1: 2016/07/20(水) 08:50:00.513 ID:oeDDf2Nd0.net
博士「どうしたんじゃ新一」

コナン「なんか最近花粉症みたいでさ、くしゃみと鼻水が止まらねぇんだ」

博士「そりゃあ大変じゃのう。しかし花粉のシーズンは終わっとるぞい」

コナン「それじゃこれは鼻炎っつーのか?」ズルズル

灰原「…工藤君」

コナン「なんだよ灰原?」

灰原「その鼻かんだティッシュなんだけど―」

コナン「へぁ…ッ ふぇぁあああっくしゅっ!」ドバァー

灰原「…」

3: 2016/07/20(水) 08:51:01.417 ID:oeDDf2Nd0.net
コナン「へ?今なんか言ったか?」チーン

灰原「その鼻かんだティッシュ、ちょっと分けてくれないかしら」

博士「?」

コナン「ティッシュを?お前、いったい何する気だよ」

灰原「ちょっと興味があってね」

コナン「お前まさか…鼻水フェチだったのか?」ゾッ

灰原「そうじゃないけど…ま、そう勘違いされても仕方ないわね」

博士「…」

コナン「ほらよ、皆には内緒にしといてやるからな」

灰原「ありがとう工藤君」バタン

コナン「部屋に立てこもりやがった」

博士「今日の哀君は様子が変じゃのう…」

6: 2016/07/20(水) 08:52:00.277 ID:oeDDf2Nd0.net
灰原「できたわ二人とも」ガチャ

コナン「おい何だその怪しげな粉末は?」

灰原「ずばり、アポトキシン4869よ」

博士「なんじゃと!?」

コナン「ばッ、バーロー!そんなモン作ってどうすんだよ!」

灰原「なんていうか気分で…」

博士「いったいどうやって作ったんじゃ哀君?」

灰原「知りたい?」

コナン「というより灰原、アポトキシンが作れるなら解毒剤(?)の方を作れよ!」

博士「それもそうじゃが…」

灰原「これはね、アポトキシンを飲んだ私の体液と工藤君の体液から作り出したものなの」

コナン「体液…!?」

灰原「これはまだプロトタイプだけど、十分に効果を発揮できると思うわ」

博士「なるほど、それを飲み物に混ぜるんじゃな」

7: 2016/07/20(水) 08:53:00.122 ID:oeDDf2Nd0.net
灰原「そう…それで問題はこれを誰に使うかだけど…」

コナン「やめろ灰原!俺たちの二の舞を増やすつもりか!?」

博士「まぁまぁ新一。面白そうじゃし、ちょうどいい実験台が身近にいるじゃないか」

コナン「博士まで!?」

灰原「火力を弱めて小一にも使えるように改良しておいたから…」

博士「流石は哀君じゃ」

灰原「肉体が赤ん坊になるわ。もちろん頭脳はそのままね」

コナン「なんだと…」

灰原「私は元太君なんかに使うといいんじゃないかと思うんだけど、サイズ的に」

博士「定番の光彦君もあるぞい」

コナン「だめだこいつら…こうなったらオレもこの流れに乗るしかない!」

8: 2016/07/20(水) 08:53:59.942 ID:oeDDf2Nd0.net
一方その頃(公園)



歩美「光彦くーん!ボール行ったよー!」

元太「よぉし!そのままシュートだ光彦ォ!」

光彦「オーケーぼくに任せてください!行きますよぉー!」

ボッシューーーーーーート☆

歩美「やったぁ!」

元太「ナイスシュート光彦ォ!」

光彦「いやはや、お二人のパスが上手だったからですよぉ」

9: 2016/07/20(水) 08:55:00.303 ID:oeDDf2Nd0.net
歩美「あゆみ、お腹すいちゃった!みんなお弁当持ってきた?」

元太「オレ、うな重持ってきたぜェ!」

光彦「ぼくもお母さんにおにぎりいっぱい作ってもらいましたぁ」

歩美「それじゃあ食べよっか!」

一同「いっただっきまーす!」

モグモグ ガツガツ

光彦「そういえば今日コナン君たちは来ないんですか?」

元太「コナン、風邪引いてるらしいぜ。鼻水だらだら垂らしてよォ」

歩美「コナン君かわいそう…あ、そうだ!あとでコナン君のお見舞いへ行こうよ」

光彦「いいですねぇ。そうしましょう!」

元太「さんせー!」

10: 2016/07/20(水) 08:56:00.488 ID:oeDDf2Nd0.net
ピーンポーン

ガチャ

博士「おぉ、よく来たのぅ少年探偵団の諸君」

元太「おっす博士!」

歩美「コナン君はだいじょうぶ?」

博士「はて?コナンがどうかしたかね?」

光彦「コナン君が風邪を引いて寝込んでるっていう話を聞きまして!」

元太「わざわざ見舞いに来てやったんだぞォ」

博士「わははは、コナンなら心配いらんよ。風邪など引いておらん」

歩美「ええっ!?じゃあどうしたのコナン君?」

博士「鼻水とくしゃみが出ているだけじゃよ。アレルギーみたいなものじゃ」

11: 2016/07/20(水) 08:57:01.998 ID:oeDDf2Nd0.net
元太「あるるげー?」

光彦「じゃあ高熱でうなされてるわけじゃあないんですね?」

博士「そうじゃよ。まぁ上がってお茶でも飲んでいきなさい。コナンも哀君も中におるよ」

一同「おじゃましまーす!」

コナン「げっ、やつら来やがったぞ!灰原、急げ!」

灰原「急かさないでよね。あとはこのジンジャーエールにアポトキシンの粉末を…」

コナン「それで誰に飲ませるんだよ!」

灰原「さあね」

博士「コナン、哀君、みんなが遊びに来たぞい」

13: 2016/07/20(水) 08:58:00.463 ID:oeDDf2Nd0.net
コナン「よ、ようお前ら」

光彦「鼻水が止まらないそうですね、コナン君?」

コナン「へ?まぁな…」

歩美「あゆみのお父さんもかふんしょーなの」

元太「へっ、そんなの鼻にティッシュでも詰めときゃいいだろ」

コナン「バーロー。そういうわけにもいかねぇよ」

灰原「みんな暑かったでしょう。飲み物でもいかが?」

歩美「あゆみのど乾いたー!」

光彦「ぼくもですぅ」

14: 2016/07/20(水) 08:59:00.525 ID:oeDDf2Nd0.net
コナン(おいマジか、灰原…)

灰原(安心して。例のものが入っているのは三つのうち二人分だけよ)

博士(まさか歩美ちゃんに回らんじゃろうな…)

元太「うおぉー!ジンジャーエールだぜ!」

歩美「あゆみこれ大好きー!」

光彦「あ、あの~灰原さん…」

灰原「どうしたの?」

光彦「すみませんが、ぼく炭酸系の飲み物は苦手でして…水か麦茶でももらえませんか?」

博士(!?)

コナン(!?)

16: 2016/07/20(水) 09:00:00.251 ID:oeDDf2Nd0.net
灰原「そう。じゃあ麦茶を持ってくるわ。待っててね」

光彦「いやぁ恐縮です~」

博士(哀君、このままでは歩美ちゃんが)

コナン(まずいぞ灰原、歩美まで粉末入りジンジャーエールを飲んでねぇか!?)

灰原「…」

元太「ぷはーっ!うめぇー!」

灰原「はいどうぞ、光彦君」

光彦「はー!灰原さんが入れてくれた麦茶は最高ですよ」

灰原「ありがとう光彦君」

17: 2016/07/20(水) 09:01:00.267 ID:oeDDf2Nd0.net
コナン「なあ、お前ら…さっきから何ともないのか!?」

歩美「えっ?」

元太「何がだよォ」

コナン「何か、体に違和感は感じないか?」

光彦「何ともありませんよ、コナン君」

歩美「ジュースおいしかったよ!」

元太「なんでそんなこと聞くんだよ、コナン」

コナン「いや…何でもねぇよ。オレの勘違いだ」

歩美「へんなコナン君―」

18: 2016/07/20(水) 09:02:00.290 ID:oeDDf2Nd0.net
光彦「灰原さん、悪いんですが麦茶もう一杯もらえませんか?」

灰原「もちろんいいわよ」

光彦「助かります~」

コナン(おい灰原、ちゃんと光彦にも飲ませたか?)

灰原(あら、そんなこと気にしているの?)

元太「うなうな」ゴクゴク

歩美「元太くん、そんなに飲んだらお腹がへんになっちゃうよ!」

元太「だいじょうぶだって!」ゴクゴク

博士「もうほとんど飲み干してしまったぞい…(誰がどれを飲んだかさっぱりじゃ…)」

光彦「そういえば知ってます?」

一同「?」

19: 2016/07/20(水) 09:03:00.381 ID:oeDDf2Nd0.net
光彦「今日は北斗七星が見られるそうですよ」

コナン「あぁ…テレビでやってたな」

歩美「ほくとしちせー?」

元太「なんだよそれ」

博士「星の名前じゃよ」

灰原「7つの星が光って見えるそうよ」

歩美「へえー!見てみたーい!」

元太「どうやって見るんだよコナン」

コナン「博士が望遠鏡を持ってるからそれで見られるぞ」

灰原「今日は晴れているし良く見えるでしょうね」

20: 2016/07/20(水) 09:04:00.422 ID:oeDDf2Nd0.net
光彦「そこで博士!お願いがあるんですが、夜まで待っ――」

ビクン!!

元太「おい、どうしたんだよ光彦」

光彦「な、なんだか体全体がおかしくて…うっ」

歩美「元太君もどうしたの!?体が縮んでるよ!」

元太「あれ…おっかしいな、なんだよこれ…」

博士「…」

灰原「どうかしたの?」

コナン「元太と光彦の体が縮み始めてるんだ!」

歩美「うわーん!あゆみ怖いー!」シクシク

灰原「だいじょうぶよ、歩美ちゃん」ナデナデ

博士(どうやら歩美ちゃんには当たらなかったようじゃな…)ホッ

光彦「コナン君!た、助けてくださいっ!」

コナン「助けろったって、そんなの無理だ!」

元太「なんでオレたちだけ小さくなってんだよォ!」

22: 2016/07/20(水) 09:05:00.163 ID:oeDDf2Nd0.net
博士「何と…二人とも赤ん坊の姿になってしまったぞい…」

灰原「…あら?歩美ちゃんの様子も変よ」

コナン「どうしたんだ歩美!?」

歩美「ば、あぶぅ、ばぁあー」

博士「!?」

コナン「!?」

灰原「歩美ちゃんは頭脳だけが幼児化してしまったようね」

コナン「バーローッ(歓喜)」

博士「おおおぉ~よしよし可愛いのう歩美ちゃん!」

コナン「コラッ何やってんだ博士!」

灰原「博士の母性が止まらないみたいね」

23: 2016/07/20(水) 09:06:11.874 ID:oeDDf2Nd0.net
元太(光彦!オレたちも赤ん坊のフリをしようぜ!)

光彦(そんなの恥ずかしくてできませんよ!いくらなんでも…)

元太(やるぞ!)

博士「よぉしよし、だいじょうぶじゃよ~歩美ちゅわん」

歩美「だあぁ~」バブバブ

コナン「オイオイ、そのうち母乳が欲しくて泣きだすぞ…」

元太「うなぁああああ!!うなぁあああああ゛っ!!」

灰原「!?」ゾッ

光彦「ぼにゅうううう!!ぼにゅううううう゛っ!!」

コナン「お前らまでどうした!?何してやがる!」

元太「うなうなー!」ベビー

光彦「ぱふぱふー!!」ブヒー

博士「おおっ!どうやら二人は心も体も赤ん坊になってしまっていたようじゃな!」

コナン「ぱふぱふなんて叫ぶ赤ん坊がいてたまるか!!」

24: 2016/07/20(水) 09:07:00.079 ID:oeDDf2Nd0.net
灰原「博士…この二人に母乳をあげなさいよ」

コナン「ブッ…そうだぜ博士、欲しがって泣いてるじゃねぇか」

博士「そ、そうじゃな!ではさっそく…(出るかのぅ)」

元太「うなッ!?」

光彦「ぱふぅッ!?」

博士「ほぉれほれほれ!わしじゃよ!わしの母乳じゃよぉぉぉ!」

元太「う゛なぁああああーっ!!」

光彦「パぼにゅぅぅぅぅうーっ!!」

コナン「なんだよ、いらないのか?赤ん坊は面倒くせぇな」

灰原「他が原因で泣いてたんじゃないかしら」

博士「わし(の母乳)じゃよ」

コナン「例えば?」

灰原「そうね。おむつをかえてほしいとか…」

博士「任せなさい!わしの部屋に布オムツがいっぱいあるぞい!」

元太(!?)

光彦(!?)

博士「今持ってくるからのぅ!いい子にしてるんでしゅよ~」ドタドタ

コナン「なんで博士がそんなモン持ってるんだよ…」

灰原「布オムツ…環境にやさしいわね」

25: 2016/07/20(水) 09:08:00.955 ID:oeDDf2Nd0.net
光彦(もう無理です元太君!今すぐ止めましょう!)

元太(何言ってんだよ、ここまで来て引き下がれるかよ!)

光彦(で、でも!ボクはもう我慢できません…ッ!)

元太(おいバカ!)

博士「いや~お待たせ!博士特製の布オムツでちゅよ~」

コナン「もういい博士…誰もそんな博士を見たくねぇよ…」

灰原「同感ね」

光彦「コナン君!もうたくさんです!許してください!」

博士「!?」

コナン「赤ん坊が喋った!?」

灰原「赤ん坊になったんじゃなかったの?」

光彦「ご、ごめんなさい…今までのは全部嘘ですぅ…赤ん坊のフリをしていたんですぅ…」

博士「…喋る赤ん坊がこれほど気色悪いとはのぅ(萎え)」

コナン「冷めたぞ博士!」

灰原「じゃあ元太君も演技をしてるのかしら?」

元太「うなああ!うなうなー!」

コナン「もうどっちでもいいや…」

27: 2016/07/20(水) 09:09:12.882 ID:oeDDf2Nd0.net
灰原が作り出したアポトキシンの効果は数時間後に切れた。

歩美に母乳を与えていた博士は残念そうだった。

一時、気色悪がられて捨てられた元太と光彦も天体観測をして家へ帰った。

例の粉末アポトキシンは何者かに盗まれたが、誰も気にしなかった。



―完―

28: 2016/07/20(水) 09:14:07.097 ID:oeDDf2Nd0.net
無事終わりました。読んでいただいた方、ありがとうございました。

30: 2016/07/20(水) 09:16:06.566 ID:o2+HySKxa.net

34: 2016/07/20(水) 09:58:56.912 ID:oeDDf2Nd0.net
なにぶんSSもスレ立ても初めてだったので苦戦してしまいました
次回があればジンとシェリーのSSでも書こうと思います

引用元: コナン「鼻水が止まらねぇ…」