184: 2018/08/21(火) 09:38:08.36 ID:FJIN7o3jo
書きます


武内P「腕相撲、ですか」
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場 (電撃コミックスEX)
185: 2018/08/21(火) 09:41:57.65 ID:FJIN7o3jo
拓海「おう、勝負しようぜ」

武内P「あの……何故、でしょうか?」

拓海「あ? 逃げんのか?」

武内P「いえ、理由が……気になりまして」

拓海「そんなの決まってんだろうが」


拓海「アンタが怪力だって聞いたからだよ」


武内P「……」

武内P「……はあ」

186: 2018/08/21(火) 09:45:37.21 ID:FJIN7o3jo
拓海「っつーわけで、やんぞ!」

武内P「いえ、しかし……男性と女性の差もありますし」

拓海「……チッ、ゴチャゴチャうっせーな」

武内P「……」

拓海「んだよ、やりたくない理由でもあんのか?」


武内P「はい」

武内P「その、腕相撲をしたら……手を繋ぐことになります」

武内P「私は、それが恥ずかしいと、そう、思います」


拓海「……」

拓海「はあ!?」

187: 2018/08/21(火) 09:48:11.19 ID:FJIN7o3jo
拓海「待て待て待て! なんだそりゃ!?」

武内P「? そのままの意味ですが……?」

拓海「テメエ! アタシを女と思ってナメてんのか! あぁ!?」

武内P「っ!? 待ってください、誤解です!」


武内P「女性と手を握るのが、恥ずかしい」

武内P「……これは、私自身の問題です」


拓海「……」

拓海「お、おう!?」

189: 2018/08/21(火) 09:52:25.15 ID:FJIN7o3jo
拓海「……まあ、そういう事なら、しょうがねえか」

武内P「申し訳、ありません」

拓海「悪ぃ、邪魔したな」

武内P「いえ……お仕事、頑張ってください」

拓海「おう」


拓海「――って、やっぱりナメてんだろ!?」

拓海「女と手を握るのが恥ずかしいだぁ!?」

拓海「いくらなんでも、そんなんで騙されるかよ!」


武内P「っ!?」

190: 2018/08/21(火) 09:56:45.67 ID:FJIN7o3jo
拓海「テメエは、プロデューサーをやってンだろうが!」

武内P「は、はい! ですが、接触する必要もなく!」

拓海「アイドルと関わってて、んな筈あるかよ!」

武内P「いえ、ですが!」

拓海「手を握る位なんだっつーんだよ!」


拓海「オラ! こうしてだな――」

スッ―

武内P「っ!?」

―スカッ


拓海「……テメエ、避けやがったな?」

武内P「……はい」

191: 2018/08/21(火) 10:00:15.35 ID:FJIN7o3jo
拓海「オイ……何で避けた?」

武内P「いえ、ですから……恥ずかしいので」

拓海「おうおう、そうかそうか」

武内P「はい」


拓海「それならしょうがね――」

スッ―

武内P「っ!?」

―スカッ


拓海「クソが! 不意をついても無理か!」

武内P「向井さん、やめてください!」

192: 2018/08/21(火) 10:04:50.14 ID:FJIN7o3jo
武内P「何故、このような真似を!?」

拓海「あぁ? 面白そうだからに決まってんだろ」

武内P「お願いします! どうか、やめてください!」

拓海「アイドルは、握手会もするだろ? だから――」


拓海「オラオラァ!」

スッ、スッ!

武内P「っ!?」

トンッ……スタッ!


拓海「バックステップで距離を取ってんじゃねえ!」

武内P「すみません! ですが、考え直してください!」

193: 2018/08/21(火) 10:12:15.58 ID:FJIN7o3jo
拓海「お前……アタシを本気にさせたな?」

武内P「そんなつもりは、決して!」

拓海「こうなったら、意地でも手を握ってやんよ!」

武内P「どうしてそうなるのですか!?」

拓海「特攻隊長、向井拓海! 行くぞオラァ!」


拓海「――らっ、羅武璃~♪」

拓海「たくみんと、握手しよー!」

スッ…


武内P「……」

拓海「……」

武内P「……」

拓海「……」


拓海「ふっざけんじゃねえぞコラァァ!/// オラァァ!///」


武内P「自爆なのに! 待ってください……自爆なのに!」

195: 2018/08/21(火) 10:21:48.91 ID:FJIN7o3jo
拓海「ぜってぇ潰す! 手を握り潰す!」

武内P「すみません! この通りですので、どうか!」

拓海「うるせえ!」

武内P「っ!?」


拓海「ぜってえ逃さねえ!」

拓海「まずは、テメエの手を握る!」

拓海「じゃねえと、アタシのプライドが許さねえ!」


武内P「助けてください!」

武内P「誰か、助けてくださ――いっ!」


拓海「ソッコーで助けを呼んでんじゃねえええ!!」

196: 2018/08/21(火) 10:26:19.65 ID:FJIN7o3jo
拓海「でけえ図体して、プライドっつーもんがねえのか!?」

拓海「恥ずかしいとは思わねえのかよ、アァン!?」

武内P「それは……重々、承知しています」

武内P「……ですが」


武内P「女性と手を繋ぐ方が、恥ずかしい」

武内P「……私は、そう思います」


拓海「オラァ!」

スッ!

武内P「っ!?」

サッ!


拓海「チッ! 惜しい!」

武内P「話を! どうか、話をきいてください!」

197: 2018/08/21(火) 10:31:44.95 ID:FJIN7o3jo
拓海「っつーか、そんなんでやってけてンのか?」

武内P「ええ、それに関しては、問題ないかと」

拓海「テメエんトコのアイドルと触れる時もあんだろ」

武内P「そう、ですね」

拓海「……そん時はどうしてんだよ?」


武内P「こう……逃げないよう、丹田に力を込めて、ですね」

武内P「自分と、相手の間に見えない壁がある、と」

武内P「……そう、イメージして乗り切っています」


拓海「……お前、それぜってぇ担当に言うんじゃねえぞ!?」

198: 2018/08/21(火) 10:37:51.64 ID:FJIN7o3jo
武内P「はい。私も、お伝えするつもりはありません」

拓海「……まあ、ショックを受けるだろうしな」

武内P「そう、でしょうか?」

拓海「あぁ? そうに決まってンだろ」

武内P「……私の考えでは、ですね」


武内P「面白がって、過剰なスキンシップを取ろうとする、と」

武内P「……そう、なると思っています」


拓海「……」

拓海「なるな、間違いなく」

199: 2018/08/21(火) 10:43:27.45 ID:FJIN7o3jo
拓海「恥ずかしがるの、治そうとすんだろ」

武内P「……ええ」

拓海「はっは! そうなったら大変だな、えぇ?」

武内P「はい」

拓海「……で、だ」

武内P「? はい」


拓海「アタシは、その秘密を知ったんだが」

拓海「……アンタ、どう思う?」


武内P「……」

武内P「っ!?」

200: 2018/08/21(火) 10:48:27.48 ID:FJIN7o3jo
武内P「ま、待ってください! あのっ!?」

拓海「なーに、別に言いふらそうなんて言っちゃいねえよ?」

拓海「でもなぁ、黙っててやる義理もねえよなぁ~?」

武内P「っ……!」

武内P「では……どうしたら、内密にしていただけるのですか?」


拓海「決まってんだろ」

拓海「――腕相撲だよ」


武内P「……」

武内P「……わかり、ました」

201: 2018/08/21(火) 10:53:48.72 ID:FJIN7o3jo
武内P「向井さんとの腕相撲……お受けいたします」

拓海「ははっ! そうこなくちゃな!」

武内P「一回だけで、構いませんか?」

拓海「おう! 一回やりゃ、力がわかるってもんだぜ!」

武内P「精神集中するので……少し、お待ちいただけますか?」

拓海「ああ、良いぜ! 全力じゃねえと、面白くねえからなぁ!」


武内P「……恥ずかしくない、恥ずかしくない」ブツブツ

武内P「手を握っても、恥ずかしくない……笑顔です」ブツブツ


拓海「そっちかよ」

202: 2018/08/21(火) 10:59:57.92 ID:FJIN7o3jo
武内P「……お待たせしました」

拓海「おう。手を抜いたら、承知しねえぞ」

武内P「はい、わかっています」


拓海「開始の合図は、テメエがやりな」


武内P「いえ、それは、向井さんにお任せして良いでしょうか?」

武内P「恥ずかしくて、声が裏返ってしまうかも……知れませんから」


拓海「お前、ホント何だそれ」


拓海「まあ良い……来いやぁ!」

スッ―

武内P「……」

―ガシッ!

204: 2018/08/21(火) 11:04:44.39 ID:FJIN7o3jo
拓海「……!」

拓海(わかっちゃいたが、でけえ手だ!)

拓海(それに、握ってるだけで威圧感が半端じゃねえ!)

拓海(アタシは、勝てるのか?)

拓海(……違う、そうじゃねえだろ!)

拓海(やるからには勝つ! 弱気んなってんじゃねえぞ!)


武内P「恥ずかしイ(↑)ので、早く!」


拓海「……」

拓海(何より、これに負けたらアタシが恥ずかしい!)


拓海「――オラ、行くぜ!」

205: 2018/08/21(火) 11:10:16.64 ID:FJIN7o3jo
拓海「レディー……!」

武内P「……!」

拓海「ゴー!」


拓海「オラアアアァァァッ!!」


武内P「プロデュウウ――スッ!」


ぐぐぐぐっ、ぺたんっ


拓海「……」

武内P「……これで、秘密にしていただけますね?」


拓海「もう一回! もう一回だ! 今の無し!」


武内P「えっ!?」

武内P「あのっ、今、私が勝ちましたよね!?」

206: 2018/08/21(火) 11:16:26.72 ID:FJIN7o3jo
拓海「テメエ、手加減しやがっただろ!? オイ、コラ!」

武内P「えっ?」

拓海「あんなんじゃ納得出来ねえ! 本気だせっつっただろ!」

武内P「いっ、いえ! ですが!」


拓海「アタシが怪我すると思って、手を抜いたよなぁ!?」


武内P「待ってください! それは、違います!」

武内P「本気でやったら、机が壊れてしまう、と!」

武内P「千川さんに、物凄く怒られると、そう、考えた結果です!」


拓海「それはそれでクッソ腹立つわ!」

207: 2018/08/21(火) 11:25:44.95 ID:FJIN7o3jo
武内P「ですので、その……手を離してくだサ(↑)い!」

拓海「だったら約束しろや!」

武内P「えっ!?」


拓海「今度は、テメエが本気を出せる場所で、再戦だ!」


武内P「わっ、わかりました! わかりマ(↑)したから! 早く!」

拓海「……ふん」

…パッ

武内P「……と、とりあえず、秘密の方は……?」

拓海「保留だ、保留」

武内P「……」

208: 2018/08/21(火) 11:36:22.79 ID:FJIN7o3jo
拓海「良いか!? 再戦、忘れんじゃねえぞ!?」

武内P「……で、ですが……向井さんの手も、破壊してしまいます」

拓海「あぁ!? 鍛え直してくるに決まってンだろうが!」

拓海「次はこうはいかねえぞ、コラァ!」


武内P「……では、私も」

武内P「革の手袋と、衝撃吸収素材を用意しておこう、と」

武内P「……そう、思います」


拓海「へっ、面白ぇ! 覚悟しとけよ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


拓海「ハッ! アタシは、特攻隊長、向井拓海だぞ!」

拓海「……」


拓海「って、お前! その準備、ナメてんだろ!?」



おわり

引用元: 武内P「ムラムラ、ですか」