1: 2012/09/28(金) 05:56:23.37 ID:OrYjoU/u0
キリギリス「お、なんやなんや。やかましい奴やな」
蝉「!?誰だお前は!!」

鈴虫「ボウズ、どうした?もう秋だぞ」

蝉「えっ……他の奴は?」

キリギリス「しらんな。蝉さんは半月ほど前かは見てへんで。あんたどないしたん?」

鈴虫「っていうか季節ハズレだろ……もうボウズ以外の蝉は生きてないぞ」

蝉(そんな……少し惰眠を貪っていたら)

キリギリス「……じゃあ、わいは女の子とおめこして子供作るから。じゃあの」

鈴虫「まぁ………どんまい。来世で幸せにな」


蝉(………まだだ。俺以外の蝉。まだ居るはずだ。可愛い雌蝉が…!!)

こうして、蝉は仲間を探しに旅に出ました



蝉の寿命



7日

10: 2012/09/28(金) 06:06:37.54 ID:OrYjoU/u0
蝉(にしてもこれが……地上【エデン】か)


蝉は目の前の光景に心打たれた

冷たく硬い灰色の樹木
途轍もなく巨大な動く箱
自分の何倍もの大きさを誇る生物

見るもの全てが新鮮だった

蝉(すげぇ……地下とは大違いだ……よぉぉぉし!!
女の子見つけるぞォォォオ!!!!)



……

子供「ままー、蝉ないてるね」
母親「そうね、この時期にないてるなんて珍しいわね。さ、スーパーにサンマを買いにいくわよ」
子供「お菓子も買って!」

………


蝉「はぁぁぁ!!!!…はぁ…………仲間の声が聞こえない
超え出す元気もない…お腹も空いてきた……寒い」

蝉は鳴き続けました
しかし、仲間の声は聞こえません

13: 2012/09/28(金) 06:12:20.08 ID:OrYjoU/u0
蝉(………暗くなってきたな。今日の寝床探すか……どもどこで寝れば良いんだろ)

蝉は悩みました
自分がどこで寝ればいいかわからないからです
仲間が居れば、相談して眠る事もできます

しかし、蝉は地上に出てから一人ぼっち

同じ仲間の蝉にわからない事があっても相談する事が出来ません


蝉「な、なぁ。俺ってどこで寝ればいいかな?」

コオロギ「えー?知らないよ。僕蝉じゃないもん」

蝉「そ、そうか。ごめん」



蝉「ねぇ、他の蝉はどこで寝てた?」

アキアカネ「えー?よくわからないなぁ」

蝉「…ありがとう」


蝉は自分の寝床すら探す事が出来ませんでした

18: 2012/09/28(金) 06:18:01.99 ID:OrYjoU/u0
蝉(どうしよう……どこで寝れば良いのかなぁ……
ここら辺は灰色の樹木や硬い箱が多くて落ち着かない)


蝉は住宅街生まれ

本来らそこは蝉が生活するのに適して居ないのですが
仲間に相談する事が出来ない蝉はその事にも気づきません

蝉(………ここら辺でいいか。
少し小さい木で落ち着かないけど他よりはマシだ)


こうして、蝉は住宅地にポツンと立っていた植木に掴まって眠る事にしました



蝉(明日は見つかるかなぁ………)




蝉の寿命 あと6日

22: 2012/09/28(金) 06:26:13.75 ID:OrYjoU/u0
「ぎゃあぎゃあ」


翌朝、蝉は何かの鳴き声で飛び起きました

蝉「な、なんだ!」

でかいカラス「おら、雑魚は他所いけ。ここは俺の縄張りだ」

ちびカラス「うぅ……お願いします。もう丸2日何も食べていないんです」

でかいカラス「知るかよ。ここは俺の縄張り、譲らねェ。今日は燃えるゴミの日だしな!ご馳走たっぷりよ」

ちびカラス「お願いします……お願いします……」

蝉(なんだあれは)

蝉は、初めて見るカラスに興味津々です

でかいカラス「やかましい!そんなに腹が減ってりゃ虫でもくっとけ!ギャハハハ」

ちびカラス「うぅ……」


23: 2012/09/28(金) 06:33:07.13 ID:OrYjoU/u0
ちびカラス「お腹がすいたよう……」

蝉「………よくわからんが地上は色んな生き物がいるんだな……
さて、今日も仲間を探しにいくか。よっしゃあァァァあ!!」ミーンミーン

ちびカラス「!!!!この声は……蝉!!」バサッ

蝉(な、なんだ?。あの生き物がこっちに向かってくる…!?)


蝉は逃げました

そして気づきました

地上は必ずしも楽園ではないのだ、と

自分を食糧にする為に襲ってくる生き物もいるのだ、と


蝉(追ってくる…!!!)

ちびカラス「逃がさない。2日ぶりの……ごはん…!!」


27: 2012/09/28(金) 06:44:26.64 ID:OrYjoU/u0
蝉(うわぁぁぁもうダメだぁぁぁ!!!)

ちびカラス「捉えた!!」

蝉は自分の命が脅かされ恐怖のあまり、おしっこを漏らしてしまいました

ちびカラス「うっ…目に…!?……くそ見失った……」




蝉「……何とか逃げ切れた……けど疲れた……少し休もう」

蝉は何とか逃げ切れました

地上で味わった初めての恐怖

身体中の水分を放出し、身軽になったため何とか逃げ切る事が出来ました


蝉(……怖い。でも。仲間を探さないと……可愛い雌蝉を)


蝉は少し休んだあと。仲間を探すたびに再び空を飛びました

33: 2012/09/28(金) 06:56:37.98 ID:OrYjoU/u0
その後、蝉は色々な体験をしました



キリギリスにつれられ、住宅地にひっそりとある林の中に行った事

そこで生き残りの雄蝉(非童O)の仲間と出会った事

そこでスズメバチに襲われ、自分を助ける為に仲間(非童O)が犠牲になり、
種としての役目を終えていた仲間(非童O)は勇敢に散っていった事

何故、雌蝉を求めるのか、という事


そして自分が遅くに起きた本当の理由を



蝉はいつの日か雌蝉と出会えるかもしれませんし、出会えないかもしれません

それはこれから起こる事なので誰にもわかりません

しかし、未来はあなたの心の中にあるのです


終劇

37: 2012/09/28(金) 07:02:58.78 ID:Uf5uFCSb0
絵本っぽいと思ってはいたが

38: 2012/09/28(金) 07:03:58.11 ID:3RVJZWp80
俺は4点やる

45: 2012/09/28(金) 07:14:06.44 ID:8K0Dhj570
評価する

引用元: 蝉「っしゃぁぁぁぁ!!!地中からでたぜぇぇ!!!」