2: 2014/05/20(火) 22:05:56.02 ID:pLbz2UjC0


~バス内~


((ブロロロロ!))


蛍「みなさんどうもお久しぶりです。一条蛍です。
今私たちはのんのん村(名称不明)を離れて隣町の映画館に来ました。
その理由は隣町の映画館で上映されている仮面ライダー大戦の映画を観る為です。
詳しい事情は前スレで確認してくださいね!」

小鞠「蛍は一体誰と話をしているの?」

夏海「まあまあ、こまちゃんは気にしなくていいの!」

れんげ「ようやく映画館に着いたのん!」


((ピカッ!ゴロゴロ!))



蛍「キャッ!雷が!?」

小鞠「もう…せっかく映画観に来たのに最悪だよ!早く映画館に入ろ!」

卓「」コクッ

1: 2014/05/20(火) 22:04:44.87 ID:pLbz2UjC0

3: 2014/05/20(火) 22:06:39.97 ID:pLbz2UjC0


~映画館~


夏海「え~と新作の映画の…仮面ライダー大戦だっけ?早く観ようぜ!」

小鞠「うん!楽しみだね!」

卓「」コクッ

蛍「アハハ、そうですね。さて、今回はどうなる事やら…」

((ビーーーーー!))

れんげ「さっそく映画が始まるんな!」

蛍「タイトルが出ましたよ、これは…」

4: 2014/05/20(火) 22:07:31.41 ID:pLbz2UjC0


【爆竜戦隊アバレンジャー アバレサマーはキンキン中!】


蛍「あ…あれ?アバレンジャー!?」







【30分経過】

『この後は555だよ!』

『555に出してやるぅ!!』

夏海「アハハ!アバレンジャー面白かったね!」

れんげ「ダイノガッツなん!」

小鞠「仲代先生もイケメンでカッコよかったね!」

卓「」コクッ

蛍「何でしょうか…このいつもの感じは…これはまさか…!?」

5: 2014/05/20(火) 22:08:07.73 ID:pLbz2UjC0
夏海「お、次の映画も始まるよ!」

蛍「そ…そうですね!気を取り直して次こそはライダー大戦を!」

小鞠「あれ?なんか企業ロゴが出てきたよ。これは…」

夏海「ウチ…日本語は得意だけど英語は苦手なんだよ。兄ちゃんあれなんて読むの?」

卓「……」

蛍「あ…これは『SMARTBREIN』と読むんですよ、……あれ?スマートブレイン!?」

夏海「なるほどスマートブレインか!今度はその会社っぽいのが映ってるよ。」

6: 2014/05/20(火) 22:08:36.89 ID:pLbz2UjC0
れんげ「なんかオリーブオイルな顔をしたお兄ちゃんが現れたん!」

蛍「この人って確かオリーブオイルでお馴染みの速水もこみちさん!?
ライダー大戦のゲストで出演してくれてたんですね!けど今よりちょっと若い気がするのは何でだろ…?」


((ジャキッ!)) ((ガシャンッ!))


夏海「あ…あれ!?スーツを着た連中が途端にテ口リストに早変わりだ!?」

小鞠「しかもOLさんを人質にしてるし!?」

『キャー!?』

『騒ぐな、帝王のベルトはどこにある?』


「「帝王のベルト!?」」


れんげ「なっつん!帝王のベルトって何なん?」

夏海「さあ?ウチも知らないなぁ?」

7: 2014/05/20(火) 22:09:31.13 ID:pLbz2UjC0
『帝王のベルトは…』

小鞠「それにしてもOLさん可哀想だよ!誰か助けに来て!」


((オォォォォ!))


「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!???」」


れんげ「OLのお姉さんが灰色の怪人に変わったんな!?」

小鞠「どうなってんの!?」

れんげ「な…なっつん!これはどういう事なん!?」

夏海「ウチにもさっぱりだー!!」

卓「」コクッ

蛍「この灰色の怪人って確か…オルフェノクじゃ…?」

8: 2014/05/20(火) 22:10:44.04 ID:pLbz2UjC0
『ハッ!』

『うわぁぁぁぁぁ!?』

小鞠「キャァァァァァ!?怪人に襲われた人間が…灰になっちゃった!?」

『ハ~イ♪人間解放軍のみなさんですね。いらっしゃ~い♪突然来るものだからお姉さんビックリしちゃった!』

れんげ「今度は青い服を着たお姉さんが現れたん!」

蛍「この人は確か…スマートレディー!?
中の人は仮面ライダー龍騎で島田さんを演じていた人ですよ!」

夏海「うぇぇ…なんかやばそうな雰囲気だよ…」

9: 2014/05/20(火) 22:11:16.66 ID:pLbz2UjC0
『でも大歓迎で~す!歓迎の印にみなさんを天国に御招待しちゃいま~す♪』

『ふざけるな!!』


((ダンダンダンッ!))


蛍「人間解放軍のみなさんはありったけの銃弾を撃ち込んでますけど効果ゼロですね。」

『うわぁぁぁぁ!』

『クソッ!』

れんげ「みんな街の中に逃げてきたん!」

夏海「しかもオルフェノクまで追いかけてきたよ!街のみんな!早く逃げろー!?」

10: 2014/05/20(火) 22:11:46.34 ID:pLbz2UjC0


『………』


小鞠「へ…変だよ?いきなり銃を持ったテ口リストや怪人のオルフェノクが現れたのに街の人たち誰も見向きもしないなんて…?」

『うわっ!?』

((ガシャン!))

蛍「あ、人間解放軍の一人がカップルが座っている座席にぶつかりましたね。」

れんげ「カップルもオルフェノクだったん!?」

『助けてくれー!』

蛍「結局もこみちさん以外全員氏んじゃいました…」

小鞠「ひ…酷い…」

夏海「なんだよこれ!ライダー早く来てくれー!!」

11: 2014/05/20(火) 22:16:42.98 ID:pLbz2UjC0


((ブオオオオン!!))


れんげ「そこにバイクが一台やってきたん!」

蛍「けど生き残りはもこみちさんしかいないんですけど…正直手遅れですよ…」

小鞠「この人何か取り出してる…?これは…携帯電話!?」

蛍「あ、この人確か…仮面ライダーカイザの草加雅人さん!?」


『standyng by』


『変身!』


『complete』


((ビシュゥゥゥン!))


れんげ「仮面ライダーが現れたんな!」

蛍「彼は草加雅人さんが変身する仮面ライダーカイザ!
カイザフォンに913の変身コードを入力する事で変身できる戦士ですよ!
ちなみにこのカイザギアは劇中で『呪われたベルト』と言われて、
不適合者の人間たちが尽く氏んでいった曰く付のベルトなんですけど…
まあ装着者の草加さん自体が歴代ライダーでも1、2を争うほどの曰く付なんでピッタリなんですけどね。」

12: 2014/05/20(火) 22:17:36.98 ID:pLbz2UjC0
夏海「とにかく頼むぞライダー!…ってあれ?」

『キャー!?』 『うわー!?』

れんげ「ライダーが現れたら人が蜘蛛の子散らした状態になってるん。」

夏海「さっきは怪人がいても動じなかったのにどうなってんだ?」

『exeed charge』

『ハッ!』

『グハッ!?』

れんげ「ライダーのパンチを喰らってオルフェノクが灰になったん!?」

蛍「間髪入れずに怪人をグランインパクトで一発!相変わらず容赦ない戦い方ですね…」

13: 2014/05/20(火) 22:18:44.18 ID:pLbz2UjC0
小鞠「けどおかしいよね?
人間がオルフェノクに襲われている時は知らんぷりだったのに…」

夏海「ライダーが現れたら逃げ出すんだもんな、何がどうなってるんだろ?」

れんげ「ウチわかったん!この街は……オルフェノクの街なん!!」


「「オルフェノクの街!?」」


夏海「いやいや…さすがにそれはないっしょ…
仮面ライダーは子供向けのヒーロー番組の特撮モノだしそこまで本格的な訳が…」

小鞠「ちょっと待って!モノローグが語られてるよ!?」

14: 2014/05/20(火) 22:19:18.01 ID:pLbz2UjC0


『遠くないない未来、どこかの国』


『全世界は人類の進化形、<オルフェノク>によって支配されていた』


夏海「マジかよ!?」

小鞠「ここまで本格的なの!?」

蛍「おかしい…これ明らかに仮面ライダー大戦じゃない気がする!?」

れんげ「あ、タイトルが出てきたん!」

15: 2014/05/20(火) 22:21:02.94 ID:pLbz2UjC0


【仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】


れんげ「仮面ライダー555…?」

夏海「パラダイス…?」

小鞠「ロスト…?」

卓「」コクッ

蛍「な…なんという事でしょうか…
私たちののんのん村は25年遅れていましたが……隣町は……10年遅れていました!!??
これじゃまたいつもの展開じゃないですかーーー!!!??」

小鞠「蛍がいつもみたくまた訳のわからない事を喚いてる…」

16: 2014/05/20(火) 22:22:32.94 ID:pLbz2UjC0
蛍「もうヤダー!
10年前の映画を上映だなんて詐欺ですよこれ!?映画館の人にお金返してもらってさっさと出ましょう!!」

夏海「まあまあほたるん落ち着いて、今から出てもしょうがないし…
大体こんな中途半端で観るのやめたら後味悪いしこのまま観続けようよ。」

小鞠「そうだね、これからどうなるのかちょっとワクワクしてきたし!」

卓「」コクッ

れんげ「ほたるん!一緒に観るん!」

蛍「うぅ…グスッ…わかりました。
まあ私もこの映画は正直観た事ないのでいい機会ですので観てみましょう…
でもこの映画館にはあとでちゃんと文句入れておかないと!」

27: 2014/05/21(水) 22:18:25.95 ID:KLuB8UHV0
れんげ「生き残ったもこみちがアジトに帰ってきたん。」

蛍「あのオルフェノクだらけの街をたった一人で歩くって正直恐いですよね…
ちなみに解放軍には555のヒロインの園田真理さんに菊池啓太郎さん。
それとギャグキャラの野村博士がいます。」

『水原…あんた…!』

((バシッ!))

小鞠「あ、殴った。」

夏海「殴られたね。」

28: 2014/05/21(水) 22:19:17.38 ID:KLuB8UHV0
『なんだよ!何か文句あるのかよ!?』

『アンタ…自分のやった事がわかっての!
アンタの所為で仲間が無駄に氏んでったんだよ!?アンタの勝手な行動の所為でね!!』

蛍「なるほど、殴られるにはもっともな理由ですね。
もこみち…じゃなく速水さんはオルフェノクに勝つために帝王のベルトを奪おうとしました。
けどこうして失敗して今に至ると…」

『水原…アンタやっぱ何にもわかってないよ!
私たちに必要なのは帝王のベルトでもなければ新しい武器でもない!』

『…555か?また乾巧って野郎の話かよ!?
真理、いい加減目を覚ませ。現実を見ろよ。555は氏んだんだ。』


「「555…?」」


夏海「その前に555って何?」

蛍「え~と簡単に説明すると平成ライダー4作目の仮面ライダーですね。
携帯電話を使って変身する仮面ライダー555、その変身する人が乾巧さんなんです。」

29: 2014/05/21(水) 22:19:43.92 ID:KLuB8UHV0
夏海「お、過去の回想シーンだ!……ってなんじゃこりゃ!?」


((ブオン!)) ((ブオン!)) ((ブオン!))


れんげ「仮面ライダーがいっぱいいるん!」

小鞠「これざっと見ただけで千人以上いるんじゃ…!?」

蛍「彼らはライオトルーパー部隊、スマートブレイン社に与するオルフェノクたちが変身した量産型仮面ライダーです。
カブトのゼクトルーパー隊や鎧武の黒影トルーパーの元祖ですね。
泥棒ライダーの海東さんに兵隊として扱われるだなんてこの時まだ思ってもみなかったでしょうね…
ちなみにTV版でも47~48話に出演しています。」


『うわぁぁぁぁ!?』


夏海「あ、555がやられた!」

30: 2014/05/21(水) 22:29:18.22 ID:KLuB8UHV0


『真理…』


『巧!!』


夏海「巧と真理さんが手を繋ごうとしてるけど…」


((ブオオオオン!!))


小鞠「ライオトルーパーの連中に連れて行かれちゃったよ…可哀想…」

蛍「ここで回想は終わり、そこへ草加さんが出てきました。」

『草加さん!?』

『スープのお代わりをもらえるかな?』

蛍「スープのお代わりなのに何でお皿キレイなんだろ?」

31: 2014/05/21(水) 22:31:26.86 ID:KLuB8UHV0
夏海「それにしてもオルフェノクは悪いヤツらだな!」

小鞠「けどオルフェノクにもいい人はいるみたいだよ!
木場さんとか長田さんとか海堂が人間に味方してくれるオルフェノクなんだって!」

『アンタらオルフェノクなんだろ…』

れんげ「けど迫害されてるん、何でなん?」

蛍「まあ…人間を頃す化け物が味方だなんて信じられないんだろうね…」

小鞠「元は同じ人間なのに酷いよ!」

夏海「でも靴売りの女の子のミナだけ味方っぽい!隆って男の人と一緒に暮らしてるんだってさ。」

小鞠「男の人と…一緒に暮らすだなんて…大人だ!」

『ただいま隆!』

『あぁ、お帰り。』

れんげ「んな?この隆って男の人見た事あるん!」

蛍「あ、ちょっと髪が伸びてますけど彼は乾巧さんですよ!?やっぱり生きてたんだ!!」

『ミナちゃんのお父さんには子供の頃からお世話になりっぱなしだったからね。』

小鞠「でもなんか様子がおかしいね、どうなってるんだろ?」

『ズズー』

蛍「しかも熱いお茶を飲んでるし…」

32: 2014/05/21(水) 22:32:14.15 ID:KLuB8UHV0
蛍「そんな三人がスマートブレイン社に招かれました、一体何の目的があってでしょうか?」

『これが最後の警告です。キミたちは今…非常に危うい立場にいる。』


「「うわわわわわ!!??」」


夏海「く…首だけのおっちゃんが出てきた!?」

小鞠「これは気持ち悪いよ!なんなの~ん!?」

蛍「え~と確か彼はスマートブレイン社の村上社長ですけど…身体はどうしちゃったんでしょうか?」

『我々には愛がありますから…我々は人間を襲うことで、
彼らをオルフェノクにすることが出来る…人を襲うことは、愛ゆえの行為なのです。』

『ふざけんな…ほとんどの人間は氏んじまうじゃねぇか!』

『仕方ありません…オルフェノクになれない人間など、氏んだ方がいい。』

小鞠「何か子供番組とは思えないくらいとんでもない事言ってるよ…」

蛍「この頃のライダーのスタッフさんたちは子供番組のイメージを払拭しようとしてたって話ですから…
でも今見るとこれはさすがにやり過ぎでは…?」

33: 2014/05/21(水) 22:32:53.51 ID:KLuB8UHV0
夏海「そこにスマートブレインの社員たちが現れたよ!
木場たちが許せないってんでオルフェノクになって襲い掛かろうとしてる!?」

『レオ!』

小鞠「そこにレオって人が帝王のベルトを持って現れた!」


『ヘンシン!』

蛍「確かこのライダーは仮面ライダーサイガだったような。
それにしてもさすがは劇場版ライダー…あっという間に雑魚フェノクを一掃してしまいました。」

小鞠「うん…確かに強くてカッコいいけどこの人何でカタコトなの?」

蛍「それは中の人がピーター・ホーという台湾の役者さんだからですよ。」

れんげ「あ、レオが置いた帝王のベルト…もうひとつあるん!一体誰が使うんな?」

34: 2014/05/21(水) 22:33:28.28 ID:KLuB8UHV0
『帝王のベルトの力は見事だった。』

『あのベルトがあればどんな反乱分子でも抑える事が出来るだろう。』

『だがあと一本のベルトは誰に与えるつもりなのだ?』

蛍「スマートブレイン社の幹部っぽい人たちが出てきました。」

夏海「なんかどっかで聞いた事ある声のような…」

れんげ「ショッカーの首領とゴルゴムの大神官ダロム、それにクライシス帝国のジャーク将軍なん!」

蛍「中の人たちの友情出演なのでしょうか?」

35: 2014/05/21(水) 22:34:26.63 ID:KLuB8UHV0
蛍「木場さんたちは帝王のベルトの事を解放軍の人たちに説明しました。
けどみんな木場さんたちの言う事には疑心的です…」

小鞠「けど真理さんが!」

『オルフェノクだって、もともとは私達と同じ人間だったんだ…
オルフェノク全体を憎むのは、おかしいよ…たぶん…オルフェノクとか人間とか、関係ないんだと思う…
人間の中にだって人間らしさを失っている奴らもいる訳だし…私は木場さん達を信じるよ…私たち仲間だって…』

夏海「いやー、良い事言うねぇ真理さん!」

蛍「今の話ってこの映画のテーマですよね。人間とオルフェノクが共存し合えるかどうかの…」

36: 2014/05/21(水) 22:46:58.26 ID:KLuB8UHV0
小鞠「そんな時にライオトルーパー部隊が人間解放軍のアジトに攻め込んできたよ!」


((ブオン!)) ((ブオン!))


『何故この場所が!?』

『ヤツらのせいだ!』

蛍「速水さんは木場さんたちの所為だと主張しましたけどこれだけ人が集まっているところなんだからバレて当然じゃ?」

夏海「さっき555ってライダーを倒した1万人のライダーたちだ!」

小鞠「人間たちはバスに乗って応戦して…」

『海堂!』

『わーってるよ!』


((オォォォ!))


れんげ「木場たちもオルフェノクになって戦ってるんな!」

蛍「木場さんはホースオルフェノク、結花さんはクレインオルフェノク、海堂さんはスネークオルフェノク、
それぞれオルフェノクに変化しました。
それにしてもホースオルフェノクたちのデザインですが子供には受けにくいでしょうけど…
これ結構カッコいいですよね!」

夏海「確かに、ちょっと中2心を燻るね!」

卓「」コクッ

37: 2014/05/21(水) 22:47:36.89 ID:KLuB8UHV0
『ワー!』 『キャー!』

蛍「激戦が繰り広げられていた中で一人のライオトルーパーの変身が解けてしまい…
それからライオンオルフェノクに変化してしまいました。」

『フンッ!』

((ブロオオオオ!))

れんげ「そこにサイガが加わってバスが壊れちゃったん…」

蛍「そこへ草加さんが駆けつけました。」

『雅人…』

『変身!フン…』

れんげ「サイガとカイザの戦いが始まったのん!」

38: 2014/05/21(水) 22:49:35.52 ID:KLuB8UHV0
『ハッ!ホッ!ハァッ!!』

『グッ…!?』

小鞠「そんな…カイザが全然刃が立たないよ!?」

蛍「劇場版ライダーの噛ませ犬役に2号ライダーあたりが担当させられるのはいつもの事ですから。」

『ビークルモード!』

れんげ「カイザのバイクがロボットになったん!」

小鞠「スゴい!ロボットに変形するバイクなんて初めて見たよ!!」

夏海「しかもミサイル連発とか何気にスッゲー!?」

卓「」コクッ

蛍「これの前の年の龍騎はドラゴンがバイクに変形してましたよ。
でもブレイド辺りであまり特徴のない地味なバイクになってたような…」

39: 2014/05/21(水) 22:50:15.01 ID:KLuB8UHV0


((ドドドドドド!!))


夏海「けど足の部分をやられちゃって動けなくなった!?」

蛍「そこへサイガがカイザを上空に持ち上げて…
これは容赦ないですね、壊れたバスに突っ込ませて大爆発です。」


((ドッカァァァァァァン!!))


『うわぁぁぁぁ!?』

れんげ「カイザの変身が解けてしまったん!」

『After all, you are only human.』

夏海「レオが英語で言ってるけど…何て言ってんの?」

小鞠「もう!英語の授業ちゃんとやってないからだよ!
これはね………え~と………蛍わかる?」

蛍「たぶんこの訳しは『所詮、キミはただの人間だ』という意味でしょうか?」

夏海「小5に教わるとかウチら立場無いよね…」

小鞠「帰ったら英語の勉強頑張ろうね…」

卓「」イモウトタチヨ、アニハハズカシイ

40: 2014/05/21(水) 22:51:39.75 ID:KLuB8UHV0


((ドシュッ!))


『草加さ…!?』


「「えぇぇぇぇぇぇぇ!!??」」


夏海「か…仮面ライダーが!?」

小鞠「し…氏んじゃった…」

れんげ「ヒーローが氏ぬってあり得るん!?」

卓「」ブルブル

蛍「私も詳しくは知りませんが555と龍騎は平成ライダーでもかなりの鬱展開らしいですから。
それにしてもヒーロー大戦みたく変身した姿じゃなく人間の姿でガチで殺される姿はえぐいですね…」

41: 2014/05/21(水) 22:52:38.04 ID:KLuB8UHV0
『Give me the Belt.』

小鞠「これはわかるよ!啓太郎たちにベルト寄こせって言ってる!」

『ハァァ!』

蛍「そこへ先ほどライオトルーパーたちと交戦していた木場さんたちが駆けつけてくれました。」

『Good to see you,guys.Taking care of all of you, It's part of my job.』

蛍「え~と訳すと『やあ諸君、キミたちの相手をするのも僕の仕事でね』と言っております。」

『ヘンシン!Let the game begin!』

蛍「『さあ、ゲームを始めよう』とそう言っているようですね。」

夏海「まったく一人だけ英語喋ってわかりづらいよ!ここは日本だからちゃんと日本語喋れー!」

小鞠「もしくは字幕つけてほしいね…」

42: 2014/05/21(水) 22:53:46.13 ID:KLuB8UHV0
『うおおお!』

『ハッ!ホッ!』

夏海「うおお!サイガと正義のオルフェノクたちの戦いだ!」

小鞠「サイガが三人のオルフェノクたちと互角に戦ってるよ!」

蛍『木場さんと結花さんは疾走態に変化して徐々にサイガを追い込みます。』

れんげ「でも何で海堂は疾走態にならないん?」

蛍「え~と確か…オルフェノクにはオリジナルとそうじゃないのがあって…
オリジナル、つまり一度何らかの理由で氏んだ人がオリジナルで劇中で
オルフェノクに使徒再生能力で殺されて甦ったのが一般のオルフェノクなの。
海堂さんはその後者になるんだよ。
でもTV本編じゃオリジナルとかの描写があまり深く描かれなかったような…」

43: 2014/05/21(水) 22:55:05.70 ID:KLuB8UHV0
夏海「けど海堂も負けてないよ!カイザが使ってたサイドバッシャーに乗って反撃だ!!」


『どけぇ!木場ぁぁぁぁぁぁ!!』


((ドドドドドド!!))


夏海「ミサイル攻撃だ!これで…!」

小鞠「ダメ!?サイガが逃げちゃったよ…」

『怪我はないかー!』

『しっかりしろー!』

れんげ「戦いは終わったけど人間解放軍とライダー部隊と被害は酷過ぎるん…」

蛍「画面に映っているライオトルーパーの亡骸…
スーツの中身が人じゃなく灰が詰まっているのが妙に生々しいですね…」

れんげ「人間とオルフェノクの戦いは虚しいだけなん…」

54: 2014/05/23(金) 22:05:32.33 ID:5mGKff/S0
蛍「その夜、真理さんは予てよりの仮面舞踏会を開催したのですが…」

『やっぱり…誰も来ないよね…』

小鞠「あんな戦いの後だもん、誰も来るわけが…」

蛍「真理さん…木場さんたちは呼ばなかったんでしょうか?」

『巧…私もうどうしていいかわかんないよ…』

小鞠「真理さんの気持ちわかるなぁ…いくら解放軍のリーダーでも女の子だもんね!」

55: 2014/05/23(金) 22:06:39.18 ID:5mGKff/S0
蛍「その頃、啓太郎さんは野村博士が開発した変身一発とかいう怪しげなドリンクを受け取っていました。」

『これを…俺に…?』

『それを飲めばお前はカイザのベルトを使い変身する事が出来る。』

夏海「やったじゃん!」

蛍「本編でもカイザのベルトは誰でも変身する事は出来るんですよ…けどすぐ氏んじゃいますけどね…」


「「マジで!?」」


蛍「けど野村博士が作った変身一発ですが『飲んだら変身できるけど氏ぬよ!』って…それドリンク飲む意味ないですよね…」

56: 2014/05/23(金) 22:07:26.59 ID:5mGKff/S0
『う…うぅ…』

小鞠「会場で一人泣いている真理さん…そんな真理さんの下に隆さんがやってきたよ!」

『いらっしゃい…あたし一人なんだけど…いいかな?』

((♪~))

小鞠「レコードを流しながらダンスする男女…ロマンチックだよねぇ♡」

蛍「私も先輩と一緒にダンスしたいです♡」

夏海「なんかこのシーン退屈なんだけど…」

れんげ「ウチもなん!早くバトルしてほしいん!」

卓「」コクッ

小鞠「このロマンスもわからないお子ちゃまどもめ!
あ、二人のダンスを見てたミナさんがせっかく作ったドレスを捨てちゃった…」

蛍「青春時代にありがちな失恋ですね。けど隆さんが作った赤い靴は残しておいたみたいですけど…」

57: 2014/05/23(金) 22:08:00.31 ID:5mGKff/S0


((ブオン!))  ((ブオン!))


れんげ「そこにさっきのライオトルーパーたちがやってきたん!」

小鞠「もう!いい雰囲気のとこを邪魔して!?」

『うわぁっ!?』

『巧!』

『真理…真理…!?』

蛍「ライトルーパーのバイクに撥ねられたショックで記憶が甦ったようです。
やはり隆さんの正体は行方不明になっていた乾巧さんでした!
それにしてもなんという唐突な展開…まあ映画だからと割り切るしかないけど…」

夏海「けど敵は大勢だよ!どうやって戦うんだよ!?」

58: 2014/05/23(金) 22:08:42.49 ID:5mGKff/S0
『巧こっち!』

『お前こんな時にゴミ拾いか!何考えてんだ?』

れんげ「真理がゴミの中を漁ってるん!」
 
小鞠「こんな時にもギャグシーンやるゆとりがあるんだね…」

蛍「ゴミの中から出てきたのは555ギアでした、そして遂に…」


『お前ら、そういや随分虐めてくれたっけな!今度はこっちの番だ!』


『Standyng by』


『変身!!』


『Complete』


((シュィィィィン!))


蛍「巧さんが変身しました、そして…遂に…遂に…現れました!」

れんげ「仮面ライダー555の復活なのん!!」

夏海「うおお!スーツが光っててカッコいい!!」

卓「」コクッ

59: 2014/05/23(金) 22:16:19.11 ID:5mGKff/S0
小鞠「555の復活で喜んでる真理さん、それに引き替え…
なんかがっかりした表情で見つめるミナさんの姿が対比してるね。」

蛍「その辺りドラマ性が感じられますよね。」


『Start up』


れんげ「555の装甲が開いたん!」

蛍「これは…仮面ライダー555アクセルフォーム!
TV版第21話『加速する魂』にて初登場した仮面ライダー555の中間の強化フォームです!
ファイズアクセルに搭載されているアクセルメモリーをファイズフォンにセットする事で発動します。
このアクセルフォームは仮面ライダーカブトのクロックアップの元祖とされており使用するとこの通り…」


((ビシュンッ!))  ((ビシュンッ!))


『ダァァァッ!!』


夏海「スッゲー!」

れんげ「ライオトルーパーたちをあっという間に倒したんな!」

蛍「目にも見えない速さで敵を瞬頃する事が出来ます。」

60: 2014/05/23(金) 22:16:49.81 ID:5mGKff/S0
『3、2、1、Time out』

小鞠「あ、元に戻った。どうして?」

蛍「アクセルフォームは10秒の制限時間が設けられていてそれを過ぎるとスーツが耐えられなくて自壊しちゃうらしいです。
しかも自壊するだけならまだしも装着者は大量のフォトンブラッドを直接浴びて消滅して、
さらに周囲3km四方は空気に触れて劣化したフォトンブラッドによって汚染されるとか。
設定だけだと本当に危険なんです…」

れんげ「けど敵はまだ残ってるん!」

夏海「そうだバイク!555のバイクは無いの!?」


((ドッカーン!))


れんげ「ゴミ置き場からロボットが出てきたん!」

蛍「あれは…555の専用ビークルオートバジン!
けどゴミと一緒に捨ててるとか真理さん…オートバジンの扱いが酷くないですか?」

61: 2014/05/23(金) 22:17:42.27 ID:5mGKff/S0
小鞠「オートバジンがロボットからバイクに変形したよ!」


((ブロロロロロン!))


((ドッカァァァァァン!!))


夏海「スッゲー!オートバジンの体当たりで残りのライオトルーパーもやっつけた!!」

れんげ「555スゴいん!」

蛍「アクセルフォームやオートバジンがあるなら555はどうして冒頭の1万人ライダーに負けちゃったんでしょうか?」

62: 2014/05/23(金) 22:28:47.61 ID:5mGKff/S0
『フーッ、フーッ』

れんげ「お茶飲むのにフーフーし過ぎなん!」

夏海「ていうかさっきは飲めてたはずなのに何で急に飲めなくなってんの?」

蛍「巧さんは元々極度の猫舌なんで…」

小鞠「けど解放軍のみんなは巧の事あんまりよく思ってないみたい…
水原なんて敵意丸出しだよ!」

『乾巧、もしかしてアンタ…オルフェノクじゃないのか?』

夏海「ハッハッハ!何をバカな事を言ってんだこいつ?」

小鞠「ライダーが怪人なわけないじゃん!」

れんげ「見当違いなん!」

卓「」コクッ

蛍「……意外とするどい発言を…」

63: 2014/05/23(金) 22:29:26.15 ID:5mGKff/S0


『私にはわかる!そして555は闇を斬り裂き、この世に光をもたらすのよ!!』


蛍「後の伏線になりそうな台詞ですね。」

小鞠「真理さんに髪を切ってもらった巧はミナさんのとこに…
何で隆の記憶を持っているのか疑問を持っていたんだね。」

『行けよ!どこでも好きなとこに!?』

『ミナ!』

小鞠「メロドラマだよねぇ、こういう男女のドラマを描いてるとこ私好きだよ♪」

夏海「そっかな、ウチは退屈なんだけど…」

れんげ「ウチもなん、早くバトルしてほしいん!」

蛍「お子さまはこういうシーン本当退屈ですから…」

64: 2014/05/23(金) 22:31:11.38 ID:5mGKff/S0
『ミナ、教えてくれ!俺には乾巧としてじゃなくもうひとつ別の記憶がある。
小さい頃、お前の親父さんに世話になった記憶が…お前と一緒に遊んだ記憶が…どうしてなんだよ?』

『それは…親父が…アンタの頭に植え込んだ記憶だよ…知り合いの医者に頼んで…』

蛍「どうやら巧さんの『隆』としての記憶はミナさんのお父さんが知り合いのお医者さんに頼んでやってもらったそうな…
そんな記憶操作とかとんでもない事をやってのけたのはどこのお医者さんですか?」

『私…わがままでガサツで友達もいないから…』

れんげ「ミナはずっと一人ぼっちだったんな…」

『いるさ…俺がいる。』

小鞠「真理さんがいるのに!巧の浮気者!!」

蛍「先輩落ち着いてください!別に巧さんと真理さんは付き合っている訳じゃないですから…」

『それからこれ…返さなくちゃな!』

れんげ「ミナが鞄から武器を出したんな!」

蛍「これは確か…ファイズブラスター?」

65: 2014/05/23(金) 22:32:03.36 ID:5mGKff/S0


((パーンッ!))


『お前に救世主は務まらない!こいつは俺が貰っとくぜ!』

夏海「速水だ!555のベルトを奪おうとしている!?」

『隆!』

((パーンッ!))

れんげ「み…ミナが…」

夏海「速水に撃たれて氏んじゃった…」

蛍「なんとスピーディーな展開でしょうか…本当にこれ子供向けなのかと疑いたくなりますよ。」

『ミナー!?』

小鞠「ミナは…うぅ…愛する隆と一緒に踊る夢を見ながら…氏んじゃった…うえぇぇぇぇん!!」

蛍「あぁ…もう泣かないでください先輩!先輩が泣いちゃうと私まで…うぇぇぇぇぇん!!」

れんげ「二人ともうるさいのん!」

夏海「そうだよ!他のお客さんの迷惑だよ!」

卓「」ミンナウルサイ

66: 2014/05/23(金) 22:33:15.71 ID:5mGKff/S0
夏海「ベルトを持って逃げた水原の前に木場が現れた!
木場は水原がベルトを持っていても何の役にも立たないって言うけど…」

『変身!』

『error』

『うわっ!?』

れんげ「弾かれてしまったん!」

蛍「555のベルトは不適合者が装着するとああやって弾かれちゃうんですよ。
ちなみにライダーになれる適合者というのは…オルフェノクなんですけどね。」

『うるさい!』

『うわっ!?』

夏海「オルフェノクになった木場に速水が手榴弾を投げつけた!」

れんげ「速水もう許せないんな!」

『ハハハ!ハッハハハハハ!!……うん?』

蛍「そんな速水さんにも天罰が下ったようです。
先ほどの手榴弾の威力で吹き飛んだホースオルフェノクの剣が彼の身体に突き刺さってしまいました。」

夏海「うわぁ…本当容赦ないわ…」

67: 2014/05/23(金) 22:43:09.18 ID:5mGKff/S0
蛍「ちなみに翌日、巧さんと木場さんは再会を果たします。
そこで先ほど速水が奪ったファイズギアも木場さんが取り戻してくれました。
けど…」

小鞠「木場さんたちは解放軍の人たちに疑われて帝王のベルトを取ってくるように命じられちゃったよ!」

蛍「ですが真理さんが別れ際に…」

『あたし…人間もオルフェノクも関係ないって言ったけど、水原が言ってたでしょう…
巧がオルフェノクかもしれないって…あの時すごく嫌な気分だった…だから…うそつきかもしれない…』

蛍「真理さんのこの言葉に木場さんがなんとも絶妙な表情を浮かべていますね。これはもしかしたら…」

68: 2014/05/23(金) 22:43:49.83 ID:5mGKff/S0
れんげ「それから木場たちはスマートブレインのビルに侵入したん!けどこれは罠だったん!?」

『キミたちは再三の警告にも拘らず私の期待を裏切った、終りです。』


『ガァァァァ!!』


夏海「うわあああ!でっかいオルフェノクが現れた!?」

小鞠「もしかしてこいつって…」

れんげ「さっきアバレンジャーで出番のなかったギガノイドなん!!」

蛍「たぶん違うと思うよ。
この怪物はエラスモテリウムオルフェノクといって人の心を失くしてしまったから常にこの巨大化状態なままなの。」

69: 2014/05/23(金) 22:44:35.88 ID:5mGKff/S0
夏海「木場たちを圧倒している…このままじゃやられちゃうよ!」

『キャァァァァ!?』

小鞠「あぁー!?結花さんが…」

『俺はまだお前に何も本当の事言ってねぇ!好きなんだよ俺…ずっと…お前の事…好きだったんだよ…』

『バカ…知ってたわ…そんな事…ずっと前から……』

小鞠「うぅ…瀕氏の結花さんに海堂が告白してる…泣けるよ!」

蛍「映画ではこうして海堂さんが愛の告白してますけどTV版じゃ啓太郎さんとくっ付いてるんですよね結花さん…」

70: 2014/05/23(金) 22:45:38.43 ID:5mGKff/S0


『あぁ…結花ぁぁ!うわああああああ!!』


れんげ「海堂が泣き叫びながらエラスモテリウムオルフェノクに挑んだん!」

蛍「けどオルフェノクとしては大した戦闘力の無い海堂さんはまさに蟻と像。
力の差は歴然としていて相手にもなりません…」


『結花…』


((ガツッ)) ((ガツッ))


小鞠「そ…そんな!?
海堂があの大きなオルフェノクに…かみ殺されちゃった…」

蛍「本当に酷い…脚本家が平成ライダーシリーズでも色んな意味で定評のある井上敏樹さんとはいえ容赦なさ過ぎます。
この頃の平成ライダーは内容が黒すぎますよ…」

71: 2014/05/23(金) 22:46:15.90 ID:5mGKff/S0
『キミたちは人間にもオルフェノクにもなりきる事が出来なかった。
そして…人間に裏切られたのだ。』

夏海「クビだけ社長の近くに真理さんが現れたぞ!」

『どういう事だ…?』

『ゴメンね木場さん、でも…どうしようもなかったんだ。』

『嘘だ…キミが俺たちを裏切ったっていうのか!?』

『だって…信用できないから…あなたたちの事…いつ人間の敵になるかもしれないし…だから…早く氏んでよ。』


「「うわぁ…」」


夏海「なんというか酷い展開だね…」

れんげ「この前見たヒーロー大戦の映画よりも酷い事になってるんな。」

小鞠「この映画人間関係ドロドロ過ぎだよ…」

卓「」コクッ

蛍「555は人間関係のドロドロさに定評がありますからね。
TV版はたまにギャグが入って良い塩梅が取れてましたけど映画は展開早いから…
ちなみにこの真理さんはスマートレディが化けた偽物でした。
そして木場さんは誤解したままこの後とんでもない展開に…」

72: 2014/05/23(金) 22:47:17.62 ID:5mGKff/S0


((ドカーン!)) ((ドカーン!))


れんげ「人間解放軍のアジトにサイガとライオンオルフェノクが攻めてきたのん!」

蛍「巧さんは555に変身してサイガに応戦しますがライオンオルフェノクが真理さんを襲おうとしています!」


『啓太郎!お前…氏ぬ気か!?』

『男には、やらなきゃならない時があるんだ!』

卓「」コクッ

夏海「啓太郎が覚悟を決めた!まさか…」

73: 2014/05/23(金) 22:48:37.82 ID:5mGKff/S0
小鞠「啓太郎が変身一発を飲んでカイザに変身しようとしてる!」


『変身!』


『complete』


夏海「やったー!啓太郎がカイザに変身出来たぞ!」

小鞠「行っけー!啓太郎!」

蛍「ですからTV版でも変身だけならできるんですけど…」

『うわぁっ!このっ!ちきしょっ!』

夏海「なんかもうヤケクソみたいな戦い方してるよね。」

蛍「一般人がいきなり怪人と戦わせられたらあんなものですよ。
そんな啓太郎カイザが止めの一撃を放ちます、カイザの必殺技ゴルドスマッシュです!」


『うわぁぁぁぁ!?』


『嘘…やった…やったーーーー!』


れんげ「啓太郎がライオンオルフェノクを倒したのん!」

74: 2014/05/23(金) 22:49:30.15 ID:5mGKff/S0
夏海「けどカイザのベルトが砂になっちゃった。」

蛍「『変身一発』はその名の通り一発勝負だったという事ですね。貴重なカイザのベルトが勿体ない…」

小鞠「けど真理さんがサイガに連れて行かれちゃったよ!」

蛍「巧さんはたった一人で真理さんを救いに行こうとします。
ちなみに途中まで啓太郎さんが付いて行ってますけどすぐに置いてっちゃいました。」

小鞠「そしてコロシアムじゃさっきのエラスモテリウムオルフェノクが真理に襲い掛かろうとしてるん!」

蛍「コロシアムってここ…平成ライダーでもお馴染みのロケ地の埼玉アリーナなんですけど…」

小鞠「それにしてもコロシアムの観客たち多過ぎだよ!一体何人いるの!?」

蛍「よくぞ聞いてくださいました。
この観客こそ番組が公募で集めた視聴者参加型のエキストラさんたちなのです!
ちなみにその数は1万人、日本映画史上では空前の数でギネスにまで載ったとか!」

75: 2014/05/23(金) 22:50:07.13 ID:5mGKff/S0


『5!』 『4!』 『3!』 『2!』 『1!』 『0!!』


小鞠「きゃー!真理さんが危ないよ!?」

夏海「も…もうダメなんかー!?」


『待たせたな、こんなとこでお前を氏なせはしない!変身!!』


れんげ「巧なん!巧が間一髪で間に合ったのん!!」

蛍「ヒロインの絶体絶命のピンチに駆けつけるヒーローとか…王道の展開とはいえこれは熱すぎますよ!!」

76: 2014/05/23(金) 22:51:07.26 ID:5mGKff/S0


((ドシュドシュッ!))


れんげ「あぁー!オートバジンが壊れちゃったのん!?」

夏海「そんな…ライダーのバイクが…」

小鞠「BLACKのバトルホッパーだって最終話まで壊れなかったのに…」

蛍「オートバジンはTV版でも555に蹴られたりと扱いが酷いですからね。
バトルホッパーはむしろ愛されていた方なんですよ…」

夏海「けど555も負けてないよ!
オートバジンにある剣を取り出して反撃だ!それからキックだぜ!!」

蛍「これ使い終わったファイズエッジを簡単に投げ捨ててるし…
そういえばさっき変身した時もファイズブラスターを捨てちゃってるしアイテムをもっと大事に使ってくださいよと…」

77: 2014/05/23(金) 22:51:39.89 ID:5mGKff/S0
れんげ「でもそこにサイガが現れたん!サイガは555を外に連れ出してしまったんな!」

小鞠「555とサイガがいなくなった会場はエラスモテリウムオルフェノクが滅茶苦茶に…
その所為で一端檻の中に入れられちゃったよ!」

『Either you, or me!』

『ハァッ!』

蛍「そして555はアクセルフォーム、サイガはフライングアタッカーで激しいスピード対決が行われたのです!
その結果は…」

『タァッ!』

『グォッ!?』

れんげ「555アクセルのパンチを喰らってサイガが吹っ飛んだんな!」

夏海「555の勝ちだ!やったー!」

78: 2014/05/23(金) 23:10:15.56 ID:5mGKff/S0
蛍「けど喜ぶのは早いですよ。
サイガはフライングアタッカーを排除してトンファーエッジを装備、けど555はアクセルフォームが時間切れに…」

夏海「やばいって!555フルボッコにされてるよ!?」

蛍「そして場面は再びコロシアムの中へ、けど武器の無い555は不利です!」


『巧!』


小鞠「真理さんが555に剣を投げ渡した!」


((バチィツ!バチバチッ!))


蛍「そしてファイズエッジとトンファーエッジの鍔迫り合い!」

夏海「オオッ!555が競り合いの隙をついて剣をサイガのベルトに当てた!?」


『Exeed charge』


蛍「ここでファイズエッジの必殺技スパークルカットが発動です!
そしてサイガの身体にφマークが浮かび上がりサイガは青い炎と共に消滅してしまいました。」

79: 2014/05/23(金) 23:11:03.93 ID:5mGKff/S0
れんげ「555の勝利なのん!」

夏海「よっしゃー!これで終わりだー!!」

小鞠「けど待って?会場がおかしいよ…?」


『オーガ!』 『オーガ!!』 『オーガ!!!』


れんげ「会場がオーガコールなん!」

蛍「それに会場のスクリーンに『Ω』の文字が!これはまさか…」

80: 2014/05/23(金) 23:13:11.07 ID:5mGKff/S0
小鞠「見て!木場さんだ!木場さんが帝王のベルトを付けてる!?」


『standyng by』


『変…身…』


『complete』


れんげ「木場がライダーに変身したのん!」

蛍「あれは…仮面ライダーオーガ!もう一つの帝王のベルトが遂に姿を現したようですね!!
ちなみにオーガはスマートブレインが作った仮面ライダーの中では最強の力を誇るとか…
こんなラスボスを相手に555はどう戦うんでしょうか?」

81: 2014/05/23(金) 23:13:41.01 ID:5mGKff/S0


『ようやくわかったんだよ…俺が生きていく道は一つしかない…俺はオルフェノクとして生きていく!!』


『『オオオオオオオオオオオ!!!!!!!!』』


れんげ「木場の決意表明と同時にスッゴい歓声なん!」

小鞠「そして555はボコボコにやられてとうとう変身が解けちゃったよ…」

夏海「これじゃ巧が危ないよ!どうすんだよ!?」

れんげ「待つん!巧の顔に何かが浮き上がったん!?」

蛍「あぁ、これは…」

82: 2014/05/23(金) 23:15:17.49 ID:5mGKff/S0


((オォォォォ!))


「「えぇぇぇぇぇぇ!!???」」


『巧が…オルフェノクに…何で…?何でよ!?』


蛍「そうです、ここで衝撃の真実が明かされました。なんと巧さんはウルフオルフェノクだったのです!!」



「「か…仮面ライダーが怪人だった!!???」」



小鞠「し…信じられない…」

夏海「確かに1号の頃から仮面ライダーは悪の組織の改造人間だけどさ…」

卓「」コクッ

れんげ「でもこれで納得がいったん!
人間じゃ変身できないはずの555に巧が変身できたのはオルフェノクだったからなのん!」

夏海「けどそれだと草加は何で変身できたんだろ?」

蛍「草加さんが変身できた理由はTV版で語られています。
なんでも草加さんや真理さんの流星塾生は同窓会で一度殺されてしまい、
その後スマートブレイン社のある実験体にされてしまいその時にオルフェノクの記号を植え付けられたとか。」

83: 2014/05/23(金) 23:16:29.03 ID:5mGKff/S0
れんげ「真理は呆然とウルフオルフェノクとホースオルフェノクの戦いの光景を眺めてるん…」

小鞠「信じてた者に裏切られた気分なんだろうね。」

夏海「気持ちはわかるわ、ウチらだって驚いたし…」

卓「」コクッ

蛍「真理さんは呆然としながらスマートブレインの親衛隊に捕えられて赤い檻に入れられてしまいました。
ちなみに会場では巧さんと木場さんの問答が…」


『木場…本気か?本当に理想を捨てたのか!?』


『そうだ!その証拠にお前を倒す!たとえお前がオルフェノクであっても…』


『いいぜ!お前がやれなかった事を、俺がやる!!お前の理想を俺が継ぐ!!』


『うおおおおお!!』


『うわああああ!!』


((バシィッ!!))


蛍「そして巧さんと木場さんはオルフェノク→人間→ライダーの段階の変身を経て殴り合いに…
けどスペックの差でオーガが圧倒的に有利です!」

84: 2014/05/23(金) 23:17:59.86 ID:5mGKff/S0
小鞠「真理さんは再びエラスモテリウムオルフェノクの生贄に…
もうダメなのん…お終いなのん…奇跡も救世主も現れないのん…」

蛍「諦めるのはまだ早いですよ先輩!」

れんげ「そうなん!巧が真理に語りかけてるん!」


『おい真理、救世主は何をするんだっけ?』


『闇を切り裂き…


『聞こえねーよ!』


『闇を切り裂き、この世に光をもたらす!』


『きっついなー、お前の期待に応えんのは…』


『できるよ巧!だって巧は…巧だから…!!』


れんげ「555はまだ絶望してないん!立ち上がったん!」

夏海「けど555にはオーガを倒せる力はないんじゃ…?」

85: 2014/05/24(土) 00:04:16.90 ID:AtKQoBNV0
蛍「ここで555はこの会場に入った時に落としたファイズブラスターを持ち出しました。」


『Standyng by』


『Awakening』


((ビシュンッ!)) ((ビシュンッ!)) ((ビシュンッ!))


蛍「そして現れました!仮面ライダー555の最強フォーム、仮面ライダー555ブラスターフォームです!!
強化変身ツール・ファイズブラスターに変身コードを再入力する事で発動する555最強の力!
しかもお披露目の撮り方が凝ってて最高にカッコいいです!!」

れんげ「これは文句無しにカッコいいんな!」

夏海「オォー!燃える!これは燃えるよ!!」

小鞠「555頑張れー!真理さんを救い出せー!!」

卓「」コクッ

86: 2014/05/24(土) 00:05:16.66 ID:AtKQoBNV0


『ハッ!ハッ!』


『うわぁっ…!』


夏海「スッゲー!さっきまで手も足も出なかったのにオーガを圧倒してる!」

れんげ「パワーアップスゴいんな!」

蛍「最初からこのフォーム使えばよかったのに…
ボタン押せばすぐ使える力を出し惜しみするとか舐めプし過ぎですよ。」


『ダァァァァ!!』


『ハァァァァ!!』


蛍「そして555ブラスターフォームの必殺技であるブラスタークリムゾンスマッシュと、
オーガの必殺技オーガストラッシュが炸裂して会場内には
二人のライダーのフォトンブラッドのエネルギーが駆け巡り建物を壊しました!」

小鞠「そして決着は…」


『うおおおおお!!!!!』


夏海「やったー!555が押し勝った!!」

れんげ「555スゴいん!」

蛍「スペック差だとオーガの方が上なんですけどね…」

87: 2014/05/24(土) 00:06:20.63 ID:AtKQoBNV0


『グガァァァァ!』


小鞠「キャーッ!?
忘れていたけど真理さんがオルフェノクに食べられちゃうよ!
555早く真理さんを助けてあげて!?」


((ドスッ!)) ((ドスッ!))


『木場さん!?』


『うおー!』


小鞠「けどそのピンチを木場さんが救ってくれた!」

れんげ「でもエラスモテリウムオルフェノクの毒針を受けてしまったん!」

夏海「それでも渾身の力を振り絞ってエラスモテリウムオルフェノクを投げ飛ばした!」


『Exeed charge』


((バシュッ!))


『グォォォォォォォ!?』


蛍「そしてファイズブラスターのフォトンバスターを喰らい、
エラスモテリウムオルフェノクは砂と化して消滅しました。
強敵なはずなのに倒され方がこんなあっさりとか何か納得がいきませんね…」

88: 2014/05/24(土) 00:06:47.87 ID:AtKQoBNV0
『木場…お前…』

小鞠「真理さんを庇った木場さんはその場で倒れちゃった…」

れんげ「木場の最期の言葉を巧が聞きとってるん。」

『約束して…俺の…出来なかったこと…君が…』

蛍「巧さんは何も言いませんが無言で頷いてくれました。
そして木場さんは帝王のベルトとともに青い炎により消滅したのです。」

89: 2014/05/24(土) 00:07:14.06 ID:AtKQoBNV0
『バ…バカな…帝王のベルトが…二本とも!?』

蛍「一方その頃、別室でこの光景を眺めていた村上社長。彼にも残酷な結末が訪れようとしていました…」

『ざ~んねんでした。ゴメンなさい社長さん。こういう場合あなたを処刑するように上の方から言われてるんです。』

『何…?おい!やめろ!!』

小鞠「処刑って…」

夏海「この首だけの状態でも充分処刑されてると思うけど…?」

れんげ「スマートレディーがボタンを押したん!」

90: 2014/05/24(土) 00:07:42.58 ID:AtKQoBNV0


『うわー!?』


((グシャッ!))


「「うわぁ…」」


夏海「うげっ、こいつは酷い…!れんちょんや姉ちゃんは見るな!」

れんげ「なっつん!何でウチの目を隠すん?何が起きたかウチも知りたいのん!」

小鞠「そうだよ!私はアンタよりも大人なんだからね!!」

卓「」コクッ

蛍「首だけの状態で何も抵抗できない哀れな村上社長はその首を潰されてしまったのです。
これが本当のクビというブラックジョークなのでしょうか?」

92: 2014/05/24(土) 00:17:25.35 ID:AtKQoBNV0
蛍「赤い檻から真理さんを助けた巧さん…
この赤い檻ですが555TV版のOPを観ると暗示めいたシーンなのがわかりますね。」

小鞠「けど二人の前には観客席にいた大勢のオルフェノクたちが…」

夏海「まさかこのオルフェノクたち襲い掛かる気じゃ…!?」


『どけ……俺が歩く道だ……』


蛍「その巧さんの言葉を聞いて道を開けるオルフェノクたち。
手を取り合いこの場を去る人間とオルフェノクの姿を見て彼らの心境はどうだったのでしょうか?」

小鞠「そして二人は会場の外に出ようとしてる…」


『巧…どこに行くの?』


『さぁな…行けるとこまで…行くさ…』


蛍「巧さんと真理さんが会場を抜け出すところでこの映画は終わりですね。」

93: 2014/05/24(土) 00:18:32.41 ID:AtKQoBNV0
れんげ「これは…面白かったのん!」

夏海「うん!最高だね!
ライダーたち全員カッコよかったしなによりも予想を裏切る展開ばっかりでハラハラドキドキさせられたよ!!」

卓「」コクッ

小鞠「けど…これからこの世界はどうなって行くんだろ?」


「「あ…」」


夏海「そうだよね、まだスマートブレインは黒幕がいるっぽいし…」

れんげ「スマートレディーも怪しいのん!」

蛍「みなさんそんな事あまりいうモンじゃありませんよ。そんな事を言ってると…」

94: 2014/05/24(土) 00:19:55.62 ID:AtKQoBNV0


子供たちがこのパラダイス・ロストの世界はこれからどうなっていくのかと疑問に思った時であった。


((ピカッ!ゴロゴロ!!))


映画館に突然落雷が落ちた!
そして映画のスクリーンのラストシーンで巧と真理が会場を出ようとするシーン。
その出口の先から溢れ出る光がこの劇場内に満ち溢れた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

112: 2014/05/27(火) 01:08:08.93 ID:pLvmxVeh0


~???~


れんげ「さっき突然眩しい光に襲われてウチらどうなったん?」

蛍「あ…あれ?こ…ここは…映画館…の中…じゃない…?」

夏海「まるで野球やってるドームみたいな場所だね…しかもぶっ壊れてるし…」

れんげ「あ!あそこに何か壊れたのが置いてあるん!?」

蛍「これは…まさか…!」

れんげが見つけたのは…それは先ほどの映画でボロボロになったオートバジンの残骸であった。
それに…
(ナレーション:鈴木英一郎)

113: 2014/05/27(火) 01:08:53.20 ID:pLvmxVeh0
蛍「このロボットは…オートバジンですよ!?
それにこの場所は…よく見たらさっきの映画の決戦の場所じゃないですか!!」

夏海「本当だ!じゃあつまりウチらは…」

れんげ「映画の世界に来てしまったのん!?」


小鞠「そんなーーーーー!!??」


あまりに突拍子の無い話に思わず驚きを露わにする子供たち。
既に廃墟と化し人の気配も無いこの場所で驚きの声だけが響き渡った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

114: 2014/05/27(火) 01:11:16.23 ID:pLvmxVeh0
小鞠「もう…変な気分!早くここから出ようよ!?」

夏海「賛成だね!ここにいても退屈だし…」

れんげ「この世界を冒険したいのん!」

小鞠「え…?でもオルフェノクがいる世界だから危険じゃ…?」

夏海「大丈夫っしょ!
555がオーガとかエラスモテリウムオルフェノク倒してからこの世界も平和になってるはずだし!」

蛍「そうですね…ってあれ?
オートバジンの残骸の辺りに何か落ちてる…?これは…ベルト?」

夏海「そのベルトってもしかして555のベルトじゃん!何でここにあるん?」

蛍「きっと巧さんが置き忘れて行ったんですよ。
あの人TV版の最終話でもアークオルフェノクとの戦いで最終兵器のファイズブラスターを、
置き忘れていくような大ポカをやらかしてましたから。
その所為でTV版のオートバジンが壊れてたから…」

夏海「こっちにはそのファイズブラスターもあるよ。」

れんげ「555はドジっ子なんな、ウチらが届けてあげるのん!」

夏海「賛成!きっとお礼とか貰えるかもしれないよ♪」

蛍「巧さんにそんなお礼を言うほどの節操は無いと思うけど…」

115: 2014/05/27(火) 01:11:55.41 ID:pLvmxVeh0
小鞠「あれ…?これは…」

蛍「先輩どうかしたんですか?」

小鞠「ううん、なんでもない!」

蛍「?」

小鞠は灰のあった場所から何か小さなモノを取り出しそれを蛍たちに気付かれずに隠した。
こうして仮面ライダー555こと乾巧に忘れ物である変身道具一式を届けてあげようと施設を出る子供たち。
だがその背後に怪しい人物が…
(ナレーション:鈴木英一郎)

???「フフフ、小さな観客さんたちがこの【劇場版仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】の世界に入り込むとは…
これは面白い事になってきましたねぇ♪」

129: 2014/05/28(水) 23:16:04.01 ID:fGaC63Ao0


~街~


コロシアムの会場を出た蛍たち、しかし辿り着いた先は人気の無い街の中であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


(………)


夏海「兄ちゃんはオートバジンの修理をしたいってんでさっきのコロシアムに残っちゃったよ。
まったく我が兄ながら物好きだよね…」

蛍「それにしても人の気配がありませんね?」

小鞠「おっかしいよねえ、確か555がこの世界を平和にしてくれたはずじゃないの?」

れんげ「なんだか不気味なくらい静か過ぎるん、そこが逆に恐いのん…」

不気味なまでに静まり返っている街中、するとそこに悲鳴が…!?
(ナレーション:鈴木英一郎)

130: 2014/05/28(水) 23:18:05.14 ID:fGaC63Ao0



「「う゛わあああああ!?」」



蛍「ひ…悲鳴!?」

夏海「こいつは事件だぜ!みんな行ってみよう!」

小鞠「えぇ~!?危ないのは嫌だよぉ…」

れんげ「なっつんに賛成なん!こまちゃんも行くのん!」

小鞠「嫌だぁ~!絶対恐い事に巻き込まれちゃうよお!!」

蛍「大丈夫です!先輩は私が命に代えても守ってみせます!!」

こうして悲鳴のあった場所に向かう子供たち、しかしそこには恐るべき光景が!
(ナレーション:鈴木英一郎)

131: 2014/05/28(水) 23:19:20.82 ID:fGaC63Ao0


フロッグオルフェノク「た…助けてぇ!?」


シーキュカンバーオルフェノク「お願いだ見逃してくれぇ!」


マンティスオルフェノク「アンタらだって同じオルフェノクだろ!」


ライオトルーパー(A)「黙れこのオルフェノクの恥晒しめ!」


ライオトルーパー(B)「大人しく連行されるのなら頃しはしない、いい加減諦めるんだな!」


蛍たちが見たのは何とも奇妙な光景であった。
スマートブレインの親衛隊であり人間狩りが目的であったライオトルーパー部隊。
それが何故か今はオルフェノクを捕らえていた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

132: 2014/05/28(水) 23:21:44.83 ID:fGaC63Ao0
蛍「ライオトルーパーたちがオルフェノクを捕まえていますね?」

れんげ「おかしいのん!何でライオトルーパーたちがオルフェノクを捕まえてるん?」

夏海「きっとあれだよ!連中改心して555の仲間になったんだ!それで今は悪いオルフェノクを捕まえてるんだよ!!」

小鞠「そ…そうなのかなぁ…とてもそうには思えないけど…?」

小鞠が疑問に思ったその時、ライオトルーパーたちを指揮する二人の人間が現れた。
その二人について蛍は見覚えがあった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

北崎「やぁ、随分と手間取らせてくれたねぇ。」

冴子「まったく…村上くんが氏んで私たちまでこうして雑務を押し付けられるとはね…」

マンティスオルフェノク「ひぃぃっ!?お…お前たちは!?」

夏海「何あの二人…?ヨレヨレのシャツを着た兄ちゃんと…」

小鞠「大人っぽい女の人が出てきたよ!」

れんげ「あの二人もオルフェノクなん?」

蛍「あの二人…まさかラッキークローバーの北崎さんと影山冴子さん!?」

そう、この二人はTV版仮面ライダー555でもお馴染みのオルフェノクのエリート集団。
そのメンバーたちは他のオルフェノクなどまる蟻んこの如く捻じ伏せる力を兼ね備えており、
オルフェノクたちの憧れでもある中心的存在である。
ちなみに構成メンバーはクローバーの花を肖って4人のはずだが何故かこの場には二人しかいなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

133: 2014/05/28(水) 23:22:45.25 ID:fGaC63Ao0


シーキュカンバーオルフェノク「た…頼む!アンタらだって俺たちと同じ立場のはずだろ!?」


フロッグオルフェノク「そ、そうだ!いくらなんでも心までは失いたくは…」


夏海「あいつら何言ってるんだろ?」

れんげ「事情が全然わからないのん…?」

オルフェノクたちは必氏に懇願しているがその理由が皆目見当もつかない子供たち。
しかしそんなオルフェノクたちの願いを北崎はまるで面倒臭そうな顔で見つめていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

北崎「もういいや、面倒だし…そんなに嫌ならさぁ…」

冴子「北崎くん?」

北崎「氏んじゃいなよ♪」



「「え…?」」



((バサァッ!))


その瞬間、戦いの動作など何も起こらなかった。
ただ北崎がオルフェノクたちに手をかざしただけであった。
しかしそれだけで充分なのだ、彼らオルフェノクたちは悲鳴を上げる間もなく灰となって消滅した…
(ナレーション:鈴木英一郎)

134: 2014/05/28(水) 23:23:29.33 ID:fGaC63Ao0
冴子「北崎くんやり過ぎよ。オルフェノクたちは出来るだけ生け捕りにしろっていう命令でしょ!」

北崎「だって面倒なんだもん、それにあいつら従いたくなかったみたいだしこれで良かったんじゃないかな?」

まるで駄々を捏ねる子供を諌める母親のような冴子と北崎。
その光景を目撃していたれんげたちはただ呆然と見つめていた…
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「え?あ…あれ?今いたオルフェノクたちどうした…の…?」

小鞠「あの北崎って人が触っただけで灰になっちゃったよね…?」

れんげ「まさか戦いもせずにこんなあっけなくやられるなんて信じられないのん!」

呆気に取られるれんげたち、だがその時蛍は急いで行動に移った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

135: 2014/05/28(水) 23:24:39.29 ID:fGaC63Ao0
蛍「みなさん急いで逃げますよ!」

夏海「うわっ!ほたるん!?」

小鞠「ど…どうして逃げるの!」

れんげ「そ…そうなん!あれは味方じゃないのん?」

蛍「何言ってるんですか!あの人たちが味方なわけありませんよ!
彼らはラッキークローバー!つまり…え~と…私たちの敵ですよ!?」

みんなを連れて急いで逃げ出す蛍、その気配に北崎たちが気付かないはずがなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

北崎「あれ?さっきまでいたあの女の子たち逃げちゃった。」

冴子「まあ当然よね、それでもさっきの命乞いする連中よりはマシだけど。」

北崎「じゃあ冴子さん、後はよろしくね。僕はもう飽きちゃった…ファ~ァzzz」

冴子「まったく…そういう飽きっぽいところは子供なのね…」

その場で眠りこける北崎、残った冴子はライオトルーパーたちを指揮して蛍たちの後を追った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

136: 2014/05/28(水) 23:25:13.35 ID:fGaC63Ao0
ライオトルーパー(A)「待て!」

ライオトルーパー(B)「逃がさんぞ!」

夏海「うひぃ!あいつらウチらを追ってくるよ!」

れんげ「どういう事なん!この世界は平和になったんじゃないのん!?」

蛍「たぶん平和にならなかったっていう事なんでしょうね!」

小鞠「ど…どうしよ…このままじゃ追いつかれちゃうよ!?」

夏海「しょうがない!あの元いた場所まで戻ろう!兄ちゃんが心配だし!」

夏海の言う通りコロシアムの会場に戻ろうとする子供たち、だがその途中…
(ナレーション:鈴木英一郎)

137: 2014/05/28(水) 23:26:35.43 ID:fGaC63Ao0
小鞠「ふぎゃっ!?」

れんげ「こまちゃんしっかりするん!」

夏海「しまった!こまちゃんが転んじゃったぞ!」

蛍「先輩!?」

ライオトルーパー(A)「よし!このちっこいのは捕まえたぞ!次はあっちの女たちだ!」

夏海「逃げるぞほたるん!ウチらじゃどうしようもない!」

蛍「そ…そんな!せ…先輩~!?」

ライオトルーパー(B)「それにしてもなんてヤツらだ、年下の子供たちを置いて行くとは…」

小鞠「私の方が年上だよぉ~!」

れんげ「こんな時でも自分は年上だと主張するこまちゃんは大したモンなのん。」

138: 2014/05/28(水) 23:27:21.19 ID:fGaC63Ao0


~コロシアム内~


卓「」カチャカチャ

その頃、このコロシアム内でオートバジンの修理を行っていた卓。
そこへ蛍と夏海が急いで卓の下へと駆け寄ってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「大変だ兄ちゃん!かくかくしかじかコレコレウマウマなんだよ!」

卓「」コクッ

蛍「今のでわかったんだ、越谷家の情報伝達とは一体…ってそうじゃない!急いで先輩たちを助けに戻らないと!?」

夏海「だから待ちなってほたるん!ウチらが行ったって返り討ちにあうのがオチだよ!?」

蛍「でもこのままだとこまちゃん先輩が…!」

卓「…」

夏海「えぇー!?喜べほたるん!なんと兄ちゃんがこのオートバジンを完璧に修理したんだってよ!!
よっしゃ!動けオートバジン!!」

オートバジン『…』


(シーン)


夏海「ちょ…ちょっと!何で動かないんだよ!?」

卓「?」

139: 2014/05/28(水) 23:27:56.54 ID:fGaC63Ao0
ライオトルーパー(A)「あ、こんなとこにいたぞ!」

ライオトルーパー(B)「捕まえろ!」

蛍「あぁぁ、追っ手が…もう!動いて!先輩たちが危ないの!?」ポカポカッ

夏海「そうだ動け!このポンコツ!」ゲシゲシッ

ライオトルーパー(A)「こいつら…壊れたオートバジンを動かそうとしているぞ?」

ライオトルーパー(B)「馬鹿な子供たちだ、そんな叩いたくらいで動く訳が…」


((ガ…ガガ…))


「「ナニィッ!?」」

140: 2014/05/28(水) 23:29:13.87 ID:fGaC63Ao0


~野外~


その頃、先ほど捕まったれんげと小鞠はライオトルーパーたちの手により冴子の下へと連行されていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

小鞠「「ウエェェェェン!」」

れんげ「こまちゃん、泣いちゃダメなん!」

冴子「そうよ、そのお友達の言う通りよ。ほら、鼻チーンして泣くのはおやめなさい。」

小鞠「う…うぅ…(チーン)」

冴子「よく頑張ったわね、もう幼稚園の年長さんなんだからこんな事で泣いちゃダメよ。」

小鞠「「ビェェェェェェ!!私…中2なのにぃぃぃぃぃーーー!!??」」

れんげ「泣き止んだと思ったらまた泣き叫んでるのん…」

141: 2014/05/28(水) 23:30:04.60 ID:fGaC63Ao0
冴子「まあいいわ、あなたたちもこれから選ばれたオルフェノクとなって生きていくのよ。」


れんげ、小鞠「「オルフェノク!?」」


小鞠「私たちあの灰色の怪人にされちゃうの!?」

れんげ「けどオルフェノクになれなかったら灰になって氏んじゃうのん…」

冴子「あら、そんな心配をしていたの?
大丈夫、明日になればその心配も無くなるから。明日全ての人間がオルフェノクとなるのよ。」

れんげ、小鞠「「?」」

冴子の言う言葉に思わず疑問を抱くれんげと小鞠、その時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

142: 2014/05/28(水) 23:31:20.44 ID:fGaC63Ao0


((ゴォォォォ!))


コロシアムの会場内から猛スピードで何かが飛んできた。そこから聞き覚えのある声が…
(ナレーション:鈴木英一郎)

蛍「先輩~!」

夏海「おぉー!こまちゃんれんちゃん二人とも無事だったか!今すぐ助けてやるからな!」

卓「」コクッ

小鞠「夏海!蛍!」

れんげ「みんな無事だったのん!」

冴子「アレは確かオートバジン?壊れていたはずだけどいつの間に修理されたのかしら?」

夏海「驚いたかおばさん!ウチが叩いたらオートバジンは甦ったのだ!!姉ちゃん!こまちゃん!今助けるからな!!」

冴子「お…おば…!?」

蛍「妙齢の女性におばさんは禁句ですよ!」

やってきたのは卓によって修理されて再起動したオートバジン、それに乗ってきた蛍たちであった。
オートバジンはライオトルーパーたちを跳ね除けて急いでれんげと小鞠を連れ出そうとした、だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

143: 2014/05/28(水) 23:32:28.52 ID:fGaC63Ao0


((バシッ!))


オートバジン『!?』

夏海「うわっ!何だこの攻撃!?」

蛍「あ、あそこ見てください!新手のオルフェノクが!?けどあれは…」

冴子「あら、あなたは…新人の…」

ライオンオルフェノク「グゥゥッ!」

そこに現れたのはライオンの姿を模ったライオンオルフェノクであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

蛍「あのオルフェノクは確か仮面ライダーディケイドの555の世界で出てきたライオンオルフェノク…
確かあの555の世界のラッキークローバーの一員だからもしかして…」

夏海「へっへーん!オルフェノクなんか恐くないし!
こっちにはオートバジンがいるもんね!やっちゃえバジン!!」

170: 2014/05/29(木) 20:51:48.83 ID:W3EdCgpg0


((バシッ!))


オートバジン『!?』

夏海「うわっ!何だこの攻撃!?」

蛍「あ、あそこ見てください!新手のオルフェノクが!?けどあれは…」

冴子「あら、あなたは…新人の…」


タイガーオルフェノク「「グゥゥッ!」 」


そこに現れたのはタイガーの姿を模ったタイガーオルフェノクであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

蛍「あのオルフェノクは確か仮面ライダーディケイドの555の世界で出てきたタイガーオルフェノク…
確かあの555の世界のラッキークローバーの一員だからもしかして…」

夏海「へっへーん!オルフェノクなんか恐くないし!
こっちにはオートバジンがいるもんね!やっちゃえバジン!!」

171: 2014/05/29(木) 20:52:53.87 ID:W3EdCgpg0
オートバジン『…!』


((ドルルルルル!!))


オートバジンはバスターホイールのガトリングをタイガーオルフェノク相手に連射する!
だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「どうだ!」

タイガーノルフェノク「…」

れんげ「む…無傷なん!」

タイガーオルフェノク「ガァァ!」


((ドガッ!))


オートバジン『!?』

バスターホイールの連射を喰らっても無傷のタイガーオルフェノク。
そして今度はタイガーオルフェノクがオートバジンに反撃の一撃を喰らわす。
その一撃でオートバジンは吹っ飛んでしまう…
(ナレーション:鈴木英一郎)

172: 2014/05/29(木) 20:53:33.61 ID:W3EdCgpg0
夏海「そんな…オートバジンが!?」

蛍「やっぱり…この世界のタイガーオルフェノクも強キャラだったんですね…!」

冴子「あの新人の子やるわね、それじゃああとはあの子たちも捕まえるだけ。
けど…さっき私の事をおばさん呼ばわりした…わ・る・い・子は…お仕置きよ!!」

蛍「やっぱり気にしてたんだ…」

れんげ「女の執念は凄まじいのん!」

小鞠「これが大人の女!」

卓「」コクッ

夏海「だ…誰だ!?このおばさんをおばさん呼ばわりしたのは!!
夏海ちゃん怒ってないから出ておいでー!!」

蛍「夏海先輩!あなたはアホですか!?」

173: 2014/05/29(木) 20:54:09.76 ID:W3EdCgpg0


((オォォォ!))


夏海「やっべぇ…あのおばさんもうマジ切れだよ!だって顔スッゲェ事になってんだもん!?」

蛍「あれは…オルフェノクになる時に顔に模様が起きてるんですよ!
けどどうしましょう…このままじゃ私たち殺されちゃう!?」

まさに絶体絶命のピンチ!しかしその時…
(ナレーション:鈴木英一郎)

オートバジン『!』

夏海「うおお!オートバジンが立ち上がった!」

蛍「あ…あれ…?私と夏海先輩とお義兄さんを連れて…え…えぇぇ!?」


((ゴォォォォォ!))


再び立ち上がったオートバジンであったが戦局が不利であると察したためにその場を一時撤退する判断に至った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

174: 2014/05/29(木) 20:55:08.18 ID:W3EdCgpg0
冴子「逃がさないわよ…ってキャッ!?」


(ガシッ!)


れんげ「ウチらは大丈夫なん!」

小鞠「今だよみんな逃げてー!」

冴子「あ…あなたたち!」

蛍「そ…そんな!先輩!?」

夏海「二人とも!絶対に助けに来るからな!それまで待ってろよー!!」

れんげと小鞠が冴子の足を掴み追うのを阻止ていた。
その甲斐あってかオートバジンはその場から蛍たちを脱出する事に成功した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

175: 2014/05/29(木) 20:55:49.50 ID:W3EdCgpg0
冴子「逃げられたわね…」

小鞠「よ…よかったぁ…これで一安心。」

冴子「何をバカげた事を言ってるの?逃げたのはむしろあの子たちにとって不幸だったのよ。」

れんげ「それはどういう事なん!?」

思わず冴子に聞きよるれんげ、だがそんなれんげたちの前に先ほどのタイガーオルフェノクが現れた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

タイガーオルフェノク「…」

冴子「お疲れ様、初めての戦いにしてはまあこんなものかしら。」


((シュゥゥゥ))


小鞠「そ…そんな!あなたは!?」

冴子が労いの言葉を掛けると同時にタイガーオルフェノクは自らの変化を解いた。
しかしその正体を見た小鞠は思わず驚きの声を上げてしまう!
(ナレーション:鈴木英一郎)

176: 2014/05/29(木) 20:57:31.18 ID:W3EdCgpg0


~廃墟~


((ゴォォォォ!)) ((ドンガラガッシャン!))


「「フギャッ!?」」


一方その頃、命辛々逃げ切った蛍たちはとある施設へと逃げ込んでいた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「痛てて…みんな大丈夫かい?」

卓「」コクッ

蛍「それよりも先輩たちが捕まったままですよ…もう一度助けに行かないと…」

夏海「無理だって、あのオルフェノクめっちゃ強いし!オートバジンじゃ太刀打ちできないし!」

オートバジン『………ビークルモード』

蛍「あ、オートバジンが拗ねてしまったのかバイクに戻ってしまいました。」

夏海「こいつ…意外と傷つきやすいな。」

卓「」キカイハダイジニアツカワナイトダメ

177: 2014/05/29(木) 20:58:49.22 ID:W3EdCgpg0



((ブオン!)) ((ブオオン!))



卓「?」

夏海「これってバイクの音…?」

蛍「ま…まさか…!?」

そのまさかであった。
ライオトルーパー部隊は蛍たちの追跡を諦めてはいなかった。
専用ビークルジャイロアタッカーでその後を追っていたのだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

178: 2014/05/29(木) 21:00:12.31 ID:W3EdCgpg0
ライオトルーパー(A)「見つけたぞお前ら!」

ライオトルーパー(B)「我々から逃げられるとでも思ったか!」

蛍「そ…そんなぁ!」

夏海「こうなったらもう一度バジンに…」

オートバジン『…』

卓「」フルフル

夏海「なにー!?さっきのウチの暴言にヘソを曲げただと!?」

蛍「も…もうダメー!?」

迫りくるライオトルーパーたち!だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

179: 2014/05/29(木) 21:08:41.20 ID:W3EdCgpg0


((ドシュッ!))  ((ズバッ!))


ライオトルーパー(A)「うわっ!」

ライオトルーパー(B)「ぎゃぁっ!?」


クロコダイルオルフェノク「ヌンッ!」


G3-X「GX-05アクティブ!」


((ドガガガガガッ!!))


ライオトルーパー「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


G3-X「ターゲット全て鎮圧、民間人の子供を保護して帰投します。」


夏海「た…助かった!」

蛍「けどこの人たちは…」

180: 2014/05/29(木) 21:11:28.62 ID:W3EdCgpg0
氷川「ふぅ、ありがとうございますミスタージェイ。それにキミたちも、もう安全ですよ。」

J「Are you OK?」

蛍「やっぱり!仮面ライダーアギトに出てきたG3-X!?その氷川誠さんですよ!?
それにもう一人はラッキークローバーのミスタージェイ!?」

夏海「何で仮面ライダーとオルフェノクが共闘してるの!?」

卓「?」

そう、蛍たちを助けたのはなんとTV版でのラッキークローバーのメンバーであるクロコダイルオルフェノク。
変化を解いて現れたのは筋骨隆々な黒人のミスターJ。
それにもう一人はG3-X、
かつて仮面ライダーアギトとともにアンノウンと戦った警視庁の特殊装甲服G3-Xを着込んだ氷川誠であった。
そして保護された蛍たちはある場所へと連れて行かれた、そこは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

193: 2014/06/01(日) 14:25:36.78 ID:h/5aCNPT0


~秘密のアジト~


かつての旧警視庁跡地、その地下に人間たちはオルフェノクたちへの対抗するための準備を着々と進めていたのだ。
そこに蛍たちは案内されていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「うわっ、スッゲー!
あの映画じゃB級映画のテログループしかいなかったけど他にもこういう組織があったんだ!?」

蛍「まあ映画は一時間弱の話ですからね。
あの人間解放軍よりももっと大規模な組織があっても不思議じゃないですから…」

卓「」コクッ

三人が施設内を見て周っている時であった、誰かが蛍たちの下へ急いで駆けつけてきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

194: 2014/06/01(日) 14:27:25.45 ID:h/5aCNPT0
啓太郎「あ…あの!たっくんのバイクを拾ったのはキミたちなのかい!?」

夏海「そ、そうだけど…あー!この兄ちゃんは!?」

蛍「あなたは…確か啓太郎さん!けど何であなたがここに…?」

啓太郎「そ…そんな事より!たっくんは!?」

啓太郎はたっくんこと乾巧の居場所を探しているようであった。
仕方なく蛍たちは自分たちが追われていた理由を啓太郎や氷川に説明した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

蛍「…というわけで私たちも巧さんが何処にいるのかなんて知らないんですよ。」

啓太郎「そんな…キミたちが見つけたのはこの555のベルトとバイクだけだなんて…」

夏海「ていうかウチらもライオトルーパーたちに捕まったれんちょんや姉ちゃんを助けたいんだよ!
お願いだから力を貸してくれよ!」

卓「」コクッ

啓太郎「そ…そうだったんだ…ゴメンね。キミたちの事情も知らずに…」

氷川「なるほど、ご家族や友人の方々がスマートブレインに…事情はわかりました。ですが…」

事情を聞いた氷川はなんとかしてあげたいと思っているようだが何やらこちらも込み入った事情があるようだ。
そこへ四人の人物が蛍たちの下へとやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

195: 2014/06/01(日) 14:29:11.12 ID:h/5aCNPT0
小沢「氷川くん、こんな時に何をしているの?」

一条「その子たちが先ほど保護した子供たちか?」

北条「全員まだ中学生くらいの子供といったところでしょうか。」

夏海「誰だよアンタたち!ウチらはこまちゃんたちを助けてほしいだけだかんね!」

蛍「待ってください夏海先輩!この人たちは…氷川さんの上司である小沢澄子さんや北条透さん!
それにもう一人は…仮面ライダークウガの相棒の一条薫さんじゃないですか!!」

小沢「何この子?何で私たちの事を知っているの!?」

北条「まったく…何なのですかこの子たちは?」

一条「クウガだと…?何故五代の事を!?」

平成ライダーを見ていた蛍にとってこの二人の事を知っているのは当然である。
だが、いきなり初対面の少女に名指しで呼ばれるとなると不審に思われても仕方がなかった。
そこへ遅れてやってきた一人の男がある疑惑を抱いた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

196: 2014/06/01(日) 14:29:44.27 ID:h/5aCNPT0
南「怪しいですねこの子供たち、もしかしたらオルフェノクではありませんか?」

啓太郎「オルフェノク…?この子たちが!?」

夏海「おいおい!ウチらを疑っているのかよ!?ウチらはただの子供だって!?」

卓「」コクッ

蛍「あれ?確かこの人は…」

蛍はTV版仮面ライダー555の記憶を辿りこの男の事を思い出していた。


【南雅彦】


TV版では警察庁の高官で非公式の対オルフェノク機関を秘密裏に組織していた。
拉致したオルフェノクを実験材料に利用してクラブオルフェノクを機械化させたり、長田結花を氏なせる原因を作った張本人でもある。
数々の実験の結果、オルフェノクについてある事実を突き止めるが最期は木場勇二の変化するホースオルフェノクに殺害された。
(ナレーション:鈴木英一郎)

197: 2014/06/01(日) 14:30:40.08 ID:h/5aCNPT0
蛍(そっか、この世界ではこの人も存在してるんだ…)

夏海「南…?おっちゃん南って名前なの!?
それなら親戚に『光太郎』って名前の人いるかな?」

南「いや…いないが…?
それよりも今自分たちが疑われている事に危機感くらい持てないのかね?」

氷川「南長官!この子たちはスマートブレインに追われていたんですよ!
それに…たとえオルフェノクであったとしても我々が保護すべきではありませんか!?
もう人間だオルフェノクだと言っている場合じゃないんですよ!」

南「まったく氷川主任、キミはどうも人ならざる者に対して好意的な印象があるようだ。
それでは明日の戦闘に支障をきたすのではないのかね?」

氷川「そ…それは…」

小沢「長官!彼は…氷川誠は優秀な戦士です!!彼の判断は的確であると私は判断します!!」

夏海「な…何だろ?大人たちがよくわかんない口論してんだけど…」

蛍「いきなりこの世界に連れて来られたばかりの私たちにはチンプンカンプンな話ですね…」

卓「」コクッ

198: 2014/06/01(日) 14:33:21.56 ID:h/5aCNPT0
その場では大人たちが険しい顔をして蛍たちの処遇について言い争っていた。
だがそんな矢先、緊張感をへし折るような事態が…
(ナレーション:鈴木英一郎)



((グゥゥ~))


夏海「あ、やばっ!?お腹の虫が…」

蛍「夏海先輩!空気を読んでください!?」

小沢「あら…?あなたたちお腹が空いてたの?
啓太郎くん、悪いんだけどこの子たちに何か食べさせてくれないかしら。」

啓太郎「あ、わかりました!」

氷川「そうですね、あそこに連れて行ってあげてください。」

一条「では我々は明日の作戦会議があるのでこれで失礼する。」

南「フンッ!」

こうして南たちは施設の奥の作戦会議室へと行ってしまい、蛍たちは啓太郎に連れられてある場所へやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

207: 2014/06/05(木) 19:01:30.55 ID:muyBxzaq0


~レストラン???~


啓太郎「さぁ、着いたよ。このレストランでお腹いっぱい…という訳にはいかないけど召し上がれ!」

夏海「レ…レストラン?確かに看板には『レストラン』って書いてあるけどさぁ…」

蛍「そのちょっと…ていうかかなりボロボロですね、レストランの看板のとこも塗装がボロボロで読めなくなってますし…」

夏海「『レストランア……』ダメだ、残りの二文字が全然読めないよ!
まったくこんなボロッちいなら修理でもすればいいのにさ…」

卓「」コクッ

啓太郎とジェイに案内されて辿り着いたのは一件のボロボロになったレストランであった。
恐らくオルフェノクとの戦いでボロボロになったのであろうレストランに、
この店の主人である一人の若い男が厨房からやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

208: 2014/06/05(木) 19:02:27.54 ID:muyBxzaq0
哲也「やあいらっしゃい、啓太郎くんにジェイさん。おや?今日はまた小さなお客さんたちが一緒だね!」

啓太郎「この人は哲也さん、この店のコックさんだよ。」

哲也「あぁ、遠慮せずにドンドン食べてね!今日は畑で美味しい野菜がたくさん採れたし!」

夏海「よかったぁ!ようやく食い物にあり付ける!
実はウチ…今日まだ何も食べてなくってさぁ。お腹ペコペコだったんだよねぇ!」

野村「おぉー!啓太郎!帰ってきたか!丁度今新作の発明である『変身二発!』が完成したとこなんじゃよ!
どうじゃ?また試してみるか?」

蛍「あなたは…確か野村博士?」

啓太郎「博士…それよりも頼んでおいたサイドバッシャーの修理はどうなってるんですか?」

野村「いや、あれはさっぱりでなぁ…スマートブレインの技術はワシにはチンプンカンプンじゃ!」

まず出迎えたのはこの店の主人である哲也という若い男性。
それに映画で啓太郎に『変身一発』を渡した野村博士であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

209: 2014/06/05(木) 19:02:56.74 ID:muyBxzaq0
蛍「あ、奥の部屋から誰か出てくる…?あれは…!」

??「ワンワン!」

奥の部屋から出てきたのは一匹のチワワの犬であった。
その犬はご主人であるミスターJの下へ早足で駆け寄って行った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

J「チャコ!」

チャコ「ワンワン!」

夏海「うわぁ、マッチョな黒人のおっさんにチワワ…なんとも変な組み合わせだよ…」

蛍「やっぱりあのワンちゃんはJさんの愛犬であるチャコちゃんだったようですね。」

哲也「Jさん、チャコは今日もお利口さんでしたよ。」

J「Thank you テツヤ。」

210: 2014/06/05(木) 19:03:29.48 ID:muyBxzaq0
そしてもう一人、このレストランのウェイターらしきメガネの男が奥の部屋からやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

琢磨「ど…どうぞ…お…お水です…」

夏海「あ、サンキュー!あれ…?おっちゃんは…さっき会った北条っておっちゃんじゃ…?」

琢磨「ひっ!?」

哲也「もう!北条さん!じゃないや、琢磨さん。こんな子供たち相手に恐がらないでくださいよ!」

蛍「こ…この人は…ラッキークローバーの琢磨逸郎さん!?何でこのレストランで働いているんですか!?」

蛍の言う通り彼の名は琢磨逸郎。
実は彼もラッキークローバーの一員なのだがどうも様子がおかしい。
まるで何かに怯えているようで蛍たちを見ただけで恐怖に震え上がっていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

211: 2014/06/05(木) 19:05:44.80 ID:muyBxzaq0
夏海「いっただきまーす!うんめぇー♪」

卓「」コクッ

蛍「本当に、美味しいです。」

哲也「本当かい?これはね今研究中の新メニューなんだよ。口に合ってよかった!
あとは名前だけど何がいいかな?」

出された料理をペ口リと食べ尽くす子供たち。
そして食べ終った後に蛍はあの映画の後にこの世界で何が起きたのかを啓太郎たちに聞いてみた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「ごっちそうさま~!美味しかったよ!」

卓「」コクッ

蛍「本当にごちそうさまでした。あの…ところでそろそろお聞きしたい事があるんですけど…
この世界で一体何があったんですか?」

蛍の疑問の問いかけに思わず店内にいた啓太郎たちは気まずい雰囲気に陥った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

212: 2014/06/05(木) 19:06:58.48 ID:muyBxzaq0
啓太郎「それってどういう事?キミたちはあの放送を観てなかったの?」

夏海「あの放送…?」

蛍「そのえ~と…実は私たちずっと田舎にいたものでして世間の情報に疎いもので…
(一応本当の事だし間違っちゃいないよね)」

夏海「そ…そうそう!せっかく街まで来たのにオルフェノクがライオトルーパーに襲われてビックリしたよ!!」

卓「」コクッ

さすがに異世界から来たとは言えないので少し事実をぼかす蛍。
こんな言い訳では納得してもらえないかもと疑念を抱いたが意外にも…

啓太郎「なるほど、田舎から…それじゃあ仕方ないよね。」

哲也「そうですね!田舎じゃしょうがないですよね!ハッハッハ!!」

…と何故だか知らないがすぐに納得してもらえた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

蛍「よかった、納得してもらえました。」

夏海「けどな~んかバカにされてる気がするんだけど…」

卓「」プンプンッ!

啓太郎「まあキミたちの事情はわかったよ。それじゃあ、一から説明するけど…」

そして啓太郎は蛍たちに何故この世界が再び混沌としてしまったのか説明した。
それはあの映画パラダイス・ロストで巧と啓太郎が別れた直後の事であった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

213: 2014/06/05(木) 19:07:58.06 ID:muyBxzaq0






【回想】


啓太郎「たっく~ん!どこ行っちゃったんだよ~!?」

啓太郎はたった一人、道端で彷徨いながら乾巧の名を叫んでいた。
その理由は映画でスマートブレインのコロシアムに向かう途中で乾巧によって、(バイクの車輪を外されてしまい)
啓太郎は置いてけぼりを喰わされてしまったからだ。
しかしそんな事で凹んでいる啓太郎ではなかった。
バイクが使えなくても自力でコロシアムに向かおうとしていた。
そこへ…
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ブロロロロロ!))


啓太郎「と…トラック!?」

啓太郎の目の前に一台の青い大型トレーラーが現れる。
そのトレーラーは立ち止まり一人の女性が啓太郎に声を掛けてきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

214: 2014/06/05(木) 19:10:39.99 ID:muyBxzaq0


((ジャキッ!))


啓太郎「じゅっ…銃!?」

小沢「質問にのみ答えなさい、あなたオルフェノク?それとも人間?」

氷川「小沢さん!それはやり過ぎですよ!?」

啓太郎「に…人間!僕は人間です!?」

啓太郎が人間とわかった瞬間、ホッと一安心して銃を降ろす小沢。
無理もない、こんな時代だ。
オルフェノクに狙われれば同類にされるか灰になるかの二択しかない。
だからこの世界の人間は常に命懸けなのだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

氷川「驚かせてしまいすみません、ところでこんな所でたった一人とは危険過ぎます。
我々と一緒に行動してください。」

小沢「早くGトレーラーに乗りなさい、行くわよ!」

啓太郎「行くって何処へ?僕も行かなきゃところが!」

小沢「私たちが向かうべき場所はあそこよ!」

氷川「我々はこれからあそこに乗り込んで園田真理さんを救出するのが任務なんです!」

啓太郎「よかった、それなら僕と目的が一緒ですね!」

小沢が指した場所はスマートブレインのコロシアム、つまり啓太郎がこれから向かおうとしている場所であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

215: 2014/06/05(木) 19:11:12.70 ID:muyBxzaq0
そして啓太郎は小沢たちと一緒にコロシアムの会場に向かうのだが、
その途中でスマートブレインのTVの生中継が映し出された。
そこに映っていた光景は…
人類の救世主である555とそして帝王のベルトを持つサイガとオーガの激戦であった。
そして啓太郎はその中継シーンで巧がオルフェノクであった事を知るが、それでも人間のために戦う555に希望を見出した。
(ナレーション:鈴木英一郎)


巧『退け、俺の歩く道だ。』


啓太郎「たっくん!」

氷川「彼は…555は…オルフェノクでありながら人間のために戦うのか!」

小沢「555もまた…真の戦士のようね。まるでかつての彼のようだわ…」

啓太郎「か…彼…?」

そしてサイガ、オーガを撃破してコロシアムを出ようとする巧と真理。
だが二人の行く手に待っていたのは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

216: 2014/06/05(木) 19:11:45.47 ID:muyBxzaq0


~レストラン~


啓太郎「…そう、僕はあの後小沢さんや氷川さんたちに助けられて(?)たっくんたちのところへ向かっていたんだ。
けど…ようやく着いたそこには…」

琢磨「わ…私たちラッキークローバーが待ち構えて…いたんです…」

J「That's right」

蛍「そんな…!激戦の末疲労していた巧さんにラッキークローバーを差し向けるなんて!?」

夏海「それじゃ555は勝ち目なかったんじゃ…」

卓「」コクッ

啓太郎「ところがそうでもなかったんだ。
あのたっくんの戦いを目撃したオルフェノクの観客たちがスマートブレインに反旗を翻したんだ。
きっとオルフェノクも人間と共存できると思い始めたんだろうね。
けど…」

琢磨「お…恐ろしい…私たちは…あんなモノのために戦っていたとは…」

夏海「あん?琢磨のおっちゃんが随分震えてるけど…どったの?」

哲也「琢磨さんはあの後から常に異常なまでに怯えてしまってね…」

蛍「一体何があったんですか?」

啓太郎「それは…」

217: 2014/06/05(木) 19:16:09.21 ID:muyBxzaq0


【再び回想】


「「俺たちはもうスマートブレインの言う事なんか聞かない!」」


「「そうだ!人間とオルフェノクは共存し合えるはずだ!!」」


巧「お前ら…」

真理「よかった、私たちの戦いは無駄じゃなかったんだ!」

ラッキークローバーとスマートブレインの親衛隊のライオトルーパー部隊に囲まれながら、
巧の戦いを観戦していたオルフェノクたちはそう叫んでいた。
しかし物事はそううまく行くものではなかった。
これだけ大勢のオルフェノクでもスマートブレインの精鋭ラッキークローバーを相手にどれだけ戦えるか…
(ナレーション:鈴木英一郎)

218: 2014/06/05(木) 19:16:49.49 ID:muyBxzaq0


北崎「なんだか面倒な事になっちゃったね。僕面倒臭い事嫌いなのに…」


琢磨「まったく世迷言を、人間とオルフェノクが互いに共存なんて不可能ですよ。」


J「…」


冴子「私たちラッキークローバーは、オルフェノクの使命を果たす。それだけでいいのよ…」


真っ向から彼らの意見を否定するラッキークローバー。
だがここにいる大勢のオルフェノクたちはそんなラッキークローバーたちの言葉に耳を貸しはしない。
この乾巧と園田真理に希望を持っていた。
そう…今この瞬間までは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

219: 2014/06/05(木) 19:18:10.56 ID:muyBxzaq0


((ブゥンッ!))


「「な…なんだ?」」


「「会場のスクリーンが突然映り出されたんだ!」」


それは突然の出来事だった。
このコロシアムでの中継をLIVE中継するために会場の各場所に設置されていたスクリーンが自動的に動き出した。
そこから三人の老人の姿が映し出された。
彼らは納谷、加藤、飯塚という名のスマートブレインを取り仕切る影の黒幕。
その権力はあの村上社長を操るほどであると言われていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


納谷『我らが同胞であるオルフェノクの諸君、我らはスマートブレインの幹部だ。』


飯塚『オルフェノクこそがこの地球の真の支配者…なのにお前たちは愚かな人間どもと共存の道を歩もうとしている。』


加藤『我らの聞き違いという事もある、もう一度問うとしよう。
お前たちオルフェノクは人間と共に生きていけると本気で信じているのか…?』


「「そうだ!!」」


「「さっきの戦いを見てわかった!俺たちは人間と手を取り合えるはずだ!!」」


「「希望は目の前にあったんだ!!」」



オルフェノクたちの屈託のない返答…
だが彼らスマートブレインの真の黒幕たちはそんなオルフェノクたちの言葉をまるで戯言をと嘲笑っていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

220: 2014/06/05(木) 19:19:08.00 ID:muyBxzaq0


納谷『愚かだ、実に愚かな選択だ。』


飯塚『我らはお前たちオルフェノクを正しく導いてやったというのに…』


加藤『よかろう、ならば…お前たちにオルフェノクの真実を話してやろう。
そうすればお前たちの信じる希望とやらが戯言であると…そして深い絶望を知る事になるだろう。』


「「真実…?」」


納谷『真実とは…すなわちお前たちオルフェノクの寿命についてだ!』


「「寿命!?」」


加藤『お前たちオルフェノクは人類が進化した存在だ。人間どもよりもはるかに優れた存在ではある、だが…』


飯塚『進化とは本来、生物が長い年月を掛けて進化せねばならない。それが自然の摂理。
だがお前たちは氏と同時に己が力に急激に目覚めてしまった…』


納谷『その結果、お前たちの細胞には負荷が発症しており寿命が大きく縮んでしまうのだ!』


加藤『そしてお前たちはもうじき…その寿命の所為で氏ぬであろう!!』


そう、これはTV版仮面ライダー555でも語られていたがオルフェノクは人間が急激に進化した生命体。
だがその代償は大きく、オルフェノクたちはその力を使い続ける事により寿命が著しく減っていった…
これまで自分たちこそが人類の進化した姿と疑いもしなかったオルフェノクたちにとってこの真実は、
あまりにも衝撃的で…そして絶望的であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

221: 2014/06/05(木) 19:22:21.64 ID:muyBxzaq0


「「そ…そんな…」」


「「もうじき俺たちは…」」


「「し…氏ぬ…?」」


「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!???」」


真実を告げられたオルフェノクたちは叫び声を上げた。
ある者はショックを受け混乱し、またある者は絶望的なまでの怒りから暴れ出す者までいる始末。
だが話はこれで終わりではなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

222: 2014/06/05(木) 19:24:25.55 ID:muyBxzaq0


加藤『だが、お前たちが助かるたったひとつの手段がある。』


飯塚『それはオルフェノクの王に忠誠を誓うのだ!』


納谷『さすれば王はお前たちに永遠の命を与えるであろう!!』


「「オルフェノクの…王…? え…永遠の命!?」」


突然告げられたオルフェノクの王の存在。
そして王こそが自分たちが存命できる唯一の方法である事を…
(ナレーション:鈴木英一郎)


加藤『今こそその姿を明かそう!』


飯塚『見るがよい、オルフェノクたちよ!』


納谷『これこそがお前たちの希望、オルフェノクの王だ!!』


((ザッ!))


???「「ハァァァァ…」」


「「あ…あれが…」」


「「俺たちの…オルフェノクの…王…!」」


スマートレディ「ハ~イ♪よい子のオルフェノクのみんな~♪スマートブレインのお姉さんで~す♡
今私が連れているこの御方こそあなたたちの希望であるオルフェノクの王ですよぉ♪♪」

そしてスマートレディに連れ添われてそこに一体のオルフェノクが現れる。
そのオルフェノクとは、外見は三本のベルトである555、カイザ、デルタに姿が酷似している
バッタの特性を持つオルフェノクの王、アークオルフェノクであった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

223: 2014/06/05(木) 19:24:57.36 ID:muyBxzaq0


「「あれが…オルフェノクの王…!」」


「「俺たちに永遠の命を授けてくれる存在!」」


オルフェノクたちはまるで神にすがる殉教者の如くアークオルフェノクに近寄った。
だが…次の瞬間!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

224: 2014/06/05(木) 19:25:33.33 ID:muyBxzaq0



アークオルフェノク「「ガァァァァ!!」」



「 「 「うぎゃぁぁぁぁぁ!?」 」 」



((ガブッ!)) ((バクッ!)) ((ゴックンッ!!))


巧「な…なんだこりゃ!?」

真理「嘘…信じられない…!」

北崎「へぇ、これは…」

冴子「なるほど、そういう事ね。」

J「oh…」

琢磨「あ…あわわ…お…オルフェノクの王が…オルフェノクを喰っている!?」

その場にいた巧や真理、ラッキークローバーの面々ですら正気を疑いたくなる光景であった。
寿命の事実を知ったオルフェノクたちはアークオルフェノクにすがろうとする。
だがアークオルフェノクはそんな救いを求めて近付いてきたオルフェノクたちを捕食してしまった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

225: 2014/06/05(木) 19:26:01.74 ID:muyBxzaq0


加藤『あぁ、そういえば言い忘れていた事があったわい。』


飯塚『目覚めたばかりの王はまだ完全ではなくてな、生贄が必要であったのだが…』


納谷『まさか諸君が進んで生贄になってくれるとはな。見上げた忠誠心であったぞ!』


『 『 フハハハハハハハ!! 』 』


巧「ふざけんな!お前ら…命をなんだと思ってやがる!!」

真理「巧!ダメ!?」

オルフェノクたちの氏を嘲笑うスマートブレインの黒幕たち。
そんな彼らに怒りを感じた巧は真理の制止も聞かずにウルフオルフェノクに変化して単身アークオルフェノクに挑んだ!
だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

226: 2014/06/05(木) 19:30:19.78 ID:muyBxzaq0


アークオルフェノク「「ウ゛ゥゥゥゥ!!」」


((ガブッ!))


ウルフオルフェノク「うわぁぁぁぁぁ!?」

真理「そんな…巧が!」

たった一人でアークオルフェノクに立ち向かった乾巧ことウルフオルフェノクであったが…
逆にアークオルフェノクに襲われて喰われかけていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


加藤『こうも我らの思い通りに動いてくれるとは礼を言うぞ、乾巧。』


ウルフオルフェノク「ど…どういう事だ!?」


飯塚『帝王のベルトとはオルフェノクの頂点に立つ者に与えられるベルト。
…というのは建前で本当の目的はオルフェノクの中でもより強いオルフェノクを選び、
そのオルフェノクを王の生贄として捧げるための謂わば生贄を釣るための餌という事よ!』


ウルフオルフェノク「そんな…それじゃあ木場は知らないうちにこいつの生贄にされていたのか!?」


納谷『村上はその事を知らずに帝王のベルトをレオと木場に与えたようだ。
しかしヤツは失敗して我らの命により処刑された…
だが、こうして代役は残ってくれた。
そうだ、帝王のベルトであるオーガとサイガを倒したオルフェノクである乾巧よ!
お前こそが王の生贄に相応しい!!』


巧「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」


真理「巧ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」


アークオルフェノクは牙を立ててさらにウルフオルフェノクを捕食しようとする。
その影響でウルフオルフェノクの変化が解かれてしまい巧の姿へと戻ってしまった。
真理は巧の壮絶なまでの悲鳴に居ても立ってもいられず巧の下に駆け寄った。
(ナレーション:鈴木英一郎)

227: 2014/06/05(木) 19:50:13.97 ID:muyBxzaq0


加藤『ほう、あの娘は園田真理。』


飯塚『あの小娘を捕まえろ!かの娘はオルフェノクの記号を持っている!』


真理「記号…?一体何の事!?」


飯塚『かつて我らが流星塾生を利用して行わさせた人工オルフェノクを作り出す人体実験。
その実験は澤田亜紀以外の者はオルフェノクとなれずに実験は失敗に終わった。』


加藤『だが、オルフェノクの王が覚醒した今ならばお前の体内に眠るオルフェノクの記号が王の意志を感じ取り覚醒を促すはず!
だが肝心の実験のデータは当時この実験に異を唱えた花形により全て抹消されてしまった…』


納谷『だが園田真理、お前がいれば話は別だ!
お前の体内に埋め込まれているその記号を他の人間にも植え付けて全ての人間どもをオルフェノクにする!!』


冴子「仰せのままに。」

北崎「まあ、仕方ないよね。面倒臭いけどこれも仕事だし…」

J「Yes, sir.」

渋々ながらも黒幕たちの命令を受けるラッキークローバーの面々。
だがその時、たった一人だけ命令に異を唱えた者がいた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

228: 2014/06/05(木) 19:51:41.64 ID:muyBxzaq0
琢磨「ま…待ってください!」

冴子「琢磨くん…?」

北崎「もう、琢磨くんたら何で邪魔するのかな?また虐められたいの?」

琢磨「ひぃっ!?ち…違います!あの御三方の言う事はわかりました!
確かにオルフェノクの王に忠誠を誓わねば我々オルフェノクに生きる道が無い事も…
け…けどですね…疑う訳ではありませんが僕たちは本当に王に忠誠を誓うだけで生き延びる事が出来るのですか?」


飯塚『ほう、我らを疑うのか?』


加藤『まったく卑しい男よ、心配せずともお前たちは生き延びる事が出来るわい!』


琢磨「ホッ、よかった…」


納谷『但し、オルフェノクとして…だがな。』


琢磨「え…?」

J「What?」


加藤『お前たちの寿命の原因は未だに完全なオルフェノクではない事にある。』


飯塚『つまり、お前たちの中にある人間の部分を完全に消し去ってしまえばよいのだ!』


琢磨「そ…それは…つまりどういう事なのですか…?」


納谷『お前たちは王から永遠の命を授かる代わりに身も心も完全にオルフェノクと化せと言っておる!
そして完全なるオルフェノクと化した後は王の僕として生きていくのだ!!』


「「そ…そんな…」」


「「俺たちには氏ぬか…」」


「「完全なオルフェノクと化して生きていく道しかないのか…」」


これはオルフェノクたちにとって究極の選択であった。
彼らオルフェノクとて元は感情ある人間だった存在…
それを完全なるオルフェノクと化して生きて行けというのは到底受け入れられモノではなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

229: 2014/06/05(木) 19:52:57.76 ID:muyBxzaq0
巧「ふざけんな!んな事させるか!!」

アークオルフェノク「?」

真理「巧!?」

巧「真理逃げろ!こいつは俺が引き止める!!」

巧は自分を捕食し続けているアークオルフェノクを身体を張って止めようとする。
そして同じくラッキークローバーでもメンバー内である亀裂が生じていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


琢磨「い…イヤだ…人間の心を失ってまでオルフェノクの王に忠誠を誓わなきゃいけないなんて…
ぼ…僕はゴメンだ!?」


冴子「あらやだ、琢磨くんたら何をそんなに怯えているのかしら?」


北崎「僕たちはもう人間じゃない、オルフェノクだよ。
今更人間の部分を完全に消す事なんてどうでもいい事じゃないか。
まあ…誰かに従うってのだけは嫌な気分なんだけどね…」


琢磨「僕は嫌だ!このまま身も心も完全な化け物になるなんて…嫌だ…嫌だぁぁぁぁぁぁ!!」


北崎「まったく、我が儘だなぁ琢磨くんは…」


冴子「悪い子ね、お仕置きしなきゃダメかしら。」


冴子はオルフェノクの力を使い琢磨に自らのサーベルで斬りつけようとする。
だがそれをある男が止めてみせた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


J「No!」


冴子「ミスターJ?あなた…何のつもり?」


J「オルフェノクニナル、ニンゲンノココロウシナウ。チャコノコトワスレタクナイ!」


そして琢磨とJは北崎たちの下を去り、ラッキークローバーの勢力はふたつに分散されてしまった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


============================================


230: 2014/06/05(木) 19:56:22.40 ID:muyBxzaq0


【回想は終わり現在】


琢磨「それから私とJは園田真理を連れて遅れてGトレーラーで現地にやってきた啓太郎さんと合流して、
今はこうして人間側に匿ってもらっているんです。
全てはオルフェノクの王から自分の身を守るために…」

J「…」

哲也「その光景が全世界に向けて生中継されていたんだ…」

啓太郎「そしてオルフェノクたちは行動を起こした。今のオルフェノク社会には三つの勢力がある。
ひとつはスマートブレインに従うオルフェノクたち。
そしてもうひとつはJさんのように僕たち人間と協力してスマートブレインを倒そうとする勢力。
けど…最後のひとつは…」

蛍「最後のは…?」

琢磨「スマートブレインにも人間にも属さないバカな連中ですよ…
王の僕と化したくはない…けど人間と共にスマートブレインに立ち向かう勇気も無い…
そんな連中はどうなると思いますか?」

夏海「ど…どうなるの…?」

231: 2014/06/05(木) 19:58:53.41 ID:muyBxzaq0
啓太郎「今…巷じゃ人間狩りだけじゃなくオルフェノク狩りも行われているんだ。
街の中で見なかったかい?
スマートブレインの親衛隊があちらこちらで自分たちの意志に従わないオルフェノクを捕まえて…
彼らをスマートブレイン本社の地下に放り込むんだ。
運命の日に備えてね…」


蛍、夏海「「運命の日?」」

卓「?」


啓太郎「スマートブレインに忠誠を誓っているオルフェノクたちが勝手にそう呼んでいるだけだよ。
彼らが言うにはその日、オルフェノクの王から永遠の命を貰えるらしいんだ。
勿論…『オルフェノク』としてだけどね…」

琢磨「王の僕と化せばその後はどうなるのか…うぅ…考えただけでも恐ろしい…」

J「…」

蛍「ちなみにその運命の日っていうのはいつなんですか?」

啓太郎「それが…丁度明日なんだよ。」

夏海「あ…明日!?」

啓太郎「そう、だから僕たちは明日氏にもの狂いで真理ちゃんを守らなければならないんだ…」

蛍「それってどういう事なんですか?」

啓太郎「こういう事さ。」

232: 2014/06/05(木) 20:00:44.30 ID:muyBxzaq0
そう言うと啓太郎はこの店の奥の部屋にあるベッドに寝そべっている一人の女性を紹介する。
それは蛍たちも映画のスクリーンでその顔を何度も見ていた人物、それは…
(ナレーション:鈴木英一郎)

蛍「この人は…ま…真理さん!?」

夏海「けどこの姉ちゃんは何で寝てんの?」

啓太郎「あの時、たっくんは命懸けで真理ちゃんだけをあの場から脱出させたんだ。
たぶん真理ちゃんはその時に自分だけ助かった事を責めてその所為で寝込んでしまったんだ…」

哲也「お医者さんに診せたら過労だとか言ってたから命に別状はないはずだよ。
ただ…いつ目覚めるのかはわからないんだけどね…」

静まり帰る店内、そんな中で夏海は唯一人意を決してある事を聞いた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「まあそっちの事情は大体わかったよ。
それで…さらわれたウチの姉ちゃんやれんちょんが何処にいるのかはわかるのかな?」

蛍「そうでした!?
話がスケールアップし過ぎて付いて行くのがやっとでしたが先輩たちは…」

啓太郎「キミたちの友達がいる場所なら大体の見当は付いているよ。
恐らく…スマートブレインの本社ビル。そこの地下にある最下層にいると思うんだ。」

夏海「最下層…?」

琢磨「私も以前一度だけ行った事があるのですが…
スマートブレイン本社の地下35mの最下層にはかつての流星塾の跡地があるようです。
どうも前社長の花形さんがそこで何かの研究を行っていたとかいう話なのですが…」

蛍「あぁ、TV版でその話が語られてましたね。
ちなみにそこで研究されていたのがライオトルーパーのベルト製作だったわけですけど。」

琢磨「ですが現在は捕らえたオルフェノクや人間たちを閉じ込める牢屋の役割を担っているとか…
まあ誰かを閉じ込めるなら絶好の場所ですからね、地下35mから抜け出せる者なんているわけが…」

啓太郎「たぶんそこにキミたちの友達がいるはずだよ、それに…俺の友達も…」

蛍「そんな…先輩たち大丈夫でしょうか?」

233: 2014/06/05(木) 20:03:26.64 ID:muyBxzaq0
とりあえずここまで

書きためしてたら遅くなってしまったん ゴメンなのん

ちなみにスマートブレインの黒幕の納谷、加藤、飯塚って誰と思う人いるけど
これは映画パラダイスロストでチラッと出てきた歴代の悪役の方々が顔出し出演してたん
役名が無かったんで仕方なく中の人たちのお名前を拝借したのん

240: 2014/06/06(金) 19:54:11.93 ID:rDolTGeP0


~流星塾~


その頃、れんげと小鞠は冴子に連れられてスマートブレインの最下層にあるかつての流星塾へやってきていた。

冴子「さあ、暫くここにいなさい。」

れんげ「暗いのん、ここは一体何なのん?」

小鞠「ここって机が置いてあるけどもしかして学校…?」

冴子「ちょっと違うわね、ここは流星塾。
かつてスマートブレイン社の花形社長が身寄りのない子供たちを引き取って育てていた児童養護施設。
その施設がこの地下に埋没されたのよ。」


((ガサッ ゴソッ))


小鞠「キャッ!?だ…誰かいるの…?」

241: 2014/06/06(金) 19:54:50.63 ID:rDolTGeP0
小林「うぅ…」

野間「新人か…?」

れんげ「人がいたのん!」

小鞠「なんだぁ…ビックリさせないでよぉ…」

野間「人間…?」

小林「俺たちが…?」


((オォォォォ!))


二人が変化をするとそこにはドルフィンオルフェノクとラビットオルフェノクの姿があった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

ラビットオルフェノク「俺たちはオルフェノクだ。」

ドルフィンオルフェノク「この中で人間なのはお嬢ちゃんたちとあとは一人だけだ…」

小鞠「お…オルフェノクってこれどういう事なのん!?」

冴子「紹介してあげるわ。
小林義雄、ラビットオルフェノク。野間茂久、ドルフィンオルフェノクよ。仲良くやりなさい。
あぁ、そうそう。あとであなたたちの面倒を見る人を寄こしてあげる。
新人だけど若い子だから気が合うかもしれないわよ。それじゃあね…」

242: 2014/06/06(金) 19:55:40.75 ID:rDolTGeP0
小鞠「え…ちょっと待って!あ、行っちゃった…」

野間「心配しなくてもいい、取って食おうなんて思っちゃいないよ。」

小林「どうせ明日…俺たちみんな完全なオルフェノクにされちゃうんだからな…」

れんげ「それってどういう事なん?」

それかられんげと小鞠もこの野間と小林から先ほど蛍たちが啓太郎から聞いた同じ話を告げられた。
さすがにショックを隠せなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

小鞠「そ…そんな…」

れんげ「運命の日が明日なんて…」

小林「わかったか…もう人間だとかオルフェノクなんて関係ないんだよ!?俺たちは明日全員王の奴隷にされちまうんだ!!」

小鞠「で…でもライダーがきっと助けてくれるはずじゃ…」

小林「何だよライダーって?救世主の555の事か?あいつは…
チクショー!こうなったら憂さ晴らしだ!お前たちだけでも!!」

れんげ「な…何をするん!?」

小鞠「やだ!やめてー!!」

野間「おいやめろ!相手はまだ子供だぞ!?」

小林「知るか!人の神経逆撫でしやがって!喰らえ!!」

小林はラビットオルフェノクに変化してれんげと小鞠に襲い掛かろうとする。
だが、そんな二人の危機を救った者がいた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

243: 2014/06/06(金) 20:38:01.63 ID:rDolTGeP0
五代「待って!」

小林「ハァ…ハァ…何だお前は!?」

五代「あ、俺は五代雄介。2003の技を持つ男です。」

れんげ「五代…?」

小鞠「雄介…?」

れんげ、小鞠「「2000の技を持つ男!?」」

野間「こいつだよ、この中でお嬢ちゃんたちと同じ人間なのは!この前マヌケにも捕らわれた新人さ。」

小林「そんな事どうでもいい!どうして俺を止めるんだ!?
俺たちはもうじき本物の化け物にされちまうんだぞ!なら今ここでこのガキたちを…」

五代「待って、確か名前は…小林くんだよね?キミは今生きている?」

小林「当たり前だ!こうしてお前の目の前に立っているじゃねえか!」

五代「なら生きている事を自分で楽しくした方がいいと思うけどな…
こんな小さな子を虐めても面白い事なんて何もないと思うよ!」

小林「ハァ?訳わかんねえ…殺る気も萎えちまったしもういいよ…」

小鞠「行っちゃった…ありがとうございます。助かりました!」

れんげ「お兄ちゃん恐くなかったのん?」

五代「う~ん、確かに恐い時もあるかもね。
けど、友達が大変な時に黙って見ている訳にはいかなかったからね。」

れんげ、小鞠「「友達…?」」

五代「そ、友達!俺とキミたちが!」

会ってまだ数分程度しか経ってないれんげと小鞠を友達と称して満面の笑みでサムズアップする五代。
その時である、奥の部屋からドンッ!という音が聞こえてきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

244: 2014/06/06(金) 20:38:42.36 ID:rDolTGeP0



((ドンッ!)) ((ドンッ!))



?「うるせーぞお前ら!静かに出来ねえのか!?」

小鞠「こ…これって都会でよく聞く壁ドンってヤツ!?」

れんげ「ウチらそこまでうるさくした覚えはないのん?」

?「俺がうるさいって言ったらうるさいんだよ!黙って静かにしてりゃいいんだよ!」

れんげ「身勝手な人なん、ちょっと文句言ってやるん!」

この隣から苦情を言ってくる人物に自分たちも文句のひとつくらい言ってやろうと奥の部屋に行こうとするれんげ。
だがそれを野間に止められてしまう。
(ナレーション:鈴木英一郎)

245: 2014/06/06(金) 20:39:33.13 ID:rDolTGeP0
野間「やめろ!お前さんたちのような小さな子供が…今のあの男を見ちゃダメだ!」

れんげ「それってどういう事なん?」

小林「俺たちはオルフェノクになる前の人間や王に忠誠を誓えないオルフェノクの集まりだ。
けどこの奥の部屋に居るヤツはたった一人で王に逆らった重罪人なんだってよ…」

野間「それにあいつは…」

れんげ「とにかくウチ見てみるのん!」

れんげは奥の部屋を覗こうとしていた。
しかしその奥の部屋は厳重な牢屋になっており簡単に入れるような場所ではなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

れんげ「入れないのん…」

??「やめておけ、こんなとこ子供が見るようなモンじゃないぞ。」

小鞠「あ…あなたは…?」

246: 2014/06/06(金) 20:59:10.18 ID:rDolTGeP0
葦原「俺は葦原涼、スマートブレインの連中にこの牢屋の番をやらされている。」

れんげ「ウチ、この牢屋にいる兄ちゃんに一言文句言ってやりたいのん!」

小鞠「え…?やめなよれんげ!恐そうだし…」

葦原「まったく…いいだろう。だが後で後悔しても知らないぞ。ほら…」

葦原は観念したのか、それとも何か考えがあったのか牢屋の中をれんげと小鞠に見せた。
そこには傷つきボロボロであるたった一人の囚人が居た。
(ナレーション:鈴木英一郎)

れんげ「何でこの牢屋にはあのお兄ちゃんしかいないのん?」

葦原「あいつがこの中で一番危険だからさ。スマートブレインにとってな…」

小鞠「なんかボロボロだよ…可哀想…
でもなんかあのお兄さん見覚えがあるような…?」

牢屋の中は薄暗いためにその囚人の顔がよく見えなかった。
そこで葦原が牢屋の灯りを付けて二人に囚人の顔を見せた、するとそこには…
(ナレーション:鈴木英一郎)

247: 2014/06/06(金) 21:05:04.72 ID:rDolTGeP0
?「うおっ!?勝手に灯りを点けるな!」

れんげ「このお兄ちゃんは…!」

小鞠「そんな…嘘でしょ!何でこの人がここに…!?」

葦原「お前たちはこいつを知っているのか。
そうだ、こいつの名は乾巧。オルフェノクでありながら王に逆らった罪人だそうだ。」

そう、彼こそがこの物語の主人公でもある乾巧。
かつては555として人間たちを救う救世主と言われていたが…
現在はこの流星塾の牢屋に閉じ込められている囚人に過ぎなかった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

巧「余計な自己紹介は要らねーよ!それとガキども!俺は静かなのが好きなんだ!早く出て行け!!
………クッ……」

れんげ「巧…なんだか苦しそうなん…」

葦原「無理をするな、お前はオルフェノクの王にオルフェノクの力の殆どを吸い取られてしまったんだ。
残り少ない寿命だ、大事にするんだな。」

巧「フンッ!」

小鞠「けど出て行けと言われても…」

れんげ「こんな地下でどこに行けというのん?」

巧「だったら大人しくしてろ!まったく…だからガキは嫌いなんだよ!」

れんげ「うぅ…口の悪いヒーローなのん…」

248: 2014/06/06(金) 21:07:05.23 ID:rDolTGeP0
巧「ハァ?アンタ何言ってんだ?」

五代「さっき壁を叩いたのはこの子たちが危ないのを知ってわざとやったんでしょ?
そうしなきゃ危なかったもんね。」

巧「ケッ…」

葦原「素直じゃないな乾、周りに心配してくれる人がいるのはどれだけありがたいか…」

五代「葦原さん…あなたも何か心に抱えているみたいですね。」

れんげ「そうなん?」

葦原「まあ…俺もオルフェノクと同じような存在だ。
正体を知られて他人から拒絶されて…それでも仲間が出来て…そして大切な人が…
しかしみんな氏んでいった…だから今はこうして同じ境遇であるオルフェノクの下に身を寄せているんだ。」

小鞠「そんな…けどスマートブレインの人たちは悪い事してるんだよ!それなのにどうして…」

葦原「俺にはスマートブレインが悪だとは思えない。
もしこのまま人類が勝てたとしたらオルフェノクたち人外の者たちはどうなる?
きっとこれから先迫害されて行き場を失うはずだ。
かつての俺と同じ目に合う連中が出るのなら人類全体がオルフェノクになるのも悪くはないのかもしれん…」

小鞠「うぅ…難し事はわからないけど…」

葦原涼の問いかけに答えられない小鞠。
そんな葦原であるが彼にもかつて夢があった、大学の水泳選手として将来を期待されていたが…
ある日、突然力が覚醒してしまいその所為で他人から拒絶されてしまい孤独となった。
やっと理解してくれる大切な存在が現れたかと思えばすぐにその命を奪われ…
だからこそオルフェノクたちの境遇が葦原には自分の事のように理解出来ていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

249: 2014/06/06(金) 21:07:43.59 ID:rDolTGeP0
五代「本当にそう思っているの?」

葦原「何…?」

五代「俺…思うんだけど葦原さんの言うようにたぶん人間もオルフェノクも関係ないんだと思う。
問題なのは人を平気で傷つけちゃう事なんだよ。だから…」

五代が言い掛けたその時であった。一人の女がこの場に現れ会話を中断した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

250: 2014/06/06(金) 21:08:55.00 ID:rDolTGeP0
スマートレディ「ハ~イ!みんな仲良しさんになったところで悪いんだけど葦原さんはお仕事ですよ!
上でえっら~い人たちがお待ちかねで~す♪」

葦原「わかった…」

小鞠「いいとこだったのに…」

れんげ「文字通り邪魔が入ったのん!」

この場を立ち去ろうとする葦原、だが五代はそんな葦原にこう言い残した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

五代「葦原さん、さっき俺が言った事は綺麗事なのかもしれません!
けど…諦めないでください!少なくともここにいる俺たちはあなたの味方ですよ!!」

葦原「…」

葦原は無言のままその場を後にする。さて、残ったスマートレディはというと…
(ナレーション:鈴木英一郎)

スマートレディ「それじゃお嬢ちゃんたち、お姉さんが楽しいアニメを見せてあげる!
スマートブレイン社がスポンサーを兼ねてる最新のアニメ『明日のナージャ』よ!」

れんげ「明日のナージャ?」

小鞠「まったく知らないんだけど…」

スマートレディ「あらあら、それならみんなで見ましょうか♪」

こうしてれんげと小鞠にアニメを見せつけるスマートレディ。
そして一方その頃、スマートブレインの上層部に呼ばれた葦原は…
(ナレーション:鈴木英一郎)

277: 2014/06/08(日) 15:00:06.05 ID:tAX3Qcv10


~会議室~


冴子「やっと来たわね。」

北崎「待ちくたびれたよまったく…ふぁ~ぁ…」

??「…」

葦原が向かった会議室には既に北崎たちラッキークローバーの面子が揃っていた。
そして中央のモニターには納谷、加藤、飯塚の三人のスマートブレインの黒幕たちの姿が映し出されていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

納谷『これでラッキークローバーが全員揃ったな。』

葦原「全員だと…?どういう事だ!?」

冴子「あら、察しの悪い坊やね。」

北崎「キミが4人目のラッキークローバーだよ。よろしくね♪」

葦原「何!?」

自分が4人目のラッキークローバーだという事を告げられて驚きを隠せない葦原。
しかしその時、この会議の場にある男が怒りに満ちた剣幕で怒鳴り込んできた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

278: 2014/06/08(日) 15:00:53.40 ID:tAX3Qcv10


水原「「ふざけんな!?」」


葦原「お前は…水原!」

冴子「礼儀のなっていない子ね、ここをどこだと思っているの?弁えなさい!」

水原「そんな事関係ねえ!何故だ…何故こいつがラッキークローバーの一員に選ばれるんだ!?」


((オォォォォ!))


水原は顔に文様を浮かび上がらせてオリーブオルフェノクへと変化する。
そしてそのまま葦原へと向かってきた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

オリーブオルフェノク「うおおおお!」

葦原「やめろ!変身!」

しかし葦原もすぐに変身して応戦。だがその姿は…
(ナレーション:鈴木英一郎)

279: 2014/06/08(日) 15:01:21.22 ID:tAX3Qcv10


ギルス「「ガァァァァ!」」


オリーブオルフェノク「へっ!正体を見せやがったな!
こんなオルフェノクでもないヤツがラッキークローバーに選ばれるなんてよおかしいだろ!?」

そう、葦原涼はオルフェノクではない。
彼はかつてのアンノウン事件で『ある能力』に覚醒してしまったギルスと呼ばれる個体。
しかしその力は凄まじく並のオルフェノクなど相手にもならない程だ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

ギルス「ウガァァァァ!!」

オリーブオルフェノク「な…なんだと!?」

勝負は一瞬で決まった、瞬時にオリーブオルフェノクにギルスクロウを突き立てて戦意喪失させたのだ。
(ナレーション:鈴木英一郎)

280: 2014/06/08(日) 15:01:47.73 ID:tAX3Qcv10
水原「こ…この…まだだ!」

冴子「諦めなさい、所詮オリジナルのオルフェノクでないあなたにラッキークローバーになるのは無理なのよ。」

北崎「キミは木場勇治に使徒再生の力でやられた時にオルフェノクに覚醒してしまったからね。
オルフェノクっていうのはオリジナルじゃないとあんまり強くないんだよ。ゴメンね。」

速水「クソッ!クソッ!?俺はオルフェノクになっても…」

苛立ちながらこの場を去って行く速水、それを見つめるもう一人のラッキークローバーのメンバー…
(ナレーション:鈴木英一郎)

冴子「そういえば…あなたは彼に…」

??「…」

北崎「それにしても速水って元は人間解放軍の一員だったんだよね。
それが今じゃスマートブレインで地位に就こうと必氏になったり変われば変わるモノだよね…」

葦原「…」

どうやら水原は映画で木場勇治に殺された際に使徒手再生の力でオルフェノクとして甦った。
しかしその力はオリジナルとして覚醒したわけではないので並のオルフェノクと同等の力でしかなかった。
それが彼を苛立たせる原因となっていた。そんな中、黒幕たちは更なる話を進めた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

282: 2014/06/08(日) 15:04:22.17 ID:tAX3Qcv10


~レストラン???~


啓太郎「ほら、みんな脱いで!脱いで!」

夏海「むっきー!離せー!?」

蛍「イヤです~!や~め~て~!!」

卓「」コクッ

哲也「啓太郎くん…女の子を脱がそうとかちょっとどうかと思うなぁ…」

啓太郎「でもこの子たちの服がライオトルーパーたちに追いかけ回されて汚れているのがどうも気になって…
元洗濯屋の血が騒いで服をきれいにしなきゃという使命感に駆られちゃったんですよ!」

蛍「うぅ…これでもうこまちゃん先輩のとこにしかお嫁に行けません…」

夏海「何で姉ちゃんとこにお嫁に行くんだよほたるん?
つーか用意してくれた替えの服だけど…まんまレジスタンスみたいな服でウチちょっとカッコいいかな!」

卓「」コクッ

哲也「じゃあ着替えも終わったし子供はアニメでも見てた方がいいね。
ほら、この辺りで唯一放送しているキテレツ大百科が始まるよ!」

蛍「うぅ…こんな異世界でもキテレツやってるんですね…」

夏海「つーかウチら姉ちゃんたち助けなきゃいけない事すっかり忘れてね?」

283: 2014/06/08(日) 15:05:15.48 ID:tAX3Qcv10
蛍たちがこのレストランで啓太郎たちとのんびりとくつろいでいるところへある男が訪ねてきた。
氷川である。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「あ、さっきの…え~と確か氷川さんだっけ?気難しい顔してるけどどうしたんだろ?」

氷川「…」

哲也「…」

啓太郎「哲也さんも急に黙り込んじゃった。哲也さんが無口になるなんて珍しいですね。」

蛍「これはもしや…」

氷川「あのみなさん…申し訳ないんですが…」

哲也「氷川さんと二人きりで話がしたいからちょっと外に出ててくれないかな?」

そして氷川と哲也は二人でレストランの客席で話し合う事に…
しかし夏海は我慢できずに二人の会話をちゃっかりと盗み聞きしていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「へへっ、どんな話か気になるモンね~♪」

蛍「盗み聞きなんてお行儀悪いですよ夏海先輩、けど私もちょっと気になってたりして…」

卓「」コクッ

啓太郎「結局みんな盗み聞きするんだね…」

さて、一方氷川と哲也はというと…
(ナレーション:鈴木英一郎)

284: 2014/06/08(日) 15:07:13.88 ID:tAX3Qcv10
氷川「お久しぶりですね。」

哲也「はい…」

氷川「まだ…お店の看板を直してなかったんですか?」

哲也「まあ…ちょっと忙しかったし…って氷川さんがそんな事聞きに来たわけないじゃですよね…?」

氷川「そうですね、まずはお久しぶりと言うべきでしょうか。
沢木哲也さん、いえ………津上翔一さん!!」

夏海「津上…翔一…?」

啓太郎「哲也さんは…あれ?どうして名前が違うんだろ?」

蛍「やっぱり…あの人は…!」

聞き耳を立ててさらに会話を一言一句聞き逃さずにいる蛍たち。
そして二人の会話は続いた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

285: 2014/06/08(日) 15:08:52.30 ID:tAX3Qcv10
哲也「やめてください!俺はもう…沢木哲也です!
それにその名前は…本来俺の名前じゃなく俺の姉さんの恋人だった人の名前です。
だからもう…」

氷川「いいえ、僕にとってあなたは津上さんです!
それにあなたは…かつてアンノウン事件で我々警察に力を貸してくれた『アギト』じゃないですか!!」


「「アギト!?」」


哲也、氷川「「?」」

夏海「やべっ!聞こえちゃったかな…?」

啓太郎「アギト…聞いた事がある!
数年前に変な化け物による殺人があってその時に活躍したっている謎の戦士だよ!
けどまさかその正体が哲也さんだったなんて…」

蛍「哲也さんの正体が翔一さんでアギト…かなりの急展開ですね!」

哲也の正体を知り驚く蛍たち。だが話はそれだけではなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

286: 2014/06/08(日) 15:10:39.58 ID:tAX3Qcv10
氷川「今まで何度かここに立ち寄ってあなたにもアギトとして戦ってほしかったと説得しましたが…
あなたは頑なに僕たちの要請を受けてくれませんでしたね。
どうしてなんですか!?」

哲也「俺は…オルフェノクを倒す事は出来ません、彼らは元は人間なのでしょう?
俺だって同じです、俺はアギトです。オルフェノクと同じような存在…
彼らを攻撃するって事は同じ人間を倒す事になるじゃないですか!
そんなの…」

氷川「しかし僕たちが戦わなければ人間は確実に滅びます!
そうなれば何の罪もない人たちが氏んでしまうんですよ!?」

哲也「わかってます…わかってますけど…俺には…」

夏海「哲也さん何を悩んでるんだろ?戦えるなら戦えばいいのに…」

蛍「たぶん彼にも何らかの事情があると思いますよ…」

287: 2014/06/08(日) 15:12:45.37 ID:tAX3Qcv10
氷川「もしかして三杉教授たちの事が心配なんですか…?」

哲也「はい…」

夏海「美杉教授って誰…?」

蛍「確かしょうい…じゃなくて哲也さんがお世話になっていたお家の人たちの事だったはず…?
そういえばあの人たちの姿がありませんけどどうなったんでしょうか?」

氷川「オルフェノクたちが世に出回った頃、美杉教授一家の行方が分からなくなりましたね。
けどそれなら僕たちに任せてもらえばすぐにでも見つけて…」

哲也「見つけてほしくないんです!!」

288: 2014/06/08(日) 15:13:51.69 ID:tAX3Qcv10
氷川「な…何故ですか?」

哲也「わかりませんか?
もし美杉教授や真魚ちゃんがオルフェノクになっていたら…
俺はあの人たちを倒さなきゃいけないんですか!?」

氷川「そんな事は…」

哲也「あり得ないと言い切れますか!?
オルフェノクになった人たちは人間たちを襲い続ける!
もしもオルフェノクになった教授たちが俺の目の前に現れたら…俺は…俺は…
だから俺はもう戦えないんです!
自分と同じ存在だけじゃなく家族同然に接してくれた美杉教授や真魚ちゃんたちを倒すだなんて…」

氷川「だから店の看板も修理しないで放ったらかしなんですね。
教授一家がこの店を探し出さないために…
このお店の名前は『レストランアギト』、かつてあなたが開いていたお店でしたね…」

哲也「そうです…だから俺はもう…」

そんな二人のやり取りを盗み聞きしている蛍たち。二人の会話を聞いてショックを隠せずにいた…
(ナレーション:鈴木英一郎)

289: 2014/06/08(日) 15:14:56.10 ID:tAX3Qcv10
啓太郎「哲也さんにそんな過去が…」

夏海「う~ん…ウチにはそのアギトっていうのがイマイチよくわかんないんだけど?」

蛍「簡単に説明すると平成ライダー2番目の仮面ライダーです。
ある日突然仮面ライダーの力に目覚めた仮面ライダーになる男、津上翔一さん。
次に強化装甲服G3を装着して仮面ライダーになろうとする男が氷川誠さん。
そして最後に仮面ライダーになってしまった男、葦原涼さんがいるはずなんですけど…
葦原さんは何処に…?」

そんなやり取りが行われている最中、一人の男がこのレストランに足を運んできた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

??「ここがレストランアギトか。」

夏海「あれ?なんかごっついおっちゃんが現れたよ!」

蛍「本当ですね、あの…どういった御用で?今ちょっと立て込んでいるんですけど…」

??「ハッハッハ、レストランに足を運ぶ理由なんて唯一つだよ。腹が減ったから!
さあ、キミたちも遠慮せずに入りなさい!!」

啓太郎「え?え?いいのかな?」

卓「…」

290: 2014/06/08(日) 15:16:09.16 ID:tAX3Qcv10
そして突然現れたこの男の強引さに押し切られ再び店の中に入った蛍たち。
さすがに哲也と氷川も何事かと驚いたが氷川はこの男について思いっ切り心当たりがあった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

氷川「あ…あなたは…警視総監!?」

哲也「警視総監さん!あ、そういえば…お久しぶりです!」

総監「やあ氷川くん!以前から行こうかと思っていたレストランアギトだがようやく時間が取れてやってきたよ!!」

夏海「ねえねえほたるん、警視総監って何?」

蛍「夏海先輩…本当に空気読んでくださいよ…
けど警視総監って…え~と確か…警察で一番偉い人だと聞きましたが…?」

総監「いやいや、俺なんてそんな偉くもなんともないよ。
ところで氷川くん、キミはまだ夕食を食べていないようだね。すぐに用意してもらおうか!」

291: 2014/06/08(日) 15:16:36.75 ID:tAX3Qcv10
哲也「は…はい!」

氷川「ちょっと待ってください総監!僕はまだ用事がすんでは…」

総監「まずは食べて英気を養う!全てはそれからだ!!」

夏海「そうそう!腹ペコじゃイライラするだけだからね!」

蛍「夏海先輩はさっき食べたばかりでしょ…」

卓「」コクッ

結局後からやってきたこの警視総監のごり押しで氷川や蛍たちは一緒に夕食を取る事に。
その後も氷川は哲也に戦う事を要請する事も出来ず結局そのまま帰る事になった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

292: 2014/06/08(日) 15:17:54.31 ID:tAX3Qcv10
氷川「結局何も進展無しだった…」

哲也「すいません氷川さん、今の俺には…」

警視総監「いいや、謝る事は無い。本来キミにまで戦ってもらうのはどうかと思うからな。
我々のような警察の人間が率先してやらねばならんのだ、そんな戦いにキミを撒き込むわけにはいかん。
それが人類とオルフェノクのどちらかの生き残りを賭けた戦いとなれば尚更だ…」

哲也「警視総監さん…」

警視総監「だが…これだけは覚えておいてほしい。
もしも…キミの目の前で助けを求める小さな声が聴こえたのならその子たちを助けてやってくれないか。
人類だの世界だの大それたモノを守ってほしいわけじゃない…
目の前にある小さな命、それだけでも救ってくれ!」

哲也「小さな命…?」

そして氷川と警視総監は店を後にしようとする。
しかしその帰り際、氷川からたった一言こう呟かれた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

氷川「津上さん、忘れないでください。
たとえどんな事があろうと僕はまだアギトの会のメンバーですからね。」

哲也「氷川さん…」

こうしてそれぞれの想いが交錯しながら夜が更けていった。
そして翌朝…
(ナレーション:鈴木英一郎)

293: 2014/06/08(日) 15:18:36.65 ID:tAX3Qcv10


~スマートブレイン社~


スマートブレインの本社ビル。
その前には既にライオトルーパー部隊、それにラッキークローバーの面々が集結していた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


納谷『時は来た!我々はこれより人間どもに最後の総攻撃を仕掛ける!!』


飯塚『そして園田真理を奪取しこのスマートブレイン本社ビルの屋上に居られる王と同調させて、
残りの人類と現存するオルフェノクたちに永遠の命を与えてもらうのだ!!』


加藤『行け者ども!我らの希望はすぐ目の前だぞ!!』



「 「 オォーーーーーー!! 」 」


北崎「みんな張り切ってるねぇ…」

冴子「自分たちの寿命が掛かっているんですもの、どんな手を使っても生き残りたいのはみんな一緒よ。」

??「…」

そんなライオトルーパーたちを見下ろすラッキークローバーの三人。
するとそこへライオトルーパーの隊員が二本のベルトを持ってやってきた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

294: 2014/06/08(日) 15:19:53.69 ID:tAX3Qcv10
ライオトルーパー(C)「冴子さんこれを、修理したカイザのベルトです。
それとこちらが以前北崎さんが使用されていたデルタのベルトです。」

北崎「このベルトは…懐かしいねえ。でも冴子さんはこんなのを用意してどうする気なの?」

冴子「今度の戦い、私たちオルフェノクは絶対に負けられないわ。万全の備えで挑まないと足元を巣食われるわよ。」

そして冴子はカイザのベルトを手にした。残ったデルタのベルトはというと…
(ナレーション:鈴木英一郎)

北崎「僕はこの玩具飽きたからいらないや、キミが使いなよ。」

??「…」

そう言うと北崎は新入りにデルタのベルトを与えた。
そして二人はベルトを装着すると変身コードを入力する。
(ナレーション:鈴木英一郎)


『standyng by』


「「変身!!」」


『complete』


そこに現れたのは影山冴子の変身する仮面ライダーカイザ、そして謎の新入りが変身する仮面ライダーデルタであった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

295: 2014/06/08(日) 15:22:09.22 ID:tAX3Qcv10


~流星塾~


れんげ「…」

小鞠「…」

五代「…」

巧「…」

スマートレディ「ハ~イ、明日のナージャのアニメはどうだったかしら?勿論面白かったわよね?」

五代「結局一晩中アニメを見せられたね…」

巧「まったく…何で俺まで…見なきゃいけないんだよ?」

296: 2014/06/08(日) 15:24:30.01 ID:tAX3Qcv10
スマートレディ「さあ、お嬢ちゃんたち。感想を言ってみて!
お姉さんは視聴者の子供の声を直にちゃ~んと聞きたいの?」

小鞠「いや…どうと聞かれても…まあ面白かったけど…これは小さな子には絶対向かないと思うな…」

れんげ「ウチはどうもこういうのは苦手なのん。
やっぱり怪人が出てきてそれを倒すヒロインモノの方が面白いと思うんな!
ローズマリーとかぶっちゃけ引いてしまうん…」

小鞠「そうだね、たとえば女の子二人が変身して戦うアニメの方が面白いよね!
セーラームーンみたいな変身ヒロインモノの方が面白いし!!」

巧「俺も…この性格の悪いローズマリーってキャラを見るとどこかの根性が腐った潔癖の性悪野郎を思い出すぜ…」

五代「これ以上はどこかのアニメ作っている会社に怒られそうだね…」

スマートレディ「もう!アニメ会社の人たちが寝る間も惜しんでお子さまが喜びそうなアニメ作ったのに…
文句ばっかり言われてお姉さんガッカリです…けど今の意見は参考にしておくからね♪」

297: 2014/06/08(日) 15:25:13.02 ID:tAX3Qcv10
葦原「どうやら子供たちと仲良くやっているようだな。」

巧「上が騒がしいが何かあったのか?」

葦原「……遂に今日スマートブレインが生き残った人間たちに総攻撃を仕掛けるんだ。
全オルフェノクに招集命令が掛かった、俺も出なきゃならない。」

巧「なんだと!?それじゃあ真理が…くっ…」

葦原「無理はするな、寿命が減るぞ。要件はそれだけだ…じゃあな。」

五代「葦原さん、何でわざわざその事を伝えに…?」

葦原「……さあな…ただ…何かのきっかけになればと思っただけさ…」

れんげ「待つのん!行っちゃダメなん!」

小鞠「そうだよ!人間とオルフェノクの戦いなんてダメだよ絶対!」

葦原の行く手を止めようとするれんげと小鞠、だが葦原は…
(ナレーション:鈴木英一郎)

298: 2014/06/08(日) 15:26:24.52 ID:tAX3Qcv10


葦原「いいだろう、俺の本当の姿を見せてやる!変身!!」


((シュゥゥゥ!))


ギルス「どうだ、これが俺の本当の姿だ。恐かったら近付くな!」

小鞠「え?恐いって…だってこの姿って…」

れんげ「か…仮面ライダーなん!」

巧、五代、ギルス「「仮面ライダー?」」

れんげ「世界の平和を守る正義のヒーローの事なん!」

小鞠「メッチャクッチャ強いんだよ!」

ギルス「悪いが俺はそんなモノじゃない、じゃあな…」

そう言ってギルスはライオトルーパーたちの下へ向かった。
そしてスマートレディもその道化のような芝居を止めて部下のオルフェノクたちを呼びつけた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

299: 2014/06/08(日) 15:27:55.51 ID:tAX3Qcv10
スマートレディ「ハ~イ、オルフェノクのみなさん。ちょっと来てくださ~い♪」

ライノセラスビートルオルフェノク「ハッ!」

スタッグビートルオルフェノク「なんなりとご命令を!」

スマートレディ「あなたたちは乾巧を本社ビルの屋上に居られる王の前に護送してほしいの!
これから乾巧の処刑を開始しちゃいま~す♪」


「「えぇーーーーー!?」」


小鞠「酷いよ!そんなのってあんまりだよ!?」

スマートレディ「何を今更…長い事スマートブレインの邪魔をしてきたんですもの、当然の報いでしょ?」

れんげ「ダメなん!絶対に行かせないのん!」

スマートレディ「邪魔しちゃダメよお嬢ちゃん♪」

れんげは巧のいる牢屋に近付こうとするが…


((ガッシャンッ!)) ((ギゴゴゴゴゴ!))


スマートレディ「バイバ~イ♡」


牢屋はエレベーターの機能が付いておりそのまま屋上にいる王の下へ上がっていった。
そして地下の流星塾に取り残されるれんげたち…
(ナレーション:鈴木英一郎)

300: 2014/06/08(日) 15:28:31.88 ID:tAX3Qcv10
れんげ「巧が…急いで追いかけるのん!」

小鞠「ど…どうやって!私らだけじゃ無理だよ!?」

モールオルフェノク「そうだ、諦めろ!」

ムースオルフェノク「どうしてもというなら我々がお前たちの相手になってやろうか!」

れんげは急いで巧の後を追おうとするがモール&ムースオルフェノクにその行く手を阻まれてしまう。
小鞠の言う通り子供二人でどうにかできる問題ではなかった。
オルフェノクたちの本拠地であるスマートブレイン社にいる事自体危険だというのに巧を救う手立てなどあるはずがない…
そう、『子供二人』だけならの話だが!
(ナレーション:鈴木英一郎)

301: 2014/06/08(日) 15:28:59.60 ID:tAX3Qcv10
五代「大丈夫、俺も力を貸すよ!」

小鞠「五代さん!け…けど…」

れんげ「危ないのん!オルフェノクたちに襲われたら灰になってしまうん…」

モールオルフェノク「そうだ、普通の人間は大人しくするんだな!」

ムースオルフェノク「このまま大人しくしていればありがたい事にオルフェノクになれるんだぞ!」

れんげの言う通り、オルフェノクの力は壮絶だ。
常人がオルフェノクと戦えば灰となって氏ぬか、それとも生き残りオルフェノクとして覚醒するかのどちらかしかない。
だが五代は…
(ナレーション:鈴木英一郎)

302: 2014/06/08(日) 15:30:38.25 ID:tAX3Qcv10


五代「大丈夫!俺、クウガだから!!」


れんげ、小鞠「「クウガ!?」」


五代「「変身!!」」


((ピキィン!!))


れんげ、小鞠「「五代さんが…か…仮面ライダー!?」」


クウガ「うん!俺はクウガ、仮面ライダークウガ!!」


そして変身したクウガは二人の前でサムズアップしてみせた。
れんげと小鞠はこの時まだ知らなかった。
自分たちの目の前にいるこのクウガこそがかつて起きた未確認生命体事件で殆どのグロンギを倒した歴戦の戦士である事を…
(ナレーション:鈴木英一郎)

303: 2014/06/08(日) 15:31:49.68 ID:tAX3Qcv10


~警視庁跡地~


同じ頃、警視庁跡地。
そこには既に大勢のG5ユニットが出撃準備を整え整列していた。
そして先頭には氷川、北条、一条、それにオルフェノクであるミスターJに琢磨の姿も…
(ナレーション:鈴木英一郎)

氷川「南長官!G5ユニット、全員揃いました。出撃許可を!」

南「うむ、それではこれより我々人類は反撃を開始する!
この戦いが我々人類が生き残るかそれともオルフェノクが生き残るか最早そのどちらかしかない!
勿論生き残るのは我々人類だ!私たちはなんとしてでも勝つ!!」

そして遂にスマートブレインのライオトルーパー部隊、それに人類が率いるG5ユニットに出撃の命令が下された!


「「ライオトルーパー部隊出撃!!」」


「「G5ユニット出撃!!」」


氷川「結局…戦うしかないのか…」

小沢「氷川くん、今は余計な事は考えないで!G3-Xアクティブ!!」


G3-X「了解、G3-X出撃します!!」


こうして生き残った人類対オルフェノクの壮絶なる戦いが今始まる!!


…のだが…その頃、蛍たちはというと…
(ナレーション:鈴木英一郎)

305: 2014/06/08(日) 15:33:20.13 ID:tAX3Qcv10
夏海「よっしゃ!ウチらもれんちょんと姉ちゃんを助けに行くぞー!」

蛍「うぅ…けど大人の人たちは忙しいみたいで結局誰も私たちの事を助けてくれないし…」

卓「…」

結局この世界の大人たちの協力を求められなかった蛍たち。
さすがに人類とオルフェノクの生き残りを賭けた戦いの時に捕らわれになった子供を助ける余裕は無い…と思われたのだが…
(ナレーション:鈴木英一郎)

啓太郎「お待たせみんな!」

蛍「啓太郎さん!」

夏海「よかった、一人はきてくれた。あれ…?啓太郎さん随分とカッコいいバイク乗ってるね?」

蛍「確かそのバイクは草加さんの…?」

啓太郎「あぁ、これはサイドバッシャー。
草加さんが乗っていたバイクだけど壊れてたのを卓くんが一晩かけて直してくれてね。
こうして動けるようになったんだよ!」

卓「」コクッ

夏海「さっすが兄ちゃん!」

啓太郎「それにたっくんのバイクであるオートバジンも用意したし準備は万全だよ!」

306: 2014/06/08(日) 15:35:43.62 ID:tAX3Qcv10
蛍「けど…啓太郎さんは寝たきりの真理さんを守らなくて大丈夫なんですか?」

啓太郎「大丈夫、真理ちゃんの事は野村博士やここに残る小沢さんに任せてあるから。
たぶん蛍ちゃんたちの友達が捕らわれている場所に俺の友達のたっくんもそこにいる。
俺とキミたちの行く道は一緒さ。
それに…困っている子供を放っておくなんてそれこそ真理ちゃんに怒られちゃうよ!!」

夏海「そうだね、姉ちゃんたちを助け出してこの555のベルトを巧に返してあげて555を復活させるんだ!!」

卓「」コクッ

そしてオートバジンをバトルモードに変形させ、全員サイドバッシャーのサイドカーに乗り込もうとした時であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

307: 2014/06/08(日) 15:36:55.21 ID:tAX3Qcv10


((ブロロロロ!))


一台の大型バイクが蛍たちの目の前に現れる、そのバイクには哲也が乗ってい!
(ナレーション:鈴木英一郎)


哲也「どうやら間に合ったね、俺も一緒に行くよ!」


「「哲也さん!?」」


夏海「哲也さんも来てくれるの?」

哲也「あぁ、確かに俺は人類とオルフェノクの生き残りを賭けた戦いなんて出来やしない…
けど…そんな俺にも…キミたちのような小さな子供を助ける事くらいは出来るからね!」

蛍「哲也さん…!」

哲也「それと今の俺は哲也じゃない…
俺のもう一つの名前は津上翔一!そしてまたの名を……変身!!」


((カッ!!))


津上翔一の腹部より賢者の石と呼ばれる変身ベルトが眩い光を照らす!
その瞬間、翔一はある異形の戦士へと変身を遂げた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

308: 2014/06/08(日) 15:38:36.17 ID:tAX3Qcv10
アギト「俺の名はアギト。
アギトとはオルフェノクと同じく人間の進化した姿。
本来なら俺はオルフェノクの側にいなきゃいけない者なのかもしれない…
けど俺は…人間を滅ぼす事もオルフェノクとなった者たちを攻撃する事も出来ない!
だけど…キミたちのような子供の居場所を守る事くらいはしてあげたいんだ!それが今の俺に出来る事だから!!」

夏海「やったー!仮面ライダーが仲間に加わってくれたぜ!!これで姉ちゃんたちを助けられるぞ!!」

蛍「本当ですね!これでようやく希望が出てきました!!」

卓「」コクッ

このパラダイス・ロストの世界は現在人間とオルフェノクの両陣営に別れている。
一時はわかり合おうとしたが…オルフェノクの寿命による宿命…
結局両者はわかり合う事が出来ずに最後の戦いが行われる事となった。
既に人々の絶望が蔓延しているこの世界…
だが、わずかに残った希望が存在する事をまだ…誰も気づいていなかった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

325: 2014/06/12(木) 20:25:50.64 ID:JHhj4VX50


((ブオンッ!)) ((ブオンッ!))


((ザッ!ザッ!ザッ!))


ここは戦場…
人類側のG5ユニット、それにオルフェノク側のライオトルーパー部隊がそれぞれの陣地に集結しつつあった。
その光景を遠くから見つめる男が一人、警視総監だ。
(ナレーション:鈴木英一郎)


警視総監「…」


警視総監「ハァ…」


まるで諦めたかのような表情でため息をつく警視総監、そこへ一人の青年が現れた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

326: 2014/06/12(木) 20:26:23.50 ID:JHhj4VX50


???「どうしたんですか?あなたがため息なんて珍しいですね。」


警視総監「いや…出来ればこんな戦いを避けたかったのだが…こればかりは俺の至らなさが原因だな。
もしかしたら今日で全てが滅びてしまうのではないかと思ってな…」


???「何を言っているんですか!あなたがいなければ人類はとっくに滅びていたかもしれませんよ!
それに…まだ諦める必要はありません、あそこを見てください!」


警視総監「あそこだと…?」


青年が指した方角には一台の赤い大型バイクが颯爽と走っていた。
そのバイクはアギトが乗るマシントルネイダー、アギトがこの戦地に現れたのだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

327: 2014/06/12(木) 20:27:23.64 ID:JHhj4VX50


警視総監「アギト…か。どうやらようやく闘う決意を固めてくれたようだな。」


???「それに…あの子たちも。まだ希望はありますよ!」


その青年がアギトの他にも注目したのは…
アギトのマシントルネイダーど同行しているサイドバッシャーに搭乗している蛍たちであった。


警視総監「あの子たちが希望…?」


???「はい!俺は何度かあの子たちと会っていますからもしかしたら今回もたぶん…」


警視総監「そうか、ところでヤツらの正体だがやはり俺たちの睨んだ通り…」


???「間違いありません!ヤツらでした!」


警視総監「やはりそうだったか、よし!俺たちも動くぞ!!」


そして警視総監と青年は誰にも気づかれずにその場から姿を消した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

335: 2014/06/14(土) 21:35:16.68 ID:U4DS+/wO0



「「うおおおおおお!!!!」」



((ドーーーーン!))


((ドッカーーーーーーン!!))




G5ユニット「「一斉掃射!!」」


ライオトルーパー「「こちらも同じく一斉掃射!!」」


G5ユニットとライオトルーパーの銃撃戦。
戦場には戦士たちの雄叫びが響き渡り、そして激しい爆音が絶え間なく続いていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

336: 2014/06/14(土) 21:36:53.43 ID:U4DS+/wO0
そのG5ユニットの中にはかつて未確認生命体事件で活躍した杉田と桜井の姿もあった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


杉田「クッ…こう数が多いとな…!」


桜井「杉田さん大丈夫ですか!」


杉田「あぁ、大丈夫だ。けど…」


桜井「どうしたんですか?」


杉田「今度の敵は未確認みたいな化け物じゃない、元は普通の人間だったヤツらだ…
時々思うよ、今俺がしている事はただの殺人じゃないのかって…
俺は…娘のような何の罪もない人たちを守るためとはいえこんなくだらない戦争をしてもいいのかってな…」


桜井「杉田さん…そうですね。こんな時、五代さんがいてくれたら…」


杉田「五代くんか、そうだな…彼ならこんな時どうするのかな…」


二人はかつて共に戦った勇敢な戦士の事を思い出していた。
彼ならこんな時どうすべきなのか、もしかしたらこんな悲惨な戦いを止める術を知っているのではないかと…

そして…

(ナレーション:鈴木英一郎)

337: 2014/06/14(土) 21:42:30.10 ID:U4DS+/wO0
戦況は混戦状態に陥った、ライオトルーパー部隊とG5ユニットは性能においてその差は大してない。
だが、ライオトルーパーの方はオルフェノクである。
たとえ変身が解除されてもオルフェノクとして立ち向かえるので、戦力的にはスマートブレイン側が有利かと思われた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


クロコダイルオルフェノク「ヌンッ!」


センチピードオルフェノク「くっ…来るな!あっち行け!」


しかし、オルフェノクでありながら人類側に付いたクロコダイルオルフェノクとセンチピードが善戦!
それに…


一条「隊列を乱さないで!落ち着いて一体ずつ撃破するんだ!」


V1「その通りです、冷静に挑めば必ず勝てます!下手に焦る必要はありません!」


かつての未確認生命体事件で活躍した一条とV1システムを装着した北條が陣頭指揮を執り、均衡に渡り合っていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ブオオオン!))


G3-X「GX-05アクティブ!」


((ドルルルルル!!))


ライオトルーパー「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


そして555亡き今の人類を支える象徴ともいえるかつてのアンノウン事件で活躍したG3-X!
専用バイクであるガードチェイサーを駆ってGX-05で大勢のライオトルーパーたちを撃退させていく!
彼らの活躍が人類側を優位に立たせていた。

だがしかし…

(ナレーション:鈴木英一郎)

338: 2014/06/14(土) 21:45:19.67 ID:U4DS+/wO0


ギルス「ハァッ!!」


「うわー!」


「ぎゃぁー!」


ギルスレイダーを駆るギルスが颯爽と現れるとG5ユニットをまるで赤子の如く蹴散らしてライオトルーパーたちの危機を救った!
(ナレーション:鈴木英一郎)


G3-X「葦原さん!」


ギルス「氷川!」


G3-X「何故あなたがここに…!?あなたもかつては人のために戦っていたはずだ!!」


ギルス「俺と同じ運命を背負うオルフェノクたちを放っておくわけにはいかない!
今はここが俺の居るべき場所なんだ!!」


G3-X「そんな…!戦う事でしか僕たちは決着を付けられないというんですか!?」


ギルス「覚悟を決めろ氷川!所詮お前たち人間とはわかり合えない運命だったんだ!」


「「うおおおおおお!!!!」」


激しく己の主張をぶつけ合いながら激突するG3-Xとギルス!
かつては同じく人類に敵対するアンノウンを倒すための仲間だった二人。
しかし今では種族の違いにより対立する立場となってしまった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

339: 2014/06/14(土) 21:49:09.04 ID:U4DS+/wO0


ギルスの出現で勢いを盛り返すライオトルーパーたち。
だが戦場に現れたのはギルスだけではない…


カイザ(冴子)「ハッ!!」


デルタ(??)「フンッ!」


ライオトルーパー(D)「た…助かった!」


ライオトルーパー(E)「あれは…ラッキークロバーの方々だ!」


カイザとデルタ、ラッキークローバーがベルトを装着した姿で現れた事によりG5ユニットの隊列が大幅に乱れてしまった…
(ナレーション:鈴木英一郎)

340: 2014/06/14(土) 21:52:21.36 ID:U4DS+/wO0


センチピードオルフェノク「あ…あぁ…冴子さん…」


カイザ(冴子)「あら?誰かと思えば逃げ出したお馬鹿さんたちじゃない。
あなたたちも愚かね、このまま行けば間違いなく氏が待っているのに…
けれど王は寛大よ。今からでも遅くは無いわ、こちら側に戻ってらっしゃい。
そうすれば氏ぬ事は無いわ。そう、永遠にね…」


センチピードオルフェノク「い…嫌だ!?
確かに私はオルフェノクとして覚醒した…
しかし…人としての意志を消し去り完全な化け物になるだなんて耐えられるわけがない!」


クロコダイルオルフェノク「YES!」


カイザ(冴子)「けど人間側にあなたたちの居場所はあるのかしら?
もしも、この戦いで人類が勝てばあなたたちのように人類に協力したオルフェノクはどうなるのかしらね?
きっと迫害される、そして氏ぬわ!それも酷い氏に様で…」


クロコダイルオルフェノク「…」


センチピードオルフェノク「…」


冴子の言葉を聞き、思わず武器を収めてしまう二人…
冴子の言う事もあながち嘘という訳でもない。
現にTV版においてクレインオルフェノクに変化する長田結花やクラブオルフェノクは、
人間にその正体を知られた際にその身体を生体実験に利用されてそれが氏亡する原因ともなった。
そんな混戦状態に見舞われる戦場。

一方その頃、蛍たちはというと…

(ナレーション:鈴木英一郎)

351: 2014/06/15(日) 15:00:16.40 ID:w2uVT1xp0
蛍「ハァ…ハァ…なんとか辿り着きましたね。」

夏海「ここがスマートブレインのビル…でっかー!?」

卓「」コクッ

啓太郎「早くたっくんにファイズギアを渡さないと!」

アギト「さあ、みんな行くよ!」

アギトを先頭にスマートブレイン本社に乗り込もうとする蛍たち、だが…
(ナレーション:鈴木英一郎)


((ガカッ!!))


「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


アギト「この衝撃波は何だ!?」

蛍「あ!ファイズギアが吹っ飛ばされて…」

352: 2014/06/15(日) 15:01:11.67 ID:w2uVT1xp0


((ガシッ!))


夏海「それを誰かがキャッチした!?」

北崎「やあ、見つけたよ。」

蛍「あ、あなたは…ラッキークローバーの北崎さん!?それにその手に持っているのは…」

そこに現れたのはラッキークローバーの北崎であった。
彼は吹っ飛ばされたファイズギアを腰に装着させファイズフォンに変身コードを入力していた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


『Standyng by』


北崎「変身…」


『Complete』


アギト「そんな…」


夏海「う…嘘…」


卓「…」

353: 2014/06/15(日) 15:01:38.22 ID:w2uVT1xp0


啓太郎「たっくんのファイズギアを…」


蛍「北崎さんが装着して変身しちゃった!?」


夏海「えぇー!?正義のヒーローに悪役もなれちゃうわけ!?」


555(北崎)「まだこの玩具で遊んだ事は無くてね。さぁ、僕を楽しませてよ!」


アギト「くっ…!」


555に変身した北崎はそのままアギトに襲い掛かった。
どうなるアギト!?
(ナレーション:鈴木英一郎)

356: 2014/06/15(日) 18:47:47.50 ID:w2uVT1xp0


~スマートブレイン本社(地下非常通路)~


((ドルン!)) ((ドルルルルン!!))


小鞠「キャー!?ウギャー!?」

れんげ「こまちゃん!うるさいのん!」

小鞠「だ…だって!このバイク…こんな階段上がって行くんだも…キャー!?」

クウガ「ゴメンね!けどしっかり掴まってて!」

そしてクウガと行動を共にしていたれんげと小鞠はクウガの駆るマシンであるビートチェイサー2000に乗っていた。
その目的は乾巧の救出である!
だがそう簡単にはいくはずもなく、地下35mを上がるための非常階段をバイクで駆け上ぼっている最中であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

357: 2014/06/15(日) 18:48:22.46 ID:w2uVT1xp0
クウガ「ここに捕まった時にバイクも地下に運ばれていてよかった。これですぐに上に行けるはずだよ。」

小鞠「うぇぇ…でもバイクで階段駆け上がるのってスッゴイ恐いんだけど…しかも後部座席なら尚更だよ!?」

れんげ「クウガ!大変なん!追っ手が迫っているのん!」

そう、れんげの言う通りBTCS2000の後方から追っ手が迫りつつあった。
その追っ手とは…


モールオルフェノク「待てー!」


ムースオルフェノク「俺たちから逃げられるモノかー!」


先ほどの流星塾でれんげたちの前に立ちはだかったモールオルフェノクとムースオルフェノク!
二体のオルフェノクがジャイロアタッカーに乗ってクウガたちの後を追って来ていた!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

358: 2014/06/15(日) 18:49:03.32 ID:w2uVT1xp0
小鞠「どうしよう!?このままじゃ追いつかれちゃうかも…」

クウガ「それはちょっと困るなぁ…よし!ちょっと俺行ってくるから!」

小鞠「え?えぇっ!?」

クウガ「アクセルしっかり握ってて!絶対戻ってくるからね!」

れんげ「わかったのん!しっかり頼むんな!」

小鞠「ま、待って~!私たちを置いてかないでぇ!?」

クウガはBTCS2000の操縦をれんげたちに任せて自分はたった一人でオルフェノクたちの足止めに行った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

359: 2014/06/15(日) 18:52:08.18 ID:w2uVT1xp0


クウガ「ハッ!超変身!!」


クウガはBTCS2000から飛び降りるとドラゴンフォームへとフォームチェンジする。
ドラゴンフォームはスピード特化の戦士だ。
それに階段の横にある手すりを壊してそこからクウガドラゴンフォームの専用武器ドラゴンロッドを出現させる。
この力を使い追ってくる連中の前に行き、そして…
(ナレーション:鈴木英一郎)


クウガ(ドラゴン)「ハッ!」


モールオルフェノク「うおっ!?」


ムースオルフェノク「何っ!?」


((ガッシャーン!?))


追ってくるオルフェノクたちのジャイロアタッカーに必殺技のスプラッシュドラゴンを放つ。
これによりオルフェノクたちのバイクを破壊した!
(ナレーション:鈴木英一郎)

360: 2014/06/15(日) 18:52:51.52 ID:w2uVT1xp0


モールオルフェノク「お前よくも!」


クウガ「お願いです、俺たちを行かせてください!」


ムースオルフェノク「バカめ!行かせるものか!」


そう言うと二体のオルフェノクはクウガを目掛けて一斉に攻撃を仕掛けた!
(ナレーション:鈴木英一郎)


「「ガァァァァァ!!」」


クウガ「超変身!!」


しかしクウガも負けてはいない。
オルフェノクたちが攻撃を仕掛ける瞬間、生体装甲の厚いタイタンフォームへと超変身していた。
そしてドラゴンロッドをカラミティソードに変形させてオルフェノクたちに斬撃を放つ!


クウガ(タイタン)「おりゃぁぁぁ!」


((ドシュッ!))


「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


クウガ(タイタン)「峰打ちです、たぶん氏なないと思いますから…」


クウガはまるで申し訳ないように謝罪しながら階段から落ちていく先ほどの峰打ちで、
階段から落下していくオルフェノクたちを見届けた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

361: 2014/06/15(日) 18:53:40.24 ID:w2uVT1xp0


れんげ「ウチ、バイクを運転するの初めてなん!」


小鞠「うわぁぁぁぁん!クウガ早く戻ってきてー!?」


れんげ「大丈夫なんこまちゃん!もうじき地上なのん!」


一方、BTCS2000に乗っていたれんげと小鞠。
小鞠は半狂乱になりながらも、もうすぐ地下35mを脱出できると思ったまさにその時であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


バットオルフェノク「安心するのはまだ早いぞ!」


小鞠「キャー!また何か出てきた!?」


れんげ「コウモリのオルフェノクが現れたのん!」


バットオルフェノク「そうだ、俺はバットオルフェノク!
たまにこうしてお前たちのような脱獄者を待ち伏せて始末するのがこの俺の役目!
さあ、わかったら大人しくやられてしまえ!!」

小鞠「ひぃー!?殺されるぅぅぅぅぅ!!??」

地上への出口で待ち伏せていたのはバットオルフェノクであった。
バットオルフェノクはその特性を生かしBTCSに飛び乗りれんげたちに直接手を下そうとした!
(ナレーション:鈴木英一郎)

362: 2014/06/15(日) 18:55:35.97 ID:w2uVT1xp0


((ブォォォォン!!))


バットオルフェノク「ぐわっ!?」

小鞠「な…何!?」

れんげ「大っきなクワガタ虫が出てきたのん!」

そんなれんげと小鞠のピンチに現れたのは…
かつて古の部族リントがクウガの支援用に作ったとされる装甲機ゴウラムであった。
そのゴウラムの足には一人の男がいた、それは…


れんげ、小鞠「「クウガ!?」」


クウガ「うん!」


バットオルフェノク「おのれ…!お前たちを地下から出すわけには…」


クウガ「すいません!俺たちにはやる事があるんです!だから、行かせてください!!」


クウガは、超変身して感覚特化のペガサスフォームになった。
そしていつの間にか先ほどゴウラムがバットオルフェノクにタックルした際に落とした銃を持ちだしてその銃をペガサスボウガンへと変形させる。
(ナレーション:鈴木英一郎)

363: 2014/06/15(日) 18:56:03.92 ID:w2uVT1xp0


クウガ(ペガサス)「ハッ!」


バットオルフェノク「ぐふっ!?」


そしてクウガペガサスフォームは必殺のブラストペガサスを放った!
これにより封印エネルギーがバットオルフェノクの体内を駆け巡り苦しみ出した。
(ナレーション:鈴木英一郎)

クウガ「お待たせ!」

小鞠「遅いよクウガ!もう、恐かったんだからね!?」

クウガ「ゴメンよ、けどもう離れたりしないから安心して!」

れんげ「あいつは、氏んだのん?」

クウガ「加減してあるから氏にはしないはずだよ、けどもう時間が無い。早く行かなくちゃ!」

れんげたちが待つBTCS2000に飛び乗ったクウガは再び自らの手でバイクを走らせようとしたその時だった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

366: 2014/06/15(日) 20:09:04.79 ID:w2uVT1xp0



バットオルフェノク「「待てぇぇぇぇぇぇぇ!!」」



れんげ「バットオルフェノクなん!あいつまだ動けるのん!」


小鞠「そんな!あんな苦しそうだったのに何で動けるの!?」


バットオルフェノク「お前たちのようなオルフェノクに害を及ぼしそうな者を地上に出すわけに行くか!
俺の命に代えてもここからは出さんぞ!」


クウガ「わかりました、それなら…!」


己の命に代えても地上には出さないと言い放つバットオルフェノク。
その言葉を聞いたクウガはBTCS2000のアクセルを最大にしてバットオルフェノクに突っ込んで行った!
(ナレーション:鈴木英一郎)

367: 2014/06/15(日) 20:10:56.70 ID:w2uVT1xp0


クウガ「二人とも、BTCSにしっかり掴まってて!絶対に離しちゃダメだからね!」

小鞠「う、うん!わかった!」


れんげ「けどどうする気なん?」


クウガ「あの人の決意は固い。
説得しても無理、加減してどうにかなる相手でもない、こうなったら…本気で行く!!」


アクセルを最大にしたBTCS2000はバットオルフェノクの前で大ジャンプをする。
それと同時にクウガはバイクから飛び降りて空中で回転を行っていた、そして!


クウガ「「おりゃーーーーー!!」」


((バシィッ!!))


バットオルフェノク「ぐわぁぁぁぁぁ!?」


クウガの必殺技マイティーキックがバットオルフェノクに炸裂!
苦しむバットオルフェノクの胸には先ほどのマイティーキックの封印エネルギーの紋様が浮かび上がった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


バットオルフェノク「ま、まさか俺を倒すとは…だがまだだ!
俺を倒せてもそのゲートが決してお前たちを通しはしないぞぉぉぉぉぉ!!」


((ドーーーーーン!!))


断末魔の叫びを上げて爆散するバットオルフェノク!
しかしその叫び通りクウガたちの行く手の前に分厚いゲートがそびえ立っていた。
多少の攻撃ではビクともし無さそうなこのゲートをどう打ち破るのか?
(ナレーション:鈴木英一郎)

368: 2014/06/15(日) 20:11:48.08 ID:w2uVT1xp0
れんげ「一難去ってまた一難なのん!」

小鞠「これどうしたらいいの!?」

クウガ「大丈夫、ゴウラム!」

ゴウラムはその身体を変形・分離させるとBTCS2000と合体してビートゴウラムになった。
そしてビートゴウラムはそのままゲートに突っ込み…
(ナレーション:鈴木英一郎)



((ドッガァァァァァン!!))



れんげ「スゴイのん!バイクであのゲートを破ったのん!」

小鞠「やったねクウガ!………あれ?クウガ?」

クウガ「…」

見事にバットオルフェノクを倒し、それにゲートを破り地上へ出たクウガ、れんげ、小鞠の三人。
だがせっかくの勝利だというのにクウガの顔はまるで罪悪感に満ちているようでもあった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

369: 2014/06/15(日) 20:12:51.39 ID:w2uVT1xp0


クウガ「やっぱり、嫌だな。こういうの…」


れんげ、小鞠「「?」」


五代雄介の暴力を嫌う生来の性格がこの勝利を純粋には喜べずにいた。
だが今は嘆く暇は無い、三人は急いで屋上に搬送される巧の下へと急いだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

380: 2014/06/18(水) 22:37:45.61 ID:NBHlAcTT0


~スマートブレイン本社内部~


555(北崎)「♪」


アギト「クッ…!」


れんげたちが地下の流星塾から脱出に成功した頃、アギトと行動を共にしていた蛍たちはピンチに追い込まれていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

夏海「つえ~!あの北崎ってのが変身した555メッチャ強いわ!どうなってんの?」

蛍「北崎さんはTV版じゃ終盤まで強キャラでしたからね、そんな彼が555になって戦えば強いのは当たり前ですよ…」

啓太郎「そんな感心してる場合じゃないよ!なんとかしないとアギトが危ないよ!?」

啓太郎の言う通りアギトは北崎の変身した555によってピンチに追い込まれていた。
しかしアギトも負けてはいない!
迫りくる555を前にベルトの右側のスイッチを押してストームフォームへとフォームチェンジする!


アギト(ストームF)「ハッ!」


555(北崎)「キミも中々やるね。けど、僕の方が強いんだよ。」


555(北崎)はファイズショットを取り出しグランインパクトを叩き込もうとする。
しかしアギトもアギト(ストームF)の専用武器であるストームハルバードを取り出し応戦する!
(ナレーション:鈴木英一郎)

381: 2014/06/18(水) 22:38:20.03 ID:NBHlAcTT0


((バシッ!))


アギト(ストームF)「互角か!」


555(北崎)「なら次はこれだね。」


両者の技は互角で555(北崎)はオートバジンの左ハンドルであるファイズエッジを引き抜きフォトンブラッドの刀身を出した!
(ナレーション:鈴木英一郎)


『Ready』


蛍「オートバジンに搭載されているファイズエッジを引き抜いちゃいました!」


夏海「コラー!オートバジン!お前なんで悪い555に武器与えちゃうんだよ!?」


オートバジン『…』


卓「」セメナイデヤッテ


アギト(ストームF)「そっちが剣ならこっちだって、フンッ!」


アギトはベルトの右側のスイッチを押す。
するとアギトの右肩が赤くなりアギトフレイムフォームが発動した!
そしてベルトから炎の力が宿るフレイムソードが飛び出しアギトも剣を使い戦いだした!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

382: 2014/06/18(水) 22:39:19.04 ID:NBHlAcTT0


アギト(フレイムF)「ハッ!」


555(北崎)「♪」


((ガキィンッ!!))


夏海「スッゲー!お互い剣でぶつかり合うたびに火花散ってるよ!」


蛍「それにスペックなら一応アギトの方が555より勝っているしこれならなんとかなるかもしれませんね!」


戦況は優勢という訳ではないが北崎一人なら何とかなるかもしれない。
そう思っていた矢先…
(ナレーション:鈴木英一郎)

383: 2014/06/18(水) 22:40:02.75 ID:NBHlAcTT0


「「ハッ!!」」


アギト(フレイムF)「うわっ!?」


啓太郎「アギトが吹っ飛ばされた!?」


夏海「何が起きたん!?」


蛍「あ、あれは!!」


突如攻撃を受けたアギト。
そこに現れたのは北崎の応援に駆け付けたラッキークローバーのメンバーが変身したカイザとデルタであった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


カイザ(冴子)「北崎くん、応援に来たわよ。」


555(北崎)「別に僕一人でも大丈夫なんだけどなぁ。」


カイザ(冴子)「この戦いは絶対に負けられない戦いよ。今は個人の主張は自重しなさい!」


デルタ(??)「…」


この人類とオルフェノクの命運を分ける戦いでも子供っぽい無邪気さを忘れない北崎。
そんな北崎を戒める冴子、さすがに北崎もそんな冴子の言葉を聞き入れたのか…
今度は555、カイザ、デルタの三人の戦士たちがアギトに対して一斉に襲い掛かってきた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

384: 2014/06/18(水) 22:40:36.43 ID:NBHlAcTT0


555(北崎)「♪」


カイザ(冴子)「ハッ!」


デルタ(??)「ヌゥッ!」


アギト(フレイムF)「くっ…この!」


この555、カイザ、デルタ、のベルトは王を守るためのベルトである。
それが開発者であるスマートブレイン社の花形社長の手により流星塾生たちの手元に届けられてしまい…
王やオルフェノクを倒すために使われる事になった。
しかし幾多の使い手に巡り合いこうしてラッキークローバーの面々の手に渡り本来の役割を担う事となった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


夏海「うわわ、ライダーが三人掛かりって卑怯じゃん!どうにかしないと…」


蛍「こういう時は強化フォームになるべきなんですけど…アギトの強化フォームといえば…」

385: 2014/06/18(水) 22:41:57.19 ID:NBHlAcTT0


アギト「こうなったら…ムンッ!」


アギトはベルトの左右のスイッチを同時に押した。
すると胸はグランドフォーム、それに右肩がフレイムフォーム、左肩がストームフォーム、
三つの力を同時に引き出せるトリニティフォームへとフォームチェンジを行った!
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギト「ハッ!」


蛍「あれはアギトトリニティフォーム!
三種類のフォーム全ての能力を兼ね備えていて劇中では26話と27話で使用されたんですよ!!」


夏海「二度…?なんかそれ出番少なくない?」


蛍「まあトリニティフォーム自体は特別なモノですから。
当時記憶喪失だった翔一さんが一時的に記憶を取り戻したから使えただけで、
それに元々玩具で再現可能というだけの形態でしたし…」


アギト(トリニティ)「ハッ!フンッ!」


((ガキッ!)) ((バシッ!))


アギトはストームハルバードとフレイムソードの二つの武器を手にして555、カイザ、デルタの三人の戦士を相手に互角に渡り合っていた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

386: 2014/06/18(水) 22:43:09.98 ID:NBHlAcTT0


555(北崎)「へぇ、僕たち三人を相手に互角に戦うなんて大したものだね。」


カイザ(冴子)「感心しないで!こうなったら一気に行くわよ!」


そして三人の戦士たちはそれぞれのポインターを装備、キックの態勢に入った!
(ナレーション:鈴木英一郎)


『Exeed charge』


三人のフォトンブラッドのエネルギーが集中されアギトに放たれる!
だがアギトも負けるわけにはいかない。
アギトも頭のクロスホーンを展開、力を高めて必殺のライダーキックを放つ!!



「「「「ハァーーーーーーーッ!!!!」」」」



激突するそれぞれのライダーキック!
アギトのライダーシュートに対して555のクリムゾンスマッシュ、カイザのゴルドスマッシュ、
さらにデルタのルシファーズハンマーがぶつかり合った!
三対一の不利な戦いにも関わらず両者の必殺技はほぼ互角であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

387: 2014/06/18(水) 22:45:41.40 ID:NBHlAcTT0


555(北崎)「やるね、随分と楽しませてくれたけど…そろそろ終わりにしようか。」


アギト「ハァ…ハァ…」


蛍「あぁ…やっぱりアギトの方が負担が激しいですよ!」


夏海「三対一だかんね、こっちにも助っ人がいてくれたらいいのに…」


さすがのアギトもオルフェノクの最高位であるラッキークローバー三人、
しかも全員がライダーズギアを装備しているとなると負担が激しく体力はピークに達していた。
だが、その時であった!


「「ハッ!」」


4人の戦士たちが戦っている最中に二体のオルフェノクが現れた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

388: 2014/06/18(水) 22:46:38.30 ID:NBHlAcTT0


センチピードオルフェノク「…」


クロコダイルオルフェノク「…」


啓太郎「Jさんに琢磨さんだ!」


夏海「やったー!アギトの助っ人に来てくれたんだな!さあ、やっちゃってよ!!」


センチピードオルフェノク「…」


クロコダイルオルフェノク「…」


蛍「な、何か様子がおかしくありませんか?」


蛍の指摘する通り二体のオルフェノクは現れてからというものの無言のまま立ち尽くしていた。
しかし次の瞬間!
(ナレーション:鈴木英一郎)

389: 2014/06/18(水) 22:52:35.16 ID:NBHlAcTT0


センチピードオルフェノク「ハッ!」


クロコダイルオルフェノク「ヌンッ!」


アギト「う、うわぁぁぁぁ!?」


なんと人間の味方であったはずの二体のオルフェノクたちは突如アギトに襲い掛かった!
これは一体どういう事なのか!?
(ナレーション:鈴木英一郎)


アギト「そ、そんな…」


啓太郎「Jさん!琢磨さん!一体なんで!?」


センチピードオルフェノク「何故ですって?命が惜しいからですよ!それ以外に何があるというんですか!?
あなたたちは我々に好意的ですが所詮は人間だ、いつ裏切るかわからない!
それに…もしこの戦いで人類が勝てたとして私たちに生きる場所はあるんですか!?
いいや、絶対にあるはずがない!!散々迫害されて…そして最期は…灰と化して氏ぬ…
そんな惨めな氏に様を晒すくらいなら…もうオルフェノクとして生きていくしかないじゃないか!!」


クロコダイルオルフェノク「ウオオオオ!!」


アギト「なっ!二人ともやめてください!?」


センチピードオルフェノク「ならばあなたもこちら側に来ればいい!
あなたも我々と同様に人間を超越した者、スマートブレインはきっと喜んで迎え入れてくれるはずですよ!!」


カイザ(冴子)「ラッキークローバーの葉が二つも増えるだなんて…」


555(北崎)「出戻りとはいえウチも大所帯になったものだね。」


デルタ(??)「…」


390: 2014/06/18(水) 22:54:36.20 ID:NBHlAcTT0
どうやら二人は先ほど冴子に言い包められた様で再び敵として立ちはだかる事となった。
こうしてラッキークローバーに再び加わったクロコダイルオロフェノクにセンチピードオルフェノク。
さすがに五対一はアギトにとって明らかに不利であった…


「「ハッ!」」 「「タァッ!」」


アギト「ぐふっ…がはっ!?」


数の多さに次第に劣勢へと追い込まれるアギト、そんなアギトに対してさらに追い打ちが続く。
それは駆けつけたライオトルーパーたちからの報告であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)


ライオトルーパー(F)「報告します、別働隊の準備は既に完了しました!
あとは命令をくださればいつでも開始できます!」


カイザ(冴子)「そう、ありがとう。」


デルタ(??)「…」


ライオトルーパー(G)「それと555の追加装備です、技術部が新たに開発したファイズサウンダーという物らしいのですが…」


555(北崎)「いいよこんなの、要らないからその辺に捨てといて…」

391: 2014/06/18(水) 22:56:32.11 ID:NBHlAcTT0


蛍「別働隊って一体何の話をしているんですか!?」


カイザ(冴子)「あら、あなたたちも知っているはずでしょう?
私たちオルフェノクの目的は人間を襲い仲間を増やす事にあるわ。
今日、全ての人間をオルフェノクにするためにはある人間が必要なの…つ・ま・り・…」


夏海「え~と…どういう事?おばちゃんケチケチしないで教えてよ~!」


カイザ(冴子)「お…おば…」


啓太郎「それって…まさか…!」


蛍「あなたたちの本当の目的は真理さんなんですか!?」


カイザ(冴子)「そっちの髪の長い子は理解が早くて助かるわ。
そう、私たちは派手に囮を演じただけ。この戦いの真の目的は園田真理の奪取にあるの。
園田真理を王の下に献上させて彼女を通じて全人類をオルフェノク化させる。
そうすれば…この世界は争いの無い平和なオルフェノクたちだけの楽園となるわ!!」


夏海「ら…楽園…?」


蛍「つまり…まさにパラダイス・ロスト…あの映画のタイトルそのものですね!」


この壮絶な戦い自体が既に計画の内であった。
スマートブレインは人類側にライオトルーパーやラッキークローバーの面々を戦わせる一方で、
実は密かに別働隊を園田真理の身を確保させるために仕向けていた!

一方その頃…

(ナレーション:鈴木英一郎)

397: 2014/06/20(金) 18:59:30.24 ID:N6LBL6qj0


~レストラン???~


ここは沢木哲也こと津上翔一が営むレストラン。
その部屋の奥では深い眠りにつく園田真理の看病をしながら野村博士がある新作の発明品を開発している最中であった。
(ナレーション:鈴木英一郎)

野村「出来たー!これぞワシの新作『変身913発』じゃー!!
これさえ飲めば以前作った『変身1発』みたくベルトが砂になって消滅する事は無いはずじゃ!!
じゃが…」


「「………」」


チャコ「ワンワン!」

野村「せっかく作ったというのに誰も試す者がおらん、犬しかおらんわい…
それに使うにしても肝心のベルトもないしのう…ハァ…無駄じゃったかなぁ…」

思わずため息をして落ち込む野村博士、だがしかしそこへ思わぬ輩が現れた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

398: 2014/06/20(金) 19:05:44.49 ID:N6LBL6qj0


((ガサッ)) ((ガサッ))


野村「な…何だお前らは!?ここをどこだと思ってる!?」


いきなり店内に現れる重装備の男たち、博士はその男たちの中に一人だけ顔見知りな男を見つけた!
(ナレーション:鈴木英一郎)


水原「よぅ、久しぶりだな博士!」


野村「お、お前は水原!氏んだはずじゃなかったのか!?」


水原「生憎、オルフェノクになって甦っちまったんだよ。
ところで久しぶりに会った早々だが命令を受けてな、そこに眠っている園田真理を連れて行くぜ!」


野村「バカな!そんな事許さんぞ!?」


水原「黙れ!!」


((オォォォォ!))


オリーブオルフェノク「ガアアア!」

野村「おわぁぁぁ!?」

水原はオリーブオルフェノクに変化すると野村を吹っ飛ばすとそのまま眠り続けている真理をさらっていこうとした。
なんと水原たちこそが先ほど冴子が言っていた別働隊であった!
(ナレーション:鈴木英一郎)

399: 2014/06/20(金) 19:06:44.91 ID:N6LBL6qj0


チャコ「ワンワン!」


オリーブオルフェノク「あ゛ん?何だこいつは?」


野村「おお!犬が吠え立てておるわい!
よし、犬よ!この変身913発を持って真理ちゃんを守るんじゃぞ!!」


チャコ「ワンワン!」


オリーブオルフェノク「チッ、こいつ園田真理から全然離れやしねえ!こうなったら仕方ねえ、こいつも一緒に連れてくか。」


こうして水原によって園田真理は連れ去られてしまう。だが水原の本当の目的は別にあった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


隊員(A)「よし、園田真理を奪取した。」


隊員(B)「あとは園田真理を本社ビルに連れて行くだけか。うん…何だ?」

400: 2014/06/20(金) 19:07:13.64 ID:N6LBL6qj0



「「うぎゃぁぁぁぁぁ!?」」



彼らが園田真理を連れ帰る事は無かった。
帰還する途中で彼らは水原の裏切りにあって全員殺害されてしまった…


水原「馬鹿なオルフェノクたちめ!俺はお前たちを利用していたにすぎないんだよ!
これでこの女は手に入った、後は…ククク!ハハハハハ!!」


水原の本当の目的とは一体…?
(ナレーション:鈴木英一郎)

401: 2014/06/20(金) 19:10:34.11 ID:N6LBL6qj0


~警視庁跡地~


オペレーター(A)「G5ユニット、第2、第4小隊壊滅!」


オペレーター(B)「V1システムの北条主任は第1、第5小隊の生き残りを編成して前線の指揮に当っています!」


オペレーター(C)「現場の指揮に当っている一条警部補からの連絡です。
ラッキークローバーは戦場を離れて本社の方に向かっていると!
一条主任は数名ほど連れてラッキークローバーの後を追うために現場の指揮を北条主任に一任しました!」


オペレーター(D)「G3-Xはギルスと交戦中!現在こちらとの通信は不能!」


ここ警視庁跡地の地下にある作戦司令室では、一連の戦況を作戦指揮に当っている南長官に全て報告されていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)

402: 2014/06/20(金) 19:11:30.56 ID:N6LBL6qj0


小沢「まったく、戦場は混乱していますね。このままじゃ氷川くんたちが…」


さすがの小沢も今回ばかりは思わず弱音を漏らしてしまう、だが南は…


南「なるほど、今こそ絶好の機会かもしれませんね。」


小沢「え?長官…何を…?」


南「これより我々人類の最後の切り札を戦場に投入します!」


そして南の命令が下り戦場に一台のヘリコプターが現れる。
そこから一人の黒い重圧な装甲を身に付けた戦士がヘリから飛び降りた!
(ナレーション:鈴木英一郎)

403: 2014/06/20(金) 19:13:02.94 ID:N6LBL6qj0


~戦場~


((ズシャァァァァァン!!))


??「…」


ライオトルーパー(H)「な…なんだあれは?」


ライオトルーパー(I)「構わん!人類は全て敵だ!排除しろ!」


((ダンッ!ダンッ!ダンッ!))


突如出現したその者に対して一斉射撃を行うライオトルーパーたち!
だが…


ライオトルーパー(H)「やったか…?」


ライオトルーパー(I)「いや…まだだ!その前に待て!あ、あれは…」


??「…」



「 「 「ギャァァァァァァァ!!」 」 」



戦場に響き渡るライオトルーパーたちの悲鳴!この戦場に一体何者が出現したというのか!?
(ナレーション:鈴木英一郎)

404: 2014/06/20(金) 19:16:09.70 ID:N6LBL6qj0


~警視庁跡地~


場面は変わり再び警視庁跡地の地下の作戦司令室、小沢は南長官を問い詰めていた。
(ナレーション:鈴木英一郎)


小沢「南長官!あなたは一体『何』を!いえ、『誰』を投入したのですか!?」


南「『誰』…?その言葉は不適切ですよ小沢管理官。そもそもアレは人ではありませんからねぇ。」


小沢「あなた一体何を…?」


オペレーター(A)「出ました!現場の映像です!」


そして司令室のモニターに戦場の光景が映し出されていた。
そこに映し出された映像は…


「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


「「キャァァァァ!?」」


思わずこの司令室内部に悲鳴が響いた。
何故ならそこには人類に敵対するオルフェノクといえどあまりにも残忍な光景が映されていた。
ライオトルーパーたちはその者に挑もうとするが誰もが敵わず、ある者は身体を踏み潰され、そしてある者は頭を砕かれ…
その後、ライオトルーパーの砕かれた装甲には肉片ではなく灰が詰まった屍が無数に転がっていた…
そして小沢はオルフェノクたちに殺戮を行う者の姿を見て驚愕する、それはかつて自分が作った兵器であったからだ!
(ナレーション:鈴木英一郎)

405: 2014/06/20(金) 19:22:09.28 ID:N6LBL6qj0


小沢「あの兵器は凍結されたはずじゃ…!?」


南「申し訳ない、あなたにとっては事後報告になってしまったが…
あの兵器は私が極秘に回収していてね、オルフェノクたちを全滅させるためにはどうしても稼働させたかったのですよ。」


小沢「あなた…!自分のした事が分かっているの!?
あの兵器は…装着者である人間を氏なせる危険な代物よ!すぐに解除させなさい!」


南「ご心配なく、そもそもアレの装着者は人間ではないので。」


小沢「なんですって!?」


装着者は人間ではない、その南の発言に驚きを隠せない小沢。
そして画面に映し出される黒い戦士、その左肩にはG4の文字が…
これこそかつて自衛隊がG3ユニットから盗み出したデータを盗用し作り出した禁断の兵器であるG4システムであった!
(ナレーション:鈴木英一郎)


オペレーター(A)「南長官。確認できるライオトルーパー、及びオルフェノクは既に確認できません。
現場の北條主任からは全滅したという報告が…」


南「うむ、ではG4及びG5ユニットに新たな指令を伝えます!
これより全員スマートブレイン本社に乗り込み全てのオルフェノクたちを全滅させるのです!!」


そして新たな指令を受けたG4システムは戦場にいたライオトルーパーたちを一掃するとスマートブレイン本社へと向かった!!
(ナレーション:鈴木英一郎)

406: 2014/06/20(金) 19:26:18.20 ID:N6LBL6qj0
とりあえずここまで
やばいのん、ドンドン物語が膨らんでいくん
これちゃんと物語の風呂敷畳めるのか不安になってきたのん…


409: 2014/06/20(金) 22:53:25.99 ID:ga8fwyG6O
お疲れ様。
三原はHERO SAGAで描かれたパラロス前史の中で、草加の策略により氏んでしまったからな。
儂はデルタの中身はGふぉ…ゲフンゲフン
おっといかんいかん。

411: 2014/06/21(土) 00:24:25.22 ID:ntmaBOK6o

一体何が起こっているというんだ……!

413: 2014/06/21(土) 13:31:38.99 ID:huEANOI4O
そういえば龍騎の編集長も出てきてたよな映画に

いまさらだけど昭和慣れしてるれんちょん達にとって555は一番刺激が強すぎるんじゃないかな…

すげー面白いけどなっつんのリアクション見てると軽いカルチャーショック受けてるなと思って

仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト(予告編)
http://www.youtube.com/watch?v=H3X_fuXuguk

引用元: れんげ「新作の仮面ライダーの映画を観るのん!」蛍「パラダイス・ロスト!?」