1: 2022/07/15(金) 20:49:50.79 ID:3d24ecq4.net
建ったら

2: 2022/07/15(金) 20:54:38.87 ID:3d24ecq4.net
テレビ「車の事なら~」

テレビ「うふん⭐︎」

エマ「すっごーい!果林ちゃんがキャンペーンガールになっちゃった!」

果林「たまたま運が良かっただけよ」

果林「それに、放送期間も少しだけだしね」

果林「それの報酬も...ちょっとどころじゃないぐらい頂いたわ」

果林「コガネモチね」

エマ「おぉ~」

6: 2022/07/15(金) 21:01:33.26 ID:3d24ecq4.net
エマ「ふむふむ」

エマ「果林ちゃんが車を乗り回してるcmだね」

エマ「あれ?果林ちゃん、免許持ってたっけ?」

果林「いいえ。持ってないわ」

果林「撮影の時は合成だったの。私は座席に座っただけなのよ」

エマ「そうなんだ~」

エマ「実はね、私、車の免許持ってるんだよ~」

果林「えっ!」

エマ「スイスだとね、17歳から免許が取れるの」

エマ「しかもMTだよ~」

果林「すごいじゃない!」

8: 2022/07/15(金) 21:05:21.97 ID:3d24ecq4.net
エマ「ねえねえ」

エマ「果林ちゃんもさぁ、これを機に免許とってみない?」

エマ「一緒にドライブ行こうよう」

果林「そうねぇ、免許ねぇ...」



ポワワワーン

果林「何人たりとも私の前は走らせないわよ!」

車「ギュルルーン!」

果林「ぶっちぎるわ!!」

ポワワワーン


果林「まあ、面白そうね」

果林「車はないけど、カーシェアとかレンタル使えばし」

果林「楽しそうね」

11: 2022/07/15(金) 21:12:52 ID:3d24ecq4.net
エマ「免許を取りに、ドライブスクールに行こう!」

ミア「行こう!」

ランジュ「行くわよ!!」

果林「えぇ...なんで増えてるのよ」

果林「って言うか、取るの私だけなんだから、私一人でいいじゃない」

ミア「実はボクも免許持っててね」

ミア「後は国際免許さえそろえば日本でも運転できるけど、横浜まで行くのがだるい」

ランジュ「ランジュは逆に、免許はないけど車は持ってるの!」

ランジュ「この前の誕生日に、お爺ちゃんが大きくて黒い車送ってくれたのよ!長くてダックスフントみたいだわ!」

果林「...(スケールが違いすぎて何も言えない)」

14: 2022/07/15(金) 21:19:25 ID:3d24ecq4.net
果林「どこまで付いてくる気?」

エマ「全部!だって楽しそうだから!」

ランジュ「ダメ?」

果林「好きにしなさい」

ミア「果林も素直じゃないなぁ」

果林「(正直、駅からドライブスクールまでの道も迷いそうだったから、着いてきてくれて良かったぁ...)」

果林「(もうすぐ見えてきたわ!ドライブスクール!)」

果林「こんにちは~」

受付「こんにちは」

果林「ドライブスクールに入校したいのですが...」

受付「こちらへどうぞ」

18: 2022/07/15(金) 21:27:36 ID:3d24ecq4.net
免許を取ろう!

1,必要なお金の事

受付「入校手続きですね。はじめに、自動車学校の料金は全国一律で決まっている訳ではありません」

受付「全国平均として、AT(オートマ限定)は24万円、MT(マニュアル)は30万円ぐらいになります」

受付「朝香さんはATとMTのどちらを取得されますか?」

果林「えっと....」


ポワワワーン

フラッシュバックするエマ「MTはガチャガチャできるから楽しいよ!」

ポワワワーン



果林「楽しい....」

果林「ガチャガチャする方でお願いします」

受付「ガチャガチャ...MTですね!」

22: 2022/07/15(金) 21:39:10 ID:3d24ecq4.net
受付「朝香さん、先程の料金とは別に、お得なプランがあるのですがどうされますか?」

果林「セット?なんの事でしょうか?」

受付「技能教習はですね...MTであれば、全部で34コマ必要です。でも中には運転が苦手な人もいて、補講が必要な人もいまして」

受付「そんな人向けに、何時間オーバーしても料金は一緒というプランがありまして」

受付「追加で3万円になります」

果林「うーん...」

果林「(まあ、簡単に取れたってミアが言ってたし、そんなに深く考える必要ないのかもね)」

果林「なしでお願いします」

受付「はい」

24: 2022/07/15(金) 21:46:10.40 ID:3d24ecq4.net
受付「それでは朝香さん、書類を確認させていただきました」

受付「うちの自動車学校では、学割というのがありまして、朝香さんは学生ですので...」ぺちゃくちゃ

受付「お会計が...」

果林「分割、カードで」

受付「かしこまりました」


書類にスタンプほんぽん!


受付「朝香果林さん、入校受付が完了いたしました」

受付「それでは入校式を行います。こちらへどうぞ」

果林「ありがとうございます」

26: 2022/07/15(金) 21:53:16.42 ID:3d24ecq4.net
所長「本日は我が校に...」

果林「ちょっと、なんでいるの?」コソコソ

エマ「友達の付き添いですって答えたら一緒にどうぞって言ってくれたよ?」コソコソ

果林「....そうなのね」諦め

所長「皆さんを立派なドライバーに云々」

所長「それでは最後に、皆さんへお渡しするものがあります」

所長「朝香さん、どうぞ」

果林「何かしら?」ぺらっ

所長「教習手帳です。大切にしてあげてくださいね」

果林「(まだまだ真っ白ね)」

果林「ふふっ」

43: 2022/07/17(日) 00:56:05.18 ID:edEitTRX.net
免許を取ろう!

2,学科教習と技能教習のこと

果林「へぇ、私、運転免許を取得するには、運転の教習だけ受けるのだと思っていたわ」

果林「学科試験っていうのもあるのね」

ミア「それはどこの国だって一緒さ。ドライバーになるなら、立派な精神も必要になるっていう建前だし」

果林「本音は?」

ミア「車は5歳児からでも運転できる」

果林「流石自由の国と見せかけた無法地帯...」

果林「えーと、整理すると、学科教習と技能教習はそれぞれ第一段階と第二段階があって、第一段階をクリアすると仮免がもらえる」

果林「まずは第一段階ね。これは場内教習とも呼ばれて、場内をぐるぐるするわ」

果林「第一段階の学科教習は10コマ、技能教習は“最低”12コマ」

果林「最低12コマってどういう意味かしらね?」

果林「両方講習が終わったら修了検定。合格したら仮免と」

果林「順調に全部取得してみせるわ!」

果林「おー!」

48: 2022/07/17(日) 15:52:14.18 ID:edEitTRX.net
果林「おっと、言い忘れてたわ」

果林「学科の前に、まずは運転適正検査があるの」

果林「運転適正検査とはいうけど、実質心理テストに近いわ」

果林「貴方の思考の傾向はこういうのがありますってのを見抜くテストらしいから、気楽に受けるといいわ」

教官「今からペーパーを回します。書かれていることをよく読み、素直に答えてください」

教官「問題の解答には制限時間があります。私がやめ!と言ったら、必ず次の問題に進んでください」

教官「ペーパー皆さんのところに行き渡りましたか?それでは初めてください」

カキカキ

果林「(心理テストっぽいと聞いていたけど、丸の中に丸を書かされたり、シミが何に見えるか答えたり...)」

果林「(これがどのように結果に反映するのかわからないわね)」

果林「(????)」

カキカキ

49: 2022/07/17(日) 16:00:06.77 ID:edEitTRX.net
教官「皆さんお疲れ様でした」

教官「試験の結果は1週間後に出ます」

教官「試験結果は第二段階の学科教習で使用します。大事に取っておくように」

果林「はーい」

教官「では続けて、学科教習1、運転者の心得を始めます」

教官「教本の~ページを開いてください」

果林「ペラペラ」

教官「運転者の心得は、譲りあいです....」

果林「(うーん、普通のことしか言わないわね)」

果林「(こんなの私でも、このドライブスクールに入る前から知ってるわ)」

果林「キョロキョロ」

他の受講生「カキカキ」教科書にマーカーを引く

果林「(まぁ!熱心な人もいるのね)」

果林「(でも、私は眠くなってきちゃった)」ふわぁ

果林「(正面で寝る度胸はないわね。教官怖そうな人だし)」

果林「(とりあえず、窓の外でも見てましょ)」

50: 2022/07/17(日) 16:06:00.66 ID:edEitTRX.net
キーンコーンカーンコーン

教官「お疲れ様でした。教習手帳にスタンプを押すので前に来てください」

果林「手帳ね。はい、お願いします」

教官「ペタン」

果林「おぉ~」

果林「(座ってるだけでスタンプ貰えるなんてチョロいわ!)」

果林「テキストの内容も、全部当たり前の事ばかりだったし、仮免許なんてチョチョイのチョイのチョイよ!」

果林「えーっと、この後は...」

果林「技能教習の1、運転シミュレーターに乗ると」

果林「部屋は、えーっと」

51: 2022/07/17(日) 16:11:03.25 ID:edEitTRX.net
~シミュレータールーム前~

ランジュ「あっ!果林!」

ミア「待ってたよ」

エマ「どうだったどうだった?」

果林「別に普通だったわよ。特に山なくオチもなくって感じで」

エマ「そっかそっか!」

果林「私はこれからシミュレーターに乗るけど、あなたたちは?」

エマ「教習所の人がね、見学してていいって言ってたし、場内教習の時に後ろ乗っててもいいって言ってくれたの!」

エマ「だから見学するね!」

果林「えぇ...(困惑)」

ミア「おい、早くしないとチャイムなっちゃうぞ」

ランジュ「シミュレーターってマリオカートみたいなのでしょ?」

ランジュ「ランジュもやりたいわ!」

果林「はぁ....」

52: 2022/07/17(日) 16:21:38.69 ID:edEitTRX.net
教官「みんな教本は読んできたかな?」

教官「確認するよ。ペダルは右から順に、アクセル、ブレーキ、MTの人はクラッチがあるよ」

教官「A(アクセル)B(ブレーキ)C(クラッチ)で覚えよう」

教官「横のレバーはサイドブレーキって言うよ」

教官「主に停車時の車の静止状態を保つために使用するよ」

教官「二つ目のDとか、Rとか書いてあるレバーはシフトレバーといいます。ATとMTではこの使い方が結構違います」

教官「でも今日のシミュレータはAT仕様だから安心してね」

教官「それぞれ説明するよ」

教官「【P】(パーキング)車を駐車する時に使います」

教官「【R】(リバース)後退する時に使います」

ランジュ「!!」

教官「【N】(ニュートラル)前進ギアにも後退ギアにも噛み合っていない状態です。故障した時などに使います」

教官「【D】(ドライブ)前方に走行したい時に使います」

教官「では皆さん、シミュレータに座って、実際に体験してみましょう」

53: 2022/07/17(日) 16:28:49.05 ID:edEitTRX.net
エマ「果林ちゃん頑張れ~!」

果林「ドキドキ」

教官「まず座って、座席の位置を調整、そしたらシートベルト」

教官「ルームミラーの確認」

果林「ヨシ👉」

教官「シフトレバーがPに入っていることを確認!」

果林「ヨシ👉」

教官「ブレーキを踏みながら、キーを回す」

果林「キーを回す」ぎゅるるん

教官「シフトレバーをDに入れて、サイドブレーキを下げる」

果林「ガチャガチャ、ガコン」

教官「足をブレーキから離して、アクセルを踏む」

ブロロロン!!

果林「!!」

ミア「果林!アクセル踏みすぎ!」

果林「そ、そうなのね、ゆっくり、ゆっくり...」

54: 2022/07/17(日) 16:36:52.50 ID:edEitTRX.net
シミュレータ「それでは走行してみましょう」

果林「むっ...走行」

教官「今はアクセル踏むだけでいいからね」

果林「アクセル踏むだけ...」

ブロロロ~

エマ「いい感じだね!その調子!」

果林「アクセルの調整が難しいわね...」

ブロロロ~

シミュレータ「走行終了です。お疲れ様でした」

果林「ふぅ」

教官「どうだったかな?」

果林「もっとたくさん踏まないと進まないんだと思ってました。難しいですね」

教官「次から実際に車に乗るよ。がんばってね」

果林「ありがとうございます!」

教官「これで技能教習1を終わりにします。はい、スタンプどーぞ」

ぽん!

果林「やった!」

65: 2022/07/18(月) 20:25:13 ID:HIoolZaw.net
~次の日~

教官「学科お疲れ様でした」

教官「きちんと教本の復習、予習してくださいね?」

教官「問題集も解いてくださいね?」

果林「はい(こんな簡単なテキストなのに問題集があるのね)」

果林「(解かなくても一発で合格できるでしょう)」

教官「朝香さんは次技能だよね?」

果林「そうですけど、何か?」

教官「今回はお友達に載っちゃダメって言ってあるから...特にマニュアルは」

果林「今回はエマ達乗らないってこと、ですよね?」

果林「それが何か?」

果林「?」

66: 2022/07/18(月) 20:38:24 ID:HIoolZaw.net
アナウンス「朝香さん13号車~」

アナウンス「13号車〇〇教官~」

果林「13号車はここね」

教官「こんばんは。よろしくね」

果林「よろしくお願いします」

教官「先に私が運転しますので、助手席で見ててください」バタン

果林「はい」バタン

教官「ATの運転は昨日シミュレータでやったかな?」

教官「MTの運転はちょっと特殊でね」

教官「クラッチ操作が必要なんだ」

教官「シフトレバーの役割も覚えてね」

教官「MTのシフトレバーはATと型が違うのわかる?」

果林「なんかエOチな型してますね」

教官「H型ね...横に倒した王型でもいいかもね」

教官「ここに、1~5までの数字とRが書いてあるでしょ」

教官「これがギアと言います。ギアに入れたい時はクラッチを踏む」ガチャガチャ

教官「ギアに何も入ってない状態が、N(ニュートラル)」

教官「走り始める時はクラッチを踏みながら、1に入れる」ガチャガチャ

果林「?」

果林「難しいわね」

68: 2022/07/18(月) 20:47:09 ID:HIoolZaw.net
教官「次にアクセルを踏みながらクラッチを半分離す」ブロロロ

教官「エンジン数が高くなったらサイドブレーキを下ろして」

教官「クラッチを完全に離す」

教官「後はATと同じ」

ブロロロ

教官「走り出したでしょ?」

教官「これからギアチェンジを行います」

教官「さっき言ってたシフトレバーの数字は、歯車の大きさを表します」

教官「1では一番歯車が大きく、駆動力もあるけどスピードが30kmまでしか出せない」

教官「道路そんなにモタモタ走れないでしょ?」

教官「だから次のギアに繋いであげます」

果林「????????」

教官「いい感じに走ってるなって思ったら、クラッチを踏んで、ギアを2に入れる。同時にアクセルも離す」

教官「ギアチェンジできたらゆっくり戻してアクセルをつなぐ」

教官「今日はここまでやろう」

果林「???????」

教官「ここで止めるから、交代ね」ブロロロ

70: 2022/07/18(月) 20:55:35.19 ID:HIoolZaw.net
果林「(え?ちょっと待って)」

果林「(ATのアクセル踏むだけでいいに比べてMTやる事いっぱいありすぎない!?)」

教官「朝香さん、大丈夫?」

果林「は、はい」

果林「お、お願いします」バタン

果林「(えーっと、座席とミラーと...)」

教官「発信準備OK。発進してみて」

果林「えーっと、Nを確認して、ブレーキとクラッチ踏んで、エンジンかけて」ギュイン

果林「1に入れて、入れたら?」

教官「アクセル踏んで」

果林「アクセル...」

ブオオォォォン!!

果林「!!」

教官「ゆっくり、落ち着いて」

果林「ゆっくり...」

71: 2022/07/18(月) 21:03:58.99 ID:HIoolZaw.net
教官「次は半クラッチ」

教官「クラッチ半分上げて、繋ぐ。繋ぎ終わったらアクセル」

果林「こうかしら?」

プスンプスン!ガタガタ!

果林「きゃっ!何?何?」

教官「エンストだね。はい、ギアNに入れて、エンジン切ってやり直し」

果林「え、エンストって...」

教官「つべこべ言わず次!!」

果林「ビクッ!」

果林「は、はい!!」

果林「N確認、エンジン入れて、ギアを....」

____________________
_______________
___________


教官「お疲れ様でした」

果林「お疲れ様でした」

教官「教習の料金は、いつでも返金できますから」

果林「へ?」

教官「それでは」

果林「料金、返金...それって、私がMT向いてないって遠回しに言ってるの?」

果林「失礼な人ね。そうやって挑発されると燃えるタチなの」

果林「MT何がなんでも取ってやるわ!!!」

72: 2022/07/18(月) 21:10:54 ID:HIoolZaw.net
果林「って言う事があったのよ」

エマ「失礼な人もいたんだね」

エマ「で、どう?運転の方は?」

果林「あれからもう1時間載ったのだけど、全然ダメね」

果林「勢いよく啖呵切ったはいいけど、ダメダメで恥ずかしいわ。穴があったら挿入れたい...じゃなくて入りたいぐらい」

ランジュ「話は聞かせて貰ったわ!!」

果林「!?!?」

ランジュ「運転の練習したいんでしょ?」

果林「そうだけど...」

ランジュ「だったらランジュについて来なさい!!」

果林「ちょ、ランジュ引っ張らないで!!」

エマ「面白そう!私もついて行こうっと」

74: 2022/07/19(火) 00:02:05.84 ID:YwQagGDy.net
ランジュ「ここよ!」

果林「ここって...ランジュの日本のお家じゃない!!」

デカい家「どーん!」

ランジュ「ママが住んでるところね!」

ランジュ「それでこっちが駐車場!」

ランジュ「これがママの車のキー」

果林「つまり...?」

ランジュ「ママの車で練習するわよ!こっちちゃんとウチで買い取ってる駐車場だから」

高そうな車「やぁ」

ランジュ「ほら、果林、乗って乗って!」

75: 2022/07/19(火) 00:13:20.45 ID:YwQagGDy.net
ブオオオン!ブオオオン!

果林「ちょっと、これバレたらやばくない?」

ランジュ「大丈夫よ。バレなければいいの!」

エマ「とかビビってるけど、果林ちゃん結構ノリノリじゃん?」

果林「ま、まあちょっとだけなら?先っぽセーフって言うじゃない」

エマ「果林ちゃんも言うねぇ~」

エマ「どれどれ?運転見せてみて」

果林「半クラッチがうまく繋がらないのだけど」

ブオオオン!ブオオオン!

エマ「...!!」

エマ「果林ちゃん、椅子近すぎなんじゃない?」

果林「へ?」

エマ「アクセルも蒸しすぎでしょ?こんなに音が大きいって、足の裏を目一杯使って踏み込んでるんじゃないかなって」

エマ「アクセルとクラッチは、つま先が届くぐらいがちょうどいいんだよ」

エマ「果林ちゃんは身長も高いし、脚も長いから、もう二つ分ぐらい後ろに下げてもいいんじゃないかな?」

果林「なるほど...そうしてみるわ」

ガチャガチャ

76: 2022/07/19(火) 00:19:10.63 ID:YwQagGDy.net
果林「じゃあもう一度最初から」

果林「ニュートラル、アクセル、半クラッチ、サイドブレーキ、アクセル...」

果林「半クラッチは膝を少し浮かせる感じで」

ブロロロ...

果林「やった!」

ランジュ「果林!すごいわ!」

エマ「いいねえ!その調子!」

ブロロロ...

果林「とりあえず右回り」

ランジュ「もう一周!」

果林「運転出来るって、すっごく嬉しい!」

果林「...のだけど、これどうやって元の場所戻るの!!」

77: 2022/07/19(火) 00:25:33.49 ID:YwQagGDy.net
エマ「んもうしょうがないなぁ」

エマ「果林ちゃん代わって」

果林「お願い」バタン

エマ「はーい、Tutto ok... Tutto ok...」シフトレバーガチャガチャ

エマ「ん、ちょっと左曲がりだね」

エマ「も一回...」ピタっ

ランジュ「エマってばすごいわ!」

エマ「どんなもんだい!」えっへん

果林「免許持ちって凄いのね。ありがとう」

エマ「どういたしまして!」

_____________________
________________
___________

果林「今日はありがとうね」

エマ「バイバーイ!」

ランジュ「バイバイ!」

ランジュ「行っちゃったわ...」

ランジュ「運転って見てても乗ってても楽しいわね」

ランジュ「じー」ママの車のキーを見つめる

ランジュ「キョロキョロ」

ランジュ「私も乗ってみようかしら...」バタン

ランジュ「えーっと、ニュートラル、ブレーキ...」

ブオオオン!

ランジュ「えっ!?ちょっ!」

ドシン!!



その日ランジュは理事長にこっ酷く叱られましたとさ

80: 2022/07/20(水) 00:52:25.19 ID:oFEOdrQW.net
ブロロロ~

果林「ギアチェンジ...2から3へ」ガチャガチャ

教官「朝香さん、随分と運転上手になったね」

果林「そうですか?」

教官「本当、見違えるほど」

果林「実は友人に教えて貰ったんです」

教官「えっ?免許持ってる知り合いいるの?」

果林「友人、留学生で...もう既に母国で取ってたらしいです」

教官「あのいつもフロントで待ってる子達が!?凄いねぇ!!」

教官「朝香さん、次の時間車空いてるけどどうする?乗ってく?」

教官「ついでにご友人も乗せちゃう?」

果林「...うーん」

果林「最近はエンスト起こさなくなったので、たまには」

教官「オッケー👌次の時間、配車しとくね」

果林「ありがとうございます」

ブロロロ....

81: 2022/07/20(水) 00:56:29.25 ID:oFEOdrQW.net
アナウンス「朝香さん5号車~」

エマ「今日はよろしくね」

ミア「よろしく」

果林「ランジュは...えーっと、しばらく理事長から業務停止命令が出てるんだったかしら?」

ミア「正解。教習所で変な知恵つけないように、理事長の家に閉じ込められてるらしいよ」

ミア「だから最近寮にも姿見せないだとかなんだとかで」

果林「結構おかんむりだったのね理事長...」

果林「今日は私の運転テクニックを披露するわ」

果林「是非見ていてちょうだい。目ん玉飛び出しても拾ってあげないからね!」バタン

ミア「よく言うよ」バタン

エマ「楽しみだなぁ」バタン

82: 2022/07/20(水) 01:01:32.22 ID:oFEOdrQW.net
教官「よろしくお願いします」

果林「よろしくお願いします」

教官「今日の技能教習はS字クランクと縦列駐車、方向転換を行います」

果林「へ?」

果林「き、聞いてないわよ!」

ミア「クスクス」

教官「私が指示を出しますから、それに従ってハンドルを切ってください」

教官「はい、発信準備、発進」

果林「....っ」

果林「発進」ブロロロ

83: 2022/07/20(水) 01:04:47.11 ID:oFEOdrQW.net
教官「s字クランクに入ってみましょう。ハンドルをゆっくり切って侵入」

果林「ゆっくり、侵入....」

教官「道の端をタイヤがなぞる感覚で、そうそう」

教官「はい、今度は反対側に切って」

果林「反対...」

教官「あっ、行き過ぎ!!!ストップ!!」



ガコン!!

89: 2022/07/22(金) 00:24:21.53 ID:f+kWwQkc.net
果林「あっ...あっ...」

教官「脱輪だね」

エマ「果林ちゃん、落ち着いて」

ミア「なんだよ、目ん玉飛び出しても拾ってくれないんじゃなかったの?」

果林「今日はたまたまよ...偶然!」

果林「えーっと、えーっと!」

果林「へ?」

ミア「まずはギアを下げて、Rに」

果林「ギアを落として...リバースに」

教官「次に、ハンドルを道と逆に切って」

教官「思いっきり、ぐっと」

90: 2022/07/22(金) 00:29:04.73 ID:f+kWwQkc.net
果林「???」

ミア「ほら、思いっきり切れって言われてるけど、後見ながらじゃないと、今度は後ろが脱輪するぞ」

教官「はい、ゆっくりで良いからね....ストップ」

教官「頭戻して」

果林「....クルクル」

エマ「果林ちゃん、これで一安心だね」

果林「でも...うん、まあ良いわ」

教官「じゃあ次はクランクね」

教官「次はもっと難しいから」

_______________
________
____

ガン!ドン!

果林「擦った!擦ったわ!今!」

教官「擦ってもいいから、ハンドルに集中して」

果林「?????」

教官「だめだこりゃ。もう1時間延長ね」

91: 2022/07/22(金) 00:33:35.69 ID:f+kWwQkc.net
ミア「首が鞭打ちになる所だった」

エマ「まあ仕方ないよ。果林ちゃん初心者だし」

ミア「でも初心者でももうちょっとうまく乗れるだろ?」

果林「あぁ...あれだけ言ったのだから、もっと運転上手いんだって自惚れてたわ」

果林「恥ずかしい...」

ミア「見てて思ったんだけど、果林は車幅をうまく掴めてないんじゃないか?」

ミア「車幅がどれくらいか言える?」

果林「1mぐらい?」

ミア「狭すぎ」

エマ「ヒントは私だよ」

果林「?」

94: 2022/07/22(金) 23:09:07.91 ID:f+kWwQkc.net
エマ「さらにヒント」

エマ「この中では果林ちゃん>私>ミアちゃんの順に大きいよ」

果林「何かしら?たまに生えてくるチンポ?」

ミア「生えない!!そんなもの生えて来ない!!」

ミア「ボクは短小じゃあないぞ!!生えてもないけど!」

エマ「もう果林ちゃんのすけべ!」

エマ「この順と同じ大きさの物はどれ?」

果林「えーっと、胸は...エマがいちばん大きいわね」

果林「ん~、もしかして、身長?」

ミア「正解!車幅は大体1.5~1.7mの間なんだ」

ミア「ボク達とピッタリじゃないか」

ミア「という訳で、果林、手を広げて」

果林「こうかしら?」

97: 2022/07/24(日) 00:01:24.09 ID:opPG7UAX.net
ミア「そうそう。そんな感じで、じゃあカド曲がってみてよ」

果林「テクテク...まあ普通ね」

ミア「じゃあなんで車に乗るとできないの?」

果林「なんででしょうね?距離感掴めてないのかしら?」

エマ「ここで私の登場!果林ちゃん、私に指示を出して、私を曲げて見せて」

エマ「指示は細かくね。右に何センチとか、30度ひねるとか」

果林「え、ええ」

果林「じゃあ、3歩歩いて」

エマ「いち、に、さん」

果林「右に、90度回転」

エマ「90度...はい、壁にどーん!」

果林「あら...」

エマ「思ってるよりも細かく切らないとダメなんだよ」

果林「自分で手を広げるときには、自分の手足の幅を意識してるからぶつからない。でも客観的にってなると、全然ダメね」

果林「車に乗ってる時は客観的に見てどう動かすかを決定しなければならないって事かしら?」

ミア「果林にしてはいいこと言うじゃないか」

ミア「ただのすけべお姉さんだと思ってた」

果林「あら?ミアが望むのなら、股間のシフトレバーだって弄ってあげるわよ?」

ミア「だから生えてない💢」

98: 2022/07/24(日) 00:08:46.21 ID:opPG7UAX.net
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キーンコーンカーンコーン

教官「お疲れ様。前回と比べるとすごく上手くなった」

教官「第一段階は1コマオーバーしちゃいそうだけど、めげないで頑張って!応援してるから!」

果林「ありがとうございます」

果林「お疲れ様でした」バタン

果林「んー、1コマオーバーね....」

果林「最低でも15コマって、こう言う事だったのね」

果林「はぁ...ちょっとショックかも」

果林「オーバーすると、そのコマが追加料金として取られちゃうのよね」

果林「お財布が寂しいわ....」

キーンコーンかーんこーん

果林「あっ、次は学科だわ!しかも最後の」

果林「これが終わったら効果測定よね」

果林「張り切ってサボりましょ!」

99: 2022/07/24(日) 00:15:39.93 ID:opPG7UAX.net
果林「(学科はコマ数と番号は決まっているけど、どれを先に受けてもいいのよね)」

果林「(さらに、時間や曜日によって開講しているコマはバラバラ)」

果林「(だから私はバラバラに開いている順に取ったわ)」

果林「(このコマでラスト)」

果林「(ようやくオートマチック車の発進ですって)」

果林「(なんだか懐かしいわね。あと、このコマ最初に取っておけば...)」

果林「(まぁ、後悔は先に立たずよね?」

教官「ぺちゃくちゃ」

果林「(また窓の外でもみてましょう)」

100: 2022/07/24(日) 00:19:42 ID:opPG7UAX.net
キーンコーンカーンコーン

教官「はい、スタンプ」

果林「ありがとうございます」

教官「朝香さん次効果測定だよね?」

教官「パソコン室奥から詰めてってね」

果林「わかりました」


3,免許を取ろう勉強と試験のこと

101: 2022/07/24(日) 00:27:01 ID:opPG7UAX.net
果林「学科が全て終わると、効果測定という試験を仮免試験とは別で受けることになるわ」

果林「この試験は何度落ちてもお金取られないらしいけど」

果林「ちょっと不安ね」

教官「はい、パソコンの準備できました。画面にボタンが現れましたね」

教官「スタートと言ったら、このボタンを押して始めてください」

教官「スタート」

果林「カチ、カチ....」

果林「?」

果林「?!?!?!?!?!?」

果林「????!!!!!!!!??!!!」

103: 2022/07/24(日) 00:29:46 ID:opPG7UAX.net
教官「やめ!」

果林「ぴたっ....」

教官「今朝香さんとボクしかいないから、ここで結果手渡しさせてもらうね」

教官「ちょっと...この数字はますい」

ペラ「8/50」

果林「「」

教官「とりあえず頑張って」

111: 2022/07/26(火) 00:36:45 ID:xvxwh0Yu.net
ワン!ツー!スリー!フォー!

ハイ!ハイ!ハイ!

辞め!

果林「はぁ...はぁ...」

果林「ふぅ、一息ついたから...」ペラペラ

彼方「!?」

彼方「果林ちゃんがノート捲ってる!」

彼方「夢じゃないよね?」

果林「失礼ねぇ。今、免許の勉強してて」

彼方「免許?免許ってなんの?」

果林「車の」

彼方「え~っ!?車ぁ!?」

彼方「彼方ちゃんびっくらぽんだよぉ~」

彼方「車の免許って難しいんでしょ?彼方ちゃん応援してるね!」むぎゅー

果林「ちょっと...離れてよ。ノート見れないじゃない」

彼方「いつもならセクハラし返してくるのに...それほどの本気か....」


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112: 2022/07/26(火) 00:42:13 ID:xvxwh0Yu.net
~その夜虹ヶ咲の寮では~

ミア「ふむふむ、ボクは日本語の読み書きがちょっと苦手だけど、問題集にざっと目を通してみた」

ミア「なんだい、この問題は...屁理屈じゃないか!!」

ランジュ「後はまぁ、普通って感じで」

エマ「ランジュちゃん戻ってきたんだね」

ランジュ「本当、大変だったわ....次やったらお尻ぺんぺんですって」

エマ「あはは...」

ランジュ「それで、果林は....」

果林「ズーン」

果林「技能の見極め試験までには合格しなきゃいけないのに...後2日」

果林「こんなに厚いの今からじゃ無理よ!」

エマ「ずーっとあんな調子」ヒソヒソ

ミア「ああやって後悔してるなら今からやればいいのにね」

ランジュ「ミア、それは禁句よ」

114: 2022/07/27(水) 00:50:18.88 ID:a5mUr894.net
エマ「果林ちゃん、落ち込まないで。ほら、問題集解こ?」

果林「無理よ...だって、今でようやく25点ですもの...」

エマ「教本をもう一回よく読んで、ね?」

ミア「なんだよ。メソメソしてるけど、一応問題は解いてるじゃないか」

ランジュ「えーっと、大問4の...25点」

ランジュ「間違えた問題は....」

ランジュ「果林のミスした問題の傾向が見えたわ。ひっかけ問題で引っかかってるのと、交通法がよく間違える見たいね」

ミア「そのほかの車の運転技術に関しては完璧じゃないか」

果林「だって、貴方達が丁寧に教えてくれたじゃない。間違えるわけないわ」

ミア「よせやい」

ランジュ「それほどでもあるわ」

エマ「ふふっ」

115: 2022/07/27(水) 01:04:31.79 ID:a5mUr894.net
ランジュ「じゃあまずこの問題から」

問題1:赤信号では必ず停車しなければならない。

果林「⭕よ」

ランジュ「正解は❌」

ランジュ「パトカーや救急車はその場限りではないから」

果林「ひどいひっかけ問題だわ」

ランジュ「ねえ果林。あなたはこの問題どの様に覚えてる?」

果林「どのように...?」

果林「問題文とまるかばつかぐらいにしか」

ランジュ「甘いわ!」

ランジュ「文章がマルバツであるかを覚えるのではなく、回答の例文も一緒に覚えなさい!」

果林「えー」

ランジュ「え~じゃない!!次!」

問題2: 運転免許証を家に忘れて運転した場合は無免許運転である

果林「まる」

ランジュ「ぶっぷー」

果林「なんで?なじょして?

120: 2022/07/29(金) 00:44:48.77 ID:ki9RGbKj.net
ランジュ「はい、ここまで」

果林「はぁ...」

果林「ちょっとへこたれちゃうけど、でもよかったわ!」

果林「問題集はバッチリよ」

ランジュ「良いわね!その調子よ果林!」

果林「なんでもかかってきなさい」

ランジュ「じゃあ問題よ」

ランジュ「対面する信号が青色灯火のとき、車は直進、左折、右折をすることができる。⭕か❌か」

果林「答えは❌」

果林「ここでの主語は【車】よ」

果林「車には、自動車以外に原動機付自転車も入るわ」

果林「原付は二段階右折をしなければならない時もある」

果林「よって❌!」

ランジュ「正解!」

果林「よしっ!」

121: 2022/07/29(金) 00:48:49.29 ID:ki9RGbKj.net
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休み時間中果林

果林「....むむむ」

問題集カキカキ

同好会休憩中果林

果林「むむむ」

問題集カキカキ

寮に戻った果林

果林「...えーっと、ここは」

ミア「座席に荷物を置いて~は何にも問題ないよ」

ミア「ひっかけ問題に集中しすぎて、普通の問題まで疑ってかかってるんじゃない?」

果林「そうね、一旦落ち着いて...」

果林「ふぅ、テスト、明日ね...」

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122: 2022/07/29(金) 00:56:29.09 ID:ki9RGbKj.net
キーンコーンカーンコーン

教官「はい、それでは効果測定の試験を始めたいと思います」

教官「山田さん、斉藤さん、鈴木さん、そして朝香さんね」

教官「呼ばれた順に奥から座ってください」

教官「パソコンの画面にボタンが表示されましたか?」

果林「ゴクリ...」

教官「それでは始めてください」

果林「カチカチ...」

果林「カチカチ....」

果林「...カチ」

果林「(3人に教えて貰ったから、スルスル解けるわ)」

果林「(一通り終わったけど、心配な問題が5問あるわね)」

果林「(どうしましょ、一か八か...)」

果林「(うーん、どちらにしようかな♪)」

果林「(じゃあ⭕!)」

123: 2022/07/29(金) 01:02:55.42 ID:ki9RGbKj.net
教官「はい、そこまで」

教官「結果発表します」

教官「上のモニターを見てください」

果林「(合格してます様に...お願い!)」

パッ!

教官「1、2、4番のパソコン合格」

果林「4番...って事は!」

果林「やった!やった!」

教官「はい、落ち着いて~」

教官「間違ったところ教えるからこっち来てね」

ぺちゃくちゃ

教官「朝香さんこっちきて~」

果林「はい!」

教官「朝香さんは49点だったよ」

教官「満点惜しい!ここの路面電車の矢印のところだけど...」

果林「(あら、全然意識してなかった問題ね)」

果林「(今回は運が良かっただけなのかもしれないわ)」

果林「(次は完璧目指すわよ!)」

124: 2022/07/29(金) 01:11:39.40 ID:ki9RGbKj.net
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教官「はい、お疲れ様~」

教官「次は見極めだね」

教官「一時間オーバーだけど、もうフロントにお金払った?」

果林「はい、払いました。6000円強払うと、お財布が寂しくなってしまいますね」

教官「あはは、うちは割高だからなぁ」

教官「でも、オーバーする人は沢山いるから」

教官「気にしないでね、頑張って」バタン

果林「ありがとうございます」バタン

果林「ふぅ、今日もおしまい」

果林「次は見極めね」

果林「それと帰ったら筆記」

果林「仮免まであともうちょっと!」

果林「がんばるわよ!」

125: 2022/07/29(金) 01:21:28.87 ID:ki9RGbKj.net
~虹ヶ咲学園寮~

エマ「果林ちゃんおかえり!」

ランジュ「待ってたわよ!」

ミア「遅いじゃないか」ガラガラ

果林「ただいま...って言いたい所なんだけど、貴方達なにそれ?」

エマ「台車!」

ランジュ「正確には台車果林号ね」

ミア「さ、部屋に行くにはまだ早いから、この台車に乗って乗って」

果林「????」

127: 2022/07/30(土) 00:50:08.07 ID:QReQ4YY+.net
果林「こうかしら」ストン

ミア「今日この台車の教官を務めさせてもらうミア・テイラーだ。よろしく」

果林「??」

ランジュ「ブレーキ兼アクセル役のランジュよ!よろしく!」

エマ「ハンドル役のエマだよ。よろしくね、果林ちゃん!」

果林「????」

ミア「えー、まずは加速と減速。30kmまで出してみよう」

果林「え?加速?どうやって?」

ミア「口で言えばいいんじゃないかな?」

果林「...?」

ミア「ほら、早く」

果林「ブ、ブロロ...」

ランジュ「はい、前~進!」ガラガラ

果林「ちょっと!ストップ!ストップ!」

ミア「オーケー。じゃあ次は右左折」

果林「...付き合えってこう言うことね」

果林「エマ~、右折ですって」

エマ「あいあいさ~」

128: 2022/07/30(土) 00:59:54.99 ID:QReQ4YY+.net
ガラガラ....

ミア「以上で運転見極めを終了する」

ミア「結果発表だけど.....」

エマ「ドゥルルルルル~テン!」

ミア「不合格」

果林「なんでよ!」

ミア「果林、ここはまじめに言わせてもらうね」

ミア「果林の運転、ブレーキとアクセルが少し遅いんだ」

ミア「アクセルを踏む時はアグレッシブに、ブレーキの時はクラッチを心の隅に置きながらきっちりと」

ミア「それさえ意識すれば見極めも仮免も間違い無しさ」

果林「....そうだったのね」

果林「でも、それを言う為にこれを?」

エマ「でも楽しかったでしょ?」

ランジュ「終始笑顔だったじゃない」

果林「そうね、楽しかったわ」

果林「ありがとう」

ランジュ・ミア・エマ「どういたしまして」

129: 2022/07/30(土) 01:24:52.46 ID:QReQ4YY+.net
~次の日~

教官「はい、合格」

果林「(やった!)」

教官「次は仮免だね。フロントで試験の受付やってるからすぐに行ってね」バタン

果林「はい!」バタン

エマ「果林ちゃんどうだった?」

果林「見て!見極めは合格したわ!次は仮免試験よ!」

エマ「おめでとう!」

エマ「ところで、筆記は大丈夫?」

果林「ちょっと心配かも。勉強見てもらってもいい?」

エマ「全然平気!早く帰ろっか!」

果林「えぇ!」

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135: 2022/08/01(月) 00:07:37.14 ID:+kdDAS0v.net
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教官「おはようございます」

受験生「おはようございます」

果林「ふわぁ~」

教官「今日は朝早いですが、試験の日です。皆さん合格出来る様にベストを尽くしましょう」

受験生「はい!」

果林「ふぁい!」

果林「(エマが起こしてくれたけど、まだ眠いわ)」

果林「(しゃっきりしないと...)」

教官「はい、それじゃあ来た順にプレートを渡します。それが受験順になります」

教官「はいどうぞ」

果林「ありがとうございます」

教官「はじめに、技能試験から」

教官「呼ばれた順に来てくださいね」

果林「(6番...一番最後ね)」

136: 2022/08/01(月) 00:11:26.98 ID:+kdDAS0v.net
果林「技能試験の開始まで待ち時間があるわね。問題集でも見てましょう」

果林「ペラペラ」

果林「...ウトウト」

果林「...はっ!」

果林「ふるふる!寝ちゃダメよ!」

果林「そういえばミアから...」

ぽわわわーん

回想の中のミア「これ、眠たくなった時に」

ぽわわわーん

エナジードリンク「こんにちはやで」

果林「飲みましょ飲みましょ」カシュ!

ゴクゴク....

果林「うーん、初めて飲んだだけど、変な味ね」

果林「でもこれでしゃっきりできそうね」

137: 2022/08/01(月) 00:17:43.61 ID:+kdDAS0v.net
教官「では次6番の方~」

果林「はい!」

教官「車停まってる所まで来て。教習手帳を見せてね」

果林「お願いします」

教官「朝香さんね」

教官「はい、それでは只今から仮免許試験を開始します!」

果林「...ゴクリ」

果林「(えーっと、まずは車の周囲の安全確認)」

果林「(それが終わったら、車に乗り込んで)」

果林「(座席の位置確認...少し後ろに。ルームミラー...ギアもヨシ!)」

果林「発進準備できました」

教官「それでは発進してください」

ギュルン!ブロロロ

138: 2022/08/01(月) 00:26:40.40 ID:+kdDAS0v.net
教官「30km終了!ギアチェンジよし!」

教官「はい、次はS字クランクと方向転換ね」

教官「そこの角を曲がって、S字からね」

果林「はい!」

果林「(来た!)」

果林「(ここは、車幅を意識して)」

くるくる 

果林「ハンドルを切り替えて」

くるくる

果林「よし!後は少し直進」

果林「出られたわ!」

教官「次は方向転換ね。隣のレーン行こう」

139: 2022/08/01(月) 00:34:18.11 ID:+kdDAS0v.net
果林「(方向転換もみんなと練習したわね!)」

果林「(自分を客観的に見て、時に大きく、時に細かく切る)」

果林「後輪が角まで来たら、リバースに入れて」ガチャガチャ

果林「ここからはゆっくり、クラッチ操作で...」

果林「車体が斜めに半分入ったらハンドルを切り替えて、ギアを1に。少し前に出る。そしてまたリバースに入れて...」

果林「おしりがすっぽり入ったわ。車体も真っ直ぐよ!」

教官「では元来た道に戻ってください」

果林「元来た...右ね」

教官「そのまま外周を2回行ってください」

ブロロロ

教官「そこの歩道近くに駐車」

果林「スウィー ピタッ」

果林「ハンドブレーキ、エンジンを切る、リバースに入れる」

教官「以上を持ちまして、技能試験を終わりにします」

140: 2022/08/01(月) 00:39:35 ID:+kdDAS0v.net
果林「次は筆記で、この教師だけど...」

果林「あら、そういえば、嵐珠からお手紙来てたわね」

果林「どれどれ?」ペリ

ランジュの手紙「果林!あなたの間違えそうな問題まとめてきたわよ!頑張って頂戴!」

果林「ランジュ...」

果林「ならもう少しだけ眺めていようかしら?」

141: 2022/08/01(月) 00:41:59 ID:+kdDAS0v.net
キンコーンカーンコーン

教官「では引き続き、筆記試験の方に移りたいと思います」

教官「試験時間は30分。途中退出はできません」

教官「紙回った?」

教官「それじゃあはじめ!」

果林「(大丈夫、落ち着いて」

果林「カキカキ....」

果林「(今の私にはわからない問題なんてないわ。ありがとうランジュ)」

カキカキ
 ・
 ・
 ・

教官「やめ!」

教官「試験結果は10分後モニターに出ます。」

果林「10分かぁ」

144: 2022/08/02(火) 01:15:34.67 ID:nmDomDqL.net
果林「ちょっとだけ暇って、時間の潰し方がよくわからないわね」

果林「このドライブスクールを一周回って見ましょうか」テクテク

果林「あっ、ここ、2階あったのね」テクテク

果林「ふた部屋あって、ひと部屋は自習室...」

果林「こっちは?」

果林「軽食ラウンジ...?」

果林「カップラーメンと、飲み物と、小さな購買かしら?今は閉まってるけど」

果林「動き回ってみると何か発見があって面白いわね。さて、フロントに戻りましょ」

145: 2022/08/02(火) 01:19:40.92 ID:nmDomDqL.net
教官「それでは皆さん、自分の受験番号をもう一度確認してください」

教官「朝配られた物です。教習手帳の番号ではありませんよ」

教官「モニターに映っている番号は合格、なかったら不合格になります」

教官「それでは発表します」

果林「!!」

モニター「1・2・3・4....6!」

果林「やった!あった!あった!」

果林「嬉しい!」ぴょんぴょん!」

果林「写真撮ってもいいですか!?同じ寮の友達に伝えたいんです!」

教官「いいですよ」

果林「やった!やったわ!」

果林「3人に送信っと!」

146: 2022/08/02(火) 01:24:46.92 ID:nmDomDqL.net
ランジュ「おかえり、果林!」

ミア「仮免合格おめでとう!」

エマ「流石だね。やっぱり果林ちゃんはすごいや!」

果林「ふふっ、あなた達のお陰よ」

エマ「次から路上だね。知ってるよ!日本の人たちは峠を攻めに行くんでしょ?」

果林「どんな知識よそれ。絶対愛になんか吹き込まれたんでしょ」

ミア「でも場内と路上は天と地程の差があるよ。一層身を引き締めた方がいい」

ランジュ「ランジュもそう思うわ」

ランジュ「あー、アタシも免許欲しいわ」

ミア「原付取っちゃえば?1日で取れるらしいし、お金もあるし」

ランジュ「いいわね!」

果林「ちょっと!事故起こす気!?」

ランジュ「なにそれ酷いわ!」


あはははは

153: 2022/08/05(金) 00:40:32.59 ID:5KwZsPhq.net
教官「受講生の皆さん~」ぺちゃくちゃ

教官「第一段階と同じく、学科教習と技能教習のコマの取り方に注意をしてください」

教官「特に、危険予測ディスカッション、自主経路設定、高速教習、応急処置はカウンターでの受付と先行学科が必要です」

果林「ふむふむ」カキカキ

教官「ではガイダンスは以上になります」

教官「次1台空いてるけど、キャンセル待ちは...朝香さんね」

果林「はい!」

教官「次乗れるよ。朝香さんは確かMTだったけど、この時間だけATに乗るよ」

教官「MTに比べたらATなんて屁のカッパだよ」

教官「頑張って!」

157: 2022/08/07(日) 00:25:29.92 ID:tToYhJei.net
教官「こんにちは」

果林「こんにちは」

教官「今日は路上ですね」

教官「ではルートを説明します」マップペラり

教官「はじめに教習所を出て、右に曲がります」

教官「それから、レインボーブリッジの方に北上して、3丁目の角を....」

果林「?????????」真剣なまなざし

教官「わかったかな?」

果林「....................はい」

教官「オッケーそうだね。発進準備」

果林「.......はい」ブロローン

158: 2022/08/07(日) 00:31:53.02 ID:tToYhJei.net
果林「(確かに、MTに比べたらATはものすごく楽ね)」

果林「(アクセルとブレーキを踏むだけでいいんですもの)」

教官「はい、信号機赤になったよ。停止して」

果林「こ、こうかしら?」

教官「うまいうまい。車間は完璧だね」

教官「じゃあ、この次の信号曲がってみようか」

果林「カチッ」

教官「違う!違う!この次!!」

果林「???????」ハンドルを切る

教官「違う!違う!」ブレーキキキー!

果林「きゃっ!」

教官「朝香さん、パニックにならないで、冷静になって」

果林「...は、はい」


ブロロロ.....

キキーっ!

「違う!右と左が違う!!」

「わ、わかりません」

「なんで!なんで!!」

159: 2022/08/07(日) 00:41:06.75 ID:tToYhJei.net
果林「私、やっぱり運転向いてないのかもしれないわ」

エマ「今日は帰ってきてからそればっかり言ってるね。メソメソは果林ちゃんに似合わないよ」

エマ「はい、ゼロシュガーのアイスコーヒー。ゆっくり飲んでね」コト

果林「ありがとう.....」

果林「私、人より方向音痴の自覚あったけど、もうだめだわ」

果林「また延長料金払わなきゃいけないし...はぁ」

果林「もう行きたくないかも...」

ランジュ「話は聞かせて貰ったわ!!」ガチャ!

エマ・果林「!!!!」

ランジュ「果林!方向音痴を治すいい方法があるわ!ついてきなさい!」

果林「ちょっ、引っ張らないで!!」ずりずり

エマ「面白そうだからついていこーっと」

160: 2022/08/07(日) 00:45:34.34 ID:tToYhJei.net
電車「赤羽~赤羽~ご乗車ありがとうございました~」プシュぅ

エマ「わお、赤羽なんて降りたことないよ」

果林「一体なんなのよ、もう」

果林「この前みたく、また何か起こす気でしょ。理事長に怒られても知らないわよ?」

ランジュ「無問題ラ!それに、今回は歩くだけだから安心して」

ランジュ「多分果林も赤羽来たことないでしょ?だから連れてきたの」

ランジュ「今日は地図の読み取り方の練習をするわ!」ぺらり

果林「ち、地図!?」

果林「?????????????」

ランジュ「もうわからない顔しないで!」

165: 2022/08/08(月) 00:05:39.08 ID:g+xm2TQy.net
ランジュ「果林、方位はわかるかしら?」

果林「北とか、南とかのことよね?」

エマ「西と東も!」

ランジュ「じゃあ、それが今どの方向かわかる?」

果林「どう言う意味?」

ランジュ「んーと、私達は、今、赤羽駅の東口に、駅を背にして立ってるじゃない?」

ランジュ「この状態で、方位はそれぞれどのようになるかしらね?」

果林「えーっと、東口だから、私達の正面が東で、背中が西?」

果林「左手が北で、右手が南?」

ランジュ「正解よ」

ランジュ「じゃあ、この地図を見て」

166: 2022/08/08(月) 00:11:18.03 ID:g+xm2TQy.net
ランジュ「この地図は赤羽と荒川河川敷の地図を拡大したものよ」

エマ「あらまぁ、赤羽って歪な形をしてるんだね」

ランジュ「果林には、赤羽の病院を経由して、バーベキュー場に行ってもらうわ」

果林「行くって...私地図が読めないのにどうやって!」

ランジュ「いい?これから地図の読み方を教えるわ」

ランジュ「地図で大切なのは3つ」

ランジュ「絶対方位と相対方位、そして周囲の特徴を読み取る事よ」

果林「?」キョトン

ランジュ「それぞれ解説していくわね」

167: 2022/08/08(月) 00:24:48.43 ID:g+xm2TQy.net
ランジュ「はじめに絶対方位とは、果林もさっき言った、北とか南の事よ」

ランジュ「この地図を見てちょうだい」

ランジュ「まず、駅を見つけられるかしら?」

果林「このながくて黒い線が多分鉄道で...あったわ。駅!」

果林「見やすいように、今の私達が向いてる方向と地図の向き合わせましょう」

ランジュ「気が効くのね」

ランジュ「さて、はじめに赤羽病院ね。この病院は私達から見て、どの方位にあるでしょうか?」

果林「えーっと、正面が東で、左手が北」

果林「うーん」

果林「斜めなら北と東の間?」

ランジュ「半分正解。ここから見て、北東の方角に病院はあるわ」

168: 2022/08/08(月) 00:33:58.66 ID:g+xm2TQy.net
ランジュ「次に相対方位だけど、さっきは絶対方位、東西南北を軸にして決めたじゃない?」

ランジュ「今度はあなたから見て、目標がどこにいるか、よ」

果林「??」キョトン

ランジュ「じゃあ例をやってみましょう」

エマ「私ここにたーとお!」

ランジュ「私こっち!」

ランジュ「私たちが、果林から見て、どこにいるの?」

果林「うーん、うーん)」

171: 2022/08/09(火) 23:54:34.55 ID:Cei20P4O.net
果林「これは、表現に私から見える位置」

ランジュ「そうそう、正面とか、右手に近いとかを使うわ」

果林「だとしたら...」

果林「ランジュは右斜め前、エマは真後ろ?」

エマ「せーかい!」

ランジュ「やればできるじゃない!」

ランジュ「これが相対方位の基礎よ」

ランジュ「じゃあ最後に行くわね」

ランジュ「最後は、周囲の景観をよく観察する事」

ランジュ「果林は見知らぬ土地へ出かけたら、何を見る?」

果林「うーん、ビルの高さとか?」

ランジュ「そうねぇ...」

172: 2022/08/10(水) 00:00:08.08 ID:PnRS7MNA.net
ランジュ「地図に建物の高さは載っているかしら?」

果林「載ってない」

ランジュ「もっと特徴的なもので、地図に載りそうなものって何がある?」

エマ「お店の名前!」

ランジュ「正解!」

ランジュ「お店の名前を探してみて」

ランジュ「駅前ならホテルとかでもいいわね。現在地のランドマークを探すわ」

果林「ふーん、そうなのね」

果林「🌟🌟ホテルですって」

果林「これ近くだから行ってみてもいいかしら?」

ランジュ・エマ「いいわよ。ついていってみようか」

テクテク.....


エOチなホテル「ワアが🌟🌟ホテルや!」

果林「!!」

エマ「あはは」

ランジュ「これは、その....」

果林「入る?」

ランジュ「.....//やめとく」

果林「そう」

174: 2022/08/11(木) 00:13:44.61 ID:XHlytava.net
果林「気を取り直して」

エマ「はい、地図」

果林「ありがとう」

果林「まずは、この道を西向きにまっすぐ」

果林「まいばすけっとの角を右。そのまま真っ直ぐ行くと、病院」テクテク

ランジュ「あら、随分と地図が読めるようになったじゃない」

果林「まあね。私ですもの」

ランジュ「自信たっぷりだけど、不安だわ」

175: 2022/08/11(木) 00:20:22.56 ID:XHlytava.net
果林「やった!病院ね!」

果林「第一目標達成!次はバーベキュー場ね」

エマ「地図見よみよ」

果林「えーっと、今は病院の横の通りだから多分ここ」

果林「で、北は.,.北は...」

果林「薬局が後ろにあるから、右手が北ね」

果林「このまま道なりにまっすぐ、そうすると大通りに出るはずだから、北、右に曲がる」テクテク

果林「横断歩道を横切って、この細い道をまっすぐ北に向かう」テクテク

ランジュ「川だわ!川が見えたわ!」

エマ「後もうちょっとだね」

176: 2022/08/11(木) 00:24:30.13 ID:XHlytava.net
果林「今度は右に曲がって」

果林「橋を通って」

果林「目的地周辺についたわ!」

エマ「おめでとう果林ちゃん!」

ランジュ「私から頑張ったご褒美があるわ!」

ミア「なんだよ。予定より随分と早いじゃないか」

果林「ミア!?きてたの?」

ミア「バーベキューといえばアメリカ人、アメリカ人と言えばボク」

ランジュ「という訳で、バーベキューやるわよ!」

ランジュ「花火も持ってきてる!」

エマ「私!ロケット花火河川敷のDQNに向けて発射したい!」

果林「そ、それはやめて」

187: 2022/08/14(日) 22:57:51.28 ID:6dgYlxh3.net
バタン

果林「ありがとうございました」

教官「随分と良くなったね。昨日とは別人みたい」

教官「今日はATだったけど、次からMTだよ。次から一気に難しくなるから、ファイト!」

果林「はい!」

教官「ところでさ、朝香さんさ」

教官「明日時間空いてる?」

果林「ナンパなら間に合ってます」

教官「違うて。明日、応急救護の学科で1人キャンセルが出たんだ。だから明日入れてかない?」

果林「うーん、スケジュール的には空いてますね...挿れちゃいましょ」

教官「じゃあフロントに伝えとくね」

果林「ありがとうございます」

188: 2022/08/14(日) 23:06:21.56 ID:6dgYlxh3.net
~次の日~

果林「ここが応急救護の教室ね」

果林「応急救護って何やるのかしら?」


免許を取ろう!
4、応急救護について



キーンコーンカーンコーン

教官「こんにちは!」

受講生s「こんにちは!」

教官「今日は応急救護の学科を行います」

教官「具体的にいうと、事故に遭った時のために、心肺蘇生の方法、止血の方法を覚えてもらいます」

教官「この学科の流れを次に説明します」

教官「皆さんには、3コマ受講してもらいます。1コマ目が座学です。映像の視聴。2コマ目が応急救護の実践、3コマ目が実際にチャレンジとなります」

教官「では教科書の~ページを開いて...」

果林「....パラパラ」

果林「....ふむふむ」

果林「....カキカキ」

194: 2022/08/16(火) 23:33:39.22 ID:cq5CaEFQ.net
ビデオ「おや、山田さんは今日はお出かけの様です」

ビデオ「今日はどちらへ向かうんでしょうか?」

ビデオ「しきりに時計を確認しています」

ビデオ「急足で交差点に差し掛かります」

ビデオ「横断歩道は赤ですが、山田さんは侵入してしまいました!」


キキーッ!危ない!

謎のBGM~♪

ビデオ「日本で年間どれくらいの交通事故が起きているのか、皆さんご存知でしょうか?」

ビデオ「平成30年中の交通事故発生件数は43万601件でした。うち、約3500人が氏亡し、これは1日に10人亡くなっている計算になります」

ビデオ「では、事故防止・事故に遭ってしまった時の対処はどの様にすればいいのでしょうか?」

謎のBGM♪

ビデオ「次の例を見てみましょう~」

195: 2022/08/16(火) 23:35:55.11 ID:cq5CaEFQ.net
果林「ふむふむ」

果林「事故が起きたら、まずは安全の確保」

果林「発熱灯を焚くのね」

果林「事故に遭ってしまった人を助けた時は、なるべく頭を動かさない方がいいのね」

教官「では、これで1コマ目は終わります」

教官「お疲れ様でした」

受講s「ありがとうございました」

200: 2022/08/18(木) 22:35:29.44 ID:ZnpFGSfG.net
教官「では2コマ目です」

教官「このコマではまずはじめに私が実践してみせます」

教官「はじめにガーゼの当て方、三角巾の使い方からです」

教官「皆さんご存知の通り、人の体には大きな血管が流れています」

教官「ここからさらに血管が分かれて、皮膚表面にも流れています」

教官「つまり、心臓が動いている限り、奥から、奥から血が押し出されて来るわけです」

教官「心臓は止められないので、大きな血管の流れを妨げるぐらいを意識します」

教官「腕を怪我したのなら、脇の辺りを」

教官「脚なら股の辺り、頭なら首と言った具合です」

教官「では質問です」

教官「あなたは、お腹の辺りを怪我してしまいました」

教官「では、どこを押さえればいいでしょうか?」

教官「じゃあこの問題は...青毛のあなた!」

果林「私?」

201: 2022/08/18(木) 22:38:41.70 ID:ZnpFGSfG.net
果林「うーん、心臓に近い方だから?胸とか?」

教官「惜しいですね。胴体場合は、傷口を思いっきり止血してあげてください」

果林「あら、普通の回答でよかったのね」

教官「じゃあ次行きます。三角巾の使い方ですが...」

教官「一枚ずつ配るので、一緒にやってみましょう」

果林「裏表ってよくわからないわ」

教官「くるりんぱ!」

果林「??」

教官「応急救護ですから、そんなに焦らないで」

果林「???」

203: 2022/08/19(金) 22:38:21.70 ID:x7r3SiMe.net
果林「応急処置って難しいのね」

果林「私、緊急事態に直面したら、どうなってしまうのかしら?」

教官「まずは冷静になる事が大切です」

教官「パニックになってしまいがちなので、警察・救急車を呼ぶと言う行為自体を忘れてしまう人もいます」

教官「順序を一つ一つ覚えていくのも大切です。今は講座に近い状態なので、全てをいっぺんに朝香さんに教えてしまっていますが」

教官「朝香さんが思い出した時でも、暇になった時でもいいです。いつか、もう一度、ひとつひとつ、包帯の巻き方でもなんでも、思い出してゆっくりやってみてください」

果林「それでも間違ったりしないかしら?」

教官「今の時代は動画とかあります。それを見て、ゆっくり、丁寧にです」

果林「ゆっくり、丁寧に....」

果林「帰ったらやってみます」

教官「是非やってみてください。一度覚えたら、いつか絶対役に立ちます」

教官「はい、この時間はここまで。次からAEDの使い方に移ります」

204: 2022/08/19(金) 22:48:41.52 ID:x7r3SiMe.net
教官「....」応急救護の人形を抱える

教官「オホン、僕ジャミーくん」裏声 いっこくさん風

教官「最後のコマでは、AEDと人工呼吸のやり方を覚えてもらうよ」裏声

教官「あっ、反対側をみて!別のジャミーくんが倒れてる!」

教官「誰かー、誰かー来てください!」

教官「あっ、机が近かった朝香さん!来てください!」

果林「私...?」

教官「それとモブくん!」

モブ「僕ですか?」

教官「モブくん、隣の部屋のホワイトボードの前にある、AEDを持ってきてください」

モブ「隣?」

教官「はい」

教官「それと朝香さんは救急車の手配をお願いします」

果林「今実際に掛けるんですか?」

教官「掛けるふりでいいよ」

205: 2022/08/19(金) 22:55:07.07 ID:x7r3SiMe.net
教官「皆さんいいですか?私が一通りやって見せます」

教官「まずは、人が倒れていたら...ここではジャミーくん人形を、倒れた人とします」

教官「要救護者確認!」ヨシ

教官「次に意識があるか確認します」

教官「大丈夫ですか?」

教官「意識、なし!」

教官「次に呼吸を確認します」

教官「呼吸....いち、に、さん....呼吸なし!」

教官「次に、できれば脈をみてください」

教官「脈、なし!」

教官「胸部圧迫を開始します...1!2!3!」

教官「人工呼吸をします」ふぅー ふぅー

モブ「AED持ってきました!」

教官「ありがとう。要救護者の服を脱がせて、AEDを指示通りつけて...」

AED「⚡ ⚡ ⚡」

教官「これを救急車が来るまで続けてください」

206: 2022/08/19(金) 22:58:48.45 ID:x7r3SiMe.net
教官「最後にジャミー君人形を相手に人工呼吸と胸部押圧の練習をしてみましょう」

果林「ジャミーくん、大丈夫?」

果林「意識、呼吸なし!」

果林「顎を上げて、軌道確保」

果林「....」髪の毛を耳に掛ける

果林「....んっ」

果林「んちゅっ....」

果林「ふぅ~、ふぅ~」

モブ「....///」

207: 2022/08/19(金) 23:01:39.19 ID:x7r3SiMe.net
果林「次は胸部圧迫ね」

果林「こうやって、胸の前に」ギュッ

果林「....んっ、んっ、んっ」ユサユサ

モブ・教官「....///」

果林「アンマンマンマーチのリズム」

果林「そうだ!忘れないで!!」ユサユサ

モブ「....ちょ、ちょっと僕、トイレ!!」

教官「お、俺も!!」

果林「まぁ♡うっふん」

208: 2022/08/19(金) 23:03:36.11 ID:x7r3SiMe.net
教官「これでおしまいです」

果林「難しかったです。寮に帰ったら、絶対復習します」

教官「その調子!次も頑張ってね」

果林「はい!」

212: 2022/08/21(日) 23:24:33.40 ID:BAD7ttGR.net
~別の日~

教官「ぺちゃくちゃ」

教官「以上で、MTでの路上の注意点は終わり」

教官「それじゃあ路上に出てみよう」

果林「了解です」ガチャ

ブロロ~

教官「いい感じだね」

教官「じゃあ右」

カチカチ

果林「右」

213: 2022/08/21(日) 23:29:11.11 ID:BAD7ttGR.net
教官「朝香さんは方向感覚がちょっとアレだけど、運転自体は上手いね」

果林「無駄に補講分は払ってないですから」

教官「あはは、ごめんごめん」

教官「朝香さん、減速ギアって知ってる?」

果林「いえ」ブロロ

教官「さっき信号曲がったでしょ?朝香さんは、今4に入ってるでしょ?」

教官「それでそのまま曲がったと」

教官「カーブって、普通どう曲がるんだった?」

果林「...減速しながら?」

教官「正解!AT車は、ブレーキ踏めば減速できるよね?」

教官「じゃあMT車は?」

果林「ギアチェンジ?」

教官「その通り」

214: 2022/08/21(日) 23:37:39.06 ID:BAD7ttGR.net
教官「カーブや交差点に侵入する前に2~3速までギヤを落とそう」

教官「そのままクラッチをつないで速度をコントロールしてカーブを曲がろう」

教官「そうだね、交差点の50m前あたりが3、20m前あたりで2、曲がる時には1か2ぐらいがいいかな?」

教官「ブレーキを踏みすぎちゃうとエンストしちゃうから、クラッチ操作も忘れずに」

果林「ゆっくり、あらかじめに速度を落とす、ですね」

教官「うん。それじゃあやってみて」

教官「正面の角を左」

果林「....」ブロロ

ガチャガチャ

果林「ゆっくり減速、角前で2に入れて」

果林「ゆっくり曲がる」

教官「曲がったら、ギアチェンジで3、4に入れて」

果林「...」ガチャガチャ

教官「上手いね。その調子」

果林「ありがとうございます」

215: 2022/08/21(日) 23:51:16.70 ID:BAD7ttGR.net
バタン!

教官「はい、朝香さん今日はここまで」

教官「はじめてあった頃とは見違えるほど上手くなったね!」

果林「友人が手助けしてくれたおかげです」

教官「そっか。これからも頑張ってね!」

果林「ありがとうございました」

果林「エマにも、みんなにも感謝しないと」

果林「さて、これからはバンバン学科受けまくるわよ!」

果林「試験本番でも大丈夫な様に、帰ったら問題集を」

エマ「おーい、果林ちゃん!」

果林「エマ!」

果林「今路上出たところなのよ」

エマ「どうだった?」

果林「んーとね」

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218: 2022/08/22(月) 22:45:12.89 ID:x6rxNa0x.net
~至る日虹ヶ咲にて~

果林「パラパラ」

彼方「おっつ~」

果林「お疲れ~」パラパラ

彼方「おやおや?例の運転免許ですな?」

果林「わかってるならあんまり邪魔しないで」

果林「彼方って、すぐ横道逸らしてくるから」

彼方「そんな事言うなんて酷いなぁ」

彼方「まあ、間違いじゃないけど」

果林「ふむふむ、運転席からの氏角が」

彼方「もぉ~、聞いてないし」ぷんすか

彼方「怒ったぞ~」

果林「はいはい」

219: 2022/08/22(月) 22:50:49.24 ID:x6rxNa0x.net
果林「彼方はさ、免許とか取るつもりある?」

彼方「ん~、もうちょっと大人になって、お金貯まってからでいいかなぁって考えてる」

彼方「就職とかも、多分都内になる筈だし、電車の方がらくじゃん」

果林「まあ、そうよね」

果林「都内住みなのに運転免許を取ろうとしてる、しかも、今時時代遅れのマニュアル車」

果林「時代錯誤も甚だしいのかも」

彼方「そうかなぁ?私は、果林ちゃんのそういうところが好きだよ?」

彼方「っていうかさ、果林ちゃんずるい」

果林「ずるいって何が?」

彼方「果林ちゃんはやる事なす事全てが様になるじゃん」

彼方「私はなんかモタモタした動きになっちゃうから」

221: 2022/08/23(火) 22:53:01.48 ID:H+fXLsh6.net
彼方「果林ちゃんは夜の首都高とか似合いそう」

果林「私がせいぜい似合うのは、離島の田舎道ぐらいよ」

彼方「またまた~そんな謙遜しちゃって~」

彼方「果林ちゃんさ、免許取ったら何処か連れてってくれる?」

果林「そうねぇ、考えときましょ。まず一番最初は、エマ達だけど」

彼方「一番でも二番でも気にしないよ!連れてってくれるだけで嬉しいんだもん」

彼方「どこにしよっかなぁ?」

彼方「海とか行きたいな」

果林「ふふふ、楽しみね」

223: 2022/08/24(水) 22:34:32.91 ID:V0eois8z.net
_______________
________
____

果林「zzz」

果林「すやすや」

ぽわわわーん

夢の中の果林「ハァイ、朝香果林よ」

夢の中の果林「今日はドライブね」

夢の中の果林「峠攻めちゃうわよ!」

ブオオオン!

夢の中の果林「それそれそれ!」

夢の中の果林「なんて嘘嘘、私は安全運転第一ですもの」

夢の中の果林「ブレーキを踏んで...踏んで、あれ?」

夢の中の果林「ブレーキが掛からないわ!」

夢の中の果林「きゃーっ!」

ドシン!!

果林「はっ!!」

果林「はぁ、はぁ....」

果林「夢?」

224: [ここ壊れてます] .net
エマ「怖い夢だね」

果林「そうなのよ。でも、何か追い詰められてる時とかって、そういう夢を見やすいんですって」

エマ「そうなんだ...果林ちゃん、何か悩み事あるなら聞くよ?」

果林「悩み事ねぇ、そうねぇ」

果林「運転免許が思ってるよりも難しい事かしらねぇ?」

エマ「それは...あんまり私から言えることはないかなぁ」

果林「そうなのね....」

225: [ここ壊れてます] .net
エマ「今日はなんだっけ?危険予知の講習だった?」

果林「そうよ。運転1時間、座学1時間ぐらいって言ってたけど、こんな夢だもの」

果林「どうしましょ。これ、物凄い不吉な夢よね?」

エマ「山でペーパーロックになった夢でしょ?」

エマ「でも大丈夫なんじゃない?東京は、西の端行かないと山はないし」

果林「だと良いのだけどね」


免許を取ろう!
5,危険予知と事故の回避

235: 2022/08/28(日) 23:21:39.99 ID:Ixsdk837.net
教官「おはよう御座います」

受講生s「おはよう御座います」

教官「えーっと、今日は何人かな?」

教官「僕も含めて4人ですね」

教官「はじめに、プリントをお配りします」ペラペラ

果林「なになに...?」

果林「あなたの運転の良いところ、悪いところ?」

果林「どう言う意味?」

教官「ついでに赤ペンも皆さんに配ります。赤ペンで、それぞれ、自認でも自惚れでもいいですから、書き出してみてください」

果林「うーん、長所と短所ねぇ」

果林「(長所は運転が穏やかなところ、短所は発進が遅いところかしら?)」カキカキ

教官「かけましたか?」

教官「忙しくなってしまいますが、これから1人ずつ、決められたルートを走ってもらいます」

教官「他の2人は後ろに乗ってもらいます」

教官「それで、運転についてそれぞれ思ったことを先程のシートに書き込んでください」

教官「わかりましたか?」

受講生s「はーい」

236: 2022/08/28(日) 23:30:06.56 ID:Ixsdk837.net
バタン

教官「それじゃあ朝香さーん」

果林「はーい」

教官「東地区の川がある所まで真っ直ぐ走ってください。そこから、右に曲がって、大通りを抜けたら、◯×公園の方向に、◯×公園の駐車場で止めてください」

果林「わかったわ」わかってない

果林「ですがちょっと時間をください」

果林「えーっと、東区の、川?」

果林「ふむふむ、えーっと次は、右折...」

果林「それで、◯×公園...」

果林「公園は私から見て左」

果林「オッケーです」

教官「発信準備して」

239: 2022/08/30(火) 22:16:51.22 ID:NvrQBOXL.net
果林「(んーと、北に向かって、このまままっすぐ)」

果林「(あら、ここ、上り坂になってるわ)」

教官「少し勾配のある坂だから、ギア落とそうか」

果林「はい」ガチャコン!

果林「(ん?今変な音が...してない、してない気のせいよね)」

果林「(変な夢を見た後だとなんでも関連してると思ってしまうのかしらね)」

教官「次の青の看板を...」

果林「右ですね」

教官「そうそう。道はわかる?」

果林「ばっちりです」

240: 2022/08/30(火) 22:39:26.21 ID:NvrQBOXL.net
果林「(曲がって、げっ、下り坂じゃない!)」

果林「(朝見た夢...な訳ないわよね)」

果林「(それにしても大通りだからかしら?片側2車線」

果林「(他の車と並列して走行するのってちょっと緊張しちゃうわ)」

果林「(どれどれ、下り坂の最後に信号機がついているのね)」

果林「(横断歩道が点滅してる。通り抜けるには距離が足りないわ)」

果林「ここは止まって...」スーピタッ

果林の横を走っていた車「スウィー」

果林「あら、あぶな「ドシン!」」

果林「!?」

教官「事故だ!」

教官「車発信しないで!交差点の真ん中で起きてるから!」

教官「それよりも電話!」

教官「受講生モブ君たち!1人は警察署へ、もう1人は救急車!」

受講生モブ「はっ、はい!」

教官「朝香さんはしばらく待機。道と交通の流れが確保できたら発進!」

果林「はっ、はい!」

241: 2022/08/30(火) 22:43:07.03 ID:NvrQBOXL.net
ピーポーピーポー!

果林「わ、わぁ...本当に救急車来た」

教官「それじゃあ、ここから離脱します。後ろと横の車の動きをよく見て」

果林「は、はい」

教官「時間をとってしまったので、このまま教習所に戻ります」

教官「私が道順を指示するので、それに従って運転してください」

果林「はい」ブロロ

果林「(事故なんて初めて生で見ちゃった)」

果林「(心臓に悪いわ)」

果林「(このまま気分が晴れないと良くなさそうね。何か別の事でも考えてましょ)」

果林「うーん、うーん」

247: 2022/09/02(金) 22:41:48.69 ID:WyC+Gcbg.net
教官「皆さん落ち着きましたか?」

果林「....」ふるふる

教官「ですよねぇ」

教官「ですが進めないといけないので、学科に移ります」

教官「今回にテーマは危険予知と事故の回避です」

教官「先程の紙を覚えていますか?」

受講生s「ペラペラ」

教官「それです。自分の運転は他人に指摘されないと癖に気付けない。では、これを用いてディスカッションしてみましょう」

教官「モブ受講生1さんから見て、モブ受講生2さんの運転はどう思いましたか?」

モブ受講生1「そうですね、気づかないうちに、車体が中央線に寄って....」

248: 2022/09/02(金) 22:45:14.53 ID:WyC+Gcbg.net
教官「朝香さんの運転はどうでしょうか」

モブ1「クラッチの繋ぎ方はうまいです。ですが、角を曲がるときに大曲がり気味というか、ハンドルが少し遅い気がします」

モブ2「時々交差点の先の渋滞を見ないで交差点に侵入してしまうときがありますね」

果林「へぇ、私って結構大雑把なのかもね」

教官「朝香さんはどうやって改正しようと思いますか?」

果林「やっぱり、練習?」

教官「その通り。今後技能の際は頭の片隅に入れておいてくださいね?」

果林「はーい!」

249: 2022/09/02(金) 22:47:40.44 ID:WyC+Gcbg.net
教官「危険予知についてもう一つ」

教官「皆さんにKYTのディスカッションを行なってもらいます。この紙は、なんの場面を表しているでしょうか?」

モブ2「飛び出し事故?」

教官「正解です」

教官「この絵の中には、悪いところが15ヶ所あります」

教官「探してみてください。制限時間は10分」

果林「えー!?どうしませう」

254: 2022/09/05(月) 22:15:34.99 ID:Bhj4nf2m.net
チクタク...チクタク

教官「はい、やめ」

教官「モブさんたちは何か分かりましたか?」

モブ1「十字路の角を曲がってすぐの所に、ドラックが止まっている絵です」

モブ1「はじめに、トラックの前で遊ぶ子供達」

モブ1「これはトラックの発進にも、飛び出しの危険があります」

教官「はい、良い回答ですね」

教官「モブ2さんは、どう思われますか?」

モブ2「トラックそのものに問題があると思います」

モブ2「ペチャクチャ」

果林「(やばいわ。私が思ってた事全部言われてる)」

果林「(うーん、うーん...)」

255: 2022/09/05(月) 22:19:45.26 ID:Bhj4nf2m.net
教官「では朝香さん、最後の一つは?」

果林「.....」

教官「朝香さん?」

果林「み、道が狭い....とか」

教官「正解です」

教官「朝香さんは状況の俯瞰が出来る素晴らしい人ですね」

果林「そ、そうかしら....」テレテレ

教官「狭い道、追い越しができない道は、このように事故が起きやすいです」

教官「では起きてしまった場合は?」

教官「何をしたらいいですか?」👉

果林「私!?」

教官「はい」

256: 2022/09/05(月) 22:27:34.69 ID:Bhj4nf2m.net
果林「自分が事故を起こしてしまったら、はじめに後続車への注意喚起。発煙等とか、三角のやつを置くとか」

果林「次に、要救護者の救助。頭を動かさない方がいいなら、固定すべきね」

果林「最後に、警察署、救急車、保険会社への電話。かしらねぇ」

教官「正解!」

教官「では自分が事故を目撃してしまったら?」

果林「後続車への周知。ハザードを焚く、ゆっくり走る」

果林「できれば、警察署とか救急車へ電話、かしらね?」

教官「エクセレント」

教官「備えあれば憂いなしではあるけど、三角停止表示板とか発煙筒って使った事ないよね」

教官「実際に手に取ってみてください」


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257: 2022/09/05(月) 22:30:31.63 ID:Bhj4nf2m.net
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果林「ふぅ、終わったわ。事故って初めてみちゃったからしばらくフラッシュバックしちゃいそう」

アナウンス「朝香さーん、性格診断をお返ししますのでフロントまで来てください!」

果林「性格診断?そんなものもあったわね」

果林「えーっと、明日の学科に必要なのね」

果林「ふーん」

果林「帰りましょ」

258: 2022/09/05(月) 22:35:20.32 ID:Bhj4nf2m.net
🚗  🚗  🚗  🚗


ランジュ「果林~」バタン

ランジュ「いないじゃ無い~!」

ミア「うるさいなぁ全く」

エマ「果林ちゃんならさっき軽食買いに行くって購買行ったよ」

ランジュ「じゃあ入れ違いって事?つまんないの」

ランジュ「ん?」

ランジュ「これ、性格診断書よね」

エマ「朝果林ちゃんが言ってたやつだ。今日の学科はこれを使うって」

エマ「もう学科は終わったみたいだよ。ちょっとズーんとした雰囲気背負ってたけど」

ランジュ「見ても良いわよね」

ミア「何描かれてるんだろ?」

262: [ここ壊れてます] .net
ランジュ「どれどれ、性格診断テスト。正式名称はOD式安全性テスト診断書っていうのね」

ミア「裏に色々書いてあるんだな」

ミア「えーっと、運動機能...これはAとBが多い」

エマ「健康度・成熟度...社会的成熟度はAだって。流石果林ちゃん」

ランジュ「問題がありそうなのはラストね。性格特性...虚飾性C!」

ランジュ「何よぅ、果林ってばいつも飾らない風をして、いっぱいギラギラだったのね」

ランジュ「その下に文章があるわ。あなたの総合診断ですって」

264: 2022/09/07(水) 23:34:30.21 ID:O1fuQjU/.net
ランジュ「総合診断」

ランジュ「自信家で見栄っ張りな反面、人からどう思われているのか気にしている節もあります」

ランジュ「ですって。果林ってば、いつもズバッとした物言いをするのに、実は気にしてたのね」

エマ「果林ちゃん、時折物憂げな顔してる時もあるよね。そういう時って、他人からどう見られてるのかって言う葛藤があったのかな?」

ランジュ「そう、かもね...」

ミア「なんだよしんみりしちゃって。文章はまだ続いてるぞ」

ミア「この3人の中で長文スラスラ読めるのはランジュだけなんだから。早く続き読んでよ」

ランジュ「ミアってば、子供ねぇ」

ミア「は?」

ランジュ「はいはい」

265: 2022/09/07(水) 23:41:05.73 ID:O1fuQjU/.net
ランジュ「えーっと、安全上の注意点」

ランジュ「運転をする時に気をつける事、って言う意味かしら?」

ランジュ「動作や速さにムラが有ります。ハンドルを切る際などは注意してください」

ランジュ「普段は穏やかな性格ですが、時々情熱的になります」

ミア「情熱的ねぇ」

ミア「頑張り屋さんなのかな、果林は?」

エマ「頑張って、理想の姿を作っているだけなのかなぁ」

エマ「果林ちゃん、気負いするほどテストの結果がショックだったみたいだし」

ランジュ「そうねぇ、帰って来たら悩みでも聞いてあげましょう」

ドア「ガチャ」

266: 2022/09/07(水) 23:46:15.49 ID:O1fuQjU/.net
果林「あら、ランジュまで」

ランジュ「お邪魔してるわ!あっ!」

ランジュ「勝手に見てなんか無いです!!」

果林「ああ、性格診断書?」

果林「別に見ても構わないわよ」

エマ「果林ちゃん、何か相談に乗るよ」

果林「どうしたの突然に?」

エマ「だって、果林ちゃん暗い顔してたから」

果林「あー、」

果林「理由は二つあるわ。良い方と悪い方、どっちから聞きたい?」

エマ「どっち...」

ミア「決められないならボクが!悪い方から!」

ランジュ「やっぱり子どもね」

ミア「ムカつく」

270: 2022/09/09(金) 22:52:49.95 ID:PnFKOUVM.net
果林「悪い方からね」

果林「おっほん。この前のテストの結果が悪くてお母さん達に手紙が出されちゃったのよ」

果林「出題範囲のページをちょっと間違えちゃっただけなのに、大袈裟よね」

果林「ケアレスミスよ、ケアレス」

ランジュ「ちなみに点数は?」

果林「20点」

ミア「ケアレスって点数かよ....」

果林「ケアレスミスって言えばなんでもケアレスミスになるらしいわよ」

果林「という訳で、勉強教えて頂戴。特に現代文」

エマ「んー?なんかおかしくない?」

271: 2022/09/09(金) 23:00:23.74 ID:PnFKOUVM.net
ランジュ「で、比較的良い方のもう一個の悪い出来事は?」

果林「プロテインが切れた」

果林「だから買い出し行ってたの。葡萄味は切れてたみたい」

果林「しばらくはバナナ味かしらね」

果林「今日はその二つが重なって、ちょっとしょんぼりしてただけよ」

果林「決して性格診断の結果が悪かった所為じゃないわ」

果林「証拠に、ほら、みて」

果林「ドライバーの分類では、安全運転タイプって診断書にも書いてあるわ」

果林「むしろ嬉しいわ」

ランジュ「なぁんだ。心配して損じゃない」

エマ「でも、果林ちゃんも溜め込まないでね?何かあったら聞くよ。何なら今すぐ聞くよ」

果林「今すぐね....うーん」

果林「4丁目の薬局行って葡萄味のプロテイン買ってきてくれる?」

ミア「oh, ジャパニーズ パシリ....」

エマ「わかった。代金後払いね」

果林「冗談ですって」

エマ「むぅー!!」💢

276: 2022/09/12(月) 23:35:54.02 ID:O6gKqAEt.net
🚗 🚗 🚗

テレビ「Gas! Gas! Gas!」

テレビ「!?!何だ今のは、何が起こった!?」

果林「ぽけー」

果林「エマが今日は高速道路教習やるなら見とけって言ってたのだけれど」

果林「この近くの高速道路って首都高よね?」

果林「高速道路って、基本直線じゃない?」

果林「しかもMTじゃなくて、AT講習じゃない?」

果林「赤城の山ならともかく、都心よ都心。お台場は日本のトーキョーよ」

テレビ「Gas! Gas! Gas!」

果林「まあいいわ。まだまだ時間あるし、見て行きましょう」

292: 2022/09/19(月) 23:35:50.03 ID:OSlSEZAh.net
果林「(Gas! Gas!ってどう言う意味なのかしらね?)」テクテク

果林「でもいいわ。あともうちょっとでドライビングスクールは卒業できるもの」

果林「免許取得したらどこへ行こうかしら...?」

教官「朝香さーん、もうすぐ始まるから早く早く!」

果林「はーい!今行きます」テクテク

教官「フロントで説明は聞いた?」

教官「今日は2人人組みで受けて貰います」

教官「どっちが先に運転する?」

モブ女「...」

果林「...」

教官「じゃんけんして決めて。せーの、じゃんけんぽん」

果林「✊」

モブ女「🖐」

教官「モブ女さん先ね」

モブ女「はーい」

293: 2022/09/19(月) 23:50:11.51 ID:OSlSEZAh.net
バタン

ブロロ

モブ女「ブオーン」

教官「今回は湾岸線を走ってもらいます。道はこちらで指示しますから、その通り従ってください」

教官「前の信号を右に曲がって」

教官「今度はまっすぐ」

教官「そこを左に曲がったら、入場ゲートです」

教官「ETCと書かれているゲートに進んでください」

モブ女「....」

教官「徐行して」

ブロロ

ETC「カードを認知しました」ポーン

教官「はい、ここからもう高速道路です。加速車線でしっかり加速」

モブ女「ブオオン」

教官「他の車に知らせるために、早めにウィンカー出してね」

モブ女「カチ...」

教官「譲ってくれるみたいですよ。加速して前に出よう」

モブ女「ブロロ」

298: 2022/09/21(水) 23:58:03.45 ID:6ZciLfDT.net
果林「こんなに緊張する高速道路は初めてよ...」

モブ女「...私もですぅ」

教官「車間近いよ。もう少し速度落としてみよう」

教官「そうそうそう」

教官「じゃあ次は車線変更....」

ブロロ

果林「(わぁ、他の車に乗ってるみんな、余裕そうな顔してるわ)」

果林「(私もいつかああなるのかしら?)」

ぽわわわーん

299: 2022/09/22(木) 00:01:35.05 ID:XjKo3UEa.net
ブロロ

果林「光の先へアクセル全開」

エマ「視界はとびきり明快」

ブオオオン

果林「何人たりとも私の前を走らせないわよ!!」

果林「ぶっちぎるわ!」


ぽわわわーん

教官「朝香さーん」

果林「うふふ」

教官「朝香さん」

果林「はっ!?」

教官「次だから覚悟の準備をしておいてください」

果林「はっ、はい!」

303: 2022/09/23(金) 23:26:57.13 ID:0O/xKvQ4.net
~途中のSAで~

教官「はい、次は朝香さんだから頑張って」

教官「高速降りて教習所目指してもらうからね」

モブ女「頑張ってください!」

果林「ありがとう、ございます....頑張ります」

果林「(やばい。手汗がやばいわ)」

果林「(こう言う時って...やっぱり!脇汗も!」

果林「(でも落ち着いて朝香果林)」

果林「クールに、クールに」

教官「?」

モブ女「?」

304: 2022/09/23(金) 23:57:57.05 ID:0O/xKvQ4.net
バタン

教官「それでは朝香さんお願いします」

スウィー

教官「少し遅いですね」

果林「ドキドキ」

教官「合流だよー」

教官「周りの車見ながら速度調整して」

果林「は、はい。ブロロ」

306: 2022/09/24(土) 23:25:47.63 ID:6UIidAHg.net
果林「(やばいわ。タイミングとかこれで合ってるのかしら?)」

教官「ウィンカー長めに出して」

果林「は、はい」

教官「車線いっぱい使おう」

果林「このまま終わりまで?」

教官「タイミングよーく見て。ほら、隣の車速度落としたでしょ。入れてくれるよ」

教官「車線変更」

果林「ええい!ままよ!」

グイーーン

307: 2022/09/24(土) 23:34:05.73 ID:6UIidAHg.net
果林「(はぁはぁ...めちゃくちゃ心臓がドキドキしてる)」

教官「それじゃあ左車線に移って」

教官「車少ないから楽だと思う」

果林「ウィンカー....」カチカチ

果林「(1、2、3秒数えて、バックミラー見て、車線変更)」

果林「ふぅ...何にもない」

教官「じゃあ100kmギリギリまで出してみよ。思いっきり、ぐっとペダルを踏んで」

果林「....ごくり」

教官「踏んで」

果林「さもありなん!」


ブオオォォォン


果林「!!」

教官「少しペダルの感覚がふわふわしてるでしょ?」

教官「本当ならこの調子で走り続けてほしいけど、もうすぐ降りなきゃだからね」

教官「次は右車線走ってみよう」

311: 2022/09/26(月) 22:42:45.00 ID:0Xcgu/dt.net
果林「(右行けとか左行けとかなんなのよもう)」

果林「...」カチカチ

果林「(それっ!)」

教官「もうすぐ出口ね」

教官「次降りて。あと1km先」

果林「はい」

ブロロ

果林「(スピード出してたら走るのってなんだか少し楽しい...かも?)」

果林「(これだけで終わってしまうのって勿体無いかも)」

果林「(私の心のエンジンがようやく温まって来たけど)」

果林「(これは後まで取っておきましょう)」

カチカチ

果林「ここでしたっけ?」

教官「そうそう。ここで降りて」

312: 2022/09/26(月) 22:49:00.60 ID:0Xcgu/dt.net
果林「(都会の高速道路は、加速と減速の距離を稼ぐためにループ構造をよく使うんですって)」

果林「(ハンドルを目一杯切って、アクセルを緩めてく)」

果林「(尚且つ60km以下にならない様に)」

果林「(難しいわね)」

教官「降りたら速度気をつけてね。高速慣れると一般道はダンゴムシみたいに見えるから」

果林「ダンゴムシ...早いんだか遅いんだかわかんないです」

教官「じゃあ、イモムシぐらい?」

果林「もっとわかんないです」

果林「昆虫好きなんですね」

313: 2022/09/26(月) 22:53:27.67 ID:0Xcgu/dt.net
果林「右?」

教官「右。右に曲がったらいつもの通りに出るから、そしたら道のり」

果林「道のり...あった。ありました」

果林「このまま、教習所に」

教官「駐車番号15番に停めて」

果林「はーい」

ピー ピー

スーッ ぴたっ

教官「2人ともお疲れ様でした」

モブ女・果林「お疲れ様でした」

教官「後5分残ってるんだけど...ちょっと自動販売機の前まで来て」バタン

果林「なんでしょうかね?」

モブ女「ね?」

314: 2022/09/26(月) 22:57:02.00 ID:0Xcgu/dt.net
教官「2人ともお疲れ様。これ今日の差し入れ」

教官「好きなの選んで良いよ」

果林「ジュース奢ってくれるって事ですか?」

教官「そそ」

モブ女「じゃあ私コーンスープがいいです!寒いので!」

教官「オッケー」

教官「朝香さんは?」

果林「....少し肌寒いので、暖かいのがいいです。お茶とかホットで」

教官「お茶のホットね」

チャリン ガコン

教官「はいどうぞ」

果林「ありがとうございます」

カチョリ  ゴクゴク

315: 2022/09/26(月) 23:09:46.96 ID:0Xcgu/dt.net
果林「(はぁ...暖かい)」

果林「(通いはじめは夏の初めぐらいだったのに、すっかり秋になってしまったわ)」

果林「(時が経つのが早いわ)」

果林「ふぅ....」

教官「あと2コマだね。2人とも特に運転の粗だとか、癖だとかはないから、卒業試験も大丈夫だと思う」

教官「ちゃんと学科もやっておくんだよ。免許取りに行く時、落ちたら恥ずかしいから」

教官「特に朝香さん」

果林「うげ...」

果林「おほん、やってますって」

キンコーンカーンコーン

教官「これで解散になります。お疲れ様でした」

モブ女・果林「ありがとうございました」

316: 2022/09/26(月) 23:17:09.07 ID:0Xcgu/dt.net
__________
_______
____

果林「ただいま」

ミア・ランジュ・エマ「やばい!隠せ!見せちゃダメよ!大丈夫見てない!」

果林「?」

ランジュ「遅かったじゃない」

果林「あの後、キャンセル待ちで1コマ受けて来たからよ」

果林「後もう1コマ受ければ卒業試験ね」

ミア「果林はさ、免許取ったら。具体的には来週の休日とか暇?」

果林「特に撮影とか入ってないし」

果林「暇だけどどうしたの?」

エマ「みんなで遊びに行きたいなぁって。急だけど」

果林「そんな事コソコソ話し合ってたの?かわいい人達ね」

果林「もちろん大賛成よ。一緒にいきましょ」

果林「どこがいいかしら?」

ランジュ「赤城の山々でドリフト!」

ミア「馬鹿!初心者になんて所走らせるんだ!」

エマ「軽井沢とか行ってみたいなぁ」

果林「1日で行って帰って来れる自信がないわ」


ワイワイ ガヤガヤ


🚗 🚗 🚗

321: 2022/09/28(水) 23:11:43.46 ID:fncf99p2.net
~次の日~

果林「ようやく見極めね」

果林「肌寒いわ。車の中で待ってましょう」

バタン

教官「コンコン」

教官「こんばんは」

果林「こんばんは。今日はよろしくお願いします」

教官「よろしく」

教官「あぁ、もう見極めかぁ」

教官「次卒検ね。うーん、どうしようかなぁ」

教官「朝香さんさ、地図得意だった?」

果林「少し苦手です」

教官「はい...オッケー。じゃあ今日は卒検のルート回ろう。本当はダメだけど、内緒ね」

果林「は、はい」

326: 2022/10/02(日) 00:09:25.20 ID:VdE/PNvo.net
ブロロロ

果林「(こうやってみると、色々な事思い出すわね)」

果林「(交差点でエンスト6回起こして信号が2回変わったこととか)」

果林「(駐停車の練習で車体擦った事とか)」

果林「懐かしいわぁ」

教官「俺も~」

教官「朝香さんここの周りに住んでる人じゃないんでしょ?」

教官「通りが勝ったら、色んな事思い出してくれたら嬉しいな」

果林「そう、ですね」


ブロロロ

329: 2022/10/02(日) 23:19:58.67 ID:VdE/PNvo.net
果林「(最初はギアって何?って感じだったけど、すっかり慣れてしまったわね)」

果林「(交差点に侵入、右折10秒前)」

果林「(ブレーキを軽く踏んで、速度を落とす)」

果林「(十分に落とせたら、ギアを2に入れる)」

ガチャガチャ

果林「(十分に曲がったら、またギアを入れて)」

果林「(今度はアクセルを踏みながら、3)」

果林「(ちょっと交通の流れが良いから、4でも良いかしらね?)」

果林「(ううん、やっぱりやめましょう)」

ブロロロ

330: 2022/10/02(日) 23:23:56.57 ID:VdE/PNvo.net
教官「運転うまいねぇ」

果林「そうですか?ありがとうございます」

教官「実技は一発だと思う」

果林「筆記も一発ですよ」

教官「頑張ってね。応援してるよ」

果林「ありがとうございます」

教官「フロントで試験の予約はとった?」

果林「この後取ります」

教官「そっか。忘れないでね」

果林「はい」

教官「では、これで見極めを終了します」

教官「教習手帳と、はい、はんこ」

教官「ようやくコンプリートだね」

果林「長かったぁ...」

教官「試験では教習手帳を提出してもらいます。忘れないでね」

果林「はい!」

331: 2022/10/02(日) 23:31:00.19 ID:VdE/PNvo.net
果林「ウキウキ」

果林「コンプリート、コンプリート♪」

果林「これで私も免許保持者~」

果林「国家資格取得者でもあるわ!」

果林「ウキウキ♪ワクワク♪」

果林「ただいまぁ~」

「やばっ、隠せ!」

ミア「な、なんだよそんなにウキウキして。らしくないじゃないか」

果林「そうかしら?」

ランジュ「明日卒検なんでしょ?」

ランジュ「実技はいいとして、筆記はどうなのよ?」

果林「もちろん大丈夫よ」

ランジュ「またカンペ的な物渡そうと思ってたんだけど、大丈夫そうね」

エマ「よかったぁ。後は朝早く起きられるかだけだね」

果林「1人でも大丈夫よ!」

エマ「本当かなぁ?」

332: 2022/10/02(日) 23:34:27.69 ID:VdE/PNvo.net
果林「結局起きられなかったわ。卒検には間に合ったけど」ふわぁ

教官「基本的な流れは、仮免許試験の時と同じです」

教官「では、皆さんにナンバー入りの札を配ります。この数字があなたとペアで運転する人という事になります」

果林「ふうん、3ね」

果林「ここで待てばいいのね」

_________
_______
_____

337: 2022/10/04(火) 23:31:27.41 ID:s6kkJIR9.net
教官「番号札3番と4番の方~」

果林「はーい」

モブ「はい」

果林「あら、あなたが私とペア組んでくれる人ね」

果林「よろしく」

モブ「よ、よろしくっす」

教官「では乗ってください」

果林「はい」

教官「道はそれぞれ口頭で指示します。二つ先の角を右折、とか、車線変更してください、とか」

教官「準備して、馴らし走行を100mぐらいします。そのあと、試験を開始します」

教官「準備お願いします」

果林「はい」

果林「(まずは椅子に...)」

果林「(マニュアルは少し遠めに)」

果林「ミラーヨシ、ギアヨシ」

果林「前後左右ヨシ」

教官「では馴らし走行を開始してください。教習所を出て、横の道を角の突き当たりまで加速」

果林「はい!」

342: 2022/10/06(木) 22:43:49.53 ID:OZvl4yGZ.net
果林「(馴らし走行終わり)」

教官「それでは試験を開始します」

果林「(今からは私の時間よ!ぶっちぎるわ!」

教官「左出て、大通りに出てください」

果林「はい!」

教官「そのまま車線変更」

カチカチ

343: 2022/10/06(木) 22:50:25.77 ID:OZvl4yGZ.net
果林「(この道は少し狭いわ)」

果林「(おっと....あれは)」

果林「歩行者...って!?」

エマ・ミア・ランジュ「あっ」

果林「...///」

エマ・ミア・ランジュ「あれって果林ちゃんじゃない?」

エマ・ミア・ランジュ「果林(ちゃん)がんばれ~!」

果林「....////」

果林「...はい、頑張ります」

344: 2022/10/06(木) 22:59:15.43 ID:OZvl4yGZ.net
教官「では、路肩に停車してください」

果林「はい」

果林「(ウィンカー出して、後続車に意思を伝える)」

果林「(次にブレーキ、ギアを落として)」

果林「(最後はクラッチ操作で、停止)」

果林「最後にハザードを出して」

ピタっ


果林「停車出来ました」

教官「お疲れ様でした」

果林「ありがとうございました」

教官「次の人、変わって」

モブ「ウッス」

345: 2022/10/06(木) 23:05:41.59 ID:OZvl4yGZ.net
教官「試験結果は10分後に発表します」

教官「少しの間ですが、待っていてください」

モブs「はーい」

果林「(微妙な時間だわ)」

キョロキョロ

モブ「ねえ受かったかなぁ?」

果林「(ふふ、楽しいわよね、結果想像するの」

352: 2022/10/10(月) 22:21:15.31 ID:8fAp6dvK.net
ピンポンパンポーン

受験生の皆さん、卒業検定の合否を発表するので、フロントのモニター前まで来てください。

朝渡した番号が受験番号になります。

果林「いよいよね」

受験生s「ゾロゾロ」

教官「皆さん、集まりましたか?」

教官「それでは発表します」

テテン!

1・2・3・4・5
6・7・8

教官「おめでとうございます」

教官「今回は全員合格です!」

果林「よしっ!やったわ!」

教官「このまま2階の教室まで来てください」

教官「卒業式があります」

受験生s「はーい」

353: 2022/10/10(月) 22:26:00.85 ID:8fAp6dvK.net
校長「ベラベラキュウセンベラ」

校長「ドライバーとしてのマナーを忘れずに」

校長「それでは卒業証明書をお渡しします」

校長「朝香果林さん」

果林「へ?」

校長「こちらに」

校長「賞状 朝香果林様」

校長「右は、本ドライブスクールを優秀な成績で卒業したことをここに認めます」

校長「どうぞ」

果林「ど、どうも」

パチパチ👏

果林「えへへ...照れるわね///」

354: 2022/10/10(月) 22:32:08.04 ID:8fAp6dvK.net
果林「という訳で、卒業したわよ」

果林「まだ免許センターの試験が残ってるけど」

エマ「おめでとう!」

ランジュ「おめでとう!」

ミア「おめでとう!」

果林「ありがとう!」

エマ「免許センターはいつ行くの?」

果林「明日の午後行ってくるわ。東京は良いわね。免許センターが沢山あって」

果林「確か島にいたときは出張試験とかで、受けられる日付けが決まっていたのよね」

ランジュ「へぇ。面白いわね離島部って」

ミア「果林、明日なんだけど、ついていって良い?」

果林「ついて行くって、免許センターに?」

果林「別に構わないけど、どうして?」

ミア「秘密~」

果林「?」

355: 2022/10/10(月) 22:40:11.11 ID:8fAp6dvK.net
免許を取ろう!

5、免許センターについて

果林「早めに行けってドライブスクールの人が言ってたけど」

ごちゃごちゃ

果林「すごく並んでるわ」

エマ「小さなレストランが併設してあって、お店みたいな雰囲気だね」

ランジュ「会場が開くのはあと30分後見たいね」

果林「会場が開いてから、本人の身分確認・各種証明書、手数料納付...はぁ...すごく時間かかりそう」

果林「あれ?ミアは?」

ランジュ「トイレ行くって」

果林「そう」

スタッフ「もう少し時間かかりますが、時間短縮の為、ドアの前に整列お願いしまーす」

スタッフ「身分証明書・卒業証明書・手数料3800円・住民票の準備をしてください。運転免許申請書は中で書きます」

スタッフ「これより先、受験生しか入れません。ご注意ください!」

果林「ですって。行ってくるわ」

エマ・ランジュ「行ってらっしゃい~」

356: 2022/10/10(月) 22:53:30.12 ID:8fAp6dvK.net
ぞろぞろ

果林「まずはカウンターで手数料の支払い。切手みたいなの(収入証紙)と交換してくれるのね」

果林「切手みたいなのを貰ったら申請書の記入」

果林「ここにさっきの切手を貼り付けて」

果林「各種項目を記入。国籍は日本、住所は、東京都品川区八丈島...」

果林「次に、本人確認と申請書・証明書・住民票の提出」

果林「うわぁ...すごい列」

果林「スマホでも見ながら待ちましょう」

ぞろぞろ

357: 2022/10/10(月) 22:56:13.03 ID:8fAp6dvK.net
スタッフ「朝香さんですね」

果林「はい」

スタッフ「本籍は離島部ですね?」

果林「はい」

スタッフ「住民票と確認します....はい。証明書も一緒」

スタッフ「こちらが受験票になります。無くさないでください」

スタッフ「次にそこの角を曲がって、適正検査を受けてください」

スタッフ「簡単な視力検査と色彩検査になります」

果林「ありがとうございました」

358: 2022/10/10(月) 23:00:08.86 ID:8fAp6dvK.net
右見えますか~?

果林「見えます。上」

左は?

果林「右」

色は~?

果林「緑」

これは~?

果林「赤」

はいオッケーです。

戻って2階の教室に行ってください。

あなたの番号がある席に座ってください。

果林「はーい」テクテク

果林「長い、長かったわ」

果林「ここまで2時間ぐらいかかったわ」

果林「テキスト読んだってこれだけ時間があったら忘れちゃうわね」

果林「でも、次で決めるわ!」

果林「待ってなさいよ運転免許!」

359: 2022/10/10(月) 23:10:38.20 ID:8fAp6dvK.net
職員「それでは皆さん、回答用紙と問題用紙は行き渡ったでしょうか?」

職員「良いですね。何度も言いますが、カンニングはしてはいけません。携帯電話を鳴らすのもダメです」

職員「時計の使用は認めますが、同様に音の出ないものにしてください」

職員「あと30秒後に始めます」

果林「ドキドキ」

職員「それでは、はじめ!」

ばっ!

果林「(えーっと、走行中、車の左前方に子供がいたが、路側帯の内だったので、そのままの速度で通行した)」

果林「(ばつ いつ何時・路側帯に関わらず、十分に感覚を開ける)」

______________
_________
_____

360: 2022/10/10(月) 23:14:41.99 ID:8fAp6dvK.net
果林「ドキドキ」

アナウンス「受験生の皆様、おつかれ様でした」

アナウンス「合否を発表します」

ばばん!

果林「63...63...あった!わーい!わーい!」

果林「やったわ!合格よ!」

果林「写真撮って送っておきましょう。お母さんとか、エマ達にも」ぽちぽち

スタッフ「はーい!盛り上がってる所悪いんですが!!」

スタッフ「免許交付の申請があるので、こちらへお並びください!!」

果林「へぇ...朝書いた紙とは別に必要なのね」

果林「...げ、うわぁ」

果林「沢山並びすぎてる。時間かかるわこれ」

361: 2022/10/10(月) 23:17:19.40 ID:8fAp6dvK.net
職員「写真撮りまーす」

3 2 1

パシャリ

ウィーン
ウィーン

職員「はい奥に行って待っててね」

職員「そのうち名前呼ばれるから」

果林「はい」

果林「待つわね。これも待つわね」

果林「.....」

果林「.........」

果林「.............」

果林「暇だわ」

362: 2022/10/10(月) 23:19:23.60 ID:8fAp6dvK.net
カウンタースタッフ「朝香さん」

果林「はい!」

カウンタースタッフ「免許を交付します。大切な物ですので、無くさないでください」

果林「はい!」

カウンタースタッフ「以上で免許交付は終わりです。お疲れ様でした!」

果林「ありがとうございました!!」

果林「やった!やった!」

果林「免許取ったわよ!」

363: 2022/10/10(月) 23:24:44.79 ID:8fAp6dvK.net
果林「見て~見て見て!」

果林「免許取ったわよ!」

エマ「すご~い!」

ランジュ「おめでとう!」

果林「ミアにも見せてあげるわね...っていないじゃない。トイレ?」

果林「長す「果林!」」

果林「へ?」

「こっちだよ。前の道」バタン

果林「え?ミア、どうしてそんな高級そうな車から降りてきたの?」

ミア「この前新曲発表しただろ?」

ミア「買った」

ミア「で、果林にも乗せてあげようかなって」

ミア「てな訳で、帰りの運転頼むよ」

果林「まっかせなさい!」

エマ「乗っちゃえ乗っちゃえ」バタン

ランジュ「運転楽しみね!第一段階技能以来だわ!」バタン

果林「ガチャガチャ...良いマニュアル車ね」ガチャガチャ

果林「果林、行きまーす!」

ブロロロ

364: 2022/10/10(月) 23:32:44.33 ID:8fAp6dvK.net
果林「パワフルね、半クラッチが少しだけでも繋がってくれるから楽ね」

ミア「まあね。ボクが選んだ車だもん」

ランジュ「ねえねえ果林、来週どこ行く?」

果林「そういえばどこ行くか決まって無かったわね」

エマ「ねえ、木更津って所に私行ってみたい!アクアライン?っていうの通ればすぐなんでしょ?」

エマ「それにね、私、シーフードあまり食べた事ないから」

エマ「木更津に行けば、美味しいシーフードたべれるんでしょ?」

ランジュ「もう、食いっぱりは一人前なんだから」

ランジュ「じゃあ木更津ね。2人は?」

ミア「異議なーし」

果林「私もよ」

エマ「ヤッタァ!」

果林「おっとっと、曲がる所間違える所だった」

ランジュ「間違えないでね」

果林「もう大丈夫よ。ここから大通りね」

果林「ぶっちぎるわ!」

ブオオン

ミア「って言ってる割には50kmじゃん」

果林「だって若葉マークですもの」

4人「あははは」




おしまい

長めに、と思ってたらすごく長くなってしまいました。
読んでいただきありがとうございます。

365: 2022/10/10(月) 23:35:58.04 ID:uuhHkJZS.net
完結乙!
果林先輩の奮闘が微笑ましかったわ
免許取得1週間でアクアラインは…湖風に気を付けて

366: 2022/10/11(火) 00:43:04.71 ID:2SqaeDym.net
おつやで

367: 2022/10/11(火) 00:58:07.17 ID:cFy2V6r+.net
果林ちゃんがんばったね…!
おつです

引用元: 果林「免許を取るわよ!」