1: 2018/07/31(火) 23:27:20.520 ID:Q/koqpbz0.net
もこっち「うわあ・・・これはないわ・・・」

ネモ「クロ、何見てるの~?」

もこっち「これ・・・」

ネモ「ああ、オンラインで連載してる漫画だね。これ面白いよね」

もこっち「私も好きだったんだけどさ・・・ほら、これ・・・」


『ヒロインとくっつくのは誰か?ベスト百合カップル投票』

『一位のキャラはオリジナルストーリー書下ろし!』


ネモ「ああ、昨日から始まったんだよねこの企画」

ネモ「私このツインテールの子に投票したよ」

もこっち「いや・・・これはないでしょ・・・公式がこんなことやっちゃダメじゃん・・・」

3: 2018/07/31(火) 23:29:28.729 ID:Q/koqpbz0.net
ゆり(黒木さん、根本さんと何話してるんだろ・・・)


ネモ「え?なんで?」

もこっち「いや、この漫画ギャグマンガだし・・・百合がどうとかいう漫画じゃないじゃん」

ネモ「そう?最近の展開は百合ばっかだったと思うけど」

ネモ「てゆーか、クロも前にこの漫画の百合は萌えるって言ってたじゃん」

もこっち「いやいやいや、そういう事じゃなくてさ・・・」

もこっち「そういうのは、本来アブノーマルのもんで・・・おおっぴらにするもんじゃないというか・・・」

もこっち「要は、百合って普通の感覚じゃないでしょ」


ゆり「!?」



ゆり「ねえ真子」

真子「どうしたの、ゆり」

ゆり「私って普通じゃないのかな?」

真子「・・・・・・・・・そんなことないよ」

4: 2018/07/31(火) 23:33:51.780 ID:Q/koqpbz0.net
もこっち「百合っていうのはさ、こう・・・作者が意図せず描いたシーンに、読者が自分の感性で見出すものっていうか・・・」

もこっち「公式があからさまに百合推ししてくるのは違うっていうか・・・」

ネモ「なに言ってんのかわかんないんだけど」

もこっち「うーん、つまりさあ・・・」

もこっち「オタっていうのは自分をクリエイターだと思い込みたいんだよね」

もこっち「萌えっていうエサを作者から与えられたんじゃなくて、自分で見つけてきたものだと思いたい」

もこっち「公式の狙い通りに飼いならされてる豚じゃなくて、自分のエサは自分で調達する狼なんだと信じたい、みたいな・・・」


ネモ「最初から百合萌えを狙った展開は駄目だってこと?」

もこっち「そうそう、そんな感じ」

もこっち「今までのこの漫画はギャグ漫画で百合受けを狙った作品じゃなかったじゃん。あくまで百合カプは読者が勝手に想像したもので」

ネモ「いや、そんな事ないでしょ」

ネモ「どう見ても最近の女同士のキャッキャウフフ展開は読者に百合カプ妄想させようって意図で描かれてたよ」

もこっち「そうだけどそれを大っぴらに公言するのはまた別だってことだよ」

もこっち「さっきも言ったけど、萌え豚は作者の狙い通りに踊らされてるって事を認めたくない人種なんだから」

ネモ(クロ、だんだん饒舌になってきたなあ)

6: 2018/07/31(火) 23:37:34.402 ID:Q/koqpbz0.net
ネモ「うーん、よくわからないんだけど」

もこっち「なにが?」

ネモ「今までの話だと、クロは自分が本当はエサを与えられる立場の豚だってことは自覚してるんだよね」

もこっち「そうだよ」

ネモ「自分が作者の狙い通りに萌えに嵌ってる自覚はあるけど、でもそれを認めたくない?」

もこっち「うん」

ネモ「その辺の感覚が分かんない」

もこっち「そうだね・・・じゃあ私の昔話をしようか」

ネモ「昔話?」

もこっち「私、昔キャバ嬢目指してたことがあるんだよね・・・」

ネモ(またクロが変なこと言い出した)

7: 2018/07/31(火) 23:41:03.198 ID:Q/koqpbz0.net
もこっち「まあ、本格的に裏の世界に染まる前に足は洗ったんだけどさ・・・」

もこっち「それでもこの世の闇を少しは体験したんだよね・・・」

ネモ(どうせ歌舞伎町あたりで夜遊びしたけど怖くなってすぐ帰って来た、くらいの話だろうな)


もこっち「で、キャバ嬢の仕事ってのは汚いおっさんにセクハラされることなんだけど」

ネモ「それはセクキャバっていう特殊な店で、普通のキャバクラはおさわり禁止だよ」

もこっち「・・・・・・」

もこっち「・・・・・・まあ、それはどうでもいいんだよ」


もこっち「で、キャバ嬢はそんな汚いおっさんにも『会いたかったわ』『大好き』とか言うんだよ。仕事だから」

ネモ「だろうね」

もこっち「で、おっさんの方はその言葉に気を良くして嬢に金を貢ぐ、と」

もこっち「ここで重要なのは、おっさんの方もキャバ嬢の言う『大好き』を本気にしてるわけじゃないんだよ」

ネモ「そうなの?嘘だって分かってるのに貢ぐわけ?」

もこっち「そう。ま、普通の学生生活を送って来たネモには分からないかもしれないけどね」

ネモ(イラッ)

8: 2018/07/31(火) 23:44:28.100 ID:Q/koqpbz0.net
もこっち「大切なのは表面的な形式なんだよ」

もこっち「おっさんがただの金づるなのはキャバ嬢もおっさん自身もわかってる。けど、表面的には恋人関係を演じる」

もこっち「その暗黙の了解があれば、おっさんも気持ちよく金を払うんだよ」

もこっち「萌えコンテンツの公式とオタの関係もこれと一緒なんだよね」

ネモ「やっと話が戻ってきたね」


もこっち「作者の狙い通りの百合萌えシーンで、作者の狙い通りにオタクが萌えてるなんてことは、オタクだってわかってる」

もこっち「でも、それを大っぴらに公言はせず、あくまで『その萌えはあなた自身が生み出したものですよ』と素知らぬ顔でいてくれるのがいいんだよ」

ネモ「すごい分かりづらい例えだったけど、まあ、なんとなく言いたいことは分かったかな」

もこっち「ま、一言でいうなら公式はもっと空気読めってことだね」

ネモ「クロに言われちゃお終いだ」


ネモ「じゃ、クロは投票に参加しないんだね」

もこっち「いや、するけど」

ネモ「するんかい」


END

9: 2018/08/01(水) 00:10:16.436 ID:jc3xz9u0M.net
おつ

引用元: もこっち「モテないし公式が百合推ししてくる」