1: 2045/01/11(日) 01:13:08.01 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「はい! なんとかなりませんか? ほら! 今日もここの所を思いっきり殴られて~」

あぎり「別に何ともなってないようですよ~?」

やすな「はい! 私の治癒力なら一コマあれば瀕氏からも健常そのものになれます!」

あぎり「それなら別にこのままでもいいんじゃ~?」

やすな「いえ、それでも痛いものは痛いんです! このままじゃ命がいくつあっても足りなさそうなんです~!!」

あぎり「ん~……そうですね~」

やすな「ほら、あぎりさんなら忍法でどうにかできるんじゃないかと思って」
キルミーベイベー 13巻 (まんがタイムKRコミックス)
4: 2045/01/11(日) 01:16:39.37 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「忍法とか秘薬なら色々ありますよ~ 例えばこんな薬とか~」

やすな「おお! どんな薬ですかそれ!!」

あぎり「暴力を振るいそうになった時、知能指数をゴリラ並みにする秘薬です~」

やすな「す、凄い!! 元々ゴリラのようなソーニャちゃんにぴったり…!! それをゴリニャに飲ませれば!」

あぎり「シミュレーションしてみましょうか~ 忍法『未来予知の術』」

あぎり「………………」

やすな「ワクワク!」

あぎり「あ、やすなさんが氏にました~」

5: 2045/01/11(日) 01:18:45.02 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「し、しししし…氏んだあぁぁ!?」

あぎり「はい~ ゴリラ並みの知能になったソーニャに千切られて~」

やすな「あわわわわ………」ブルブル

あぎり「あ、ゴリラソーニャが鼻くそ食べてます~ ウフフフフ~」

やすな「笑い事じゃないですよ~!! 私氏んじゃってるでしょ!!」

あぎり「次のコマで復活してますよ~」

やすな「私凄っ!?」

あぎり「と、いうわけでこのお薬入りますか~? 税込3456円とお買い得ですよ~」

やすな「いりませんよ! それにまた半端な値段!」

あぎり「文句は首相に言ってくださ~い。元々は3360円だったのに、増税しちゃったから~」

やすな「な、なんて世知辛い… 忍者なのに…」

6: 2045/01/11(日) 01:22:59.34 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「うふふふ~ 他にはこんな薬とかありますよ~」

やすな「今度はどんな薬ですか!!」

あぎり「暴力を振るいそうになった時、振おうと思った相手が怖いものに見える秘薬です~」

やすな「つまり私がソーニャちゃんにとって一番怖いものに見えるって事ですか!?」

あぎり「そうなります~」

やすな「そ、それは凄い! それならあの鬼のようなソーニャちゃんも………」

あぎり「あ、ダメですね~ またやすなさんが氏にました~」

やすな「ぎゃあああああ!! こ、今度はどうして!」

あぎり「やすなさんが巨大な化け物に見えたみたいで~ 本気で頃しにかかっちゃったみたいです~」

やすな「ででででも! 次のコマでちゃんと復活ーーー」

あぎり「した途端にもう一度殺されました~」

やすな「ぎにゃああぁぁぁ!!」

あぎり「はい、それではこのお薬税込12960円です~」

やすな「いいいいりませんそんなの~!!」

8: 2045/01/11(日) 01:27:37.34 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「ご満足いただけない?」

やすな「いただけません…… もっと平和的なのありませんか?」

あぎり「それなら~ やすなさんが行動を改めるとかは~?」

やすな「と、いいますと?」

あぎり「ん~そうですね~ 試しにソーニャと距離を置くとかはどうですか~?」

やすな「距離を置く?」

あぎり「はい。例えばソーニャを無視してみるとか~」

やすな「そ、それだ!! 私はソーニャちゃんに関わるから殴られるんだ!! それなら関わらなければ!!」

やすな「………って無理ですよ~!!」

あぎり「なんでですか~?」

やすな「だ、だって……私とソーニャちゃんは親友なんですよ! それを無視するなんて………」

あぎり「ふ~む……そうですねぇ…………一応、忍法『未来予知の術』」

9: 2045/01/11(日) 01:31:40.35 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「ど、どうですか……?」

あぎり「……………………」

あぎり「やすなさんがソーニャを無視すると困った事になりますね~」

やすな「困った事……ですか?」

あぎり「はい~」



ー困った事ー

やすな『そ、ソーニャちゃん……どうしてこんな事………』

ソーニャ『どうして………だって?』

ソーニャ『ふざけるな!!』

やすな『あっ………ぐ……』

ソーニャ『なんで私を無視したんだよ!! なんで私にそんな事しやがった!!』

やすな『あ……や…め………苦し……』

ソーニャ『ちっ!』

やすな『ぁ……ゲホッ!!ゴホッ!!』

11: 2045/01/11(日) 01:34:38.84 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ『まぁいい。これからはもうそんな事はさせないしな』

やすな『チェ、チェーンソー!? ソ、ソーニャちゃん!! それだめ! 流石に氏んじゃうって!』

ソーニャ『大丈夫だよやすな。私にとって生きてるか氏んでるかは問題じゃない』

やすな『だ、だめ……やめ、て…………』

ソーニャ『大好きだ。ずっと一緒にいような。私の初めての……親友』





あぎり「みたいな~?」

やすな「めめめ目の前でわ、私が五体不満足な身体にぃいいい!!」

やすな『…………』
ソーニャ『………ふふふ、やすな。やすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすなやすな』

あぎり「あ、もう大丈夫ですよ~」

やすな『あ、そうですか?』
ソーニャ『はぁ、疲れたー』


あぎり「これぞ、忍法『分身変装劇団の術』です」

12: 2045/01/11(日) 01:38:08.67 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「わ、わざわざ分身に変装までさせて…………」

あぎり「あ、これ報酬です。また今度よろしくおねがいしま~す」

やすな『まいどー』
ソーニャ『帰りに一杯やってくか』

ガラガラ~

やすな「分身ですらないし!!」

あぎり「あの劇団の方にはいい取引させてもらってますがな~」

やすな「こんなのイヤですよあぎりさん!」

あぎり「あ、でもこの後切断されたやすなさんの足がトコトコと自立歩行し始めるみたいですよ~」

やすな「生命の神秘って凄い!! 私実は神様なんじゃ!?」

あぎり(否定できませんね~)

やすな「でも流石にこれは行き過ぎですよ~! もっと穏便な感じの奴、ありませんか?」

あぎり「ふ~む……そうですねぇ」

やすな「本当にお願いします!」

あぎり「ぽくぽくぽくぽく……ちーん! いい方法がありますよ~」

やすな「おぉ!」

13: 2045/01/11(日) 01:39:18.52 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「こんなのイヤですよあぎりさん!」

あぎり「あ、でもこの後切断されたやすなさんの足がトコトコと自立歩行し始めるみたいですよ~」

やすな「生命の神秘って凄い!! 私実は神様なんじゃ!?」

あぎり(否定できませんね~)

やすな「でも流石にこれは行き過ぎですよ~! もっと穏便な感じの奴、ありませんか?」

あぎり「ふ~む……そうですねぇ」

やすな「本当にお願いします!」

あぎり「ぽくぽくぽくぽく……ちーん! いい方法がありますよ~」

やすな「おぉ!」

16: 2045/01/11(日) 01:42:31.63 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「はい。この秘伝のお薬をぉ~ とってもやすなさんにとって都合の良い薬です~」

やすな「おぉ! なんて真っ青で毒々しい! これをソーニャちゃんに飲ませるんですね! イヒヒヒヒ~」

あぎり「い~え~ これはやすなさんが飲むべきお薬です~」

やすな「うぇええ!? わ、私が!?」

あぎり「そうです。これさえ飲めばやすなさんはもうソーニャから殴られることはなくなりますよ~」

やすな「わ~い!! あ、でもお金……」

あぎり「108円ですね~」

やすな「安っ!? で、でも何か副作用が!?」

あぎり「あ~念のためやっておきましょう。忍法『未来予知の術』」

やすな「ど、どうですか?」

あぎり「やすなさんには何の問題も起こりませんね~」

やすな「ホッ……」

あぎり「その代わり有名な会社が一つ潰れます~」

やすな「わさっ!?」

17: 2045/01/11(日) 01:45:25.48 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「水はこちらにぃ~ あ、飲むときにソーニャの事を思いながら飲んでくださいね~」

やすな「は~い!! んぐんぐ! ぷはぁー! これでいいですか?」

あぎり「はい~ あとは明日になったら効果が出ますよぉ」

やすな「わ~い!! それじゃああぎりさん! また明日!!」

あぎり「あ、それとですね」

やすな「はい?」

あぎり「近々私も~ターゲットを始末しなくちゃいけないんですけどぉ~ それと同じ薬で始末しようと思ってたり~」

やすな「うっぎゃあぁああああ!!」

あぎり「冗談ですよ~ うふふふ」

やすな「じょ、冗談きついですよあぎりさん~」

18: 2045/01/11(日) 01:47:15.48 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「ごめんなさい~ それではまた今度~」

やすな「はーい!」

ガラッ!




あぎり「……………………」

あぎり「私も明日から楽しみですね~」

19: 2045/01/11(日) 01:49:19.29 ID:8pVXPbWZ0.net
ー次の日ー


ソーニャ「……………」

やすな「あ、ソーニャちゃんおはよー!!」

ソーニャ「朝からうるさい奴だな。そんなに大声出さなくても聞こえる」

やすな「え~ 元気一杯なのは良いことじゃん! グーテンモルゲン!」

ソーニャ「ったく………」

やすな「一緒に学校行こ?」

ソーニャ「断っても付いてくるんだろどうせ」

やすな「いいじゃん友達なんだしさ」

ソーニャ「全く……こんな奴と関わってしまった私の迂闊さを呪いたい」

やすな「今日のお弁当は凄いよぉ~! なんとタコさんウインナーがたこさん入ってるのだ!」

ソーニャ「つまらないシャレ言ってないでとっとと行くぞ!」

やすな「あ、待ってよソーニャちゃ~ん!!」

20: 2045/01/11(日) 01:51:26.17 ID:8pVXPbWZ0.net
ー休み時間ー


やすな「昨日のテレビ番組観た?」

ソーニャ「なんだよ藪から棒に」

やすな「忍者の特番やってたの! もしかしたら私には忍者の才能があるかもしれない!」

ソーニャ(また影響されたのか……)

ソーニャ「あるわけないだろそんなもの」

やすな「えー、そうかなぁ…… ほら、女を使って諜報活動するとかさ!」

ソーニャ「お前のどこで女を使うのか知りたいもんだ」

やすな「それにほら! こんなに沢山手裏剣も作ってきたんだよ!」

ソーニャ「折り紙でかよ……」

21: 2045/01/11(日) 01:54:18.82 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「ね、ね! 試しに投げてみてよ!」

ソーニャ「はぁ? 嫌だよ面倒臭い……」

やすな「ほら! 前みたいにトランプでペンを両断した要領で!」

ソーニャ「トランプと折り紙じゃ厚さがそもそも違う。無理だ」

やすな「試しに一回だけ~! 一回だけでもいいからやってよ~!」

ソーニャ「嫌なものは嫌だ」

やすな「…………………」


やすな「む~ 分かったよ」

ソーニャ「!?」

やすな「どったの?」

ソーニャ「い、いや。何でもない」

24: 2045/01/11(日) 01:56:26.89 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ(おかしいぞ……普段なら)



やすな『へん! どうせ自信がないんでしょ~ 頃し屋のくせにペン一つ折れないなんてさぁ! あっひゃひゃひゃ!!』

ソーニャ『ふん!』
やすな『あぶし!!』

ソーニャ『そんなに言うならやってやる。ただし、手裏剣でお前を斬る!』

やすな『ひぃ!! お助け~!!』

ソーニャ『待ちやがれ!!』



ソーニャ「そうそう、こんな感じ………なんだお前ら!?」

ソーニャ『あ、どーも。呉識さんと専属契約させてもらってる者です』

やすな『今後もどうぞお引き立てを』

ソーニャ「は、はぁ……」

あぎり「どうもお疲れ様です~ はい、今回の分です」

ソーニャ『どうも』
やすな『おっしゃ! パチスロ行ってくる!』

25: 2045/01/11(日) 01:58:18.81 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「おい」

あぎり「はい~?」

ソーニャ「どこの世界に劇団と契約する頃し屋がある」

あぎり「大丈夫ですよ~ ちゃんと契約書には偽名を書きましたから」

ソーニャ「でもさっきお前の苗字をーーー」

あぎり「契約書には『呉識 あぎり』と署名してます~ 私の名前は『呉織 あぎり』ですから~」

ソーニャ「意味のない偽名を使うな!!」

やすな「あ、あぎりさ~ん! ちょっといいですか?」

あぎり「はい~?」

やすな「かくかくしかじか、なんですけれど」

あぎり「なるほど、忍者を目指して手裏剣を作ったものの、ソーニャが投げてくれないと」

ソーニャ「くだらないからな」

あぎり「ここは忍者の私が一肌脱ぎますよ~ 手裏剣を二枚下さい」

やすな「どぞどぞ」

26: 2045/01/11(日) 02:00:55.70 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「ふぅ♪」

カッ!
カッ!

ソーニャ「こ、黒板に刺さった!?」

やすな「す、凄い! やっぱり本職の忍者はレベルが違う!!」

あぎり「凄いでしょ~お?」

やすな「凄いですあぎりさん! 一体どうやって!?」

あぎり「これぞ、忍法『NS手裏剣の術』です~」

やすな「た、ただ手裏剣の先端に磁石を付けただけ!!」

ソーニャ「そりゃあくっつくわな………」

28: 2045/01/11(日) 02:02:45.38 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「うふふふふ~ お一つ800円ですよ~」

やすな「いらないですよ!」

あぎり「それは残念。あ、そろそろ教室に戻りますね~」

ソーニャ「去っていった」

やすな「もう授業始まるし、そろそろ席につこう」

ソーニャ「その前に手裏剣取れよ」

やすな「あ、そっか。………あれ?」

ソーニャ「あん?」

やすな「二つの内一つはちゃんと黒板に刺さってる…………」

ソーニャ「」


ーお昼ー


やすな「ソーニャちゃん! 毎日焼きそばパンばかりで飽きないの?」

ソーニャ「飽きない」

やすな「ダメだよソーニャちゃん。健康に悪いってば。もっといろいろ食べないと。頃し屋も体調管理は重要なんでしょ?」

30: 2045/01/11(日) 02:05:04.53 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「作るのが面倒くさいんだよ」

やすな「あ、それじゃあ私が作ってあげる!」

ソーニャ「はぁ? いいよ別に」

やすな「ソーニャちゃんが心配なの! このままじゃ本当に身体を壊しちゃうもん!」

ソーニャ「そんなヤワな身体はしてない」

やすな「本当に~?」

ソーニャ「しつこい!」

ソーニャ(こいつに弁当頼んだらどうせ変なものを食わせてくるに決まってる)

やすな「わかったよぅ…………」

ソーニャ(…………やっぱりヤケに諦めが早いな。いつもなら無理やりにでも私の了解を得ようとするくせに)



ー放課後ー


やすな「ソーニャちゃん帰ろう!」

31: 2045/01/11(日) 02:06:15.50 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「悪いが用事がある」

やすな「へっ!? ま、まさか仕事……!?」

ソーニャ「いや、別件だ。お前は付いてくるな、面倒臭い」

やすな「え~私も一緒に行きたーーー」

あぎり「やすなさん。ちょっといいですか~?」

ソーニャ「あぎり?」

やすな「え? 私に何か用事ですか?」

あぎり「はい。ちょっとだけお願いします~」

やすな「わ、分かりました。またねソーニャちゃん!」

あぎり「ソーニャ、また明日~」



ソーニャ「あぎりがやすなに何の用事だ? ま、私には関係ないか」

32: 2045/01/11(日) 02:07:15.71 ID:8pVXPbWZ0.net
ー空き教室ー

あぎり「やすなさん、昨日のことどうですか~?」

やすな「昨日のこと? なにかありましたっけ?」

あぎり「あはは~ 忍者の特別番組のことですよ~」

やすな「あぁ、あれですか! 本当に凄かったです! 前にあぎりさんがくれた五色米もちゃんと出てましたし!」

あぎり「結構私も本格的なんですよぉ。さ、今日もこの薬を」

やすな「うわっ!? 青い!! なんですかこの毒々しい薬は!?」

あぎり「え~? やすなさん、昨日も飲んだじゃないですか~」

やすな「飲んだ? えぇと……飲んだっけ?」

あぎり「飲みましたよ~」

やすな「……あっそっか! じゃあ頂きます! んぐっ! んぐっ! ぷはぁー!」

あぎり「単純で助かりました~」

やすな「へっ?」

あぎり「なんでも~ うふふ。明日もこの薬を飲まなきゃダメですよ~」

34: 2045/01/11(日) 02:10:02.52 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「わかりました! それじゃあぎりさん! また明日~!!」

あぎり「さよ~なら~」




ー次の日ー


やすな「あ、ソーニャちゃん。ジェアグゥィチエルモジン!」

ソーニャ「あん? なんだそりゃ?」

やすな「おはようって意味だよソーニャちゃん!」

ソーニャ「そうか」

やすな「うん!」

ソーニャ「………………」

やすな「………………」

ソーニャ「………やすな?」

やすな「どったの?」

ソーニャ「い、いや。なんでもない」

35: 2045/01/11(日) 02:12:04.60 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「ん? へんなソーニャちゃん」

ソーニャ(おかしいぞ……普段なら)


ー普段ー


やすな『え~? ソーニャちゃん、頃し屋のくせに外国語の挨拶知らないの~?』

ソーニャ『お前の発音が悪いだけだ!』

やすな『言い訳ですね? 往生際が悪いな~ソーニャちゃんは! 素直に自分がバカな事を認めなよ~! このこの! あっははは!うーふふぃ!!』

グキッ!
やすな『おっほぉおい!!』

ソーニャ『ふん』

やすな『指折るなんて酷い!!』

ソーニャ『人を指差して笑うからだ』

37: 2045/01/11(日) 02:14:31.93 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな『ま、もう治ったけど』

ソーニャ『丈夫だな……』

やすな『ソーニャちゃん、腕鈍ったんじゃないのぉ~!!』

ソーニャ『そうかもな』

やすな『おお! 素直になった! やっとソーニャちゃんも自分の立場がーーー』

ソーニャ『ちょっとリハビリに付き合え』

やすな『え?』

ボキッ! ベキッ! グチャ!


ソーニャ『ふぅ』

やすな『ぜ、ぜんぜんにぶってませんでした……』



あぎり「みたいな~?」

ソーニャ「そうそ………ってあぎり!?」

あぎり「どうもお疲れ様でした~」

40: 2045/01/11(日) 02:16:36.77 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ『最近人使いが荒いっすよ』
やすな『ま、その分稼がせてもらってますがね』

やすな「帰っていった……」

ソーニャ「神出鬼没すぎるだろ…」

あぎり「私が契約してるくらいですからぁ」

ソーニャ「てかお前がこの時間にここにいるのは珍しいな」

あぎり「それがぁ、新しい携帯に機種変したんですけれど、その時に目覚ましをセットするのを忘れまして~」

ソーニャ「アホか」

やすな「あっはは! 忍者なのに寝坊とかぁ~!! ウッヒャヒャヒャ!」

ソーニャ「!?」

あぎり「忍者もそこそこ寝坊しますよ~」

やすな「あ! 忍者ならもしかして目覚ましの音楽は! 最近連載終了したあの…!」

携帯「しゅしゅっと参上~♪」

ソーニャ「そっちかよ!」

あぎり「うふふふ~」

41: 2045/01/11(日) 02:18:30.43 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「さ、全員で学校いきましょう! 競争するよ! ヨーイドン!!」

あぎり「喜んで~ 忍者走り見せてあげます~」

ソーニャ「バカバカしい! 私は歩いて行くぞ」




ー教室ー

やすな「あ、ソーニャちゃんやっと来た!」

ソーニャ「朝から走るのがバカバカしいからな」

やすな「ソーニャちゃんってもしかして低血圧だったりするの?」

ソーニャ「いや、別に。むしろお前のせいで最近は高血圧気味だ」

やすな「あ、あはは」

42: 2045/01/11(日) 02:20:58.71 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「もういい。静かにしてろ」

やすな「あ、うん」

ソーニャ「……………」

やすな「……………」

ソーニャ「おい」

やすな「なに、ソーニャちゃん?」

ソーニャ「他に何かないのか?」

やすな「他にって?」

ソーニャ「…………いや、なんでもない」



ー放課後ー


やすな「ソーニャちゃんまた明日! 私は空き教室に行ってくるね!」

ソーニャ「は? あぎりに会いに行くのか?」

やすな「うん! またねー!!」

44: 2045/01/11(日) 02:22:47.46 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「待て」

やすな「へ?」

ソーニャ「私も付いていく」

やすな「なんで?」

ソーニャ「ま、まぁあれだ。どうせ今日はやることもないし」

やすな「うんいいよ! 一緒に行こ!」

ソーニャ「ああ」





ー空き教室ー


やすな「あぎりさん!! 私もしかしたらイリュージョンの才能があるかもしれません!!」

あぎり「イリュ~ジョン~?」

ソーニャ「また何かに影響されたのか……」

45: 2045/01/11(日) 02:24:33.75 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「ほら、見てください! この私の手裏剣! 昨日と比べて曲がってるじゃないですか! これは私のイリュージョンが働いたんじゃないかと!」

あぎり「紙で作ってますから1日経てば曲がっちゃうんじゃ~」

ソーニャ「バカバカしい」

やすな「そこで私の才能を高めてもらおうと思って!」

あぎり「任せてください~ これでも忍者ですから~」

やすな「おぉ!」

あぎり「ここにぃ~紙コップがあります。これを口を下側にして机に置くと~」

カサカサカサカサ……

やすな「う、動いた!?」

ソーニャ「ど、どうして!?」

あぎり「そしてぇ、中を見てみると~」


G「カサカサカサカサ………」

48: 2045/01/11(日) 02:26:28.37 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな・ソーニャ「嫌ぁああああ!!!」

あぎり「なんと黒くてツヤツヤした昆虫がぁ~」

ソーニャ「ふ、ふざけるな貴様ァ! ぶ、ぶっ頃すぞ!!」

やすな「ああああぎりさん!! は、早く退治してぇ!!」

あぎり「そしてもう一度紙コップを被せると~」

あぎり「ニンッ!」

あぎり「この通り、虫が消えます~」

ソーニャ「ほ、本当か………?」

やすな「う、裏側にも付いてない……本当に消えた!」

あぎり「すごいでしょ~う?」

ソーニャ「お、おい。さっきのは一体どこに行ったんだ?」

あぎり「ん~、どこに飛ばしたのか分からないのがこの忍術の欠点ですね~」

49: 2045/01/11(日) 02:28:32.76 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あぎりさん! 私も飛ばしてください! ほら、こんなに大きな布がありますから!」

ソーニャ「どこから出した!?」

あぎり「オススメはできませんね~」

やすな「そこをなんとか! お願いですあぎりさん!!」

あぎり「後悔しちゃいますよ~?」

やすな「あ、さては私を飛ばす自信がないんですね? ぷぷぷっ! あぎりさんと言えども所詮はこの程度! 忍者のくせに~」

あぎり「でも……………」

ガラッ!

50: 2045/01/11(日) 02:31:00.53 ID:8pVXPbWZ0.net
没キャラ「見つけたぞ! ソーニャ! 折部やすな! 今日こそお前たちを倒しーーー」

バサッ……

没キャラ「な、なんだこれは!!」

あぎり「いっせ~の、ニンッ!」

あぎり「はい~ 消えました~」

やすな「人が消えた!」

ソーニャ「………なんだ今のやつ?」

あぎり「そして~この掃除用具入れの中には~」

ぱかっ

没キャラ「」

あぎり「こんがりと焼き色のついたこの人が~」

やすな「あわわわわ!」

ソーニャ「惨いな……」

やすな「しかも衝撃で、歯とか抜けちゃってるし! 口からはプシューって感じで黒い煙吐いてるし! 漫画でよくある絵面だよ!」

51: 2045/01/11(日) 02:32:28.08 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「こんな私でも忍者なんですから~攻撃用の術だってたくさんあるんですよ~ さぁ、次はやすなさんがーーー」

やすな「やめてぇ! ローストやすなになっちゃう!!」

あぎり「それなら~もっと簡単な忍法を教えましょう~」

やすな「そちらの方向でお願いします」

ソーニャ「はぁ、馬鹿らしい。先帰るぞ」

やすな「うん! またね~!」

あぎり「また明日~」

ガラッ

バタン!


ソーニャ「………………」

ソーニャ「やすなの奴、私の事を全く引き止めなかったな」


やすな「ぺちゃくちゃーーー」
あぎり「ぷみゃぽみゃーーー」



没キャラ「…………なんだこの扱い………」ケホッ

52: 2045/01/11(日) 02:34:45.73 ID:8pVXPbWZ0.net
ー次の日ィー


やすな「ソーニャちゃん、スラマト パギ!」

ソーニャ「へいへい」

あぎり「スラマト パギ~ やすなさん」

やすな「あぎりさん、昨日ぶりです!」

ソーニャ「なんだあぎり。また寝坊か?」

あぎり「い~え~」

やすな「一緒に登校しようって約束したんだよ!」

やすな・あぎり「ねー!」

ソーニャ「そうか、よかったな」

やすな「あれ? あぎりさん! 後ろのところにタグが付いてますよ!」

あぎり「この制服はぁ~クリーニングに出してきたもので忘れてました~」

ソーニャ「なにやってんだマヌケ…」

やすな「あーっははは!! バカだよ! 私でもそんなことしないのにぃ!! 私以下の忍者とか! あっははは!!」

54: 2045/01/11(日) 02:38:38.86 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「酷いですよやすなさん~ 忍者もそこそこ泣きますよ~?」ウルウル

やすな「えぇ! あ、その………ご、ごめんなさーーー」

あぎり「なんちゃって♪」

やすな「えへぇ!?」

あぎり「今のが忍法『騙し泣きの術』ですよ~」

やすな「だ、騙された! くそぅ! くそぅ!」

あぎり「うふふ~それじゃあ今日も走りましょう~」

やすな「あ、待ってよあぎりさ~ん!!」

ソーニャ「あ、おい!」

やすな「待て待て~!!」

あぎり「うふふ~ 私を捕まえてみなされ~」


ソーニャ「ぁ……やす、な…………」

55: 2045/01/11(日) 02:41:07.25 ID:8pVXPbWZ0.net
ー休み時間ー


やすな「よっし!」

ソーニャ「何処か行くのか?」

やすな「うん。あぎりさんのクラスに行ってくる!」

ソーニャ「あぎりの? 何しにだ?」

やすな「そんなの勿論あぎりさんに会いに行くためだよ。じゃ、行ってくるね!」

ソーニャ「お、おい!」



ー放課後ー

ソーニャ「結局やすなは休み時間のたびにあぎりの教室へ行ってしまった」

ソーニャ「昼休みはあぎりが教室に来て3人で食事をとったが……」

ソーニャ「やすなはあぎりとばっかり話しをしていて、私が入り込む隙間はあまりなかった……」

ソーニャ「そしてやすなはまたあぎりと一緒に空き教室で遊んでやがるのか」

ソーニャ「………………」

ソーニャ「まぁ、平和でいいか。1人での下校も久々だし」

56: 2045/01/11(日) 02:44:16.79 ID:8pVXPbWZ0.net
ー空き教室ー

あぎり「さ、やすなさん。今日もこの薬を」

やすな「ごくっごくっ! ぶはぁ!」

やすな「前から思ってたんですけれど、これ何なんですか?」

あぎり「うふふ~ 秘密♪」

やすな「むぅ………」

あぎり「えへへ~」

やすな「あ、そうだあぎりさん! 実は明日ですねーーー」





ソーニャ「明日この公園で町内会の祭りがあるのか………」

ソーニャ「………………」

ソーニャ「ちっ、仕方ない。たまには私の方から誘ってやるか」

ソーニャ「どうせまた朝一緒に通学するだろうし、その時でいいだろうな」

59: 2045/01/11(日) 02:46:38.72 ID:8pVXPbWZ0.net
ー翌日ー


ソーニャ「遅い!!」

ソーニャ「なんだって今日はこんなに遅いんだよあのバカ! 本当に私をイライラさせる奴だ!」

ソーニャ「…………ちっ、呼んでもない時には来るくせに、なんだってこんな時にあのバカは来ないんだ」

ソーニャ「このままでは学校に遅れるし……仕方ない、先に行くか」



ー校門前ー


ソーニャ「ったく! こんな朝に走って登校するなんて………ぇ?」



あぎり「そうなんですか~」

やすな「はい! 面白くないですか~!」

あぎり「ごめんなさい~ もうそのお話知ってました~」

やすな「くそぅ!くそぅ!」

60: 2045/01/11(日) 02:48:57.86 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「ごめんなさい~」

やすな「わわっ! ちょっとくすぐったいですって! 頭を撫でないで~!」

あぎり「いえ~ やすなさんは撫で心地がいいですから~」

やすな「私からしたらあぎりさんの方が撫で心地いいと思いますよ! 凄いサラサラしてますもん!」

あぎり「うふふ~触ってみます~?」

やすな「や、柔らかい!! サラサラし過ぎ! しかもいい匂い! この匂いがする香りを売ったら絶対に億万長者に! うへへへへ………」

あぎり「やすなさんもいい匂いしますよ~」

やすな「え? クンクン!クンクン!します?」

あぎり「はい~ 多分」

やすな「適当言っただけ!?」

61: 2045/01/11(日) 02:51:47.16 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ(ヤバい! こっちに来る……取り敢えず物陰に隠れよう!)

ソーニャ(って、なんで私は隠れているんだ!?)


やすな「あれ? さっきまでここに誰かいたような………猫かなぁ」

あぎり「そうですね~ きっと目つきの悪い、大きな雌猫でしょうね~」

ソーニャ(!!)

やすな「ま、いいや。取り敢えず教室行きましょうあぎりさん!」

あぎり「はい~」


ソーニャ(……………行ったか)

ガサゴソ……

ソーニャ「何やってるんだ私は…………」

63: 2045/01/11(日) 02:54:29.66 ID:8pVXPbWZ0.net
ー教室ー

やすな「ふんふ~ん♪」

ソーニャ「………………」

やすな「よし、出来た!! 後は綿を入れれば完成だね!」

ソーニャ「………………」

やすな「いつ渡そっかな~! ふんふ~ん♪」

ソーニャ「やけにご機嫌だな、やすな」

やすな「え、そうかなソーニャちゃん?」

ソーニャ「ああ。見ていてウザい」

やすな「うざっ!? 酷いやソーニャちゃん………友達なのに」

ソーニャ「!!」

やすな「どしたの?」

ソーニャ「いや、なんでも。ちょっとトイレ行ってくる」

やすな「いってらっしゃ~い!」

66: 2045/01/11(日) 02:57:14.33 ID:8pVXPbWZ0.net
ートイレー

ソーニャ「……………ふ、ふふっ」

ソーニャ「友達、か……やすなはまだ私のことを友達、と思ってくれてるんだな」

ソーニャ「くそぅ! 我ながら情けない……ニヤニヤが止まらないぞ!」

ソーニャ「………ふふ、やすな」

ソーニャ「………………そろそろ帰らないとな。授業が始まってしまう」

ソーニャ「そしてその後祭りに一緒に行こうと誘おう。今日の私は気分がいいし、少し奢ってやろうかな。ふふっ!」

プスッ


ソーニャ「ん? 蚊にでも刺され……ぁ…………………」



うふふふ~



ソーニャ「はっ!?」

「あら、やっと起きたわね。もう放課後よ」

ソーニャ「こ、ここは保健室か!?」

67: 2045/01/11(日) 03:00:41.39 ID:8pVXPbWZ0.net
「そうよ。あなたはトイレのドアのところで気を失って倒れてたの」

ソーニャ「気を失って……」

「多分疲れとかが原因だと思うわよ。ちゃんと寝てる?」

ソーニャ「ま、まぁ……そんなことよりも今何時ですか!?」

「18時だけれども……? ってちょっと! 起きたばかりなのに何処に!!」




ソーニャ「やすな! くそぅ! 教室にいないか! 空き教室か!?」



ソーニャ「あぎり! やすな! ………ここにもいないか! もう帰ったのか!?」

「こら、君! 廊下は走っちゃいかんよ!」

ソーニャ「あ、ごめんなさい」

ソーニャ「……………やすな」

ソーニャ「………………くそ」

68: 2045/01/11(日) 03:03:31.88 ID:8pVXPbWZ0.net
ー公園ー


ソーニャ「やすなは絶対にこういった騒がしい場所に来るはずだ。前だって私が酷い目に遭わされたしな。仕返ししなくちゃ気が済まない」

ソーニャ「やすなはどこだ! 人混みが凄くて探すこともままならないぞ!」

ソーニャ「いや、あいつのことだ。また変に騒いで注目を集めているに違いない! 一人の時はストッパーの私がいないからな! 空回りしまくってるはずだ!」

ソーニャ「だから………」

ソーニャ(だから早く…出てきてくれよ、やすな!)

ソーニャ「………………」

ソーニャ「…………………………」

ソーニャ「あ、りんご飴…………」

69: 2045/01/11(日) 03:05:44.65 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「一つください」

「はいよ、400円ね」

ソーニャ「ん。甘い……」

ソーニャ「…………こっちは…焼きそばか」

ソーニャ「日本の焼きそばは美味いよな。特にパンで挟んだ焼きそばパンなんてとてつもなく美味い」

ソーニャ「……………」



「ふぅ! やったぁ! 入った!!」

ソーニャ「! こ、この声!」


やすな「やっと入ったよ! おじさん! あれあれ!!」

「嬢ちゃん、最初と比べて成長したなぁ。ワシに当てなくなっただけ上出来じゃ」

70: 2045/01/11(日) 03:06:49.71 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「ふふん! どんなもんよこの輪投げのテクニック!」

ソーニャ「な、なんだアイツ、まぁた1人で煩くやってやがる。仕方ないから私が行ってーーー」








あぎり「凄いじゃないですか~」

やすな「そうでしょ! あぎりさん!!」




ソーニャ「ぁ……あぎ、り……?」

71: 2045/01/11(日) 03:10:33.98 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あぎりさんの教え方が上手だったからですよ! 私一人じゃなにも出来なかったです!」

あぎり「いえいえ~ やすなちゃんが頑張った結果ですよ~」

ソーニャ(やすな…『ちゃん』だと!? それに二人とも浴衣を着ている!?)

やすな「あ、かき氷持っててくれて有難うございます! 今一気に食べちゃいますからね!!」

あぎり「あ~そんな一気に食べると~」

やすな「あ、頭痛ぇ……」

あぎり「大丈夫ですか~?」

やすな「心配には及ばんぜベイベー ぅ………あたた……」

あぎり「しょうがないですね~」

むぎゅ!

ソーニャ(!!)

72: 2045/01/11(日) 03:12:03.67 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あ、あぎりさん ……?」

あぎり「こうやって抱きしめて撫でてあげればぁ、治ると思って~」ナデナデ

やすな「や、柔らかい~それに暖ったかぁい…」

あぎり「うふふふ~」

やすな「ふわぁ………」

あぎり「そろそろ花火が始まります~ あっちの方へ行きましょう」

やすな「はぁ~い」

ソーニャ(…………………尾けるか)



ー神社ー


あぎり「大丈夫ですか~?」

やすな「はい! もう大丈夫です! 私の治癒力は世界に誇れます!」

あぎり「よしよし~」ナデナデ

やすな「えへへ」

ソーニャ(………やすなの奴、私にはあんな風に笑ってくれないくせに)

74: 2045/01/11(日) 03:14:39.13 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「今日は楽しかったですね~ 沢山食べました~」

やすな「あぎりさん、焼きそばとかいつの間にか食べ切ってましたもんね!」

あぎり「美味しかったです~」

やすな「でも~ 食べ過ぎちゃうと太っちゃいますよ~ デブ忍者なんて格好悪い~」

あぎり「うふふ~大丈夫です~ 私、いくら食べても太らない体質ですので~」

やすな「くそぅ! 羨ましい!」

あぎり「あ~ もう花火が上がりますよ~」

やすな「いやっふぅ~! たまや~!」

あぎり「かぎや~」



あはは~ うふふ~



ソーニャ(……………)

ソーニャ「帰ろう……………」

75: 2045/01/11(日) 03:16:48.15 ID:8pVXPbWZ0.net
ー通学路ー


やすな「ふんふふふふふ~ん♪」

ソーニャ「よ、ようやすな!」

やすな「あれ、ソーニャちゃん? どうしたのこんな朝早くから?」

ソーニャ「お前こそどうしたんだ」

やすな「私はこれからあぎりさんの家に行くとこだよ。一緒に登校するの」

ソーニャ「お、お前あぎりの家知ってるのか!?」

やすな「うん、昨日教えてもらった」

ソーニャ(何考えてんだあのバカ!)

やすな「それじゃね!」

ソーニャ「あ、ちょっと待て!」

やすな「どったの? まだ何かあるの?」

ソーニャ「いや……あのさ」

76: 2045/01/11(日) 03:18:48.27 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ(な、何緊張してるんだ私は! 大した事を言おうとしてるわけじゃないのに!)

ソーニャ「わ、私も一緒に登校していいか?」

やすな「え、ソーニャちゃんも? なんで?」

ソーニャ「な、なんでって………ほら、1人での登校とか退屈だし。お前らでもいないよりはマシかと……」

やすな「いないよりはマシってどういうこと? ソーニャちゃん」

ソーニャ「こ、言葉の綾だ!」

やすな「ふーん、別にいいけれどさ」

ソーニャ「うん…………」

やすな「……………行こっか」

ソーニャ「………………ああ」



ーあぎり宅ー


あぎり「おはようございます~やすなちゃん、ソーニャ」

やすな「マガンダン ウマガ! あぎりさん!」

ソーニャ「よう」

77: 2045/01/11(日) 03:22:20.86 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あぎりさん! 昨日は浴衣を貸してくれてありがとうございました!」

あぎり「いえいえ~ サイズが小さくてどうせ私は着れなかったのでぇ」

やすな「お礼にほら! 人形を作ってきたんです!」

あぎり「これはぁ、ネコさんですか~?」

やすな「ウサギですよ! ぴょんすけ8号です! 頑張って作ったんですよ! これで一人眠れない夜を過ごす可哀想なあぎりさんも大丈夫!!」

あぎり「嬉しいです~ 有難うございますやすなちゃん~」

やすな「えへへ」

あぎり「抱いて寝ます~」

ソーニャ「………………」

あぎり「どうしたの、ソーニャ? こっちの方を見て~?」

ソーニャ「なっ!? 」

あぎり「もしかしてぇ羨ましいのぉ?」

ソーニャ「べ、別にそんなことない!」

79: 2045/01/11(日) 03:24:37.96 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「そうですよあぎりさん。それに例え頼まれても、私は絶対にソーニャちゃんに人形は作りたくないですし」

ソーニャ「なっ!? や、やすな……?」

やすな「だってソーニャちゃん、私の作ったぴょんすけ、2回も壊したでしょ。しかもワザと!」

ソーニャ「そ、それは………」

やすな「それにパペットも! 4つ作ったのにゴミ箱に捨てたり首千切ったりしてさ。どんなに頑張って作ってもすぐにゴミだよ!」

ソーニャ「そ、それはお前がふざけて来たからだろ! あんなこと言われりゃ誰だって!」

あぎり「私はぁ、別にからかわれても壊したりしませんよ~? さっきもそうだったでしょ~?」

ソーニャ「っ!!」

あぎり「少しからかわれただけでやすなちゃんが一生懸命作ったお人形を壊すなんて、そんな酷いことは出来ません~」

80: 2045/01/11(日) 03:27:49.71 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「さっすがあぎりさん! 伊達に忍者じゃない!」

あぎり「忍者というよりも、人としての問題ですけどね~」

やすな「そうですよね! 人としての問題ですよね!」

ソーニャ「な、なんだよ……お前ら………そん、な……」

ソーニャ「あ、アレだよな? わ、私のことをからかってるん…だよな? なっ?」

やすな「ソーニャちゃん、人形壊したこと全然反省してないんだね」

ソーニャ「だ、だって今までお前そんな事を言わなかったじゃないか!」

やすな「私が思ったことを全部口にする人だと思ってるの?」

あぎり「やすなちゃんは優しいですから~ずっと我慢してきたんですよね~」

やすな「流石あぎりさん! 人の心を読んでるとしか思えないです!」

あぎり「うふふ~ あ、それじゃあ人形を家に置いてきますね~」

やすな「待ってますね!」

81: 2045/01/11(日) 03:30:10.98 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ「……………」

やすな「まっだかな♪ まっだかな♪」

ソーニャ「…………やすな」

やすな「なに? ソーニャちゃん」

ソーニャ「先、学校行ってるな」

やすな「分かったよソーニャちゃん。また教室でね」

ソーニャ(私の方を見もせずに…………)

ソーニャ「ま、また……あと…で……な…………」ポロポロ

82: 2045/01/11(日) 03:30:49.29 ID:8pVXPbWZ0.net
ー公園ー

ソーニャ「はぁ…はぁ………」

ソーニャ(くそ、泣くな! こんな事で泣くなよ私!!)

ソーニャ「ぐっ………く……そ…………」

ソーニャ「う………グスッ………ごめん、やす…な…………ごめん、なさ…い…………」ポロポロ

ソーニャ(泣くな! はやく学校に行かなきゃいけないってのに!! なんで! なんで!)

ソーニャ「う、うわぁあぁああ!!! やすなぁあああ!!」

ソーニャ(なんで泣き止めないんだ!)

83: 2045/01/11(日) 03:34:45.45 ID:8pVXPbWZ0.net
ー空き教室ー


ソーニャ(学校まで来たのはいいが………とてもやすなのいる教室には行けそうもない)

ソーニャ「今日は空き教室にでもいよう……………」

ソーニャ(少し…眠るか……………)






ガラッ

ソーニャ「!?」

ソーニャ(し、しまった! 誰か入ってくるまで目が覚めないなんて……頃し屋失格だぞ!! だ、誰が入ってきたんだ!? まさか、刺客……)



やすな「あぎりさ~ん!」

ソーニャ(やすな!?)

あぎり「お待ちしてました~やすなちゃん」

84: 2045/01/11(日) 03:35:36.60 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「へへん! やっと帰りのホームルームが終わりまして!」

あぎり「たま~に先生が遅れて伸びることとかありますもんね~」

やすな「そうなんですよぉ! もうだめな先生だなぁ!」

あぎり「うふふ、そうですねぇ」

ソーニャ(気付かれてない? 丁度陰になっているところにいるのが幸いしたか)

あぎり「さ、やすなちゃん。今日もこれを~」

やすな「あ、はい! 分かりました~」

ソーニャ(な、なんだあの真っ青な粉は? やすなもそれを平気で飲んでるし)

やすな「さ、あぎりさん! 今日も一緒に帰りましょう!」

あぎり「あーごめんなさい。今日はちょっとだけ用事がありまして~」

やすな「えぇ~! 帰りましょう帰りましょう帰りましょうよぉ!!」

85: 2045/01/11(日) 03:37:58.73 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「ごめんなさい、先に帰っておいてください~」

やすな「む~、分かりました。明日は絶対に帰りましょうね!」

あぎり「はい。それではまた~」

バタン!


あぎり「………………………」

ソーニャ(…………)

あぎり「ソーニャ、聞いているんでしょう?」

ソーニャ「っ!?」

あぎり「私から隠れられるはずないじゃない 忍者なんだからぁ」

ソーニャ「そうだったな」

あぎり「盗み聞きするなんて、人が悪いとおもわない~?」

ソーニャ「最初この部屋にいたのは私だ。お前らが勝手に入ってきたんだからお前らが悪い」

87: 2045/01/11(日) 03:40:18.21 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「まぁ、そうですねぇ。それじゃあ私はこれでーーー」

ソーニャ「待て。お前、やすなに何を飲ませた?」

あぎり「何をってぇ?」

ソーニャ「とぼけるな! なんだあの青い粉は! しかも会話からして最近ずっと飲ませてるみたいだな!!」

あぎり「別に大したもではありません~ ただの秘薬♪」

ソーニャ「………なるほど合点がいったぞ! 最近やすなの様子がおかしいのはアレが原因だな!!」

あぎり「違いますね~ あれはやすなちゃんの本心ですよ~」

ソーニャ「嘘をつくな!! 言えあぎり! 隠すと為にならないぞ!!」

あぎり「ん~そうですねぇ」

あぎり「ソーニャは、やすなちゃんがどんな事をしても怒らないと思ってるのかしら~」

ソーニャ「そ、それは…!」

あぎり「少しからかっただけで殴られたりぃ、一生懸命作った人形を壊されたりぃ、遊びに誘っても全く付き合ってくれなくてもぉ?」

ソーニャ「……………ぐ…」

90: 2045/01/11(日) 03:42:22.62 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「それでも本当にぃ、やすなちゃんは怒らないと思うの~?」

ソーニャ「そ、それは………」

あぎり「ソーニャ。貴女はやすなちゃんの優しさに甘え過ぎている。それではやすなちゃんもそのうち耐えきれなくなってしまうとは思いませんか~?」

ソーニャ「…………………」

あぎり「まぁ、私がこんな事を言うのもどうかとは思いますけどね~」

ソーニャ「………………どこへ行く」

あぎり「帰ります。また明日会いましょう、ソーニャ」

ソーニャ「………………」

あぎり「あ、それとですね~」

ソーニャ「なんだ……」

あぎり「明日で全てがはっきりしますよ~ 放課後にこの教室に来てください~」


バタン


ソーニャ「わかってた……わかってたさ。私が、いけなかったんだ。私が…………うぅ……」

92: 2045/01/11(日) 03:44:09.22 ID:8pVXPbWZ0.net
ー翌日の教室ー


ソーニャ「や、やすな。おはよう」

やすな「……なんだ、ソーニャちゃんか」

ソーニャ「………う……なんだとはなんだよやすな! せっかく挨拶したのに悲しいじゃないか!」

やすな「そう、ごめんねソーニャちゃん」

ソーニャ「ま、全くだ。もう少し嬉しそうにしろよな!」

やすな「はぁ~ 今日は何故かあぎりさんが先に家から出ちゃっててさ。一緒に登校できなかったから……」

ソーニャ「そ、それなら私を呼べば良かっただろ?」

やすな「は? 何言ってんの?」

ソーニャ「……………ぅ」

やすな「ソーニャちゃんなんかあぎりさんと比べるのが嫌だよ。あぎりさんの方が優しいし面白いしさ」

94: 2045/01/11(日) 03:46:53.17 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ「わ、私だって面白いし優しいだろ!」

やすな「すぐ暴力振るうのに?」

ソーニャ「そ、それはお前が…………いや、ごめん」

やすな「ううん、別にもう気にしてないから大丈夫。謝られたって人形は帰ってこないし」

ソーニャ「……………」

やすな「……………授業始まるから早く座れば」

ソーニャ「…………そうする」


ーお昼ー

ガラッ


やすな「あぎりさん、教室にいなかった………」

ソーニャ「そうか」

やすな「今日はせっかくあぎりさんにお弁当作ってきたのに………」

ソーニャ「あ、それなら…私が…………」

96: 2045/01/11(日) 03:49:37.18 ID:WNThJTXEp.net
やすな「家に持って帰って晩御飯にでもしようかな。あぎりさん以外の人にはあげたくないし」

ソーニャ「………………」

やすな「はぁ……………」

ソーニャ「……焼きそばパン、美味いな。良かったらやすなも食べるか?」

やすな「別にいらないよ。食欲があまりないし」

ソーニャ「でも、なにか食べなくちゃ体に悪いだろ」

やすな「別にいい。ご飯を美味しく食べられないんだったら、ご飯なんていらないし」

ソーニャ「………それは……私がここにいるからか……?」

やすな「……………」

ソーニャ「………少し、保健室行ってくる。昼休みが終わるくらいには戻ってくるから…」


ガラッ



やすな「………………」

やすな「頂きま~す!」

100: 2045/01/11(日) 03:51:57.03 ID:WNThJTXEp.net
ートイレー


ソーニャ「ぅぐ………ひぐっ……わ、私が今まで…やす、なにしてきた事、を鑑みれば………当然…だ………」ポロポロ

ソーニャ「こんなんじゃ…まだ、足りないんだ。私は…もっと、酷いことされても…………文句なんか………いえ、な……………」ポロポロ

ソーニャ「やすな……ごめんなさい。ごめん、本当にごめん………もう、絶対に殴らない…から………関節技も…物も壊したりしないか、ら…………」ポロポロ

ソーニャ「だ、だから………お願いだから……もう一度…私に、笑いかけて…………お願いだからぁ…………」ポロポロ






放課後の空き教室



ソーニャ「…………ここで…全てをハッキリさせる………どんなことをしてでも、やすなに……許してもらう…!」

ガラッ


あぎり「ようこそ~」

やすな「…………なんで来たの? いま、私とあぎりさんで楽しくお喋りしてたのに」

102: 2045/01/11(日) 03:54:26.09 ID:WNThJTXEp.net
あぎり「私が呼びました~」

やすな「あぎりさんが!? なんでソーニャちゃんなんか呼んだんですか!」

ソーニャ「……………」グッ

あぎり「用事があったからです~」

ソーニャ「………昨日言われた通りに来たぞ、あぎり」

あぎり「はい。よく来ましたね、ソーニャ。あそこまでやすなさんに拒絶されたのに」

ソーニャ「だからこそだ。今日はやすなに謝りに来た」

あぎり「うふふふふ~」

やすな「…………どういう事?」

ソーニャ「やすな、聞いてくれ」

ばっ!

やすな「なに頭下げてるの?」

ソーニャ「今までお前に対して様々な酷いことをしてきて済まなかった!」

やすな「……………」

あぎり「あらあら……」

104: 2045/01/11(日) 03:56:56.91 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ「思えば……初めて会った時から私はお前に対して本当に辛辣だったな。こんな私にも怖気つかずに話しかけてきてくれたのは後にも先にもお前一人だろう。そんなやすなに対して…………私は……」

やすな「…………」

ソーニャ「思えばやすなはいつも私の側にいてくれたんだよな。登校も、授業中も、放課後も、下校も。私が頃し屋だって知ってからさえも………」

ソーニャ「こんな汚れた私の為にしてくれた沢山のこと……本当は私は嬉しかったんだ! 遊びに誘ってくれたことや昼を一緒に食べてくれたことも。全部全部嬉しかったんだ!」

やすな「………………」

ソーニャ「うさぎの人形をプレゼントしてくれた事も! クリスマスにプレゼントをくれた事も! 私の為に誕生日会を開いてくれたことも全部全部、嬉しかった!」

ソーニャ「でも……私が素直じゃなかったから………素直になれなかったから…照れ隠しでお前に酷いことをしてしまったんだ」

ソーニャ「本当にごめん! 今更謝っても済むことじゃないけれど、せめて謝らせてくれ!!」

やすな「………ソーニャちゃん」

あぎり「ふふふ~」

105: 2045/01/11(日) 03:57:45.53 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ「許してくれるためならどんな事だってする! 好きなだけ殴ったって蹴ったっていい! 今までの仕打ちを考えればどんなことをされたって文句は言わない!!」

やすな「…………………………」

ソーニャ「…………………………」


やすな「わかったよ、ソーニャちゃん」

ソーニャ「っ!!」

やすな「今までのことをそんな風に反省していたんだね、ソーニャちゃん」

ソーニャ「や、やすな! じゃ、じゃあーーー」




やすな「だからなに?」

ソーニャ「え?」

108: 2045/01/11(日) 03:59:43.86 ID:WNThJTXEp.net
やすな「今までにあそこまで私のことを痛めつけてきたのに、いま謝っただけで全部許してもらおうだなんてムシが良すぎない?」

ソーニャ「だ、だから私のことを殴ったっていいってーーー」

やすな「私に暴力を振るうような女になれってこと? そんなのソーニャちゃんと一緒になっちゃうじゃん」

ソーニャ「や、やすな……?」

やすな「それにソーニャちゃんをどうこうしたからって、今までに壊された私の持ち物は帰ってこないし」

ソーニャ「ちゃ、ちゃんと弁償を………」

やすな「私が手作りした世界に一つだけの人形も?」

ソーニャ「そ、それは………悪かった…………」

やすな「謝るだけなら誰にだって出来るよ。そんな事してもあの人形は帰ってこない」

ソーニャ「………………」

やすな「私の為に何でもしてくれるっていうならさ、もう二度と私に話しかけないで欲しいな」

ソーニャ「…………や、す………………そん…な……………」

110: 2045/01/11(日) 04:03:38.05 ID:WNThJTXEp.net
やすな「行きましょうあぎりさん。全く、ソーニャちゃんのせいであぎりさんとの時間を無駄にしちゃったよもう………」

あぎり「いいんですか~?」

やすな「はい! ほらほら~早く帰りましょうよあぎりさん~♪」

ソーニャ「う………ぅぅ…………」グスッ

やすな?「それじゃあねソーニャちゃん! もう二度と私に関わらないでね~!」

あぎり「それでは私はこれで~」

ソーニャ「う……うぁ………ああ、ぁ……………」



ソーニャ「うわぁああああああぁぁあああぁあぁッッ!!!」



ガラッ!

113: 2045/01/11(日) 04:07:09.83 ID:WNThJTXEp.net
やすな「いやっふぅ!! ソーニャちゃん!あぎりさん!! みんなのアイドル、折部やすなちゃんが! ハワイから帰ってきたよぉ~っ! やっふうぅぅ!!!」











ソーニャ「……………………………………………………………………え?」




あぎり「あらあら~」

やすな?「あ、本物」




やすな「あれ? あぎりさん、横にいるのは………」

あぎり「私が雇ってる3人目の劇団員の方ですよ~」

やすな?「ども~」

117: 2045/01/11(日) 04:11:07.09 ID:WNThJTXEp.net
やすな「えぇ~ 私こんなに変な顔してますかぁ? この人、劇団員失格じゃないですか?」

やすな?「……………」イラッ

やすな「はい! あぎりさん! お土産のマカデミアナッツ! そっちの人と一緒にどうぞ!」

あぎり「ありがとうございます~ それでは私はこれでぇ」

やすな?「さいなら~」

ガラッ



やすな「さってと! ソーニャちゃん久しぶり! 私に会えないからって泣いてなかったよねぇ? んん~?」ニヤニヤ

ソーニャ「」

やすな「あ、久々に私に会えたからって感激で言葉も出ない感じかな!? ようやくソーニャちゃんも私の有り難みが分かってきたようだね!」ニヤリ

ソーニャ「」

やすな「そんなソーニャちゃんにはじゃじゃ~ん! お土産をあげよう! さっきそこで拾った綺麗な石だよ! ソーニャちゃんにはもったいないけど! 大切にしてね!」

ソーニャ「」

121: 2045/01/11(日) 04:13:22.01 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あっ! もちろんタダじゃあげないよ! 私に絶対服従だからね! じゃ、早速肩でも揉んで貰おうかね」

ソーニャ「」

やすな「ほらほらぁ~ 欲しいんでしょぉ~この石。可哀想なソーニャちゃんには勿体無いくらいだけど私は心が広いからあげちゃおう! だから早く揉んでよね! 痛くしたらあげないよーだ!」

ソーニャ「」

やすな「あ! さてはこれだけじゃ足りない? ふふふふふ、このいやしんぼめ! それならこっちのサインもあげよう! 私の直筆のサインだよ! 欲しい? 欲しい? 欲しいよね!?」ニヤニヤ

ソーニャ「」

やすな「あれ~? まだ足りないの? 全くしょうがないねぇ~」ハァ…

やすな「可哀想だからこのジュースもあげよう! ほら、飲んでいいよ! それとも缶の開け方も分からない? それじゃあ開けてあげよう! 感謝してよね!」

ぶしゃあ!!

ソーニャ「」

124: 2045/01/11(日) 04:15:54.60 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あっははは!! ソーニャちゃんコーラ塗れぇ! ひゃっははは!! バカみたい~!」ゲラゲラ

ソーニャ「」

やすな「そんな惨めなソーニャちゃん! 私のとっておきのタオルをあげよう! 普通の用途は便所雑巾だけどソーニャちゃんにはピッタリ!」

ソーニャ「」

やすな「私が拭いてあげるよ! ほらほら~! ぷっ! あっははは! 変な顔! ひっどぉ~い!! あ~っははは!!」

ソーニャ「」プルプル

やすな「豚鼻~! さぁ! 豚のようにブヒブヒ鳴くがいい! ブーブー、ブーブー!」

ソーニャ「…や…………」

やすな「あぁん? なんだって聞こえない! もっと大きな声で鳴かなきゃお土産は無しだよ!」

ソーニャ「………や…す………な………」プルプル

やすな「も、もしかして…怒ってる?」

ソーニャ「」フラァ

やすな「そ、ソーニャちゃん! 怖い! 何も言わずに俯きながらこっちに来ないで!!」

ソーニャ「」フラァ

やすな「ひぃ!! 退避せねば!!」

126: 2045/01/11(日) 04:18:02.30 ID:8pVXPbWZ0.net
ガチャ!ガチャ!

やすな「あ、開かない!? だ、誰か助けてぇ!!」

あぎり「忍法、『扉開かないの術』 頑張って下さい~」

やすな「あああ、あぎりさん!! そんな殺生なぁ!!」

ソーニャ「やぁ~すぅ~」

やすな「ヒィ!」

ソーニャ「なぁああぁあぁぁぁ!!」ガシッ!

やすな「あぁ、もうダメ…… せめて氏ぬまでにソーニャちゃんの弱みを握って遺言として残しておきたかった…………」

ソーニャ「」

やすな「…………うぅ」ブルブル

ソーニャ「」

やすな「…………………………」

ソーニャ「」

やすな「………………? ソーニャ…ちゃん……?」

ソーニャ「」ダキッ

128: 2045/01/11(日) 04:19:21.90 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「ひゃあ!」

ソーニャ「うぅ………」

やすな「ちょ、ちょっと!? このまま鯖折りする気!?」

ソーニャ「う……ぐ…………ひぐっ………!」

やすな「は?」

ソーニャ「ふわぁああああああん!!」

やすな「なんでイキナリ泣いてんの!」マジレス

ソーニャ「うわぁああああん! やすなぁ! やすなぁあああ!!」ギュ!

やすな「え、ちょっと! そ、ソーニャちゃん!? な、なんで……」

ソーニャ「うぐっ……ひぐっ……」グスッ

やすな「…………もう、しょうがないなぁ」ギュッ

ソーニャ「ッ!」

やすな「よしよし、もう大丈夫だよ。私が守ってあげるから…もう泣かないでソーニャちゃん」ナデナデ

ソーニャ「……………や…やす、なぁ………」グスッ

131: 2045/01/11(日) 04:22:24.64 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな「あとさ、ソーニャちゃん」ナデナデ

ソーニャ「……………」

やすな「さっきから地味に本当に鯖折りされてて痛いんだけど……」メキメキ

ソーニャ「……………ごめん」

やすな「でもソーニャちゃんの為なら我慢できるよ」ナデナデ

ソーニャ「…………ありがと」

やすな「えへへぇ」ナデナデ






あぎり「これで万事解決ですねぇ」

やすな?「結局のところ、あのハワイ帰りの娘に飲ませたという薬はなんだったんで?」

あぎり「小麦粉を青く着色したものですよぉ」

やすな?「それじゃあハワイ旅行が当たったのは?」

あぎり「裏から手を回しました~ 忍者っぽいでしょう~?」

133: 2045/01/11(日) 04:23:55.36 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな?「なんだ。それじゃあ私が今まで飲んでいた薬もタダの小麦粉でーーー」

あぎり「いいえ~ それは違いますぅ」

やすな?「へ? ……う…………ぁ……」フラァ

あぎり「それは本物の毒薬ですよぉ。さっき飲ませたので致氏量を超えました~」

やすな?「なっ! ………うぁ…」

あぎり「実はぁ、あなたが私を狙ってるヒットマンだって知ってましたぁ。でもぉ、なかなか隙を見せてくれないからぁ…少し忍者っぽく騙してみましたぁ~」

やすな?「………ど、通りで……あんなにも…私に対して……隙を………見せなか………はず……だ」

あぎり「あなたが劇団員として私に接触してくれたこと、やすなさんが私に対して都合のいい相談をしてきてくれた事も幸いでした」

あぎり「いつソーニャに尾行されているかわからないからという名目で、2人きりの時でも完全に演技をさせたのも全てはあの薬を飲ませるためです」

134: 2045/01/11(日) 04:25:57.24 ID:8pVXPbWZ0.net
あぎり「さらに言えば、私があなたを含めて劇団員を3人雇った事、やすなさんに薬を飲ませたのも全てはこの前振りでした~」

やすな?「そ、そうか……あの娘に薬を飲ませた時から……………これを…ねら………て…………」

あぎり「…………………」ガサゴソ

あぎり「隙を見せていたら、このナイフで私が始末されていたかもしれませんね」

あぎり「まぁ、これも仕事ですからね。許してもらおうとは思いませんが」

あぎり「それじゃあ私も退散するとしましょう。2人とも仲良くねぇ~」





それからしばらくして


あぎり「また私に相談ですかぁ~」

やすな「そうなんです。ソーニャちゃんの事で……」

あぎり「またソーニャがやすなさんに何かしたんですかぁ?」

やすな「違うんですよ! むしろ逆です!」

あぎり「んん?」

やすな「最近のソーニャちゃんがおかしいんです! 例えばーーー」

135: 2045/01/11(日) 04:29:36.28 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな『は~い、ソーニャちゃん! オッハー!』

ソーニャ『おはよう、やすな』

やすな『全くもう、こんな所でバカみたいにぼーっとしてさ! 遅刻しちゃうじゃん!』

ソーニャ『わ、私はやすなを待ってたんだからな! お前がもっと早く来ればいいはなしだ!』

やすな『待ってたの私を? なんで?』

やすな『はっは~ん、さては私と一緒に登校したいとかいう頃し屋にあるまじき可愛いい理由だなぁ! ぷぷぷぷ!』

ソーニャ『まーな』

やすな『なぁんて冗だ………へ?』

ソーニャ『ほら、早く行こうやすな。本当に遅れてしまう』

やすな『いや、あの…ソーニャ…ちゃん……?』

ソーニャ『どうした? そんな顔をして』

やすな『わ、私と登校したいから待ってたって……え?』

ソーニャ『ま、まさか……迷惑だった、か?』ウルウル

やすな『はへぇ!?』

ソーニャ『や、やすなに迷惑をかけるならもう一緒に行こうだなんて言わない! で、でもせめて……私と友達のままでいてくれ!』ウルウル

136: 2045/01/11(日) 04:31:13.35 ID:8pVXPbWZ0.net
やすな『な、何言ってんのソーニャちゃん! 私たち親友でしょ! ソーニャちゃんと一緒に学校行くのが迷惑なんてないってば!』

ソーニャ『ほ、本当か!?』パァァ

やすな『うわっ!? なんて輝かしい笑顔!』

ソーニャ『そ、それじゃあ早く行こう!』ギュッ

やすな『ちょ、ソーニャちゃん! 引っ張らないでってぇ!』





やすな『今日のお弁当はタコさんウインナーだぁ!』

ソーニャ『あぁ、この前言ってたタコさんウインナーがたこさん入ってるってやつか』

やすな『私はそんな事言ってないよぉ~ つまらないギャグを人のせいにするなんてバカだなぁ~』ニヤニヤ

ソーニャ『う………』

やすな『はい?』

ソーニャ『……ごめん…なさい………』ウルウル

やすな『ちょ! なにマジになってんの!』

138: 2045/01/11(日) 04:32:09.87 ID:8pVXPbWZ0.net
ソーニャ『…グスッ………』

やすな『な、泣き止んでよぉ~!』

ソーニャ『で、でも……私の暴言のせいでやすなを傷つけて……』グスッ

やすな『傷付いてないから! 全然傷付いてないから大丈夫だよ!』ナデナデ

ソーニャ『ッ!』ビクッ

やすな『あ、ごごごごめん!』バッ

ソーニャ『…あ…………』

やすな『…………………………』

ソーニャ『……………やすなぁ…』グスッ

やすな『い、いいこいいこ~?』ナデナデ

ソーニャ『…………くすぐったい……けど、嫌じゃない……』

やすな『そ、そうなの?』

ソーニャ『あぁ。ありがとうやすな。私の一番の…親友』ニコッ



やすな『(ソ、ソーニャちゃんが壊れたぁあああ!!)』

140: 2045/01/11(日) 04:32:47.29 ID:WNThJTXEp.net
あぎり「へぇ、こんな感じなんですか~」

やすな「は、はい………」

やすな『ラブラブですな』

ソーニャ『演技してるこっちが恥ずかしいくらいだ……』

やすな『てかソーニャってのが完璧にやすなってのに依存しちゃってないか?』


あぎり「でもいいじゃないですか~ 殴られないんでしょう?」

やすな「うー………でも……」

142: 2045/01/11(日) 04:34:21.10 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ『や、やすな! 今日は帰りに河原でのんびりしないか!? め、迷惑ならいいんだが………』


ソーニャ『やすな! 飲み物買ってきたぞ! お金? 別にいい。私がしたくてやってるんだからな』


ソーニャ『やすな、昼飯を買いすぎてしまったんだ。よかったらこのアンパン食べるか?』


ソーニャ『帰りにクレープ食べていかないか? もちろん私が奢るから! だ、大丈夫だ! 少なくない金は貰ってる!』


ソーニャ『こ、この人形……ぴょんすけのお詫びに作ってきたんだ! やすなが作ったのと比べたら下手くそだけど……良かったら貰ってくれないか…?』


ソーニャ『こ、この人形を私にくれるのか!? あ、ありがとうやすな!! い、一生大事にするからな!』ニコッ



やすな「こんな感じでソーニャちゃんが気持ち悪いんですよ!! 何言っても怒らないし!」

あぎり「あれまぁ~」


ソーニャ『つ、疲れた……』ハァ

やすな『お疲れさん』

143: 2045/01/11(日) 04:36:35.39 ID:WNThJTXEp.net
やすな「今だって、なんとかソーニャちゃんに言い聞かせてここに来てるんです。学校では私から絶対に離れようとしないですし……」

あぎり「ソーニャに殴られないように私としては最善を尽くしたつもりだったんですがぁ」

やすな「ま、まぁ確かに殴られたりはしなくなりました。そればかりじゃなくてこの前、ソーニャちゃんと待ち合わせ場所に行くまでの登校中にーーー」





やすな『うわぁ!! なんで蜂が私を追ってくるのさ!!』

やすな『あっ! あそこに隠れられそうなポリバケツが! よし隠れる為に飛び込もう!! とうっ!!』

やすな『蓋閉まってたぁ!!』ガツン!

145: 2045/01/11(日) 04:39:11.53 ID:WNThJTXEp.net
やすな『うぅ……痛たた…こんな大きなタンコブが出来るなんてぇ……』

ソーニャ『っ!!』ドサッ

やすな『あ、ソーニャちゃんおはよう! ダメだなーカバン落とすなんーーー』

ソーニャ『やすなぁ!!』ダキッ!

やすな『てぇえええ!?』

ソーニャ『こ、こんな大きなコブかが………だ、大丈夫かやすな!』ウルウル

やすな『お、大袈裟だなぁソーニャちゃんは。こんなのソーニャちゃんに殴られてた時と比べたら全然平気だってぇ!』ニコッ

ソーニャ『…ぅ………あぁ…!』ブルブル

やすな『ソ、ソーニャちゃん?』

ソーニャ『ごめん……』ポロッ

やすな『げっ!』

146: 2045/01/11(日) 04:40:25.21 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ『ごめんなさい……ごめんなさいやすなっ! もうしないから! もう二度とやすなを傷つけたりしないからぁ………だ、だから……うっ……ひぐっ……』グスッ

ソーニャ『やすなが望むなら……このナイフで私を好きにしていいから………だからぁ……』グスッ

やすな『じょ、冗談だってば! 別にソーニャちゃんに殴られたことなんて気にしてないから!』ナデナデ

ソーニャ『…………やすな』

やすな『ほらほら、ソーニャちゃんは笑わないとぉ! ねっ?』ニコッ

ソーニャ『…………あぁ!』ニコッ




やすな「もはや誰ですかこれ!! 刺客が変装してるって言われても納得できちゃう!」

あぎり「そうですねぇ………少しやりすぎたでしょうか」

やすな「もう本当にどうすればーーー」

ガラッ!

やすな「げっ!」

148: 2045/01/11(日) 04:41:36.47 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ「やすな……」

あぎり「あらぁ……小動物みたいですねぇ」

やすな「ソーニャちゃん! 教室で待っててって言ったのに!」

ソーニャ「す、すまない……で、でもやすながあまりにも遅いから……わ、私………」グスッ

ソーニャ「お、置いて…行かれたと……お、思ってぇ………」ウルウル

やすな「そ、そんなわけじゃないでしょ!! 私がソーニャちゃんを置いていくなんてないから! ですよねあぎりさん!」

あぎり「はい~」

ソーニャ「う、疑ってたわけじゃなくて……その……不安に……………」

やすな「じゃじゃあ一緒に帰ろっか! ほら、手を繋ご?」ギュ

ソーニャ「や、やすな……!」ニコッ

やすな「それじゃああぎりさん! また今度!」

あぎり「はい~」

ソーニャ「…………………」

あぎり「んん~? どうしたのぉソーニャ?」

150: 2045/01/11(日) 04:42:56.50 ID:WNThJTXEp.net
ソーニャ(ワタシノヤスナニ、テヲダスナ)ギロリ!

やすな『ひぃ!』
ソーニャ『うわぁ!』

あぎり「あはは~」

バタン!


あぎり「うふふ~よかったぁ」

やすな『な、何が良かったんですか!! 凄い怖かったですって!!』

ソーニャ『私、一瞬氏を覚悟しました……』

あぎり「だってぇ~ ソーニャの本質は変わってないことが分かりましたからぁ~」

あぎり「これならぁ、元に戻る可能性もありますねぇ」

やすな『は、はぁ…』

ソーニャ『そうですか…』

やすな・ソーニャ((なんであんな目で睨まれてこんなに平静なんだこの人は!!))

あぎり「それじゃあ~帰ってやすなさんのために新しい薬を調合しましょうかねぇ~」

うふふふ~

152: 2045/01/11(日) 04:44:28.92 ID:WNThJTXEp.net
没キャラ「くそぅ! また私の扱いが酷いぞ!! あの忍者のせいで焼かれるわ髪の毛がチリチリになるわ、歯も一本抜けちゃったし……」

没キャラ「で、でも諦めるもんか! その内私だってメインキャラに昇格してやる!!」

没キャラ「とりあえずご飯を食べるぞ! 腹が減っては戦はできない! 今日はこのポヤング焼きそばを食べる!」

ベリベリッ!


麺に埋もれたG「」


没キャラ「」








うぎゃあああああああああ!!


この後ポヤングは倒産した

154: 2045/01/11(日) 04:46:17.69 ID:WNThJTXEp.net
あぎり「私のせいってことは、ひ・み・つ」










『ひやくげきらぶいりゅとうさん』

155: 2045/01/11(日) 04:48:06.71 ID:WNThJTXEp.net
おわり

157: 2045/01/11(日) 04:49:22.24 ID:pKXx5aPA0.net
おつ
良い気持ちだ

引用元: あぎり「ソーニャから殴られなくなる方法ですか~?」