9: 2010/08/22(日) 22:39:48.87 ID:+qwNNriQ0
仕事場の部屋

律「おい。来週のスケジュールだぞ」

澪「来週の仕事はなんだ?」

唯「…どうせまた1個2個なんでしょ」

律「そう言うなよ…。仕事があるだけありがたいと思え」

梓「そうですよ。唯先輩」

唯「…うん」
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
10: 2010/08/22(日) 22:41:15.21 ID:+qwNNriQ0
紬「それで、来週のスケジュールは?」

律「…水曜日に都内の公園の祭の客寄せライブだ…」

澪「…それだけ…なのか?」

律「…ああ」

唯「私たち…デビューできたのはよかったけど全然売れないね…」

紬「唯ちゃん…」

梓「…放課後ティータイムとしてデビューしてもう2年ですか」

11: 2010/08/22(日) 22:42:28.01 ID:+qwNNriQ0
唯「2年もやってるのに仕事が全然来ないね…」

梓「週に一つか二つ…。ゼロの週もあります…」

律「それに仕事の内容も小さい祭の客寄せとかばっか…」

澪「し、仕事があるだけありがたいと思おうって!」

紬「そ、そうよ!りっちゃんさっき言ってたじゃない!」

律「まあそうだけどさ…」

13: 2010/08/22(日) 22:44:07.00 ID:+qwNNriQ0
梓「…」

唯先輩達が大学を卒業して私達は放課後ティータイムとしてデビューしました

唯先輩達4人はもう24歳…私は23歳

大学を卒業したばかりの時の唯先輩達は放課後ティータイムとして暮らしていけるよう頑張っていくとか行っていましたが…

現実は厳しいです

14: 2010/08/22(日) 22:46:23.52 ID:+qwNNriQ0
小さな事務所に所属できた私達放課後ティータイムですが、来る仕事は小さい仕事ばかり…それも週に一つか二つ。ゼロの時もある…

ギャラも良くて5人で一万円…

さすがにこれじゃあ暮らしていけないので私達5人は放課後ティータイムの活動とは別にバイトをしています

もはやバイトの給料で暮らしていってる日々です

そんな日々の中で先輩達はやる気を失いかけています…

15: 2010/08/22(日) 22:48:21.01 ID:+qwNNriQ0
梓「…」

唯「…私達」

律「ん?」

唯「私達…本当に放課後ティータイムとしての活動で暮らしていける日が来るのかな…」

律「…」

紬「き、きっと来るわよ!私達…頑張ってるじゃない!」

唯「でも…2年やってこんな状況だよ。もっと人気者になりたいよ…」

澪「私達…まだメジャーデビューもしてないんだよな」

17: 2010/08/22(日) 22:52:28.42 ID:+qwNNriQ0
梓「シングルもまだ一枚も出してませんね…」

律「…はあ」

紬「き、きっと出せるわよ!だって私達…」

律「頑張ってる…か?」

紬「…」

律「ムギはいいよなー。家が金持ちだしさ」

澪「ちょっと律…」

律「放課後ティータイムが売れなくても楽に食っていけるわけだ…」

紬「…」

18: 2010/08/22(日) 22:54:18.61 ID:+qwNNriQ0
澪「おい律!そんな言い方よせ!」

梓「そうですよ。私達…仲間でしょ」

律「仲間…か」

唯「はあ…早く人気者になりたいなあ」

梓「そうですね…」

澪「その為には…これから来る仕事を頑張ろう!もしかしたら誰か凄い人が見てて私達を気に入ってくれるかもしれない!」

律「そんなうまく行くもんかねー」

19: 2010/08/22(日) 22:56:36.90 ID:+qwNNriQ0
紬「でも…小さな仕事だってライブはライブよ!頑張りましょう!」

唯「…うん。そうだね!」

律「…ああ。頑張れるだけ頑張りたいな…!」

澪「諦めちゃ駄目だよな…!」

梓「頑張りましょう!」

私達はたまにこんな悪い状況になって喧嘩したりしますが…

仕事に対してはみんな本気でした。唯先輩も律先輩も澪先輩もムギ先輩も私も…

ライブが出来るというのは嬉しい事でした

そんな日々が続く中…

21: 2010/08/22(日) 23:10:56.93 ID:+qwNNriQ0
1ヶ月後

律「来週のスケジュールだ」

唯「来週は仕事いくつ~?」

律「…一つだ」

梓「またですか…」

律「まあ仕事が…」

澪「仕事があるだけありがたいと思え…だろ」

律「あ、ああ…」

唯「もうそれりっちゃんの口癖だよね」

紬「うふふ…。いい事じゃない」

22: 2010/08/22(日) 23:12:50.87 ID:+qwNNriQ0
律「ははは…」

澪「で、来週の仕事はなんだ?」

律「えーと。沖縄の小さい祭でのライブだ」

唯「沖縄ー!?」

梓「また随分遠い所ですね…」

澪「交通費とかは…」

律「自費だそうだ…」

唯「自費か…」

23: 2010/08/22(日) 23:14:02.71 ID:+qwNNriQ0
梓「…交通費のほうがギャラより高いかもしれませんね」

律「…キャンセルするか?」

澪「でも…私達にせっかく来た仕事だぞ」

紬「みんなの交通費…私が出すから行きましょう!」

唯「いいよ。ムギちゃんには頼らない」

紬「え…」

律「…そうだな。行くんならそれぞれ自分達の金で行くべきだ」

澪「ああ。私達はまだ仕事をキャンセルなんてできる立場じゃないしな」

梓「交通費がなんですか!」

24: 2010/08/22(日) 23:17:30.84 ID:+qwNNriQ0
紬「でもみんな…」

唯「大丈夫だよムギちゃん!私達…バイトで稼いだお金があるから!」

律「沖縄でもアメリカでもどこだって行けるさ!」

紬「…わかったわ。みんな…自分達で行きましょう!沖縄の仕事!」

唯「うん!」

梓「行きましょう!」

こうして私達は仕事で自費で沖縄まで小さなライブをやりに行きました

この沖縄でのライブで大きな出来事が起こりました…

26: 2010/08/22(日) 23:23:43.84 ID:+qwNNriQ0
沖縄

紬「ライブ会場までもうすぐね」

律「沖縄…海が綺麗な所だなー」

澪「そうだな」

唯「写真沢山撮っちゃお!憂に見せたいし!」

梓「もう皆さん…私達は仕事で来てるんですよ」

唯「わかってるよあずにゃん~」

ダキッ

梓「こんなところで止めてくださいよ!」

唯「わかったわかった~」

梓「もう…」

27: 2010/08/22(日) 23:27:21.77 ID:+qwNNriQ0
澪「仕事のライブ会場…。ここかな」

紬「…地図によるとここね」

律「…随分小さい建物だなー」

唯「だって…小さなライブだもんね」

梓「お客さんとかどれくらい来るんでしょうか…」

律「まあ…あんまり来ないだろうな」

澪「そんな事言うな!」

紬「そうよ。ポジティブに行きましょう!」

律「…ああ」

唯「ライブはライブだもんね」

梓「皆さんで頑張りましょう!」

澪「ああ!」

28: 2010/08/22(日) 23:32:21.46 ID:+qwNNriQ0
ライブ会場

スタッフ「えーと。放課後ティータイムの皆さん。次出番です」

律「はーい」

紬「次ね」

梓「ライブ会場…イマイチ盛り上がってませんね」

澪「私達で盛り上げよう!」

唯「そうだね!えーと…曲はふわふわ時間でいいんだよね」

紬「ええ」

律「よし。このライブで少しの人にでも私達を知ってもらおう!」

梓「はい!」

唯「頑張ろう!人気者になるために!」

スタッフ「放課後ティータイムの皆さん。お願いしまーす」

律「はい!」

29: 2010/08/22(日) 23:34:22.99 ID:+qwNNriQ0
ステージ

唯「皆さんこんにちは~」

パチパチパチ

唯「私達は放課後ティータイムと言うバンドです!」

唯「どうして放課後かというと…永遠に放課後だからです!」

シーン

30: 2010/08/22(日) 23:35:06.20 ID:+qwNNriQ0
律「(おい唯…スベってるぞ…)」

唯「私達…デビューから2年で全然売れないんです」

澪「(ちょっと唯…何言ってるんだ!)」

唯「私達…一生懸命頑張ってるんです!みんなに気に入ってもらう歌を作って頑張っています!」

紬「(唯ちゃん…)」

唯「今日は…私達が一番始めに作った曲を聞いて下さい!」

唯「放課後ティータイムは永遠に放課後です!」

梓「(だから何ですかそれは…)」

唯「ふわふわ時間!」

ジャカジャカジャン ジャカジャカジャン♪

31: 2010/08/22(日) 23:38:38.00 ID:+qwNNriQ0
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ジャーーーン

唯「ありがとうございましたー!」

司会「以上、放課後ティータイムの皆さんでしたー」

パチパチパチ

控え室

唯「ふう。終わったね」

律「なあ唯。なんでさっきはあんな事言い出したんだ?」

澪「ビックリしたぞ」

唯「え?だって…私達の思ってることでしょ」

梓「そんなハッキリお客さんに言うことじゃありませんよ」

紬「そういうのは心の中で呟かなきゃ」

唯「で、でも!私は人気者になりたいから言ったんだよ!」

35: 2010/08/23(月) 00:47:05.57 ID:rVrRipOn0
律「ゆ、唯…」

澪「ま、まあさ!せっかくの沖縄だし…散歩して帰らないか?」

紬「あ!いいわね!それ~」

梓「ゆ、唯先輩はどうですか!?」

唯「…」

律「(このムードじゃダメかなあ…)」

唯「沖縄の散歩面白そうだね!」

律「(乗ってきたー)」

36: 2010/08/23(月) 00:50:20.74 ID:rVrRipOn0
唯「海が奇麗だね~」

梓「そうですね」

律「さっき貰った地図によるとこの先にお土産屋があるんだとさ」

澪「そこ、行ってみるか」

紬「いいわね~」

梓「行きましょう!」

唯「あ。ごめん…私、ちょっと海散歩したいんだ」

梓「海ですか?」

澪「じゃあ、先にみんなで海を散歩するか」

唯「ごめん…一人で散歩したいんだ」

梓「唯先輩…」

37: 2010/08/23(月) 00:53:02.66 ID:rVrRipOn0
律「…わかった。じゃあ私達はこの先のお土産屋にいるから」

唯「うん。少ししたら行くね」

澪「じゃあ、私達は先に行ってるぞ」

紬「また後でね。唯ちゃん」

唯「うん!」

スタスタ

梓「唯先輩…一人にしてよかったんですか?」

律「まあいいだろ。今のあいつ…なんか一人で考えたいみたいだし」

澪「唯はずっと人気者になりたがってたからな…」

紬「私達はあんまり気にしないけど…唯ちゃんはかなり気にしてるみたいなのよね」

梓「確かに…」

38: 2010/08/23(月) 00:55:47.93 ID:rVrRipOn0


唯「はあ。奇麗な海だな~」

スタスタ

唯「…」

唯「…人気者に…なりたいなあ…」

唯「こんな小さな事ばっかやってるのは嫌だよ…」

唯「りっちゃん達はそうは思わないのかなあ…」

「おい。お譲ちゃん…ちょっとええか?」

唯「ん?」

42: 2010/08/23(月) 01:09:12.27 ID:rVrRipOn0
「俺の事…知ってるか?」

唯「…!!あ!!!テレビに沢山出てる…!ヘキサゴンとかやってる人!!!」

紳助「そうや。知っとるかあ」

唯「な、なんでこんなところに…」

紳助「さっきのライブ。見てたんや」

唯「え!?見てたんですか!?」

紳助「ああ。人気者になりたいんやってなあ」

唯「は、はい…」

紳助「お譲ちゃんの話聞いたら涙出てきたわあ。苦労してがんばってるんやってなあ。素敵やん」

唯「あ、ありがとうございます」

44: 2010/08/23(月) 01:12:39.38 ID:rVrRipOn0
紳助「あのな。ここだけの話なんやけど…おじさんが人気者にしてやろうか?」

唯「えっ!?」

紳助「俺、お譲ちゃんの事気にいったんねん。結構バラエティもイケる思うんやけど」

唯「バ、バラエティ番組…」

紳助「そうや。えーと…グループ名なんて言うてったけ」

唯「放課後ティータイムです」

紳助「そうや。放課後ティータイムや。どっかの事務所は入っとるんやろ」

唯「は、はい。一応…」

48: 2010/08/23(月) 01:15:28.84 ID:rVrRipOn0
紳助「だったらもう芸能界入っとるやん!どうや?俺の番組出てみないか?」

唯「え…。紳助さんの番組?」

紳助「そうや。まずヘキサゴンかなあ」

唯「え!?ヘキサゴンに出れるんですか!?」

紳助「うわ。目光りだしたなあ。だったらオーケーって事でええんか?」

唯「…で、でも」

紳助「どうした?何か不満なことがあるんか?」

唯「私達…バンドだから、演奏とかしたいなーって…」

49: 2010/08/23(月) 01:19:02.45 ID:rVrRipOn0
紳助「演奏とばかりはいかへんけど…歌なら歌わせてあげるで」

唯「本当ですか!?」

紳助「ああ。さっきのライブやとボーカルやったやろ」

唯「はい」

紳助「だったらソロで歌いなはれ。俺が作詞してやるから」

唯「作詞してくれるんですか!?」

紳助「ああ。お譲ちゃんのためならなんでもするで。もうさっきの話で涙して涙して…」

唯「紳助さん…」

紳助「で、俺の番組出てくれるか?」

唯「…わかりました!出ます!!」

紳助「素敵やん」

50: 2010/08/23(月) 01:20:53.27 ID:rVrRipOn0
お土産屋

梓「両親へのお土産にこのストラップとかどうですかね?」

紬「いいと思うわよ。私も何か探さなきゃ」

澪「…それにしても唯の奴遅いな。何やってるんだろ」

律「海をゆっくり散歩してるのか…それとも…」

澪「それともってなんだよ」

律「行ってみただけー」

澪「ったく」

唯「あ。みんな~」

梓「唯先輩!」

律「おお。来たか」

52: 2010/08/23(月) 01:24:45.38 ID:rVrRipOn0
澪「随分遅かったな」

紬「何かあったの?」

唯「え!?…ああ…何もなかったよ!」

律「ならいいんだけど」

梓「唯先輩もお土産買って行ったらどうです?」

澪「憂ちゃんに何か買ってやったらどうだ」

唯「そうだね!憂が好きそうなのを買っていくよ!」

律「私も何か買うか」

唯「お土産~。お土産~」

梓「…」

唯先輩が何かを隠してると感じたのは私だけではないハズ…

そう思う中、沖縄の仕事は終わり…私達は帰りました

53: 2010/08/23(月) 01:28:38.31 ID:rVrRipOn0
数週間後

律「今週も仕事は一つだけだ」

澪「今週もか…」

唯「あ、あの!」

律「ん?なんだ唯?」

唯「その仕事って…金曜日じゃない!?」

律「ん?ああ…火曜日だけど」

唯「よかった…」

紬「どうしたの?唯ちゃん」

梓「金曜日、何か予定とかあるんですか?」

唯「え!?ま、まあちょっとね!」

梓「(やっぱり…何かおかしいです)」

55: 2010/08/23(月) 01:30:47.39 ID:rVrRipOn0


唯「じゃあ、みんな。また明日ね~」

律「おお。じゃあな~」

梓「…」

澪「さて、私達も帰るか」

紬「そうね」

梓「あの…皆さん。ちょっといいですか?」

律「なんだ?梓?」

梓「唯先輩の事なんですけど…」

律「…!」

澪「唯の…」

紬「…」

梓「やっぱり皆さん。思ってたんですね。唯先輩が何かを隠してるって」

56: 2010/08/23(月) 01:35:17.56 ID:rVrRipOn0
澪「…あのさ!その辺の喫茶店で話さないか?」

紬「そ、そうね!」

梓「…わかりました」

喫茶店

梓「…で。皆さんどうですか?」

律「まあ、私も思ってたよ。唯が隠し事してること…」

澪「ちょうど、沖縄行った時に私達が唯と別行動してた時だよな」

紬「その後から唯ちゃん。何かおかしかったもんね」

梓「そうですよね…。唯先輩は私達に隠し事するような人じゃないです」

律「私もそう思ってる…。唯に何があったんだろうな…」

紬「…もしかして。唯ちゃん、一人で海にいた時に誰かと会ったんじゃないかしら?」

澪「誰かと?」

紬「その誰かに何か話されて黙ってるよう言われてるとか…。まあそんなことあるわけ」

梓「ありえますね」

57: 2010/08/23(月) 01:38:10.09 ID:rVrRipOn0
紬「えっ?」

梓「ムギ先輩の言うことが正しければ唯先輩のあの様子はなんとなくわかります」

律「でも誰にだ?沖縄の人か?」

梓「そこまではわかりませんよ」

澪「唯にそのまま聞くのもなんかなあ…」

梓「もう少し唯先輩の様子を見てみましょう。落ち着いたら、唯先輩に聞くとか」

澪「そうだな…」

律「唯もなんかいろいろ考え事あるみたいだしな。そっとしておこう」

梓「はい」

こうして、私達は話を終えて喫茶店を出ました

79: 2010/08/23(月) 13:39:08.34 ID:rVrRipOn0
再開します

80: 2010/08/23(月) 13:40:18.36 ID:rVrRipOn0
数週間後

澪の家

ヴーン ヴーン

澪「…ん?律から電話?」

ピッ

澪「もしもし。なんだ?」

律『み、澪!テレビ見てるか!?』

澪「テレビ?今は見てないけど」

律『今すぐテレビつけて見ろ!』

澪「え?…ああ」

律『フジテレビにしてみろ!』

澪「ああ…」

カチ

81: 2010/08/23(月) 13:41:21.43 ID:rVrRipOn0
澪「…んなっ!?」

紳助『ほら唯ちゃん早く抜けなあかんて』

唯『えへへ~。ごめんなさい~』

品川『こりゃ凄い新人来ましたねー』

紳助『そやろ。…じゃあマッキー次の問題頼むわ』

唯『ヘキサゴン!』

紳助『ヘキサゴン言うの早すぎやて』

アハハハハハハ

品川『唯ちゃん面白いですね~』

澪「…こ、これは…!?どういう事だ!?」

律『私も何が何だかわからないんだよ…。たまたまテレビ見てたら唯が一人で出てて…』

82: 2010/08/23(月) 13:44:25.99 ID:rVrRipOn0
澪「私達にも黙ってか!?」

律『…今度唯に会った時に聞いてみよう』

澪「ああ…」

律『じゃあな』

ピッ

澪「…」

紬の家

紳助『唯ちゃん親太郎といい勝負やて~』

唯『えへへ~』

紬「唯ちゃんがヘキサゴンに…!?」

84: 2010/08/23(月) 14:10:15.91 ID:rVrRipOn0
梓の家

梓「ゆ、唯先輩…」

紳助『じゃあ今日のクイズはここらで終わりやな』

紳助『じゃあエンディングに唯ちゃんに歌って貰おうか』

唯『はーい!』

ナレーション『カシアス島田作詞の期待の新人。平沢唯のデビューシングルです!』

梓「ゆ、唯先輩のデビューシングル!?」

『ジャジャジャー♪』

梓「唯先輩…ソロで歌ってる」

梓「…メジャーデビューする時は放課後ティータイム5人って決めてたのに…」

梓「唯先輩…」

85: 2010/08/23(月) 14:10:59.56 ID:rVrRipOn0
唯の家

唯「ふう。ヘキサゴン終わっちゃったね」

憂「そうだね」

唯「ねえ憂。テレビの私…どうだった!?」

憂「え…?ま、まあ面白かったし歌ってた時はカッコ良かったと思うよ」

唯「ホント!?ありがと憂~」

憂「で、でも…」

唯「でも…何?」

憂「お姉ちゃん。テレビに出れたのはいいけどさ…」

唯「うん!これで私…人気者だよ!」

憂「いや…それはいいんだけど…。放課後ティータイムとして5人で出てほしかったなって…」

86: 2010/08/23(月) 14:11:51.69 ID:rVrRipOn0
唯「…」

憂「お、お姉ちゃん?」

唯「いいんだよ。りっちゃん達は」

憂「…!何言ってるの!?お姉ちゃん!」

唯「りっちゃん達は人気者になりたくないんだよ!やる気がないんだよ!」

憂「え、え…?」

唯「…もう寝る!おやすみ!」

ドタバタ

憂「お、お姉ちゃん!」

ガチャバタン

88: 2010/08/23(月) 14:34:08.46 ID:rVrRipOn0
唯の部屋

唯「…憂のバカ」

ヴーン ヴーン

唯「…ん。…紳助さんから電話だ!」

ピッ

唯「もしもし!」

紳助『ああ唯ちゃんか。ヘキサゴン、目立ってよかったやないか』

唯「ありがとうございます!」

紳助『よかったなあ。デビューシングルも出せて。来週発売やて』

唯「は、はい!」

紳助『…それでやな。俺が言った事は守れたか?』

89: 2010/08/23(月) 14:35:06.28 ID:rVrRipOn0
唯「…放課後ティータイムのメンバーには私がヘキサゴンに出るって事を言わないって事ですか?」

紳助『そうや』

唯「言ってませんよ!…さっきの放送でバレるかもしれないけど…」

紳助『それは別にええのや。サプライズやな。他のメンバーへの…。いきなり唯ちゃんがテレビ出てたら喜ぶで~』

唯「そ、そうですよね!」

紳助『そうや。…今度の唯ちゃんのデビューシングルの売れ行きが良かったら、放課後ティータイムでのシングルも考えてもいいで』

唯「…!本当ですか!?」

90: 2010/08/23(月) 14:44:21.87 ID:rVrRipOn0
紳助『ああ。来週の唯ちゃんのデビューシングルの売れ行き。楽しみやな』

唯「はい!」

紳助『じゃあまた今度の金曜日、ヘキサゴンのスタジオでな』

唯「はい!わかりました!」

紳助『じゃあな』

ピッ

唯「…これで、放課後ティータイムでデビューシングル出せるかも!」

92: 2010/08/23(月) 14:59:45.04 ID:rVrRipOn0
数日後

事務所の部屋

律「…なあ。唯」

澪「ちょっと話が…」

唯「ヘキサゴンのこと?」

律「…ああ」

紬「見てたわよ…」

唯「どう?私目立ってたでしょ~」

律「そうじゃなくてさ」

梓「なんで一人で…私達に何も言わず出たんですか?」

唯「え…」

93: 2010/08/23(月) 15:13:01.75 ID:rVrRipOn0
澪「唯…説明してくれよ」

唯「…サプライズだよ!みんなをビックリさせようと…」

律「ふざけるな!!!」

唯「う…」

梓「律先輩…」

律「お前…勝手な真似しやがって!」

唯「い、いいじゃん別に!一人でテレビ出るくらい!」

律「ああ。テレビに出るだけならまだ許せるよ。…でも!一人でソロデビューってのが許せねえ!」

唯「…」

紬「ソロでデビューってのは、私達に言ってほしかったわ…」

梓「デビューする時は放課後ティータイム5人って決めてたじゃないですか!」

唯「…」

94: 2010/08/23(月) 15:16:22.90 ID:rVrRipOn0
唯「…で、でも!もし私のソロシングルの売り上げが良かったら放課後ティータイムでのシングルも出せるかもって…」

律「私達はそんなデビューは嫌だ!」

澪「それじゃあ、私達5人の力でデビューしたことにならないだろ」

紬「唯ちゃんならわかるわよね」

梓「ちゃんとした形でデビューしたいです」

唯「う、うう…。みんなは人気者になりたくないって事がよくわかったよ!!!」

律「ゆ、唯!」

唯「みんななんてもう知らない!!」

ガチャバタン

梓「唯先輩!」

それから唯先輩は放課後ティータイムとしての仕事には来なくなりました…

116: 2010/08/23(月) 20:33:08.07 ID:rVrRipOn0
一週間後

律「…来週のスケジュールは木曜日に都内のボールでミニライブだ」

紬「ええ…」

律「唯は今日も来てないんだろ?」

梓「はい…」

律「じゃあ4人でやるか。メインボーカルは澪にすればできるだろ」

澪「わ、私がか…」

律「ああ。唯が澪に変わるだけだ」

紬「な、なんでそんな冷静なの!?唯ちゃん…ここに来なくなっちゃったのよ!」

梓「ムギ先輩…」

117: 2010/08/23(月) 20:36:07.87 ID:rVrRipOn0
律「…あいつは一人でやるだけやって人気者になったんだ。私達の入り込む所なんてないさ」

紬「でも!放課後ティータイムとしての活動に来なくなるのって…」

律「あいつはもう放課後ティータイムなんてやりたくないんだよ」

紬「え…」

梓「そんな…。唯先輩は放課後ティータイムを大切に考えてる人ですよ!」

澪「…律の言う通りかもな」

梓「澪先輩!」

118: 2010/08/23(月) 20:37:04.98 ID:rVrRipOn0
澪「知ってるか?唯のソロシングル、オリコンで初登場1位だそうだ」

梓「そ、そうなんですか…」

紬「…」

澪「ネットのニュースで見たんだけどさ。唯の奴…もう既に5つのバラエティ番組の出演も決定してるらしい」

紬「5つも…」

律「…唯には専用のマネージャーが付いたらしいぞ」

澪「マネージャー!?」

律「ああ。…さっき事務所の人に聞いたんだ。唯の事をいろいろと」

119: 2010/08/23(月) 20:40:22.20 ID:rVrRipOn0
澪「…」

律「まず唯はヘキサゴンのレギュラーが決まったらしい」

梓「ヘキサゴンの!?」

律「ああ。それと、日曜日に日テレの行列に出て、月曜日には深イイ話にも出るんだってさ。…紳助社長のプロデュース大作戦とホンネの殿堂とかいう番組にも出るとか言ってたかな」

澪「それで丁度5つだな…」

律「その他にも色んな番組からオファーが来てて忙しくなるらしい。一人だけでな」

梓「…でも、唯先輩は放課後ティータイムの一員です!」

紬「そうよ!梓ちゃんの言う通り!」

120: 2010/08/23(月) 20:43:36.64 ID:rVrRipOn0
律「あと一つ事務所の人から言われた事がある」

澪「な、なんだ…?」

律「唯は専用のマネージャーが付いてこれから忙しくなるから…放課後ティータイムの仕事はしばらく4人でやってくれって」

紬「そ、そんな!」

梓「そんなの私達も唯先輩も反対です!」

律「唯の希望らしい」

梓「え…」

紬「唯ちゃんが…?」

121: 2010/08/23(月) 20:44:58.74 ID:rVrRipOn0
澪「…唯が私達と活動したくないって言ったのか?」

律「そこまではわからないけど…これは唯の希望とだけ言われた」

澪「そうか…」

紬「うう…」ポロポロ

澪「泣くなムギ…。私だって泣きだいんだぞ…」グスッ

梓「私達と唯先輩…完全に差が付いちゃいましたね…」

律「ああ…」

梓「…はあ」

紬「うう…」グスッ

122: 2010/08/23(月) 20:46:13.79 ID:rVrRipOn0
澪「き、気を取り直してさ!唯は唯!私達は私達で頑張ろうよ!」

梓「澪先輩…」

澪「律!唯は放課後ティータイムを辞めるとは言ってないんだろ!」

律「ああ…。そういう話は聞いてない」

澪「だったらいつか帰って来るさ!」

紬「…そうね。それまで頑張りましょう!」

123: 2010/08/23(月) 20:47:27.15 ID:rVrRipOn0
梓「…そうですね」

律「…まあ。私達は私達で頑張ろう」

澪「ああ!」

紬「頑張りましょう!」

梓「…」

澪先輩とムギ先輩は唯先輩がいつか放課後ティータイムに帰って来ると信じてるみたいです

…という事は唯先輩が勝手にソロシングルを出した事はもう許してるって事なのでしょうか…

律先輩はその事はまだ許していないみたいです

…そして私も、唯先輩が勝手にソロシングルを出した事はまだ許せません…

124: 2010/08/23(月) 20:53:11.39 ID:rVrRipOn0
商店街

純「…あ!梓~!」

憂「梓ちゃん~」

梓「憂、純」

純「いたいた!」

憂「久しぶりだね」

梓「そうだね」

純「さて、久しぶりに会う約束したんだし、どこ行こうか」

憂「洋服屋さんでもいく?」

純「おお!それいいね!」

憂「梓ちゃんはいい?」

梓「私はどこでも。憂と純に久しぶりに会えて嬉しいし」

125: 2010/08/23(月) 20:56:00.31 ID:rVrRipOn0
梓「…」

憂「…」

唯先輩が私達と活動しなくなってもう1ヶ月か…

憂は唯先輩と毎日家で会ってるはずだよね…

憂は唯先輩が放課後ティータイムとしての活動をしてないって知ってるのかな…?

後で聞けたら憂に聞いてみよう

純「…お!ここの店とかどう!?」

憂「色んな服が置いてありそうだね」

梓「ここ寄って行こうか」

純「そうだね!」

127: 2010/08/23(月) 21:09:42.91 ID:rVrRipOn0
喫茶店

純「ふう。今日はいろいろ買い物しちゃったね」

梓「もう。純ったら服とか買いすぎだよ」

純「久しぶりに梓と憂に会えたからさー」

梓「それ、あんまり関係ないよ」

憂「ふふ。梓ちゃんも純ちゃんも高校から何も変わってないね」

純「何それ?誉めてるのか馬鹿にしてるのかよくわからない」

梓「憂なりに誉めてるんだと思うよ」

純「…!あ。そういえばさあ、唯先輩のことだけど」

憂「…!」

129: 2010/08/23(月) 21:12:43.18 ID:rVrRipOn0
純「最近なんかいっぱいテレビ出てるよね」

梓「そ、そうだね…」

純「デビューシングルも1位取ったんだよね。凄いよね~」

憂「う、うん…」

純「…どうしたの憂?嬉しくないの?」

憂「もちろん!凄く嬉しいよ!」

純「でもなんか嬉しそうじゃないよ…」

梓「う、憂にもいろいろあるんだよ!わかてたげなよ純!」

純「ん?あ、ああ…」

131: 2010/08/23(月) 21:17:17.46 ID:rVrRipOn0
純「じゃあ。憂、梓。またね~」

梓「うん。また今度遊ぼう」

憂「今日は楽しかったよ。純ちゃん」

純「私もだよ!また今度いつか会おうね!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

憂「…じゃあ、梓ちゃんもまたね」

梓「ちょっと待って。憂」

憂「ん?どうしたの?」

梓「聞かせてほしいんだけど…。唯先輩の事、どこまで知ってるの?」

憂「…!!」

133: 2010/08/23(月) 21:22:36.25 ID:rVrRipOn0
憂「お姉ちゃんの事…」

梓「うん。最近、唯先輩は沢山テレビに出てる。一人でね」

憂「…私、できるんなら放課後ティータイム5人をテレビで見たかったんだよね」

梓「憂…」

憂「…知ってるよ。お姉ちゃんが今こんなに忙しい理由」

梓「知ってるの!?」

憂「…うん。梓ちゃんに話すよ。お姉ちゃんには黙っててほしいって言われてたけど」

梓「え?べ、別に無理して話さなくてもいいんだよ」

憂「無理してなんかないよ。私は、梓ちゃんに…律さんにも澪さんにも紬さんにも…この話は知っておいたほうがいいと思ったから…話すよ」

梓「憂…」

134: 2010/08/23(月) 21:27:18.37 ID:rVrRipOn0
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

梓「島田紳助…ヘキサゴンとかの番組やってる人だよね」

憂「うん。…お姉ちゃん、沖縄の海を一人で歩いてた時に偶然その人と知り合ったんだって」

梓「うん…」

憂「紳助って人。お姉ちゃんの性格と考えが気に入ったみたいなの」

梓「へえ…」

憂「それで、紳助さんの番組に出て、紳助さんにデビューシングル出させてもらって…」

梓「それで人気者になったんだ」

憂「うん。…あと」

梓「あと?」

憂「紳助さんに、最初にヘキサゴンに出る時の事…他のメンバーには言わないように口止めされてたらしいよ。お姉ちゃん…」

梓「えっ!?」

138: 2010/08/23(月) 21:31:03.54 ID:rVrRipOn0
梓「それで唯先輩はあの時、誰にも言わずに…」

憂「あと、この前嬉しそうに言ってたんだけど…最近は紳助さんが司会じゃない番組にも出られるようになったって」

梓「それまでは紳助さんがやってる番組だけに出てたんだよね」

憂「うん。…お姉ちゃん。紳助さんにこう言われたみたい。『俺の番組以外に出られるってことは芸能界で完全に人気者になったって証拠』って」

梓「うん…」

憂「それでお姉ちゃん…最近は忙しくて…でも嬉しそうで」

梓「人気者になれたからだね」

140: 2010/08/23(月) 21:35:26.91 ID:rVrRipOn0
憂「でもさ…最近お姉ちゃんが出てる番組って、トーク番組とかばかりで…。歌を歌ってるお姉ちゃんは全然テレビで見れないんだ…」

梓「…唯先輩は歌手なんだから、せめて歌ってて欲しいよね」

憂「うん!そうだよね!…私、ずっとそう思ってるんだけどお姉ちゃんに言えなくて…」

梓「…まあ、言えないよね」

憂「私が知ってるのはこれくらいかな…」

梓「うん。話してくれてありがとう。憂」

憂「どういたしまして。…この話。律さん達にも話してほしいんだ」

梓「いいの?」

憂「うん。いいよ。律先輩達も知るべきだって思うから…」

梓「わかった。今度律先輩たちに会った時、話しておく」

憂「ありがとう。梓ちゃん…」

141: 2010/08/23(月) 21:40:03.17 ID:rVrRipOn0
数日後

事務所の部屋

澪「…そんなことが」

梓「はい。憂が全部話してくれました」

紬「唯ちゃん…その紳助って人に使われてるんじゃ…」

律「私もそう思う。…でも、人気者になったのは事実だけどな」

澪「…またニュースで見たんだけどさ。2枚目のシングルも来週に発売するらしいぞ。唯の奴…」

律「…唯の奴はその気ってことか」

梓「…」

ガチャ

律「ん?…!」

唯「やあみんな~。久しぶり…」

紬「唯ちゃん!!」

梓「唯先輩!!」

142: 2010/08/23(月) 21:43:51.52 ID:rVrRipOn0
唯「みんな、元気そうだね」

律「…なんだよ。私達の事なんてもう知らないんじゃなかったのか?」

澪「ちょっと律!そんな言い方!」

唯「…私さ。今、沢山の番組に出てるんだよ」

澪「ああ…。そうみたいだな」

唯「私が出てる番組、何か見てくれた?まあ、テレビ見てれば私が出てる時代だよね」

紬「…」

律「なんだよ。自慢しに来たのか?」

唯「…相談だよ」

梓「相談?」

唯「りっちゃん達に最後のチャンスをあげに来たの」

143: 2010/08/23(月) 21:47:49.02 ID:rVrRipOn0
律「最後のチャンス?」

唯「うん。…放課後ティータイムとして、メジャーデビューするチャンスだよ」

紬「私達5人で!?」

澪「で、できるのか…!?」

唯「うん」

梓「どうやって…ですか?」

唯「…今さ。私は人気者だから…私がいるグループだったら売れるんだよ」

律「…」イラッ

唯「だからさ。私をメインボーカルにして放課後ティータイム5人でメジャーデビューしたら芸能界で人気になるよ。きっと」

144: 2010/08/23(月) 21:51:52.85 ID:rVrRipOn0
紬「ず、随分な自信ね…」

唯「うん。この前、私をメインボーカルとした5人組グループをヘキサゴンで作ってライブしたらお客さんの歓声が物凄かったから」

澪「んなっ!!?」

梓「…ゆ、唯先輩。今なんて…」

唯「だからさー。ヘキサゴンの人気ない人の4人と私で組んだ5人組グループが人気出たってことだよー」

律「…っ!!!」

バキッ

唯「ぶっ!!?」

ドサ

澪「り、律!止めろ!!!」

律「うるせえ!!」

唯「…痛いな。りっちゃんに殴られちゃったよ」

155: 2010/08/23(月) 23:50:01.62 ID:rVrRipOn0
さるさんになってた。再開します。

157: 2010/08/23(月) 23:52:30.05 ID:rVrRipOn0
唯「何か気に食わなかったかな?りっちゃん」

律「お前!!!私達とは別の連中でグループを組んだのか!?」

唯「うん。放課後ティータイムと同じバンドだよ。私がバンドがいいって言ったからね。りっちゃん達とは違う人気者の私がね」

律「…!!!もう一発殴らせろ!!!」

ガシッ

澪「もう止めろって!律!!」

紬「そうよ!殴っても何も変わらないわ!」

律「止めるな!!澪!ムギ!」

158: 2010/08/23(月) 23:59:50.68 ID:rVrRipOn0
唯「…りっちゃんは私が放課後ティータイムとは他のグループに入ったってのが気に食わないの?」

律「ああそうだ!!!私だけじゃない!きっと澪もムギも梓も怒ってるはずだ!!!」

唯「…どうなの?みんな」

澪「それは…」

梓「…さすがに唯先輩を見損ないましたよ」

紬「梓ちゃん!」

梓「…一人で勝手にここまでやるんですよ。私だって怒ります」

159: 2010/08/24(火) 00:03:14.51 ID:9bYLYM9O0
唯「あずにゃんもあずにゃんだなあ。りっちゃん達が一人で行動しなかっただけだよ。誰もしなかったから私がしただけだよ!」

律「一人で突っ走るのをか!?」

唯「うん。りっちゃん達もやればいいじゃん」

律「てめえ…簡単にいいやがって…」

紬「唯ちゃん…私達、前も言ったと思うけど放課後ティータイムとしてのメジャーデビューは自分達の力でしたいの」

澪「ああ。さっきの唯が言ったチャンスってやつか?その通りにメジャーデビューしたら私達の力でやった事にならない」

唯「…何。それじゃあ私は他人の力でここまで来たって言いたいの?自分の力を使わずに」

161: 2010/08/24(火) 00:07:39.95 ID:9bYLYM9O0
澪「それは…」

律「その通りだろ」

澪「律!」

律「他人の力で人気者になれて嬉しいか?唯」

唯「嬉しいよ!人気者になれたんだからさ!」

律「そうか…」

唯「…もういい!りっちゃん達は最後のチャンスを捨てたね!放課後ティータイムとしとのチャンスを!人気者になりたいんなら私みたいにしてみなよ!…みんなのバカー!」

ガチャバタン

162: 2010/08/24(火) 00:09:20.15 ID:9bYLYM9O0
紬「唯ちゃん!」

律「ほっとけ!あんな奴!」

澪「…唯、放課後ティータイムに戻ってきてくれるかな…」

律「戻って来なくていい!あんな奴!二度と顔を見たくないし」

澪「律!」

紬「それは言いすぎよ!」

梓「…」

澪「梓も何か言えよ!」

梓「…私、悔しいです」

澪「え?」

165: 2010/08/24(火) 00:13:44.35 ID:9bYLYM9O0
梓「唯先輩一人だけが人気者になって私達は人気者になれない…。悔しいです!」

律「あ、梓…」

澪「だからさ…私達は自分の力で…」

梓「自分の力で人気者になれるのはいつですか!?」

澪「それは…」

梓「私…正直言うと理由がどうであれ短期間で人気者になった唯先輩が羨ましいです」

166: 2010/08/24(火) 00:15:27.70 ID:9bYLYM9O0
律「私だって本当は羨ましいさ!…でもな、唯は…」

梓「皆さんは唯先輩にあんな事言われて悔しくないんですか!?唯先輩だけが人気者なんて私は嫌です!」

紬「梓ちゃん…」

梓「さっきの唯先輩は許せません!4人で唯先輩を追い越してやりましょう!」

律「梓…そういう事じゃないんだよ」

梓「どういう事ですか!?私の言ってる事がわからないんですか!?」

律「…ああそうだよ!梓!お前も唯と同じだな!」

167: 2010/08/24(火) 00:16:27.29 ID:9bYLYM9O0
梓「同じじゃないです!一緒にしないで下さい!」

律「いいや!一緒だ!人気者になりたがってる感じがな!」

梓「うう…律先輩なんてもう知らないです!」

ガチャバタン

紬「あ、梓ちゃん!」

律「ふん」

澪「おい律!梓まで放課後ティータイムから追い出してどうするんだよ!」

律「追い出す?唯も梓も勝手に出てったんだろ。早く人気者になりたいって理由でな」

澪「くっ…」

168: 2010/08/24(火) 00:18:56.04 ID:9bYLYM9O0
紬「…私達、これからどうなるのかしら…」

律「まあ、3人でもバンドは出来るだろ。ドラムとキーボードもいるし」

澪「本気で言ってるのか?律…」

紬「唯ちゃんも梓ちゃんもいないのよ…」

律「…ったく!もうどうしようもないだろ!」

澪「いや!どうにかなる!とりあえず今から梓を説得しに…」

律「嫌だね!梓は自分から出ていったんだ!だったら自分から謝って放課後ティータイムの活動をやりたいって頼みに来るのを待つしかないだろ!唯も同じだ!」

169: 2010/08/24(火) 00:20:38.50 ID:9bYLYM9O0
澪「律…。お前な…」

律「なんだ?澪も出て行くか?」

澪「…くっ!バカ律」

律「出て行くか?澪ちゃん~?」

澪「私がいなくなったら律とムギだけだろ。そうしたらバンドは出来ないだろ」

律「…」

紬「よ、よかった…。澪ちゃんまで出ていったらどうしようかと…」

律「…まあ。二人じゃバンドは出来ないよな」

澪「…」

170: 2010/08/24(火) 00:22:00.81 ID:9bYLYM9O0
律「…澪。ごめんな。今のは私が悪かった。私…すげーイライラしててさ」

澪「わかってるよ。それくらい…。長い付き合いだしな。律とは」

律「…へへ。そうだな」

紬「…今日の所はゆっくり休んで、明日また話し合わない?」

澪「そうだな」

律「あれ?梓は追わないのか?」

澪「…律の言う事も正しいしな。今ここで梓を追い掛けて私達が梓に謝って梓に戻って来て貰うのは…」

紬「梓ちゃんの為にならない…。私はそう思ったわ」

172: 2010/08/24(火) 00:23:17.20 ID:9bYLYM9O0
澪「ああ。私もだ」

律「…なんだ。澪もムギも私と同じ事思ってたんじゃん」

澪「…いつか、5人の放課後ティータイムに戻ろうな」

律「ああ!」

紬「勿論よ!」

澪「よし…今日は家でゆっくり休もう」

律「そうだな…」

180: 2010/08/24(火) 01:18:25.16 ID:9bYLYM9O0
またさるさんになっちゃってた。眠くなるまで書きます。

181: 2010/08/24(火) 01:19:13.31 ID:9bYLYM9O0
梓の家

梓「…」

唯『さんまさんって本当に出っ歯なんですね~』

さんま『フアーーー。なんやねんこの子は。そのまま言うな!』

唯『あははは~』

さんま『笑っとるし!フアーーー』

梓「…」

ピッ

梓「はあ…。唯先輩…こんなに番組出て…」

梓「…人気者になるにはどうすればいいのかな?」

梓「唯先輩がした事をすれば…いいのかな?」

182: 2010/08/24(火) 01:21:54.58 ID:9bYLYM9O0
数日後

フジテレビ ヘキサゴン収録スタジオ

客席

ワイワイ ワイワイ

梓「…」

ヘキサゴンの収録スタジオの客席に私はいました

観覧希望のハガキを送って見頃当選しました

私には運が付いています

183: 2010/08/24(火) 01:22:47.99 ID:9bYLYM9O0
スタッフ「皆さんこんにちは~」

客「こんにちは~」

スタッフ「それではまもなく収録スタートです!」

客「ワアアアアア」

梓「…」

唯先輩がうまく乗ってくれればいいけど…

梓「…」

そしてヘキサゴンの収録が始まりました

184: 2010/08/24(火) 01:23:21.20 ID:9bYLYM9O0
紳助「唯ちゃんまた親太郎や辻ちゃんといい勝負やて」

唯「えへへ~」

客「ワハハハハハハ」

梓「…」

唯先輩はわざとあんな順位にいるんだと思いました

だって唯先輩は本気でやれば出来る人です

キャラ作ってまで人気者になりたいんですか…

…だったら私はキャラなんて作らずに堂々と人気者になってやるです!

その為には…唯先輩の目を客席に向けること…

185: 2010/08/24(火) 01:24:11.82 ID:9bYLYM9O0
そして収録が進む中

紳助「また最後は親太郎と辻ちゃんと唯ちゃんの3人やな」

客「アハハハハハハ」

紳助「ほら見てみい。お客さんにあんな笑われてるで」

唯「え~」

唯「…あ!」

唯「あそこにいるのは!あずにゃんだ!」

梓「…!」

来た!

187: 2010/08/24(火) 01:28:24.98 ID:9bYLYM9O0
紳助「あずにゃん?なんやそれ?」

唯「あそこにいるツインテールの子です!」

紳助「なんや。友達かなんかか?」

唯「まあ、そんなところかなあ…」

梓「…」

放課後ティータイム…バンドのメンバーの一員とは言わないんですね

唯「あずにゃーん!どうしてまたここに~?」

梓「…あ、あの…ヘキサゴンが好きだから見に来たらたまたま唯先輩が出てて…」

唯「そうなんだ~。あははは~」

紳助「…待てよ。あの子、どっかで見たことあるような…」

梓「…!!」

189: 2010/08/24(火) 01:32:03.55 ID:9bYLYM9O0
収録後

スタッフ「では皆さん。こちらのドアからお帰りください」

スタスタ

梓「…」

唯「ねえあずにゃん!」

梓「あ…。唯先輩」

唯「…どうして私を見に来てくれたの?」

梓「…だから。ヘキサゴンが好きで」

唯「ウソついてるのバレバレだよ」

梓「…」

さすがに唯先輩でも騙されなかったか

梓「別にどうでもいいじゃないですか。人気者の唯先輩~」

唯「…そうだね。あずにゃんなんかどうでもいいや。私のこと、嫌いなんでしょ!」

スタスタ

梓「…」

211: 2010/08/24(火) 10:38:27.30 ID:9bYLYM9O0
助「ちょっと。そこのお譲ちゃん」

梓「…!」

計画通りです!!

紳助「…どっかで見たことあると思ったら…沖縄で初めて唯ちゃんを見た時に一緒にいた子やな」

梓「…唯先輩と同じ放課後ティータイムの一員です」

紳助「そうそう。放課後ティータイムや」

梓「何か御用ですか?」

紳助「唯ちゃんとは喧嘩でもしとるんか?今の会話を見る限り」

梓「…」

いいように使ってる唯先輩が所属してる放課後ティータイムの名前を忘れたり…

人の会話を盗み聞きしたり…

この人とは生理的に合わないと私は思いました。でも…!

212: 2010/08/24(火) 10:39:34.17 ID:9bYLYM9O0
紳助の楽屋

梓「あの…私に話ってなんですか?」

紳助「…梓ちゃん言うたか」

梓「はい」

紳助「唯ちゃんと同じバンドの一員ってことは…唯ちゃんと同じ事務所には入ってるんやな」

梓「はい。一応は」

紳助「梓ちゃんなあ…唯ちゃんみたいに人気者になりたい思わへんか?」

梓「人気者…!」

上手いこと私の思い通りに事は進みます

213: 2010/08/24(火) 10:40:33.08 ID:9bYLYM9O0
梓「人気者…なれるんならなりたいです!」

紳助「そうやろ。正直でいい子やて~」

梓「でも…そう簡単にはなれませんよね…」

紳助「大丈夫や。俺がちょっと頑張れば人気者になれるで」

梓「ほ、本当ですか!?」

紳助「梓ちゃんはなかなか頭良さそうだね」

梓「そ、そんな事…」

紳助「いやいや。見た感じでだいたいわかるで」

214: 2010/08/24(火) 10:41:37.02 ID:9bYLYM9O0
梓「そうですか…?」

紳助「もしかして。今日ヘキサゴン見に来たのは俺に目をつけて貰うとかか?」

梓「…!」

読まれてる…!

…でも、この空気なら全部正直に言っても…!

梓「…はい。そうですよ」

紳助「ホンマか!」

梓「はい。人気者になりたくて紳助さんに会いに来たんです」

紳助「ほお…」

216: 2010/08/24(火) 10:47:52.60 ID:9bYLYM9O0
梓「唯せんぱ…唯さんは紳助さんと会って人気者になったんです。そうですよね?」

紳助「まあ…そうやなあ。唯ちゃんは芸能界で伸びる思うていろいろ出してあげたんや」

梓「ずいぶんと正直に言ってくれますね」

紳助「梓ちゃん…なかなかええな。唯ちゃんとは違ってちゃんと考えとる」

梓「…それって?」

紳助「あのな。唯ちゃんは最近は何にも考えてないんや。この先の事とか。芸能界で生き残るためには先の事を常に考えてないとあかん。だから唯ちゃんはもう飽きられる頃やねん」

217: 2010/08/24(火) 10:50:46.76 ID:9bYLYM9O0
梓「唯さんはもう用済みってことですか?」

紳助「悪い言い方やな~。そんなんちゃうねん。唯ちゃんが賢くないのが悪いんやぞ」

梓「…私は賢く見えますか?」

紳助「ああ見えるで。梓ちゃんはひょっとしたら唯ちゃんより伸びるかもな」

梓「本当ですか!?」

紳助「ほんまやて。…じゃあ、梓ちゃんもソロシングル出してみるか」

梓「私の…ソロシングル!」

218: 2010/08/24(火) 10:53:22.57 ID:9bYLYM9O0
紳助「…あ。梓ちゃんってボーカルやったっけ?」

梓「ギターだけですけど…歌う事も出来ますよ」

紳助「じゃあ安心やな。俺が作詞してやるから、なるべく早く出そうや」

梓「はい」

紳助「そうやなあ。梓ちゃんはヘキサゴンって感じちゃうから深イイ話にまず出よう。これから忙しくなるで~」

梓「わかりました!」

私の作戦は大成功です

唯先輩の立場を奪うという作戦が!

221: 2010/08/24(火) 10:59:20.71 ID:9bYLYM9O0
事務所

唯「マネージャーさん~。来週はどれくらい番組に出るの~?」

マネージャー「そ、それがね…唯ちゃん…」

唯「ん~?」

マネージャー「紳助さんの番組の出演がヘキサゴンだけになってるんだ…」

唯「え!?他の4つは!?先週までずっと出てたのに!」

マネージャー「残念ながらヘキサゴンだけだ…」

唯「え…。…あ!そういえば!こないだレコーディングした私の2枚目のシングルがもうすぐ発売でしょ!」

マネージャー「あ、ああ」

唯「それでまた私は人気者だよ!」

222: 2010/08/24(火) 11:03:45.33 ID:9bYLYM9O0
唯の家

唯「ただいま~」

憂「お、お姉ちゃん!!」

唯「ん?憂、どうしたの?」

憂「テレビ見て!」

唯「えー。私が出てる番組~?…!!」

紳助『深イイよな。この話』

梓『はい。この独特な感じがいいですね』

ワハハハハハハ

紳助『梓ちゃんもなかなか面白いやろ。唯ちゃんのバンドのメンバーなんや』

羽鳥『へえ~。そうなんですか』

唯「あ、あずにゃん!?どうして紳助さんの番組に出てるの!?」

223: 2010/08/24(火) 11:07:20.45 ID:9bYLYM9O0
憂「お姉ちゃん…何か知らないの?」

唯「何にも知らないよ!」

紳助『そんな梓ちゃんのデビューシングルが○月○日に発売します』

梓『みんな!買ってくださいね~』

憂「梓ちゃんもデビューシングル出すんだ…」

唯「○月○日って…私の2枚目のシングルと同じ発売日だよ!!!」

憂「えっ!?」

225: 2010/08/24(火) 11:10:04.45 ID:9bYLYM9O0
数日後

事務所

律「来週の仕事も都内でミニライブ。一つだけだ」

紬「そう…」

律「澪は?」

紬「まだ来てないわ」

ガチャ

律「あ。澪」

澪「り、律…ムギ…。オリコンの順位見たか?」

律「見てないけど」

紬「私も」

澪「1位が梓のデビューシングルだ!」

律「えっ!?」

紬「梓ちゃんが!?」

231: 2010/08/24(火) 11:23:11.57 ID:9bYLYM9O0
紬「そういえば梓ちゃん…こないだテレビに出てたわ」

澪「律…何にも聞いてないのか?」

律「あ、ああ…。まさか、梓も唯と同じように人気者になるなんて…」

紬「あ!唯ちゃんの2枚目のシングルも丁度今週発売だったわよね」

澪「それが…唯の2枚目のシングルは初登場10位なんだ…」

律「10位…」

233: 2010/08/24(火) 11:27:37.61 ID:9bYLYM9O0
フジテレビ ヘキサゴン収録現場

紳助の楽屋

唯「なんですか…話って…」

紳助「唯ちゃんさあ。申し訳ないんやけど…ヘキサゴンは今週で終わりやな」

唯「え!?な、何でですか!?」

紳助「…正直に言うとな。唯ちゃんじゃもう数字取れへんのや」

唯「えっ…」

紳助「お茶の間は唯ちゃんに飽きてきてしまってるんやなあ。ほら、2枚目のシングルも初登場で10位やったやろ。2週目は何位やった?」

唯「…38位です」

紳助「落ちすぎや。梓ちゃんは2週目でも5位やぞ」

唯「うう…」

235: 2010/08/24(火) 11:31:47.65 ID:9bYLYM9O0
紳助「…そういうことで、今まで御苦労やったな。唯ちゃん」

唯「…はい」

紳助「そう落ち込むなって。ヘキサゴンの他にも番組は沢山あるやろ」

唯「あの…」

紳助「なんや?」

唯「来週からは私がいなくなった所には誰が出るんですか?」

紳助「わかっとると思うが…梓ちゃんや」

唯「…わかりました。今はあずにゃんの時代なんでしょ!!!さようならっ!!!」

スタスタ

紳助「はあ。子供やな~」

236: 2010/08/24(火) 11:35:04.80 ID:9bYLYM9O0
事務所

唯「ええ!?今何て…」

マネージャー「…唯ちゃんの来週のスケジュールは…深夜の番組2つだけだ」

唯「そんな…。レギュラーは…」

マネージャー「ゼロだ」

唯「うう…」

マネージャー「…唯ちゃん。悪い事は言わない。放課後ティータイムの一員として戻ったほうが…」

唯「うう…うわああああああん!!!」

ガチャバタン

マネージャー「唯ちゃん!」

239: 2010/08/24(火) 11:38:03.51 ID:9bYLYM9O0
唯「うう…なんで…なんでこんなことに…」

「今日から梓ちゃんのマネージャーをやる事になった○○です」

「よろしくお願いします」

唯「…!この声…あずにゃんだ!そこの部屋から話し声が聞こえる…」

部屋の中

マネージャー「梓ちゃん。今は梓ちゃんの時代だよ」

梓「そうですか」

マネージャー「あれ?嬉しくないの?」

梓「大人気だからって、浮かれてるとすぐに落ちますからね。常に先の事を考えてるんですよ」

マネージャー「へえ。梓ちゃんは頭脳派だなー」

240: 2010/08/24(火) 11:40:59.28 ID:9bYLYM9O0
マネージャー「…で。来週は計12番組に出演だ」

梓「忙しくなりそうですね」

マネージャー「でも、梓ちゃんは今や日本中で人気だからね。これは喜ばしいことだよ」

梓「それくらいわかってますよ」

マネージャー「それに。早くも2枚目のシングルの話が来てるよ」

梓「2枚目か…。1枚目の売り上げがよかったからって2枚目も良いとはかぎりませんよ。2枚目でいきなり10位にまで落ちた人だっていますしね」

部屋の外

唯「うう…」グスッ

241: 2010/08/24(火) 11:44:11.07 ID:9bYLYM9O0
マネージャー「…よし。今日の話はこれで終わりだ。とりあえず忙しくなるのは明日からだから今日はゆっくり休んでおいてくれ」

梓「わかりました。じゃあまた明日」

ガチャバタン

梓「…あれ?唯先輩じゃないですか」

唯「あ、あずにゃん…」グスッ

梓「何泣いてるんですか?」

唯「泣いてないよお…これは汗だよ…」

梓「ま、汗でも涙でもなんでもいいですけどね。…聞いてたんでしょ。今の私とマネージャーの話」

唯「う…」

244: 2010/08/24(火) 11:49:12.41 ID:9bYLYM9O0
梓「私。今じゃかなりの人気者ですよ」

唯「…」

梓「あの時とは立場が逆ですね。唯先輩」

唯「うるさいなあ…」

梓「どうですか?私に人気の座を奪われた感じは?」

唯「…ううっ」ポロポロ

梓「また汗ですか」

唯「あずにゃあん…私も…私もまたあずにゃんみたいに人気者になりたいよお…」

梓「…」ブチッ

バシン!

唯「う…」

246: 2010/08/24(火) 11:52:10.50 ID:9bYLYM9O0
唯「痛い…痛いよあずにゃん…」ポロポロ

梓「このっ!唯先輩はつい最近まで今の私と同じ立場だった!それで私達を馬鹿にしてたじゃないですか!!!」

唯「馬鹿になんかしてないよお…」ポロポロ

梓「いつまで泣いてるんだよっ!!」

バシン!

唯「ううっ!!」

梓「ハァ…ハァ…。私、物凄い悔しかったんですよ。唯先輩が人気者だった時」

唯「う…うう…」

梓「私がどんな思いをしてたかも知らない癖に!」

248: 2010/08/24(火) 11:55:11.12 ID:9bYLYM9O0
唯「ご、ごめん…ごめんなさい…あずにゃん…」

梓「何今更謝ってるんですか。遅すぎですよ」

唯「うう…」ポロポロ

梓「また泣くんですか。唯先輩って人間のクズですね」

唯「ひ、酷いよ…あずにゃん…」ポロポロ

梓「またひっぱたきますよ」

唯「ひっ!」

梓「…ふん。唯先輩なんてずっと苦しんでいればいいんです。その間、私はどんどん人気者になりますからね。悔しがっててくださいよ」

スタスタ

唯「あ、あずにゃん…」

255: 2010/08/24(火) 12:19:41.17 ID:9bYLYM9O0
唯「…」グスッ

唯「あずにゃん…悔しかったんだろうなあ…。私が人気者だった時…」

唯「…あずにゃんだけじゃない。りっちゃんと澪ちゃんとムギちゃんも…」

唯「よく考えたら…私、バンドの一員なのになんであんなバラエティ番組ばかり出てたんだろ…歌も歌えない番組に…」

唯「私…調子に乗りすぎてたなあ…」

唯「今なら、この前りっちゃんに殴られた意味がよくわかるよ…」

唯「りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん…」

260: 2010/08/24(火) 12:25:03.57 ID:9bYLYM9O0
翌日

事務所の部屋

律「さて。今日は練習だな」

澪「今度のミニライブで何をやるか考えるか」

紬「やっぱり…3人だけだと少しキツいわね…」

澪「まあな…」

律「唯も梓もきっと帰ってくる…。それを信じて私達は待っていようぜ」

澪「ああ…」

ガチャ

唯「み、みんなー…」

律「唯!!」

262: 2010/08/24(火) 12:35:01.83 ID:9bYLYM9O0
唯「げ、元気にやってるかな…?」

澪「ああ…私達は元気だぞ」

律「唯…お前最近テレビで全然見なくなったなあ」

澪「おい律!」

唯「うう…」

紬「唯ちゃん…どうしてまたここに?」

律「…」

263: 2010/08/24(火) 12:38:32.13 ID:9bYLYM9O0
唯「…放課後ティータイム。3人じゃ厳しいよね…」

紬「まあ…3人だけだと」

律「3人でも別に大丈夫だぞ」

澪「律!」

律「ドラムとキーボードとギターで1人ずついるしな。別に仕事はちゃんと出来てる」

唯「そ、そうなんだ…」

律「で、唯は何しに来たんだ?」

唯「…わ、私。放課後ティータイムに戻ってあげてもいいかなーって…」

律「…」

272: 2010/08/24(火) 12:41:47.10 ID:9bYLYM9O0
澪「唯…」

紬「唯ちゃん…」

律「澪、ムギ。練習するぞ」

澪「え!?でも唯が…」

律「うるせえ!ほっとけ!練習だ!」

澪「…ああ」

紬「…わかったわ」

唯「え、え…?」

律「さて、まずは何の曲をやるかだな」

唯「わ、私!戻ってあげてもいいって言ってるんだよ!放課後ティータイムに!」

律「…」

唯「また…りっちゃん達と一緒に活動してもいいって思ってるんだよ!!」

275: 2010/08/24(火) 12:45:37.76 ID:9bYLYM9O0
律「さて。澪とムギはどの曲がいいか?」

澪「え?そ、そうだな…」

紬「えーと…」

唯「な、何!りっちゃん達は私がいなくてもいいんだ!」

唯「せっかく戻ってあげるって言ってるのに!」

律「…」

澪「…」

紬「…」

唯「そ、そんなに私に戻って来なくていいって思ってるんなら…」

唯「私一人で…」グスッ

280: 2010/08/24(火) 12:48:46.67 ID:9bYLYM9O0
唯「ごめんなさああああああああい!!!」

律「…!!」

唯「私…調子に乗ってて…りっちゃん達を…」ポロポロ

紬「唯ちゃん…」

唯「わ、私!また…放課後ティータイムに戻りたいよぉ!りっちゃん達と一緒にバンドやりたいよぉ!!」ポロポロ

唯「また放課後ティータイムの一員になったら…ダメかなあ…」グスッ

282: 2010/08/24(火) 12:51:23.03 ID:9bYLYM9O0
律「ダメなわけあるか…」

唯「…!」

律「さっさと泣き止め!唯!お前は放課後ティータイムの一員だろ!!!」

澪「律…!」

紬「りっちゃん!」

唯「うう…りっちゃあああああああああああん!!!」

ガバッ

律「うう…よく戻って来てくれたな。唯!」

唯「ごめええええん!ごめんなさあああああいい~!!!」

紬「これで、4人になったわね」

澪「ああ…!」

327: 2010/08/24(火) 18:19:43.30 ID:9bYLYM9O0
今帰って来ました。
>>282から7時くらいまで続き書く

329: 2010/08/24(火) 18:22:23.97 ID:9bYLYM9O0
数日後

マネージャー「梓ちゃんお疲れ様!」

梓「ふう。疲れたです」

マネージャー「今日の仕事はこれで終わりだからゆっくり休むといいよ」

梓「明日は番組5本ですよね」

マネージャー「うん」

梓「忙しいねー」

ま、それが私が人気者になったという何よりの証拠だけど

330: 2010/08/24(火) 18:25:03.62 ID:9bYLYM9O0
梓「あ。そうだ。事務所に寄ってくれませんか?」

マネージャー「え?何か用事でもあるの?」

梓「ちょっとね…」

マネージャー「まあ、わかった。事務所まで車送って行くよ」

梓「ありがとうございます」

この時間なら多分まだ事務所に唯先輩がいるはず

唯先輩を見下していい気分になってから帰りますか

331: 2010/08/24(火) 18:29:09.48 ID:9bYLYM9O0
事務所

梓「…」

唯先輩は…どこにいるかな

唯「~♪」

スタスタ

梓「…!」

いた!唯先輩…こんな状況なのに鼻歌なんか…調子に乗りやがって

梓「唯先輩~!」

唯「…!あ、あずにゃん!」

梓「元気ですか~?」

唯「う、うん…」

333: 2010/08/24(火) 18:37:53.69 ID:9bYLYM9O0
梓「ふん。落ちぶれたから絶望してると思いましたよ」

唯「…あ、あずにゃんは元気?」

梓「ええ。元気ですよ。…でも、唯先輩が浮かれてる姿を見るとムカつきますね」

唯「え、ええ…」

梓「私…まだ唯先輩を許してはいませんよ」

唯「あ、あずにゃん…ご、ごめんなさい!」

バシン!

唯「うっ…」

梓「謝って済むと思ってるんですか?」

335: 2010/08/24(火) 18:40:25.59 ID:9bYLYM9O0
唯「い、痛いよ…あずにゃん…」グスッ

梓「また泣きますか」

唯「うう…」ポロポロ

梓「そういうのがムカつくんだよ!!!」

ドカッ!

唯「がはっ!!」

梓「蹴り頃してあげましょうか?唯先輩!!!」

バキッ!

唯「や、やめてえええ…あずにゃん…」

梓「黙れです!!!」

「やめろ梓!!!」

梓「…!!?」

336: 2010/08/24(火) 18:43:58.96 ID:9bYLYM9O0
梓「え!?…り、律先輩!?」

唯「り、りっちゃん…」

律「…」

紬「梓ちゃん…」

澪「梓…お前…」

梓「澪先輩とムギ先輩も…」

律「…」

スタスタ

ガシッ!

梓「ううっ!り、律先輩!なんで私の胸ぐら掴むんですか…!?」

律「梓…お前…今唯に何をしてた!!?」

梓「…!!」

338: 2010/08/24(火) 18:47:05.01 ID:9bYLYM9O0
梓「調子に乗った唯先輩をおしおきしてあげてただけですよ…」

律「何だと!?」

唯「うう…」グスッ

紬「大丈夫?唯ちゃん…」

唯「あ、ありがとう…」

澪「梓。唯をこうやっていじめる事がおしおきなのか?」

梓「…なんですか?律先輩も澪先輩もムギ先輩も唯先輩の味方ですか?」

341: 2010/08/24(火) 18:50:40.88 ID:9bYLYM9O0
律「味方とかそういうのじゃないだろうが!!」

梓「…いい加減放してくださいよ!」

バッ!

律「あっ!」

唯「ひっく…」グスッ

紬「大丈夫よ…大丈夫だから唯ちゃん…」

澪「私達がいるからな…」

梓「…なんですか?この状況。まるで私が悪者みたいじゃないですか」

律「その通りだろ」

梓「…律先輩達はもう唯先輩を許したっていうんですか!?」

律「ああ。もう許した」

梓「なっ…!?」

346: 2010/08/24(火) 18:55:53.64 ID:9bYLYM9O0
梓「…わかりました!よくわかりました!!」

律「何がだよ」

梓「律先輩達3人も唯先輩と同じって事がですよ!」

澪「どういう意味だ!?」

梓「話しかけるな!…4人とも…4人とも絶対に許しませんから」

紬「え…?」

梓「唯先輩みたいなクズに味方する3人もクズってことですよ!」

律「…てめえ!!」

バッ

梓「ひっ…!」

唯「止めてりっちゃん!!」

ピタ

律「唯…」

384: 2010/08/24(火) 21:29:47.23 ID:9bYLYM9O0
唯「暴力は…よくないよ」

律「…そうだな」

梓「ふん。こんな時だけ被害者面ですか。キャラ作っててそんなに楽しいですか?」

唯「うう…」

紬「梓ちゃん!唯ちゃんを責めるのは止めて!」

澪「そうだ!唯はな…私達に謝ったんだぞ」

梓「謝った?謝れば許すんですか?…先輩達、みんな落ちぶれましたね」

律「落ちぶれたのはお前だろ」

梓「くっ!もういいです!放課後ティータイムには二度と戻りません!!!」

スタタタ

澪「梓!」

385: 2010/08/24(火) 21:32:50.94 ID:9bYLYM9O0
唯「あずにゃん…」

律「はあ…あいつはほっとこうぜ」

澪「でも…!」

律「今の梓を止めるのは無駄だ」

澪「う…」

紬「…そうね。梓ちゃんは何を言っても無理ね…」

唯「うう…」グスッ

律「泣くなよ唯…」

唯「だって…あずにゃんがあんなになったの…私の責任なんだよ…」グスッ

386: 2010/08/24(火) 21:36:26.88 ID:9bYLYM9O0
澪「そんなこと無いさ…!」

唯「あるよ…。私が人気者になった時に調子乗ったから…。私が前にりっちゃんに殴られた時、あずにゃんは怒ってたし…。あの時、私が部屋から出た後にあずにゃんは何か言ってた…?」

律「それは…」

紬「えーと…」

唯「何か…言ってたんだね…」

澪「…梓は唯みたいに人気者になりたいって言ってた」

唯「…」

律「唯の事が悔しかったみたいだったな…」

387: 2010/08/24(火) 21:37:17.53 ID:9bYLYM9O0
唯「…やっぱり…私の責任だ~!」グスッ

紬「唯ちゃん落ち着いて!唯ちゃんは何も悪くないわ!」

律「いや…唯にも悪い所はある」

澪「律!」

律「本当の事だろ。梓があんな風になったのは唯にも原因がある!」

唯「うう…」ポロポロ

澪「律!また泣かしてどうするんだよ!」

律「だからな!唯!」

唯「…ん?」ポロポロ

388: 2010/08/24(火) 21:40:01.35 ID:9bYLYM9O0
律「…梓に戻って来てほしいか?」

唯「…うん」グスッ

律「だったらまずは私達4人で頑張ろう。放課後ティータイムとしてだ!」

紬「4人で…」

澪「梓はやっぱりほっとくのか…」

律「ああ。梓は芸能界で好きにさせてやる」

澪「まあ、今はその方がいいか…」

律「唯…お前が一番頑張れよ」

唯「え…」

389: 2010/08/24(火) 21:40:56.75 ID:9bYLYM9O0
律「いいか!これから私達は放課後ティータイムとして頑張って頑張って自分達の力で人気者になるんだ!」

唯「放課後ティータイムとして…」

律「ああ!それで、梓の奴を見返してやるんだ!」

澪「見返すって…」

律「梓の奴に放課後ティータイムに戻りたいって思わせるんだよ!」

唯「あずにゃんに…」

390: 2010/08/24(火) 21:41:57.68 ID:9bYLYM9O0
律「そうだ!…私はまた5人でバンドやりたいからさ…」

紬「それは私もよ!」

澪「私もだ!」

唯「…うん。わかった!あずにゃんを取り戻すために頑張ろう!私が頑張らなきゃ!」

律「そうだ!その意気だ!」

澪「じゃあしばらくは4人での活動だな」

紬「梓ちゃんに戻って来てもらう為にね…!」

唯「よし!放課後ティータイムとして頑張るぞー!」

律「おお!!!」

392: 2010/08/24(火) 21:50:27.09 ID:9bYLYM9O0
フジテレビ

ヘキサゴン収録現場

紳助「梓ちゃん。今日もいい味出してたで」

梓「ありがとうございます」

紳助「さて。梓ちゃんはこれから2枚目のシングルのレコーディングやな」

梓「はい」

紳助「2枚目も売れるとええね」

梓「はい」

…どうせ自分の利益の事しか考えてないんでしょ

まあ、私をここまで利用してるという事は私が人気者だという証拠…

そろそろキャラを変えてテレビに出たほうがいいかな…。みんなに飽きられてくるころだし…

395: 2010/08/24(火) 22:15:08.24 ID:9bYLYM9O0
事務所

律「来週のスケジュールが決まったぞ!」

澪「来週はいくつだ?」

律「ふふ…なんと4つもあるぞ!」

紬「4つも!?」

唯「凄い!」

律「まあ…多分、唯が戻った効果だな」

唯「え?私?」

澪「唯はテレビに沢山出てたからさ…。まだ記憶に残ってる人は沢山いるんだよ」

396: 2010/08/24(火) 22:15:41.79 ID:9bYLYM9O0
律「知名度の効果だな」

唯「うーん…。それじゃあ、実力で仕事が増えたことにならないよう…」

律「ポジティブに考えるんだ!仕事が増えたということは色んな人に私達のライブを見てもらうという事だ!」

紬「少しの人にでも放課後ティータイムを知ってもらうって事ね!」

律「ああ!その通りだ!」

ガチャ

律「ん?」

マネージャー「皆さん。これから放課後ティータイムのマネージャーを務めさせてもらう○○です」

澪「わ、私達にマネージャー!?」

唯「あ!この人、私のマネージャーの人だ!」

398: 2010/08/24(火) 22:16:31.58 ID:9bYLYM9O0
マネージャー「これからは放課後ティータイム全体のマネージャーをやることになってね。まあ、少しは忙しいだろうから」

紬「ありがとうございます!」

マネージャー「…それで、上の人からの進めなんだが…これに出場してみないか?」

サッ

唯「なんのチラシ~?」

律「…!バンドの大会!?」

マネージャー「君達。人気者になりたいそうだね」

唯「はい!!」

マネージャー「この大会で優勝したら人気者になれるんじゃないか?結構な大手の大会だしな」

律「…!」

400: 2010/08/24(火) 22:18:35.38 ID:9bYLYM9O0
澪「そ、そうかもしれませんけど…この大会に出るとしたら練習が必要だし…」

紬「大会の日にちは今から1ヶ月後ね…」

マネージャー「この大会に出るというのなら…スケジュールは私がなんとかしよう!」

律「えっ!?」

マネージャー「君達の練習を優先させると言っているんだ」

澪「ど、どうする…?」

律「出るに決まってるだろ!!」

唯「うん!人気者になれる大チャンスだよ!自分達の実力で!」

401: 2010/08/24(火) 22:19:44.29 ID:9bYLYM9O0
澪「…でも、優勝出来なかったら…」

律「人生大きく見ないと人気者になんかなれない!」

唯「うん!思い切らないと!」

紬「…そうね。思い切りましょう!」

澪「…わかったよ。覚悟を決めよう」

マネージャー「じゃあ出るということでいいんだね」

律「はい!!!」

唯「お願いします!」

マネージャー「じゃあ…上の人に伝えておくよ」

ガチャバタン

404: 2010/08/24(火) 22:25:41.94 ID:9bYLYM9O0
律「よ、よし!早くも放課後ティータイムで人気になれるチャンスが来た!」

澪「優勝したら…な」

唯「優勝しようよ!私、頑張るから!!」

紬「こうなったからには、本気で練習しましょう!」

社長室

マネージャー「…という訳で、放課後ティータイムは出場するとの事です」

社長「そうか…。…なんとしても優勝してもらわないとな」

マネージャー「はい…」

社長「放課後ティータイムが優勝すれば間違えなく我が事務所の支え役となる!一か八かの賭けだ!」

マネージャー「実力は社長も前々から認めていましたしね」

社長「ああ。だからこそこの賭けに出たのだ…」

419: 2010/08/24(火) 23:41:09.58 ID:9bYLYM9O0
さるさんにならないように頑張ります。

420: 2010/08/24(火) 23:41:52.16 ID:9bYLYM9O0
梓が乗ってる車

マネージャー「さて。次は日テレに移動だよ」

梓「はい」

マネージャー「梓ちゃん。2枚目のシングルも見頃初登場1位だよ」

梓「そうですか」

マネージャー「あれ?あんまり嬉しく無さそうだね…」

梓「3枚目で1位だったら喜びますよ」

マネージャー「あ、ああ…」

梓「私は常に先の事を考えてますからね」

マネージャー「頭脳派だな…梓ちゃんは…。…そういえば、放課後ティータイムの話は聞いたかい?」

梓「…別に」

421: 2010/08/24(火) 23:42:37.97 ID:9bYLYM9O0
マネージャー「大手の大会に参加するみたいなんだ」

梓「…そうですか。別にどうでもいい事ですね」

マネージャー「そ、そう…」

梓「…」

バンドの大会に出場って…

優勝でも狙ってるんですか…あの4人…

梓「…その大会」

マネージャー「ん?」

梓「その大会、いつ頃やるんですか?」

マネージャー「あ…今から1ヶ月後って聞いたよ」

梓「そうですか」

1ヶ月後か…

今頃、必氏に練習してるのだろうか…

唯先輩も…

424: 2010/08/24(火) 23:45:07.35 ID:9bYLYM9O0
事務所

律「…ふう」

澪「今日の練習はこれくらいにするか?」

紬「そうね。今日は朝から夕方までずっとやってたし」

唯「疲れちゃったよ…」

律「おいおい。唯は一番頑張らないといけないんだぞ~」

唯「わかってるよ~」

澪「唯は頑張ってるだろ。今までよりはずっとな」

紬「唯ちゃんはやる気出してるわよ」

律「まあ…私も見ればわかるよ」

澪「なんだ…わかってるんじゃないか」

427: 2010/08/24(火) 23:45:45.09 ID:9bYLYM9O0
唯「みんなありがとう~。…あ!これ、憂からの差し入れだよ」

サッ

律「お!おにぎりか」

唯「憂がみんな頑張ってるからっておにぎり作ってくれたんだ~」

律「ありがたいな!」

澪「いただくか」

紬「いただきます」

モグモグ

紬「うん。美味しい」

律「…憂ちゃんも応援してくれてるんだな」

430: 2010/08/24(火) 23:46:18.72 ID:9bYLYM9O0
唯「憂だけじゃないよ!日本中の全員が応援してくれてるよ!」

澪「それはさすがに大げさじゃないか…?」

律「まあ、そう思った方がやる気は出るだろ」

唯「うん!」

澪「大会まで…もうすぐだな」

紬「あと一週間ね」

431: 2010/08/24(火) 23:47:10.96 ID:9bYLYM9O0
そして、大会当日

ジャカジャカジャーーーン

司会「以上、放課後ティータイムの皆さんでしたー」

唯「ありがとうございましたー!」

パチパチパチパチ

司会「では、続いてのグループは…」

唯「…私達、うまくできたよね?」

律「ああ!私はもう満足だ!優勝できたらもっと満足だ!」

澪「でもやっぱり優勝は難しいよ…」

紬「私、優勝できなくても悔いはないわ。こんなに頑張ったんだもの」

唯「うん…!そうだね!」

436: 2010/08/24(火) 23:50:57.34 ID:9bYLYM9O0
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司会「…えー。優勝者発表です!」

司会「優勝は…放課後ティータイムの皆さんです!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

唯「…え?」

律「んなっ!!?」

紬「う、ウソ…」

澪「ウソじゃない!本当だ!」

唯「ゆ、優勝しちゃった!!」

律「や、やったぞ!まさか、本当に優勝するなんて!」

一同「やったああああああ!」

唯「これで人気者…いや、放課後ティータイムとして芸能界で生きていける!」

443: 2010/08/24(火) 23:57:57.07 ID:9bYLYM9O0
事務所

マネージャー「優勝おめでとう!」

律「い、今でもウソみたいだ…」

唯「私達…本当に優勝したんだね…」

紬「ええ!これで…梓ちゃんは…」

澪「戻ってきてくれる!」

マネージャー「…まあ、何を考えてるかよくわからないけど…これから忙しくなるよ」

唯「はい!」

律「わかってます!」

唯「夢だった放課後ティータイムの忙しい日々の始まりだね!」

445: 2010/08/24(火) 23:58:38.51 ID:9bYLYM9O0
数日後

某テレビ局 梓の楽屋

梓「優勝!?放課後ティータイムが!?」

マネージャー「ああ…。まさか優勝するなんてな…」

梓「ヤラセじゃないんですか!?」

マネージャー「そんな話は事務所から聞いてない。まあ、そう疑ってる人も何人かいるみたいでね。でも社長は何もしてないって…」

梓「実力で優勝したって事ですか?」

マネージャー「そう思うしかないかな」

446: 2010/08/24(火) 23:59:36.54 ID:9bYLYM9O0
梓「…」

何…これ

放課後ティータイムは自分達の実力で人気者になった

私は…自分の力で人気者になってない…

他人の力で人気者になってる…

…悔しい。また違った悔しさが私の中にある…

梓「…私。今日は帰ります」

マネージャー「え!?ちょっと梓ちゃん…まだこれから3つ仕事が…」

梓「帰ります!帰らせて下さい!!!」

ガチャバタン

マネージャー「あ、梓ちゃん~!」

447: 2010/08/25(水) 00:03:42.22 ID:l9r2L9aP0
1ヶ月後

梓の家

梓「…」

『今話題の放課後ティータイムのデビューシングルが発売されました』

『あの平沢唯ちゃんがいるバンドですよね』

『初登場1位が予想されますね』

『今夜のミュージックステーションにも放課後ティータイムは出演するそうで』

ピッ

梓「…はあ」

ヴーン ヴーン

梓「ん…。マネージャーか」

448: 2010/08/25(水) 00:06:08.72 ID:l9r2L9aP0
ピッ

マネージャー『梓ちゃん頼むよ~。そろそろ仕事してくれよ~。どうしちゃったのいきなり!先の事考えてるんじゃなかったの?』

梓「…今は仕事したくない気分なんです」

マネージャー『そんな事言ったってさ。仕事しないと暮らせないよ』

梓「そこは大丈夫です。今まで稼いだお金があれば半年は遊んで暮らせますよ」

マネージャー『そうかもしれないけ…』

ピッ

梓「うるさいマネージャーだな…」

梓「はあ…」

449: 2010/08/25(水) 00:06:54.90 ID:l9r2L9aP0
梓「…放課後ティータイムか…」

…情けない。こんな事を思ってしまってる自分が情けない

放課後ティータイムに戻りたい…

私は二度と戻らないって唯先輩達に言った…

今更、戻ることなんて出来ないに決まってる

それに、放課後ティータイムが人気者になたっとたんに戻りたいなんて…調子が良すぎるよ。私…

454: 2010/08/25(水) 00:13:29.92 ID:l9r2L9aP0
更に1ヶ月後

事務所

マネージャー「来週は、計13番組に出演だ」

唯「多いね~」

澪「そこまで知名度上がったのか…私達…」

マネージャー「まあ、3週連続デビューシングルがベスト3に入ってたら知名度は上がるでしょ」

律「3週連続か…本当にウソみたいだな…」

マネージャー「…あ。それと…あの島田紳助さんが放課後ティータイムの曲の作詞をしたいって言ってきてるんだよ」

紬「えっ?」

マネージャー「紳助さんの番組からかなりオファーが来てるんだけど…」

458: 2010/08/25(水) 00:16:14.19 ID:l9r2L9aP0
唯「全部断ってください!」

マネージャー「え…」

律「唯…」

唯「あの人とはもう関わらないって決めたんです!」

澪「…私からもお願いします」

紬「そうね。断わりましょう」

律「うん。唯が言うなら断わろう」

マネージャー「い、いいのかい?あの紳助さんが…」

唯「じゃあこう伝えといてください。私を少しの間紳助さんの力で人気者にしてくれてありがとうって」

マネージャー「あ…え?…わ、わかった…」

462: 2010/08/25(水) 00:19:53.48 ID:l9r2L9aP0
マネージャー「じゃあ、あとは適当に話し合っておいて」

ガチャバタン

唯「…あ。みんな、ごめんね。私が勝手に断わっちゃって」

律「いいんだよ。メンバーの誰かが嫌だったらその仕事は断わるべきだ」

紬「そうよね」

澪「…心残りが一つだけあるよな」

律「…」

紬「…」

唯「来ないね…あずにゃん…」

468: 2010/08/25(水) 00:24:43.98 ID:l9r2L9aP0
数週間後

梓の家

タモリ『暑いですねー』

客『そうですねー』

梓「…はあ。ここ1週間は外に出てないなあ…」

梓「その間…放課後ティータイムの皆さんは…」

タモリ『では昨日のロック歌手のsawaさんからのご紹介で放課後ティータイムの皆さんです』

梓「…!!」

唯『こんにちは~』

澪『お邪魔します』

律『タモリさんこんにちは!』

紬『テレフォンに出るの夢だったの~』

梓「み、皆さん…」

471: 2010/08/25(水) 00:28:00.94 ID:l9r2L9aP0
梓「はあ…いいともか…。私は出れなかったなあ。そこまで人気者になったんですね」

タモリ『放課後ティータイム。こないだMステで会いましたね~』

律『あの時はありがとうございました』

タモリ『いえいえ。…えー。資料によると…あれ?君達5人組なの?』

梓「…!?」

紬『はい。私達、5人組のバンドなんです』

タモリ『初めて知ったねー。4人しかいないから4人組とばかり』

唯『ちゃんともう一人…大事な人がいますよ!』

477: 2010/08/25(水) 00:31:33.64 ID:l9r2L9aP0
タモリ『大事な人?それは誰だい?』

唯『あずにゃんです!』

梓「…!!」

タモリ『あずにゃん?誰だそれ?』

澪『ちょっと唯。タモリさんにはわからないだろ』

唯『あ…。中野梓ちゃんです!』

タモリ『中野梓…。…え!?あの子!?』

客『おおおおおお~』

タモリ『それはビックリしたな~。てっきりソロアーティストとばかり思ってたよ。あの子は』

紬『梓ちゃんも大事な一員なんですよ』

タモリ『でも、4人で行動してるのは何でなのかな?』

律『それは…』

483: 2010/08/25(水) 00:35:06.87 ID:l9r2L9aP0
タモリ『あ。言いづらいんなら別に言わなくてもいいよ』

唯『あずにゃんは…いつか放課後ティータイムに戻って来ます!!』

梓「なっ…!?」

律『唯!梓が見てたらどうするんだよ!』

唯『あずにゃん~。見てる~』

澪『話しかけちゃったよ…』

梓「唯先輩…」

唯『あずにゃん。思った通りに動いていいんだよ。あずにゃんは永遠に放課後ティータイムのメンバーだって事だけは忘れないでね!!!』

タモリ『なんか泣かせるね~』

客『アハハハハハ』

梓「…」ポロポロ

梓「うう…唯先輩…」グスッ

485: 2010/08/25(水) 00:38:36.15 ID:l9r2L9aP0
数日後

事務所近くの街中

唯「ふう。今日も忙しかったなー」

律「それにしても唯。こないだのいいともでの発言はビックリしたぞ」

紬「いきなり梓ちゃんの話をするんだもの」

唯「え?別にいいじゃん。あずにゃんの事が気になったんだし」

澪「気になったってさ…。…!!!」

律「ん?どうした?澪」

澪「あ、あそこ!!」

唯「ん?…あ!!!」

梓「あ!!!」

唯「あ、あずにゃん!!!」

486: 2010/08/25(水) 00:41:02.86 ID:l9r2L9aP0
梓「み、皆さん…」

澪「…ここは事務所への道だよな。…梓、もしかして…」

唯「放課後ティータイムに戻りたいんだね!!!」

律「唯!そんなハッキリと…」

紬「梓ちゃんに言わせないと!」

梓「う…。そ、そんなんじゃないですよ!!!」

スタタタタ

律「あ!梓!待てよ!」

唯「待って!あずにゃん!!」

スタタタ

紬「唯ちゃんが追いかけたわ!」

澪「私達も追いかけよう!」

律「ああ!」

488: 2010/08/25(水) 00:44:14.27 ID:l9r2L9aP0
梓「…っ」

スタタタタ

律「梓の奴…道路を抜けて逃げたぞ」

唯「待って!あずにゃーーーん!」

紬「唯ちゃんも道路に!」

キキーーーーーーー

唯「…!!!」

ドンッ!!!

澪「え…。トラックに…」

梓「…!」

ピタッ

梓「唯…先輩…?」

491: 2010/08/25(水) 00:46:23.28 ID:l9r2L9aP0
律「ゆ、唯がトラックに轢かれたあああああああ!!!」

紬「ゆ、唯ちゃん~~~!!!」

澪「唯いいいいいいいいいい!!!」

スタタタタ

梓「ゆ、唯先輩!!!」

トラック運転手「ひ、人轢いちゃったよ…。あれ?どっかで見たような…」

唯「う、う…うう…」

律「唯!!!」

494: 2010/08/25(水) 00:48:37.77 ID:l9r2L9aP0
梓「唯先輩!!大丈夫ですか!!?」

律「おい!唯!!!」

澪「しっかりしろ!!!」

紬「い、嫌あああああああ!!!血が…血が大量に!!!」

ザワザワ

トラック運転手「い、今救急車呼ぶから!!!」

梓「唯先輩!!!唯先輩!!!」ポロポロ

唯「…へへ。あずにゃん…私のところに…来てくれたね…」

505: 2010/08/25(水) 00:54:21.09 ID:l9r2L9aP0
律「唯!!!もうすぐ救急車が来るから!!!」

唯「無駄だよ…トラックにまともに当たったんだ…自分の命の終わりくらいわかるよ…」

澪「んなっ!!?」

唯「ハァ…ハァ…」

紬「ゆ、唯ちゃん…」

律「お、お前!!!こんな所で氏ぬなんて許さねえぞ!!!」

唯「…べ、別に…今ここで氏んでも悔いはないよ…」

梓「ウソだ!絶対ウソです!!!唯先輩…」ポロポロ

509: 2010/08/25(水) 00:56:33.56 ID:l9r2L9aP0
唯「ウソじゃないよ…だってあずにゃん…放課後ティータイムに戻りたいって思ってくれたんでしょ…」

梓「…はい。私…戻りたかった!!!放課後ティータイムに!!!」

澪「梓…」

唯「…心残りは一つだけあるかな…。あずにゃんが加わった…5人の放課後ティータイムの忙しい日々を見れなかったことかな…」

紬「唯ちゃん…」グスッ

唯「でも大丈夫…これからは4人で頑張ってよ…私も、応援…してるから…」

律「ゆ、唯いいいい…」ポロポロ

澪「うう…ううっ!」ポロポロ

515: 2010/08/25(水) 00:59:58.83 ID:l9r2L9aP0
唯「泣かないでよ…みんな…。…放課後ティータイムのみんなに伝えたいことがあるんだ…憂や他のみんなにも…」

律「…」グスッ

梓「唯…先輩」ポロポロ

唯「…こんなわがままで自分勝手な私と…今までずっと…」

紬「…」ポロポロ

澪「うううっ…」ポロポロ

唯「一緒に過ごしてくれて…ありがとう…!!!」

唯「…」

スッ

梓「…!!!」

その時…唯先輩は氏にました

律「ゆ、唯いいいいいいいいいいいいい!!!」

520: 2010/08/25(水) 01:02:54.97 ID:l9r2L9aP0
数ヵ月後

マネージャー「じゃあ、放課後ティータイムの4人。今日も忙しいよ」

律「4人じゃない!5人です!!」

マネージャー「あ…そうだったね。放課後ティータイムの5人。頑張ってね」

澪「はい!」

紬「今日も頑張りましょう!」

梓「勿論です!」

唯先輩もきっと天国から私達を応援してくれている

だから放課後ティータイムは永遠に5人です…

いつまでも…いつまでも…!!!

525: 2010/08/25(水) 01:05:59.45 ID:l9r2L9aP0
梓「…って夢を昨日見たんですよ」

律「…へ、へー」

梓「ちょっと!皆さん聞きましたか!?」

澪「いや…余りに壮大すぎてな」

梓「こうならないようにこれから頑張りましょう!」

紬「まあ、まだ大学の受験も始まってないけどね」

唯「ってかなんで夢の中で私を頃すのさ!ひどいよあずにゃん~」

梓「そんなの夢に文句言ってくださいよ!」

唯「もう!おしおきだよ!」

ダキッ

梓「ゆ、唯先輩やめて~」

おわり

528: 2010/08/25(水) 01:06:52.46 ID:VCbzKbPi0
えっ

529: 2010/08/25(水) 01:06:59.86 ID:l9r2L9aP0
終わりです。読んでくれた人ありがとう。

ウソップとエースのパロはついやっちゃった。

532: 2010/08/25(水) 01:08:43.58 ID:VD8s8PVI0
よく読むと唯氏ぬとこ全部エースだった

引用元: 唯「私達、放課後ティータイムとしてデビューはしたけど」