?まっちょれ、俺がよーく聞くドラゴンの肉をな……」

ハニー「違うわ、そうじゃないの。別に、なんでもないわ。何のこと?私はいつも通り、完璧で、美しくって」

ハグリッド「おぉ、おまけに高貴で可憐でクラクラしちまいそうだな、うん。でもな、ハニー。あまり強がるな……どれ、ちょっと寒そうじゃねぇか」

ハニー「あっ……図書館に、ローブを忘れてしまったわ」

ハグリッド「俺ぁちょっくら校長先生様んとこに用事があるから、寮まで使え。帰りに返してもらいに寄るからな」

ハニー「……そう」

ハグリッド「なぁハニー、そいつのフードはな。おめぇさんの顔なんざすっぽり覆っちまうんだぞ。やってみんか」

ハニー「……そうね。これなら誰にも、顔は……」

ハグリッド「……うん?なんだ?俺ぁ、ちょっと最近耳が悪くてなぁ。もう歳だて、ヒンヒン!」

ハニー「……気のきく豚、は、好き、っ、よ。はぐり、っど」

ハグリッド「ヒンヒン!なんのことだか!!ヒンヒン!ヒーン!」

278: 2012/11/11(日) 19:27:08.50 ID:3UDYp72s0
ハニー「返すわ、これ。私は寮までもうすぐだもの。校長室がどこかは、知らないけれど」

ハグリッド「おお、聞かんじょくれ聞かれたら言わずにいられねぇから。そうか?俺ぁ滅多にみれねぇハニーの顔みれて嬉しくてあたたけぇけどなぁ」

ハニー「なんのことだかわからないわハグリッド、いつからそんな口を私にきけるわけ?」

ハグリッド「ヒンヒン!許しちょくれハニー!雄鶏のスープを馳走すっからよぉ!ヒンヒン!」

ハニー「温かいのをお願いね。って、あなたどうして、本当に言葉通り雄鶏を持っているわけ?それに、そ、それ……氏んでるの?」

ハグリッド「おー?あぁ、そうなんだ。今月に入って今学期で二羽目でなぁ。ダンブルドア校長に、庭へ魔法をかけるの許しをもらわねぇと。きっとキツネか、『吸血お化け』か……」

ハニー「そ、そう。それじゃ、ハグリッド。良い休暇を。それじゃね」

ハグリッド「お、おいハニー!?どうしちまったいそんなにいきなり急いで!……イタチのパイのがよかったかぁ」

284: 2012/11/11(日) 19:31:57.77 ID:3UDYp72s0
ハニー「鶏、鶏。やだわ、もう。目があっちゃった、やよ、あれ」

ハニー「もう、ハグリッドは出来るんだか出来ないんだかわからないわね。大事な豚さんに違いはないけれど、もう」

ハニー「もう……あら。また……ここ、どこかしら。あぁ、もう。ロンもハーマイオニーもいないせいよ、二人とも、なにして……っ!」

バターン!

ハニー「い、ったぁ……なぁ、に?曲がり角の先に、何が……」

ハニー「あぁ……嘘」


ほとんど首なしニック「」

ハニー「……ニコラス、二コラス・ド・ミムジー・ポーピントン郷。どうして、どうしてそんなに――氏んだような顔で、宙を漂っているの。私をみて、あなた、過ぎるくらいに表情をコロコロさせるじゃない。可愛い豚、だったじゃない」

ハニー「それ、に」

ジャスティン「」

ハニー「あぁ……どうしてあなたまで、ここに……こんな形で……どうして」

289: 2012/11/11(日) 19:38:25.66 ID:3UDYp72s0
ジリリリリリリリリリリッ

ハニー「っ!!」

フレッド「やー、相棒。次はどんな文句ではやし立ててやろうかね……うん?」

ジョージ「そうだな相棒、俺達でどんだけあれがふざけてるかって……あれ?」

ハニー「あぁ、授業が終わって、生徒が……逃げ、なきゃ。でも……あぁ、もう。わたしの腰、どうしてこういう時に限って……抜けちゃうのよ」

フレッド「おーこれはこれはスリザリンの!こんな所で次の獲物の……品定めでも……してるの……」

ジョージ「まーったく手を休めないねハニー!おっそろしいことで……あー、ハニー?それ、は……」

ザワザワザワ   キャーーーー!!
 ザワザワザワザワ ガヤガヤガヤガヤが

ハニー「……」

ロン「おい何の騒ぎだよ!ちょっとどけよ!こいつをハニーの前で土下座させるんだからな!あっ、ハニー!聞いたよ、こいつ……」

ハーマイオニー「何にも問題ないわよハニー!ちょっとだけこの人の奥歯とか背中とかにあれしたけど問題は……あぁ、どうしてあなたってこう、巻き込まれ体質なの……

アーニー「いたたっ、いてっ!はなせ、よ!はな……現行犯だ!!!」

ハニー「……なんとだって、言えばいいわ。もう」

297: 2012/11/11(日) 19:45:43.20 ID:3UDYp72s0
校長室

ハニー「……マクゴナガル先生に、私だけ、つれてこられたけれど。ここが、校長室なのね」

ハニー「……壁際に、なんだか色々と銀で出来た道具がたくさん。キラキラしてて、綺麗だわ」

ハニー「……こんな状況じゃなかったのなら、せっかく一人だし、もう少しワクワクできたのだけれど」

ハニー「……あれって」

組み分け「……おや、誰かと思ったら。こんにちわ、お嬢さん」

ハニー「……組み分け帽子」

組み分け「どうしたのかね?もう一度組み分けされに?それではまずは一曲、いや、今回の歌は素晴らしい出来でね。是非とも早く一度誰かに聞いてほしかった。何せ私の中に天才的なインスピレーションがキュピーンとそれはそう彼のごとく……」

ハニー「冗談は、いいの……そうね、組み分け。もう一度できるのなら、してみてもらえるかしら」

組み分け「……何か思いつめているね、ハニー・ポッター」

305: 2012/11/11(日) 19:50:33.55 ID:3UDYp72s0
ハニー「……私は、わたし自身でこの寮を選んだわ」

組み分け「そうだね、それを私は手助けした」

ハニー「……でも、そう。あなたはこう言った。私が、スリザリンでも……」

組み分け「スリザリンでも、上手くやれる。偉大になれる可能性がある。そうですな」

ハニー「……あれは、本当の事?それとも、私をたきつけるための……」

組み分け「いいえ、嘘でははないとも、お嬢さん」

組み分け「あなたは、スリザリンに入れば間違いなく偉大になれる。去年度の私の組み分けは一世一代の出来だった、そう自負しているよ」

ハニー「……違うわ、違う。あなたは、間違ってる。私は、私はハニー・ポッター!そうよ……だから」

組み分け「お嬢さん、落ち着きなさい。話はきちんと聞きなさい、私は……」

ハニー「聞きたくないわこのボロ帽子!……もういいの」

組み分け「……そうかい。それでは、四賢人の知恵者は、黙っておくとしよう」

ハニー「そうして頂戴」

307: 2012/11/11(日) 19:54:46.85 ID:3UDYp72s0
ハニー「……らしくないわ、私。あの、アーニーにあんなことを言われてすぐにたたみかけられたから」

ハニー「……さっきは、気づかなかったけれどなんだか、今の私の気分そのもののようなものも、あるわね」

鳥「……ゲェーッ」

ハニー「……もの、というか、鳥、だけれど。随分とやせこけてるわ……重い病気、なの?」

鳥「ゲッゲッ、ゲェッ」

ハニー「……なに?濁った目を、つむって。なでてほしいの?ふふっ……可愛いわね、あなた。そうね……ヒンヒン、鳴ける?」

鳥「……」

ボォオオオオオオ!!

ハニー「!?な、なんで!?どうして、火がついて!?どうして、どうして!?」

311: 2012/11/11(日) 19:59:12.31 ID:3UDYp72s0
ガチャッ

ダンブルドア「すまんのハニー、待たせてしもうた。ちょびっとハグリッドとチキンスープの付け合せに関して議論を無駄に長くしておったのじゃが……」

ハニー「あぁ、校長先生!違うの、違うんです!わたし、わた、気がついたら、この鳥、が!」

ダンブルドア「あー……ソロソロジャッタカノウソウイエバー」

ハニー「わたし、わたし!この鳥が可愛いって、思って!ただ、撫でた、だけで!だから、っ、っぅ」

ダンブルドア「あー、なるほどのう。フォークスめ、嬉しくて嬉氏、まったく、わしがどれだけ言っても聞かんかったのに」

ハニー「っ、ふぉー、ふぉーくす、と、いうの!?ごめんなさい、わたし、ごめんなさい、ごめん……っ、ごめんなさい」

ダンブルドア「あぁ、いいのじゃいいのじゃ、ハニー。オホン、ハニー?聡明な君なら知っておると思うがのう」

ダンブルドア「不氏鳥という、素晴らしい鳥についてじゃが」

ハニー「グスッ、っ…………え?」

318: 2012/11/11(日) 20:03:44.69 ID:3UDYp72s0
ハニー「……不氏鳥?」

ダンブルドア「そうじゃ」

ハニー「……あの赤くて綺麗な、グスッ、この私みたいな羽をもつ、っていう?」

ダンブルドア「その通りじゃ、まっことのう。今は燃焼日寸前じゃったから随分と老いてみえたろうがのう」

ハニー「燃焼、日……不氏鳥が、火につつまれて、灰の中から生まれ変わる、っていう……」

ダンブルドア「うむ、これは素晴らしい鳥でな。ペットとして忠実で、泣き声は歌のようで、驚くほどの荷物を運び、そして涙には癒しの効果をもつのじゃ」

ハニー「……」

ダンブルドア「あぁ、ハニー。君の涙も滅多に見れんがのう。ごちそうさまじゃ」

ハニー「忘れなさい!!!この腹黒豚!!!!」

ダンブルドア「ほっほ、ヒンヒン」

328: 2012/11/11(日) 20:09:16.28 ID:3UDYp72s0
ダンブルドア「それで、ハニー。君の怒り心頭も一度下げてもらって、本題に入ろうかの」

ハニー「本題……私が、ジャスティンとニコラスの近くにいたこと、よね」

ダンブルドア「うむ、ミネルバから聞いておるよ。ミスター・マクミランは少し興奮しすぎておって、同じく興奮気味のウィーズリーズに取り押さえられていたようじゃが」

ハニー「……校長。私は……こんなことを言っても、信じられるか分からないけれど。本当に、何もやってないわ。全部、偶然に居合わせただけで」

ダンブルドア「おぉ、ハニー。しかしのう」

ダンブルドア「そんなことは当然じゃろうて。君は誰じゃ?ハニー・ポッター。そうだろう」

ハニー「……」

ダンブルドア「さて、ハニー。わしの聞きたいのは、そのことではない」

ダンブルドア「……何かわしに、言いたいことはないかのう?」

ハニー「言いたい、こと」

ダンブルドア「腹黒以外で。どんなことでもよい」

ハニー「……」

330: 2012/11/11(日) 20:13:00.64 ID:3UDYp72s0
ハニー「(マルフォイが言ってた、『次はお前たちの番』)」

ハニー「(マートルのトイレで煮えてる、ポリジュース薬)」

ハニー「(私が聞いた、姿のない声。私以外に聞こえない、おかしな声)」

ハニー「(『他の人には聞こえない声、だなんて。正気とは思われない』)」

ハニー「(私は本当は、スリザリンに――)」

ダンブルドア「……」

ハニー「……いいえ、ダンブルドア校長。何も、ないわ」

ダンブルドア「……そうか、ハニー。手間をかけたのう。帰ってよろしい。入り口で、君の素晴らしい友人達が待っておるよ」

335: 2012/11/11(日) 20:22:16.64 ID:3UDYp72s0
冬休み

マートルのトイレ

ロン「まぁ、さ。君をコケにしたジャスティンの奴が襲われたことで、一ついいことがあるよ、ハニー。君がいるだけで僕にとっちゃいつだって良いことずくめだけどね」

ハニー「なにかしら、ロン」

ロン「あぁ、僕らと、それにマルフォイの奴以外に城に残るのがほとんどいなくなった、ってことさ!」

ハーマイオニー「スリザリン寮に忍び込むリスクが下がるわね。万々歳だわ」

ハニー「一気にホグワーツ特急の予約が埋まったそうだものね。ジャスティンには、悪いけれど。ジニーは、本当に帰らなくてよかったの?」

ロン「あー、僕ら兄弟も何度もそう勧めたんだけどね。君の近くにいることを選んだみたいだよ、ハニー」

ハニー「……そう。ふふっ。それじゃ、私もあまりへこたれていられないわね。妹にしっかりしたところを見せないと、そうでしょ?」

ロン「ヒンヒン!君はいつだって模範的姉だよハニー!僕のハニー!」

340: 2012/11/11(日) 20:25:33.32 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「……私だって、今年は残ることを選んだもの。ふんだ」

ハニー「えぇ、私とってもとっても嬉しいわよ、ハーマイオニー。あなたがいるからこうやって順調に進められるんだもの」

ハーマイオニー「……髪を撫でられたって、嬉しくないわ。嬉しくなんてないわ」

ロン「あぁ、髪なら君ニヨニヨですむけど、他の部分だと鍋をひっくり返しかねないもんな」

ハニー「よくみてるわね、ロン」

ロン「君の挙動のついでだよハニー!ヒンヒン!それで、ハーマイオニー。あとどんくらいなのさ」

ハーマイオニー「そうね、もう、もうすぐよ。マルフォイの鼻を明かす日も近いわ」

348: 2012/11/11(日) 20:31:56.45 ID:3UDYp72s0
ロン「そりゃいいや。奴さん、日に日に不機嫌になってってるからな。取り巻きに当たりだす前に聞きだしっちまおう」

ハニー「本当は自分が継承者だと言い出したくて仕方ないのでしょうね」

ハーマイオニー「フレッドとジョージの煽りが効いているようよ」

ロン「あの二人も凝ってるよな。こないだなんてハニー、君の肩からなんだか得たいの知れないしかけが飛び出したものな」

ハニー「……」

ハーマイオニー「スリザリンの怪物をイメージした張りぼてだそうだわ」

ロン「まぁ、一番びっくりして腰を抜かしたのが誰なのか、は言うまでもないし僕が咄嗟におぶったから誰にも気づかれて……」

ハニー「ロン」

ロン「なんだいハニー!ヒンヒン!」

ハニー「窓の外、雪ね。雪ってなんだか柔らかそう、この高さから落ちても平気なのじゃないかしら」

ロン「まかせてよハニー!三階くらいでひるむ僕じゃぁあ――――」ベシャッ

ハーマイオニー「……あの人も、たまには抵抗することを覚えるべきだわ」

ロン「はぁ、はぁ、以外にやわ、ごふっ、柔らかかったよハニー!え?なんだい?ハニーに口ごたえ?そんなもん、僕は自分の口にブラッジャー突っ込むよ」

354: 2012/11/11(日) 20:37:13.14 ID:3UDYp72s0
クリスマス

ハーマイオニー「ハニー、ねぇ、ハニー」

ハニー「んんっ……」

ハーマイオニー「おきて、ハニー……私、今さっき、クサカゲロウを入れてきたの。完成よ!ポリジュース薬の……」

ハニー「んん?にゃにごと、なの……」

ハーマイオニー「…………あぁ、 あー!あーーー! ふぅ。ねぇ、ハニー、おきて頂戴ってば……起こしてしまうわよ?」

ハニー「……」

グイッ!

ハーマイオニー「あっ!は、ハニー!?あなた最初から起きて、ちょ、ダメ、ダメよ、あ、でももう寝室私たちだけ、あぁ、もう、ハニー、そんな、聖夜は、そんな乱れたことをするものじゃ」

  ジニーin隣の寝室「朝、から、なに、か、聞こえ、る!わ!」ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!



ロン「今日も元気におはよう! って、僕一人だけどねこの寝室は。あっ!プレゼントがある……あれだけ言ったのに親戚の誰も僕に性転換の道具をくれないや、あーあ」

365: 2012/11/11(日) 20:46:08.89 ID:3UDYp72s0
マートルのトイレ

ロン「それで、完成だって?」

ハーマイオニー「えぇ……」

ロン「どうして始まる前から疲れてるのさ」

ハニー「私たちの寝室に、ちょっとなんだか取り乱したジニーがね」

ロン「あぁ、そりゃぁ君らのあれを当てられたら取り乱しもするよな、あぁ」

ハーマイオニー「手負いの猫のように泣きじゃくるものだから大変だったわ。二人で抱きしめてなんとか泣き止んで、今は寝てるけど」

ロン「うーわー、なんでほんと僕って女の子じゃないんだろ」

ハーマイオニー「いいから。それじゃ、はい。これ、クラッブの髪の毛よ、ロン」

ロン「うぇ、ありがと……あれ?こんなもの、どうやって手に入れたのさ」

ハーマイオニー「決闘クラブのとき、よ。すごい人ごみだったもの。っふふ、私最初からそれを目的で行ったのよ」

ハニー「結果論だけれど、そうね」

ロン「過程でどうはしゃいでいようがね。そっか、それじゃ君たちは、他の女生徒?」

ハーマイオニー「えぇ。これで準備は万端よ。あとは」

ハーマイオニー「邪魔なゴイルとクラッブを、どこかにとじこめておかないといけないわね。まかせて、『全身金縛り』は得意だから」

373: 2012/11/11(日) 20:52:11.35 ID:3UDYp72s0
ゴイル「」

クラッブ「」

ハーマイオニー「思えば私、まだあの人たちが喋ってるのもみたことないわ」

ハニー「私がヒンヒン鳴かせる以上の何かをマルフォイに架せられているのかもしれないわね」

ロン「どうかな、ただのろまでグズなだけだと思うよ。っさて、奴さんたちを掃除用具入れに閉じ込めたことだし」

ハーマイオニー「変身、ね。あぁハニー、一応、スリザリンで一番の美人、って人の髪の毛を選んでおいたわ。あなたにはとっても敵わないけど、当たり前だけど、それで満足してくれれば……」

ハニー「あら、ハーマイオニー……ふふっ。私をグリフィンドール一番の美人って、遠まわしに言ってくれているの?」

ハーマイオニー「なっ、そんな、そんなの、いつも言ってる、つもりだわ……!」

ロン「まぁそれって、ハニーに対する挨拶みたいなもんだもんな」

ハニー「当然よね、えぇ……さっ、やってしまいましょ。やなことは、早く済ませるに限るわ」

379: 2012/11/11(日) 20:58:29.45 ID:3UDYp72s0
クラッブ「おいハーマイオニーどういうことだよ!これクラッブの髪の毛じゃないかちっくしょう!マーリンの髭!」

ダフネ・グリーングラス「さすがね、ハーマイオニーは。なんだか見越していたみたい……ロン?私の豚では不満かしら?」

クラッブ「そんなことないよハニー!ヒンヒン!……おっと、ハニーって呼んじゃいけないよね、うん」

ダフネ「あ、そうね……コホン。クラッブ、跪きなさい!」

クラッブ「ヒンヒン!ダフネ様!ヒンヒン!」

  「あまり 変わらないと思うわ――それより、ふ、二人とも!私は、いいから!置いていって!」

クラッブ「?どうしたのさ、ハーマイオニー。ミリセント・ブルストロードの顔があれなくらい、今更ショックを受けるほどじゃないだろ?」

ダフネ「そうよ、ハーマイオニー。それに、中身があなたなのならなにも……」

  「い、いいから!一時間しか、にゃいのよ!はや、はやくっ!フーーッ!」

クラッブ「わっ、なんだよそんな声をだしてまったく……行こう、ダフネ。さっ、僕の背に」

ダフネ「そうね、心配だけれど……クラッブ、あまり私とあなたが歩いてるところをみたことはないわ」

383: 2012/11/11(日) 21:02:37.91 ID:3UDYp72s0
スリザリン寮

クラッブ「……なんとか、ついたね。ハニ、おっと、ダフネ」

ダフネ「えぇ、そうね。途中、パーシーに掴まって面倒になりかけたけれど」

クラッブ「あいつがいてよかった、って、生まれて初めて思ったよ、あいつ、あいつ……」

ドラコ「さ、さぁ早くこいクラッブ!だ、ダフ……グリーングラス!ふんっ、僕のとこのが世話になったみたいだな!お礼に僕の隣のソファーに座らせてやろう!」

クラッブ「……誰だいこいつ、顔赤くさせてさ」

ダフネ「どうやらマルフォイのようよ、なんだか様子がおかしいけれど」

ドラコ「おか、お菓子か!?だふ、グリーングラス!おいクラッブ、母上から僕あてに何か届いていたろう!それをもってこい!」

389: 2012/11/11(日) 21:09:07.75 ID:3UDYp72s0
クラッブ「これですか、あ、いや、これかい、ど、ドラコ……うぇ」

ドラコ「そう、それだ!何だ、今日は三回でもってこれたか!えらいぞ!よし、さぁ奥にある僕のソファーに……」

ダフネ「あら、あなた専用?それはまた……埋まっているわね、上級生で」

ヤックスリー「ハッハッハッハハ!何が継承者だ!」

ソウダソウダー!ガハハハハハハ!

クラッブ「あー、ど、ドラコ。おぇっ。トラブルは、避けよう。どこか、別の……」

ドラコ「そこで待っていろ。だふ、グリーングラスも……おい」

ヤックスリー「あっはっはっは……あぁ?なんだyど、ドラk!?」

ドラコ「『タラントァレグラ、踊れ』」

ヤックスリー「っ!あ、あぁあああ!ぶ、ブレイクダンスを、勝手に!?!?うわ、やめ、やめてくれぇええ!」

ドラコ「おかしいな、ヤックスリー。ここは僕の指定席だ、と。最初に教え込んだはずだ」

クラッブ「……誰だい、あれ」

ダフネ「……さぁ」

397: 2012/11/11(日) 21:16:06.60 ID:3UDYp72s0
ドラコ「身の程もわきまえられないから、魔法省なんかの、あのコソコソイタチの捜査になんかひっかかるんだ、ヤックスリー」

ヤックスリー「か、勘弁、勘弁してくれ、どら、ドラコぉ!」

ドラコ「気安く僕の名前を呼ぶな。ヤックスリー家も地に落ちたな。言っておくが、父上が貸し付けた分の負債までチャラになったと思っているのなら、生憎だ」

ドラコ「少なくともマルフォイ家はキミのとこへの貸しがなくなったとは思っていない。分かったらとっとと退け。『フィニート・インカンターテム、呪文終われ』」

ヤックスリー「はぁ、っはぁ。す、すまん、ごめんなさい」

ドラコ「語尾にフォイはどうした」

ヤックスリー「ごめんなフォイ!」

クラッブ「……フォイ政権が設立してる」

ダフネ「無駄に名族じゃなかったのね」

401: 2012/11/11(日) 21:20:28.05 ID:3UDYp72s0
ドラコ「ふぅ、これでやっとゆっくりできるな。そ、それで、だふ、グリーングラス。まぁ、座りなよ」

ダフネ「えぇ、失礼するわ……私のことは、よくお知りなの?」

ドラコ「知ってるもなにも、君のとこは古い魔法名家じゃないか。僕と同じくね、僕と同じく」

クラッブ「反吐がでるね」

ドラコ「うん?クラッブ、ヘディング?プティングのことを言ってるのか?お前、あれだけバカ食いしてたのにどれだけ食べるつもりだい」

クラッブ「……いつもこんな感じで、少しずつ解読して話してるのかな」

ダフネ「……いけないわ、この人に少しでも同情するとなんだか負けた気がするわ」

ドラコ「?」

406: 2012/11/11(日) 21:26:52.18 ID:3UDYp72s0
ドラコ「それで、あぁ!クラッブ、笑えるものがあるぞ。だふ、グリーングラスも見るといい!君のとこにもちょっかいかけていたろう、ほら!アーサー・ウィーズリーの顛末さ!」

クラッブ「! ……自動車に魔法をかけた疑い……金貨五十ガリオン!?!?!?」

ドラコ「うわっ、なんだ、クラッブ。おまえがそんなに目を開くのは珍しいな。あぁ、そうだな。僕らにとってははした金だけど、あいつん家じゃ一冬分の財産なんじゃないかい?っはは」

クラッブ「一冬どころか……いちn……は、っは、は、だよ……マーリンの、髭」

ドラコ「クラッブ、おかいなスラングを使うんじゃない。おまえも一応はだな」

ダフネ「魔法省の信用を貶めた……マルフォイ氏は、ウィーズリー氏の制定した『マグル保護法』についても廃棄すべきである、と記者に……あなたの、お父様?」

ドラコ「あぁ、そうさ。父上は予言者にも顔が利いてね。どこにだってそうだけど。っはは!あのウィーズリーのコソコソイタチめ!ざまぁみろフォイだ!」

クラッブ「……」

ドラコ「うん?どうしたクラッブ、菓子なら勝手にあけて食べていいぞ。どうせいつもおまえたちにやるんだ」

クラッブ「それは、ありがたい、ねっ!」

ドラコ「包装紙は綺麗に開けろとあれほど……まぁいい」

407: 2012/11/11(日) 21:33:06.99 ID:3UDYp72s0
ドラコ「これで奴にやられた分はスッキリしたさ。まだまだ屈辱は晴れないけど……それで」

ドラコ「ポッターだ、のうのうと無罪放免で得意がってる、グリフィンドールの女王様様」

ダフネ「なぁに?」

ドラコ「す、スリザリンの、その、女王のような君じゃない、違う。ポッターだ、ポッター」

クラッブ「で、ハニーがなn……ごほん。彼女がなんだって?」

ドラコ「?ハチミツなんてその菓子には使われてないだろう……あぁ、あいつも純血のくせにやっぱりまともな思考をしていない。分かっていたけどね」

ダフネ「あなたの言うまとも、っていうのは。なんのことを言っているの?」

ドラコ「だって、そうだろう。まともなら、あんな身の程知らずのグレンジャーと付き合ったりしない。何度も言うが、あれは僕のような名族と親交を深めるべきだったんだ」

ドラコ「まぁ、今更遅いけどね。『穢れた血』の友、聖ポッター。なのにみんな、あいつがスリザリンの継承者だと思ってるときた」

クラッブ「……おっ」

ダフネ「……」




ドラコ「あぁ、一体だれが継承者なのか、この僕が知っていたらなぁ」

412: 2012/11/11(日) 21:38:56.01 ID:3UDYp72s0
クラッブ「えっ、あ……えっ?」

ダフネ「……あなたじゃ、ない?」

ドラコ「あぁ、グリーングラス。ふふん、君もそう思っていたかい?無理もない、僕の家は……」

クラッブ「そ、それはいいんだ。えっと、ドラコ。じゃあ誰が糸を引いているのか、検討は……」

ドラコ「おまえ、いつからそんな難しい言葉を使うようになった?いいや、何度も言っているだろ。まるで分からない」

ドラコ「父上は以前に『部屋』が開かれた時のことをお教えくださらない。もっとも、父上よりも前の時代だけど、父上はなんせ父上だから全てご存知だ。父上だからな」

ダフネ「よく分からないわ」

ドラコ「流石父上ということさ。少しだけ、無理をいってお教えいただいたことは、前回開かれた時にマグル生まれが一人、氏んだということ。それだけだ」

クラッブ「あー、前に、『部屋』をあけたやつ、っていうのは……」

ドラコ「当然、アズカバン牢獄だろうな……まさかおまえ、アズカバンを知らないはずはないよな?魔法界最大の牢獄」

ダフネ「豚以下が多そうね」

418: 2012/11/11(日) 21:44:51.36 ID:3UDYp72s0
ドラコ「父上は、継承者には関わるな、好きにさせろと仰ってる。『穢れた血』の粛清がこの学校には必要だ、ってね」

クラッブ「……」

ダフネ「……抑えなさい、ロン」

ドラコ「うん?そうだな、父上は仕事上ロンリーで手一杯なんだ。ほら、魔法省がまた、僕の家を立ち入り検査したろう?でもまぁ、非常に高価な品々は応接室の床下にあるマルフォイ家の『秘密の部屋』に……」

クラッブ「ほぉー!それでそれで!」

ドラコ「なんだクラッブ、その合いの手は……うん?あれ?おまえたち……二人とも、そんあ赤毛だったか?うん?目が疲れt」

ロラッブ「あばよマルフォイ!土産にこいつをくらっとけおらぁあああ!」

ドラコ「なんでクラッブが僕にラリアttフォォオオオイッ!?!?」

ハフネ「無駄に騒動を起こしてないで、ろ、クラッブ!行くわよ!」

ロラッブ「ヒンヒン!大丈夫だよハニー!こいつはクラッブの巨体で伸びっちまったからね!ざまぁみろフォイだ!」

ドラコ「」フォーイ

431: 2012/11/11(日) 21:50:10.14 ID:3UDYp72s0
マートルのトイレ

ハニー「っはぁ、はぁ。なんとか、間に合ったわね」

ロン「そうだね、ハニー。僕の足腰も随分鍛えられたろ?今じゃ君を背負っても人並みの何倍も早いさ、何せ君の豚だからね」

ハニー「可愛い可愛い、ね。っと……ハーマイオニー?」

「ハニー……それに、ロン?帰ってきたのね……マルフォイは、どうだった?」

ロン「それが、散々だったよ。マルフォイの奴は関係してない、ありゃ嘘じゃないね、あぁ」

ハニー「そうね。知れたのは、前に開けられたのはマルフォイの父親より前の世代で、それで、犠牲者は一人だった、ってこと。それだけ」

ロン「あとは、そうだな。マルフォイん家の秘密のありか!こいつは、すぐにパパに伝えないと!それだけでもまぁ、よしとしようかなぁ」

「そう、そう、ね……おじさまのために、なったのなら……私も、こんにゃふうになった、甲斐が」

ハニー「? こんな風、って?」

ロン「? さっきから、どうして戸を開けないのさハーマイオニー」

「……」

438: 2012/11/11(日) 21:57:10.49 ID:3UDYp72s0
ガチャッ

ハニー「……!?」

「あの、ね。あの薬は、動物に使っちゃ、いけないの」

ロン「……う、わ」

「それで、それで。ミリセント・ブルストロードは、猫を飼っていた、みたいで……その、毛を、まちが、って。入れちゃっ、て」



猫マイオニー「にゃんだか、頭の上に耳!?にゃあにこれ!?どいうこと!?普通に耳はあるのににゃんでこんなところに耳があるの!?わけがわからにゃいわ!」

ハニー「……」

ロン「……」

マートル「……」

猫マイオニー「手、手はにく、肉球?みたいにゃもので物もつかみづらいし、そ、それに尻尾、にゃんにゃのこれ!顔に毛がびっしり、じゃにゃいだけ、ありがたいのかし……にゃーーっ!?は、ハニー!あにゃた、にゃにし、ひぅっ?!」

ハニー「ねぇ、ハーマイオニー。私の猫さん?猫の下がザラザラしているって、本当かしら。確かめ、させて……?」

猫マイオニー「にゃ、猫!?にゃにいって、にゃ、あ、あぁ、ハニー、あにゃた、にゃんて……いい、匂いが、体中、あぁ、あぁ……」

ロン「つづけて」

マートル「どうぞ」

440: 2012/11/11(日) 21:57:53.28 ID:3UDYp72s0
15分メシ。そして>>422がなんだったのかしりたい

458: 2012/11/11(日) 22:17:45.33 ID:3UDYp72s0
数週間後

ロン「新学期が始まった時のみんなときたら、君まで襲われっちまったんじゃないかって戦々恐々だったよ」

猫マイオニー「でしょうね。こんな姿を見られたくないから、この医務室のベッドもしきりをしてもらっているもの。噂はやまないと思うわ」

ハニー「どちらかというと、こんなにも可愛い姿を、私が見られたくないのだけれどね」

猫マイオニー「もう、んっ、ハニー!肉球を触るのはやめて!」

ハニー「柔らかいんだもの。気持ちいいわ、これ。ロンの背中くらい」

猫マイオニー「ここまで嬉しくない褒め言葉は初めてだわ」

ロン「僕の背中=猫マイオニーの肉球……負けた、豚として恥ずかしい、僕なんて豚だ、ハニーの豚だ……あれ?そう考えると元気出たよハニー!流石だねハニー!君は僕の生きる希望さ!」

ハニー「えぇ、否定しないわ。積極的に肯定して布教したいところね」

猫マイオニー「男子生徒がハニー教なるものを立ち上げかねないからやめなさい。もう遅い気もするけど」

ロン「なんだい猫マイオニー、入信希望かい?君なら安くしとくよ」

猫マイオニー「冗談でもやめなさい」

463: 2012/11/11(日) 22:22:06.64 ID:3UDYp72s0
廊下

ロン「僕なら猫になっちまったら君の膝をずっと暖めて、勉強なんてしないけどなぁ。ハーマイオニーは真面目だよね」

ハニー「えぇ、そうね。この私にわざわざ休み時間のたびに来させるのだもの、まったく。世話が焼けるわ」

ロン「あぁハニー、もちろん移動は僕の背中さもちろんさヒンヒン!だけどねハニー、ノートと宿題を届けるだけなら実はお昼と放課後でも十分なんだよハニー!ヒンヒン!」

ハニー「何が言いたいのよこの豚、別に私は、そうよ、肉球さわりにいってるだけ、それだけよ」

ロン「まぁほとんどそれが答えだよねあぁーあなんで僕も猫になれなかったんだろ……あれ?」

ハニー「なぁに?……あら、三階の廊下。水浸し……マートル?」

ロン「行ってみるかい、ハニー?さ、僕の背中に」

ハニー「えぇ、出来る豚ね、ロン」

468: 2012/11/11(日) 22:30:06.12 ID:3UDYp72s0
ザァァァァァザァァァァァァァ

ロン「うわぁ、こりゃひどいや。排水溝は全部塞いで、そこらじゅう水浸しだ」

ハニー「フィルチが気づいたら卒倒するでしょうね……マートル?マートル?」

マートル「ぐss、うわぁあああんハニーーー!!!」

ハニー「……抱きつくのはいいけれど、フリくらいにして頂戴。あなたの身体が通り抜けると凍えそうだわ」

マートル「ぐすっ、すんっ、すんっ、だって、酷いのよ!酷いわ!私、ここで誰にも迷惑かけずにくらしてるのに……!」

ロン「え?なんだって?ごめんよ、蛇口が溢れる音で耳が変になっちまってるみたいだ。このトイレにとり憑いてる君が、何だって?」

マートル「うっさい男!私に、私に本をぶつけて面白がる人がいるのよ!ひどいわ!」

ハニー「……どこの誰?私が見つけて、これしめてやるわ」

マートル「分からない、個室で氏について考えていたら頭の上にふってきたの」

ロン「つまりは僕たちが生について考えてるようなもの、つまりは僕にとってはハニーのことを考えている至福の時間に、か!なんて奴だ!なんてことすんだ!」

ハニー「そう、それで……本っていうのは?」

マートル「……あれ。すみっこに、捨てたわ。あの黒い皮の本。いらない、もっていっていいわよ」

ハニー「そう、犯人探しの手がかりになるかしら……あら、これって本と言うよりは……」

ロン「……日記帳?」

473: 2012/11/11(日) 22:38:25.40 ID:3UDYp72s0
ハニー「何にも、書いてないわ。最初のページの名前だけ。T・M・リドル、ですって」

ロン「あっ、そいつ知ってるよ。50年前に、『ホグワーツ特別功労賞』をもらったやつだ」

ハニー「あら、あなにしては珍しい方面での活躍ね。褒めてあげるわ、ロン。どうしたの?」ツツーッ

ロン「うひゃぁヒンヒン!い、いやぁね。フィルチの罰則の時に、僕が盛大になめくじ吐いたのがそいつの盾だったってわけさ」

ハニー「あら、そういう理由。まぁ身のある罰則になってよかったじゃない……この人、この日記帳をマグルの町で買っているわ」

ロン「へぇ、マグル生まれなのかな。今ここにいなくてよかったかもね」

ハニー「そう、ね。でも……待って、この日記は…50年前……マルフォイの父親があれくらいだとして……もしか、したら」

ロン「? どうしたんだいハニー、もしかして何か気づいたかい、ひょっとして僕がいつも君のことおっとそんなのいつも言ってたか」

ハニー「えぇそうね、知ってるわ……ねぇ、ロン。これってもしかしたら……秘密の部屋が開かれた時代のもの、かもしれないわ!」

476: 2012/11/11(日) 22:45:23.40 ID:3UDYp72s0
二月半ば

ハーマイオニー「へぇ……あー、そういうこと。このことを私に黙っていたのね、私が無事退院できるまで余計な心配かけないように、って」

ハニー「余計なことを言ったら、あなた早く出てこようとするでしょう?猫マイオニーを愛玩するのは私だけ、そうよね?」

ハーマイオニー「そ、それはあんな恥ずかしいところああなた以外には……もう、少し心配だったのよ」

ロン「心配って、なんだい?ご自分の成績かい?」

ハーマイオニー「丸一ヶ月近く休んでいてもあなたに追い抜かれるはずはございませんわ。そうじゃなくて、その……ハニーとロンに何かあったんじゃないか、って!不安だったんだから!危険的な意味でなく!」

ハニー「……そうね、ハーマイオニー。あなたと歩く城ってとってもステキだわ、大丈夫、ロンは変わらず私の可愛い豚よ?」

ロン「あぁ、それ以上でも以下でもないよ!マーリンの髭!」

ハーマイオニー「それなら、いいけど……それで、日記だったわね」

486: 2012/11/11(日) 22:52:51.07 ID:3UDYp72s0
ハーマイオニー「ハニーの読みは正しい気がするわ。城がこんな時に現れた、この日記。何がないほうがおかしいじゃない」

ロン「あぁ、ところがどっこい、こいつは文字通り何もないのさ。文字なんて名前こっきりだけどね」

ハーマイオニー「透明インクかしら……『アパレシウム!現れよ!』」


パーン!パーン!パパーン!

ハニー「きゃっ!?」

ロン「うわっ!?ハーマイオニー、何を現したってのさもう!ハニーが驚きのあまり僕の頭を胸に抱いちまったろうありがとうヒンヒン!!」

ハーマイオニー「ずるいわ!ずるい!いつもクッションのあなたばっかり!……いいえ、今のは私じゃなくって、この大広間のどこかで……花火?」

ロックハート「HAHAHAHAHA!!!ホグワーツのみなさん!ハッピーバレンタイーーーーーン!!!!!!」

キャーーー!ロックハートセンセーアイノキュウセイシューーーー!

ハニー「……」

ロン「うわぁ……ヒンヒン」

ハーマイオニー「は、ハッピーバレンタイーン!」

493: 2012/11/11(日) 22:58:26.02 ID:3UDYp72s0
ロックハート「HAHAHAHAHA!ホグワーツのみなさん!ここのところみなさんはとーってもサゲサゲでくらーい顔をしておいでですよー!?それで楽しいですかー?青春を謳歌しているといえますかーー!?」

キャー!ロックハートセンセイセイシュンノハシャーーー!

ロン「あいつ、脳内までお花畑なのを、大広間中に咲き広げやがったのかい?」

ハニー「……大広間が、ピンクの装飾に変わったわね。ハートの形の紙ふぶきまで」

ハーマイオニー「すごいわ、すごい!こんなの、校長先生みたいだわ!」

ロックハート「HAHAHA!この辛気臭い空気を払拭するために私が考えたこのイベントを校長に提案したところ!オールオーケーで後押しをもらいましたしだいです!いやぁ、やっぱり天才どうし通じ合うものがありますねぇ!」

キャー!ロックハートセンセイコウチョウナミーーー!

ロン「ダンブルドアらしいぜ」

ハーマイオニー「……ダンブルドアとさえ懇意だなんて!」

ハニー「私にいたっては豚にいしているけれどね」

497: 2012/11/11(日) 23:03:35.14 ID:3UDYp72s0
ロックハート「さぁさぁ!私が用意したこの天使たちに想い人への手紙やプレゼントをおもたせなさい!確実にとどけさせましょう!」

天使s ゾロゾロ

ロン「……なんだい、ありゃ。小人に悪趣味な羽でもつけたような、いや、ようなというかまんまだねありゃ」

ハーマイオニー「あぁ、なんて粋な計らいなのかしら!ねぇ、ハニー!私、あなたへのプレゼントもあの天使に……」

ハニー「えぇ、そう?私は今この場であげるわよ、ハーマイオニー。さぁ、こっちに、本物の天使が見られるかもしれないわ」

ハーマイオニー「っちょ、こんな大広間で、そんな、あぁ、そんな、ハニー、天使なら、もう、もう目の前に……」

ジニー「……朝からっ」ギリッ

ロン「おはよう、ジニー。そうだね、朝からその般若顔はやめとこうぜ、ハッピーバレンタイン」

498: 2012/11/11(日) 23:10:31.21 ID:3UDYp72s0
ハニー「あら。ハァイ、ジニー。今日は元気かしら」

ジニー「!おねぇさま!はい!あなたの顔を見ればすぐ!それで、これは何の騒ぎなの……?」

ハーマイオニー「あぁ、あのねジニー。ロックハート先生が主催のバレンタインイベントよ。想い人に、あの天使がプレゼントを代わりに届けてくれるんですって」

ジニー「へぇ、ハーマイオニー。あなたがお熱の、彼が。そう。それなら私は遠慮したいな……っ!?」

ロン「おいおい、朝から穏やかじゃない会話はやめてくれよ……あれ?ジニー、どうしたんだいそんなにいきなり真っ青になっちまって」

ハニー「? 私に見惚れて失神したのかしら」

ハーマイオニー「わ、私は気なんて失わずに見つめ続けてやるんだから!な、なにをとは言わないわ!」

ジニー「い、いいえ。あの、その日記帳、えぇっと、素敵なご趣味ね!おねぇさま、誰かからの、プレゼント……?そう、言って……」

ハニー「違うわ。この間、拾ったの。何かあるかもしれない、って。今調べてみていたところなのだけれど。さっぱりだわ」

ジニー「っ!わ、私、あの!おねぇさまに歌のプレゼントをしたいから、このへんで!また!」

ロン「あっ、行っちまった……あー、ハニー、覚悟したほうがいい。奴さんの歌のセンスは凄いぜ、君の美しさとは真逆の意味で」

ハニー「どんな贈り物だったとしてもしっかり受け取るわよ、それが飼い主の正しい姿だもの。そうでしょ?」

503: 2012/11/11(日) 23:16:42.24 ID:3UDYp72s0


ハニー「……」

ハーマイオニー「……酷かったわね、歌」

ハニー「……独創的だったわ、えぇ。なんだか、グネグネとかなんとか、やたらとリピートが多くて、何を訴えかけているのかよくわからない……この私が」

ハーマイオニー「あれの解読はきっと不可能よ、どんな闇払いでも。さっ、もう寝ましょう、ハニー?」

ハニー「えぇ……もう少しだけ、この日記を調べてから、ね」

ハーマイオニー「……あまり、根つめないでね。あの……待ってるから」

ハニー「……やっぱりすぐ寝るわ」

ハーマイオニー「い、いいから!いいの!えっと、あなたのベッドをしっかり暖めておくから!おやすみ!」

ハニー「……久しぶりにこっちで寝るのだものね、ハーマイオニー。同室の子たちは気を利かせて他の寝室に行ってくれたし、ほんと、みんな優しいわ。私の周りって」


ラベンダー「パーバティ!しっかり盗聴呪文使えてる!?」

パーパティ「もちのウィズリーのノッポよ!!!!」

505: 2012/11/11(日) 23:21:31.41 ID:3UDYp72s0
ハニー「本当に、ジニーのあれは何だったのかしら。私に向けてだから、愛の歌なんでしょうけど。何か他に伝えたいことでも……」

ハニー「……歌に、伝えたいこと……そう、そうだわ。もしかして、あれも!……あっ!」

ゴロンッ ドポドポドポ

ハニー「あっ、うそっ、インク瓶が倒れて……もう、リドルの日記がインクまみれに……えっ」

日記 カッ! スゥゥゥゥッ

ハニー「……一瞬光って、インクが……吸い込まれていったわ」

ハニー「……なんなのかしら、これ」

ハニー「……」

パラッ

『私は、ハニー・ポッター。これはなんなの?意思があるならば、ヒンヒン鳴いて返事をしなさい』

カッ!すぅぅぅ……スゥゥゥッ!

『こんばんわ、ハニー・ポッター。ヒンヒンというのはよくわかりませんが、君はどこでこの日記を手に入れたのですか?』

ハニー「返事が……真っ白だったページに、浮き出てきたわ」

510: 2012/11/11(日) 23:28:15.86 ID:3UDYp72s0
『トイレに流されるところだったのを、拾ったの。あなたは、T・M・リドル?そうなの?』

『えぇ、僕の記憶をインクより長持ちする手段でこの日記に保存していて正解でした。この日記には、この城でおきた恐ろしい出来事が記されているのです。もしもそのままにしていたら、それを知られたくない誰かに消されていたでしょう』

『記憶……恐ろしいこと?それは、もしかして、私は何も恐れていないけれど……秘密の部屋と何か関係があるのかしら』

『ハニー・ポッター。強がらなくていいですよ。あれは誰しも怖がるものだ、えぇ。そのことです、僕がこの城で直面したのは。僕が学生時代、伝説の存在だったそれは開かれた。秘密の部屋、そしてスリザリンの怪物が、ね』

『一体、誰が!?どうやって、どこから!?ねぇ、私はいまその城にいるの!どうしても手がかりをしりたいのよ!以前のことでいいわ!私に、教えなさい!』

『お望みとあらば、見せてあげましょう』

『……見せる?読ませるでも、聞かせるでもなく?』

『あなたを、僕の記憶の中に招待します。少し時間はかかりますが、これが全てを間違いなく伝える最適な手段です』

ハニー「……」

ハーマイオニー「うぅん、あぁ、ハニー、だめよ、あなたでもそんな、あぁ、そんな……むにゃ」

『お連れしましょう?』

ハニー「……ごめんね。いって、きます」

『そうさせてあげるわ。私を連れていきなさい、50年前の、ホグワーツへ』

513: 2012/11/11(日) 23:35:27.02 ID:3UDYp72s0
ハニー「……光と渦に巻き込まれて、気づいたら……ここは、校長室?」

校長『……』

ハニー「でも、座っているのはあの腹黒豚ではないわね……50年前の校長?」

ディペッド校長『それで、リドル君。トム・マールヴォロ・リドル君……話というのは?』

ハニー「私の声は聞こえないのね、なんて惜しいことをするのかしら……それで、こっちが、リドル」

リドル『はい、校長先生。夏休み中も、この城に残らせてもらうことはできないか、ということなのですが……』

ハニー「……優秀そうな顔立ちね。ふぅん、首席バッジ。なるほど、成績優秀眉目秀麗、そういうこと?」

518: 2012/11/11(日) 23:46:23.60 ID:3UDYp72s0
ディペッド『それはできないのだよ、リドル君。君がいくら優秀で公正で、模範生でも、だ……このような状況でなければ、また、検討もできただろうが』

リドル『……襲撃事件、ですか』

ディペッド『その通りじゃ、分かるだろう?学期が終わったあと、この城に君を残すのがいかに危険極まりないことか。あー、リドル君?帰るのを嫌がるのは、何か理由が?あー、君はマグル出身だとか?』

リドル『はい、先生。母が魔法使いで、父がマグルのハーフです。でも、もうどちらも。母は僕を産んですぐに孤児院にあずけて氏んだ、と聞いています。僕に父と祖父からとった名前をつけて、すぐに』

ハニー「……」

ディペッド『……辛いことをきいた、すまない。そうだな、マグルの施設ではい辛いだろう……だが、そんな理由があったとしても……分かるだろう、リドル。女生徒が一人、氏んでしまった。いくら嫌な場でも、そちらの方がずっと安全なのじゃ』

リドル『……でも、あそこは僕の家ではありません。僕にとっては、ここが、この城が』

ディペッド『……そこまで想ってくれて、嬉しい。だが、残念じゃが……この学校を閉鎖する話まででているのだ。この怪奇な事件の、あー……源を、突き止めんかぎりは』

リドル『……先生、もしも。もしも、犯人が捕まれば。それで、襲撃事件がなくなれば、もしかして……』

ディペッド『どういうことかね、リドル。君は何か……知っているのかい?』

リドル『いいえ、先生。何も』

ハニー「……今の返事は、私があっちで校長に言ったのと同じね。それに、なんだかこの人とは……生い立ちも、同じところが。あるみたい。不思議ね」

526: 2012/11/11(日) 23:51:32.60 ID:3UDYp72s0
リドル『……』

ハニー「……校長室から出て、長い間考え事をしているわ」

リドル『……っ、よし』

ハニー「どこかに……確か、この人はスリザリン寮生。地下の談話室に戻るのかしら……いいえ、こっちは談話室に向かう地下じゃないわね。ついこの間行ったもの、知っているわ」

ハニー「……この人はきっと、いまから襲撃事件の犯人を捕まえて、それで、その功績であの賞を……」

ダンブルドア『トム、こんな時間に何をしておるのかね』

リドル『っ、はい、先生。校長先生に呼ばれましたので』

ハニー「……腹黒豚、あなた、この時代から教師を」

ダンブルドア『ヒンヒン』

ハニー「……」

リドル『えっ!?な、なんです?』

ダンブルドア『独り言じゃ、最近のどの調子が悪ぅての』

ハニー「……なんなのよあなた」

535: 2012/11/11(日) 23:57:13.74 ID:3UDYp72s0
ダンブルドア『それでは、リドル。早くベッドに戻りなさい』

リドル『えぇ、先生。そのつもりです』

ダンブルドア『珍しく、考えごとかね?君の足は、談話室でない方向に向いておるようじゃが』

リドル『っ、あぁ、そうですね。うっかりしていました、ありがとうございます』

ハニー「……いけすかないわ、どこまでもお見通し、って顔して。まったく」

ダンブルドア『君が何をするにしても、少し足をとめて、ゆっくり考えてから決断することじゃ。それではの、リドル』

リドル『えぇ、先生』

ダンブルドア『そちらものう』

ハニー「うるさいわ」

543: 2012/11/12(月) 00:02:08.83 ID:x1/uRykr0
リドル『……』

ハニー「……結局、この人は談話室に行かなかったわ。当然よね、その記憶を見にきたのだもの」

リドル『……あそこか』

ハニー「……こんな暗がりの通路があったなんて。いつもの地下教室はとっくに通り過ぎて……あっ、あそこ。とても弱いけど灯りが、ついてる……?」

『おいで、おまえさんをこっから出してやらなきゃなんねぇ。さぁ、こっちに。この箱の中に……』

ハニー「これが、犯人……でも、どうしてかしら。とっても、聞き覚えが……」

リドル『っ、そうはさせないさ。『ルーモス、光よ』』

『だ、誰だ!こいつに強い光をあてんじゃ……あ、あぁ……』

ハニー「そん、な……」

リドル『こんばんわ、ルビウス。観念するんだ』

552: 2012/11/12(月) 00:10:35.41 ID:x1/uRykr0
ハグリッド『トム。おまえ、こんなところでなんしとるんだ?』

リドル『それは僕の台詞さ。さぁ、ルビウス。僕はキミを突き出すつもりだ。襲撃事件がやまなければ、この学校が閉鎖される話まででている』

ハグリッド『へ、閉鎖!閉鎖だと、そんな、まさか!ダンブルドア先生がそんなこと、許すはずねぇだろ!』

リドル『あぁ、僕だってそんなこと許せない。キミのくだらないお遊びのために、キミのその お 友 達 の せいで、僕の居場所がなくなるなんて』

ハグリッド『なっ、トム、俺ぁおまえさんがなんを言いてぇのか分からねぇ。違う、こいつは……』

リドル『あぁ、キミが誰かを殺そうとしたなんて僕も思っていないさ。だがね、怪物はペットには相応しくないんだよ。それがキミには分からなかった……大方、少し散歩させるだけ。そんなつもりだったんだろう?』

ハグリッド『ちげぇ!ちがう!こいつぁなんも悪くねぇ!こいつは、こいつは!!』

ガシャガシャカチャカチャ ハグ、ガシャガシャリッド

ハグリッド『!しゃ、しゃべっちゃなんねぇ!アラゴグ!』

リドル『……その箱の中か。観念するんだ、怪物!』

ビュンッ!バーーーン! ガサゴソガサゴソゴソゴソゴソゴソ

ハニー「なぁ、に、あれ……暗いから、よく分からないけれど。毛むくじゃらの胴体、絡まった脚……はさ、み……?」

ハグリッド『やめろ!やめろぉトム!そいつを頃すんじゃねぇ!こいつがやったんじゃねぇ!絶対に、やめろぉおおおおおおお!!!』

554: 2012/11/12(月) 00:15:59.68 ID:x1/uRykr0
ハニー「あぁ、ハグリッドの大声が、地下通路に響いて……あ」

ゴォオオオオオォォォォオオオオオオ

ハニー「戻って、行っている……これなの!?リドル、これが、あなたの見せたかった記憶!?これが、真実だって言うの!?」

『あぁ、ハニー・ポッター。えぇ、僕の間違いない記憶の、薄れることのない真実。これが全てです。ディペッド校長はハグリッドを退学にした。ダンブルドアの温情で、森番として置くことになりましたけどね』

ハニー「っ、っ!信じられないわ!私は、わたしは、ハグリッドの友達よ!彼が、そんなことをするはずが……人を、襲うなんて!あなたが、間違っていたんじゃ……!」

『あぁ、僕だって彼とは知り合いだった……ならば分かるだろう?キミも。彼は魔法生物が大好きで……それが危険であればあるほどたまらないほど好きだ、って。何度も『俺ぁドラゴン飼いてぇんだ』と言うのを、僕は聞いていたよ』

ハニー「そんな、ことって……!」

『実際、それをさかいに襲撃も止んだ……残酷ですが、これが真実です、ハニー・ポッター』

ゴォオオオオオオオオォォォォォォォォォオォオオオオォォォォォォォォ……

557: 2012/11/12(月) 00:20:42.67 ID:x1/uRykr0
ハニー「っっはぁ、はぁっ、っ、あぁ……はぁ、そん、な」

ハーマイオニー「んん、んっ……ハニー?何か、言った……ハニー?どうしたの、あなた、凄い汗で……」

ハニー「あぁ、ハーマイオニー。どうしよう、どうすればいいの。わたし、あぁ、そんな……」

ハーマイオニー「は、ハニー?私に馬乗りになって胸を掴んで、あの、なにを?えぇっと、あぁ、っていう雰囲気でもなようだし……あ、盗聴の可能性なら対策はしたわ、あの、あ、安心してその、ね?」

ハニー「ハグリッド、だったの」

ハーマイオニー「……え?ハニー、何のことを」




ハニー「五十年前に『秘密の部屋』を開けて!その中の怪物を放ってしまったのは……ハグリッドだったのよ!!」

563: 2012/11/12(月) 00:27:47.89 ID:x1/uRykr0
談話室

ロン「……そりゃ、ハグリッドって怪物的な生き物が好きさ。でもさ、いくらなんでも本物の怪物を……あぁ、やだなぁ。彼ならありえる、そう思えOちまうのがいやだよ」

ハーマイオニー「……学校のどこかで長い間閉じ込められている生き物がいる、って知ったら……ほんの少しの間でも、って。思うかもしれないわ。やさしいもの、ね」

ロン「あぁ、その優しさときたら、五十年かけてもホグワーツをてんてこ舞いさせるレベルだったのさ……」

ハニー「……あのたくさんの脚を伸ばすきっかけをあげようって、そうね……あの豚なら、そう思うかもしれないわ」

ロン「たくさんの脚って、なんだか不吉だな。蜘蛛じゃないだろうね」

ハーマイオニー「そんな普通の生き物じゃ……あなた、蜘蛛苦手だったかしら」

ロン「あぁ、ハニーに1ミリでも嫌われてしまうことの次に苦手だよ」

ハニー「そんなことはありえないから想定する必要もないわよ、ロン」

ロン「ヒンヒン!つまりは君といればいつだって幸せだってことだねハニー!ヒンヒン!」

568: 2012/11/12(月) 00:34:57.29 ID:x1/uRykr0
ハーマイオニー「リドルがやっぱり間違えていた、ということは考えられない?ハグリッドが育ててたのは、その、どこか別の……怪物で」

ロン「そりゃいいや、ハーマイオニー。グリフィンドールの怪物代表は君の怒った顔で決定だね……冗談よせよ、そう何匹もこの城に怪・物なんてのがいてたまるかい?」

ハニー「ハグリッドがこの城を追われて杖をもってない、っていうのは前に聞いていたわ。でも、こんな理由だったなんて。こんなことならもっと詳しく聞いておくべきだった……豚のことをちゃんと知ってあげてなかったなんて、失格だわ」

ロン「ヒンヒン!ハニー、君のせいじゃないよ!ハグリッドの気が利かなかったんだ!……うーん、でも今から聞きにいく、ってのはちょっとなぁ」

ハーマイオニー「あなたなんて、つい口を滑らせてしまいそうだものね」

ロン「あぁ。やぁハグリッド!なんだか最近毛むくじゃらの畜生をけしかけなかったかい、あぁ、君じゃなくってね!……ってね。いいお茶の席になるだろうさ、そこらじゅうにお湯が舞うよ、震えるハグリッドの手で」

ハニー「……ハグリッドには、次に事件が起きない限り、何もきかない。そうしましょ。いいわね?」

ロン「ヒンヒン!あぁ、君はいつだって正しい」

ハーマイオニー「えぇ、そうしましょ……ハニー、きっと、大丈夫よ。あなたの信じた人は……」

ハニー「……えぇ、私の可愛い豚だもの……ハグリッド」

572: 2012/11/12(月) 00:40:36.15 ID:x1/uRykr0
四月

ロン「って言ってから、早いもんでもうイースター休暇だよ」

ハーマイオニー「ジャスティンたちが襲われてから、四ヶ月ね……城もなんだか、ピリピリした空気がなくなってきたわ」

ハニー「ヒンヒン鳴く声も戻ってきて、えぇ。ふふっ。とてもいい天気だし、やっと平穏無事ってところかしら」

ロン「あぁハニー!ポカポカお日様の下でとろけるバターみたいになって君の下でとく宿題ってなんて素晴らしいんだろうね!ヒンヒン!ちくしょう!マーリンの髭!」

ハーマイオニー「休暇でも宿題は減らないわよ、だって学期末がすぐそこなんだもの」

ロン「二ヶ月ちょっとをすぐそこなんて呼ぶのは復習の鬼な君だけだよ」

577: 2012/11/12(月) 00:45:18.81 ID:x1/uRykr0
ハニー「このままいけば、ハグリッドに……あまり聞きたくもないことを質問しなくていいかも、しれないわ」

ロン「あぁ、そうだねハニー!あんな風な問い詰め方は心苦しいんだもんねハニー!僕は知ってるよヒンヒン!」

ハニー「何のことかしら、私は豚の望むごほうびをあげているだけよ」

ハーマイオニー「このままいけば、と言えばね?今日、スプラウト先生がフィルチに言っていたのを聞いたの。マンドレイクの収穫が、もうすぐだそうよ」

ロン「ほんとかい!やったぜ、そうすりゃネビルやらジャスティンに犯人のことを聞いて万事解決だね、ハニー!君の豚が一匹増えるぜハニー!」

ハニー「えぇ、そうね。ジャスティンにはたっぷりお話しないといけないわ」

580: 2012/11/12(月) 00:48:54.97 ID:x1/uRykr0
ネビル「えっ、僕に犯人のことを聞いて、どうするんだい。ロン」

ロン「言葉のあやさ、ネビル。君は豚の中の漢なのにイマイチ影がうすいからな……それなんだい?」

ネビル「あっ、マクゴナガル先生から緊急に配られたんだ。ハニー!僕らのハニー!ヒンヒン!これ、来年度の選択科目についてだってさ」

ハニー「ハァイ、コリンではなくネビル。選択科目?」

ハーマイオニー「あぁ、そうだわ!来年度から、新しく授業が増えるのよ!楽しみね、ハニー!」

ロン「おいおい冗談だろ!?今のこの寮でさえ僕ぁ手一杯どころか脚まで使いたいくらいなんだぜ!?あとをどこを使えっていうのさ!」

ハーマイオニー「頭じゃないかしら」

584: 2012/11/12(月) 00:55:01.00 ID:x1/uRykr0
ロン「選択科目、なぁ。そういえばパーシーが前にご教授してくれたっけ」

ハーマイオニー「あら、監督生のパーシーのお言葉ならありがたいなじゃい」

ロン「僕路線にとっちゃ無用の長物さ。なんて言ってたかな、えーっと、将来どっちにすすみたいかどうか、とかなんとか。僕の将来、なぁ。ハニーの隣にいることしか分からないや」

ハニー「それは確定だものね、えぇ」

ハーマイオニー「いいえ、ロンはハニーの下でしょ。隣で手を繋いでるのは私よ!そっちの特権は私がもらうわ!」

ロン「なんだと!あぁ、でも一生ハニーのクッションか。たまらないね!ヒンヒン!」

ハニー「こんなお城の状況だけれど、未来はとっても明るいわね」

ハーマイオニー「……コホン、つい乗ってしまったけど、そういうことじゃないわ。進路よ、進路。どういう職業になりたいか、ってこと!」

ロン「ハニーの豚」

ハニー「それはもう永久就職じゃないの」

ハーマイオニー「少しでも真面目に考えるということを覚えて頂戴」

585: 2012/11/12(月) 00:59:21.33 ID:x1/uRykr0
ロン「あー、パパみたいな職業になりたきゃマグル学、とかそういうことかい?で、君は何をしたくて何をとるのさ、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「? もちろん、全部だわ。当然よ」

ハニー「……」

ロン「……あー、ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「えっ、だって、学べることがこんなに増えるのよ?とっても楽しいじゃない!ハニー、あなたもそうよね?」

ハニー「……そうね、そうしたいけれど、私はクィディッチもあるから……」

ハーマイオニー「あっ……そう、よね……」

ハニー「……」

ロン「おいやめろよハーマイオニー!ハニーはクィディッチ大好きなんだぞ!それを君と天秤にかけさせるようなことやめろよ!泣いちゃうだろ!」

ハニー「ロン?」

ロン「ヒンヒン!なんだい、僕のハニー!」

ハニー「マグル世界の芝生は酷かったけれど、魔法界の芝生は美味しいのかしら。試してみたら?」

591: 2012/11/12(月) 01:05:15.39 ID:x1/uRykr0
ロン「ぺっぺ、ぺっ!ひっでぇや、ママの失敗した料理より酷い!」

ハーマイオニー「だってそれ曲がりにも料理だもの……それで、ハニーはどうするの?」

ハニー「ロンと一緒にしておくわ。占い学、魔法生物飼育学の二つ」

ハーマイオニー「……そう」

ロン「おいおい、そう拗ねるなよ。君だってその二つは当然とっているだろ?」

ハーマイオニー「あなたとハニー二人での休憩時間が増えるのが問題なのよ!」

ロン「じゃぁそんなもの、君が減らせばいいだけじゃないか!」

ハニー「はいはい、喧嘩しないの。ロン?私の豚はヒンヒンとだけ鳴いていればいい、そうでしょ?」

ロン「ヒンヒン!あぁ、そうだねハニー!他の言葉は割りといらないよね!高貴で可憐だけありゃいいや!ヒンヒン!」

595: 2012/11/12(月) 01:13:37.80 ID:x1/uRykr0
ハーマイオニー「ハニー、そんなに、あの、割と適当に決めてよかったのかしら。あなたの決めたことにあまりケチはつけたくないけど」

ハニー「平気よ、私、今は特になりたいものもないし。この私が本当になりたくてなれないものがあるとも思えないもの。そうでしょ?」

ロン「あぁ、君はクイーンだからねハニー!どんな方向だってどれだけだって進めるよハニー!ヒンヒン!」

ハーマイオニー「上手くないわよロン」

ハニー「それに、強みを生かすといったって。一番の強みは、この美貌と、完璧さと、高貴さと、可憐さ……あら、結構あったわ」

ロン「あたりまえだよハニー、僕らでさえ空で1000個はかたかったからね」

ハーマイオニー「流れるようにスルスル出てきてしまったわね、えぇ」

ハニー「そう、まぁ当然よね。で、好きなのはクィディッチだけど、授業にないんだもの。あとは何をとっても同じでしょ。それなら、可愛い動物がみれそうな……躾け方を知れそうだものね、えぇ」

ロン「あー、ハニーみたいな子供に魔法動物の図鑑買ってあげたい。その様をずっとみてたい」

ハーマイオニー「残念ね、あなたが見るのは横顔だけよ。クッションだもの」

596: 2012/11/12(月) 01:17:31.98 ID:x1/uRykr0
ロン「クィディッチっていえば、今度の試合は大勝負だね、ハニー!」

ハニー「えぇ、そうね。最近のオリバーはそればっかり言ってるわ」

ハーマイオニー「チームのみんなはハニーのことを特に疑ってないから、不和もないんだものね」

ロン「うちの兄どものおかげさまさ、うん。あの二人もハニーの豚になりゃいいのに」

ハニー「そこは譲れないみたいよ。そうね、今年こそ優勝杯は……いただくんだから」

ロン「もちのロン!そいつはもう君の手にあるも同然さハニー!ヒンヒン!だからね、僕の宿題の方をですね……」

ハーマイオニー「こわーいこわーいブラッジャーはいかがかしら」

ロン「ただの拳骨じゃないかあいたっ!ちくしょう!マーリンの髭!」

598: 2012/11/12(月) 01:22:03.54 ID:x1/uRykr0
クィディッチ前日

ラベンダー「あぁ、ハニー。ハーマイオニー。あぁ、私達も今帰ってきたばかりで、何がなんだか」

パーバティ「ほんとよ、嘘じゃないわ!あなたたちの情事をなんとか盗み聞きしようと細工しようだなんてゲフン!」

ハーマイオニー「あなたたち、あとで正座後説教ね……それに、しても」

ハニー「……酷い有様ね、部屋中がズタズタだわ」

ラベンダー「……悲鳴を駆けつけて女子寮の階段を必氏に登ろうとしてるロンの手のひらもね」

ロン「僕を通せーーー!僕はハニーの一番の豚だぞくっそぉぉおおお!」

パーバティ「えっと、ところでさっきの悲鳴はほんとに、ハニー?あなた、あんな声が……」

ハニー「……くしゃみよ、くしゃみ。花粉症なの」

ハーマイオニー「イジッパリーっていう珍しいお花だそうよ。ねぇ、それより何かなくなってないか確かめましょう?」

599: 2012/11/12(月) 01:27:07.83 ID:x1/uRykr0
ハニー「……ハーマイオニー、ちょっと」

ハーマイオニー「ふぅん、おかしいわね。カーテンも枕も切り刻まれて、箪笥もトランクも中身が引っ張り出されてるのに、何もとられて……なっ、ハニー、こんな時になにを、あぁ、でも」

ハニー「そうじゃなくって……ないのよ、私の……いいえ、私のじゃないわね。リドルの日記が」

ハーマイオニー「!そんな!」

ハニー「ラベンダー、パーバティ。私たち平気のようだから、少し談話室に行って来るわね。心配した豚さんたちに報告してくるわ」

うわぁぁぁぁぁハニーー!ハニー!ヒンヒーーン!

601: 2012/11/12(月) 01:32:13.92 ID:x1/uRykr0
空き教室

ロン「リドルの日記が!?でも、えーっと、あそこに盗みに入れるのはグリフィンドール生だけだぜ!?」

ハーマイオニー「そうよね、それが不思議だわ。どこかに持ち出していて盗まれたならまだしも、グリフィンの生徒がなんの意味があって……」

ハニー「というか、そもそも誰であっても盗むのがおかしいの。あれは、だって、知らない人から見ればただの古臭い日記でしょ?」

ロン「そっか、そうだよね……一体誰が。あー、君の熱狂的信者かな、盗むにしても、あんまり新しいのは気が引けたからあの日記を、とか」

ハーマイオニー「……ジニー?」

ハニー「ハーマイオニー、冗談でもやめなさい」

ハーマイオニー「……ごめんなさい」






 ジニー「……」

602: 2012/11/12(月) 01:37:34.13 ID:x1/uRykr0
翌日

オリバー「いーい天気だ!まさにクディッチ日和!選手!よく食え!僕はさきに芝生の様子を確かめにいっているからな!それじゃ!」

ロン「あいかわらず、熱い男だねまったく……ハニー、平気かい?」

ハニー「えぇ、なんであれこの空間に私の持ち物を盗んだ人がいるかと思うと、ね。むかっぱらがたって食欲がなくなるわ」

ハーマイオニー「ハニー……全然、不機嫌顔とは遠いわよ。平気?医務室に行く?」

ハニー「そんなのやよ、優勝がかかってる試合に……持ち物なんてなくなるものよね、そうでしょ」

ロン「うーん、その悟りはよくわからないかな。それじゃ、箒をとりにいくかい?お供するよハニー!ヒンヒン!どこまでもね!」

ハニー「えぇ、そうしましょ。ハーマイオニーは?」

ハーマイオニー「もちろん、一緒にいくわ。当たり前よ……手は?」

ハニー「……繋いであげる」

ハーマイオニー「えぇ、ふふっ。そうしてほしいわ」

606: 2012/11/12(月) 01:47:27.70 ID:x1/uRykr0
ロン「あー、ウッドのいうこともまぁ正しいね。今日はこれでもか、ってくらいいい天気だ。大広間に差し込む朝日が気持ちいよ今日もありがとうハニー」

ハマイオニー「ねぇ、だからそれもうほとんど危ない人だったら」

ハニー「これで危ないと言われていたら、私のあの声はどうなるの……」


『頃す、今度は頃してくれる――』

ハニー「ほら、この……えっ!?」

ハーマイオニー「? ハニー、どうしたの?震えて……まさか」

ハニー「あの声だわ……本当に、二人には聞こえないの!?ねぇ、ロン!ハーマイオニー!」

『八つ裂きにして――頃して』

ロン「やっぱり、僕には何も……ハニー、これって一体……」

ハーマイオニー「……まさか。ねぇ、ハニー。それはどのあたりから聞こえるの?大体でいいわ、分かる?」

ハニー「えぇっと……あの、あたりかしら」

ハーマイオニー「……『ホグワーツの歴史』第一章ホグワーツの構造について……思い出して、なんのために読んだの……そうね、ドンピシャ、あたりだわ。それで、次に、ハニーが最初に聞い場所、それと、私たちがあの廊下に行くまで辿った道のり……」ブツブツブツ

ロン「……なんだか呪文を唱え始めたね」

ハニー「……ハーマイオニー?」

ハーマイオニー「っ、やっぱり!わかった、私、たった今思いついたことがあるの図書館に、いかなくっちゃ!」

608: 2012/11/12(月) 01:52:58.62 ID:x1/uRykr0
ロン「お、落ち着きなよ。息継ぎがおかしいよ、ほら、深呼吸だ。オーケイ?」

ハーマイオニー「そんな暇ないわ!あぁ、ハニー!あなたの飛んでるところを見れないのはとっても残念!私、何番目かにその時のあなたの顔……あぁ、でもすぐにたしかめなくっちゃ!」

ハニー「そんな、ハーマイオニー!一人で行く気!?ダメよ、それなら、ロンも……!」

ハーマイオニー「あら、ロンはあなたの豚だわ。ロン、ハニーをお願いね」

ロン「あぁ、言われなくったって」

ハニー「ハーマイオニー!待って、ま、って!!何が分かったのか、少しでも、わたしに……!」

ハーマイオニー「あぁ、ハニー。あなたの集中を乱したくないの。もう遅いのかしら……でも、大丈夫!」


ハーマイオニー「絶対絶対、いい知らせをもって、待ってるから!あなたは、スニッチをお願いね!」

ハニー「あ……~~~っ、当然よ!学校記録を塗り替えて、あなたが調べ物なんてする暇あげないんだから!!!!」

ロン「あぁ、君の勇姿が見れないのを後悔させてあげようぜ、ハニー!ヒンヒン!」

613: 2012/11/12(月) 01:58:55.49 ID:x1/uRykr0
リー『さぁ、選手でそろいました!グリフィンドール対ハッフルパフ!今年度のシリーズを大きく左右するであろうこの一戦、ついにクァッフルが投げられます!』

ハニー「……見えてる、あそこだわ。スニッチ、すぐに跪かせてあげるんだから」

リー『さぁ、フーチ先生のホイッスルで、今!……おや?ありゃ、マクゴナガルか?なんでしょう、何かトラブルでしょうか』

ハニー「……」


マクゴナガル「『ソノーラス、響け』 こ の 試 合 は 中 止 で す !!!!!!」

ハニー「!?なんですって!?」

エェェエエエエーーーー!?!?!?ザワザワザワザワ
 ガヤガヤガヤザワザワザワザワ
  また誰か? ザワザワ 襲われた?

ロックハート「HAHAHAHA!それでは収まりがつきそうにありませんよ、マクゴナガル先生!どれ、この私が新曲で一つみんなの熱くなった期待に華麗にこたえて……」

マクゴナガル「お黙りなさいギルデロイ!生徒はすぐに寮に帰りなさい!それと……ハニー・ポッター!こちらへ!」

ハニー「!?な、どうして!?今回は、私はなんにも!関係無いって分かるはずなのに!」

ロン「そうですよマクゴナガル先生!あいたっ!ハニーの着地地点にはいつでも僕がいるよ当然さ!ヒンヒン!」

マクゴナガル「そういうことではありません。ウィーズリー、あなたもきなさい。えぇ、そのほうがいいでしょう。さぁ、医務室へ」

615: 2012/11/12(月) 02:05:52.66 ID:x1/uRykr0
医務室

マクゴナガル「……ショックを受けるかもしれません。ですが、いいですか?気を確かにもつのです」

ロン「……わぁーお、おったまげ。先生、そんなに優しい声が出るんですね」

マクゴナガル「……」

ロン「……すみません」

ハニー「先生、一体何が……薬が完成したのですか?それで、私の豚が気がついた、とか……?」

マクゴナガル「あぁ、それならばもっと喜びをもって知らせられたでしょう……また二人、教われました」

ロン「なっ……まさか、こんな、時に……」

マクゴナガル「……図書館からの帰り、だ、そうです」

ハニー「……っぁ」

ロン「そんな……そんな、冗談だろ、おい。君がそんなの、まるでキャラじゃないよ、なぁ。やめてくれよ……笑え、ないよ」

ハニー「……ハーマイ、オニー」

ハーマイオニー「」

621: 2012/11/12(月) 02:10:55.43 ID:x1/uRykr0
マクゴナガル「……不幸中の幸い、と、あなたがたに言うと怒りに震えてしまうかもしれませんが……氏んではいません。石になっている状態です」

ロン「……」

ハニー「……」

マクゴナガル「……二人とも手鏡をもっていた意味を、何か……?」

ハニー「……」

ロン「知りません、だそうです。先生」

マクゴナガル「……そうですか。寮に戻る時は、言いなさい。私は医務室の前にいます……」

バタンッ

ハーマイオニー「」

ハニー「……」

ロン「……」

ハニー「……何をやってるのよ、あなた」

627: 2012/11/12(月) 02:22:10.94 ID:x1/uRykr0
ハニー「あなた、私に言ったじゃないの」

ハニー「どうして無茶をするの。どうして後先を考えないの」

ハニー「あなたのしたいようにするのは結構だけれど。そんなあなたはステキだけれど」

ハ二ー「あなたを心配する人がいるってことくらい、考えなさいよ……考えてよ」

ロン「……ハニー」

ハニー「っ、っ!泣いてなんか、やらないわ!!もう、怒った。そうよ、私、怒ったんだから!ロン!」

ロン「あぁ、ハニー!僕の背中をお使い、サンドバックにでもなんにでも。サンドバックは、抱きしめるものじゃないんだけどね」

ハニー「泣いてなんかやらない!ハーマイオニーは……何かを見つけたんだわ!犯人に繋がる何かを!」

ハニー「いい、ロン!!私の豚!!これは武者震い!!!いい、ロン!!!私の豚!!これは、自分に腹が立って腹がたって仕方の無い苦やし涙!!!!絶対に絶対に、ハーマイオニーがおきるまで!泣いてなん、か!!!やらない、ん、だから!!!」

ロン「あぁ、ハニー。ついていくよ。僕らで見つけてやろう、継承者って奴を。それで」

ハニー「えぇ、豚にすら値しない!ぶっとばしてやる、ん、だから!!!!!」

ロン「あぁ、それでこそ僕の、ハーマイオニーのハニーさ!ハニー!ヒンヒン!」

629: 2012/11/12(月) 02:29:21.22 ID:x1/uRykr0


コンコンッ

ハグリッド「だ、誰だ!?こんな夜更けに、な、なんの用だ!?」

 ハニー「この私に誰、だなんて、いい度胸ね。ハグリッド」

 ロン「石弓おろせよハグリッド!すぐに罪悪感で自分に向けっちまうことになるぞ!?」

ハグリッド「お、おぉ、おぉ、おめぇさんらか。そうか、そりゃジェームズの、あぁ、ハニー。おめぇさんはいつだって素晴らしい、ヒンヒン……」

ハニー「……ハグリッド、お酒を飲んでいたの?」

ハグリッド「あぁ、ハニー。そうだ、あんな悲しいこと……いや、おめぇさんが一番悲しいな。俺ぁわかる、わかっちょるぞ、ハニー」

ロン「そりゃもうみんな知ってるさ、アーニーの奴でさえ帰りがけにすれちがいざま五体投地してきたからね」

ハニー「……誤解がとけたのだからいいのよ。それより、ハグリッド……この私が来たっていうのに、お茶の一杯もくれないの?」

ハグリッド「おぉ、わ、わりぃハニー!すまん!すぐに!ヒンヒン!おれたちのハニー!」

ロン「ハグリッド、頼むから左手のイタチを下ろしてからヤカンをもってくれよ。それは茶葉じゃないぜ、オーケー?」

633: 2012/11/12(月) 02:38:47.78 ID:x1/uRykr0
ハグリッド「ちゃ、茶だ。まずいかもしんねぇが、すまんな」

ロン「うん、これ、白湯って言うんだぜ、ハグリッド」

ハニー「イタチティーでないだけよしとしましょうか。それでね、ハグリッド?私の豚?」

ハグリッド「……っ、ぁあ、あぁ、ハニー。そうだな、おめぇさんらは聡い子だ。ハニー、おまえは天使だ、そうだとも。俺に、何を聞きにきた?」

ハニー「……」

ハグリッド「わかっちょったんだ、おめぇさんらがいつか、俺のその、そういうのも知っちまうんじゃねぇか、って!でも、でもよぉ、ハニー。俺ぁ怖かった、おめぇさんに、嫌われっちまうんじゃねぇかって……」

ハニー「私の事を見下げ果てているの、あなた」

ハグリッド「!そんなわきゃねぇ!ハニー!俺ぁハニーの豚だ!いっちばん最初の魔法使い豚だ!それを誇りにおもっちょる!でもな、だから……」

ハニー「そう、だから、どんなことがあったって。何を知ったって。私があなたを嫌うはずないじゃない。そうでしょ?」

ハグリッド「あぁ、ハニー、ハニー……ヒンヒン!俺、俺ぁなんて幸せもんだ、父ちゃんにも見せてやりてぇ」

ハニー「いつかその話も聞くわ。それでね、ハグリッド。あなたの口から、ちゃんと聞かせて。私はあんな……記憶に過ぎないものを信じるなんて、わたしじゃ、ないわ」

ハニー「わたしは、あなたの口から語られたことを信じる。さぁ、ハグリッド?私の豚?答えられたら、いいことをしてあげる」ツツーッ

ハグリッド「おっほぉー!ヒンヒン、ヒーン!」

ロン「ずっちぃ、ずっちぃよハグリッド!君ばっかりさ!」

ハグリッド「ちゃっかりクッションになっちょるロンに言われたくねぇ!」

636: 2012/11/12(月) 02:46:11.23 ID:x1/uRykr0
ハグリッド「とにかくな、俺ぁスリなんとかの継承者だのなんだのじゃねぇ!あったりまえだろう、俺がそんな大層なもんできると思うか?」

ロン「あぁ、せいぜい伝説の樵の弟子くらいだよな」

ハニー「それじゃ、あなたの育てていたのは、スリザリンの怪物じゃないのね?」

ハグリッド「もちの」

ロン「僕さ!」

ハニー「豚同士息が合うわね。それで、じゃぁハグリッド。何かヒントは知らない?あなたの時代に部屋は開かれたのでしょう?」

ハグリッド「あー、うーん……実は、怪物ーっちゅうのにはちょびーっと興味があったんだが」

ロン「おい」

ハグリッド「きょ、興味!そんだけだ!うんで、聞いてみたんだがな。どうにもその怪物っちゅうんと、俺の育ててたあいつは馬があわねぇみたいで。知ってる風なのに教えちゃくんなかった。あいつ、アラゴグっちゅう、アクロ……」

コンコンッ

ハグリッド「っ!?だ、誰だ!?」

ロン「なぁハグリッド、だから石弓はやめとけって……」

 ダンブルドア「こんばんわ、ハグリッド。わしじゃ……それに、魔法省大臣のファッジも一緒なのじゃがのう」

640: 2012/11/12(月) 02:52:19.47 ID:x1/uRykr0
ハグリッド「っ!ダンブルドア先生様!そ、それに……ファッジ!?」

 ファッジ「あー、こんばんわ。ここを開けてくれますかな。すこーし、その。お話を」

 ダンブルドア「おぉうコーネリウス、あまりせかすでない。ハグリッドにも身支度というものがあろうて、ほれ、あのカボチャをみてみぃ。大きいじゃろう、まるで子供二人をゆうにすみのほうにやってマントで隠せてしまいそうじゃ」

 ファッジ「はぁ、確かに……どこからマントが?」

ハニー「……あの人って」

ロン「最高だよな、あぁ……さぁハニー、こっちの床、に寝そべった僕の背中に!」

ハニー「えぇ……いいわよ、ハグリッド」

ハグリッド「すまねぇ、じっとしといてくれな……お、遅くなりましたダンブルドア先生!」

ダンブルドア「いいや、いや。すこぶる順調じゃよハグリッド」

646: 2012/11/12(月) 03:03:23.62 ID:x1/uRykr0
ハグリッド「お、俺を、アズカバン送り……だって!?」

ダンブルドア「……ファッジ、何度も言うたがの。この森番を繋いだところで、此度の事態は何も変わらんぞ」

ファッジ「そ、そう大声を出さないでくれハグリッド。そう凄まんでくれダンブルドア、分かってくれ。魔法省にも、立場というものがある」

ダンブルドア「なるほど、魔法省として何かしたという印象を与えねば、と」

ファッジ「そう、そうなのだ。それにこれは、ハグリッド。君を守るためでもある。他の誰かが捕まれば、ハグリッド。君はむしろ前よりもだね……」

ハグリッド「お、おめぇさんの手柄のために、俺はあの牢獄に入るっちゅうんか!?あのアズカバンに!?」

ファッジ「あぁ、だが、たった少しの……」

コンコンッガチャッ

ルシウス「失礼……おや、ファッジ。もう来ていたか。結構結構」

ハグリッド「!ルシウス・マルフォイ!おめぇみたいなのが俺の家になんのようだ!」

ルシウス「黙れ。私とてこの、なんとまぁ汚い小屋だ。これが家と呼べるのですかな……ここにいることは本意ではない。緊急に伝えねば、とね。校長、あなたの用事だ」

ダンブルドア「どうしたのかのう、ルシウス。ホグワーツの理事が一人、ルシウスよ」

ルシウス「そう、その理事の代表としてあなたに命じる。ダンブルドア、あなたは退くときがきたようだ。ここに理事十二人全員分の署名が入った『停職命令』がある。確かに、届けましたぞ」

653: 2012/11/12(月) 03:11:43.58 ID:x1/uRykr0
ハニー「!」

ロン「おいおい、おい」

ハグリッド「そんな、まさか!こんな時に、ダンブルドア先生がいなっくなっちまうだと!?」

ファッジ「あー、ルシウス、まずい、それはひじょーーーーにまずい。ダンブルドアでさえ食い止められなかったものを、あー、つまり、他にだれが止められるというのだね?」

ルシウス「それを決めるのは我々理事の役目ですな。とにかく、現状として、ダンブルドア。あなたは学校に迫る――とてつもない脅威を、払えていない、そうですな?今日の午前にもまた二人

ルシウス「おやおや、このままではこの学校からマグル出身者、それどころかマグルびいきの魔法使いまで全員いなくなってしまうのでは?」

ハニー「……」

ロン「……こんの野郎」

ルシウス「それがどれだけ、あー、じゅうだいなそんしつか、分からないわけではないでしょう、ダンブルドア」

ハグリッド「お前、お前!白々しい、そんなこと思ってもねぇくせに!それで、え!?理事の何人を脅しよった!?え!?いくら金を積んだんだ!言ってみろ!」

ルシウス「勇ましいねぇ、アズカバンの看守にも、せいぜい吼えるがいい。もっとも、連中に言葉が分かるとは思えんがな」

ダンブルドア「……ハグリッド、落ち着くのじゃ。理事がわしの退陣を求めるのなら、もちろんわしは退こう

ハニー・ロン「「ダメ!!」」ハグリッド「ダメだ!」ファッジ「勘弁して!」

ダンブルドア「ほっほ、少し耳が遠なったかの。とにかく……ハグリッド、すまん。わしには友人たるお前を守る権限もなくなってもうた」

ハグリッド「そんな、先生様。謝らねぇでくだせぇ、俺にとっちゃいつでも先生は先生様でさぁ」

657: 2012/11/12(月) 03:20:00.74 ID:x1/uRykr0
ダンブルドア「ほっほ、嬉しいのう。そうじゃ、ハグリッド。お前のように思っている者がいるかぎり、つまり」

ハニー「……こっちを、見てるわ」

ダンブルドア「わしがこの学校から本当に離れるのは、わしのことを信じる者が、わしに忠実な者が、ここに一人もいなくなったときだけなのじゃ。覚えておくがよい。この学び舎では、助けるものには必ずそれが与えられる」

ハニー「……」

ロン「……」

ルシウス「あー、なんとまぁ心に染みるお言葉で。それでは、私はこれで失礼しよう。ファッジ、また会食で。森番、アズカバンでも元気で暮らすのだな。ダンブルドア、余生をどうぞお楽しみに。では」

ガチャッバフォイッ

658: 2012/11/12(月) 03:20:52.85 ID:x1/uRykr0
ダンブルドア「わしも行くとするかのう。さぁて、第何の人生じゃろうか。ニコラスには負けるが」

ファッジ「ハグリッド、あー、行こうか。できるだけ穏便に済ませよう、悪いようにはしない」

ハグリッド「……そうさな、俺ぁきっとここの子らがやってくれるって信じてる、あー、おほん!俺の、あの、あー!飼っちょったもんが、なんなのか知りたきゃ……蜘蛛を追え!そういうこっちゃな!うん!」

ハニー「……」

ロン「……うげぇ」

ファッジ「?何かの謎かけかい?」

ダンブルドア「問いかけかものう」

ハニー「もうあの人、普通にこっちを凝視してるわね」

664: 2012/11/12(月) 03:30:07.62 ID:x1/uRykr0
禁じられた森

ハニー「さぁ、ファング。帰り道は頼むわよ、いい犬ねあなたは。可愛い豚だわ」

ファング「ッバゥ!」

ロン「あぁ、そいつは優秀だよな。まさか外に出て即刻蜘蛛を見つけるなんてさぁ……それに、ズンズン禁じられた森に入っていくなんて、さぁ」

ハニー「ハグリッドとよく森を歩いていたんだものね……ほら、ロン。私の豚。そんなことじゃファングに追い抜かれるわよ」

ロン「ヒンヒン!ヒン!待てよファング!一番の豚は僕だぞ!ヒン!あれ、なんで急に止まって、あぁ、僕を認めたんだねなるhワァーーーッ!?!?」

ファング「グルルルルルルルッ!!」

ハニー「ろ、ロン!?あれ、あれって、リドルの記憶にでてきた、あの怪物のはさmあぁーっ!?」

ロン「は、ハニー!?ちっくしょうなんで僕の杖はおんぼろのまんまなんだハニーへの忠誠心で復活してみろこのやろう僕の持ち物のくせに!」

ハニー「いった、だ、大丈夫よ、ロン。あなたもだけど、この、なんだか鋏をもってる化け物、私たちを切るわけじゃなくて……」

ガサガサガサッザザザッ

ハニー「……どこかに、運んでいっている?」

キャインキャインキャイン!キャイン!

ロン「……あぁ、ファング。君が勇ましいのって割と見た目だけだよな、知ってたよ……あぁ、嫌な予感があたりませんように。あぁ、なんだかチラっとみえる胴体が、くm、あぁいやだ」

668: 2012/11/12(月) 03:33:37.95 ID:x1/uRykr0
やばい、眠気がやばい、すまん、のんすとのつもりやってんけどやばいこれ
6時に続きします。よろしければ保守をお願いできればと思います
ではまたすぐに

711: 2012/11/12(月) 06:06:00.38 ID:x1/uRykr0
もどった。保守とてもとてもありがとう

713: 2012/11/12(月) 06:13:51.11 ID:x1/uRykr0
ハニー「……あなたの予感、大当たりのようよ、ロン。出来る、豚ね」

ロン「あっは、あっはは……ひん、ひん……光栄さ、ハニー……あー……」

ファング「キューン、キューン」

ロン「君、すっかり怯えきっちまってるな……当然か。周りを……馬車馬くらいでかい、お、大蜘蛛に囲まれちゃぁね」

ハニー「ここ、林が切れて月光が入っているから、連中がよく見えるわ……蜘蛛の化け物、アクロマンチュラ。そういうことね」

ロン「君の博識具合にはハーマイオニーも真っ青さ、あぁ……それで、この円陣の真ん中の、あれだけど」

ハニー「……ドームのような、繭のような。そうね、ロンの背中に座るこの私と同じように特別な、きっとあれが……」

アラゴグ! カシャンカシャン! アラゴグ!

ロン「うわっ、周りの連中がなにか……ウッワ、よく見たらその足元にありえないくらい普通の蜘蛛もいるぅぅぁああ……」

ハニー「……怖いなら目を瞑ってなさい、ロン。ドームから、出てきたわ……なに、あれ。小ぶりの象くらい、あるじゃない……」

717: 2012/11/12(月) 06:21:38.50 ID:x1/uRykr0
アラゴグ「なんの用だ……?」

ロン「おいおい冗談よしてくれ、蜘蛛が喋られるなんて、そんなのありかよ」

ハニー「蜘蛛じゃなくて、アクロマンチュラ。魔法生物よ、ロン」

大蜘蛛「人間です、アラゴグ。ハグリッドでない人間です。いつもの犬を連れていたので、とりあえずここに」

アラゴグ「殺せ。その程度のことはお前たちだけで判断しろ……眠っていたのに」

ハニー「ま、待って!待ちなさい!私たち、ハグリッドの友人よ!」

カシャンカシャンガシャンガシャン!

アラゴグ「……興奮するな、お前たち。ハグリッドは、この窪地に人をよこしたことなどない。どうやってそれ証明する」

ハニー「あぁ、ファングを連れているのを見て分からないなら、あなたって私の期待してたアクロマンチュラ像以下みたいね」

アラゴグ「……いいだろう、ハグリッドの友人だとして。何故、ハグリッド本人は来ない。見張りの蜘蛛は、お前たちが森の端に来たときから、お前たちきりだった、と言っているが」

ハニー「それは。そう、それが問題なの。ハグリッドが大変で、とてもここには来られないから……」

アラゴグ「……大変?ハグリッドが、か?」

ハニー「……どうやら、本当にあの蜘蛛とハグリッドはとっても親しい友人のようよ、ロン」ヒソヒソ

ロン「あぁ、僕ぁハグリッドを心底尊敬するね、見習いたくはないけどさ絶対」

720: 2012/11/12(月) 06:37:13.88 ID:x1/uRykr0
アラゴグ「ハグリッドに、何があった。去年、ドラゴンを飼おうとしたのは聞いたが。まったく、奴は変わらない。そう、五十年たっても……」

ハニー「……それよ。五十年前……あなたがスリザリンの怪物だと誤解されたことで」

ハニー「ハグリッドは今の事件でも疑われて、掴まってしまったの。つい、さっき」

アラゴグ「なんだと……なんだと!!」

ガシャンガシャンガシャンガシャン!!

ロン「ひぃっ、鋏を打ち鳴らして、なんなんだよもぉおお!一々リアクションそれかよ!」

アラゴグ「人間どもめ、また同じ過ちを繰り返す気か……!わしが、『秘密の部屋』の怪物!?なにを。そもそも、わしはここの生まれですらない。遠い地から卵を旅人に運ばれ、ハグリッドに与えられたのだ」

ハニー「あの豚は、もう。学生の頃からそんなだったのね……それで、城であなたの面倒を?」

アラゴグ「……そうだ。食事の残りを集めて食べさせてくれた。ハグリッドは、奴は、わしの親友だ。女の子を頃した罪を被せられたときも、ハグリッドが庇ってくれたおかげでわしはこの森に住むことができた。そして、みろ」

ガシャンガシャンガシャン!

アラゴグ「モクザを、妻も連れて来てくれたおかげで。わしの家族はこんなに大きくなった……全て、ハグリッドのおかげだ。あれは優しい人間だ。あれに誓って、わしが城で人間を襲うはずなんてないのに。誰も理解しなかった……」

ハニー「……悲しい話ね。女の子、そう、女の子なのね……その子を、頃したのは?」

アラゴグ「わしらは、その生き物の話しをしない。あれはわしら蜘蛛の仲間が何よりも恐れる太古の生き物だ。トイレでその女の子が殺されるずっと前から、わしは城中を動き回っている気配を感じていた。何度、ハグリッドに外に出してくれと頼んだことか……」

ハニー「……そう。これ以上聞いても、お教えくださる気はないようね」

721: 2012/11/12(月) 06:38:10.49 ID:x1/uRykr0
アラゴグ「引き際をわきまえているな、人間」

ハニー「そうね、諦めは悪いほうだけれど……それじゃ、私たちは、帰るわ。さっ、ロン。立って……あなたまで立てないなんて言わないわよね」

ロン「は、っはは!大丈夫、たとえ僕の腰が抜けててもハニーのためにね……!」

アラゴグ「帰る?……それはなるまい」

ガシャンガシャンガシャンガシャン!

ハニー「……え?」

ロン「……ほぁ?」

722: 2012/11/12(月) 06:45:25.78 ID:x1/uRykr0
アラゴグ「わしの命令で、わしの子供たちはハグリッドを傷つけはしない。だが、わしらの真っ只中にノコノコとやってきた新鮮な肉をおあずけにはできまい……さらばだ、ハグリッドの友人」

ハニー「っ、まち、待ちなさい!!あなた、そんなの!ハグリッドを、裏切ることに……!」

アラゴグ「わしは、城では絶対に殺さない。そう約束したまでだ。ここはわしの巣、好きにさせてもらう」

ハニー「そんな屁理屈が……っ!あぁ、もう!ほんと、こういう時に役に立たないんだから、私の脚!曲線美くらいじゃないの!」

ロン「それだけで世の男は虜だけどね!っ、ハニー、さぁ、僕の背中に!は、っはは、僕のが震えてるかもしれないけど、見逃してよね!ヒンヒン!」

ハニー「えぇ、出来る豚ね、ロン……でも、これじゃ」

ガシャンガシャンガシャンガシャン ジリジリ、ジリ

ハニー「……どこに、逃げるって言うの?」

ロン「見渡す限り大蜘蛛の群れ、あぁ、僕らの未来は明るいねまったく、ちょうどあっちに出てきたなんだか強い光みたいに……なんだ、ありゃ。二つ、こっちに、近づいて……あ!」

ブルルンッ!!ザザァァァ!

ハニー「! ロン、あれ!!」

ロン「おったまげー!ハニー、あれ!僕らが乗ってきた、空飛ぶ車だ!!」

725: 2012/11/12(月) 06:53:34.65 ID:x1/uRykr0
ロン「こいつ、すっごいや。なにがどうなってるのか分からないけど、野生化してる。僕がハンドルもアクセルも踏んでないのに動いてるよ」

ハニー「意思が宿ったのかしら、でも、どうして……あぁ、そうね。あなたは最後にそういえば、私の言葉に答えてたわね……私の豚?」

ブルルルンヒンヒンブルンッ!

ロン「やったねハニー、無生物もついに制覇さ!」

ハニー「えぇ、私の魅力は留まらないみたいね、知ってたけど」

ロン「あぁ、だってそれって机に零したカボチャジュースが一面に広がるくらい当然のことだもんな……ハグリッドの小屋が、見えてきたよ」

ハニー「……蜘蛛を探せ、だなんて。とんだ提案だったわね」

ロン「まったくだよ。アラゴグなら、自分の親友なら僕らを傷つけない、って思ったんだろうけどね。人間の基準で考えちゃダメだってのに!怪物はどうしたって怪物なんだ、うん。蜘蛛ってのはそんなもんさ」

ハニー「……そうかしら。アラゴグの目が見えていたら、結果はもう少し変わっていたかもしれないわ」

726: 2012/11/12(月) 06:55:43.24 ID:x1/uRykr0
ロン「え?あいつ、盲ていたのかい?」

ハニー「えぇ。とにかく、今日は散々だったけど……収穫がなかったわけじゃないわ。ハグリッドは完全に無実だった」

ロン「あぁ、リドルの奴め、お世話様さ」

ハニー「えぇ、それに、殺されたのは女の子で」

ロン「トイレで、ってね。うん」

ハニー「……五十年前殺された女の子?」

ロン「……トイレ?」


ハニー・ロン「「嘆きのマートル!?!?」」

729: 2012/11/12(月) 07:00:37.23 ID:x1/uRykr0
ロン「僕ら、あぁ。何度もあのトイレに行ってたってのにさ、ちくしょう、マーリンの髭!」

ハニー「ここのところは、授業間の移動は教授が引率しての集団移動だもの……豚の誰かに頼もうかしら」

ロン「あぁハニー、なんだか教員豚は総意で『ハニーを絶対に守り隊!』ってモットーを決定したみたいだよ。血の涙を流す決定をしてでも、君を守る選択肢を選ぶってさ」

ハニー「……見上げた豚たちね」

ロン「あぁ、漢だね、漢。豚の中の。それでさ、ハニー……信じられないことといえば、もう一つ。君の信じられないくらいの美しさは別として」

ハニー「空前絶後ね、えぇ。なぁに?」

ロン「……なんでこんな状況で、テストなんてするんだろうねちくしょう!ちくしょうマーリンの髭!髭!!!」

ハニー「……可能な限り普通通りの学校運営をする、っていうのがマクゴナガル校長代理の方針なのでしょう。諦めなさい」

730: 2012/11/12(月) 07:04:35.80 ID:x1/uRykr0
ロン「こんな状況で、しっかり復習なんて出来ると思うかい?」

ハニー「さぁ、心持次第かしら。ハーマイオニーが最後に残してくれた復習予定表はしっかり守りなさい、ロン?私の豚?」フーッ

ロン「うひゃぁヒンヒン!そ、そうしたいけどね。ほら、僕の杖はこんなんだし……あぁ、今年こそ進級できるかどうか……そういや、ジニーは平気かな」

ハニー「なぁに?ジニーは、成績があまりよくないの?」

ロン「そういうことじゃないんだけど……ハーマイオニーが石になってから、またすごく塞ぎこんでるって話だ。フレッドジョージが笑えないギリギリの身をていしたギャグをしても、全然なんだって」

ハニー「それはやりすぎなのよただ単に」

735: 2012/11/12(月) 07:11:15.53 ID:x1/uRykr0
テスト三日前

マクゴナガル「みなさん、おはよう!おはようございます!良い知らせです!」

ザワザワ ザワザワガヤガヤ
ネビル「ダンブルドアが戻ってくるんですか!」
ラベンダー「スリザリンの継承者を捕まえたんですね!?」
オリバー「クィディッチが再開されるんですね!?ウォーーー!」
ロックハート「僕の新作が明日発売なんですよね☆」キャー!カッチャウカッチャウー!
ガヤガヤザワザワ

ロン「ハニー記念日が制定されたのかな」

ハニー「毎日じゃない、それ」

ロン「そうだった」

マクゴナガル「スプラウト先生の報告で、マンドレイクがついに収穫とあいなったそうです!すなわち、今夜にも!石になった生徒は、元に戻るでしょう!」

ワァアアアアアアアアアアア!!!
 パチパチパチパチパチ!!

ロン「! やった!やったね、ハニー。それじゃ、マートルに聞きそびれたことはどうでもよくなった。ハーマイオニーが元に戻れば全部教えてくれるだろうし、あぁ、彼女、テスト三日前って聞いたら泣いちゃうんじゃないかな……ハニー?」

ハニー「……なぁに、ロン♪」

ロン「あぁハニー!上機嫌な君もとってもステキだよ!いつもだけどね!ヒンヒン、ヒーン!」


ジニー「……おはよう、おねぇさま」

736: 2012/11/12(月) 07:17:57.36 ID:x1/uRykr0
ハニー「ハァイ、ジニー♪」

ジニー「あぁ、優しい笑顔のおねぇさまステキ……そうだよね、マンドレイクが……」

ロン「はは、なんだいジニー。やっぱりちょっと複雑かい?でも喜んでくれよ、ハニーもこれ以上ないくらいご機嫌さ」

ハニー「私はいつだってご機嫌よ、ロン♪」

ロン「そうだね、君をわずらわせるものはこの僕が全力で阻止するし……ジニー?どうした?もじもじして……君がそういう時は、何か言いたいことがあってしかたない、って時なんだよなぁ」

ジニー「っ、あの、私……」

ハニー「どうしたの、ジニー?……私に、聞かせてくれる?」ツツーッ

ジニー「あぁ、お、おねぇさま……あのね。私……私、あの、『部屋』の……」

パーシー「やぁ、おはようみんな。報せを聞いたかい?とても嬉しいね。おはよう、ジニー。ご飯を食べないなら、そこに座っていいかな」

ジニー「っ!!ど、どうぞ!私、用事があるから!」

ロン「あっ、おいジニー!……パース、空気読めよ!!!」

737: 2012/11/12(月) 07:22:38.16 ID:x1/uRykr0
ロン「ジニーは何か僕らに相談しかけてたんだぞ!?」

パーシー「あー、そうだったのかい?そうは、とても。なんだか、黙っていたし……」

ロン「知ってるだろ、あの感じのジニーは言い出したくても言い出せないって面倒くさい状態なんだ、って!それに、『部屋』って!『秘密の部屋』に関することかもしれなかったのに!」

パーシー「ブフッ、ゴホッ、ゴホッ。あー、あの子がそう言ってたのかい?あー、いや、違うよ。それはきっとだね、僕の……あー、口止めはしたんだけどなぁ」

ハニー「あなたのこと?」

パーシー「そうさ、うん。たまたまね、僕がある部屋で、あー、ちょっとあの、そこにたまたま、ジニーが……」

ロン「……なぁにしてたのさ、パーシー。さぁ、吐けよ。笑わないから」

パーシー「……ニヤニヤしながら兄をからかうんじゃない! さぁ、テストは頑張りたまえよ。ハニー、君の成績にはとても期待している。ロン、君は……うん、がんばれ」

ロン「うるさいな!」

ハニー「あなたも、首席を目指してね、パーシー」

738: 2012/11/12(月) 07:29:27.79 ID:x1/uRykr0
ロン「明日になれば、ハーマイオニーは戻ってくる。けどさ」

ハニー「マートルのところに行って話しをするチャンスがあれば、見逃さないわ」

ロン「それで、それはきっとこのボンクラ教師が引率のこの時間なんだろうけど……」

ロックハート「ふぅ、ファー。あぁ、すまないね諸君。少し寝不足で。新作のための情報操sゲフン執筆に追われていまして……」

キャー!ロックハートセンセーツカレタスガタモステキー!

ロックハート「ありがとう、ありがとう。それにしても、ここまでする必要があるのか甚だ疑問ですよ。だって、明日には犠牲者みんなが口をそろえるのですから。『ハグリッドでした』って、ね。そうでしょう?」

ハニー「その通りだわ、先生」

ロン「まったく、彼には困りっぱなしですよね、せんせー」

ロックハート「あぁ、ありがとうハニー、それにもてない君」

ハニー「先生、もうそこの廊下までなのですから、引率はここまででいいのではないでしょうか。もう事態も終結するんですもの」

ロックハート「えぇ、実を言えば私もそう言おうと思っていましたよ!HAHAHA!気が合いますね、ハニー。また、どこかで二人きりで。それでは!HAHAHAHAHAHAHAHAHA」

ロン「……ほんとに行っちまった。底抜けのバカだな」

ハニー「おかげで助かったわね。さぁ、行きましょう」

741: 2012/11/12(月) 07:37:07.50 ID:x1/uRykr0
ロン「……」

ハニー「……」

マクゴナガル「……」

ハニー「……違うんです」

マクゴナガル「違う、なるほど?本来『魔法史』の教室にいるべきあなたたちが、なるほど!?こんなところにいつのはそれ相応の理由がある、そう仰りたいのですね!?」

ロン「こっぇー……あぁ、どうしよう。あー、先生。僕達、ただ、様子を見にいこうって。その……」

ハニー「……ハーマイオニーの」

マクゴナガル「……ミス・グレンジャー、の?」

ハニー「先生、もう随分長いこと、ハーマイオニーに会っていませんわ。面会しようにも、話せないのに会ってもしょうがないでしょうって、通してくれないんですもの」

マクゴナガル「それは、えぇ、まぁ……絶対に安静ですから……」

ハニー「先生、私、だから……あぁ、こっそり医務室に忍び込んで。それで、ハーマイオニーの……っ、手を、握って、あげて。もうすぐ戻れるわよ、って……言って、あげたく、っ!」

ロン「あぁハニー、僕の胸をお使いよ。そうだね、うんうん。さぁ、マクゴナガル先生?気丈なハニーのこんな姿をみて、あなたは?」

マクゴナガル「なんと、なんて美しい友情でしょう、ポッター!グリフィンドールに三十点!」

ロン「あぁ……今更だけど、ホグワーツの先生って割りとちょろいよね、ハニー」ヒソヒソ

ハニー「そうね、マクゴナガル先生に限ってはとっても純粋な面もあるということだわ」

744: 2012/11/12(月) 07:45:12.11 ID:x1/uRykr0
医務室

ロン「あぁいって、送り出された手前。来ないわけにはいかなかったけどさぁ」

ハニー「……あの時のままね。ハーマイオニーは」

ロン「そりゃそうだよね……石がそう簡単に形変えてちゃおかしいもんな」

ハニー「……それも、今夜までだわ。ねぇ、眠り姫さん?ふふっ、そういえばこの方法も試してみる価値が……あら?」

ロン「ハニーに唇をなでられるハーマイオニー羨ましすぎてハニーの下で僕は悔し涙を……どうしたんだい、ハニー?」

ハニー「……」

ロン「!?っちょ、は、ハニー!そんな、あの、流石に僕もマジで目の前でそんな光景が繰り広げられるとあのどうすればいいのかわからあのちょっとトイレにいかせてもらって……!」

ハニー「プハッ……こぇ、よ。コホッ。……ハーマイオニーの、口の中に。これが入ってたわ……見越してたのね、ハーマイオニー。私が、眠り続けるあなたに何をするかまで」

ロン「な、なんだい、これ。ハニーの唾液なんていう聖水に包まれたこれ……古い本の、切れ端……?」

748: 2012/11/12(月) 07:50:28.81 ID:x1/uRykr0
『我らが世界で徘徊する多くの怪獣、怪物の中でも、最も珍しく、最も破壊的であるという点で、バジリスクの右に出る者はいない――』

ハニー「……バジリスク……あぁ、そうだわ!そう、そうよ!どうして、今まで気づかなかったのかしら!」

『――バジリスクとは 別名『毒蛇の王』とも呼ばれる巨大で、何百年も生きながらえる“蛇”であり――』

ロン「蛇、何百年も生きる毒蛇……あぁ!だから、だから君にしか、例の声は!」

『――毒牙のほかに、この蛇の一睨みはその眼を覗いてしまった者を即氏させる』

ロン「うん?でも、待ってくれよ。覗いてしまった者を即氏……でも、誰も氏んじゃいない。そうだよね?」

ハニー「……きっと、誰も。みんながみんな、奇跡的に、こいつの眼を『直接』見ていないから、だわ!」

751: 2012/11/12(月) 07:58:24.70 ID:x1/uRykr0
ハニー「あの猫は、水浸しの廊下に反射したこの蛇の目を」

ロン「そうか!コリンはカメラ越し!ジャスティンは透けたニックの身体越し!ニックは直接見ちゃったろうけど、二度は氏ねないもんな」

ハニー「そして、全部に気づいたハーマイオニーは……道行く女生徒に、角を曲がるときは鏡で先を確認してからにして、って教えたんだわ!だから、二人とも鏡を!」

『蜘蛛が逃げ出すのはバジリスクが来る前触れであり、彼らは天敵同士であると考えられている。バジリスクをとめる唯一の方法は雄鶏の鳴き声であり、バジリスクはその一鳴きを聞いただけで逃げ出してしまう』

ハニー「ハグリッドの雄鶏が殺されてた。全部、全部辻褄があう。きっと、この……」

ロン「あー、ハニー。君がいう事は全部正しい。でも、ちょっと一つだけ。こんな、きっとものすごく大きい蛇が、さ。どうやって城中を移動してたんだろう」

ハニー「その答えも、ここに書いてあるわ。みて、ここ。ハーマイオニーの筆跡で、走り書きが……」

ロン「……『あぁハニー、きっとこれを読むときあなたはとても悲しんでいるでしょうね分かるわあなたのことをずっと思っているものだってわt』」

ハニー「そこじゃなくて」

ロン「こんなもん書いてる暇があるなら……言うだけ野暮か。えぇっと、最後の最後に詰め込み気味で、一言……『パイプ』」

ハニー「この城中に張り巡らされてる、床下や壁に通った配管。そこを、移動してたのよ。ねぇ、ロン。そんな配管が集中してる場所が、『秘密の部屋』の入り口だとしたら?そこで五十年前出くわした可哀想な子が、犠牲になっていたとしたら!?」

ロン「! 『秘密の部屋』の入り口は、マートルんとこ、ってことか!」

ハニー「正解よ!褒めてあげるわ、私の豚!」

754: 2012/11/12(月) 08:07:17.06 ID:x1/uRykr0
職員室

ロン「先生方に報告しよう、ってことで、滅多に来ないこの部屋で待機しているけどさ、ハニー。あぁ、座りごごちはどうだい?」

ハニー「相変わらず最適よ……そうね、もう終業のはずなのに、どうしてベルがならないのかしら。それに、先生方も、誰も……」

『緊急連絡です』

ロン「あれ?終業のベルでもなく、マクゴナガルの声?」

『生徒は今すぐ寮へお戻りなさい。教師は全員、職員室へ大至急お集まりください』

ハニー「……まさか、また、誰か?」

ロン「そんな、嘘だろ!?こんな最後の最後で……あー、ハニー?どうする?寮に戻るかい?」

ハニー「……いいえ。この中に入って、何があったのかを聞きましょう。それで、その後に先生方の前で私たちの気づいたことを報告すればいいわ」

ロン「あぁ、そうしよう……って、その、狭い、洋箪笥の中にかいハニー!?ヒンヒン!」

756: 2012/11/12(月) 08:13:52.39 ID:x1/uRykr0
ハニー「……」

ロン「あぁハニーの匂いハニーの感触これだから僕はハニーを膝に乗せるのはなるべく避けていたんだあぁこれはまずいまずいよロニーキャノンズが一五三失点キャノンズが……」

マクゴナガル「……全員、お集まりですね」

スネイプ「あの優男がいないようですが、確かに。頭数にはいれないほうがよいでしょうな」

マクゴナガル「えぇ、急いでいますから、端的に。とうとう、起こってしまいました。生徒が一人、怪物に連れ去られました。『秘密の部屋』の中にです」

ザワザワ ザワ

スネイプ「……っ。どうして、そうはっきりと言えるのですかな?目撃者でも?その者も、無事であるはずが」

マクゴナガル「『継承者』はまた、伝言を書き残しました。最初の事件の時に残されたものの横に、はっきりと。『彼女の骨は永遠に『秘密の部屋』に横たわるであろう』と」

フーチ「……誰です?どの子ですか?」

マクゴナガル「……ジニー・ウィーズリー」

ハニー「な……」

ロン「」

757: 2012/11/12(月) 08:19:53.14 ID:x1/uRykr0
マクゴナガル「全校生徒を、明日までにすぐに返さなくてはなりません。この学校はもうお終いです……ダンブルドアは、いつもおっしゃっていました。彼が――」

バターン!

マクゴナガル「! あ、アルバス!?今までどこに……」

ロックハート「やぁやぁ、HAHAHAHAHAHA!遅れてしまって申し訳ありませんね、春のうららかな日和が僕の春眠を暁にフォーゲットしてしまいましてねっ☆でもまぁ、主役は遅れてくるものです!」

マクゴナガル「……」

スネイプ「……」

マクゴナガル「……『異形変身拷問の呪い』を……」

スネイプ「気持ちは非常によく分かりますぞ、マクゴナガル。ですが杖をお下げくださいますかな……これは、これは。ロックハート。まさに適任の登場だ。流石ですな?」

760: 2012/11/12(月) 08:26:06.43 ID:x1/uRykr0
ロックハート「HAHAHA!どうしました、スネイプ先生!ようやく僕を認めてくださいましたかえぇ、何せ僕は……」

スネイプ「あぁ、ロックハート。数々の偉業をなしとげ、冒険し、人々を救った。正に英雄と呼んでいいほどの働きぶり、そうだな?」

ロックハート「HAHAHA!そんなに褒めても私のサイン本しかでませんよ!明日発売ですけどね、気分がいいので、お渡しして……」

スネイプ「いや、いや。受け取るのは次に出る本にしてもらいたい。あなたが見事『秘密の部屋』より生徒を助け出した際の冒険談を書き綴った本を、ね」

ロックハート「HAHAHA!お任せ……は?」

スネイプ「つい今しがた、生徒が『秘密の部屋』に連れさらわれた。おぉっと、野暮なことを言って申し訳ない」

スネイプ「一連の事件で毎度毎度『その兆候はとっくに気がついていたのに!』っておっしゃっていたあなたには、無用の情報ですかな?男子生徒の身柄の安否も、すでにご存知に違いない」

ロックハート「あ、あぁ、は、はは。あの、そうですね!その彼は、今……」

スネイプ「これは、これは。重ね重ね申し訳ないロックハート。我輩のミスに付き合ってもらってありがたい。連れさらわれたのは女生徒でしたな?え?」

ロックハート「あ、あは、は……そう、でした、ね」

765: 2012/11/12(月) 08:33:35.74 ID:x1/uRykr0
スネイプ「それでは、ロックハート。あとのことは頼みましたぞ」

ロックハート「は、はは?えぇっと、あと、あとのこと、という、のは、どういう」

スネイプ「もちろん、昨晩の会議でも散々『秘密の部屋の場所はあばいていますよ!とっくにね☆』とおっしゃっていたのを忘れはしませんぞ?」

ロックハート「あー、あの、あれは」

スネイプ「『部屋の中の怪物が何か、先生方、本当に分からないのですか?HAHAHA!』などとも」

ロックハート「そ、そんなことを言いましたかな?あの、覚えが……」

スネイプ「我輩は、たしかに、覚えていますぞ。『ハグリッドが掴まる前に自分が怪物と対決するチャンスがなかったのは残念だ』と?」

ロックハート「あ、あの、は、はは、スネイプ教授、誰かにその、記憶でもいじられ、あの」

スネイプ「何もかも不手際だった最初から自分に任せてほしかったそうすれば即座に解決できた」

スネイプ「いや自分はすでに此処から解決にみちびくための手札をとっくに持っている!」

スネイプ「そう仰っていましたな魔法界一の探検家英雄この城一番の教師たるロックハート!」

スネイプ「さぁ、それでは我々残された教師は。拍手で、君をお送りするとしましょう。勇敢なる、我輩たちの英雄を」

パチパチパチパチ

ロックハート「あ……は、はは、ハハハハハ!あの、そうですね!それでは、こ、これで!失礼!」

バタンッ!

766: 2012/11/12(月) 08:40:21.09 ID:x1/uRykr0
スネイプ「……」

マクゴナガル「……やりすぎですよ、セブルス」

スネイプ「まだ足りんくらいですな。厄介払いには丁度良いでしょう」

マクゴナガル「えぇ、まあ。さぁ、寮監の先生方はすぐに寮へお戻りになって、生徒達に説明を。明日一番のホグワーツ特急で、皆を帰すと。伝えてください」

マクゴナガル「他の先生方は見回りを。もう、もう誰も。どの子も、犠牲にしてはいけないのです。では」

ザワザワ ガチャッ ザワザワザワ  バタンッ

ハニー「……」

ロン「……」

ハニー「ロン?私の……わたしの、ロン?」

ロン「は、にー。あぁ、あぁ、ごめんよ。僕。あぁ」

ハニー「……いいのよ。たまには、わたしがあなたのクッションになってあげる。だから、ほら……もう誰もいないわ。声も、聞こえない。ね?」

ロン「あぁ、あぁ……ジニー、ジニーぃ、僕が話しを聞いてやるべきだった、僕が、僕は、あの子の、お兄ちゃんなのに……!」

ハニー「……誰もあなたを責めないわ……いいこ、いいこ」

769: 2012/11/12(月) 08:46:33.02 ID:x1/uRykr0
ロン「……っふー。ごめんよハニー、僕のハニー!見苦しかったね。僕は君の一番の豚なのに」

ハニー「いいのよ、豚の衛生管理も私の役目でしょ」

ロン「君がいればいつだって僕の心は晴れやかさ!……ジニーは、まだ氏んだって決まったわけじゃない」

ハニー「そうね。それが決まるのは、私たちが彼女を見つけたその時だけだわ」

ロン「……あぁ。行こう、ハニー。ハーマイオニーの分、ジニーの分。他の同胞の分、全部ひっくるめて」

ハニー「えぇ、秘密の部屋でドヤ顔してる、継承者様を。ひっぱたいてやるのよ。いいわね?」

ロン「もちのロンさ!マーリンの髭を食わしてやろう!!」

772: 2012/11/12(月) 08:57:34.44 ID:x1/uRykr0
ロックハートの部屋前

ロン「で、ロックハートに教えちまうのかい、ハニー?」

ハニー「えぇ。強制とはいえ、あの人はいまからフリでも『部屋』を探さなくちゃいけないでしょ?豚にはしたくないけれど、使えそうならつれていくわ」

ロン「ヒンヒン!抜け目ないねハニー!君は史上一の策士さ!」

ハニー「割とあなたに出し抜かれてる気もするのだけれど……」

コンコンッ

 ロックハート「あー、はい?私はいま忙しくて、あの……」

ハニー「ロックハート先生。ハニー・ポッターです。ここを開けて」

 ロックハート「あぁ、ハニー……あー、そうしたいのは山々ですがね、その」

ハニー「……是非に、お話したいことがあるの。私たちの、大切なこと。ねぇ、せんせ……?」

ガチャッ!

ロックハート「おまたせしましたねハニー!HAHAHA……は?なんだ、もてない君も一緒かい……?」

ロン「当たり前だろ僕はいつだってハニーんとこにいるようるさいな」

773: 2012/11/12(月) 08:58:09.78 ID:x1/uRykr0
ハニー「入ってもいいかしら、先生。すこしお教えしたいこと……って、なぁに、この荷物」

ロン「……あー、先生?引越しでもなさるんですか?壁中のポスターもはがして、そこらじゅうひっかきまわして……」

ロックハート「あー、えぇ。その、そのようなものですかね。緊急の、呼び出しでして……はは」

ロン「……僕の、妹はどうなるんです」

ロックハート「あぁ、そのこと、そうですね、誰よりも私が一番残念に思っている。しかしなにせ、緊急で……」

ロン「逃げ出すって言うのかよ!あれだけ、自分の手柄を本やらなんやらで自慢してるくせに!」

ロックハート「あぁ、ハハ……ねぇ、君。本は誤解を招く。そうでしょう?」

ハニー「……ご自分が書かれたものは、全部嘘八百だった。そう言っているの?」

776: 2012/11/12(月) 09:05:37.82 ID:x1/uRykr0
ロックハート「まぁ、まぁ。あの……まだまだお子様の子供たち、よーく考えてほしい」

ロックハート「簡単なことだ。私の本があんなにたくさん売れるのは、本に書かれたハラハラドキドキな出来事を、全部このイケメンでしくよろな僕がやった、とみんなが思うから。そうでしょう?」

ロックハート「これが、片田舎のやぼったい魔法騎士のお話だったとしましょうか」

ロックハート「救われた人々が最初のうちは感謝こそせど、本にして売り出してベストセラーになると思うかい?いいや、いや。断言しましょう、売り上げは十分の一以下でしょう。ファッションというのはそういうものです」

ロックハート「まぁ、つまり……世の中というのは、そういうものなのですよ。子供たち。ハハハ」

ハニー「……」

ロン「じゃぁつまり、あんたは……人の活躍を勝手に本にして、って。そういう?」

ロックハート「あぁ、ハハハ。もてない君、いいや。そんなに簡単なことじゃない。仕事はしますよ、ちゃーんとね。主に取材、そして情報操作」

ロックハート「『忘却術』というのはご存知かな?ハハハ。私のとりえはこれだけでしてね」

777: 2012/11/12(月) 09:12:15.03 ID:x1/uRykr0
ロックハート「まずはそうった逸話を探し出す、これが以外に難しい。有名すぎても地味すぎてもいけない」

ロックハート「そして、当事者たちに話しを聞いていくのです。私は、有名になる、前は男性からも好印象な良き青年でしたからね!みなさん快く話してくれましたよ」

ロックハート「それから、『忘却術』でもって。事件のあらましも、何もかも。そして僕と言う存在、これが中々難しいけど、それを忘れていただく。なにも後遺症は残らない、いつもの日々」

ロックハート「そして私は苦労の対価としてお話とその栄誉を得る。大変な仕事ですよ、あぁ、ハニー。私はいつかあなたに言いましたね?」

ハニー「……」

ロックハート「有名になりたければ、倦まず弛まず長く辛い道のりを歩く必要がある……君のような女の子に、それがわかりますか?いいえ、無理でしょうねぇ」

ロックハート「さぁ、これで全部だ。私はここを後にする……おぉっと失敬、はは、HAHAHAHAHA!忘れ物ですよ」

ロックハート「君たちの記憶を、いただかないといけませんねっ」パチンッ☆

781: 2012/11/12(月) 09:19:29.27 ID:x1/uRykr0
ロックハート「ずびばぜんでしだ……」ボロッ

ロン「残念だったね、僕の杖は今使えないから、呪文唱えるより先に手と足が出るんだよこの優男この野郎ハニーに杖を向けやがって」

ハニー「まぁその杖も、私が『武装解除呪文』で取っておいたのだけれど……さぁ、先生。私に酷いことしようとした代償は高いわよ?」

ロックハート「私に、グスッ、何をさせようというんです。『秘密の部屋』のことなんてなにも、グスッ、ひどいや。パパにも殴られたことないのに。うぅ」

ロン「黙れよ気持ち悪いな」

ハニー「運がいいわね、私たちはそれがどこにあるか知ってるわ……さ、行きましょう、ロン」

ロン「えっ、こ、こいつも連れていくのかいハニー!?君の決定なら僕に逆らう選択肢はないけどさぁ」

ハニー「あのね、ロン。これまでの会話でこの人がどんな奴だか分かるでしょ。この人、私たちがどこにいくかコソコソ着いていったあげく、部屋の入り口のことだけを他の人にべらべら喋って保身に使うわよ、放っておいたら」

ロックハート「な、なん、のことだか、分かりませんね」

783: 2012/11/12(月) 09:26:13.32 ID:x1/uRykr0
三階女子トイレ

ハニー『開け』シューシューッ

ガガガガガガガガガコンッ

ロン「ワァーオ、流し台が引っ込んで、でっかい穴に……これが入り口ってわけだね」

マートル「うん、そうね。私が氏んだ時にみた二つの眼みたいなもの、確かにそのあたりだったかも」

ハニー「えぇ、ありがとマートル。さぁ、この下ね……どれくらいあるのかしら」

ロン「パイプみたいだし、きっと途中でカーブするから安心かな。それか、また去年のあれがあるといいけど」

ハニー「『悪魔の罠』ね、えぇ。あのかわいいの」

ロックハート「か、可愛い要素ないよね名前にね!?あの、あー、お二人?ハハ、やっぱり私が手伝えることは、ほら、ないようですから」

ロン「あるぜ?うってつけのが、さ。ほら、行くぞ!先に降りて二人分のハニーの着地マットになるんだ!っああああぁぁぁぁぁぁァァァァァァ……」

ロックハート「うわぁああああああんままぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁァァァァァァァ……」

ハニー「……大丈夫かしら」

マートル「頭はダメだとおもう」

ハニー「そうね、着地に失敗しないといいけど」

マートル「そうじゃなくて」

785: 2012/11/12(月) 09:32:54.96 ID:x1/uRykr0
秘密の部屋

ロン「おぅふ!ありがとうヒンヒン!ハニー、怪我ないかい?」

ハニー「えぇ、あなたのおかげでね。滑ってきて身体中ヌメヌメだけれど……ロックハートは?」

ロン「あぁ、そこの伸びてるよ。まったく使えない奴だよな、豚にはなれそうもない」

ハニー「そうね、そうわしないわ。先生、おきなさい」

ロックハート「うーん、うーん、こんなの、スターな僕のやることじゃ、うーん」

ハニー「文字通り地に落ちたのだから、もう覚悟しなさいよ」

ロン「落ちたどころか潜っちまったけどね」

790: 2012/11/12(月) 09:39:59.62 ID:x1/uRykr0
ポチャン、ポチャン

ハニー「……長そうね、この通路は」

ロン「そうだね。あぁハニー、本当におぶらなくてもいいのかい?僕はいつだって君のために背中をあけてるよ」

ハニー「いいのよ。何かあったとき、動けたほうが。ほら、忘れた?これでも私、反射神経はいいほうなのよ」

ロン「あぁ、何せ今世紀最年少シーカーだものな」

ロックハート「なんで僕が、私が、僕がこんな目に、あぁ、暗い、ジメジメする、こんなの、しくよろじゃない」

ロン「うるさいなあんたは……あれ?ハニー、このカーブの先、何かあるよ。行き止まりかな……」

ハニー「私の杖灯りでしか見られないから、ゆっくり近くにいきましょう……あっ、あぁ……こ、これ」

ロックハート「ひゃ、う、ひゃあ……ぬけ、がら。は、はははは。抜け殻で、このサイズ。は、ははは、ハハハハハハハ」

ロン「……へたっちまったよ、こいつ」

ハニー「……そうね、私も蛇じゃなければ、危なかったかも」

793: 2012/11/12(月) 09:47:15.56 ID:x1/uRykr0
ロン「ほら、立てよ。まったく豚以下だな」

ロックハート「いたっ、うぅ、ぅう……」

ロックハート「……今だぁああああ!!」

ロン「!?う、っわ!?なんだ、こいつ、いきなり!っああ!杖が!」

ハニー「!ロン!」

ロックハート「ははは、あっはは、HAHAHAHAHAHAHAHAHA!言ったでしょう、お嬢さん!スターになるには、どれだけ苦しくても耐え忍び、チャンスを待つ!こういうことですよ、さぁ!君のご友人を無事でいさせたければ、杖にかけた手をおろしなさい!」

ハニー「……っ」

ロン「こんの、おり、ろ!僕の上に乗っていいのはハニーだけだぞ!こんちくしょう!マーリンの髭!」

ロックハート「HAHAHAHAHA!さぁ、私はいまからお二人の記憶を消すことにしましょう!そうして、この蛇の抜け殻をもちかえり!あの子は無残な姿だった、それをみて君たちはおかしくなった、そう報告しましょう!」

ロックハート「HAHA!安心しなさいお嬢さん!誰もここでは見ていない、すこーしお楽しみもしてあげますからね!あなたには記憶の欠片も残りませんが!さぁ!お別れです!」

ハニー「……」

ロン「……」

ロックハート「『オブリビエイト!忘れよぉおおおおっわぁああああああああ!?!?!?!?」バーーーーンッ!!

ロン「……逆噴射どころか、杖が爆発して奴さんがぶっ飛んでいっちまった」

ハニー「いいざまだわ」

796: 2012/11/12(月) 09:55:54.25 ID:x1/uRykr0
ズズズガラガラガラッガラガラゴゴゴゴゴゴ

ロン「……な、なんだ?もしかして、今の爆発で、この通路のどっかにヒビでも……うわ!」

ハニー「!崩れてきているわ……走りましょう、ロン!っ!私たちの、真上!」

ガラガラガラッ!!!

ロン「ハニーぃいいいいいいい!!!」

ドンッ

ハニー「……え?」

ガシャァアアアアアアアアアアア!!

797: 2012/11/12(月) 09:56:36.35 ID:x1/uRykr0
ハニー「……そんな。嘘、嘘でしょ。そんな……あぁ、こんな重い瓦礫……うそ、うそよ!」

ハニー「ロン、ロン!返事、して!返事なさい!ロン!無事だって、言って……よ!ロン!私、わたしの!大切、たいせつな……!!」

ロン「あぁ、h、は、にー」

ロン「返事なんて、できないよ!普通に瓦礫の向こう側で無傷でいられるだなんて!君のその悲痛な叫び声の前じゃ無様もいいとこじゃないかぁ!」

ハニー「……」

ロン「……」

ハニー「ニヤニヤしないっ!!!!!」

ロン「あぁハニー、僕の姿が見えなくてもお見通し、ってね!さすがだねハニー!ヒンヒン!」

800: 2012/11/12(月) 10:05:06.91 ID:x1/uRykr0
ハニー「私は、先に進むわ。こうしてる間にも、ジニーが……その、大変なことになっているかもしれない」

ロン「あぁ、頼むよ。僕も出来るだけはやく、っしょ、っと。そっちに、いけるようにする。杖がないって大変だなぁ」

ハニー「あなたこの一年ほとんどそうだった気もするけれど……ロン。一時間たって、戻らなかったら」

ロン「君のとこに行く」

ハニー「……ロン、聞きなさい。その時は」

ロン「僕は君の一番の豚だ。何があっても、どんな場所でも、どんな結末でもね。そうだろ。ヒンヒン!でもね、ハニー。僕は信じてるよ。僕がヒンヒン掘ったこの穴に、君とジニーが二人で帰ってきてくれる、ってね」

ハニー「……立派なのをこしらえなさい。半端だったら、承知しないんだから」

ロン「あぁ、もちのロンさ!  いってらっしゃい、ハニー。僕の、ハニー」

802: 2012/11/12(月) 10:08:36.58 ID:x1/uRykr0
ポチャン、ポチャン

ハニー「……」

ハニー「……また、一人ぼっち」

ハニー「……なんて、思ってやらないわ」

ハニー「……ハーマイオニーのおかげで、ここまで来られた。ロンが助けてくれたから、前に進めた」

ハニー「……それに、ジニーだって。待ってる。そうよ。待ってるに、決まってる」

ハニー「一人じゃない。ちっぽけで弱いわたしは何の力にもなれないけど……私一人じゃないのなら」

ハニー「……絶対絶対、救ってみせるんだから。何もかも」

ハニー「……」

ハニー『開け』シューシューッ

ガコンッガガガガガガコンッガガガガッ

ハニー「……ここが、際奥の部屋ね。さぁ……行くわよ、わたし」

804: 2012/11/12(月) 10:13:01.42 ID:x1/uRykr0
ハニー「……あれ、なにかしら。人の像……もしかして、スリザリン?」

ハニー「ふぅん……あまりいい顔とは呼べないみたい。これは、私の祖先説は却下ね、えぇ」

ハニー「すごく大きい……頭の先から足元まで何メートルあるのかしら。足、足の……!ジニー!」

ジニー「」

ハニー「ジニー、ジニー!あぁ、こんな硬いところに寝そべって!あなたのお兄様がいればよかったのに、あぁジニー、私の妹……ねぇ」

ジニー「」

ハニー「返事を、して……」


リドル「その子は、目を覚ましはしないよ」

ハニー「っ!?誰!?……えっ」

リドル「やぁ、ハニー・ポッター。会いたかった」

ハニー「……トム?トム・リドル?あの、日記の?」

810: 2012/11/12(月) 10:23:45.65 ID:x1/uRykr0
ハニー「……ゴースト?いいえ、輪郭がなんだかぼやけているけれど、透けていない……どうなってるの?」

リドル「あぁ、僕はゴーストなんかじゃない。君も触れたじゃないか。『記憶』だよ。あの日記の中にあった、この僕のね」

ハニー「あぁ、ジニーの足元に……ねぇ、どういうこと?起きはしない、って、まさか」

リドル「まだ生きてるよ。ごらん、息だってある。だがかろじて、だ」

リドル「おチビさんは、僕に力を注ぎすぎたのさ。今に彼女は生きたえ、僕が彼女の生を得る」

ハニー「どういう、こと……あなたは、なんなの!?ジニーに何をしたの!?!?」

リドル「おやおや、なにも酷いことはしていないさ。ただ少し、おチビさんの悩みを聞いてやって。アドバイスしてやって……」

リドル「そして、彼女の中の衝動を自由にさせる、手助けをした。それだけだよ、ハニー・ポッター。さぁ、その子を助けるなんて無駄なまねはやめようじゃないか」

リドル「話しをしよう。僕はずっと待っていたんだ、君に逢える、この瞬間をね」

813: 2012/11/12(月) 10:28:34.09 ID:x1/uRykr0
ハニー「……私のことを、私が話した以上によく知っているようだけれど」

リドル「あぁ、もちろんさ。この一年、そこのおチビさんから君のことばかり聞かされていた」

リドル「ハニーが、ハニーを、ハニーの……ハニーハニーハニー。あぁ、よっぽど胸焼けがしそうだったね」

リドル「ただ、僕はやろうと思えばいくらでも社交的になれる。ジニーの弱音に根気強く付き合ってやった。優しい、友を演じたのさ。おチビさんはどんどん僕にのめりこんでいったけど」

リドル「どうして彼女がこうなったか、さっきそう聞いたね?それはもう、おチビさんの自業自得さ」

リドル「誰なのかわからない目に見えない人物に心を開き、自分の秘密をさらけ出しすぎた。魔法使いとして、それは致命的だ」

リドル「そう、特に。僕のような、得体の知れない相手にはね」

814: 2012/11/12(月) 10:29:52.35 ID:x1/uRykr0
スリザリンは男 女子トイレになったのは原作者からのフォローなし 昔は男子トイレだった説魔法の兼ね合いが一番いい場所があそこだった説スリザリン変態説色々ある
これでいいか

817: 2012/11/12(月) 10:35:51.86 ID:x1/uRykr0
リドル「ジニーはどんどん、僕を信用していった。『まるでポケットにいれて運べる友人みたい!』」

リドル「はっは、あっはははは!僕は日記の中で腹を抱えて笑ったね!」

リドル「僕に心を打ち明けることで、自分の魂を僕に注ぎ込んでいることも知らずに!」

リドル「これが友情というのなら、やはりそんなものは必要のないものなのだろうさ。僕には検討もつかないがね」

ハニー「……残念な人ね」

リドル「なんとでも言いたまえ。そして、僕はおチビさんの心の深くも、暗い秘密も餌食にして段々と強くなっていった。おチビさんとは比べられないほど、強くなれたころ……あれは、ハロウィーンの前あたりかな?」

リドル「今度は僕の秘密をこの娘に、少しだけ渡して。僕の魂をこの娘に注ぎこんだんだ」

ハニー「……どういうこと?それは、まるで……嘘、そんな……」

リドル「あぁ、そうだ。やっと気づいたかい?君は綺麗で可憐で、おまけに成績も優秀だと聞いていたけどね?見込み違いだったかな?」

リドル「秘密の部屋』を開けたのは、この娘だ。この一年この城でおきた事件の全てに手を下したのは、ここに無様に横たわるジニー・ウィーズリーなのさ」

819: 2012/11/12(月) 10:40:50.94 ID:x1/uRykr0
ハニー「全部、あなたじゃないの!あなたがやらせたんでしょ!ジニー、ジニーは、悪くないわ!」

リドル「あぁ、そうだろうね。最初は自分が何をしているか自覚がなかったようだもの。でも段々、気づいてきたみたいだ。一度は僕を手放した」

リドル「あぁ、そこで一度君に会えたときは心が躍ったね!まさに目標の君に逢えたのだから!大盤振る舞いで、僕がハグリッドのグズをとっつかまえた名場面をお見せしたのさ」

ハニー「じゃあ、あなた!分かってて、ハグリッドが無実だ、って……いいえ!それどころか!あなた、あなたが……!」

リドル「そうだ。どいつもこいつも馬鹿ばかりだった。ハグリッドみたいな奴に、偉大なるサラザール・スリザリンの意志がつげるわけがあるか!」

リドル「この、僕が!スリザリンの継承者だ!そして、この娘もね」

822: 2012/11/12(月) 10:47:06.52 ID:x1/uRykr0
ハニー「ジニーは、違うわ!」

リドル「違わないさ。この子は後半になるにつれ、意識も十分にあったはずだ」

リドル「それなのにこの子は誰にも打ち明けなかった。僕の存在を知らせなかった。共犯だよ、この子もね」

リドル「僕には言ってくれなかったけれど、本当は、君のご友人をやったときも精々したのではないかな。それで、この子は……」

ハニー「黙りなさい!ジニーはそんな子じゃないわ!ただ、ただ怖かっただけ……」

リドル「そう、この子は自らの保身のために大勢を犠牲にした。卑しい人間の弱さに付け入るのは、僕の特技でね」

ハニー「っ、この……」

リドル「あぁ、そうだ。もうおチビさんのことなんてどうだっていい。さぁ、ハニー。ハニー・ポッター。今ここにいるのは僕と、君だ!君のことを教えてくれ、ずっと会いたかったんだよ、ハニー・ポッター」

ハニー「……ふんっ、私の魅力に気づいたところで、あなたなんて、豚の価値もないわ」

リドル「あぁ、そうだね。ある意味では、そうかもしれない……偉大なるヴォルデモート卿を、君が倒したのだと聞いたときなんて。久しく感じない感情が僕の中を駆け巡ったよ、あぁ。おかげでジニーの鞄の中はインクまみれになった」

825: 2012/11/12(月) 10:54:29.05 ID:x1/uRykr0
ハニー「……どうしてあなたが、ヴォルデモートのことを気にするわけ?」

リドル「うん?どうして、とは?」

ハニー「知ってるわ。ヴォルデモートは、あなたより後に出てきた人でしょう。なのに、どうして五十年前の記憶にすぎないあなたが、あの黒豚を……」

リドル「あぁ、ハニー。ヴォルデモート卿は、僕の過去であり、現在であり、そして未来なのさ……黒豚はどこにもいないけれど」

スゥゥゥッ

TOM MARVOLO RIDDLE

スイッスイッスイッ

I AM LORD VOLDEMORT

ハニー「!」

リドル「この僕が汚らしいマグルの父親から譲り受けた名前をいつまでも使うと思うかい?ノーだ!!」

リドル「母方にスリザリンの血を確かに引いているこの僕が!!あのクズの姓をぶら下げておくわけがないだろう」

リドル「さぁ、教えてもらう。ハニー、君はどうして彼の、そして未来の僕の手から逃れられた?お話をしている時間が長くなれば、奴ももしかすれば眠ってしまうかもね?」

828: 2012/11/12(月) 11:02:24.32 ID:x1/uRykr0
ハニー「……未来の、あなた」

リドル「そうだ。世界一偉大な魔法使い、ヴォルデモート。僕は自分で自身の名をつけたのさ」

ハニー「……違うわ」

リドル「……なんだい?あぁ、偉大なのはダンブルドアとか、そういう御託はいい。あの何を考えてるのだかわからないあいつは……あ、あいつはまだ生きてるのではないだろうね」

ハニー「しぶとく元気よ。そうじゃないって言ってるの、ヴォルデモート。この黒豚!あなたは今、誰の目の前にいると思っているの!?」


ハニー「世界一偉大な魔法使いは、私よ!あんたから身をなげうって守ってくれたいっちばんステキな魔法使いのママ、パパ、それで四番目くらいね、あの腹黒豚は」

リドル「……この僕を、さしおいて、だと」

ハニー「うるさいわよ!どこまで行っても発想がお子様ね、あなた!去年会ったあなたと変わってないじゃない!」

832: 2012/11/12(月) 11:10:58.70 ID:x1/uRykr0
リドル「ふ、ふんっ。粋がっているといい。そう、僕は記憶にすぎないが、ね。その記憶にすぎないものによって君は今から消されるし、それにダンブルドアも……この学校から追放された」

ハニー「あら。気をつけたほうがいいわよ?あの腹黒は……思ったほど遠くに行ってはいないわよ。あなたが恐れた唯一の人はね。私は二人目になるけど」

リドル「ほざけ、小娘。もういい、君は……なっ!?」

ハニー「……これ、なぁに?鳴き声……歌のような。まさか」

フォークス「フィ~~~~ピィ~~~~♪」

リドル「これ、は。ダンブルドアの鳥!?そして、そいつがもってるのは……古い、組み分け帽子か!?」

組み分け「やぁ、ハニー。おや、サラザールの姿が見える。なつかしいなぁ」

ハニー「ハァイ、組み分け……百人力ね。あなたがいれば」

リドル「は、っは。ハッハハハハハハ!!冗談はよせ、ハニー・ポッター。君が信頼やら軽い苛立ちやら覚えるあのダンブルドアがよこしたのは、歌う鳥とボロ帽子っきりかい?どうやら君も見捨てられたらしい!」

リドル「さぁ、もはや君は用済みだ。僕を倒したからくりも分かった。あとは……その頼もしい援軍の数々と、サラザール・スリザリン卿の継承者、ヴォルデモート卿の力とを、お手合わせ願おうか」

リドル『スリザリンよ ホグワーツ四強で最強の者よ 我に話したまえ』シューシューッ

835: 2012/11/12(月) 11:19:45.26 ID:x1/uRykr0
スリザリン像 ガパッ ズルズルズルズルッ

『頃す ――頃してやる――もう千年も――』

ハニー「っ、スリザリン像の口から……長い影が」

リドル「ハッハハハハハハ!ポッター、ハニー・ポッター!君はこの力の前になす術もなく敗れ去る!そうだな、そのぼろ帽子は君の氏装束にふさわしいかもしれない。赤毛に映えているじゃないか!ハハハハハハハ!」

ハニー「私だって、そんなに被りたいわけじゃないわよ。ねぇ、組み分け。聞きたいことがあるわ。いいえ、私のことじゃない」

ハニー「これは質問ですらない。答え合わせよ。答えなさい、組み分け……」

リドル「ハハハハハ!帽子に、『たすけて!』とでも言っているのかい、ハニー・ポッター!」

『頃す!頃す!絶対に――八つ裂きにして!!』

リドル「さぁ、こいつもやる気のようだ。おや、自らをやる獲物を見なくていいのかな?そうか、君は一瞬で氏ぬよりも……苦痛をともなう牙を選ぶか。それもいいだろう、僕もその方が見ていて面白い!!」

837: 2012/11/12(月) 11:27:24.31 ID:x1/uRykr0
フォークス「ピィ~~~!」

リドル「! しまった、不氏鳥にあの目の力は……そうか!あの鳥に、目を潰させるつもりで……」

ハニー「……やめなさい赤豚!!余計なことはしない!!」

フォークス「フィピィ!?」

リドル「!?」

ハニー「あなたは後詰よ!下がってヒンヒン鳴いていればいいわ!」

フォークス「……」

赤豚「フィピィ~ヒンヒィ~ン♪」

リドル「な、ば、馬鹿か君は!?いや、僕としては好都合だが!いったい何をしたいんだ!?まさか、そう簡単に氏ぬつもりなんて」

ハニー「えぇ、もちろん氏んでやるつもりなんかないわ。当たり前じゃない」

『頃す!』

グワァアアアアア!

組み分け「左に三歩だ、ハニー!」
ハニー「っ!」

リドル「!?そ、そうか、組み分け、奴には生物の目にあたる機関はない……くっそ!なんなんだ、調子を狂わせてくれる……」

840: 2012/11/12(月) 11:32:45.24 ID:x1/uRykr0
ハニー「そもそもあなたのあいてをするつもりなんて毛頭ないわ、黒豚!少し黙ってなさい……」

『逃げるな――戦え!  頃す! 次は 頃す!!!』

ハニー「私の相手は、こっち。最初から、ずっとずっと最初っから!」

ハニー「……全部救うって、決めたんだもの!」

『 殺  す ! ! ! 』

ハニー『サラザール・スリザリン!!』

『!?』

リドル「……なんだ?なぜ、蛇語でわざわざスリザリン卿の名を……そうすればあの像がなにか反応するとでも思っているのか?」

ハニー『いいえ、あんなツクリモノじゃない!私はあなたに話しかけてる!スリザリン卿!あなた自身に!』

ハニー『バジリスクの中に残されてる、スリザリン卿!!!あなた自身に!!!』

リドル「!?!?」

『……っ、ころ、す!!頃す!!』

ハニー『あら、数世紀ぶりに名前を呼ばれてうろたえているのね!動きが鈍ったわよ、見えてないけど!』

848: 2012/11/12(月) 11:39:46.01 ID:x1/uRykr0
ハニー『そもそも最初からおかしかった。どうして私が、っ!あなたの声を蛇のそれだと、気づけなかったか!』

『頃す! ころ、 頃す!!』

ハニー『蛇はとっても淡白だわ!話しが出来ても、感情を露見したりしない!喜びはままあっても!』

ハニー『餌への『殺意』なんてものはない!彼らにとってそれは生きるための手段だから!!』

ハニー『だから、あんな言葉を吐くのが蛇だなんて思わなかった……でも、そうよ。蛇じゃなかった』

ハニー『組み分けを見て、リドルを見て、思ったの。氏んでしまっても意思を残すことが可能なのではないかって!』

ハニー『その蛇の中で!!この城の行く末を見つめ続けたのね!スリザリン卿!』

ハニー『……たった一人の!!たいせつな友達の!!未来の姿を!!!』

『っ、ころ、っ!!ちが、っ!!!』

リドル「なんだ、なにを言っている……スリザリン卿の友人?何を言っているんだ……グリフィンドールとスリザリンは、互いの主張がぶつかりあい!そして氏闘のすえにスリザリンが破れた!そんなことは、どの本にだってかいている!それが事実だ!」

852: 2012/11/12(月) 11:47:43.67 ID:x1/uRykr0
ハニー『事実!!へぇ!!』

ハニー『魔法書の類には、四人の創設者の略歴や!ホグワーツでの顛末は書かれていても!詳しい人となりについては書かれていなかった!』

ハニー『スリザリン卿のことなんて、極端にね!グリフィンドールは反対にたっくさん、各地での英雄譚も色々出てきたわ!』

ハニー『……当然よね。いつだって語られるのは勝者の歴史!そんなもの分かりきってる!』

ハニー『スリザリン!あなたの主張がもはやどんなものだったのかなんて、後世には伝わっていない!誰一人として理解していない!そこのドヤ顔で継承者だといっている人も!』

ハニー『あなたとグリフィンドールの主張が!本来ならば決してぶつかり合うはずじゃなかったってことも!』

ハニー『それは、どこにも残ってなかった!どの本にも!図書館にも!誰の知識にも!』

ハニー『そう!』

ハニー『“魔法使い”の書物には!“生きている”人の知識には!残っていなかった!』

リドル「……なん、だと」

ハニー『……ここに、私の友人の両親が調べてくれたものがあるわ。そこには、ある人のことが書かれてる』

ハニー『聖ゴドリック!マグル社会で、聖人として名前を残した人の記録が!』

『……』

853: 2012/11/12(月) 11:49:09.79 ID:x1/uRykr0

858: 2012/11/12(月) 11:54:19.17 ID:x1/uRykr0
ハニー『この人は大商人で、勇猛果敢に各地を旅して大成功を収めて、そして晩年は聖人として教会で、数々の聖歌を作りながら暮らしてた』

ハニー『組み分けが歌馬鹿のきらいがあるのはこの人のせいよね。それで……』

ハニー『ここまで調べても、あなたたちの人となりは見えてこなかった。楽譜ばかりがたまって……でもね』

ハニー『ジニーが、教えてくれた!ヴォルデモート、あんたはその子が怖くて何もいえなかった、そういったでしょ!いいえ!その子は私に、ヒントをくれたわ!』

ハニー『グリフィンドールの残した、この歌の全てに……!魔法史に隠された本当の、あなたたちの姿がある、って!』

865: 2012/11/12(月) 12:03:06.98 ID:x1/uRykr0
ハニー『あなたの純血主義は本来、マグル生まれを差別するためのものじゃない!純血であることの誇りを、己を律するために!誇りあれ、魔法使い、って!教えるためのものだった!』

ハニー『グリフィンドールの勇気は!騎士道は!そんなあなたの主義をも受け入れたはずだったわ!』

ハニー『……変わったのは、あなたなの?スリザリン。それとも、グリフィンドール?いいえ!』

ハニー『あなたたちを取り巻く環境が!あなたたちを対立させた!』

ハニー『英雄として、騎士道として!理想の社会の体現者として支持されていくグリフィンドール!』

ハニー『真の魔法使いとして!純血以外を貶める人に崇拝されていったあなた、スリザリン!』

ハニー『そこまで、きて……あぁ!あなたは、後悔したでしょうね!自らの主張が生徒達にちゃんと伝わっていなかったことを!』

ハニー『でも、あなたは、っ、そこで、諦めた!』

ハニー『あなたは!!!貴方は!!!!!!』

ハニー『グリフィンドールのなしとげる、世界のために!!!!わざと!!!敵になったのね!?!?!?』

869: 2012/11/12(月) 12:10:47.19 ID:x1/uRykr0
ハニー『グリフィンドールも分かっていたようだわ!全く情けない!歌の中で何度も何度も、あなたへの謝罪を溢れさせていた!』

『……』

ハニー『そしてあなたは!この世界が、グリフィンドールの世界がどう回っていくのかを見守るために!その蛇に自分の意志を残した。いいえ、それだけじゃない……!』

ハニー『“自分の意思を継いで”この部屋を訪れる人に!自らの力を貸すために!そこまで徹底して、この世界の敵になるために!!』

『……ち、が……わt、わたし、わたs』

ハニー『……えぇ、そうね。もう、何がなんだか分からないんでしょう。いいわ、教えてあげる』

パサッ

リドル「!帽子を、とった!は、っはは!結局は、君は自ら……なっ、何故だ!?どうして、あの蛇の目をみて、平気でいられる!?!?」

ハニー『あなた、バジリスクのことさえ、何も知らないのね。ヴォルデモート』

ハニー『バジリスクは古代の生き物。その目は、人間の原初的な“恐怖”を沸き起こらせて、氏に至らしめる』

ハニー『そういう、ことよ』



ハニー『この私が、わたしの愛を注ぐ相手を。怖がる必要なんて、ないんだもの。そうでしょ?』

874: 2012/11/12(月) 12:16:00.49 ID:x1/uRykr0
『あぁ…アァ……』

組み分け「あぁ、お嬢さん。そうさ。去年の私の組み分けは、一世一代の出来だった」

『あの、目……』

組み分け「君はスリザリンに入れば偉大になれる。それは違わない。しかし。君がグリフィンドールに入ることで、開ける道がある」

『あの、髪……』

組み分け「そう、それはきみの道だけでない。君が関わる全ての道を開く、素晴らしい行き先……さぁ、とりたまえ」

シャランッ

組み分け「どこまでも強く、どこまでも弱く、どこまでも理想家で、どこまでも諦めの悪い大馬鹿者。今は君にこそ、これがふさわしい!」

『あの、剣……』


『ゴド、リック……?』

876: 2012/11/12(月) 12:19:34.50 ID:x1/uRykr0
ハニー『この剣の向かう先は、もう二度と、あなたじゃない』

ハニー『本当の、あなたなんかじゃない』

ハニー『居場所がないなら作ってあげる。グリフィンドールの逸話にあったわ。あなたを焚き火よりも暖かなもので、包んであげる』

ハニー『スリザリン!私はあなたを恐れない!』

ハニー『わたしはあなたを傷つけない!』

ハニー『私はあなたを守ってあげる!』

ハニー『わたしはあなたを、諦めない!』

ハニー『全部全部、わたしが救う!!』

ハニー『だから!!!』

ハニー『だから!!!!!!』

877: 2012/11/12(月) 12:20:58.87 ID:x1/uRykr0
ハニー『サラザール!!跪きなさい!このわたしの可愛い豚として、ヒンヒンお鳴き!!」






サラザール『ヒンヒン、ヒーーーーーーーーーーン!!!』

892: 2012/11/12(月) 12:29:14.91 ID:x1/uRykr0
リドル「なんて……ことだ……そんな、そん、な」

ハニー「あなたの負けよ、ヴォルデモート。あなたはあなたのよりどころである“スリザリン”のことさえ、理解していなかった」

ハニー「ひとの弱みや心を笑うあなたには、そもそも無理だったでしょうけど」

リドル「っ、あぁ、どうやら君はとことん僕を否定するつもりらしい……いいだろう、今度は、僕自身の手で……」

ハニー「あら、無駄よ。あなた、ジニーが氏んでしまうまで、魔法も使えない。そうでしょ?」

リドル「……」

ハニー「私の杖を持っていても、それで何もしてこないから分かったの。あまり私を甘くみないことね、黒子豚」

リドル「そんな名で、呼ぶな!僕はヴォルデモートだ!世界で、世界で一番……!」

赤豚「フィヒィ~ン♪」バサッ ポトッ

ハニー「あら赤豚、よしよし、日記をとってこれたのね」

リドル「あっ、っちょ、ま」

ハニー『サラザール!お食べ!』

サラザール『ヒンヒン!あぁ、ハニー!造作もない!ヒンヒーン!』

ブシャァアアアアアアアアアア!

リドル「うわああああああああああ!!!!こんな、こんなことが、あって、た、たまるかああああああああ!!!」

898: 2012/11/12(月) 12:34:28.79 ID:x1/uRykr0
ジニー「……うぅ、うぅん……ハッ!うーん、ここ、ここって、なんだか、頭の後ろがあったかくてやわらか……」

ハニー「ハァイ、ジニー。お目覚めはいかが?」

ジニー「はわっ!?お、おねぇさま!?あわわ、こ、ここおねぇさまの膝、膝枕そんなあぁなんてやわらぁあああ」

ハニー「いいの、いいの。大変だったでしょ、ジニー。よく頑張ったわね、褒めてあげるわ」

ジニー「あっ、あぁ、ここ、秘密の部屋で……それじゃあおねぇさま、私がなにをしたのかも、全部……」

ハニー「えぇ、ヴォルデモートのクソッタレがあなたをそそのかした、ってね。あなたは何も悪くない。誰あろう、私がそう言っているのよ?もう泣かないの。ね?」

ジニー「あ、あぁ、おねぇさま、なんて、美しいの……あぁ、おねぇさ、ま……」

ジニー「一生、ついていくわ!ヒン、ヒンヒン!ヒーン!」

ハニー「……うぅん、あなたがそういう関係性を求めるならそうしてあげるけれど。雌豚一号、ね」

909: 2012/11/12(月) 12:42:06.60 ID:x1/uRykr0
ハニー「ジニー、目、つぶった?」

ジニー「は、はい、おねぇさま!」

ハニー『サラザール、出てきていいわよ』

サラザール『すまないね、私のせいで団欒を邪魔してしまって』シューシューッ

ハニー『いいのよ。それでね、あなた、ここ以外でいいねぐらがある?私が飼うとしたら、そこで……』

サラザール『あぁ、あぁハニー。私の光、ハニー。ヒンヒン……そう、私の光は、君だけでいい。もう外の光はいいのさ』

ハニー『……どういう意味?』

サラザール『私の居場所、それはここで、今度こそ永遠の眠りにつくことだ。寿命の尽きるまで。あと何百年かは、分からないが……あぁ、ハニー。そんな顔をするな』

サラザール『私はもう、孤独ではない。あのロケットの中身を捨てたあの日から感じていた孤独は、君によって癒された。もう、我を失うこともない……ハニー、君がいた、たったそれだけで私の命も輝くのだから』

ハニー『ロケット……?』

サラザール『そう。ヘルガが絵を描き、ロウェナがロケットに入るよう細工をし、あの、バカ、ゴドが歌を流すようにした、あのロケット……あれは今頃、どこにあるのやら』

サラザール『例を言う、ハニー。私の、ハニー。ヒンヒン!』

ハニー『……そっ。あなたが満足なら、それが一番だわ……じゃぁね、サラザール。でもきっと、また会うわ。絶対ね。それまで、忠実な豚でありなさい』

サラザール『あぁ、君に誓って!ヒンヒン!ヒン!』

917: 2012/11/12(月) 12:47:33.26 ID:x1/uRykr0
ロン「……おったまげー。いや、もうおったまげるどころじゃないよ、ハニー!君はどこまで策士なんだいハニー!さすがだよ!流石すぎだよハニー!ヒンヒン!」

ジニー「ヒンヒン!」

ハニー「言ったでしょ。豚にする人はとことんまで調べ上げるって。もともとね、グリフィンドールの持ち上げられすぎな『英雄英雄』感が少し気になってたのよ」

ロン「いやーもう、おったまげるもんもひっこんじまうくらいの……ほら、お前もなんか言えよ。この方がハニーだよ」

ロックハート「こんにちわ、暗いところですね?ここに住んでヒンヒンるんですか?」

ハニー「……あー、この人、どうしちゃったの?」

ロン「忘却呪文があたったろ?それで、あー、なーんもかんも忘れっちまったんだとさ。ざまぁないけど、こっちのが無害でいいよな」

925: 2012/11/12(月) 12:51:31.59 ID:x1/uRykr0
ロン「それで、ハニー。そのカッコイイ剣はなに?とっても似合ってるけどさ」

ハニー「あぁ、これ。私の戦利品……あぁ、そうだわ。あとこれね」

ロン「? 紫色の鱗?」

ハニー「えぇ、蛇の抜け殻に入れて気をつけてもっておけ、って。サラザールも豆よね、割とオカンキャラな気がするわ」

ロン「それはよくわからないけど。えーっと、ここ、どうやって登ろうか」

赤豚「フィピヒィ~ン♪」

ハニー「赤豚が、少しは活躍させて、って」

ロン「君、君のように美しくて綺麗で高貴な鳥をどこで見つけたの?あぁ、君のがバジリスク一匹分上だけどね」

926: 2012/11/12(月) 12:52:30.57 ID:x1/uRykr0
赤豚「フィピヒィ~~~ン♪」









ロックハート「あはは、はははははは!すごい!まるで魔法みたいだーーー!

928: 2012/11/12(月) 12:56:22.55 ID:x1/uRykr0
校長室

ダンブルドア「ようやってくれたのう、ハニー。ロン。あぁ、ジニー。親御さんと医務室に行ってよい。処罰はなし。もっと大人の賢い魔法使いにさえ、奴に騙されるのじゃ」

アーサー「あぁハニー、なんとお礼を言えばいいのか!君はすごい、あぁ!知ってたけど!」

モリー「ジニー!良かった、良かったわ!あぁそれにハニー、それに、ロン!見直したわ!ロン!わたしのかわいこちゃん!」

ロン「や、やめろよママ!うれしかないよ!もう!マーリンの髭!」

ハニー「……それで、なんであなた。ふつーに校長室にいるのかしら」

ルシウス「っはぁ、はぁ。それを私も、聞きたいですな?校長?」

ドビー「ご主人様!おまち、おまちを!  あぁ!」

ハニー「ドビー。やっぱりあなた」

ロン「マルフォイんとこのだったんだなぁ」

930: 2012/11/12(月) 13:00:52.42 ID:x1/uRykr0
ダンブルドア「おぉう、ルシウス。何故かのう、アーサーの娘が襲われたと聞いて、あなた以外の理事から学校に戻るよう頼まれたのじゃ」

ダンブルドア「あー、なんだったかの。何人か、は。あなたに脅された、と思っているようじゃ」

ルシウス「!あぁ、それで、あなたがわざわざ戻ってきて、犯人は捕まったというのですかな!?」

アーサー「やぁ、ルシウス。名族の高貴な雰囲気が台無しじゃないか。娘は戻ったよ、無事にね」

ルシウス「んなっ、ウィーズリー!それに……このチビ」

アーサー「私の娘を睨むのはやめてもらおうか。あぁそうそう、あなたの家の、応接間の地下について、は。睨みをきかせてもらいますよ?」

ルシウス「!?!?」

ロン「いいぞ、パパ」

ハニー「ここぞって時までとっておいたのね、やり手だわ」

931: 2012/11/12(月) 13:07:06.50 ID:x1/uRykr0
ダンブルドア「ルシウスよ。アーサーがいなくなったから、言うがの。ヴォルデモートの関係品をばら撒くのはやめることじゃ。次は、ないぞ?」

ルシウス「っ、なんの、なんのことですかな、校長!証拠も無しに!」

ハニー「……あぁ、なるほど。あの時、この日記をジニーの教科書を取り上げたときに滑り込ませたのね」

ロン「あぁ、日記ね。この、僕のドロドロの布に入れて持ってきたこれ。毒ついてるし。ハニーの?そんな聖なる品を使うわけないだろ」

ルシウス「っ、なんだこの布は……だから、証拠もなしに!」ビリビリッ

ドビー「あぁ、旦那様。ゴミはドビーめが、ど、ドビーめ、が……あぁ」

ルシウス「ものを言うと言うんだ。ポッター、どうやら君は両親と同じ道を進むらしいですな……ふんっ。いくぞ、ドビー。そのゴミはちゃんと……」

ドビー「ゴミはどっちですか、マルフォイ様!ドビーめは、もうあなた様に命令される筋合いはないのでございます!」

ルシウス「な、なに!?なにを……なっ!?その布、靴下!?!?」

ドビー「ドビーは、ドビーめはこれで、自由!!!」

ハニー「よくやったわ、ロン」フーッ

ロン「もちのrうひゃぁ!ヒンヒン!ヒン!」

932: 2012/11/12(月) 13:12:25.29 ID:x1/uRykr0
ルシウス「きさまぁあああ!!よくも、我が家の屋敷しもべを……」

ドビー「ハリー・ポッターに、手を、触れるなああああああああ!!」

ロン「うわーぉ、杖もないのにすっごいよね妖精の魔法って。父フォイが校長室階段までぶっとんじまった」

ハニー「ようやく、よーーーやく、あなたも出来る豚に昇格ね。ドビー」フーッ

ドビー「ヒンヒン!ヒン!ありがとうございますハニー・ポッター!ドビーめのヒントが役立ったようで、嬉しく思います!ヒンヒン!」

ハニー「……ヒント?だってあなた、あれだけ『ヴォルデモートじゃない』って」

ドビー「闇の帝王が闇の帝王になる前でしたから!ですから、あれがヒントだったのでございますよ!ハニー・ポッター!」

ロン「……このドヤ顔だよ」

ハニー「あぁ……ふふっ、ねぇドビー。これからあなたには何度か世話をするでしょうけど、一つだけ約束なさい?」

ドビー「なんでしょう!ハニー・ポッター!ヒンヒン!」

ハニー「もう二度と、私の命を救おう、なんて思わないこと。いいわね?」

ドビー「ヒンヒン!ヒンにございますぅううううう!!!」

938: 2012/11/12(月) 13:18:40.97 ID:x1/uRykr0
ダンブルドア「さて、ようやくわしと話せるかの」

ハニー「あなたに話すことがあるとは思えないわ。どーせ、全部知ってたでしょう」

ロン「えっ、そうなんですか、ダンブルドア先生」

ダンブルドア「ほっほ、かいかぶりすぎじゃよ、ハニー。ぜーんぶ、というわけじゃない。あっちをちょこちょこ、こっちをちょこちょこじゃ」

ハニー「で、全部を推察するのよね。ハイハイ……まぁ。私も少し、また。成長できたから、許してあげる」

ロン「ヒンヒン!君は加速度的に美しく高貴で可憐になっていくもんねハニー!ヒンヒン!」

ダンブルドア「ほっほ、わしも楽しみじゃて。高貴で可憐な君の……」

ハニー「あなたからはお褒めの言葉はいらないわ、腹黒豚。『ホグワーツ特別功労賞』で受け取ってあげる。いいわね?」

ダンブルドア「ヒンヒン!ふたりともに、じゃ!おまけに一人二〇〇点ももってけぇーい!さぁ、君の豚たちが優勝パーティで大はしゃぎじゃろうて。お行き!チッチチ!」

944: 2012/11/12(月) 13:22:54.44 ID:x1/uRykr0
ガチャッ

ハニー「……校長先生?」

ダンブルドア「うむ?どうしたかね、ハニー」

ハニー「……わたし、この学校に来て、よかった」

ダンブルドア「……そうか。それはとてもとても、嬉しい」

ハニー「……リドルは、どうして私と同じようになれなかったのかしら。これが、スリザリンとグリフィンドールの残してしまった、負の連鎖の形なの?」

ダンブルドア「……」

ハニー「だったら、わたしがどっちも引き継いで。絶対に、この学校も、魔法界だって。なんとかしてやるんだから」

ダンブルドア「っ!」

ハニー「グリフィンドールだけじゃない。スリザリンの継承者、本当の彼の継承者として。わたしが、ね。じゃあね!」

バタンッ

ダンブルドア「……おぉ、ハニー。君はなんと、聡い子じゃろう。ヒンヒン、ヒン」

947: 2012/11/12(月) 13:26:28.62 ID:x1/uRykr0
大広間

ワーーーーーワーーーー!!
 ヒンヒンヒーーーーン!
ハニーーーーーーーーーー!!あとローーーーン!

ロン「あぁ!僕はハニーのおまけさ!もちのロンでね!」

ハニー「ふふっ、みんなパジャマのまんまだわ。さて、ジャスティン。そろそろ倒立土下座も疲れたでしょ?やめても、いいのよ?」

ジャスティン「や、やめません!僕はなんてことをあなたに!ヒンヒン、ヒンヒンいうだけじゃ足りませんハニー!ヒンヒン!ヒーン!」

ロン「あぁ、君、中々やるね。豚の中じゃまだまだ下だけど……おっ?」

ハーマイオニー「っはぁ、はぁ、っ!ハニー!!!」

ハニー「ぁ……!」

ロン「僕はスルーだよ!当たり前さ!ハニーの下だからね!ヒンヒン!」

950: 2012/11/12(月) 13:30:04.90 ID:x1/uRykr0
ハーマイオニー「あぁハニー、ハニー。あなたが全部解決したのね!よかった、本当に、良かった!」

ハニー「えぇ、ハーマイオニー。ふふっ、あなたの残してくれたメモのおかげで、ね」

ハーマイオニー「あっ、あぅ、あなたなら、あなたならきっとああいうことをするって思ったから……嫌だった、かsふわっ!?」

ハニー「嫌なものですか。でも、そうね。あなた、少し硬すぎたもの。ね?今度はもっともっとリラックスして、去年より、もっと……ね……?」

ハーマイオニー「あぁ、あぁハニー、あなたって、あなてって綺麗……ねぇ、あなたって、涙まで綺麗よ、ハニー……」


ロン「よーし豚ども!ちゃんと二人を外の視線から守る壁を作ったな!よくやった!え?僕が下から二人をみれてうらやましい?そこかわれ?HAHAHA!!!!!やだねっ!!!!

956: 2012/11/12(月) 13:38:39.86 ID:x1/uRykr0
ハニー「(わたしの大好きなもの。わたしの大好きな人)」

ハニー「(全部全部守る、っていったけれど。そうよ、わたしなんかじゃきっと守りきれないわ)」

ハニー「(ちっぽけで弱い、わたしきりじゃ)」

ハニー「(だからね、サラザール。わたし、あなたたち四人みたいに、みんなで助け合って、支えあって。そんな力を手に入れたいの)」

ハニー「(いつか、きっときっと。あなたを誰もが怖がらない世の中になる)」

ハニー「(それまで……)」

957: 2012/11/12(月) 13:40:09.89 ID:x1/uRykr0
ハニー「さぁ、私の豚たち。学年末パーティはまだまだ続くみたいだけれど、私の愛を受け取る準備はいいかしら?」

ロン「うぉおおおお!!ハニーーーーー!!!ヒンヒンヒーン!」

ジニー「きゃああああ!おねぇさまああああ!ヒンヒンヒーン!」

ロックハート「なんだか僕って首っていわれたけどよくわからヒーン!」

ヒンヒンヒーーーーン!

ハーマイオニー「ね、ねぇハニー?あれから私、あなたにずっと抱きしめられっぱなしなんだけど。い、いつになったら、離してくれるの?」

ハニー「ずっと、ずっとよ。当たり前じゃない。そうでしょ?」



ハグリッド「うるせえええええ!おめぇさんにハニーはやらねぇええええ!!この人ごろし!!ひとでなし!!どの面さげてハニーのことを聞きよるんだああああ!」

「えぇい黙れよハグリッド!君があの子を向かえるときにオートバイ貸した仲だろ!くそぉおおお!私は、私はあの子の後見人なのにぃいいいい!!」

クィリナス「ヒンヒン!ヒーン!おや、ハグリッド。君は釈放のようですよ」

ハグリッド「!はっはぁ、待っちょれハニー!ヒンヒン!ヒーン!」

「ま、まて!おい!私も連れて行け!おい!くっそぉヒンヒンとはなんなんだあああああ!!」

今度こそ、完

958: 2012/11/12(月) 13:41:09.78 ID:3DelLEX+0


シリウスwwwwwwww

963: 2012/11/12(月) 13:42:42.90 ID:uwvRdrNX0
長丁場乙! 最高だったぜヒンヒン!

978: 2012/11/12(月) 13:45:56.56 ID:x1/uRykr0
長いな!付き合ってもろうてありがとう!
保守・支援絵もほんとにありがとう!
次もまたやりたいけど、色々他にも書きたいのあるよって未定ってことで!
でもまぁ、分かっての通り犬が出るんで書かないという選択肢はないで!
ラドクリフお大事に!
じゃあの!

じゃあの!


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 一巻~七巻まで

 世界的大ヒット発売中!


 2014年後半 USJにて

 ハリー・ポッターアトラクション建設決定!!

引用元: ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」