104: 2008/06/03(火) 13:44:38.64 ID:sh6qFOhdO
みくる「私、知ってるんですよ?」
キョン「な、なにを?」
みくる「とぼけないでください…長門さんと付き合ってるんですよね?」
あの、優しい先輩だった朝比奈さんは…まるで氷のように冷たい視線をぶつけてきた

キョン「何言って…」
みくる「最低です…キョン君も、長門さんも」
キョン「………」
俺は…何も言えなかった

みくる「この前、仲良さそうに歩いてましたよね?人前で腕まで組んじゃって…」
キョン「あれは…」
みくる「とってもお似合いでしたよ」
キョン「違う、俺は!」
みくる「だからもう、凉宮さんには近付かないでください」
俺の全てを否定するような…そんな口調だった

キョン「くっ!俺は…」

涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)

111: 2008/06/03(火) 13:53:30.79 ID:sh6qFOhdO
朝倉「あら?どうしました?」
キョン「あ…いえ、何でも…」
朝倉「何か…あったんですか?」
キョン「俺が…悪いんです…全部」
朝倉「よかったら、話してもらえませんか?誰かに話せば少しは…」
キョン「いえ、これは俺の問題なんで…それじゃ…」
朝倉さんの目を見ることすらできなかった
ハルヒが事故にあったのは俺のせいで…俺があの日、時間通りに駅前に行っていれば…

朝倉「………」



キョン「ただいま…」
体が重い…人の精神ってやつは、体にまで影響するんだな…
長門「おかえり…夕食の用意も入浴の用意もしてある」
キョン「あぁ…ありがとな…」
食欲がない、体が重い、何もしたくない
俺が、あの日約束を破らなければ…こんな思いはしないで済んだのにな……

長門「……」


117: 2008/06/03(火) 14:08:49.86 ID:sh6qFOhdO
キョン「おはようございます…」
バイトには出なきゃな…生活のためにも
鶴屋「おうおう、な~にシケた顔してんだい!ここはファミレスだよ!?」
キョン「はぁ…すいません…」
古泉「酷い顔してますよ…とても接客ができるとは思えないくらい…ね」

自分では気付かなかったが…そんなに酷い顔をしてるんだろうか
確かに、昨日は眠れなかったが…

キョン「いや、大丈夫…大丈夫だから…」
古泉・鶴屋「「………」」

カラン

キョン「いらっしゃいませ~って長門?」
長門「少し時間が有ったから…寄ってみた」
キョン「なんだよ…なんか用か?」
少し、突き放したような口調になってしまった…ただの八つ当たりにすぎないな…
長門「…これを」スッ
キョン「あぁ、テイクアウトか…980円だ」
長門「はい」
キョン「980円ちょうど…領収書は?」
長門「不要…」スッ
キョン「……?」
長門「体力の消耗が激しいようだから…あなたが食べて…それじゃ」
カラン

キョン「おい、長門…ったく…」
どうやら、長門は俺の心配をしてくれていたようだ

121: 2008/06/03(火) 14:25:52.52 ID:sh6qFOhdO
プルルルル プルルルル!
ん…電話…か? 誰だよこんな深夜に…
ガチャ

キョン「はい…」
朝倉「あ、あの…凉宮さんが…」
一瞬で、目が覚めた…ハルヒに何かあったのか!?
キョン「ハルヒがどうした!?まさか…」

朝倉「凉宮さんが………目を覚ましました…」


ガチャン! バタバタ…ガチャ!
長門「ん…どこへ?」
キョン「ハルヒが…目を覚ました…」
長門「……そう」
キョン「ちょっと病院に…」
長門「この時間は、電車が運行していない、明日の始発に」
キョン「走ってでも何でも行くんだ!!…行かなきゃ…ならないんだ…」
長門「………」
キョン「行ってくる」
キィ バタン

長門「凉宮…ハルヒ」

123: 2008/06/03(火) 14:28:34.59 ID:sh6qFOhdO
キョン「これ、タクシー代!」バタン!
俺はタクシーに乗って、病院までやって来た
もう、頭の中がゴチャゴチャで何がなんだかわからない…

ハルヒが起きたことは嬉しい。それは事実だ
だけど…今の俺や長門、朝比奈さんを見て
ハルヒはどう思うだろうか…

キョン「あ、あの!ハルヒは!?」
朝倉「こちらです…」
カツ カツ カツ

リノリウムの床を、一歩ずつ進む…
朝倉「今は少し落ち着いて、眠っているのでお静かに…」
キョン「落ち着いている?」
朝倉「……どうぞ」
キィ

キョン「あ……」
そこに、ハルヒがいた
記憶よりも長く伸びた髪、規則的な呼吸、少しやつれた顔…

唐突に、あの頃の思い出が襲ってきた


126: 2008/06/03(火) 14:42:53.73 ID:sh6qFOhdO
皆でバカ騒ぎしてたこと、毎日ハルヒがはしゃいで…俺が振り回されてたこと
学園祭でバニー姿で歌ってたこと、初めて会った時のこと……

色んな思い出があって…その中には必ず、ハルヒがいた

キョン「ハル…ヒ…」
思わず、声に出てしまった…そうか、俺はこんなにも…

みくる「…少し、いいですか?」
朝比奈さんの台詞に、俺は現実に帰ってきた
キョン「あ、あぁ…はい…」

127: 2008/06/03(火) 14:44:10.19 ID:sh6qFOhdO

みくる「…凉宮さんは……」
キョン「もう、目が覚めたんだろ?だったら…」

みくる「凉宮さんの記憶は、あの時のままです」

キョン「……え?」
みくる「目が覚めた時、言ってました…『今日はまだ夏休みよね』って」
キョン「えっと…それは…」
みくる「凉宮さんは今日がまだ、高校生だった頃の夏休みだと思っています」
キョン「そんな…バカなこと…」
みくる「私、あの頃とは少し違いますよね?顔も、髪型も…」
確かに朝比奈さんは少し大人になったし、化粧もしてる…でも
みくる「凉宮さんは私を見て…『みくるちゃん、何でメイド服じゃないの?』って…凉宮さんには私が変わっているのが認識できないんです」
キョン「そんなバカな!」
みくる「事実です」
じゃあ…じゃあ何か?ハルヒはまだ俺達が高校生で、まだSOS団でバカ騒ぎをしてるって…そう思っているのか?

128: 2008/06/03(火) 14:55:28.21 ID:sh6qFOhdO
みくる「医師が言うには、記憶の混濁だろう…と」
キョン「それは、治るんだろ?」
みくる「わからないそうです」
キョン「そんな…」
みくる「ショックを与えないためにも、キョン君や長門さんや古泉くんは…あの頃のままのフリをしてください」
キョン「な、なんだよそれ…」
みくる「私だって嫌です、キョン君みたいな人と仲が良いフリをしなきゃならないなんて」

グサッとくる台詞だった…でも、俺はそう言われても仕方ないのかも知れない
キョン「わかった…このことは」
みくる「古泉くんには私から言っておきます、キョン君は長門さんに」
キョン「あぁ…」
みくる「とりあえず、明日の午後…また来てください」
キョン「わかった…」
みくる「嫌なら、二度と来なくてもいいですから」
キョン「っ!!」
バタン


変わった…な…何もかも…俺も、長門も、朝比奈さんも古泉も
だけど、ハルヒだけはあの頃のまま…くそっ!何でこんなことに…

131: 2008/06/03(火) 15:07:46.90 ID:sh6qFOhdO
コンコン ガチャ
キョン「よう」
ハルヒ「………」
ハルヒは、ぼーっと窓の外を見ていた
その横顔は…あの頃、教室でつまらなそうに窓の外を見ていたハルヒと同じで
俺は少し、泣きそうになってしまった

みくる「あ、キョン君」
朝比奈さんは笑顔で、何故かメイド服を着ていた
その光景は…この病室がまるで、SOS団の部室であるかに見えた…

みくる「今、お茶いれますね」
ハルヒ「………あ」
キョン「よう、ハルヒ」
ハルヒは焦点の合わない瞳で、ゆっくりとこちらを向いた

ハルヒ「キョン…?」
キョン「あぁ、お前が入院したって聞いて…見舞いに来てやったぞ」
ハルヒ「私…入院してるの?……」
そして、また窓の外を見つめはじめた
キョン「……?」
ハルヒ「………」

ハルヒ「…あれ?キョン?」キョン「あ、ああ…大丈夫か?」
ハルヒ「…なにが?」
キョン「なにがって…」
何かおかしい…俺はさっきからいたのに
みくる「あ、お茶っ葉が…ちょっとキョン君と一緒にお茶っ葉買いに行ってきますね?」
ハルヒ「…うん、わかった」

137: 2008/06/03(火) 15:20:00.11 ID:sh6qFOhdO
みくる「凉宮さんはまだ、記憶の混濁が激しくて…少し前にあったことも忘れてしまう時があります」
キョン「そうか…」
みくる「だから、できるだけ凉宮さんに話を合わせてください」
キョン「わかった」
みくる「今日はもう、帰ってください」
キョン「え?でも…」
みくる「一度に起きていられる時間は短いんです…あと数分も経てば、凉宮さんはまた眠ってしまうでしょうし…」

みくる「何より、私が耐えられません」

キョン「!!」
みくる「いくら凉宮さんのためとはいえ、キョン君と仲良しごっこなんて…本当は一分一秒でも嫌なんですよ」

キョン「わかった……」
みくる「できれば、二度と来ないでください…でも」
キョン「…?」
みくる「もし、凉宮さんのために何かしたいとか、償いたいって気持ちがあるなら…明日来てください」
キョン「わかった…絶対に来るよ…」
みくる「用はそれだけです…とっとと帰ってください」
キョン「………」


140: 2008/06/03(火) 15:34:06.12 ID:sh6qFOhdO
朝比奈さん…変わったな…前はあんな態度…
いや、変わったのは皆一緒か…もう、あの頃には戻れないんだ…

キョン「ただいま…」
長門「…病院?」
キョン「…ああ」
顔には出さないが、長門は非常に不機嫌なようだ

長門「夕食はつくってある」
キョン「ありがとな…長門」
長門「………」
キョン「長門?」

長門「凉宮ハルヒの状態の回復に伴い、総合情報思念体との再接続が可能」
キョン「え?」
長門「私の記憶及び状態を以前の状態へ置換することが可能」
キョン「それはつまり…長門はあの頃に戻れるってことか?」
長門「ただし、過去と現在の情報の非可逆性により、現在までの記憶は消去される」
キョン「おいおい…」
長門「命令を…」

長門を昔の、ちょっと人間らしい機械に戻す?
代わりに今までの記憶を消去?
冗談じゃない…俺は長門に救われたし、長門だって同じだろう

キョン「その命令は却下だ」
長門「了解、プログラム停止」

長門も変わったけど、変わったままでいいじゃないか…人間らしい長門のままで

145: 2008/06/03(火) 15:47:19.19 ID:sh6qFOhdO
コンコン
キョン「よう」
ハルヒ「キョン!遅い!罰金!」
キョン「何故俺がお前に罰金を払わなきゃならんのだ」
ハルヒ「遅かったから」

しばらく病院に通う内に、ハルヒはだんだんと元気になっていった
記憶は混濁したままだが

みくる「あ、お茶いれますね…」
ハルヒ「みくるちゃん、私も」
みくる「はい」

キョン「大分元気になったな、もうじき退院か?」
ハルヒ「なんか、検査入院だか何だかで、なっかなか退院させてくれないのよね…きっとヤブ医者よ」
キョン「ヤブ医者ってことは無いだろ」
ハルヒ「ね、そういえば有希は?」
キョン「え?」

顔に出ていただろうか?
ハルヒが不思議そうにこっちを見てる…何か答えないと…

みくる「今日はパソコン部の方で何かあるって言ってましたよ」
ハルヒ「ふ~ん、しっかし退屈ね~何か足に悪いから歩くなって言われるし…せめてネットくらいあればいいのに」

ハルヒには記憶の混濁のために厳しい情報規制がされている
ネットはおろか、週刊誌、漫画、新聞…全部当時のものだ


147: 2008/06/03(火) 15:58:11.42 ID:sh6qFOhdO
みくる「はい、よければ私が何か買ってきますか?」
ハルヒ「そうね、何か適当に面白そうなのがいいわ」
みくる「えっと…凉宮さんが気に入ってくれるかどうかわかりませんけど…ちょっと行ってきます」


キョン「………」
ハルヒ「………ねぇ」
キョン「ん?」
ハルヒ「本当に検査入院なの?」
キョン「ど、どうした急に」
ハルヒ「なんかおかしいのよね…頭打ったって割には全然痛くないし、痕だってない」
キョン「打ちどころが悪かっただけだ」
ハルヒ「それに、何で頭の怪我ごときで足に悪いから歩くなって言われるのかしら」
キョン「バランスがとれないからだろ、いいからおとなしくしてろ」
ハルヒ「やっば、外に出たいし…多分大丈夫よね」
キョン「おい馬鹿!無理するな!」
ハルヒ「大丈夫よこのくら…きゃっ!」ガシャ!
キョン「あぶねっ!」
ガシッ

キョン「ハ、ハルヒ?」
ハルヒ「……ん」
狭い病室で、抱き合ったまま…ハルヒは目を閉じた
俺は

→キスをする
 キスをしない

158: 2008/06/03(火) 16:06:45.52 ID:sh6qFOhdO
>>149

キョン「ほら、ベッドに戻れよ…朝比奈さんが帰ってくるから」
ハルヒ「なんで?なんでみくるちゃんが出てくるの?」
キョン「誰かに見られたら…」
ハルヒ「キョンは…キョンは私のこと好き?」
キョン「は?なんだいきなり…」
ハルヒ「………なんでもない、もう寝るから帰って」
キョン「…あぁ」
バタン

ハルヒ「いくじなし…」


キョン「ふぅ…」
さっき、ハルヒにキスしようとした時…
ふと、長門の顔が浮かんだ
そうしたら、何故か…できなかった
ひどい罪悪感に襲われて…いや、ただの言い訳だな、こんなの
俺は長門が好きだし、それを裏切るような真似は…でも、ハルヒはあの頃のままで

くそっ!どうしろっていうんだよ…ハルヒは…長門は…


162: 2008/06/03(火) 16:13:56.82 ID:sh6qFOhdO

ハルヒ「……ん」
キョン「……ん…」

ハルヒ「…ぷはぁ…」
キョン「………」
ハルヒ「キス…しちゃった…」
キョン「あぁ…」
ハルヒ「これで、あんたは責任を取らざるを得ない立場になったわ」
キョン「は?」
ハルヒ「私のファーストキスの価値は、全宇宙より重いわよ」
キョン「何言ってんだ…いいから戻れよ」
ハルヒ「んふふ~♪」
キョン「………」

ガチャ
みくる「戻りました~、あれ?何だか凉宮さんご機嫌ですね?」
ハルヒ「べっつに~♪」
キョン「あ、俺帰るわ…」
ハルヒ「明日も来なさいよね、団長命令よ!」
キョン「…あぁ」
バタン

俺は…くそっ!何であんなこと…でも、ハルヒはあの頃のままで…いや、長門はどうする…
ボロボロになった俺を救ってくれた長門は…

172: 2008/06/03(火) 16:25:07.04 ID:sh6qFOhdO

キョン「ただ…いま」
長門「………」
キョン「長門…」

長門は無言で本を読んでいた…その態度に、少し気が楽になった
これで、言い訳しないで済む

長門「バイタル、発汗量からあなたの現在の心理状況を推測、95%の確率で、非常に不安定な状態」
キョン「!?」

そういえば、再接続がどうのって…こんなこともできたんだよな…

キョン「あ、あぁ…ちょっと病院でな」
長門「…そう」
何も聞かない長門に、助かったと思う反面、長門は全部わかってるんじゃないかとも思う
俺の気持ちや、ハルヒの取り巻く状況全てを

176: 2008/06/03(火) 16:33:10.39 ID:sh6qFOhdO
ザーッ
キョン「すごい雨だな…」
ハルヒ「そうね」

夕立だからすぐに止むだろうが…俺の気分を重くするには十分だった

ハルヒ「ねぇ…」
キョン「ん?」
ゴロゴロゴロ ピシャーン!!
ハルヒ「   」

ハルヒが何か言ったが、雷の音でかき消されてしまった

キョン「すまん、もう一度言ってくれ」
ハルヒ「だから…」

228: 2008/06/03(火) 20:42:40.76 ID:sh6qFOhdO
「あなた誰ですか?嫌ならスルーするのが鉄則ですよ。
しかもあなたに話しかけていませんが」
「今、話かけてるじゃないか」
「邪魔ですからどこか私の視界に入らない場所まで行ってくれませんか?」
「お断りします」
「なぜですか?」
「あなたが…好きだから」


クーデレですね、わかります

249: 2008/06/03(火) 23:35:39.13 ID:sh6qFOhdO
ハルヒ「ねぇ…」
キョン「ん?」
ハルヒ「皆は元気?」
キョン「ああ、元気だ」
ハルヒ「皆に会いたいな…ここに集合って言ったら、皆来るのかな?」
キョン「来るだろ、団長命令っていえば」
ハルヒ「そっか、そうよね…じゃ、団長命令、皆で明日あたしのお見舞いに来なさい」
キョン「明日か…」

幸い明日は日曜だし、特別な事情が無い限り皆集まりそうだ

キョン「わかった、俺から皆に伝えとく」
ハルヒ「頼んだわよ」


キョン「…と言うわけなんだが」

古泉「凉宮さんの頼みなら仕方ありませんね」
鶴屋「そうだね~、てかあたしも行っていいの?」
みくる「………」
長門「………」

朝比奈さんと長門の間に、とてつもなく壁を感じる
だけど俺は、そんなものは見えていないように振る舞った

キョン「長門も…いいよな?」
長門「問題ない」
みくる「………なんで」

朝比奈さんは肩を震わせて…泣いている?いや、違う…

253: 2008/06/03(火) 23:50:29.61 ID:sh6qFOhdO
みくる「なんで、問題ないなんて言えるんですか!!」

朝比奈さんは怒りに肩を震わせていたのだ…長門に対して

長門「…特に問題は感じていない、私が凉宮ハルヒと接触して問題になるような事象は存在しない」
みくる「あなたが!あなたがいるから!!」
長門「理解不能」
みくる「っ!このっ!」
パァン!

渇いた音が響いた
朝比奈さんは長門の顔に、力一杯ビンタした…

キョン「ちょっ!落ち着いてくださいよ朝比奈さん!」ガシッ
みくる「触らないで!汚らわしい!!」
ガスッ!

キョン「うくっ!…痛った…」

朝比奈さんが振り回した手が、裏拳気味に俺の顔にあたった

254: 2008/06/03(火) 23:51:00.92 ID:sh6qFOhdO
みくる「あ……いや…私…」
古泉「朝比奈さんは間違っていませんよ」
みくる「一樹くん…」
古泉「元はと言えば、この人のせいで凉宮さんが事故にあったんです、本来なら僕も殴り頃したいくらいですが…」

古泉はまるで虫でも見るかのような目で俺を見下ろした…

古泉「こんなクズのせいで、僕の人生まで台無しにされたのでは、たまったものではありません」
キョン「てめぇ…!」ギュッ
長門「…ダメ」

古泉「殴りたいならどうぞ?あなたに殴られたら、僕はすぐに警察を呼んで、ありのままを話しますから」
キョン「ちっ…」
古泉「殴らないんですか?本当にクズですね」
キョン「今は、そんなことよりハルヒのことの方が大事だ…」

俺は、腹の中からドス黒い何かが出てこようとするのを必氏に抑えていた
長門が側にいてくれなければ、古泉を殴り倒して俺が捕まっていただろうな……

257: 2008/06/04(水) 00:00:38.90 ID:J7Dw2mmzO
キョン「明日、ハルヒの病室に行かなきゃならない…」

俺は、ひどく重い気分だった。古泉に侮辱されたこともあるが…こんなにバラバラな状態で、果たしてハルヒの前で
あの頃の俺達を演じきれるのか…それが、不安でたまらない

キョン「あの中では、俺達はSOS団のままだ…嫌なのは分かる、だけど」

古泉「ええ、事情は把握していますよ。凉宮さんのために、きちんと演じきってみせます」
鶴屋「あたしは別にあんまり変わってないし~いつも通りでオッケー!」
みくる「私も大丈夫です…今までも演じてきたし」
長門「………」

長門だけは反応がない…てっきり、さっきのように問題ないと答えると思っていたが

キョン「長門?」
長門「私は……」

長門「…わからない」
キョン「なにがだ?」
長門「あの頃の私の記憶と、現在の私の記憶にひどく改変されている箇所がある」

262: 2008/06/04(水) 00:13:07.27 ID:J7Dw2mmzO
キョン「それは?」
長門「………」

長門は、俺を無言で見つめてきた…やめてくれ…そんなに真っ直ぐ俺を見ないでくれ…

俺は、すぐに長門から目をそらして…気が付いた

キョン「まさか、俺のことか?」
長門「……(コクン)」

そうか、俺は長門に救われたと思っていたけど…それは違う
お互いが、お互いにもたれかかっていただけだ…今更…気付くなんてな…

長門「だから、あの頃の言動をトレースするのは不可能」
キョン「何も全部完璧にしろってわけじゃない、ハルヒが不審に思わない程度に…」
みくる「そうやって、また凉宮さんを騙すんですか?」
キョン「朝比奈さん…」
みくる「今の状況ですら、何もわからない凉宮さんを騙してるのに…また、嘘をつくんですか?」
キョン「嘘なんて…」
みくる「本当は、凉宮さんのことはどうでもいいって思ってるんじゃないですか?」
キョン「そんなこと!!」
みくる「あなたにとって、大事なのは…凉宮さんよりも長門さんじゃないんですか?」
キョン「っ!」

痛いところを突かれた…でも、ハルヒのことはどうでもいいなんて思っちゃいない…それだけは、少なくとも嘘じゃない…

266: 2008/06/04(水) 00:17:39.94 ID:J7Dw2mmzO
>>264
その理由は後でわかる…ように書くつもり

少々休憩をさせていただきたいのですがよろしいでしょうか?

278: 2008/06/04(水) 00:32:44.37 ID:J7Dw2mmzO
キョン「でも、ハルヒをこのままにはしておけない…」
古泉「そうですね、誰が悪いかなんてわかりきった議論は必要ありませんし、まずは明日、ここにいる全員で凉宮さんの所へ行きましょう、長門さんもそれでいいですよね?」
長門「わかった」
古泉「じゃあ、今日は解散しましょう…あ、そうだ」

古泉は俺を真っ直ぐ見て…言った

古泉「あなたに長門さんを選ぶ権利はありません」
キョン「は?どういう意味だ?」
古泉「言葉通りの意味ですよ、それじゃ」
みくる「それじゃ、私も帰ります」
鶴屋「じゃ~ね~!」

この場に、俺と長門だけが残された
空気が重い…本当は、何もかも投げ出して…このまま消えてしまいたいくらいだ…

長門「……」
キョン「……」

俺が何をした?たかが少し、時間に遅れただけだろ?
何で俺ばかりこんな目に会わなきゃいけないんだ…誰か、教えてくれ

294: 2008/06/04(水) 00:56:03.99 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「あら、意外と早かったわね」
キョン「遅れたら罰金だからな」
古泉「団長命令ですから」
鶴屋「見舞いなんだから早くこなきゃ!」
みくる「私は前からいましたし…」
長門「………」

ハルヒの病室の中は、まるであの頃のSOS団そのものだった
長門は一切喋らなかったが、それはそれで好都合だった

古泉「あ、もうこんな時間ですね…バイトがあるのでお先に失礼させてもらいます」
鶴屋「私も~!じゃ、お大事に!」
ハルヒ「またね!」

ハルヒは生き生きとしていた…やはり、偽物とはいえSOS団の空気に触れたからだろうか?

ハルヒ「あ、有希?」
長門「……?」
ハルヒ「何かあったの?」
キョン「!!」

マズイ…何か感づいたか?

299: 2008/06/04(水) 01:05:17.64 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「有希さぁ、なんていうか…女っぽくなってない?」
長門「自分ではわからない」
ハルヒ「あれ?有希がそんなこと言うなんて、珍しい…」

俺は、長い間一緒にいたから慣れてしまっていたが…あの頃の長門と今の長門はまるで変わっていたのか?
…ハルヒですら気付くほどに

みくる「あ、あの!」
ハルヒ「ん?なに、みくるちゃん」
みくる「あの…お茶…飲みませんか?」
ハルヒ「うん、もらう!ちょうど喉渇いてたのよね~、さすがみくるちゃん!気が利くわ~」
みくる「あ、あはは…」

朝比奈さんに助けられた…か

キョン「あ、ハルヒ…俺は今日は帰るよ」
ハルヒ「ん、わかった…受験も楽じゃないわよね…」
キョン「あ、ああ…頑張ってはいるけどな」
ハルヒ「ま、仕方ないわね…また明日」
キョン「ああ…」

なんとか不審に思わない程度には切り抜けたか?
いや…しかし…

古泉「待ってましたよ」
キョン「古泉…?」
古泉「大事な話があります」
キョン「……」


303: 2008/06/04(水) 01:17:49.76 ID:J7Dw2mmzO
キョン「話って何だ…また…」

病院の屋上には、俺と古泉以外に誰もいない
殴り合おうが怒鳴りちらそうが、誰も気にしないような…古泉にとっては好都合な場所だ

古泉「昨日も言いましたが、意味を理解していないようなので、簡単に説明しようと思いまして」
キョン「説明?」

何の話だ?意味を理解してない?
あ…昨日の最後のアレか…

キョン「俺には長門を選ぶ権利がないってやつか…」
古泉「えぇ」
キョン「確かに、ハルヒがあんな状態になったのは俺のせいだ…俺が、あの時遅れなければ…」
古泉「それは大して重要ではありません」
キョン「…?」

何だ…何を言いたいんだ古泉は…

古泉「僕と朝比奈さんの共通点と、長門さんに無くて僕らにあるものがあります」
キョン「…なんだいきなり」
古泉「…わかりませんか?」
キョン「さぁな…全然わかんねぇよ…」

309: 2008/06/04(水) 01:32:31.36 ID:J7Dw2mmzO
古泉「長門さんは元々、単独で活動できます。でも、僕の場合は能力と組織、朝比奈の場合は時間移動と元の時代…」
キョン「何が言いたいんだ…」

古泉「僕らは、凉宮さんがいなければ成り立たないんですよ」
キョン「は?」
古泉「不思議だと思ったことはないですか?」
キョン「何が…お前が何を言っているのか全然わからないんだが…」
古泉「凉宮さんが倒れた後、朝比奈さんがこの時代にいる理由ですよ」

朝比奈さんがいる理由?
古泉と朝比奈さんと長門は…

キョン「ハルヒの観察に…」
古泉「そうですね、倒れる前までは」

古泉「朝比奈さんは、凉宮ハルヒが倒れたことで…しかも氏ではなく昏睡状態のため…帰りたくても帰れないんですよ」

キョン「!!」

古泉「僕は…凉宮さんが倒れた直後に、能力が無くなりました。閉鎖空間自体、つくられることが無いですからね」
キョン「………」
古泉「組織も解体されました。凉宮さんがつくりだす世界が無いのに、組織が存在する意味は無いですから」
キョン「だから、朝比奈さんは…」
古泉「朝比奈さんには帰る家すら無かったんですよ…この数年間」
キョン「………」
古泉「その間、凉宮さんの家にいたらしいです。昏睡状態の娘の介護を交換条件に出されてね…だいぶ、辛かったようです」

316: 2008/06/04(水) 01:47:14.23 ID:J7Dw2mmzO
古泉「だから、そもそもの発端であるあなたを憎んだ…そうでもしなければ、自分の精神が壊れてしまいますからね」

古泉「そして…僕も」

朝比奈さんが俺を憎むのはわかった…古泉だって、いきなり能力を失って組織は無くなって
行き場の無い怒りを俺にぶつけてるんだろう…でも

キョン「それと、長門を選ぶ権利ってのがどう関係するんだ?」

318: 2008/06/04(水) 01:47:59.90 ID:J7Dw2mmzO
古泉は、一度空を見上げて…ゆっくりとこちらを向いた

古泉「実は…最近になって能力が戻ってきましてね…近々組織も再編するようです」
キョン「!…まさか…」

古泉「小規模ではありますが、各地に閉鎖空間が形成されています」
キョン「いや、でも…」
古泉「凉宮さんがストレスを感じる度に、閉鎖空間は広がります…もし、あなたが長門さんを選んだとしたら…」
キョン「………」
古泉「この世界を覆い尽して余りあるほど、巨大な閉鎖空間が出来上がるでしょうね」

バカな…世界の運命が俺の気持ち1つで…

古泉「だから、あなたには凉宮さんを選ぶ以外に選択肢は無いんですよ…凉宮さんだって満更じゃないみたいですし…いいんじゃないですか?」

キョン「長門は…長門の気持ちはどうなる…それに、俺の気持ちも」
古泉「世界の大きさに比べたら、そんなものは無いに等しいんですよ」

古泉「話はそれだけです」

古泉は、身を翻して出口へ向かい…止まった

古泉「僕はね…朝比奈さんを愛しています。だから…彼女を傷付けたあなたを許す気はありません」
バタン!

古泉は朝比奈さんのことを…?いや、それより長門は…ハルヒは…
くそっ!俺は……俺は…

320: 2008/06/04(水) 01:55:29.60 ID:J7Dw2mmzO
ここからが本当の地獄かつNice boat.な展開にしたいんだが、ちょっと疲れてきたよ…オリジナリティ満載ですまんな…ちょっと休憩

332: 2008/06/04(水) 02:38:17.81 ID:J7Dw2mmzO
俺は…どうしたらいいんだ…
フラフラと街をさまよい歩いていた…どこをどう歩いたのか、まるで覚えてなどいない…ただ、頭の中が真っ白だった…

長門を選べば世界の終わり、ハルヒを選べば長門が傷付く…俺は

キョン「選べるはず…無いだろ…」

ハルヒのことは、好きなんだと思う…あいつが倒れた直後、まともに生活すらできなかったのが何よりの証だ
長門は…そんな俺のそばで、俺を現実に…普通に生活できるようにしてくれた…

どうしようもないな、俺は…

フラフラと歩くうちに、見覚えがある場所に来てしまった

キョン「ここは…あの時の」

朝比奈さんの秘密を知った、あの遊歩道だった
街灯がぼんやりと辺りを照らす…周りに人影は無い

少し…休もう…何だかひどく疲れた…なにもかもが重すぎて、辛すぎて

344: 2008/06/04(水) 02:47:30.86 ID:J7Dw2mmzO
キョン「……ふぅ」

重い、溜め息をついた
なにもかもが嫌になった…いっそ、氏んでしまった方が楽になれるんじゃないか…
ずっと、そんな考えが渦巻いている

キョン「そういえば、このベンチだったよな…」

隣に、微妙な距離を置いて朝比奈さんが座ってて…自分が未来人だと打ち明けて、最後に

キョン「禁則事項…か」

口許に手を当てて、穏やかに笑っていた朝比奈さんの姿を思い出した
今の、あんなに冷たい態度からは想像も出来ない程…優しくて穏やかで…でも

キョン「俺の…せいで」

詳しい事情はよくわからないが、この数年間…ずっと辛い思いをしてきたんだろうな…
俺は、誰かを不幸にすることしかできないのか…やっぱり、俺みたいな人間は氏んだ方がいいよな

思考が、ループする

354: 2008/06/04(水) 02:59:33.42 ID:J7Dw2mmzO
???「どうしまし…あ」
キョン「え?」

ボーッとしていた時に声をかけられて、ハッと我に返った
ここからでは暗くて相手が見えないが…

ザッ
???「なんで、こんな所にいるんですか?」
キョン「朝比奈さん…」

みくる「こんな時間まで、フラフラと夜遊びですか?いい身分ですね」

朝比奈さんの言葉にはトゲがある…でも、それは俺の責任だ

ズザッ
キョン「朝比奈さん…本当に…すまなかった…」
みくる「………」
キョン「さっき、古泉から聞いたよ…ハルヒが倒れてから…ずっと辛い目にあってたなんて…俺、知らなくて…」

俺は、ちっぽけなプライドも何もかも捨てて
朝比奈さんに土下座した
謝って済む問題じゃないのはわかっているが…謝らずにはいられなかった

みくる「…そんなこと…」
キョン「本当に…すいま…せんでした…」

気が付けば、俺は泣いていた…

380: 2008/06/04(水) 03:21:36.80 ID:J7Dw2mmzO
みくる「そんなことされても…私の時間は戻ってこないんですよ」
キョン「……」

わかってる…わかってるんだよ…これはただの自己満足なんだってことくらい
でも、自己満足でも何でも…謝らずにはいられなかったんだ

キョン「………」
みくる「顔を上げてください」
キョン「………」

できなかった…今、朝比奈さんの顔を見ることなんて…

みくる「私は…あなたに謝ってもらいたくないですから」
キョン「……え?」

顔を上げると…朝比奈さんは無表情で言った

みくる「悪いのは、凉宮さんですから」

ハルヒが悪い?朝比奈さんは何を言って…

みくる「あんな女、氏んでくれた方がいいのに…キョン君もそう思いますよね?」

朝比奈さんは…あの時の穏やかな笑顔でそう言った
俺はもう、何がなんだかわからなくなってきた

悪い夢を見てるんじゃないか…そう思った
でも、地面に擦り付けた額はヒリヒリと痛む…つまり

夢じゃ…ない

389: 2008/06/04(水) 03:37:14.59 ID:J7Dw2mmzO
みくる「全部、あの女のせいなんですよ」
キョン「朝比奈…さん?」

朝比奈さんはまるで、それがとても楽しいことであるかのように語りはじめた

みくる「そもそも、あの女さえいなければ、私はこんな時代に来ることもなく…ましてやあんな馬鹿なごっこ遊びに付き合う必要なんて無かったんです」
みくる「禁則事項って言われてましたけど、もう、私は自由なんです。本来なら絶対にやってはいけないことすら…何ら制約を受けないんですよ…その点だけは、あの女にも価値があったかもしれません」

誰だ…この人は…俺の知ってる朝比奈さんとは、まるで別人…いや、元の朝比奈さんなのか…これは…

みくる「例えば…殺人とか…未来から来た人間が過去の人間を頃しちゃいけませんよね?…でも、私なら許されるんですよ」

違う…未来とか過去とかじゃなく…そもそも殺人なんて…

みくる「だって、私はもうどの時代の人間でもありませんから」

みくる「本来なら凉宮ハルヒが倒れた時点で、私の仕事は終わりです。やっと下らない仕事が終わると思って、清々してたんですよ?」

みくる「そして、いざ帰ろうとしたら帰れないんですよ…凉宮ハルヒのせいで」

キョン「どうして…」

みくる「あのバカ女が、時間を止めたからです」

400: 2008/06/04(水) 03:57:49.81 ID:J7Dw2mmzO
キョン「時間を…止めた?」
みくる「この時代の人間では理解しにくいかもしれませんが…そもそも時間というは一定ではありません」
みくる「今、この瞬間から無限に分かれて広がり、私たちに認識できるのはその中のたった1つ。それを積み重ねてできたのが今、この瞬間です」

俺には、朝比奈さんが何を言っているのか理解できない
どうやってハルヒは時間を止めたんだ?

みくる「そして、凉宮ハルヒは…その無限の広がりを有限にしました。事故の瞬間の、生存本能でしょうか?原因はよくわかりません」
みくる「そして、切り捨てられた時間軸上に、私の時代があったんです」

キョン「ちょっと待ってくれ…そしたら、朝比奈さんはいなくなってるんじゃ…」
みくる「えぇ、私もそう思ったんです…でも」

みくる「質の悪いことに、あの女はSOS団のメンバーをこの時間に固定させたんです」
キョン「固定?」

全く意味がわからない…つまり、どういうことだ?

みくる「分かりやすく説明するなら…川を時間の流れとして、その川の中に一本の棒を立てます」

みくる「それは、そのままなら流されて終わりです。それが通常の時間の流れ方」
みくる「でも、あの女がやったことは…その棒に、強制的に上からの圧力をかけたんです」
みくる「すると、棒は地面に刺さり…流されなくなります。もちろん、多少は動きますが」

キョン「でも…あれ?」

みくる「よく、実際の年より若く見られませんか?あの女の影響で、老化のスピードも下がっているはずです」
キョン「そんな…バカな…」

みくる「私は逆に、ここに固定されたことによって…本来よりも早い速度で老化が進みます。私の場合は下流に引っ張られながらも、上から圧力がかかっているのでなかなか下に進まない状態です…それでも、通常の1.5倍の速度で進んでいますけど」

410: 2008/06/04(水) 04:13:18.23 ID:J7Dw2mmzO
みくる「本来の時間にはいるはずの無い人間ですし、その固定化の影響で私は」
みくる「認識可能な存在しないものになっているんですよ」

キョン「な、なにを言って…」

みくる「この状況をどうにかするためには、凉宮ハルヒが自らの意思で時間を元の状態に戻すか、凉宮ハルヒの氏しかありません」
キョン「そんなこと言っても…」
みくる「そうですね、今のあの女には自らの意思で戻すことはできません、そもそも戻せないでしょうね」

みくる「だから、頃すしかないんですよ」

いきなりすぎてついて行けないが…何がどうなっているんだ…

みくる「古泉くんに話はしてあるんですよ、実行犯をお願いしたら…簡単に引き受けてくれましたよ。男なんて単純ですから」
キョン「なにを…あんたはさっきから何を言ってるんだ…」

みくる「それで、古泉くんは良いことも教えてくれました…キョン君に罪を被せればいいんだって」
キョン「!?」
みくる「キョン君…もう、辛いですよね?氏にたいですよね?」

確かに辛いし、氏にたくもなったが…まさか…

みくる「古泉くんはとても頑張ってくれました。あなたを追い詰めて追い込んで、遺書まで書いてくれたんですよ?」
キョン「まさか…最初から…」
みくる「あ、閉鎖空間の話は本当です。どのみち、あの女が氏ねば済む話なのでどうでもいいですけど」

420: 2008/06/04(水) 04:26:05.02 ID:J7Dw2mmzO
みくる「ここだと不自然かなぁとも思いましたが…都合よく誰もいませんね」

朝比奈さんは…ポケットから光る何かを取り出した
果物ナイフ…そうか…ここで俺を頃す気か…

キョン「そんなことしても…」
みくる「今更、命乞いですか?やっぱり見苦しいですね、キョン君は」

やめてくれ…そんな…そんな笑顔で言わないでくれ…もし、ここで俺が氏んだら…

キョン「長門は…」
みくる「長門さんのことは心配しないでいいですよ?あんな人形一つ壊れたって、どうということは無いですから」
キョン「!!」

頭に、血が上った
俺は別に殺されたって構いはしない、でも長門は!!
長門だけは!

みくる「本当は自頃してもらえると助かるんですか、仕方ないですね…それじゃ、さようなら」
ダッ!

いつものおっとりした動きからは想像もつかない程、朝比奈さんは素早く、的確に俺の腹を突き刺…

ダッ!
ズブッ!!グチャッ!……ドサッ!

432: 2008/06/04(水) 04:45:53.42 ID:J7Dw2mmzO
ビシャァッ!
ねっとりとした生暖かい液体が…俺の顔に降り注そぐ
それが少し口に入ると…鉄の味がした
これは血か?…痛みは無いが、俺は…刺されたのか?

俺の前に、誰かが割り込んだ気がする…誰かが

みくる「ゔぅ゙ぁ゙ぁ゙ぁぁああ゙!!!」

あれは…朝比奈さんと

キョン「古泉?」
古泉「……あなたは…逃げてください…」
キョン「ちょっと待て…お前…」
古泉「いいから早く!」

なぜ古泉が…それに朝比奈さんのあの唸り声にも似た悲鳴は…

見れば、朝比奈さんが握っていた果物ナイフは…古泉の腹に刺さっている
しかも、切っ先は貫通して…

古泉「朝比奈さん…あなたに殺されるなら…僕は…」
みくる「ゔぅあ゙ぁぁあ゙!!」

朝比奈さんの首筋に…ナイフが刺さっていた…古泉が握るナイフが…
さっきから、降り注いでいるこの血は…朝比奈さんのものだったんだと…気付いた
俺は、こんなにも非日常的な光景を見ても
何故か冷静だった

434: 2008/06/04(水) 04:46:37.27 ID:J7Dw2mmzO
古泉「あなたは少し勘違いしています…凉宮ハルヒを頃したら…あなたという存在は消滅するんですよ…」
古泉「あなたはそれで良かったのかもしれない…でも、僕は…あなたが好きだから」
古泉「せめて、僕の手で」

みくる「ごぉ゙ぉ゙いずぅみ゙ぃ゙ぃぃ!!」

しばらくすると…二人とも動かなくなって…倒れた

ドサッ!
キョン「お、おい!古泉!?」
古泉「もう…ダメですね…」
キョン「古泉!もういい、喋るな!今病院に…」
古泉「ひとつだけ…言っておきます」

古泉「…朝倉が…朝比奈さんを……」
キョン「おい、おい!しっかりしろ、古泉!古泉!?」

439: 2008/06/04(水) 04:49:30.60 ID:J7Dw2mmzO
疲れた…もう寝るよ…
書いててもウッツウツになるんだぜ……
おやすみ………

461: 2008/06/04(水) 05:03:08.40 ID:J7Dw2mmzO
結局、古泉は運ばれた病院で息を引き取った
朝比奈さんは…あれだけ流した血も…いや、そもそも存在自体が無かったことにされていた
SOS団メンバー以外には、誰も朝比奈さんの事を覚えていなかった

最後は狂気に染まり、古泉に殺されたとはいえ…俺にとって、複雑な心境ではあった


ハルヒ「ねぇ、最近みくるちゃん来なくなっちゃったんだけど」
キョン「あぁ、朝比奈さんな…引っ越したんだってよ」
ハルヒ「えぇ~!何よそれ、団長の許可も取らずに!」

ハルヒには、古泉が氏んだことは伏せた
医者にも止められていた。今、ショックを与えるのはマズイと

ただ、長門にそのことを言ったら…顔には出さなくても悲しんでいることだけはわかった

それにしても、わからないのは古泉の最後の言葉だ
どうやら、朝比奈さんと朝倉には何か関係があるらしい…

466: 2008/06/04(水) 05:13:22.08 ID:J7Dw2mmzO
キョン「あの…」
朝倉「はい、何か?」
キョン「少し、時間ありますか?」
朝倉「えぇ、外に出ましょうか」

俺は、朝倉から朝比奈さんの事や今回の件について、聞きたいことが山ほどあった

朝倉「来ると、思ってました」
キョン「え?」
朝倉「誰から聞きました?朝比奈さんですか?長門さんですか?」
キョン「何を…」
朝倉「とぼけなくてもいいですよ、私のことです」
キョン「いや、本当にわからないんだ」

朝倉は何か隠している?
そして、朝比奈さんと長門はそれを知っているようだが…

朝倉「朝比奈さんと古泉さんのことは、本当に残念でした」

ん?ちょっと待て…何かおかしいな…

朝倉「二人とも、いい人だったのに…」
キョン「あのさ…」
朝倉「はい?」

キョン「何で朝倉は朝比奈さんのこと覚えてるんだ?」

SOS団のメンバーでも無く、ハルヒにとってもそんなに深い付き合いはなかっただろう
なのに、なぜ朝倉は朝比奈さんのことを知っているんだ…皆、忘れたはずなのに

472: 2008/06/04(水) 05:23:55.74 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「あ、なんだ…本当に知らなかったんですか」
キョン「え?」

朝倉「私は…凉宮ハルヒです」

キョン「は?」

何を言ってるんだ朝倉は

朝倉「正確には、凉宮ハルヒの遺伝情報をインストールされた、有機生命体です」
キョン「いや、意味がわからない」
朝倉「あの事故の後、凉宮ハルヒを復元、複製できないかという試みがありました」
キョン「……」
朝倉「その時、全くのゼロから新しく凉宮ハルヒを生み出す方法と、既存のヒューマノイドインターフェイスに情報をインストールする手段がとられ、私は後者のプロトタイプに選ばれました」
キョン「つまり…え~と…」
朝倉「私は限り無く凉宮ハルヒに近い、けれど全く別の生命体です」

559: 2008/06/04(水) 12:50:57.48 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「私は、失敗作でした」
キョン「失敗?」
朝倉「本来の凉宮ハルヒは、その特異性から進化の可能性を生み出すのではないかと予測されていました」

朝倉「でも、実際に遺伝情報をインストールしても何も変わりません、ただ、凉宮ハルヒに似た別の生命体が生まれるだけです」
キョン「ちょっと…待ってくれ…」

またもや意味がわからない、ハルヒの遺伝情報をインストール…?
つまりハルヒの双子みたいなもんか?

朝倉「私の失敗によって、凉宮ハルヒの特異性は遺伝情報によるものでは無いと立証されました」

朝倉「そして、私には新しい任務が生まれました」

朝倉「凉宮ハルヒのバックアップです…笑っちゃいますよね、以前は長門有希のバックアップで、今度は凉宮ハルヒのバックアップだなんて」


604: 2008/06/04(水) 15:11:06.97 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「邪魔なんですよ」

朝倉は表情ひとつ変えずに言い放った
それは、朝比奈さんとよく似た表情で…まるで人形のように見えた…いや、実際に人間ではないのか

キョン「それで、朝比奈さんにハルヒを…」
朝倉「それは違います」
キョン「?」
朝倉「朝比奈さんが凉宮ハルヒを頃したいほど憎んでいたのは事実ですよ、彼女は元々あんな性格ですしね」
キョン「朝比奈さんが?」

朝倉「彼女は、もう限界だったんですよ」

確かに朝比奈さんは狂っていたように思える
だか、何も知らない俺は…ハルヒでも、長門でも俺でもなく
この『人形』に全て押し付けてしまいたかった

朝倉「朝比奈みくるは、元々感情をストレートに出すタイプです。ですが…任務のために、凉宮ハルヒの監視という任務のためには演技をするしかありませんでした」
キョン「なんで、そんなことを?」
朝倉「凉宮ハルヒに近付くために…です。これまでの凉宮ハルヒの性格、性癖、趣味嗜好…色々と吟味した結果…おとなしくて穏やかな少女のフリが一番効果的だと判断したのでしょう」

605: 2008/06/04(水) 15:12:09.87 ID:J7Dw2mmzO
今までの朝比奈さんは演技だった?
俺の知っている朝比奈さんは…

朝倉「朝比奈さんはそれだけで、常に強いストレスを受け続けなければなりませんでした…そこに、あの事故があって」
キョン「未来に帰れなくなって…」
朝倉「そうです、後はあなたも知っている通り、彼女は凉宮ハルヒを頃して自分も消滅しようとした…一種の道連れですね」

道連れ…存在しない朝比奈さん…ハルヒ…

キョン「待て、わからないことがある」
朝倉「………」
キョン「その話だと、朝比奈さんが単独で凶行に及んだみたいな口ぶりだが…」

キョン「朝倉…お前は朝比奈さんに何を言った?」


朝倉は黙ったまま…どこか遠くを見つめていた

611: 2008/06/04(水) 15:28:27.84 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「……」

キョン「元々の朝比奈さんのことはよく知らないが…何か、きっかけになるような何かを言ったんじゃないのか?」

朝倉「別に、ただ…凉宮ハルヒが全ての元凶だと教えてあげただけです」
キョン「……それが…引き金か」
朝倉「どうでしょうね?朝比奈さんがどう思い、どう感じたのかはわかりませんが…」

朝倉「古泉くんは正しく理解してくれましたよ?」

キョン「古泉は理解していた…?」
朝倉「凉宮ハルヒを頃すことによって引き起こされるであろう事態をね」

ハルヒが殺されると…どうなる?
まず、閉鎖空間はつくられなくなる…それと

キョン「時間の流れ…」
朝倉「そうです、おそらく…あなた達SOS団メンバーとイレギュラーである私の時間が歪み…朝比奈さんと同じ立場になるでしょうね」

朝比奈さんは何と言っていた?上から押して、川の中に棒を突き刺すようなものだと…
もし、上から押してるものが無くなったら…

朝倉「急に、時間の流れが変わるわけではないでしょうね…ただ」

朝倉「私達は同じ時間軸に捕われるでしょう」


618: 2008/06/04(水) 15:45:56.67 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「どうすることもできないんですよ」

キョン「………」
朝倉「このままでも、いずれ私達は時間の流れに取り残される、かといって凉宮ハルヒを殺害した所で状況は同じ…」
キョン「なんとか…ならないのか?」

朝倉「ひとつだけ、方法があります」

キョン「それは?」
朝倉「凉宮ハルヒが自らの意思で、この固定化を解除すること」

今のハルヒには…いや、そもそもハルヒにそんなことできるのか?

619: 2008/06/04(水) 15:46:48.12 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「簡単なことです、凉宮ハルヒが『早く時間が進めばいい』と思えばいいだけですから」
キョン「でも…今のハルヒは…」
朝倉「簡単なんです、あなたが凉宮ハルヒを受け入れればいいだけの話ですから」
キョン「?」
朝倉「そうですね…『結婚しよう』とか適当なこと言って、凉宮ハルヒにそう思わせればいいんじゃないですか?」
キョン「なんで…そんなこと…」

そんなこと…言えるわけないだろ…

朝倉「できれば、長門さんの前で言えば効果的です。凉宮ハルヒがあなたに『選ばれた』と思い込みますから」
キョン「そんなこと!!」
朝倉「だから、何も本当に結婚する必要なんて無いんですよ、あくまで思い込ませることが目的ですから」
キョン「そんなこと…できるわけないだろ…」
朝倉「今更、何を言っているんですか?散々凉宮ハルヒを騙して、欺いて、偽って、嘘に嘘を重ねてきたじゃないですか」
キョン「嘘なんて…」

朝倉「長門さんとの関係を黙っているのだって、嘘をついてるのと同じですよ?」

キョン「!!」

朝倉「一つ嘘が増えるだけのことです。簡単ですよね?」


簡単なわけ…ないだろ…なんだよ
何だよハルヒって…なんなんだよ…

622: 2008/06/04(水) 15:54:04.30 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「次回!凉宮ハルヒの永遠第二十五話!」

キョン「違う!次回、凉宮ハルヒの永遠第十一話『ウジウジした男は嫌いですか』あまり期待せずに待て」
ハルヒ「………」
キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「キョンはもちろん私を選ぶわよね…?」

キョン「……………」



テラ強引。鬱展開にしたいなぁ
でもバイトの時間なんだなぁ…ノシ

757: 2008/06/04(水) 23:17:12.54 ID:J7Dw2mmzO
朝倉「それじゃ、私は仕事があるので…よく考えてくださいね」

俺は、帰りの電車に乗りながら…さっきの話を思い出して、また、頭がごちゃごちゃになってきた
俺達が助かるにはハルヒを選ぶしかない…確かにハルヒのことは好きだ
でも、俺にはもう長門が…長門を裏切り、ハルヒを選ぶのか?
いや、違う…選ぶんじゃない…選ばせられるんだ
仕方ないんだ、俺の、皆の…そして世界のために…

でも、長門はそれをどう思うだろうか…何も言わないで、黙って受け入れるだろうか?
そうであってほしい…

758: 2008/06/04(水) 23:17:38.07 ID:J7Dw2mmzO
キョン「ただいま…」
長門「おかえりなさい」

いつもと何ら変わらない長門…くそっ!俺は…

キョン「なぁ…話が…あるんだ」
長門「聞く」

俺は…こんなにも素直で真っ直ぐな長門を
今から、裏切らなくちゃならない…

キョン「………あの…」
長門「………」

言葉が…出てこない…なんて言えばいいんだ…ハルヒを選ばなきゃ世界が滅ぶから選びます?
それに、俺の気持ちは?…長門の気持ちは…

『世界の大きさの前には、そんなもの無いに等しいんですよ』

ふと、古泉の言葉を思い出した
そうか、そうかもしれないな…俺達はちっぽけ過ぎて、世界はあまりにも巨大で…どうしようもないんだよな…

長門「話って…?」
キョン「ん、あぁ……」

やめてくれ長門…そんな瞳で俺を見ないでくれ…

決心が、揺らぐ

759: 2008/06/04(水) 23:18:19.97 ID:J7Dw2mmzO
キョン「その…ハルヒの…ことなんだけど」
長門「………」

キョン「…何とか、ならないか?」

…今、言わなきゃ…いつ言うんだ!
何を言ってるんだ俺は!
自分で自分が嫌になる…臆病で、強欲で…
俺は結局、どちらかなんて選べない…選べないんだ…

長門「私達の技術を凉宮ハルヒに直接与えるわけにはいかない」
キョン「そうか…そうだよな…」
長門「それに…」
キョン「…?」

長門「私は、凉宮ハルヒに対し、適切ではない感情がある」
キョン「!?」

長門が…感情?
今までそんなこと言ったことないだろ…なんだよ、いきなり…

キョン「て、適切ではないって…」
長門「あなた達で言う所の、嫉妬や憎悪に当たる感情」

長門はいつもの無表情だったが、俺には何となくわかった
長門は怒っているのだ…ハルヒに

763: 2008/06/04(水) 23:22:11.44 ID:J7Dw2mmzO
翌日、俺は病院へと向かった
ハルヒを見舞いに…そう、ただの見舞いだ

一応、長門も誘ったが…

長門「現在の私の状態で凉宮ハルヒと接触することは好ましくない」

つまりは、行きたくないって意味だったんだと思う

長門は、ここ数年でかなり人間らしくなった。たまには、年相応に見える時もあった

コンコン
ハルヒ「はい、どうぞ」
キョン「よう」

ハルヒは少し不機嫌なようで、ムスッとした顔で外を見ていた

ハルヒ「あんたもヒマね」
キョン「まぁな…」

ハルヒは視線を外に向けたまま、呟いた

ハルヒ「最近、みんな来なくなって…ちょっと、どうなのかなぁと思って」
キョン「………」

確かに…古泉と朝比奈さんはもう、二度とここには来れない
長門も、なんだか嫌がって近付かない
俺だけが…ほとんど毎日見舞いに来てて…

766: 2008/06/04(水) 23:24:22.35 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「あんたぐらいしか来ないじゃない…退屈ね」

ハルヒは口ではそう言いつつ、少し顔が赤かった

キョン「…俺は」

俺は…何で毎日来てるのだろうか?
もちろん、ハルヒの状態が気になるから来ているのだが…そうじゃなくて、もっと根本的な

ハルヒ「…なによ」

ハルヒが事故にあったのは俺の責任だから?俺の義務だから?
いや、待て…何か忘れているよな…

ハルヒ「言いたいことがあるなら言いなさいよ、男らしくないわね」

ハルヒは…確か…

キョン「なぁ、ハルヒ」
ハルヒ「だから何よ、とっとと言いなさい」
キョン「ハルヒは…今の状況をどう思う?」
ハルヒ「はぁ?今の状況って…」

狭い病室に二人だけ、しかも男女二人だ

768: 2008/06/04(水) 23:25:14.24 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「あんた、変なこと考えてんじゃないでしょうね…」

ハルヒは警戒心を強めているが、俺が聞きたいのはそうじゃない

キョン「こうなればいいと思ったことはあるか?」
ハルヒ「な、なに言ってんのよあんた…///」
キョン「大事な…ことなんだ」

そう、とても大事なことだ
ハルヒがこの状況を望んだのかどうか
回答によっては、俺の疑念が払拭される

ハルヒ「た、確かにちょっと思ったわよ…あんたと二人きりに…って何言わせんのよ!」
キョン「……そうか」

疑念は確信に変わった
長門の感情、古泉と朝比奈さんの氏、ハルヒを選ぶ以外に選択肢のない俺

全て、ハルヒが望んだことだ

772: 2008/06/04(水) 23:36:58.80 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒの、理想や妄想を現実にする力…確か、そんなものがあったはずだ

ハルヒは望んだんだ…俺と二人だけになることを

そのために、まず邪魔だったのは朝比奈さん…あの頃の俺は朝比奈さんに若干惹かれていたから
それを知っていたハルヒは…朝比奈さんをこの時間に閉じ込めた

なぜ、直接消滅させたり元の時代に戻さなかったのかはわからない
もしかしたら、できなかったのかもしれない

次に、古泉はハルヒ自身のストッパー的な役割だったはずだが
やはりこれも邪魔だったのか?あるいは、古泉の件はハルヒとは関係無くただの事故だったのか…

最後に、長門の感情の発露だ
長門が感情を表に出し始めたのは、ハルヒが目覚める前後だ
三年も同じ状態だったのに、ハルヒが目覚めた途端にいきなり変わるなんて偶然があるだろうか?

ハルヒが望んだ世界は…こんなにも歪んで、醜悪で、俺にとっては…地獄以外の何物でもない…

778: 2008/06/04(水) 23:51:24.14 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「何よキョン…さっきからずっと黙っちゃって」
キョン「なぁ…ハルヒ」
ハルヒ「なに?」

俺にはもう、何もできない
何をどうしたって無駄なんだ…

キョン「ハルヒは、俺のこと…好きか?」

例え長門を選んだとしたら…長門が消滅するんだろ?
そうやって、周りのものを何もかも消していって…最後に俺とハルヒだけを残すんだろ?

ハルヒ「な…なによ急に…」
キョン「結婚しよう」

779: 2008/06/04(水) 23:52:13.13 ID:J7Dw2mmzO
ハルヒ「はぁ!?あ、あんた…なに言って…」
キョン「今すぐってわけにはいかないけど…お前が退院して、元気になったら」
ハルヒ「わ、私は…まだ高校生だし!その…///」

もう…どうでもいい
何もかもどうでもいい
ハルヒとか長門とか…そんなのもどうでもよくなった

キョン「俺は…ハルヒが好きだから」
ハルヒ「わ、わたしも…その…///」

バタンッ!

ハルヒ「有希……?」
キョン「!?」

長門!?なんでここに…!?

795: 2008/06/05(木) 00:07:59.83 ID:JWxvlCebO
長門「凉宮…ハルヒ…」
ハルヒ「有希…?」

ハルヒは戸惑いを隠し切れずにいる
俺だってそうだ…なんで長門がここにいるんだ…?いったいいつから…

長門「誰にも…渡さない」
ハルヒ「ど、どうしたの?なんでそんな怖い顔して…」
キョン「長門……」

あの長門が…いつも無表情で冷静な長門が
怒りを露にしている…

ハルヒ「渡さないってなんのこと…少し、落ち着きなさい」
長門「キョンは私のもの…私はキョンのもの…」
ハルヒ「何言ってるのか全然わかんないんだけど…」
キョン「長門!落ち着け!」

マズイ!長門は本気だ!
どうにかして止めないと…

796: 2008/06/05(木) 00:08:28.31 ID:JWxvlCebO
長門「凉宮ハルヒ…あなたが事故にあってから、既に三年が経過している」

ついに…言ってしまった…

ハルヒ「はぁ?そんなわけ…」
パサッ

長門「それが、今日の新聞」
ハルヒ「2008年……!?」

ハルヒは何かを見つけて…ひどく驚いている
ここからでは何が書いてあるのか読めないが…なんだ?

ハルヒ「路上で刺殺か……犯人は未だ捕まらず…被害者氏名……古泉一樹21歳」
キョン「!?」

古泉のことが載った記事か!?くそっ!長門…何考えてんだよ…

805: 2008/06/05(木) 00:21:07.93 ID:JWxvlCebO
長門「あなたが眠っていた三年の間、私はずっとキョンの傍にいた」
ハルヒ「……え?」

長門…ハルヒにショックを与えてどうする?
そんなことしたら世界は…時間は!

長門「凉宮ハルヒ…あなたはもういらない」

ハルヒ「有希?何言って…ねぇ、キョン?有希が何言ってるのか全然わからないんだけど…」

ハルヒは、茫然と俺を見つめて…

長門「あなたからも凉宮ハルヒに教えるべき、この三年…何があったのかを」

長門まで……

俺は…俺はもう…逃げられない
ハルヒからも長門からも

806: 2008/06/05(木) 00:21:45.93 ID:JWxvlCebO
キョン「ハルヒ…長門の言ってることは事実だ」

ハルヒ「でも、さっき…キョン、言ったよね?好きだって…結婚しようかって…ねぇ、キョン…あれは、なんだったの?」
長門「私も聞きたい、何を思考してあんな行動をとったのか理解不能」

キョン「……ハルヒのことが好きなのは事実だ」

ハルヒ「でも!三年も…三年もずっと有希と!」
長門「………」

キョン「長門のことは…好きだ」

ハルヒ「な、何よそれ…何なの?有希が本命で…私は遊びってこと?うまくいけば二股かけられるって…」

キョン「違う!俺は…」

長門「どちらの優先順位が上位か説明を求める」

キョン「俺は…俺は…!」

813: 2008/06/05(木) 00:30:59.61 ID:JWxvlCebO
キョン「優先順位なんて無いんだ……選べないよ…俺には…」

ハルヒ・長門「「………」」

キョン「だって、そうだろ…俺にとって、ハルヒは大事で…ハルヒが事故にあったって聞いた時…世界が終わった気がした…」

ハルヒ「キョン…」

キョン「何度も氏のうと思った…毎日、毎日…俺のせいで事故にあったハルヒの事を思い出して…」

長門「………」

キョン「そんな中で、長門は俺を救ってくれた…辛い記憶を…長門が忘れさせてくれた…長門がいなければ、俺はとっくに氏んでたかもしれない…」

キョン「だから…どっちが好きかなんて…選べないんだ…」

俺は…顔をぐちゃぐちゃにして、子供みたいに泣いていた
もう、何も無い…それが悲しくて切なくて

俺にはもう、何も無くなった

ハルヒも、長門も

825: 2008/06/05(木) 00:45:48.63 ID:JWxvlCebO
ふわっ ギュッ

キョン「えっ?」

気が付けば俺は…二人に抱き締められていた

ハルヒ「キョン…もう、いいよ…もういいから…」
長門「あなたが泣くと…私は悲しい」

キョン「二人とも…うっ…うわぁぁぁぁぁ…」

一度溢れた涙は止まらなくて…俺は…ずっと子供のように泣いていた…

828: 2008/06/05(木) 00:47:34.59 ID:JWxvlCebO
後日、また三人でハルヒの病室に集まった
途端に、長門が口火を切った

長門「私は…凉宮ハルヒが憎い」

ハルヒに向かって真っ直ぐで、全力な告白だった

長門「あなたさえいなければ、私は」
ハルヒ「私は有希が羨ましい」

ハルヒも同じだった、全力の悪意を受け止めて
長門に投げ返した

ハルヒ「キョンに愛される有希が羨ましい、キョンと一緒に居られる有希が羨ましい、キョンと歩ける有希が羨ましい…でも」

ハルヒ「キョンは、私のものだから」
長門「それは違う」

二人の間に散る火花が見える…俺は、気配を消してその場から

ハルヒ「あ、キョンが逃げるわよ!有希!」
長門「わかってる」

いきなり長門に襟首をつかまれ…強制的に椅子に固定された

ハルヒ「ん~」
長門「(じっ)」

いつか…選ぶ日が来る…そう、遠くない未来に

830: 2008/06/05(木) 00:49:24.60 ID:JWxvlCebO
ふぅ…終了。EDテーマはウマウマ。

838: 2008/06/05(木) 00:53:42.05 ID:JWxvlCebO
もう…無理だ…俺はこれから男女双子の甘々で(・∀・)ニヤニヤなラブコメを書かなきゃならないんだ…1スレで完結できてよかった…何か質問とか苦情とかあるなら聞きます。

839: 2008/06/05(木) 00:55:02.87 ID:Eg5Edz7NO

840: 2008/06/05(木) 00:55:34.65 ID:yN+ITdek0
>>838
後日談

844: 2008/06/05(木) 00:56:26.97 ID:JWxvlCebO
あ~…ノーマルエンドみたいなもんです
ハルヒエンドと長門エンドとバッドエンド考えてたんだけど、全然まとまらなかったんだ、すまん。

858: 2008/06/05(木) 01:05:33.32 ID:JWxvlCebO
ハルヒエンド

>>840後日談

医者・看護士「「退院おめでとう!凉宮さん!」」
ハルヒ「ありがとうございました…」

たくさんの人に見送られ、ハルヒは病院を後にした

キョン「退院おめでとう、ハルヒ」
ハルヒ「うん…」
キョン「なんか、あんまり嬉しそうじゃないな」
ハルヒ「私…これからどうしたらいいのか…わからなくて…」
キョン「珍しいな、そんなに弱気だなんて」
ハルヒ「………」

確かに、三年も眠っていたんだ…この街も、人も、ずいぶん変わった
ハルヒにとっては知らない街と言っても過言じゃない

ハルヒ「それに…SOS団も無くなっちゃったしね…」

古泉、朝比奈さん、長門の三人がいなくなって…あの頃の思い出を語れる人間なんてほとんどいないだろう

でも

キョン「俺が…ずっと傍にいてやるから…それじゃ駄目か?」
ハルヒ「…仕方ないわね…それで我慢してあげるわよ…」

ハルヒは空を見上げ、涙を堪えていた

879: 2008/06/05(木) 01:20:43.35 ID:JWxvlCebO
>>853

ガタッ!ドスンッ!

キョン「っ!痛てて…あれ?」

見慣れた天井、抱き締めた枕、ぐちゃぐちゃになったベッド…

キョン「ここは…俺の部屋…だよな…」

夢…だったのか?それにしてはリアル過ぎた…
少し、吐き気がするほどだ

キョン「だ、だよな…ははっ…いやよかったよかった。夢でよかったよ…いやマジで」

880: 2008/06/05(木) 01:21:02.95 ID:JWxvlCebO
復活エンド

翌日、いつも通りに登校し、無難に授業を終え、これまたいつも通りに部室へとやってきた

ガチャ

古泉「おや、今日は早いですね」
みくる「あ、キョン君」

何となく、二人の目を見るのが怖い

キョン「いや、早めに終わったからな…ハルヒは?」
古泉「団長は今日は休みだそうで」
みくる「なんでも、新発見の恐竜がどうとか言ってましたよ…はい、お茶です」
キョン「あ、ありがとうございます(じ~)」
みくる「あ、あの!キョン君?」
キョン「え?」
みくる「そ、その…そんなに見られると…恥ずかしいです…///」
キョン「あ、すいません、つい…」
古泉「さてと、僕はバイトがありますからお先に」
キョン「あ、ああ…気を付けてな」
古泉「はい、お気遣いありがとうございます」

いつも通りの光景だ…本当に…夢でよかった…

907: 2008/06/05(木) 03:54:33.00 ID:JWxvlCebO
長門エンド

長門と結婚し、早三年が経つ
子供にも恵まれ、平凡だけれど幸せな家庭を築いていた
平凡でいい、俺はもう二度と長門を裏切ったりしない
今は心の底から長門を愛していると言える

長門「…これ」スッ
キョン「ん?」

長門は何かのチラシを渡してきた…そこには

『あの凉宮ハルヒが電撃入籍!相手は何と宇宙人!』
キョン「あいつは…全然変わってないな」
長門「…(コクン)」

ハルヒは今や、知らないものなどいないようなベンチャー企業の敏腕女社長になっていた

キョン「しかし、これは何の…あ」

今日は4月1日…エイプリルフールか

キョン「あいつは…まったく」
長門「……?」

長門…今日だけは愛してるとは言わない
だって、エイプリルフールだからな

920: 2008/06/05(木) 07:32:21.26 ID:2Uqofvl3O
復活エンド2

キョン「つ………!?……ん?ここは………俺の部屋……」

キョン「……うわ………なんて夢見てんだよ俺、これじゃあフロイト博士も再び大爆笑だぜ?!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~
部室
古泉「やあ、またあなたに会えるとは思いませんでした。今度こそダメかと思っていました」
みくる「キョンく~~~ん!ふえ~~~ん」
キョン「……………えと?」
長門「あなたはこの世界からおよそ1280時間消えていた」
キョン「……それって」
古泉「詳しくは僕にもわかりません。おそらく彼女が望んだんじゃないでしょうか?悲劇のヒロインを」
キョン「ちょっとまて、1280時間て………53日?一ヶ月以上だぞ?」
長門「世界の入れ代わりが発生していた。情報統合思念体も困惑していた」
キョン「…………………」
古泉「僕たちの次の課題は、彼女が好む物語や映画にも注意しなくてはいけないようですね」
みくる「あのう、やっぱりこの間かしたゲームがいけなかったんでしょうか」

キョン「…………ははは」

ハルヒ「みくるちゃーん!これすごくおもしろかったよ!……ってあれ?何みんなで変な顔して」

945: 2008/06/05(木) 11:49:00.44 ID:JWxvlCebO
朝倉エンド
朝倉「ウフフフフ」
キョン「朝倉……」

俺は朝倉の家に来ていた
ハルヒも長門も…どちらも選べなかった俺を

朝倉は、優しく癒してくれた

朝倉「そんなに目を真っ赤に腫らして…辛かったんですね…」
キョン「…ああ…辛かった…」
朝倉「もう、いいんですよ…あなたはもう、辛い目には会わせません」
キョン「朝倉…」

朝倉「忘れちゃったんですか?…私は…」
ガキンッ!ガチャ!

キョン「!?朝倉…一体何を…」

朝倉「私はあなたが好きなんです…だって私は…」

朝倉「凉宮ハルヒですから」


身動きができないように手錠をかけられ、俺は朝倉に監禁されてから
もう三ヶ月たった


今は…とても幸せだ…
朝倉…愛してる…

952: 2008/06/05(木) 12:56:57.49 ID:Mi96kZ8WO
鶴屋さんEND

俺は泣きながら帰っていると鶴屋さんにあった。
鶴屋さんは泣いてる事情を聞いてきて俺は今までの事をすべて吐いた。

鶴屋さんは少し考えて
鶴屋「ん~・・・まぁとりあえず家に行ってパーッと飲もうかキョン君」
俺は半分むりやり鶴屋さん宅へ連れられ未成年にも関わらず酒を飲み、もう何がなんだか分からない事もベラベラ喋った。

そして鶴屋さんと話しているうちに意識がもうろうとしていたそんな時に「大丈夫だよ」と言う声がした。

誰だろう?そして俺は意識が途切れた。

「・・・ン!キョ・・・ン!!」
誰だこの声は?

「キョン君起きてくださいキョン君!!」
朝比奈さん?・・・!!!

俺は目を開けるとそこはSOS団の部室でハルヒと朝比奈さんと古泉と長門が俺を囲んでいた。

ハルヒ「やっと起きたわね!もう下校の時間なのに起きないなんて・・・本当馬鹿」

古泉「なかなか起きなかったので私が運んで行こうとした所ですよ」
キョン「あぁ悪ぃな、迷惑かけて」

下校中にふと思ったんだが何か忘れているような気が・・・
まぁいいや。今はこのままで。

968: 2008/06/05(木) 14:19:42.95 ID:JWxvlCebO
ハーレムエンド
キョン「………」

ハルヒ「もちろん私よね?」
長門「………(じー)」
みくる「責任…取ってくれますよね?」
朝倉「ウフフフフ…」
鶴屋「やっぱここは大人の魅力っしょ!?」
キョンの妹「キョン~!」
古泉「あなたと…合体したい」
喜緑「あ…あの…その…」
谷口「AAA愛してるぅぅぅぅ!!」
コンピ研部長「や ら な い か 」


まさに…地獄だ…

971: 2008/06/05(木) 14:32:32.95 ID:2Uqofvl3O
長門エンド

キョン「長門、長門!」
長門「…嬉しい」
ハルヒ「……なにこれ?」
キョン「ごめんハルヒ。俺、やっぱり長門を裏切れない」
ハルヒ「嘘、ちょっとやだ。なにこれ。なんなのよ?いったい」
長門「わたしを……抱きしめて」
キョン「何があっても、もう離さないからな、有希」
長門「……嬉しい……はじめて名前で呼んでくれた。もう1回……」
キョン「ば!?バカ恥ずかしいだろ」
ハルヒ「いや…………」
キョン「!?地震!?うわ!すご大きいぞ」
長門「大型の局所変異をすぐ近く感知。急速に増大中」
キョン「こ、これが、古泉や朝倉さんが言っていた!!!??」
ハルヒ「いやああああああぁああぁあああ!」
長門「混沌、わたしやあなたを含む、この世界の終わりと始まり」
キョン「……………………」
長門「涼宮ハルヒにより、完全なる世界の破壊と創造が始まる
そこに、わたしやあなたはいない。ハルヒに拒絶されたわたし達は
涼宮ハルヒによって新しく作られる」
キョン「もうどうにもならないのか?」
長門「前にも伝えた。もうどうにもならない」
キョン「そっか………じゃあ受け入れるしかないな」
長門「あ………」
キョン「俺はずっとお前と一緒だからな、長門」
長門「嬉しい、もう一度、下の名前で呼んで…………」

長門の声を最後まで聞き終わる前に俺の目の前は真っ白になり
そのまま意識がぶわっと空中に広がってくような浮遊感を感じた後、俺の意識はなくなった。

その後はなにも知らない

972: 2008/06/05(木) 14:41:04.31 ID:Mi96kZ8WO
キョン発狂世界崩壊END(BAD)

俺は病院を出た後、長門と別に帰った
俺は来た道とは反対方向へ向かった。つまり帰りたくない。
ハルヒが言ったあの言葉「もういいんだよ」って何?素直に受けとれば良いのか?
俺は受け取っちゃいけない気がした。
そして今までの事を考えた。なんか馬鹿馬鹿しく思える。
夢だったらな・・・んなわけないか。
しばらく歩いてると俺は隣町まで歩いていたが、引き返さなかった。
そして考えてる内に一つの考えが出た
俺はハルヒの病室に向かうとハルヒはぐっすりと寝ていた。
少し様子を見て俺はナイフをハルヒの心臓に刺した
その時だ。すべてが真っ白になったのは・・・・・・
俺はただこの状況をいつまでも笑っていた。

973: 2008/06/05(木) 14:43:16.44 ID:JWxvlCebO

バッドエンド
みくる「あんな人形が1つ壊れたところで、どうということはないですから」

キョン「なん…だと…!?」

頭に血が上った、俺のことはいい
朝比奈さんに軽蔑されようが古泉に侮辱されようが
だが、長門にまで手を出すというのなら…

みくる「さようなら、キョン君」
ダッ!

キョン「うぉぉぉぉ!!」

何も考えず、俺は前に飛び出した!
朝比奈さんを殴り頃すこと以外何も考えていなかった

ドスッ!
みくる「くっ!」

俺の渾身のタックルが直撃し、朝比奈さんはその場に倒れた
すかさず俺は朝比奈さんの上に乗り

ゴスッ!メキャッ!ゴスッ!ボッコボコにしてやった

しばらく殴ると、朝比奈さんはぐったりとしてきて
そこで、俺は我に返った

キョン「あ…朝比奈…さん?」

朝比奈さんは既に…呼吸をしていなかった

991: 2008/06/05(木) 17:45:15.40 ID:0qFPWL/pQ
キョン妹End

キョン妹「キョンくんおかえり」
キョン「ただいま」
キョン妹「あれ?キョンくん元気ない」
キョン「………お前は元気だな」
キョン妹「今日はハルヒさんのお見舞い?有希さん一緒じゃないの?」
キョン「…………………今ちょっと取り込み中なんだよ」
キョン妹「元気だしてね」
キョン「はははは」
キョン妹「頭、撫でてあげるね」
キョン「…………お、おい、こら」
キョン妹「………で、どっちを選ぶの?」
キョン「え?」
キョン妹「分かるよ、あたしだって女の子だもん」
キョン「……………………」
キョン妹「まあいっか、どっちを選んだってあたしのお兄ちゃんには変わりないんだもんね。えへへ」
キョン「…………………」
キョン妹「キョンくん、どこにも行かないよね?」
キョン「……あ、ああ、お前を置いてどっかに行ったりしないさ」
キョン妹「えへへ、もっと撫でてあげるね」
キョン「……ありがとな」
キョン妹「うん」

おしまい

引用元: 「被害者の氏名は涼宮ハルヒ。涼しいの涼に……」