1: 2013/09/17(火) 17:42:12.45 ID:mpEWe2KX0

もこっち「モテないし囲碁をやる」

もこっち(さて帰ってゲームやろ…今日も誰ともしゃべらなかったな…)

老人「…よっこいしょっと」

もこっち(なんだ?老人が倉の掃除してる…老い先短いのになにやってんだ…)

老人「うーむ物がいっぱいだな」

もこっち(溜め込みすぎだろ、ゴミ屋敷かよ…碁盤とかあるし)

老人「ん?やあこんにちわ」

もこっち「こ、こんにちわ…」

老人「いや~倉の整理をしてるとこなんだが物が多くてな」

もこっち「そ、そうですね……いろいろ捨てちゃったほうが…その碁盤とかシミついてるし」

?「見えるのですか?」

もこっち「え?だれ?」

11: 2013/09/17(火) 17:57:20.78 ID:mpEWe2KX0
佐為「私は藤原佐為」

もこっち「へ?さい?」

佐為「はい、私の姿が見えますか?」

もこっち(えっと…この変な格好の…)

佐為「よかった、見えてるようですね、でも変な格好は余計です」

もこっち(なんで考えてることがわかったんだ!?)

佐為「私はあなたの意識の中にいます」

もこっち(なんだってぇー!?何者なんだ!?)

佐為(え~っと幽霊ですね)

もこっち(ゆっ、幽霊だと!?あばばばば!)

佐為「ど、どこへ行くんですか!ちょっ…ちょっとまってくださ~い!)

13: 2013/09/17(火) 18:02:54.22 ID:mpEWe2KX0
もこっち「ナンマンダブナンマンダブ!」

佐為「あの…怖がらないで聞いてください…」

もこっち「なんで着いてきてんだぁ!?お願いだから成仏してくれぇえ!」

佐為「大丈夫です、わたし悪霊じゃあありませんから」

もこっち「そうじゃなくても怖いもんは怖いんだよぉぉお!」

佐為「……まいりましたね、お願いがあるのですが」オロオロ

もこっち(もうやだ…怖いのいやだ…)

佐為「お願いですから怖がらないでくださ~い」

15: 2013/09/17(火) 18:08:00.51 ID:mpEWe2KX0
―20分後―

もこっち「わかった、話を聞こう」

佐為「やっとわかってくれましたか♪」

もこっち「言っておくけどまだ怖いんだからな…今にも私の女子力が解放されかねないぞ」

佐為「女子力?」

もこっち「………それでそのお願いというのは?」

佐為「ヒカルに会いたいのです」

もこっち「そうすれば成仏してくれると?」

佐為「いえ、それはわかりませんが…」

もこっち(わかんねーのかよ!つかえねーな!)

佐為「すいません…」

もこっち(やべ…聞こえてた)

18: 2013/09/17(火) 18:14:00.23 ID:mpEWe2KX0
もこっち「ふーん、前に憑いてたのが進藤ヒカルって人なんだ」

佐為「そうです」

もこっち「というか…もしかして…」

佐為「なんですか?」

もこっち「囲碁やってる前髪金髪な人?」

佐為「そうです!知ってるんですか!?」

もこっち「えっと…この間囲碁教わった…」

佐為「おお~~なんという偶然」

もこっち(いや囲碁界狭すぎるよ…このミッションちょろすぎだろ…)

22: 2013/09/17(火) 18:21:46.99 ID:mpEWe2KX0
佐為「ここがヒカルの家です」

もこっち(他人の家か…キンチョーするな…)ピンポーン

ヒカル「はい?」

もこっち「こ、こんにちわ…」

ヒカル「あれ?黒木じゃん、俺ん家誰に聞いたんだ?」

もこっち「そ、その…さ、さい…」

ヒカル「さい?」

佐為「ヒカルーー!久しぶりですー!」

ヒカル「どうした?囲碁教わりにきたのか?」

佐為「私が見えないんですかヒカルぅ~~…」

もこっち(うっ…!)

ヒカル「なんだ?」

もこっち「~~~~~~!?おえええぇえ!げろげろげろぉお!」

ヒカル「うわぁ!?なにいきなり吐いてんだ!?」

25: 2013/09/17(火) 18:28:58.85 ID:mpEWe2KX0
もこっち(もうヤダ…氏にたい!)

ヒカル「お、おい!どこ行くんだよ!」

佐為「智子ちゃん!待ってくださーい!」

もこっち(家の前でいきなり吐くって最悪だ私!)

佐為「ちょ、ちょっと~!」

もこっち(幽霊に取り憑かれるしイケメンの家でゲロ吐くし…)

佐為「智子ちゃ~ん聞いてくださ~い」

もこっち「うるさい!お前のことなんてもう知るか!」

佐為「そ、そんなぁ…」

27: 2013/09/17(火) 18:33:43.36 ID:mpEWe2KX0
もこっち「――で、私が吐いたのはあんたが悲しんだせいだと?」

佐為「すいません…ちなみにヒカルもそれで吐いたことあるんですよ♪」

もこっち(そっか、事情を話せばわかってもらえるかも…)

佐為「そうです、だからもう一度ヒカルに会いにいきましょう」

もこっち「………わかった」

佐為「わーい!ありがとうございます」

もこっち「ただしちゃんと成仏するんだぞ」

佐為「それは保障できませんが…というか成仏したくありません…」

29: 2013/09/17(火) 18:38:23.29 ID:mpEWe2KX0
もこっち(また来たわけだが…)

佐為「がんばってください」

もこっち(わかってる…)ピンポーン

ヒカル「はーい…あ、黒木?」

もこっち「あの…昨日は…す、すいません…」

ヒカル「まったくだぜ、突然ゲロって…」

もこっち「その…ふ、藤原佐為…」

ヒカル「え?佐為だって!?」

佐為「ヒカルー私はここですよー」

もこっち「その…ゲロは…さ、佐為のせいで…」

ヒカル「ゲロの話はもういいよ!佐為がいるのか!?」

もこっち「は、はい…」

32: 2013/09/17(火) 18:44:09.62 ID:mpEWe2KX0
ヒカル「佐為、いるのか?」

佐為「いますよ、姿は見えなくとも」

もこっち「―――だ、そうです」

ヒカル「そっか…お前まだこの世にいたんだな…」

佐為「智子ちゃんのおかげです」

ヒカル「そっか、ありがとうな黒木!」

もこっち「え?え、え…あ、い、いえ…そそ、そんな…」

ヒカル「とりあえずあがれよ」

もこっち「え?な、なんて…?」

ヒカル「俺の部屋で話そうぜ」

もこっち(お、男の…しかもイケメンの部屋に私があがるだと!?)

36: 2013/09/17(火) 18:55:53.34 ID:mpEWe2KX0
母「あらヒカル?お客さん?」

ヒカル「ああ、友達」

もこっち(と、友達?)

母「いらっしゃい、あとで飲み物用意するわね」

もこっち「は、はひ!お、おきづかいなく」

ヒカル「黒木、俺の部屋2階」

もこっち「あ、は、はい…」

佐為(そんなに緊張しなくていいですよ)

もこっち(そ、そうだ…私はこの幽霊を返還するために来たんだ、落ち着け)

44: 2013/09/17(火) 19:28:12.59 ID:mpEWe2KX0
もこっち「おじゃまします」

ヒカル「ゆっくりしてけよ」

もこっち(けっこう片付いてるな…それにこれが男の匂いか…でゅふふ…)

ヒカル「打ちながら話そうぜ、いいかな黒木?」

もこっち「えっ?!な、なんて?」

ヒカル「いいから打とうぜ佐為」

佐為「うれしい…また碁が出来る…」

もこっち「ちょ…な、泣いてんの?」

46: 2013/09/17(火) 19:39:38.44 ID:mpEWe2KX0
ヒカル「じゃあニギれよ」

もこっち(握る?ナニを?)

佐為「碁石ですよ、先番を決めるんです」

もこっち(ああ、そっちか…そうだよな)ギュッ

ヒカル「俺が白だな」

もこっち(私は黒か)

佐為「右上スミ星」

もこっち(ここだな)パチッ

ヒカル「佐為、俺お前がいなくなってからあっちこっち探したんだぜ」パチッ

佐為「心配をかけましたね」

もこっち「―――だ、そうです…」パチッ

ヒカル「いろいろ回ったなぁ、あと北斗杯でさ…」

もこっち(話についていけない…まぁいいんだけど…)パチッ

48: 2013/09/17(火) 19:43:39.97 ID:mpEWe2KX0
もこっち(別にいいや…こうしてイケメンの部屋で一緒に過ごすだけでも満足だ)

母「ヒカル~入るわよ~」

もこっち(ちっ…邪魔が入ったか…でも一瞬のことだ)

母「あかりちゃんが来たんだけど」

あかり「ヒカル、囲碁教わりに…あれ?」

もこっち(あいつ!この間の女だ!)

あかり(あの子…この間ヒカルと一緒にいた…)

ヒカル「なんだよあかり、今忙しいからあとでな」

あかり「ヒカル…その子は?」

ヒカル「あ~友達だよ友達」

あかり「そ、そう…」

もこっち(なんだこれ?修羅場ってやつか!?)

50: 2013/09/17(火) 19:50:24.50 ID:mpEWe2KX0
もこっち「えっと…でへへ…ど、どうも…」

あかり「どうも…」

もこっち(なんだこれ!?この先どう展開したらいいんだ!?)

ヒカル「あかり今大事なとこなんだお前帰れよ」

あかり「え…どうしてそんなこと…?」

ヒカル「いいから帰れよー忙しいんだって!」

佐為「ダメですよヒカル、またあかりちゃんに冷たくして」

あかり「そっか…忙しいんだ…ごめんね、じゃあまた」

もこっち(なんだ!この美少女の訪問を追い返すってありえねーだろ!)

佐為「まったくヒカルったら…」

もこっち(こいつ意外と嫌な奴なのか?)

佐為「ヒカルは嫌な奴じゃありませんよ~」

52: 2013/09/17(火) 19:59:30.42 ID:mpEWe2KX0
もこっち(けどなんだ…この湧き上がる勝利感)

ヒカル「黒木、つづきやろーぜ」

もこっち(完全勝利!そうだ、まさに今私は完全勝利した…)

ヒカル(形勢は黒がいい、中央へのびて黒石をキッていくか…)

もこっち「勝った…」

ヒカル「なにっ!?佐為のやろー」パチッ

佐為「私はなにも言ってませんよー」

もこっち(あ…しまった…)

56: 2013/09/17(火) 20:07:34.56 ID:mpEWe2KX0
ヒカル「ありません」

もこっち(あ、これ勝ったのか)

ヒカル「やっぱり佐為は強えな」

佐為「ヒカルこそいつの間にか強くなりましたね」

もこっち「――だそうです」

ヒカル「そっか、ははっ、よ~しもう一局」

佐為「ヒカルだめですよ智子ちゃんだって事情が…」

もこっち(ない、問題ない、明日までだって大丈夫)

佐為「本当にいいんですか?」

もこっち(イケメンと部屋で二人っきり…こんなチャンス誰が逃すかよ)

59: 2013/09/17(火) 20:24:53.78 ID:mpEWe2KX0
もこっち「おじゃましました」

ヒカル「悪いな遅くまでつき合わせて…」

もこっち「いえ、ぜ、全然気にしないでください…」

ヒカル「ははっお前いいやつだな」

もこっち(うほっ!?)

ヒカル「そうだ、連絡先教えてくれよ」

もこっち「は、はい!090の…」

ヒカル「へえ携帯もってるのか、俺も持とうかな」

もこっち「そ、そうすればいつでも連絡できますし…」

ヒカル「そうだな、そしたら俺のも教えるよ、じゃあまたな」

もこっち(う…うれしいっ…!今日は人生最良の一日だ!)

佐為「ヒカル、また打ちましょうね」

もこっち(ありがとう幽霊、ありがとう幽霊)

63: 2013/09/17(火) 20:40:16.58 ID:mpEWe2KX0
もこっち「――と、言うことはあんた強いんだ?」

佐為「そうですよ、誰にも負けません」

もこっち「囲碁のプロって稼げるのかな…カチカチ…」

佐為「かなり稼げるらしいですよ」

もこっち「タイトル全部とったら1億超だと……?」

佐為「そうですね、すごい金額でしょう多分…この時代の金銭感覚は詳しくありませんが」

もこっち「よし、プロになって一緒に稼ごう!」

佐為「ええっ!?」

もこっち「いいじゃん、あんたは碁が打てる私はお金を稼げる」

佐為「それはそうですが…」

66: 2013/09/17(火) 20:54:45.36 ID:mpEWe2KX0
男「おい、あれ黒木智子じゃね?」

男2「ホントだかわいいなぁ」

もこっち「なにかごよう?」

男3「実物は美人だなぁ~サインください」

男4「囲碁棋士8冠でこんなに美人なのかぁ」

もこっち「別にたいしたことないわ」

男5「すげーかっけー!」

―――
――

(妄想ここまで)

もこっち(どぅふふふ…金がもらえてモテる、最高だぜ…)

佐為「思ったより俗な女の子なんですね…」

68: 2013/09/17(火) 21:02:18.19 ID:mpEWe2KX0
もこっち「じゃあプロになってくる」

佐為「そんな軽く言われても…」

もこっち「試験とかやればいいんだろ?予選の日はもうわかった、手続き方法も調べた」

佐為「ああ、思った以上に本気なんですね…」

もこっち「よーし、プロ棋士になってモテまくるぞー!」



 もこいっち「続・モテないし囲碁をやる」 おわり

   プロ試験編につづく

70: 2013/09/17(火) 21:13:03.95 ID:62OI9U+10
だんだん壮大な話になってきてワラタ

私モテもヒカ碁もかじった程度だか
次も楽しみだ乙。

引用元: もこっち「続・モテないし囲碁をやる」