1: 2012/12/09(日) 18:00:12.95 ID:A93sxNlt0
カヲル「?」

シンジ「しかも、学校じゃ美人で有名だし!エリートパイロットだし!」

シンジ「あ、エリートパイロットは自称だけど」

シンジ「そんな子と暮らすなんて……これって!相当ヤバイよね!?」
新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画(10) (角川コミックス・エース)
2: 2012/12/09(日) 18:00:47.14 ID:A93sxNlt0
ヲル「ヤバイ?どういうことかな」

シンジ「僕自身もわからないんだけど……」

シンジ「あ!ミサトさんとかも結構美人らしいし」

シンジ「そんなお姉さんと暮らしてる僕をトウジとか羨ましがってたし」

シンジ「やっぱり、僕はヤバイんだ!」

4: 2012/12/09(日) 18:01:57.22 ID:A93sxNlt0
シンジ「なんなんだろ?この気持ち……」

カヲル「素敵だね」ニコッ

シンジ「?」

カヲル「それは君の心が満たされているってことなんだよ」

シンジ「そ、そうなのかなぁ」モジモジ

5: 2012/12/09(日) 18:03:16.85 ID:A93sxNlt0
シンジ(心が満たされてる……か)トボトボ

ミサト宅

シンジ「ただいま!」

ミサト「あら、シンちゃん。おかえりなさい♪また、渚君のところ?」

アスカ「まったく!帰ったんならさっさと夕飯つくってよぉ」

シンジ「うん」

ミサト「アスカったら、渚くんにシンちゃんを取られてヤキモチ焼いてるのね」

アスカ「なっ!!ちがーう!!」

シンジ「すぐに、ご飯作るよ!」

6: 2012/12/09(日) 18:04:01.27 ID:A93sxNlt0
シンジ「~♪」トントン

アスカ「」ジー

シンジ「どうしたの?」

アスカ「ちょっと、飲み物取りに来ただけ」

シンジ「そう、もうすぐできるから待ってて」

アスカ「あのホ〇に何かされてないでしょうね……」

シンジ「ひどいなぁ。カヲルくんはそんな人じゃないよ」

アスカ「ふん!怪しいわよ!」

ミサト「あすかぁ、シンちゃんの邪魔しちゃだめでしょう~」

アスカ「邪魔なんかしてないっ!」

8: 2012/12/09(日) 18:04:47.93 ID:A93sxNlt0
学校

アスカ「おっはよう!ヒカリ!」

ヒカリ「おはよう!」

シンジ「おはよう」

トウジ「なんやなんや?また、二人でイチャイチャしながらきたんかいな」

ケンスケ「うらやましいね~」コノコノー

シンジ「イチャイチャなんかしてないよ」

アスカ「そうよ!このばかっ!!」

トウジ「照れんでもでもええんやで~」

ヒカリ「すずはらー!!」

10: 2012/12/09(日) 18:06:39.04 ID:A93sxNlt0
昼休み

シンジ「」モグモグ

ケンスケ「いつも思うんだけど碇っていいよな~」

シンジ「?」

ケンスケ「だってさぁ、美人なミサトさんや式波と一緒に住んでるんだもん」

トウジ「わいわ、式波はいけすかんかどな!それ以外は同意や!」

シンジ「そう?いいかな」ニヤニヤ

ケンスケ「いいに決まってるだろ!?僕と代わってほしいくらいだよ!」

シンジ「そんな、代わってほしいだなんて」

トウジ「そのセリフも何回目やねん。ケンスケ」

ケンスケ「だってさ~」

11: 2012/12/09(日) 18:07:26.36 ID:A93sxNlt0
アスカ「シンジ」

ケンスケ「ほぉら、おいでなすった」

アスカ「な、なによ」

ケンスケ「べつに~」ニヤニヤ

シンジ「どうしたの?アスカ?」

アスカ「アンタ、ミサトのメール見てないの?」

シンジ「?」

アスカ「冷蔵庫のビール切らしたから買ってきてだって」

シンジ「え?昨日、いっぱい入ってたじゃないか」

12: 2012/12/09(日) 18:08:02.99 ID:A93sxNlt0
アスカ「全部飲んだんでしょ。ミサトのことだし」

シンジ「わかったよ。今日は放課後に買い物にいくつもりだったし」

アスカ「じゃぁ、私も行くわ。ビールも買うんじゃ一人で持てないでしょ?」

シンジ「うん!ありがとう、アスカ」

ケンスケ「くぅぅぅぅぅ」

トウジ「あかん!眩しいてお前らが見えへんわ!」

アスカ「そこ!!黙りなさい!!」

13: 2012/12/09(日) 18:11:48.36 ID:A93sxNlt0
放課後

シンジ「ミサトさん、ビールにどれくらいお金使ってるんだろ」

アスカ「そんなの考えても切りがないわよ」

シンジ「なんだか、二人で買い物なんて新鮮だね」

アスカ「なっ///、まぁいつもはシンジに任せてるからね」

アスカ「ほら、もうすぐ着くわよ」スタスタ

15: 2012/12/09(日) 18:13:44.90 ID:A93sxNlt0
スーパー

アスカ「あ~、アイス食べいたなぁ」

シンジ「だめだよ。節約しなくちゃ」

アスカ「いいじゃない、アイスくらい」

シンジ「家についたらすぐご飯作るから」ニコッ

アスカ「じゃぁ、我慢する」

16: 2012/12/09(日) 18:14:33.30 ID:A93sxNlt0
ミサト宅

シンジ「~♪」ジャー

アスカ「こらぁあああ!!それは私の下着!!待ちなさい!!」タッタッタッタ

ペンペン「クワ!!クワー!!」バサバサ

アスカ「待てって言ってるでしょ!!この工口ペンギン!!」

ペンペン「クワクワクワ!!」バサバサ

アスカ「もう!!ミサトぉ!なんとかしてよ!」

ミサト「え~。今、テレビいいところなのよ~。後でね」

アスカ「あぁもう!これじゃぁ、洗濯ものたためないぃぃ」

17: 2012/12/09(日) 18:16:23.16 ID:A93sxNlt0
次の日

シンジ「それで、アスカがさぁ!こけちゃったんだよ」アハハハ

カヲル「そう、それは大変だったね」ニコッ

シンジ「うん、アスカったらずっと怒っててさぁ。顔ふくらして」プフフ

カヲル「君の家はとても賑やかで楽しそうだね」

シンジ「賑やかすぎるくらいだよ」エヘヘ

カヲル「きっと、すごく心地いいんだろう」

シンジ「うん、なんだか。すごく落ち着くんだ」

シンジ「あったかいって言うのかな?……こういう経験、今までにしたことなかったから」

カヲル「もう、こんな時間じゃないか。そろそろお開きにしよう」

18: 2012/12/09(日) 18:17:25.25 ID:A93sxNlt0
カヲル「君の家族も心配しているだろうからね」

シンジ「家族?」

カヲル「?」

カヲル「何かおかしなこと言ったかな」

シンジ「ううん!なんでもないよ!それじゃぁね!カヲルくん!また遊びに来るよ!」

カヲル「あぁ、いつでも来るといいよ。待ってるからね」ニコッ


シンジ(家族かぁ……ふふ、カヲルくんには僕達が家族のように見えるんだ)

19: 2012/12/09(日) 18:18:33.80 ID:A93sxNlt0
ミサト宅

イタダキマース

シンジ「~♪」パクパク

ミサト「シンちゃん。今日はご機嫌ね♪渚くんのところでいいコトでもあったの?」

シンジ「え?いや、何もないですよ。ただ、話をしてただけです♪」

アスカ「絶対!何かあったー」

ミサト「いい友達を持ったわね。大切にしなさい」ニコッ

シンジ「うん!」

アスカ「アイツはどこかおかしいわよ。シンジも気をつけなさい」

ミサト「コラ!アスカ!」

シンジ(カヲル君と話をするのも心が落ち着いて楽しいけど)

シンジ(やっぱり、こうして三人でいるのが一番、楽しいかな)

アスカ「また、ニヤついてるぅ。きもちわるっ」

ミサト「アスカだって、昨日のこけた時の顔。相当、面白かったわよ」

アスカ「ぶっ!もう!やめてよ!ミサトぉ!」

21: 2012/12/09(日) 18:23:01.15 ID:A93sxNlt0
次の日

ミサト「シンジくん!!アスカ!!起きなさい!!」

シンジ「ふぁあ……おはようございます」

アスカ「ふぅ……まだ、眠い」

ミサト「ふたりとも!!!時間見て!!寝過ごした!」

シンジ アスカ「え!?」

22: 2012/12/09(日) 18:24:21.88 ID:A93sxNlt0
シンジ アスカ「行ってきまーす!!」

タッタッタッタ

シンジ「間に合うかな?」

アスカ「優等生の私が遅刻だなんてありえないっ!!」

シンジ「そうだね」

アスカ「あぁもう!!眠いし疲れるし!!最悪よ!!」

24: 2012/12/09(日) 18:26:50.31 ID:A93sxNlt0
学校

シンジ「」ゼェゼェ

アスカ「」ハァハァ

トウジ「二人揃ってギリギリセーフか」

シンジ「なんとか、間に合ったね」

アスカ「ま、間にあったけど……体が…だるい」

ヒカリ「おはよう!」

ケンスケ「おはよう、ふたりとも」

25: 2012/12/09(日) 18:28:55.35 ID:A93sxNlt0
数日後

ネルフ本部

アスカ「えーっ、手で、受け止める!?」

ミサト「そう。落下予測地点にエヴァを配置、A.T.フィールド最大で、あなたたちが直接、使徒を受け止めるのよ」

シンジ「使徒がコースを大きく外れたら…?」

ミサト「その時はアウト」

アスカ「機体が衝撃に耐えられなかったら?」

ミサト「その時もアウトね」

シンジ「勝算は?」

ミサト「神のみぞ知る、と言ったところかしら」

26: 2012/12/09(日) 18:29:34.17 ID:A93sxNlt0
ミサト「ブリーフィングは以上よ」

ミサト「作戦開始まで、エヴァに乗って各自待機。いいわね」

アスカ「は~い」


シンジ「……」

カヲル「さぁ、僕達も急ごう」

シンジ「……」

カヲル「どうしたんだい?乗らないのかい?」

27: 2012/12/09(日) 18:31:58.95 ID:A93sxNlt0
シンジ「忘れていたわけじゃなかったんだ……」

シンジ「使徒の存在…」

シンジ「でも……やっぱり、いざとなると……」

カヲル「……」

28: 2012/12/09(日) 18:32:42.74 ID:A93sxNlt0
シンジ「…カヲルくんは怖くないの?」

カヲル「エヴァに乗ることがかい?それとも使徒と戦うこと?」

シンジ「使徒に負けること……」

カヲル「あまりそういうことは考えないほうがいいよ」

シンジ「でも……もし、この配置が外れて……」

シンジ「誰も使徒を受け止められなかったらどうなるんだよ!」

シンジ「みんな、氏んじゃう……もう、あの家には帰れなくなる!」

カヲル「大丈夫。僕が必ず勝つさ」

シンジ「いくらカヲルくんでも……そんなの当てにならないよ…」

29: 2012/12/09(日) 18:33:49.98 ID:A93sxNlt0
カヲル「戦って勝つしか無い。そうだろ?」

シンジ「……」

カヲル「君はこの作戦で君自身ができることを全てやり尽くせばいい」

カヲル「セカンドもファーストもいる。それに僕もね」

カヲル「きっとなんとかなるさ。――何とかしてみせるよ」

シンジ「カヲルくん……」

カヲル「守りたいものがあるんだろ?だったら、強くそう願うんだ」

カヲル「君のエヴァはきっと君の望みを叶えてくれるから」ニコッ

レイ「そろそろ、時間」

カヲル「さぁ、行こう。シンジくん、僕達でこの街を守るんだ」

シンジ「うん」

30: 2012/12/09(日) 18:34:51.80 ID:A93sxNlt0
作戦終了後

初号機 エントリープラグ内部

シンジ「勝てた……守ったんだ…みんなを…家族を……」

アスカ『ふん!今日のところはアンタのおかげってことにしておいてあげるわ!』

シンジ「アスカ……」

カヲル『初号機に君の願いが届いたようだね』

シンジ「うん……」

カヲル『また、明日を生きることができる。それも全て君のおかげだよ』

カヲル『ありがとう。シンジくん』

シンジ「みんながいてくれたから……僕一人じゃ何もできなかったよ」

カヲル『そう思ってくれるのなら光栄だよ。僕も頑張ったかいがある』

カヲル『それじゃぁ、また後で会おうね。シンジくん』

31: 2012/12/09(日) 18:36:37.06 ID:A93sxNlt0
アスカ「あぁあ、お腹すいた~」

ミサト「シンジくんは?」

アスカ「また、あのホ〇についていった」

ミサト「そう、せっかく何かご馳走しようと思ってあげたのに」

アスカ「じゃぁ私達だけで♪」

ミサト「だめよ。今度、みんなで行きましょ」ニコッ

アスカ「バカシンジぃぃぃ。許さない!」

ミサト「ふふ、さぁ帰りましょ」

32: 2012/12/09(日) 18:39:35.53 ID:A93sxNlt0
カヲル「元気、少ないね」

シンジ「……」

カヲル「僕たちは使徒に勝つことができたんだ。何も気に病むことなんかないと思うけど」

シンジ「今日はたまたま勝てたけど……次は負けちゃうかもしれない」

カヲル「……」

シンジ「なんだか、ずっと不安なんだ……どうしてかな?」

シンジ「使徒が怖いと思ったことは何度もある。だけど……何か違うんだ…」

カヲル「君が恐れているのは使徒に負けることなんかじゃないよ」

シンジ「え?」

33: 2012/12/09(日) 18:44:02.48 ID:A93sxNlt0
カヲル「今を失うことを恐れているんだよ」

シンジ「今を失う?」

カヲル「そう、今まで君が過ごしてきた日常そのものを失う怖さ」

カヲル「それが君の不安を煽るんだ」

シンジ「カヲル君てなんでもわかっちゃうんだね……カヲル君に言われるとそんな気がするよ」

カヲル「君が前に言ってったことじゃないか」

カヲル「3人で暮らす今はすごく心地いいってね」

シンジ「……」

35: 2012/12/09(日) 18:49:31.13 ID:A93sxNlt0
シンジ「カヲルくんの言うとおりだよ……」

シンジ「僕は今すごく幸せなんだ」

シンジ「ミサトさんがいて…アスカがいて……」

シンジ「帰る場所があるんだ。待っていてくれる人がいるんだ」

シンジ「僕の作るご飯を食べてくれる人……僕の話を聞いてくれる人……」

シンジ「一緒にテレビを見て笑ったり……落ち込んでたら心配してくれたり」

シンジ「本当はこんなこと普通なのかもしれない……」

シンジ「でも、僕はそれを幸せに感じるんだ!」

シンジ「父さんに捨てられて……母さんのことだって何も知らない」

シンジ「家族がどんなものなのか僕にはわからなかった。それの暖かさも……」

シンジ「今はすごくわかるんだ……とても暖かいって感じるんだ!だから!」

38: 2012/12/09(日) 18:57:04.14 ID:A93sxNlt0
シンジ「失いたくないんだよ……」

カヲル「だから、僕たちはエヴァに乗って戦うんだろ?」

シンジ「使徒に勝っても僕の不安は消えないと思う……」

カヲル「使徒を全て倒したらどうなるのか?それを知りたいんだね」

シンジ「エヴァのパイロットだから……使徒と戦わなくちゃいけないから」

シンジ「僕たちは一緒に暮らしている。でも…それだと……」

カヲル「パイロットでなくなったら、みんなバラバラになってしまう」

カヲル「もう家族でいられなくなってしまう、そう思うのかい?」

シンジ「……うん」

40: 2012/12/09(日) 19:00:22.39 ID:A93sxNlt0
カヲル「未来のことなんて誰もわからないさ」

カヲル「僕たちは一秒先すら知ることができない。生きることができないんだ」

カヲル「僕たちは今を生きることしかできないんだよ」

シンジ「だったら、僕はどうすればいいの?」

カヲル「今を生きることしかできないんなら、いや、だからこそ今を思う存分たのしめばいいさ」ニコッ

カヲル「だって、今の君は幸せなんだろ?なら、それでいいじゃないか」

シンジ「でも……」

カヲル「さぁ、もうこんな時間だよ」

シンジ「うん、色々とありがとうカヲルくん」

カヲル「不安が消えなくてもそれ以上の幸せが君を包んでくれるはずだよ」ニコッ

42: 2012/12/09(日) 19:16:05.54 ID:A93sxNlt0
ミサト宅

ミサト「おかえり~シンちゃん♪出来合いの物だけど、食べてね」

アスカ「おそい~バカシンジ」

ミサト「あら、遅いとか言う割には先に食べ始めてたじゃない」

アスカ「だって、お腹が空いてたんだから!しょうがないじゃない!餓氏しろっての!?」

アスカ「こんな汚い部屋で!」

ミサト「こらアスカ!!」

シンジ「遅くなってすみません」

ミサト「いいのよ!さっ!食べましょ!」

45: 2012/12/09(日) 19:22:09.14 ID:A93sxNlt0
アスカ「まぁ、」モグモグ

アスカ「悪くはないわね」モグモグ

ミサト「あら、やっぱり、シンちゃんの料理には負けるかしら?」

アスカ「///////」

アスカ「ミサト!!!」

ミサト「なにかしら~♪」

シンジ「」パクパク

ミサト「どう?シンちゃん」

シンジ「はい、美味しいです」

ミサト「良かった♪」

46: 2012/12/09(日) 19:25:14.40 ID:A93sxNlt0


シンジ(カヲルくん……やっぱり、無理だよ……)

シンジ(みんなといるのが心地いいと感じれば感じるほど失うのが怖くなる……)

シンジ(全てが崩れ落ちた時、僕はどうなるの?その悲しみに耐えられるのかな?)

シンジ(無理だよ……)

シンジ(もう、そういうのはごめんだ!!!)

シンジ(だったら……いっそ…)

47: 2012/12/09(日) 19:27:38.82 ID:A93sxNlt0
シンジ(一人になってしまえばいいじゃないか……)

シンジ(父さんに捨てられた時からずっと一人だったじゃないか……)

シンジ(失うものが何も無ければ傷つくこともない……)

シンジ(幸せを感じるから不安にかられる……)

『僕たちは一秒先すら知ることができない。生きることができないんだ』

シンジ(今後、どうなんるかなんて僕にはわからない……)

シンジ(本当はミサトさんやアスカだって何を考えているのかわからない)

シンジ(3人が家族だって思っているのも僕だけかもしれない……)

シンジ(ただ仕方がないから同居しているだけ……そう思っているかもしれないじゃないか…)

50: 2012/12/09(日) 19:32:26.38 ID:A93sxNlt0
次の日

学校

アスカ「ねぇシンジ。ミサトが何かご馳走してくれるって」

アスカ「何か食べたいのとかある?」

シンジ「別に」

アスカ「アンタねぇ…折角、ミサトがご馳走してくれるって言ってるのに」

アスカ「もうこれっきりかもしれないのよ?」

シンジ「今日、僕は家にいるよ」

アスカ「はぁああ?来ないつもりなの?なんで?具合でも悪いの?」

シンジ「そういうわけじゃないけど……」

アスカ「ねぇシンジ、……大丈夫?何かあったの?」

51: 2012/12/09(日) 19:34:33.18 ID:A93sxNlt0
ミサト「結局、シンちゃんは来ないのね……」

アスカ「バカシンジのやつ…何考えてるのかしら?」

レイ「」

カヲル「……」

ミサト「さっ!とにかく!昨日はみんなお疲れ様!行きましょ♪」

アスカ「って!結局ラーメン屋?」

ミサト「しょうがないでしょ~。レイがお肉だめって言うんですもの」

アスカ「ま、ミサトもあまりお金に余裕がないみたいだし?これで勘弁してあげる」

ミサト「言うわね……」

カヲル「大勢で食事何て久しいね」

ミサト「あらそうなの?みんなで食べるほうが同じものでも何倍も美味しいのよ♪」

52: 2012/12/09(日) 19:38:39.78 ID:A93sxNlt0
ミサト宅

シンジ(今から距離を置いておけば少しでも傷つかなくてすむ……)

シンジ(これでいいんだ……)

シンジ(一人のほうが僕にあってるんだ)

シンジ(また、今までも僕に戻るだけだ……)

55: 2012/12/09(日) 19:43:37.76 ID:A93sxNlt0
ミサト宅

アスカ「あぁ……おなかいっぱい」

ミサト「シンジくんただいまー」

シーン…

ミサト「あら、もう寝たのかしら」

コンコン

ミサト「シンジくん?シンジくんにも何か買ってきたんだけど食べる?」

アスカ「ちょっとバカシンジ~」

シーン……

56: 2012/12/09(日) 19:46:20.64 ID:A93sxNlt0
シンジ(やめてよ……僕に優しくしないでよ……)

シンジ(お願いだ……僕に構わないで…)

ミサト「具合でも悪いのかしら?学校はどうだったの?アスカ」

アスカ「私も聞いたけど具合は悪くないって。でも、バカシンジにしては何か元気なかったような」

ミサト「シンちゃん?何かあったの?」

シーン……

ミサト「入るわよ?」

ガラッ

57: 2012/12/09(日) 19:49:53.01 ID:A93sxNlt0
シンジ「」

ミサト「どうしたの!?部屋の隅で三角座りなんかしちゃって」

ミサト「学校で何か嫌なことでもされたの?」

アスカ「シンジ……」

シンジ「……」

アスカ「ちょっとシンジ……なんとか言いなさいよ…気になるじゃない」

シンジ「……」

58: 2012/12/09(日) 19:52:10.48 ID:A93sxNlt0
シンジ(どうして……ほっといてよ!!)

シンジ(やめてよ!!)

シンジ(優しくされればされるほど二人を疑ってしまう……)

シンジ(本当は心配なんかしてないって……ただ、気を使ってるだけだって)

シンジ「……」

ミサト「シンジくん……話したくないのなら無理に話さなくていいわよ」

ミサト「でも、もし自分ではどうしようもなくなっちゃったら」

ミサト「遠慮しないで、私やアスカに頼って」

59: 2012/12/09(日) 19:52:40.92 ID:A93sxNlt0
シンジ「構わないでくださいよ」

アスカ「え?」

シンジ「もう僕に構わないでくださいよ!!!」

ミサト「シンジくん?」

シンジ「嫌なんですよ!ここでみんなと暮らすのが!!」

シンジ「こんな馴れ合いもう散々だよ!!!!」

ミサト「どうしちゃったのよ?」

シンジ「やめてよ!!僕に近づかないでよ!!!」

シンジ「僕のことを嫌いになってよぉおお!!!!」

60: 2012/12/09(日) 19:53:19.45 ID:A93sxNlt0
アスカ「ホント馬鹿ね……」

ミサト「アスカ!」

アスカ「あぁあ、もう限界。こんなところでこんなバカと一緒に暮らすなんて」

シンジ(やっぱりそうだったんだ……暖かいなんて思ってたのは僕だけだったんだ…)

アスカ「何が慣れ合いよ!!アンタに合わせてやっただけでしょう!!?」

アスカ「嫌いになれ?アンタに言われなくてもずぅっと前からバカシンジのことなんか」

アスカ「だいっきらよぉ!!!!」

シンジ(なんだよ……家族だなんて……そんなのここにはなかったんだ…)

シンジ(僕が勝手にそうだと思い込んで…勝手に不安になって……勝手に……)

シンジ(はじめから失うものなんて何もなかったんだ!!)

シンジ「うわっぁああ!!!」ドガシャーン

ミサト「シンジくん!?」

61: 2012/12/09(日) 19:54:27.31 ID:A93sxNlt0
バリーン ガシャーン

シンジ「こんな家なんか!!もう誰も住めなくなればいいんだ!!」

シンジ「家族だと思ってたんだ!!!みんなもそう思ってると思ってたんだ!」バリーン

アスカ「」スタスタ

ミサト「アスカ!!どこ行くのよ!!!」

アスカ「こんな散らかった家なんか住めない。出ていく」スタスタ

ミサト「アスカ!!!」

シンジ「僕も出ていきます」スタスタ

ミサト「待って!!二人共!!!」

62: 2012/12/09(日) 19:58:52.24 ID:BIbmbuZh0
oh…

63: 2012/12/09(日) 20:00:01.91 ID:YPdeyYoD0
めんどくさい奴だな

70: 2012/12/09(日) 20:22:53.91 ID:A93sxNlt0
シーン

ミサト「……」

ミサト「部屋、片付けなくちゃね……」

ペンペン「クワ?」

ミサト「貴方はここに残ってくれるのね」

ミサト「ありがとう。ペンペン」

73: 2012/12/09(日) 20:27:30.11 ID:A93sxNlt0
カヲル「どうしたんだい?こんな遅くに」

シンジ「…しばらく、泊めてほしいんだ……」

シンジ「いいかな?」

カヲル「構わないよ。さぁ、上がって」ニコッ


ヒカリ宅

ヒカリ「どうしたの!?アスカ!?」

アスカ「うぅ……しばらくここに泊めさせて欲しいの」グスンッ

ヒカリ「家出?」

アスカ「……」コクリッ

75: 2012/12/09(日) 20:33:28.58 ID:A93sxNlt0
カヲル「そう、君は不安に耐えることができなかったんだね」

シンジ「これで、もう……余計なことを考えなくてすむ」

シンジ「カヲルくん…」

カヲル「なんだい?」

シンジ「このまま…ずっと、ここにいてもいいかな?」

カヲル「いいけど、3人で暮らすのを拒んだのに、どうして僕は」

シンジ「カヲルくんは…ミサトさんたちと違っていつも素直でいてくれている気がするんだ」

シンジ「だから、僕もカヲルくんには心を開ける感じがするだ…」

83: 2012/12/09(日) 20:38:57.87 ID:A93sxNlt0
ヒカリ宅

ヒカリ「少し、落ち着いた?」

アスカ「うん、ありがと……」

ヒカリ「そのぉ、話したくないならいいんだけど」

ヒカリ「シンジくんと喧嘩でもしたの?」

アスカ「」

ヒカリ「え!えっと!本当に無理に話さなくていいよ!?」

ヒカリ「あ!そうだ!お茶いれてくるね!」

アスカ「ヒカリぃ…」ウルウル

85: 2012/12/09(日) 20:45:12.23 ID:A93sxNlt0
次の日

ケンスケ「あっれ~、碇は休みなのかぁ」

トウジ「また、エヴァとかいうのやろ?なにしてんねやろな」

ケンスケ「委員長は式波と仲いいんだろ?ねぇ、何で休んでるのか聞いてない?」

ヒカリ「へ!?知らない!知らない!」アセアセ

ケンスケ「きっと、大規模作戦が近々あるんだよ!くぅぅ!たまんないねぇ!」

トウジ「ケンスケ…お前なぁ」

88: 2012/12/09(日) 20:48:38.38 ID:A93sxNlt0
ネルフ本部

リツコ「聞いたわよ。二人共、家出したそうじゃない」

ミサト「……」

リツコ「何があったの?あなた達、うまくやってたじゃない」

ミサト「わからない……けど」

ミサト「見透かされてたのかしらね……」

ミサト「家族を演じてるって」

90: 2012/12/09(日) 20:51:17.91 ID:A93sxNlt0
ヒカリ宅

アスカ「学校、どうだった?」

ヒカリ「碇くん、来てなかったよ」

アスカ「何してんのかしら……あの馬鹿」

ヒカリ「碇くんも出ていっちゃったの?」

アスカ「そうよ……部屋をぐちゃぐちゃにしてね」

91: 2012/12/09(日) 20:59:07.32 ID:A93sxNlt0
カヲル「もう、学校へは行かないのかい?」

シンジ「……」

カヲル「人付き合いは煩わしい、か」

シンジ「何も考えなくていい……傷つくこともない」

シンジ「これでいいんだ…」

おわり

43: 2012/12/09(日) 19:18:16.47 ID:vXHqR0wl0
はい

48: 2012/12/09(日) 19:30:54.59 ID:xkxTL/9t0
鬱病の症状ですので、精神科にどうぞ

72: 2012/12/09(日) 20:25:19.28 ID:PpAO98EC0
ミサトさん可哀想だから俺が代わりに住んであげる

86: 2012/12/09(日) 20:46:19.84 ID:AsUr5JdzO
カヲルくんは本当にシンジくん思いだな

89: 2012/12/09(日) 20:50:06.47 ID:2N3dRzTx0
ほも√やで

引用元: シンジ「同い年の女子と同居するのってやばいよね?」カヲル「え?」